第223回 放送と青少年に関する委員会

第223回-2020年3月

視聴者からの意見について…など

2020年3月24日、第223回青少年委員会をBPO第1会議室で開催し、6人の委員が出席しました。(1人は、所用により欠席)
委員会では、2月16日から3月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
人間・悪魔・天使などが同居する架空の世界の風俗店を男性主人公が渡り歩く深夜のアニメ番組について、「性的なアニメで、子どもが見たらどうするのか」「ただ下品で過激であるだけでなく、女性をモノ化している」などの意見が、寄せられた件について、委員全員が番組を視聴して、「討論」しました。その結果、議論の内容を議事概要に掲載することにより、「討論」を終了することになりました。
3月の中高生モニターのリポートのテーマは、「1年間で最も印象に残った番組について」でした。26人から報告がありました。モニターからは、ニュース番組でのアフガニスタンでの中村哲医師殺害の報道について「『外国人はおろか、現地の人間ですら近づかないような部族に、用水路の工事への協力を求めに行くと、少し怖そうな首長が出てきて“あなたにすべてお任せします。あなたのような人が来てくれただけで我々はうれしい”と言われた。そういうところの首長こそ優しかったりする』という中村医師の寄稿した内容が読み上げられて、少し目がうるみました。内戦があるような場所でも心温まる、ただの人と人との交流があったこと、そして写真という情報は場面場面を切り取るからこそ効果がある、ということが強く感じられた」、地球の神秘を描いたドキュメンタリーシリーズについて「日本にいても感じられない地球の壮大さを感じることのできる世界の場所など、ワクワクする映像が多いのがこの番組の魅力です。複雑なシステムが偶然重なり、そして奇跡が重なってできたこの星に、私たちが文明を築き上げ、こうして生活していることのすごさを実感します。しかし、文明を発展させすぎたからこそ地球を壊してしまっている人類が『地球にとっての脅威』と語られていました。私たちが環境問題を知り、取り組むことがいかに大切かわかりました」、川崎殺傷事件の報道について「メディアはもっと放送する内容を取捨選択し、本当に必要な情報だけを伝えてほしい、と思いました。さらに取材する際には、取材される側の立場にいったん立って、負担にならないか、考えてから取材をしてほしいです。守るのが当たり前、やるのが当たり前のことがされていないのではないでしょうか」、“交換殺人ゲーム”をテーマにしたミステリードラマについて「ドラマが話題を生むには内容はもちろん、キャスティングも重要なのだと改めて思いました。しかし、最近思うことは、ドラマのチェインストーリーなどが、有料の動画配信サービスでしか見られないことが増えている気がします。…有料であるという点から、動画配信サービスを利用していない人も多くいると思います。誰でも見ることができるテレビドラマのカタチが変わりつつあるのだなと実感しています」などの意見が寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
次回は、4月28日に定例の委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2020年3月24日(火) 午後4時30分~午後6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員

視聴者からの意見について

架空の世界の風俗店を男性主人公が渡り歩く深夜のアニメに対して、「深夜帯とはいえ未成年の目に触れる危険性も高く、性風俗店を肯定的に描いたり倫理上問題がある」「地上波での放送に危機感を覚える。未成年も予約しての視聴可能だ」などとの意見が寄せられた件について、委員全員が番組を視聴したうえで、委員会で「討論」を行いました。
委員からは次のような意見が出されました。

  • *設定がよくないというのはあるが、表現としては別に際どいところはないという感じがする。子どもには“大人向けだから見ちゃいけないんだよ”という程度の会話が家庭で行われればよいのではないか。

  • *アニメに対するリテラシーの問題。決して品のいい話ではないが、子どもに悪影響とは、何がどう悪影響なのかよく分からない。子どもも録画で時間を超えられるが、見ようと思うから見るのであって、見たって何も感じないのではないか。どこまでそれをテレビだからと制約するのかという問題だと思う。

  • *女性蔑視と受け取られかねないから駄目なのではなく、そのスタンスが古く一面的で横暴なところがあり、これは時代には即さない。しかし性という問題について人間を越えたところで描こうとしており、意外と深い発展のあり得るテーマではあると思う。総論的には表現の自由としてこういうものは守ってもいいと思う。

  • *このアニメをテレビの公共の電波に乗せることを考えると、深く議論すべき問題かと思う。ただ青少年委員会の話題ではないと感じる。

  • *放送時間も含め、このアニメの作りが子ども向けではないということがはっきりしているので、青少年委員会で扱うのは難しいと思うが、放送基準の第1章・人権の(4)「人身売買、売買春は肯定的には取り扱わない」ということに関しては、よく考えたほうがいいのではないか。

  • *コミカルに描かれているのでいやらしいという感じはあまりしないが、売買春を肯定的に取り扱っている気がする。人間でない、アニメの世界とは言いながら、ある程度人間社会を象徴している。青少年委員会が取り扱うことではないと思うが、大人向けのアニメの表現についても十分に考えてもらいたいと感じる。

この件は、委員会で出された意見を議事概要に掲載することをもって、「討論」を終了することとなりました。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした3月のテーマは、「1年間で最も印象に残った番組について」でした。「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で26人から報告がありました。
「1年間で最も印象に残った番組について」では、1人で複数の番組を挙げたモニターもおり、全部で24番組への報告が寄せられました。複数のモニターが取り上げたのは『ねほりんぱほりん』(NHK Eテレ)と『水曜日のダウンタウン』(TBSテレビ)の2番組で、それぞれ2人が記述しています。また、特定の番組ではなく、印象に残った事件報道について書いたモニターもいました。
「自由記述」では、先月に続き、新型コロナウイルスへの不安や心配、報道への疑念や信頼性について綴ったモニターが10人いました。
「青少年へのおすすめ番組」では、6つの番組に対する意見が寄せられました。複数のモニターが取り上げたのは4番組あり、『CDTVスペシャル!卒業ソング音楽祭2020』(TBSテレビ)を5人が、『ハートネットTV「あいまいな喪失~震災9年 消えぬ葛藤~』(NHK Eテレ)を4人が、『NHKスペシャル「“奇跡”の子と呼ばれて~釜石 小中学生の震災9年~』(NHK 総合)と『BS1スペシャル 絶望から希望のTOKYOへ~“難民アスリート”たちの挑戦~』(NHK-BS1)をそれぞれ2人が取り上げています。

◆委員の感想◆

  • 【1年間で最も印象に残った番組について】

    • 東日本大震災についてのドラマを見たモニターのレポートを読んで、震災当時幼くて震災のことを覚えていない子どもたちや震災を経験していない子どもたちが、番組を見て追体験という形で記憶や経験を繋ぎ、考えていくというのは良いことだと思った。

    • 学校の授業でドキュメンタリーを見たことがきっかけとなって、その後、そのドキュメンタリーについてネットで調べているうちに別の良質な番組に出会って…ということを書いたモニターがいた。そういうルートがあったのかと今更ながらの発見で、なんだか嬉しい気持ちになった。

    • 『金曜ロードSHOW!「リメンバー・ミー」』(日本テレビ)の感想に、「辛い時も皆で力を合わせれば乗り越えられるんだと明るい気持ちになりました。フィクションの映画ではあるけれど、世界が危機にあるときだからこそ、このハッピーエンドが身に沁みた」とあった。若い人は希望ということがすごく大事なんだなと思った。

    • 『日曜THEリアル!・居場所をください~限界密着・・・壊れていく子どもたち~』(石川テレビ/フジテレビ)を見て、「反面教師と呼んでいいのか分からないけども、他人事ではないと思いました。学ぶべきことが随所に見られました」という感想が寄せられた。「もし自分がそうだったら」と重ね合わせることで生き方を考えることができたという点で意義深いドキュメントだったのだろう。制作者にもそのことを伝えたい。

  • 【自由記述】

    • スタジオなどにお客さんがいなくてリアクションが返って来ないことで、バラエティー番組の出演者のモチベーションが下がっているということをモニターが記述していた。やはりお客さんは大事だと思う。コロナウイルスのこの経験は、いろいろな意味で、テレビ業界に検証すべきことを突き付けていると感じている。

◆モニターからの報告◆

  • 【1年間で最も印象に残った番組について】

    • 『ねほりんぱほりん』(NHK Eテレ)番組の内容はほぼ毎回考えさせられるテーマが多い。これだけでは番組が重い空気になってしまう。だが、チャーミングな人形やその周りの工夫されたセットが雰囲気を和らげている。インタビュアーの聞き方も、うまくゲストの意見や考えを聞きだせていて素晴らしいと思う。全体として面白く、勉強になるものが多い。だが、やや大人向けの内容の物もある。そういったテーマである場合は冒頭に明確に教えてほしいとは思う。録画の技術が発達し、深夜に放送していても人形の見た目から子どもが誤解して視聴する可能性があるためだ。(東京・高校1年・男子)

    • 『水曜日のダウンタウン』(TBSテレビ)この番組の企画はどれも見ていて「誰がこんな企画思いつくんだろう」と思うくらい変わったアイデアのものばかりで見ていて毎回面白いです。「モンスターアイドル」という企画があって、とても印象に残っています。その企画の中で、視聴者に結果を委ねるようなイベントもあってとても面白かったです。(兵庫・中学1年・女子)

    • 『奇跡の星』(NHK Eテレ)理科の授業時間にNHKの他のドキュメンタリーを見てそれをインターネットで調べたところ、この番組が別に出てきて興味をもち、全シリーズを視聴しました。地球の外に出ると当たり前にあるものが何一つ当たり前の存在ではないことに気づく、という内容の話を覚えています。空気、酸素、植物、水、大地など、普段暮らしていて存在が当たり前なもののありがたさ、尊さ、大切さを感じました。また、日本にいても感じられない地球の壮大さを感じることのできる世界の場所など、ワクワクする映像がとても多いのもこの番組のシリーズの魅力です。複雑なシステムが偶然重なり、そして奇跡が重なってできたこの星に、私たちが文明を築き上げ、こうして生活していることの凄さを実感します。しかし、文明を発展させすぎたからこそ地球を壊してしまっている人類が、「地球にとっての脅威」と語られていました。私たちが環境問題を知り、取り組むことがいかに大切か分かりました。夜比較的遅い時間に放送されるのが少し難点ですが、この番組を通して日々の考え方や世界の見方、科学や地学、物理への捉え方が変わります。理科が苦手な私でもその美しさに引き込まれるように見たこのシリーズは一番印象に残っています。(福岡・中学3年・女子)

    • 『いだてん』(NHK 総合)それまでの大河とは一風かわったものであり、“落語”の要素をうまく織り交ぜながら、話が進んでいく様は、全く飽きがこず、楽しむことができた。特に感動したのは、10月13日の回である。戦時中の話で、“落語”“オリンピック”だけでなく“命”も取り入れられた話だった。この回は「いだてん」の中で1つの鍵となっていた、と言っても過言ではないと思う。1年間で最も印象に残った素晴らしい話だった。(東京・中学2年・女子)

    • 『オオカミ少年』(TBSテレビ)ドラマ好きの私にとってドラマのメイキングシーンやNGカットなどドラマの作られている雰囲気を垣間見られるのはとても気になり、今後このような番組が増えるといいなと思いました。(東京・高校1年・女子)

    • 『あなたの番です』(日本テレビ)ドラマが話題を生むには内容はもちろん、キャスティングも重要なのだと改めて思いました。しかし、最近思うことは、ドラマのチェインストーリーなどが、有料の動画配信サービスでしか見られないことが増えている気がします。『あなたの番です』ではヒントとなる物語がhuluでのみ配信されていて、有料であるという点から、動画配信サービスを利用していない人も多くいると思います。誰でも見ることができるテレビドラマのカタチが変わりつつあるのだなと実感しています。こういった面から、『あなたの番です』を今年度見たドラマの中で一番印象に残ったドラマに挙げます。(石川・高校2年・女子)

    • 『知らなくていいコト』(日本テレビ)このドラマは多様な状況の人をたくさん映しているなと思いました。1人1人が少なくとも1つは心に苦しみを抱えているように見えました。だけどそれを外に見せないようにしている姿が毎週、私の頭に残りました。人はそれぞれ違う人生を歩んでいてそれぞれ感じ方も違うけれど、その人が言った言葉の奥には何か本当に言いたかったことが隠されているのかもしれないと思いました。だからこそ、自分も深く考えてから言葉にしようと思いました。相手がもしきついことを私に言ったとしても、言葉を聞いてすぐに落ち込むのではなく考えてから言われたことを吸収しようと思いました。(兵庫・高校1年・女子)

    • 『ラグビー ワールドカップ2019』(日本テレビ)初めて見たため、ルールはわからなかったのですが、一言で言うと非常に感動しました。結果はベスト8という快挙を達成しましたが、その裏には血の滲むような努力があったことは言うまでもありません。日本代表の言葉に「誰も勝つと思ってないし、誰も接戦になるとも思っていない。誰も僕らがどれだけのものを犠牲にしてきたか知らない。勝利を信じているのは僕たちだけ。」というものがありました。この言葉を聞いた時、私は涙が出てしまいました。このように言えるのは本当に努力をしてきたからであり、またその努力が試合の中でも感じられたから、日本中が感動したのだと思います。(奈良・高校3年・男子)

    • 『金曜ロードSHOW!「リメンバー・ミー」』(日本テレビ)この1年は本当にいろいろなことがある1年だったなと思います。今年に入って新型肺炎の流行も始まり、卒業式も短縮。とてもおめでたい気持ちにはなれない時に見たこの映画は、私の心を温めてくれました。辛い時も皆で力を合わせれば乗り越えられるんだと、明るい気持ちになれました。フィクションの映画ではあるけれど、世界が危機にある時だからこそ、このハッピーエンドが身に染みたのかな、と思います。暗いニュースであふれている時だからと暗い気持ちでい続けずに、面白い番組や明るい番組で笑顔になれる現在のテレビは素敵だな、と強く感じました。(佐賀・高校3年・女子)

    • 『報道ステーション』(テレビ朝日)中村哲さんの追悼コーナーが印象に残っています。新聞に寄稿した内容が読まれる時や中村さんの半生、アフガニスタンでの活動内容などの紹介がなされる時に、背景に中村さんの様々な写真が流れていて、その写真は水路を作る少年と話しているものだったりできあがった学校をうれしそうに眺める横顔だったりと、内戦で大変であろう日本から遠く離れた場所で当たり前に時には楽しそうに過ごしている中村さんとアフガニスタンの人々を切りとったものでした。何気なく、『ドクターX』の 後に流れで見ていたのですが、少し怖そうなアフガンの部族の首長(?)と並んで立っている中村さんの写真が流れた時、「外国人はおろか、現地の人間ですら近づかないような部族に用水路の工事への協力を求めに行くと、少し怖そうな首長が出てきて、“あなたに全てお任せします。あなたのような人が来てくれただけで我々はうれしい”と言われた。そういうところの首長こそ優しかったりする」というような寄稿の内容が読み上げられて、よくわからないけれど少し目がうるみました。内戦のような場所でも心温まる、ただの人と人としての交流があったこと、そして写真という「情報」は場面場面を切りとるからこそ効果がある、ということが強く感じられた、そんな番組でした。(福岡・中学2年・女子)

    • 『微笑む人』(愛媛朝日テレビ/テレビ朝日)恋愛ドラマやコメディードラマは確かに見ていて面白いし、見ることで元気がもらえます。しかし、今回のような社会派ドラマではドラマを通じて色々と考えさせられるものがありました。このドラマからは人間とは簡単に言葉で表すことのできない複雑な存在だというメッセージを感じ、これは身に染みるところがあると思います。(愛媛・高校2年・女子)

    • 『FIBA バスケットボールワールドカップ2019 日本 vs アメリカ』(フジテレビ)バスケは世界で広く行われているスポーツにもかかわらず、日本ではあまり人気がなく、日本のプロリーグもここ3、4年で“Bリーグ”という統一リーグがやっと発足したばかりです。去年、八村塁さんがNBAドラフト1巡目9位指名されたことで、一気にバスケ人気が出たとして、その頃からバスケに関連するトピックをテレビで見かけるようになりました。フジテレビさんがワールドカップの日本代表戦をゴールデンタイムの生中継で放送してくださいました。感謝しかありません。(埼玉・高校1年・男子)

    • 『日曜THEリアル!・居場所をください~限界密着・・・壊れていく子どもたち~』(石川テレビ/フジテレビ)反面教師と呼んでよいのかわかりませんが、この番組の内容は他人事ではないと思いました。学ぶべき教訓が随所に見られました。いろんな人に見てもらいたい番組だと思いました。(石川・高校2年・男子)

    • 『きのう何食べた?』(テレビ東京)今回最も印象に残った番組を選ぶのはすごく難しくて、たくさん考えました。ドラマもたくさんあったし、お笑いも第七世代が凄く頑張っていたので悩みましたが、やっぱりこれかな…!と思いました!きのう何食べた?は、料理を作るシーンが本当に美しくおいしそうで今までのドラマにはなかった感じがしました。シロさんがしゃべりながらご飯を作っていくのが印象的で、私が料理をする時も真似をしたりしていました。恋愛のお話なのにクリーンで見やすく、笑って泣けて、本当に楽しくて終わってほしくないドラマでした。(神奈川・高校1年・女子)

    • 『TBCテレビ60周年記念ドラマ「小さな神たちの祭り」』(北海道放送/東北放送)東日本大震災のその後がテーマとなったドラマだったのですが、とても感じるものがありました。震災によって一人生き残った主人公の葛藤や家族に対する思い。「自分だけ幸せになってもいいのか」それに対する「死んだ人は生きている人の幸せを願っている」というセリフがとても印象に残りました。(北海道・中学2年・女子)

    • 番組ではないのですが、川崎市で起こった殺傷事件についての報道が1年間で最も印象に残りました。この人たちはこんなにメディアに囲まれて負担ではないだろうか、などと考えるようになりました。1年間、ニュースを意識して見るようになり、メディアはもっと放送する内容を取捨選択し、本当に必要な情報だけを伝えてほしい、と思いました。さらに取材する際には、取材される側の立場にいったん立って、負担にならないか考えてから取材をしてほしいです。守るのが当たり前、やるのが当たり前のことがされていないのではないでしょうか。(神奈川・高校1年・女子)

  • 【自由記述】

    • ニュースをつけると、大体どのチャンネルもコロナのニュースを報じています。世界中がパニックになっている今、不安をあおるような内容ばかりではなく、正しい予防の仕方や、マスクやティッシュの買いだめをしないなど、正しい情報を伝えて欲しいです。(東京・中学1年・女子)

    • 今、ニュースはどれを見ても新型コロナウイルスの話題で持ち切りです。大変な問題なのでその情報を早く、様々なニュース番組から得られるのは良いな、と思いました。(兵庫・中学1年・女子)

    • 最近はコロナとかでスポーツ系も中止になっちゃうし学校も休校でつまらないです。テレビを見る時間が増えた。(千葉・中学1年・男子)

    • コロナウイルスの影響により無観客でバラエティー番組や音楽番組を収録することが増えています。『月曜から夜ふかし』(日本テレビ)では、(MCの)マツコさんや村上さんが「お客さんがいないとモチベーションも下がり、リアクションも返って来ず、心が折れそうだ」とおっしゃっていました。(群馬・高校1年・女子)

    • コロナについてのテレビ局の報道が偏っている。「治った人数を報道しない」「明らかに専門家ではない人間がコロナについて語っている」など。同じことを何回も繰り返すことで人間は刷り込まれてしまいます。どうかもうこのような報道はしないでほしい。(島根・高校1年・女子)

    • 私が住んでいる県にも感染は広がり、学校は休校になりました。予定されていた、私にとって最初で最後の部活の全国大会も中止になりました。周りには、人生に一度しかない修学旅行や卒業式を行えなくなってしまった人、楽しみにしていたライブやイベントが中止になってしまった人がたくさんいます。みんな、やり場のない怒りを感じていると思います。SNSの力は強く、デマ情報が拡散し、トイレットペーパーの買い占めや、マスクをめぐっての争いなど、私たちの生活の中で何かがゆっくりと壊れて言っているような感じがしています。混乱した状態の中で、冷静になって行動することは難しいことだと思います。一人一人が落ち着くことがコロナウイルスに勝つ最短の道だと、私は思います。(石川・高校2年・女子)

    • 『東日本大震災9年 関連特番 “死者ゼロ”を目指せ~デジタル新時代の
      情報発信とは~』(NHK 総合)私が小6のときに私の住む地域で震度6弱の地震がありました。幸い死者は出ず、大きな被害はあまりありませんでしたが、それでも少し恐怖はありました。だからテレビや防災無線から流れる“情報”はすごく頼りになり安心できました。私がこの番組で気になったことは災害時にできる情報の空白地帯についてです。情報の空白地帯はその地域が外部に情報を発信できない時などにできるそうです。そういう地域をなくすためのひとつの方法にメディアどうしの連携があるそうです。もし事前に局ごとの連携があればもっと広い地域の情報を得ることができます。それぞれのメディアに合った方法で情報のニーズに答えてほしいです。(鳥取・中学3年・女子)

    • 『恋はつづくよどこまでも』(TBSテレビ)というドラマは、ドラマで視聴率を獲得しやすい医療ものと恋愛ものを組み合わせ、視聴者がより満足できるように原作を変えているところもあり、需要と供給がつり合っていると思いました。(東京・高校2年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『ハートネットTV「あいまいな喪失~震災9年 消えぬ葛藤~」』(NHK Eテレ)「いないけどいる」「故郷であって故郷でない」住人の言葉がとても心に残りました。行方不明者であってまだ亡くなっているとはわからない。でも戻ってこない現実と向き合わなければいけない。津波によって町の風景が変わってしまった故郷。でもそれは確かに自分の故郷。もしこれが自分だったら、そのようなことも考えることができました。(北海道・中学2年・女子)

    • 『ハートネットTV「あいまいな喪失~震災9年 消えぬ葛藤~」』(NHK Eテレ)大切なものを突然失った喪失感をぬぐい切れないことに共感しました。私も同じ立場に立った時一歩を踏み出せるようになれたらいいなと思いました。(石川・高校2年・男子)

    • 『CDTVスペシャル!卒業ソング音楽祭2020』(TBSテレビ)学校が休校になって、イベントも中止になったりする中、このような番組があると良いなと思いました。(神奈川・高校1年・女子)

    • 『CDTVスペシャル!卒業ソング音楽祭2020』(TBSテレビ)コロナウイルスの影響で卒業式を行うことができなかった人達に、変わりに卒業式をどうぞ‼という熱意が伝わってきました。私の好きなアーティストの曲も聴くことができ、とても良かったです‼(広島・高校2年・男子)

    • 『NHKスペシャル「“奇跡”の子と呼ばれて~釜石 小中学生の震災9年~」』(NHK 総合)大切な人を失った悲しみや辛さ、残された自分が生きていく意味、やるべき使命などを考えながらそれでも何とか前を向いて生きていこうという思いが伝わってきました。もしこれが自分だったらと考えさせられました。(愛知・中学2年・女子)

    • 『BS1スペシャル「絶望から希望のTOKYOへ~“難民アスリート”たちの挑戦~」』(NHK-BS1)困難に打ち勝つことの大変さ、そして乗り越えた先にはさらに強くなった新しい“自分”がいると感じました(神奈川・高校2年・女子)

調査研究について

担当の中橋委員より、調査研究(「青少年のメディアリテラシー育成に関する放送局の取り組みについて」)に関して、進捗状況について報告がありました。

今後の予定について

  • 2020年度の中高生モニターのメンバーが決定したこと、月別のテーマの予定について事務局より報告がありました。

以上

第222回 放送と青少年に関する委員会

第222回-2020年2月

視聴者からの意見について…など

2020年2月25日、第222回青少年委員会をBPO第1会議室で開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、1月16日から2月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
人間・悪魔・天使などが同居する架空の世界の風俗店を男性主人公が渡り歩く深夜のアニメ番組について、「性的なアニメで、子どもが見たらどうするのか」「ただ下品で過激であるだけでなく、女性をモノ化している」などの意見が、先月に引き続いて寄せられました。また、この番組が一部で放送中止なったことなども受け、今委員会でも議論しました。その結果、次回委員会で全委員が番組を視聴し、「討論」することになりました。
2月の中高生モニターのリポートのテーマは「指定するドキュメンタリー番組を見た感想で、課題番組は、2019年度民放連賞〔青少年向け番組〕最優秀受賞作品『ハイスクールは水族館!!』(南海放送制作)でした。モニターからは、「高校生があそこまで一つのことに熱中して、ある人は世界初の試みを、ある人は研究に励み、さらには答えをつきとめてしまう等、その積極性や情熱にとても刺激を受けた。…よく環境問題について考えたりするときに、一中学生の私には何もできない、とどこか思っていたけれど、自分のしたいことをまっすぐに突きつめて、その結果周りの人の心を動かしているこの高校生たちを見て、大切なのは強い意志と発信していくことであると学んだ」、「街の人が釣った魚を持ってきたシーンも心に残りました。街全体がこの水族館をよくなるように思っているのに、心が温かくなりました。豪雨にも負けないで毎日、学校に来ている子もいたことに感動しました」「番組の中で生徒さんの魚に対する愛情が垣間見える場面が多々ありました。生徒さんたちが自分たちで考えて行動できるのはその課題に対して興味があるからだと思いました。私はこういう環境こそが未来を担う若者に必要な自分で考える力を身につける絶好の場なのかもしれないと思いました」「生き物の世話をしている場面や、一人の生徒の一日の仕事などにも焦点を当ててほしかった。あくまでも学生の部活動なので、普段どういった生活を送っているのかも紹介したほうが、親近感がわいたのではないかと思う。また、生徒が飼育している生物の説明がもう少しあれば、もっと生き物にも興味が生まれただろう」などの意見が寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
次回は、3月24日に定例の委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2020年2月25日(火)午後4時30分~午後6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

架空の世界の風俗店を男性主人公が渡り歩く深夜のアニメに対して、「深夜帯とはいえ未成年の目に触れる危険性も高く、性風俗店を肯定的に描いたり倫理上問題がある」「地上波での放送に危機感を覚える。未成年も予約しての視聴が可能だ」などとの意見が先月に引き続き、今月も寄せられました。また、一部の放送局で放送が中止になったことも受け、今委員会でも議論を行いました。
委員からは、「肯定的に売買春を描いているという点は気になる」「青少年委員会としては、深夜かなり遅い時間に放送しているということを踏まえて意見を考えないといけないだろう」「子どもが見る可能性のあるアニメという観点からすれば、深夜帯の放送であっても踏み込んで考えてもいいのではないか」「売買春といってもSFであり、見ても別にいやらしいといった感じではない」などといった意見が出されました。この件に関しては、次回委員会で全委員が番組を視聴し、「討論」することになりました。

<継続「討論」案件について>
一人の男性お笑い芸人が女性アイドルグループのプロデュースをするというバラエティー番組の企画において、お笑い芸人が選ぶ側の立場を利用して、選ばれる側の若い女性に好き放題振る舞うような演出に対して、「世の中を知らない若い女の子が見れば、権力がある人には媚を売らないといけないと思うだろう」「未成年の女性を食い物にしたような内容で不快になった」「女性がバカにされているよう。子どもたちや若者の本当に頑張りたい子が見ていてつらいのではないか」などとの意見が寄せられた番組の「討論」が引き続き行われました。
委員からは、「リアリティショーに見せかけたバラエティー。そのリアリティショーに見せることで視聴する青少年、特に小さい子どもが世の中というのはこういうところなんだと考えてしまうような可能性があるのではないか」との意見があった一方、「番組の捉え方は多様だし、この企画を放送した時点で、このような流れになるということを視聴者は分かっていて、それを共有していた」などの意見も出されました。議論の結果、この件は「審議」には進まないが、「委員長コメント」を出すことになりました。

委員会の議論を受け、榊原委員長から、次のような「委員長コメント」が出されました。「委員長コメント」とは、「審議」には進まないが、青少年委員会の委員長として、特に注意してもらいたい点、配慮してほしい点などを述べたものです。

2020年3月9日

「リアリティショーを模したセクハラ・パワハラ場面を含むバラエティー番組」に関する委員長コメント

放送と青少年に関する委員会
委員長 榊原 洋一

一般女性のアイドル歌手候補者のオーディション審査過程で、プロデューサーの役割を担った男性お笑い芸人が、候補者に対してセクハラ・パワハラを行う場面をリアリティショーとして見せる連続バラエティー番組が、昨年放送された。

アイドル候補者は初回放送スタート時点では番組の意図を知らされていない未成年を含む一般人であり、途中で番組の性質について知らされたものの、選抜されるためにセクハラ・パワハラ行為を我慢しなくてはならないというリアリティショーとして番組は進行した。そのため青少年の視聴者が、このようなセクハラ・パワハラの経験を強要される現実があるのだ、と思い込むなどの悪影響を及ぼすとして、視聴者から多くの批判的意見が寄せられた。

視聴者からの多数の批判的意見を受けて、青少年委員会ではこの番組6本をすべて視聴し「討論」の対象とした。

視聴者にリアリティショー番組のようにみえるバラエティーという制作手法はユニークであり視聴者だけでなく、制作者の間でも評判になったと仄聞する。しかし前述のように多くの視聴者には、一般参加者(アイドル歌手候補者)にオーディション審査過程でお笑い芸人によるセクハラ・パワハラが行われたと見え、それが批判的な視聴者意見につながった、と考える。

6回の番組進行を視聴すると、後半ではセクハラ・パワハラを続けたお笑い芸人のプロデューサーが、最後に罰を受けるという勧善懲悪のエンディングであった。とはいえ、お笑い芸人のプロデューサーへの処遇は、CD購入者の数で決定されるというリアリティショーの形は最後まで維持されており、青少年の視聴者はこの番組をフィクションとは見ない可能性がある。

大人や年長の青年は、こうしたリアリティショーを模したバラエティー番組の、リアルと作り込まれたシナリオの微妙なバランスを理解できるかもしれないが、特に年少の視聴者が、実社会のオーディションなどにおいて、このようなセクハラ・パワハラが行われているという社会のイメージを形成する可能性がある。こうした現象は「ミーンワールドシンドローム」(mean world syndrome:悪意に満ちた世界の意 注:アメリカ小児科学会リポート”Policy Statement―Media Violence”より)と呼ばれ、青少年の世界観に悪影響を与えるものとして知られている。特に本番組を視聴した子どもに、自分たちが将来大人になって生きていく実社会は、パワハラやセクハラを我慢しなければよい職が得られない場所である、という誤った観念を植え付けてしまう危険性があるのである。

セクハラ・パワハラに対する問題意識が広く社会的通念として確立しつつあるなかで、青少年への影響を考慮し、番組の中にセクハラ・パワハラを容認するような内容が含まれないよう、番組制作者は十分に注意されたい。

以上

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした2月のテーマは、「指定するドキュメンタリー番組を見た感想」でした。課題の番組は、2019年度民放連賞〔青少年向け番組〕最優秀受賞作品『ハイスクールは水族館!!』(南海放送制作)で、愛媛県立長浜高等学校の「水族館部」を3年にわたって取材したものです。「水族館部」は全国的にも珍しく、部員の生徒たちは主体的に魚の世話や研究に打ち込んでいます。困難に直面しても決して諦めることはありません。そんな生徒たちが運営する「長高水族館」は地元の人たちに愛され、月に一度の開館日には多くのお客さんで賑わいます。生徒たちと地域の強い結びつき、好きなことをとことん突き詰めようとする前向きな姿勢が全編を通して伝わってくる番組でした。今回は、全部で27人のモニターから報告がありました。
寄せられた感想には、「やりたいことに向かって努力する姿がとても輝いていた」「自分と同年代の人が自ら考えて行動する姿に刺激を受けた」「自分も一つひとつの壁を乗り越えていきたい」という内容が多く、モニターたちが画面に映る同年代の姿に親近感を覚え、また、自分を重ね合わせ、共感しながら視聴した様子がうかがえました。「地元」という視点から、「郷土愛に憧れを感じた」「自分たちの世代が地域活性化に一役買えると実感した」という声や、「テレビの役割として、地域のニュースを伝え、地域の伝統や歴史を継承していくことが大事だと思う」という意見もありました。他にも、放送局への要望として、「自分たちと年齢の近い人たちの取り組みや、努力している姿を紹介するような番組をもっとたくさん制作してほしい」という思いを綴ったモニターが少なくありませんでした。
いつもと同様に、「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。
「自由記述」では、新型コロナウイルスの報道に関連する内容を記述したモニターが5人いました。また、ドラマやバラエティー番組について、似た設定やテーマの番組が増えていることへの疑問が寄せられています。
「青少年へのおすすめ番組」では『欽ちゃん&香取慎吾の第97回全日本仮装大賞』(日本テレビ)に4人が、『あいつ今何してる&そこの〇〇止まりなさい。 3時間合体スペシャル』(テレビ朝日)と『ライオンのグータッチ』(フジテレビ)にそれぞれ2人が感想を寄せています。

◆委員の感想◆

  • 【指定するドキュメンタリー番組を見た感想】

    • 番組から自分のことを省みたモニターが多かった。同じ年代の子がここまでやっているのに自分は十分にできているとは言えない状況にある、彼らの活動を見ながら自分が何もできていないということに気づいて見習わなければならないと思ったというようなことが書かれていた。同世代の姿から自分の状況というものが浮き彫りになり、それに対して考えることがあったのだろうと感じた。

    • モニターの中に、「一中学生の私には何もできないとどこか思っていたけれども、自分のしたいことをまっすぐに突き詰めて、その結果、周りの心を動かしている長浜高校の生徒を見て、大切なのは強い意志と発信していくことであると学んだ」と書いた人がいた。番組を見たことで、自分でも何かできるという勇気と希望のかけらみたいなものをつかんだというのが良かった。

    • 多くのモニターから、最初はみんな見たくなかったけれども見たら面白かったという素直な感想が寄せられた。ドキュメンタリーの一つの魅力というか、発見させていくという力があったんだと思った。

    • 高校生ぐらいになるともう少し冷めた感じで番組を視聴するのかと思ったら、純粋に、同世代の頑張る姿にやっぱり惹きつけられのだと知り、そのことに感動した。

    • 番組を見て、「生徒の生活にもうちょっと密着したほうがよかったんじゃないか」とか「生物の紹介にも時間を使ったほうがよかったのではないか」というような、番組を良かったと感じたうえでの意見を書いてくれた人がいた。これはぜひ制作者に伝えたいと思った。

    • ドキュメンタリーは全般的に敷居が高いということが言われるが、見たくなかったけど見てみたら面白かったというのでは番組としてはダメ。見てみようと思わせるにはどうしたらいいのか、その辺が課題だと思う。

  • 【自由記述】

    • ドラマについて「どうして似たようなテーマになってしまうのか?」という質問があったが、会議でそのときのトレンドやテレビマンたちが共有している常識、それまでのドラマの流れなどを考慮すると、どうしても似たような志向になってしまうのかなというふうに思う。特に今期は、医療ものとミステリーものにばかり集中してしまっている。別に医療じゃなくてもいいようなドラマで、設定だけが医者というのが多くて、ちょっとその辺がどうなんだろうというふうに疑問を感じる。

    • 新型コロナウイルス関連のニュースが増えていて、何だか同じことをずっと放送しているようなのがちょっと気に入らないというようなことが書いてあった。やっぱり子どもたちからすると同じことをずっとやられることに対して疑問がわくのかな、と思った。しかし、視聴者みんながずっとテレビを見ているわけじゃないから見たときに最新の情報が手に入ったほうがいい。そういうことが若い世代にはあまり認識されないのかなと感じた。

◆モニターからの報告◆

  • 【指定するドキュメンタリー番組を見た感想】

    • 長浜高校の生徒たちの魚への愛情が表情や魚の飼育の丁寧さなどから、ありありと伝わってきて、見ていてとても楽しかったです。そして、自分たちで実験を重ねて、クラゲから刺されないようにするクリームを作って商品化するなど、一つのことにそこまで熱意を持って接するということが、私にはあまり無かったので、本当に見習いたいと思いました。(東京・中学1年・女子)

    • 私と2、3歳しか年の差のない高校生が、あそこまで一つのことに熱中して、ある人は世界初の試みを、ある人は研究に励み、さらには答えを突き止めてしまうなど、その積極性や情熱にとても刺激を受けた。特にクラゲに刺されないクリームをお姉さんの研究成果を継ぎ、会社と共同で商品化までさせたことに衝撃を受けた。部員それぞれが多くの努力を積んでいて、強い意志を持っていて、だからこそ活動が多くの人に認められているのだと思う。良く環境問題について考えたりするときに、一中学生の私には何もできない…、とどこか思っていたけれど、自分のしたいことをまっすぐに突き詰めて、その結果周りの人の心を動かしている長浜高校の生徒を見て、大切なのは強い意志と、発信していくことであると学んだ。(東京・中学2年・女子)

    • 地元の人から魚をもらったり、地元の人を高校に招待し魚を見てもらったり、ぼくの中学校は地元の人との交流があまりないので羨ましく思いました。(東京・中学2年・男子)

    • 一つの高校を中心に、一度なくなってしまった町の水族館を再び…!という強い願いがとても上手に切り取られていて、でもそれもレンズ越しだからきっともっと長浜高校の生徒たちが思っていることは強くて熱いのだろうなと思えるようなドキュメンタリーに出会ったのはとても久しぶりだったので、すごくテンションが上がりました!(福岡・中学2年・女子)

    • 生徒の成長や魚への思い、地域の人の優しさが伝わる面白い番組でした。(北海道・中学2年・女子)

    • 街の人が釣った魚を持ってきたシーンも心に残りました。街全体がこの水族館がよくなるように思っているのに、心が温かくなりました。豪雨にも負けないで毎日、学校に来ている子もいたことに感動しました。そうやってみんなで支え合っているから、水族館部がみんなに慕われるのだと思いました。(兵庫・中学3年・女子)

    • この活動は水族館がある長浜の町を愛していなければできないことであると思うし、その郷土愛を高校生が持つことができる長浜の町は素敵だと感じます。私自身、地元のことは授業を通して知ったことの知識だけで、もっと地元のことを知りたいと思いました。私たちの世代が地域を活発にさせることのできる力を持っていることを実感しました。私も春から高校に進学し、新たな生活になります。水族館部で紹介されていた高校生のようになにか自分の得意な分野で、興味のある分野で夢中になれるものを見つけていきたいです。地元でなくても、全く知らない会ったことのない人でも、同世代が頑張っている姿、努力している姿をもっと画面越しで見る機会があるといいなとこの番組を通して感じました。そのような番組があればまた見てみたいです。(福岡・中学3年・女子)

    • 私はすごいなと思いました。生徒さんたちは魚が好きでこの部活に入部したそうです。番組の中でも生徒さんの魚に対する愛情が垣間見える場面が多々ありました。生徒さんたちが自分たちで考えて行動できるのはその課題に対して興味があるからだと思いました。私はこういう環境こそが未来を担う若者に必要な自分で考える力を身に付ける絶好の場なのかもしれないと思いました。あと、水族館部は地域にとても密着していました。地域の温かさがあるからこそ水族館部はより良い活動ができるのかもしれないと思いました。(鳥取・中学3年・女子)

    • 今まであらゆることを中途半端にしてきた私だが、何かに真剣に取り組み、やり通すことで、貴重な経験と達成感を得たい、と触発された。一般の同年代のそういった努力と活動を、同年代が見ることは、大人にやりなさい、頑張りなさいと駆り立てられるよりも、素直に背中を押されると感じた。災害に遭ってもめげずに一度も休まず水族館を公開し続けてきた長高水族館部のように、一つひとつの山を乗り越えていきたい。(東京・高校1年・女子)

    • 出てくる生徒たちが私と同年代だったこともあり、全然知らない高校生たちでしたが、遠くに住んでいる友達のような親近感がわき、引き込まれるように40分の番組を視聴しました。彼らの「目標」や「やりたいこと」に向かって一心不乱に努力する姿はとても輝いており、私の日々の活力にもなりました。(神奈川・高校1年・女子)

    • 全体を通して見やすかったうえに面白かった。しかしながら、生き物の世話をしている場面や、一人の生徒の一日の仕事などにも焦点を当ててほしかった。あくまでも学生の部活動なので、普段どういった生活を送っているのかも紹介した方が、親近感がわいたのではないかと思う。また、生徒が飼育している生物の紹介も少なかった。もう少し説明があれば、もっと生き物にも興味が生まれただろう。(東京・高校1年・男子)

    • 私は愛媛県に住んでいるので、長浜高校の水族館のことや国際学生科学技術フェアでの入賞などの活躍はもちろん知っていたのですが、西日本豪雨の後もずっとやっていたことやもともと町営長浜水族館があったことなどは知らなかったので、この番組を通して地元のことをさらに学べました。テレビの重要な役割である、地域のニュースを伝え、地域の伝統や歴史を継承していくという役割をも果たしている、よい番組だと思いました。(愛媛・高校2年・女子)

    • 個人的にはトミーのハマチショーが一番印象に残りました。見に来た人を喜ばせるために一年の歳月を掛けて訓練し、見事成功したのは素晴らしいと思いました。本当に見習いたいと思うばかりです。私も地域に目を向けて、自分にできることは何かを模索したいと思いました。(石川・高校2年・男子)

    • 地元と、魚に対する愛が素敵だなあと感じました。先生が主となっているのではなく、生徒が積極的に魚の生態や習性を知っていて、一般の人に公開するときの説明や、ショーなどの工夫が、本当に魚が好きだからこそできることだと思います。けれど、好きだからと言ってここまでこなせる人はなかなかいないので本当にすごいと思いました。(石川・高校2年・女子)

    • ファーストインプレッションとしては、正直あまり面白そうだなとは期待していませんでした。ですが、見てみると想像をはるかに上回る面白さに気づけば家族全員で見入ってしまいました。(広島・高校2年・男子)

    • 私がこの番組を見て考えさせられたのは、日本教育の未来形でした。番組を見たとき、これから抱えていく問題をどうしたら解決へ導けるのか、参考になるような気がします。教育において無意識に自主自学の精神が育てられていること、よく分かりました。また、それぞれ自ら課題を見つけ解決する思いの中に、プラス地元を愛する気持ちが強くあることにも感動しました。私も小学校が統廃合しています。そのときの寂しさや地域の方の落胆ぶりから、子どもながら何とかしたいという思いがあり、その部分は重ねて見ていました。この番組は、これからの日本で大切になってくるものが詰まっているにもかかわらず、重さや暗さがないので、フラットに見られてよかったです。本当に必要な学びのあり方、学校と地域の密接で温かい繋がりは幹の太い学生を育てていることなど、素晴らしいと思います。私はこの番組を見てもっともっといろいろなことにチャレンジしてもよかったのではないか、できたのではないかと振り返ることができました。このようにいろいろな取り組みをしている学校を紹介する番組は少ないと思うので、増えるといいなと思いました。(奈良・高校3年・男子)

    • 高校生にとって大人や社会との壁はとても大きなものであり、何か言っても受け入れられてもらえなかったりして自分の夢や希望をあきらめてしまうことが多いです。しかし、長浜高校のある地域や学校の大人たちは、子どもの主体性を重視して、決して否定せず、背中を押すように応援してくださっていました。私自身もいろいろなことにチャレンジしていきたいと思いました。(東京・高校3年・女子)

    • 最も強く印象に残ったシーンは、豪雨後からの部員の姿です。自分よりもまず魚を心配し、一般公開までの限られた時間でもめげずに準備に取り組む姿勢からは「魚への強い愛情」が伝わってきました。見に来てくれたお客さんがハマチショーを見て笑顔になったシーンで思わず涙が出そうになりました。一度実際に訪れたいなとも思いました。(佐賀・高校3年・女子)

  • 【自由記述】

    • 最近、番組名に『東大~』とつくものが多いなと感じます。”東大”がつくと興味を持つ人が増えるという計算なのかなと思います。実際に私もつい見てしまうことが多いです。(兵庫・中学1年・女子)

    • 今期のドラマは医療系の作品が多いです。また、日テレ系の『知らなくていいコト』とTBS系の『テセウスの船』はどちらのドラマも主人公の父親が無差別殺人犯ということがストーリーの軸になっています。まとめると、今期のドラマは局を超えてかぶっている部分が多いと思いました。それぞれのドラマは面白くて続けてみているものもありますが、なぜこのようにかぶってしまうことがあるのでしょうか?(鳥取・中学3年・女子)

    • 最近、コロナウイルスによる肺炎のニュースが毎日報道されています。17時のニュース、19時のニュース、21時のニュースと何回も「〇〇人の感染が確認」などと聞くと、さっきのニュースから増えているのか、そのままなのかがよく分からなくなるので、「〇時時点で」のように伝えていただけるともっと良いと思います。(神奈川・高校1年・女子)

    • コロナウイルス関連のニュースが増えている。とても大事なニュースであるため、毎日進展があるごとに報道がなされているのは必要なことだと思う。だが意味がないのではと思えるペースで報道をするのは理解できない。例えば1,2時間に1回のペースでクルーズ船やホテルの中継映像を映しているときだ。具体的な進展がないにもかかわらず、やみくもに話題になっている現場を映すのは適切ではないと思える。何度も報道を見ることで、視聴者に誤ったイメージや認識を刷り込みかねないためだ。(東京・高校1年・男子)

    • 『NHKスペシャル 車中の人々 駐車場の片隅で』(NHK 総合)衝撃的でした。車で生活している人がこんなにも沢山いて、本当は家に住みたいけれども住めないなどさまざまな理由を抱えた人々の現実に、心が痛みました。同時に、今回のNHKの取材によってこの問題が深刻であったことが分かり、メディアによる独自取材や発信することの重要性を感じました。(東京・高校3年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『欽ちゃん&香取慎吾の第97回全日本仮装大賞』(日本テレビ放送網)今まで何回も見てきましたが、そのときそのときの流行のものが出てくるのが面白いな、と思いました。今回はタピオカを題材にしたものが多くありました。(兵庫・中学1年・女子)

    • 『欽ちゃん&香取慎吾の第97回全日本仮装大賞』(日本テレビ放送網)母が、昔からある番組で大好きなので毎年見ています。今のテレビ番組では少ない、昭和の雰囲気がとてもある番組で私にとっては新しく新鮮な、母にとっては懐かしい番組でした。仮装大賞は笑える番組なだけではなく、心温まる番組だと思います。アナログなモノマネの様子や、家族で一体感のある演技をしたり、子どもたちが一生懸命仮装を披露する姿にいつも心が和んでいます。今の時代にはあまりない、優しい笑いの番組でとても好きです。(東京・高校3年・女子)

    • 『あいつ今何してる&そこのOO止まりなさい。3時間合体スペシャル』(テレビ朝日)普通の人にはない経験を持つデヴィ夫人が登場したことで、普段の『あいつ今何してる』とは一風違った雰囲気だった。いかにもスペシャルらしい内容で面白かった。(東京・高校1年・男子)

    • 『ライオンのグータッチ』(フジテレビジョン)この番組は毎週見ています。いろいろなことに子どもがチャレンジする姿に毎週感動しています。(広島・高校2年・男子)

    • 『サンドイッチマンが認知症とガチで向き合ってみましたTV』(CBCテレビ)誤解や先入観で接することは当事者や支える人たちを含め、誰にとってもよいことではないと思います。サンドイッチマンがVR体験をした映像は衝撃的ではありましたが、認知症の人に無理強いはよくないことだと思いました。(愛知・中学2年・女子)

調査研究について

担当の中橋委員より、調査研究(「青少年のメディアリテラシー育成に関する放送局の取り組みについて」)に関して、放送局へのヒアリングなど予備調査の進捗状況について報告がありました。

今後の予定について

  • 2月15日に開催された学校の先生方と青少年委員会委員との意見交換会について参加委員から感想を聞き、総括しました。

以上

第221回 放送と青少年に関する委員会

第221回-2020年1月

視聴者からの意見について…など

2020年1月28日、第221回青少年委員会をBPO第1会議室で開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、12月1日から1月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
前回委員会からの継続「討論」案件として、バラエティー番組で、お笑い芸人が女性アイドルグループをプロデュースする企画について、「未成年の女性を食い物にしたような内容で非常に不快になった」「芸人がセクハラやパワハラを行い、それをエンターテインメントとして放送していることに嫌悪感を覚えた」などの意見が寄せられた件について全委員が、連続企画の全部の回を視聴したうえで議論しました。その結果、青少年委員会として、青少年に対する影響という観点から、この放送が問題があるのかどうか、さらに検討する必要があるとして、次回委員会で再度「討論」を継続することになりました。
1月の中高生モニターのリポートのテーマは「年末年始に見た番組について」でした。25人から報告がありました。
モニターからは、大みそかの恒例の音楽番組ついて、「私はビートたけしさんの"浅草キッド"を聞いて驚きました。力強い声がホールに響きわたり、何かを考えながら懸命に歌っている姿はどの歌手の方にも負けないくらい輝いていました。…この番組を見て、今まで好きだった歌はより好きになったし、今まで興味を持っていなかったものも『いいな』と思えるようになりました。それぞれの歌手の方が一生懸命に歌っている様子は見ていてたくさんの人が新しい年も頑張ろうと思うと感じました」、同じ番組について、「初の試みとしてAIで復活したAI美空ひばりさんが登場していましたが、人間味があまりなく、怖かったです。美空ひばりさん自身が歌っている様子ならまだしも、AIで復活したものの需要が果たしてそんなにあるのか、それをあの番組で流すほどなのか疑問に思いました」、大みそかのバラエティー番組について、「"新しい地図"の人たちを出してくれてうれしかった。普通は出演者の予告は一切されない番組なのに、今回に限り知らされた理由が気になった。しかし、ずっと応援してきたファンにとっては一足早くお年玉をもらったような気分だったと思う。これからも地上波にたくさん出てほしい。今年はマンネリがなくなって新鮮なネタが多く、楽しく見られた」、同じ番組について、「最近は笑いのネタとしては過激過ぎる、とか危険だという理由で多くのバラエティー番組が面白くなくなってきている気がしますが、この番組は毎年本当に面白いと思います。しかし、家族と見るには気まずいようなネタが割と早い時間に放送され少し複雑な気持ちになりました」、また、自由記述として、元日の、テレビについて放送局の壁を越えてトークを繰り広げる番組について、「今年から(テレビ番組ばかりではなく)ネットを含めた動画コンテンツでのランキングになりました。この番組を見てテレビ関係者もネット動画コンテンツを意識していると初めて知りました。テレビ局の中でもテレビの未来を考えていることがうれしかったです。やはり、プロのテレビとネットの共生についての議論はすごかったです。…テレビに希望を感じることができたので制作者の気持ちをもっと伝える場があってもいいのではないかと思いました」などの意見が寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
次回は、2月25日に定例の委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2020年1月28日(火)午後4時30分~午後6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

人間・悪魔・天使などが同居する架空の世界の風俗店を男性主人公が渡り歩く深夜のアニメに対して、「性的な内容となっていて、このようなアニメが年齢制限もなく青少年が見られる現状に憤りを感じる」「深夜アニメではあるが、ファンタジーとはいえ風俗店を男性が評価しており、女性キャラクターを蔑視している」「アニメなのに風俗と下ネタばかりで子どもに悪影響がある」などとの意見が寄せられました。
これに対して委員からは、「気持ち悪いから、下品だからという視点での評価については、言論・表現の自由との関連で非常に慎重にしなくてはいけないと思う」「遅い時間帯の子どもの視聴については、保護者にも配慮してもらうという民放連の規定も踏まえて検討する必要がある」「昔はテレビの深夜時間帯は大人のものという切り分けができたが、今はネットで24時間いつでも見られるため、社会的な時間の分け方の状況が変わってきている。そういう変化をどう捉えたらいいのか考えさせられる」「テレビは子どもだけを視聴者として対象にしているものではないので、深夜帯に大人向けのアニメを、表現の自由の範囲内で放送することはできるというスタンスでテレビ局は制作しているのだと思う」「制作する人や原作者の過激化というのが、アニメには限らないので、これがじわじわと深夜から普通の時間内に入ってくることには気をつけておくべきだ」といった意見が出されました。この件に関しては、これ以上話し合う必要ないとなりました。

<継続「討論」番組について>
一人の男性お笑い芸人が女性アイドルグループのプロデュースをするというバラエティー番組の企画において、お笑い芸人が選ぶ側の立場を利用して、選ばれる側の若い女性に好き放題振る舞うような演出に対して、「世の中を知らない若い女の子が見れば、権力がある人には媚を売らないといけないと思うだろう」「未成年の女性を食い物にしたような内容で不快になった」「女性がバカにされているよう。子どもたちや若者の本当に頑張りたい子が見ていてつらいのではないか」などとの意見が寄せられた件について、連続企画のすべての回を委員が視聴してうえで、「討論」が継続して行われました。
委員からは、「視聴した子どもたちは、自分が選抜される立場になったときに、決定権を持ったものによるセクハラとかパワハラをうまくすり抜けたり、我慢しなくてはいけないというメッセージを与えているのではないか」「リアリティーショーっぽく見せて、その中にパワハラ・セクハラを入れていく。それを見ている子ども、特に女の子から見たらこういうのが世界のあり方なのかと思ったりすることにつながらないか」などの意見の一方、「すべてが作られたものだというふうに思っているので、どこが問題かというのは非常に難しいと思う」「すべての回を視聴すると、最初の過激性はなくなっており、普通のバラエティー番組の範囲かなという印象がある」「1回目だけを見たときと、全部の回を見るのでは位相が変わってきている。最後の回まで見ると、懲罰的なものも含めてメッセージになりえる。1回ごとで評価するのか、全体を見てするのかによって異なる」といった意見も出ました。
この番組に関しては、青少年委員会として、青少年に対する影響という視点から、問題があったのかどうか、さらに議論をする必要があるとして今回結論を出さず、次回委員会で討論を継続することになりました。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした1月のテーマは、「年末年始に見た番組について」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で25人から報告がありました。
「年末年始に見た番組について」では、全部で12番組について報告がありました。複数のモニターが取り上げたのは2番組で、『第70回紅白歌合戦』(NHK 総合)に11人が、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!大晦日年越しSP 絶対に笑ってはいけない青春ハイスクール24時!』(日本テレビ)に4人が感想を寄せています。
「自由記述」では、番組や制作者への思い、最近のニュースへの関心を記述するモニターが多数いました。
「青少年へのおすすめ番組」では『はじめてのおつかい 爆笑!30年記念スペシャル』(日本テレビ)を5人が、『世界は教科書でできている』(NHK 総合)を3人が、『スーパープレミアム 涙のおもてなしスペシャル』(NHK BSプレミアム)を2人が取り上げています。ひとりで2つの番組を報告したモニターもいました。

◆委員の感想◆

【年末年始に見た番組について】

  • 『第70回紅白歌合戦』(NHK 総合)「AIの美空ひばりさんが怖かった」というモニターがいた。これは、近年AIというのが話題になっていて、そのことについて家庭で話してもらいたいという制作側の意図もあったのではないか。『紅白歌合戦』は、その年のことを振り返り、家族でいろいろ話す機会を提供しているという部分があると思う。

  • 『第70回紅白歌合戦』(NHK 総合)歌合戦の意味合いが薄れているように感じるという意見があったが、私もそう感じている。勝敗が最後の数分で決まるために曖昧になっている。このモニターはどうしたらいいか考え、「投票のタイミングを増やしたり、ルールを変えたり、技術をフル活用して新しい時代に合わせて進化していってほしい」と期待を寄せている。このような意見をぜひ制作者に届けたい。

  • 『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!大晦日年越しSP 絶対に笑ってはいけない青春ハイスクール24時!』(日本テレビ)「いい出来事も悪い出来事も面白く変えるのがこの番組のいいところ」という意見があった。ある種の浄化作用のようなものを子どもも感じていると知った。

  • 『マツコ"毒舌"観察!!50日間で女性の顔は変わるのか!?』(日本テレビ)で、自信や環境で人は良い方向に変われるというメッセージが伝わり面白かったと評価したモニターがいたが、その一方で同じモニターが、およそ2時間のこの番組の後半部分に、前半で見たのと同じような映像が何回も流れていたのでもう少しテンポアップしたほうがいいのではないかという指摘をしている。モニターが感じた良い点も改善したほうがいいと思う点も、制作者に伝えたいと思った。

【自由記述について】

  • 現代社会の授業で、ニュースでいろいろなもののイメージが操られていると聞いたということで「ある政党の議員が良くないことをしたというニュースばかりを今まで見てきたから、その政党は悪いと思っていたけれども、そういえばその政党の良いニュースは見たことがない」ということを書いてきたモニターがいた。視聴者はニュースをどう受けとめ、どう把握するかに注意を払う必要があるというメディアリテラシーの内容で非常に興味深かった。

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 『はじめてのおつかい 爆笑!30年記念スペシャル』(日本テレビ)どこかの年齢までは自分が子どもになった気分で見ていて、ある年齢からは逆に自分が親になったような気分でこの番組を見るという。見守られる側から見守る側へいつの間にか成長していることに気づいたという感想になるほどと思った。

◆モニターからの報告◆

【年末年始に見た番組について】

  • 『第70回紅白歌合戦』(NHK 総合)2020年の東京オリンピックに向けて、歴代のオリンピック曲メドレーから始まりました。画面に映し出された映像もさまざまなスポーツ選手の真剣な表情や笑顔、涙。記憶に新しいものも多く、それぞれの曲とともに振り返ることができました。(東京・中学2年・女子)

  • 『第70回紅白歌合戦』(NHK 総合)全体を見るととても面白い番組だったのですが、白組の歌手の多くが同じ事務所に所属しているアーティストだったり、歌う曲が去年の曲ではなく昔の曲が多かったのが少し残念でした。『紅白歌合戦』が今年を振り返る番組ではなく視聴率をかせぐための番組に近くなっているなぁと感じました。(北海道・中学2年・女子)

  • 『第70回紅白歌合戦』(NHK 総合)はじめて紅白歌合戦を見ました。私はビートたけしさんの“浅草キッド”を聞いて驚きました。力強い声がホールに響きわたり、何かを考えながら懸命に歌っている姿はどの歌手の方にも負けないくらい輝いていました。この歌はコンビを組んでいたときの相棒を想って書いた歌と紹介されていました。それを知って何かを考えながらというのは相棒だった人のことを考えて歌っているのだろうと思いました。今まではゆっくりとした歌は好きではないなと思っていたけれどこの歌を聞いてそう思わなくなりました。『紅白歌合戦』を見て、今まで好きだった歌はより好きになったし今まで興味を持っていなかったものも「いいな」と思えるようになりました。それぞれの歌手の方が一生懸命に歌っている様子は見ていたたくさんの人が新しい年も頑張ろうと思えると感じました。(兵庫・中学3年・女子)

  • 『第70回紅白歌合戦』(NHK 総合)初の試みとしてAIで復活したAI美空ひばりさんが登場していましたが、人間味があまりなく怖かったです。美空ひばりさん自身が歌っている様子ならまだしも、AIで復元したものの需要が果たしてそんなにあるのか、それを大晦日の紅白で流すほどなのか疑問に思いました。(東京・高校1年・女子)

  • 『第70回紅白歌合戦』(NHK 総合)今年の紅白はラグビー色を押し出し過ぎたかなと思います。ラグビーは昨年とても盛り上がったし世間の関心も高いと思います。でも、前半からインタビューを積極的に行ったり、カメラで切り取られていたりしていて「え、またラグビー?」と思うときがありました。でも、ステージ上での「ビクトリーロード」は素晴らしかったです。あと、ここ最近NHKホールのステージ以外で歌を歌ったり、中継や録画が多いです。CGもあります。そこは問題ないのですが、それにより別のカメラの映像が映し出されたりするなどのミスが増えたように感じます。もし見たい歌手の場面でミスがあると悲しいので、生放送という場ですが減ってくれると嬉しいです。(鳥取・中学3年・女子)

  • 『第70回紅白歌合戦』(NHK 総合)2019年の集大成を飾るにふさわしい内容だった。毎年大晦日は、紅白歌合戦を家族全員で視聴することにしている。今までは家族全員で見ていても、必ず誰かは飽きてしまっていた。それに対し、今回は全員で見て楽しめる内容だったと思う。強いて挙げるならば現在の状態では「歌合戦」の意味合いが薄れているように感じる。紅組白組に分かれて歌を披露することは問題ないと思うが、歌合戦の勝敗が最後の数分で慌ただしく決まるため、やや曖昧である。投票のタイミングを増やしたり、ルールを変えたりするなどの変更をするべきだと思う。これから5Gを筆頭にインターネットの技術革新が進む。したがって、それらの技術をフルに活用して新しい時代に合わせて進化していってほしい。(東京・高校1年・男子)

  • 『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!大晦日年越しSP 絶対に笑ってはいけない青春ハイスクール24時!』(日本テレビ)吉本興業が犯した不祥事を笑いに変えたのは賛否両論あるが自分は良かったと思った。“新しい地図”の人たちを出してくれて嬉しかった。ふつうは出演者の予告は一切されない番組なのに、今回に限り知らされた理由が気になった。しかし、ずっと応援してきたファンにとっては一足早くお年玉をもらったような気分だったと思う。これからも地上波にたくさん出てほしい。今年はマンネリがなくなって新鮮なネタが多く楽しく見ることができた。(愛知県・中学2年・女子)

  • 『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!大晦日年越しSP 絶対に笑ってはいけない青春ハイスクール24時!』(日本テレビ)大晦日は毎年ガキの使いを見ています。僕的には今年のが一番面白かったです。良い出来事も悪い出来事も面白く変えるというのがこの番組のいいところだと感じました。(大分・高校2年・男子)

  • 『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!大晦日年越しSP 絶対に笑ってはいけない青春ハイスクール24時!』(日本テレビ)毎年欠かさずに家族で見ている番組でとても楽しみにしていました。最近は笑いのネタとしては過激過ぎる、とか危険だという理由で多くのバラエティー番組が面白くなくなってきている気がしますが、毎年、この番組は本当に面白いと思います。しかし、家族と見るには気まずいようなネタが割と早い時間帯に放送され少し複雑な気持ちになりました。6時間という長い放送時間であっても退屈するような時間が一秒もないくらいずっと笑いっぱなしの年越しでした。今年話題になったラグビー日本代表の選手が出演されていたり、吉本興業のスキャンダルの自虐ネタも印象的でした。長く続いている面白い番組なのでこれからも毎年続いてほしいと思いました。(石川・高校2年・女子)

  • 『NHKスペシャル 死闘の果てに 日本vs.スコットランド』(NHK 総合)キーワードとなったのは”same page(同じ絵)”という言葉です。「この試合、このチーム、このメンバー、この相手ならどう動くべきか」という質問への答えが全員同じになり、同じ戦い方・過程をイメージすることが大切であり、決して体形が大きいわけではなく、むしろ劣る日本ならではと言える「イメトレ」のようなものなのだと思います。たった1枚の同じ絵を見るために何百日にも及ぶ合宿を行い、試合に全身全霊で臨むというのは本当に本当にラグビーが好きでないとできないことなのだと感じました。私は今まであまりラグビーに興味を持ってきませんでした。ルールがあまりよく分からなかったり痛そうだったりするからです。ですが、そんなことよりも本当にラグビーが大好きで、世界の壁に大きな穴をあけた日本代表選手の皆さんにとても興味がわいた番組でした。(福岡・中学2年・女子)

  • 『50日間で女性の顔は変わるのか』(日本テレビ)タイトルのそのままの実験のようなことって、やってみたくても絶対できないことだし、You tubeでもそういった検証をよく見ますが、ここまでの規模でやっているのはなかなかないから、これこそテレビがやるべきことかもしれない!と思いました。変わったものだけを紹介するのではなく、リアルな変化を放送しているのも好感が持てるなと思います!結果から、年齢や性別にかかわらず、自信や周りの環境などで人は変わることができるんだなとあらためて認識することができました。ただ、番組の構成は特番で時間が長いこともあり、視聴者は最後のほうは疲れてくるのに、後半にかけてVTRが長くなっているのがちょっと気になりました。CMにいくときにこれからやるVTRをちょっと流したりすると、4回くらい同じ映像を見ることになってしまうのでもう飽きてしまうなと思います。もう少しパンパン進んでいってもいいなと思いました。(神奈川・高校1年・女子)

  • 『クイズ!ドレミファドン!2020新春SP』(フジテレビ)1月より始まるドラマの出演者の方々が本気でクイズに答えている様が面白かったです。特に今回はドラマの主題歌のイントロクイズもあり、出演者の方々自らが出演したドラマの主題歌は答えようと必死になっている姿や答えられなかった人をいじるやり取りなどが面白かったです。ただ、途中のサビトロクイズ(サビを聞いて曲名を答える)のコーナーで出てきた曲がその後のイントロクイズのコーナーでもう一度出てくるということがあったのですが、やはり同じ曲を2度出すというのは良くないのではないかと思います。私自身は少しガッカリしました。(愛媛・高校2年・女子)

  • 『第53回新春!爆笑ヒットパレード2020』(フジテレビ)たくさんのお笑い芸人さんが出演していて見る側も飽きることなく元日から楽しく過ごすことができました。ですが、毎年、ネタとネタの間に挟んでいる企画の内容に疑問を持っています。元日からヒヤヒヤするような中継をしなくてもよいと感じました。(神奈川・高校1年・女子)

  • 『第61回輝く!日本レコード大賞』(TBSテレビ)年の締めくくりにふさわしい大盛り上がりのイベントだったと思います。しかし、良い面だけではありませんでした。ネットでは賛否両論の声が見られました。たしかにレコード大賞の審査基準は曖昧と言わざるを得ない節があります。よって提案といたしましては、テレビリモコンのデータ放送を通じて視聴者の投票を反映できるようにすると視聴者自身に主体性が生まれると思います。(石川・高校2年・男子)

  • 『チャンネルはそのまま!』(テレビ朝日)たまたまテレビをつけたら始まったのがこの番組。母が北海道出身だったのでなんとなく興味が湧いて見はじめたが、最終的に全話見終えるほど久しぶりの面白いテレビドラマだったと思う。テレビ制作の裏側をコミカルに描いているところが好きだ。テレビ離れが進む中で、ツイッターのトレンド1位にもなっていたし、テレビにあまり関心のない層にも幅広く受けたのかなと思った。続編もぜひ作って欲しいなと思う。(東京・高校3年・女子)

  • 『ぐるナイ!おもしろ荘』(日本テレビ)毎年この番組に注目している。その理由としては、今年ヒットしそうな芸人さんの情報を早くに得られるし、何より本当に面白いからだ。新人さんをはじめまだ世の中に知れ渡っていないにもかかわらず、キレのある個性的なネタはお笑い好きの私にとってはたまらない。(佐賀・高校3年・女子)

【自由記述】

  • 最近のドラマは、『3年A組』が放送されてから、社会に問題を問いかけるようなミステリー?サスペンス?的なものが増えていると思います。ドラマは面白いのですが、ずっと同じようなジャンルのドラマばかりだと飽きてしまうような気がします。(東京・中学1年・女子)

  • ゴーン氏が逃亡した件についてよくテレビで取り上げられているのを見ます。こうした大きな出来事は、さまざまなテレビ局の番組でいくつもの情報や異なる意見を知れるので良いな、と思いました。(兵庫・中学1年・女子)

  • 現代社会の授業でニュースでいろいろなもののイメージを操られているという話を聞いた。たしかに私は、特定の政党の議員が良くないことをしたなどマイナスのことばかりをニュースで見ていたから、その政党のどこが良いのだろうと思っていたが、思い返してみれば、その政党の良いニュースを見たことがない。ひょっとしたら私の知らないところで良いことをしていたのかもしれないと思った。だから、多くの人の目につくニュースで偏った情報が流されていることは良くないと思うし、ニュースで見たからといってすぐに信用するのも良くないと思った。(群馬・高校1年・女子)

  • なかなかテレビを見る時間がない中で少しだけ見たニュースがあります。それは大学入試制度についてです。国語の記述の採点にはやはり人間なので公平にはなかなかいかないものだと思います。いくら採点者を訓練するとはいえ、その採点で今後の人生が大きく左右されると考えると、僕もあまり導入を肯定できません。未来を担う若者の学力をはかるための制度だとは思いますが、文科省も受験者の立場に立ってもう少し考えてほしいです。(埼玉・高校1年・男子)

  • 歌番組で曲をテレビ用に編集していることを疑問に思う。もちろん番組中ですべての曲をフルで放送することは無理だと思う。そのための最低限の編集はやむを得ないと考える。しかし、一部の曲はあまりにも短く編集され過ぎていて、その曲の良さが薄れているときがある。このような状況は、改善されるべきであると思う。(東京・高校1年・男子)

  • テレビ番組のインターネット同時配信が始まろうとしているようですが、個人的にはこれは良いことだと思います。というのは、インターネットで同時配信すれば今までは地方局の番組を見られなかった人でも見ることができ、面白いと思ってくれるかもしれません。地方局の活性化につながり、ひいては日本社会全体の活性化にもつながる良いことだと思います。(愛媛・高校2年・女子)

  • 『新春TV放談2020』(NHK 総合)を見ました。テレビについて局の壁を越えトークが繰り広げられます。毎年、テレビ番組のジャンルごとのランキングをもとに話し合われますが、今年からネットも含めた動画コンテンツでのランキングになりました。この番組を見てテレビ関係者もネット動画コンテンツを意識していると初めて知りました。テレビ局の中でもテレビの今後について考えられているのだなと知りました。私はテレビ局の人がテレビの未来を考えていることがうれしかったです。やはりプロのテレビとネットとの共生についての議論はすごかったです。現場で動いている人はやっぱり違うなと思いました。この番組で考えを知れて、テレビに希望を感じることができたので制作者の気持ちをもっと伝える場があってもいいのではないかと思いました。(鳥取・中学3年・女子)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『はじめてのおつかい 爆笑!30年記念スペシャル』(日本テレビ)私はまだ中3ですが、泣きながら見ています。おつかいに行く子どもたちの行動の一つひとつが私を泣かせます。正義感を持っておつかいを成し遂げようとする子ども。わが子を心配そうに遠くから見守る親。親が自分の子どもが「ただいま」と帰ってきたときに心の底から子どもを褒めている姿を見ると、親は子を本当に愛しているのだなと感じます。将来、もし自分に子どもができたら一体どんな気持ちになるのか。『はじめてのおつかい』みたいになるのだろうか。まだ子どもの私には想像できません。(鳥取・中学3年・女子)

  • 『はじめてのおつかい 爆笑!30年記念スペシャル』(日本テレビ)この番組は自分が親になったような気分させてくれます。そして自分にもこんなころがあったのかなぁ~と思い出させてくれます。個人的に好きなのは「あれから?年後」とビフォーアフターを見せてくれるコーナーです。(広島・高校2年・男子)

  • 『はじめてのおつかい 爆笑!30年記念スペシャル』(日本テレビ)以前までの放送はどちらかというと自分は「子どもサイド」で見ていたが、いつの間には「子どもを見守るサイド」で見ていた。出演者たちが涙する理由が少しだけ分かった気がした。(佐賀・高校3年・女子)

  • 『世界は教科書でできている』(NHK 総合)私も教科書は役に立たないのではと思っていたが、特に理科の知識が役立つことがあることを知れて面白かった。(群馬・高校1年・女子)

  • 『スーパープレミアム 涙のおもてなしスペシャル』(NHK BSプレミアム)正直、東京五輪は見たくても受験と重なるため、情報を入れないようにしていましたが、やはり、地元にもオリンピックが来るなら肌で感じたいなと思いました。(神奈川・高校2年・女子)

  • 『塩野七生と高校生の対話』(NHK Eテレ)対話が行われた理由が1人の高校生だったことに驚きました。テレビを見ていても緊張感や場の空気が伝わってきました。塩野先生が今の若者である私たちに伝えたいことが50分間ぎっしり詰まっていて、とても心に響きました。先生の言葉を文字で表示し強調している部分はとてもいいと思いました。(北海道・中学2年・女子)

調査研究について

担当の中橋委員より、調査研究(「青少年のメディアリテラシー育成に関する放送局の取り組みについて」)に関して、放送局へのヒアリングなど予備調査の進捗状況について報告がありました。

今後の予定について

  • 2月15日に開催される学校の先生方と青少年委員会委員との意見交換会についてテーマ、進行等の最終的な確認をしました。

以上

第220回 放送と青少年に関する委員会

第220回-2019年12月

視聴者からの意見について…など

2019年12月16日、第220回青少年委員会をBPO第1会議室で開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、バラエティー番組で、お笑い芸人が女性アイドルグループをプロデュースする企画について、「未成年の女性を食い物にしたような内容で非常に不快になった」「芸人がセクハラやパワハラを行い、それをエンターテインメントとして放送していることに嫌悪感を覚えた」などの意見が寄せられた件について全委員が番組を視聴し、「討論」しました。その結果、連続企画であり、今後の放送も見守る必要があるとして、「討論」を継続することになりました。
12月の中高生モニターのリポートのテーマは「最近見たニュース・報道番組について」でした。19人から報告がありました。
モニターからは、夜のニュース番組について、「(アフガニスタンでの中村哲医師殺害事件について)報道番組というのは、良い波も悪い波も広げる小石のようなものだと私は考えています。ふと見た番組から名前ほどしか知らなかった人の行動のきっかけや考え方を知る機会となり、どこか感化される。感化されてほしいとさえ思えるような番組が生まれることもあれば、その一方で誰かを傷つけたりすることもある、両刃の剣であるということを視聴者である私たちはもちろんのこと、制作者の方々も理解してほしいと思います」、同じく夜のニュース番組について、「報道番組は多くの人が見て、私のように今の社会で何が起こっているかを知ることのできる大切な情報源だと思います。制作者もそれを理解したうえで、だからこそ公正に、事実を放送してほしいなと思います。報道の自由について公民の授業で学びましたが、自由とはいえ、やるべきこととやってはいけないことをきちんと線引きしてほしいです。…16歳の環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんのトークショーの様子が報道されていましたが、私たちと同世代の少女の活動が遠く離れた日本の報道番組で放送されるのは凄いなと思います。環境問題のアイコンが10代の少女、というのは個人的にすごく衝撃を受けました」、さらに自由記述で、「最近のニュースを見ていて疑問に思うことは、ニュースで扱うものとそうでないものの違いは何なのか?ということです。『それ、全国ニュースでいうこと?』と思うものがあって、そんなことで名前も顔もニュースで流したら、この後の生活どうするのかなとか、がんばって大学入っただろうに、きっと就職できないだろうなとか、心配になることがあります。他に大きな事件がないとか、面白いからとかの理由なのだろうな、とは思いますが、そこまで重い罪でもないのになぁ、と思ってしまいます。…悪いことをするのはもちろんダメなことですが、反省して罪を償った後はもう一度やり直せる社会であってほしいですし、家族の生活も考えてほしいと思います」、などの意見が寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
次回は1月28日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2019年12月16日(火)午後4時30分~午後6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

世代間のギャップを楽しむゴールデンタイムのクイズ番組において、街で出会った女性の職業を当てる問題の正解が、男性との食事等に付き合い金銭を受け取る"パパ活"だったことに対して、「性被害の温床になり得る行為を若者の常識、職業と紹介するのは問題だ」「放送時間帯的に子どもが見ている。このような企画が放送されるのは倫理的に問題がある」「小学生、中学生などの未成年も出演しているのに、パパ活は職業と放送してしまったのは不適切だ」などとの意見が寄せられました。
これに対して委員からは、「『パパ活』が入り口となって性犯罪というものが起きている可能性があるので、あっけらかんと問題にするのはいかがなものかという気もするが、クイズとしてギリギリかと思う」「あたかも社会的に認知された職業のように扱うのは、知らない子どもがそれを見たときに何か悪い影響を与えるのではないか」「職業とは何かという難しい問題もある。判断力のない子どもたちが、これは一種の職業なんだと思い込むと、影響があるかもしれない」「こんな珍しい人がいるんだ、という形で紹介しているのか、楽して稼げることがあるよと推奨するように描いているのかで、かなり違ってくると思う」といった意見が出されました。この件に関しては、これ以上話し合う必要ない、となりました。

次に、一人の男性お笑い芸人が女性アイドルグループのプロデュースをするというバラエティー番組の企画において、お笑い芸人が選ぶ側の立場を利用して、選ばれる側の若い女性に好き放題振る舞うような演出に対して、「世の中を知らない若い女の子が見れば、権力がある人には媚を売らないといけないと思うだろう」「未成年の女性を食い物にしたような内容で不快になった」「女性がバカにされているよう。子どもたちや若者の本当に頑張りたい子が見ていてつらいのではないか」などとの意見が寄せられた件について「討論」が行われました。
委員からは、「子どもにどんな嫌なことをされても、アイドルとしてデビューするのには、これぐらいのことは我慢しなくちゃいけないと教えているような気がした」「お笑いの世界の話と、アイドルをつくるというリアルな話が一緒になっている。こちらはお笑いの世界で笑っているかもしれないが、そこにいる女の子たちは必死でやっているという構図がある」「ドラマや芝居ではなく、リアリティーショーとして、あたかも本当にあるかのような企画として放送している。これを子どもたちが見たときに、どういう印象を受けるのだろうか」「作り物だとしても、それがわかった上でも、描かれているコンテンツがいかにも不愉快。この時代にこういうコンテンツをお笑いとして出すということには、センスの問題として不快に思う人がたくさんいたから、批判的な意見が多数寄せられたのだろう」などといった批判的な意見が出ました。
また一方で、「視聴者に不快なものを出していいのかという問題はあるが、作り物の世界のこととしてであれば、容認される表現なのではと思う」「番組を見て嫌な感じがしたというのは、セクハラ・パワハラを推奨しているわけではなくて、逆に"これはだめなことだよ"というメッセージとして言っているのだと思う」などといった意見も出ました。
この件に関しては、連続企画であり、今後の放送を見守る必要があるとして「討論」を継続することになりました。

中高生モニター報告について

今月は12月のモニター報告について話し合われました。
34人の中高生モニターにお願いした12月のテーマは、「最近見たニュース・報道番組について」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で19人から報告がありました。
「最近見たニュース・報道番組について」では、全部で13番組について報告がありました。複数のモニターが取り上げた番組は2番組あり、『報道ステーション』(テレビ朝日)を3人が、『情報7daysニュースキャスター』(TBSテレビ)を2人が取り上げていました。また、気になったニュースについて番組を特定せずに記述したモニターが2名いました。
「自由記述」を含め複数の報告が寄せられたトピックは2項目で、沢尻エリカ被告の違法薬物の問題とアフガニスタンで殺害された医師の中村哲さんの事件について、それぞれ3人が報告しています。
「青少年へのおすすめ番組」については、『100分de名著「ドストエフスキー・カラマーゾフの兄弟」』(NHK・Eテレ)を3人が取り上げています。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たニュース・報道番組について】

    • 『Nスタ』(TBSテレビ)でノーベル賞を受賞した吉野彰さんの話題が取り上げられ、そこで説明を聞いたことによって初めてリチウムイオン電池が何に役に立つかわかったというモニターがいた。彼女の報告の中には、「紅葉がきれいな場所を取材していて、心が温かくなりました」という記述もあった。この例からも分かるように、ニュース・報道番組には、単に出来事を知らせるだけでなく、知識や教養を深めたり感動を与えたりするという役割もある。今回、そのことがちゃんとモニターに伝わっていたと感じた。

    • NHKのお昼のニュースを挙げたモニターが、夏休みにはニュースの始まりと同時に昼ご飯を食べるというような生活だったそうで、「その時のご飯の味を思い出しました」と書いていた。ニュースが生活の一部になっているというのが興味深い。

    • 「ニュースで取り上げている内容と現実に乖離があるのではないか。SNSの投稿と照らし合わせると放送の内容を100%信じるのは難しい」という記述があったが、それならSNSの投稿も本当に正しいのかどうか疑ってかからなければいけない。報道をどう信じるか、ここには大きな課題があると思う。

    • 中高生モニターの中には、新聞は自分から読もうとしません、テレビはつけっぱなしで受動的にしか見ていません、という人たちがいる。この辺が最近の青少年の一つのあり方としてあるようなので、これからの日本人が情報やニュースをどのように共有していくのか、懸念もある。

  • 【自由記述について】

    • ニュースになるものとならないものの違いは何か、選択の基準がよく分からないことがあるというモニターがいた。「それ、全国ニュースで言うこと?」と疑問になるような時には、ニュースになった人のその後の生活が心配になるそうだ。悪いことをしたり問題を起こしたりしたら、当然、ニュースになっても仕方がないが、もしより大きなニュースがあれば取り上げられていなかったかもしれないと考えるのだという。現代では、一旦、顔や名前がニュースに出てしまうと、ずっと残ってしまったりSNSで拡散されてしまったりするので、確かに、かつてよりも取り上げられた場合の影響は大きい。その点、放送局も考えていくべき問題だと思った。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見たニュース・報道番組について】

    • 『報道ステーション』(テレビ朝日)アフガニスタンで亡くなった中村哲さんについて、私は名前を耳にしたことがあるくらいだったので、どういった人なのかをはっきり知りませんでしたが、それを知るきっかけが追悼の意を示す報道であることがとても残念です。報道番組というのは、良い波も悪い波も広げる小石のようなものだと私は考えています。今回のようにふと見た番組が名前しか知らなかった人の行動のきっかけや考えを知る機会となり、どこか感化される、感化されていてほしいとさえ思えるような番組が生まれることもあれば、その一方で、誰かを傷つけたりすることもある、両刃の剣であるということを視聴者である私たちはもちろんのこと、制作者の方々にも視聴者の身として理解してほしいと強く思います。(福岡・中学2年・女子)

    • 『報道ステーション』(テレビ朝日)報道番組は多くの人が見て、私のように今の社会で何が起こっているか知ることのできる大切な情報源だと思います。制作者側もそこを理解したうえで、だからこそ公正に、事実を報道してほしいなと思います。報道の自由について公民の授業で学びましたが、自由とはいえ、やるべきこととやってはいけないことをきちんと線引きしてほしいです。
      16歳の環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんのトークショーの様子が報道されていましたが、私たちと同世代の少女の活動が遠く離れた日本の報道番組で放送されている、というのは凄いなと思います。環境問題のアイコンが10代の少女、というのは個人的にすごく衝撃を受けました。私は環境問題や政治、世界の情勢について正直、わからないこともあれば、世論やジャーナリスト、政治家の方々の主張のうちどれが正しいのか、間違っているのか分かりません。ですが、分からないなりにでも国内、国外の今を知ることはとても大切なことだと思っています。これからも報道番組を通じて自分の知識を増やせていけたらと思います。(福岡・中学3年・女子)

    • 『情報7daysニュースキャスター』(TBSテレビ)土曜日、就寝前に家族で見ているこのニュース番組は、"ニュースワードランキング"というネットでのサーチ数によるランキング形式で1週間のニュースをまとめて確認できるので分かりやすい、かつ、世間の注目度合いまで一目でわかるため、毎週興味深く視聴しています。安住アナウンサーとビートたけしさんの会話が時にかみ合っていなかったり、アナウンサーがたけしさんの発言をカバーしたりしている空気感もとても好きです。(東京・高校1年・女子)

    • 『グッド!モーニング』(テレビ朝日)最近のニュースはクイズコーナーがあったり、コラボ企画があったりして非常に面白いと思う。この番組で好きなのは、林先生の「ことば検定」です。この企画は朝から豆知識を知れて勉強になります。ほかに「お天気検定」と「ニュース検定」も結構勉強になります。(千葉・中学1年・男子)

    • 『おはよう日本』(NHK 総合)視聴者に寄り添った内容が多く、例えば天気予報の時に今日の天気や気温にあわせた服のコーディネートについて気象予報士の人が説明してくれる場合があるのですが、これを聞いてから、ぼくは着る服を決めています。また、最近この番組を見て心に残っていることとして、2週間連日、コーナーとして放送されていた首都直下地震の対策について考えたコーナーです。このコーナーは、地震が起きた場合、大きな被害が起きるであろう地域の住民が行っている対策を紹介したり、専門家が地震が起きた時の対策を説明してくれたり、すごく、ぼく自身、地震について考えさせられたコーナーでした。(東京・中学2年・男子)

    • 『Nスタ』(TBSテレビ)ノーベル賞を受賞した吉野彰さんが開発した「リチウムイオン電池」の活用法を紹介した内容でした。「リチウムイオン電池」がいまいち何に役立つのか分かっていませんでしたが、これからの「電気自動車」に役立っていくことが分かりました。紅葉がきれいな場所も取材していて、とても心が温かくなりました。(北海道・中学2年・女子)

    • 『ニュース』(NHK 総合)普段テレビでニュースを見ないのでお昼のニュースを録画して見ました。昔から変わらないオープニングです。小学校時代の夏休みはこの番組が始まると同時に昼ご飯を食べていたので久しぶりにオープニングを見て昼ご飯の味を思い出しました(笑)。私は普段ニュースを新聞とネットニュースで情報を得ています。だからこれからテレビのニュースを見る習慣をつけてテレビ・新聞・ネットの3つの媒体でのニュースの報道の違いを比べられるようにしたいです。(鳥取・中学3年・女子)

    • 『体感 首都直下地震ウィーク』(NHK 総合)番組内のドラマ「パラレル東京」は、緊迫感溢れる映像で、目を疑うほどほどリアルだった。その沢山の衝撃的な被害は、単なるドラマの世界ではなく、現実に起こる。そう考えると、臨場感と危機感が増した。また、ドラマ内で、災害情報を報道するうえで、Twitter等からの確実な証拠が無く、デマかもしれない情報を、流すべきか悩んでいたシーンがあった。真実であったら、テレビの力で多くの人に注意喚起が出来、救えるかもしれない。しかし証拠が無い。デマであったら、混乱の中に混乱を招いてしまう。報道の難しさを垣間見た。同時に鵜呑みにすることの恐ろしさも伝わった。ドラマ後の起こりうる被害とその対策についての話と、画面下に表示された豆知識の様な対策のための一言はとても勉強になった。しかし、どんな危険性があって、何を気を付けたらよいのか、番組で述べられた対策がまとめて表示されたらもっと良かった。(東京・高校1年・女子)

    • 『めざましテレビ』(フジテレビ)日本や世界で起きている事件や出来事を知ることは、普段の会話や小論文対策にも役に立つと思うので毎日欠かさず見るようにしています。最近は、芸能人の薬物使用に関するニュースばかりですが、私が今一番関心を持っているニュースは高齢者ドライバーによる事故です。私の祖母や祖父も高齢ですがまだ車を運転しています。その理由の一つに、公共交通機関が発達していないことがあると思います。私が住んでいる石川県や、その他の地方はバスや電車の本数が少なかったり、料金が高かったりするので車は生活に欠かすことができません。自分の運転技術を過信している方も多いと思います。こうした事故を減らすためにも地方の交通機関の整備はもっと進むべきだと思います。めざましテレビはニュースのチェックもできるし、「イマドキ」というコーナーでは最新のグルメやファッションも紹介され、お天気キャスターの衣装が転機に合わせたコーディネートになっているので参考になります。(石川・高校2年・女子)

    • 私が気になったニュースは沢尻エリカさんの薬物所持についてです。私の好きな海外のミュージシャンは「自分が生きていくことや幸せにいつも頭を悩ませていた」と言っていました。そういう、心の安心できるものがない時に、それを忘れようとドラッグを使っていくのではないかと思いました。そう考えると自分の幸せや安心できることを見つけられるとドラッグを使うことはあまりなくなるのではないかと考えることができます。私が大好きなミュージシャンは去年の4月に亡くなりました。沢尻さんはこの事件でドラッグを使わず、自分で幸せを見つけられるようになってほしいです。(兵庫・中学3年・女子)

    • 中村哲さんが亡くなってしまったことは非常に残念で悲しいです。しかし、ここでただ悲しむだけで終わるのではなく、中村さんがやっていたことをアフガニスタンの人々が続けていけるよう支援をしたり、支援やボランティアが難しくても限りある資源をより有効に使うよう意識することも重要だと改めて感じました。(奈良・高校3年・男子)

    • 私がいつも注目するのは、「放送されている内容が本当に全てなのか?」という点だ。私がそう思い始めたきっかけは、SNSで見かけた香港に住む日本の方が目の前の現状について生々しく書き綴っている投稿があまりにも衝撃的だったからだ。その内容を要約すると、「日本の報道は何一つ正しい現実を伝えていない。デモでケガをした学生を病院で待ち伏せる警官や大量の不審死を"異常無し"で片づける政府。最早ここは戦地だ」というものだった。今回見たニュースでも政府が「厳しく対処するとけん制」とあったが、それが本当ならば上に挙げた投稿や学生に銃を向ける警官の写真はウソなのだろうか。放送の内容を100%信じるのは難しい、というのが私の今の考えである。(佐賀・高校3年・女子)

  • 【自由記述】

    • 最近のニュースを見ていて疑問に思うことは、ニュースで扱うものとそうでないものの違いは何なのか?ということです。「それ、全国ニュースでいうこと?」と思うものがあって、そんなことで名前も顔もニュースで流したら、この後の生活どうするのかな?とか、がんばって大学入っただろうに、きっと就職できないだろうな。とか、この人にも私と同じくらいの子どもがいるんだろうな。子どもはきっと学校行けないだろうな。とか、心配になることがあります。他に大きな事件が無いとか、面白いからとかの理由なのだろうな とは思いますが、そこまで重い罪でもないのになぁと思ってしまいます。悪いことをするのはもちろんダメなことですが、反省して罪を償った後はもう一度やり直せる社会であって欲しいですし、家族の生活も考えて欲しいと思います。(神奈川・高校1年・女子)

    • 朝~昼の時間帯などである街歩きロケはほとんどが東京都内の区で行われているような気がします。人口が関東地方に集中しているのでこのような番組構成になってもおかしくありません。だけど、これは私のような地方の人にとってはどこか夢の世界のように感じてしまいます。1か月に2、3本ぐらいでいいので地方ロケのコーナーがあったら面白いかなと思います。地方の人は番組を身近に感じることができるし、都心の人はお昼に非日常を感じリラックスできると思います。しかし、テレビ局側からみると地方のロケはお金と時間が都心のロケよりもかかり負担になると思います。だから私はこういう時こそキー局と地方局が役割分担をして協力すればいいと思います。(鳥取・中学3年・女子)

    • 学校の国語の授業で"新聞やニュースから表現の自由を感じる"ということを学びました。実際、1つのニュースに対し様々な言い回しがされていて日本語は面白いなと感じたし、外国語にそのままのニュアンスで訳するのは難しいので言語は奥が深いなと思いました。(神奈川・高校2年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『100分de名著「ドストエフスキー・カラマーゾフの兄弟」』(NHK・Eテレ)人間関係が複雑ながら中学生の私でも理解ができるような図を作ったり、アニメーションや朗読などでわかりやすく説明していておもしろかったです。4週連続の放送ですが、次の回も見たくなりました。(北海道・中学2年・女子)

    • 『100分de名著「ドストエフスキー・カラマーゾフの兄弟」』(NHK・Eテレ)「カラマーゾフの兄弟」は世界史で今勉強している19世紀のロシアが舞台となっていたので興味が出ました。冬休みに読んでみようと思います。(神奈川・高校1年・女子)

    • 『ストロングポイント』(BS日本)パラアスリート3人の女子がお菓子を頬張りながらワイワイ楽しそうに話している姿を見ていて私も楽しい気分になった。障害のある人たちもない人たちも考え方がそこまで違うことはないと分かれて良かった。(愛知・中学2年・女子)

    • 『世界!ニッポン行きたい人応援団』(テレビ東京)この番組を観るといつもこんなに日本のことを好きでいてくれることを嬉しく思います。そして、私自身も知らない日本の勉強になります。今回は卵焼きが好きな女性が印象に残りました。アニメを見て卵焼きが気になるとは、日本のアニメが外国の方々にすごい影響を与えているんだなと改めて思いました。日本人でも知らないこともあるので、日本を学ぶ機会になっていいと思いました。(神奈川・高校1年・女子)

以上

第219回 放送と青少年に関する委員会

第219回-2019年11月

視聴者からの意見について…など

2019年11月26日、第219回青少年委員会をBPO第1会議室で開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、まず10月16日から11月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
バラエティー番組で、お笑い芸人が女性アイドルグループをプロデュースする企画について、「未成年の女性を食い物にしたような内容で非常に不快になった」「芸人がセクハラやパワハラを行い、それをエンターテインメントとして放送していることに嫌悪感を覚えた」などの意見が寄せられました。これについて委員からは、「放送時間、タレントの芸風、出演している女性たちが18歳以上ということを考えるとバラエティーとしてぎりぎり、いいのかとも思えるが、いかにも後味が悪かった」「パワハラ、セクハラにあたるストーリーをもし肯定的に描いているとすれば、見ている子どもに対してよい影響は与えないだろう」などの意見が出され、次回の委員会で全委員が番組を視聴し、「討論」することになりました。
11月の中高生モニターのリポートのテーマは「最近見たドラマについて」でした。25人から報告がありました。
モニターからは、フリーランスの女性天才外科医の活躍を描いた連続ドラマについて、「ここまで長くシリーズになっているとマンネリ化しそうな気もしますが、シリーズが変わるごとに少しずつ、もしくは大幅に変化していく力関係、何ともクセの強い登場人物たちが良いスパイスになっていて、不思議と『はいはいもういいよ』とならないのがすごいと思います」、意識が戻らぬまま眠り続ける主人公と仲間たちとの過去を描いたドラマについて、「私は、この回のドラマを見て人それぞれ色んなことを考えているのだろうと思いました。いつもは調子乗りの人でも心で抱えている問題があることもあるということです。…私はこれを見て、どんな人でも悩んでいることがあるかもしれないと思えるようになったし、友達のこともより大切にしようと思いました」、一人の刑事が巨悪に反乱を起こすというストーリーの刑事ドラマについて、「今の日本の社会に、本物の正義は何か、守るものは何か、などといったことを訴えようとしているのかな?とは思いますが、少し暴力的なシーンが多い気がしています。暴力がかっこよく描かれているようなシーンもあるように感じるので、以前私たち世代にヒットしたドラマが放送されたこの時間帯に放送するならもう少し少なくても…と思います」、死後に自分の死の手続きをする場所を描いたドラマについて、「見ていると必然的に"死"と自分の生き方について思いめぐらすようになる。それと同時に死者の思いにやるせなさを感じ、苦しくもなる。しかし、『しね』という言葉を簡単に発したり、人を傷つけ、ポイントを稼ぐようなゲームが溢れていたりするなど、若干"死"が軽んじられている今、このドラマを薦めたい」、婚約を破棄された主人公が心の傷をいやすため大人のバイオリン教室に通うというドラマについて、「今までドラマを見てこなかったのは、よくある刑事ドラマや恋愛ドラマのストーリーに関心が持てなかったことが大きいと思う。このドラマのように趣味の世界を紹介するような、それだけでなくしっかりとした人間ドラマになっている話が増えれば、もっとドラマを見たいと思うようになるのではないか」、などの意見が寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
次回は12月16日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2019年11月26日(火)午後4時30分~午後6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

一人の男性お笑い芸人が女性アイドルグループのオーディションをプロデュースするというバラエティー番組の企画において、お笑い芸人が立場を利用して、選ばれる側の若い女性に好き放題振る舞うような演出に対して、「世の中を知らない若い女の子が見れば、権力がある人には媚を売らないといけないと思うだろう」「未成年の女性を食い物にしたような内容で不快になった」「女性がバカにされているよう。子どもたちや若者の本当に頑張りたい子が見ていてつらいのではないか」などとの意見が寄せられました。
これに対して委員からは、「放送時間とこの男性芸人の芸風であるということ、女の子たちが18歳以上でアイドル志望であることが前提になっていることを考えると、バラエティーとしてぎりぎりなのかというところもあるが、映しているものはパワハラの構造そのものだ」「出ている女性が番組の趣旨に理解があった上でやっているとすれば、出演者との関係で問題にならないことになるかもしれない。見る側としては、あえて気持ち悪い方向に演出をしているのだとすると、気分がその限界を超えたならば見なければいいということなのかと思う」「優越的地位を利用したパワハラ、体に触れるなどのセクハラのストーリーを肯定的に描いているとすれば、台本があってやっていたとしても、これを見ている子どもに対していい影響は与えないだろう」「視聴者の意見の中に、中学生の息子が喜んで見ていて、それを母親が心配しているというのがあった。こういうものを笑いながら肯定してしまうのは気持ちがいいものではない」などの意見が出されました。
この件に関しては、次回委員会で全委員が番組を視聴し、「討論」することになりました。

前回委員会での「討論」の結果を受け、榊原委員長より、次のような「委員長コメント」が出されました。

2019年12月9日

「実社会では性的な嫌がらせに該当するような企画に子どもを参加させる番組」
に関する委員長コメント

放送と青少年に関する委員会
委員長 榊原 洋一

画像メディアのコンテンツが、子どもの言動や心理に及ぼす影響についての多くの研究によって、幼少の子どもが登場人物(やキャラクター)の行動の模倣をすることが明らかになっている。特に子どもにとって憧憬の対象であるタレントやキャラクターの言動は、模倣の対象となる可能性が高くなる。これまでにも、有名タレントや漫画のキャラクターの動作や言葉が子どもたちの間で流行したことがあった。

日本民間放送連盟の放送基準にも、こうした青少年の特性をふまえ「児童向け番組は、健全な社会通念に基づき、児童の品性を損なうような言葉や表現は避けなければならない」と規定されている(第三章(16))。

過日人気タレントをモチーフにした、逆立ちをした裸の着ぐるみが、臀部を子どもに向けて、謎掛けをし、正解できないと罰として「おなら」と称する臭いのあるガスを肛門に見立てた穴から吹きかける、という番組が放送された。お尻のキャラクターが子どもたちの間で人気を博しているという背景もあり、周りで見ている子どもたちの多くは、着ぐるみと解答する子どもとの掛け合いを笑いながら見ているように見えた。ただ、この番組の収録は小学校で教員の許可のもとに、教師や同級生の見守る中で行われており、子どもの行動が強い同調圧力のもとにあったことを忘れてはならない。

現実社会でこのような行動が行われれば、明らかにセクシャル・ハラスメントに当たる内容である。

お笑い芸人やタレント等による社会的な規範にとらわれない演技は、堅苦しい現実を吹き飛ばす力があり、放送文化の一つとして容認されることかもしれない。しかし、過日放送された番組内容は、出演の子どもや視聴した子どもが日常生活の中で模倣し、社会的に拡散定着していくおそれがあるだけでなく、子どもたちが成人した後にも、実社会の中で例えば宴会芸などとして再生されていく可能性がある。またたとえ再生されなくても、実社会で同様の行為を見た場合に、それを容認してしまう行動につながるおそれがある。

さらに付け加えれば、放送された成人男性の股間や臀部が近づいているという映像を、セクシャル・ハラスメントの被害者が視聴すれば、心的外傷後ストレス障害(PTSD)等を悪化させたり、惹起したりする可能性も無視できない。

Me Too運動のように、日本だけでなく世界全体でセクシャル・ハラスメントを重く捉え、学校や職場でその抑止へ向けての努力がなされていることを鑑みると、この番組の内容はそうした努力に逆行するもののように思える。

このような演技に子どもを参加させた番組関係者は、現代社会の規範に関する感受性が欠けていたと思わざるをえない。

今後番組制作者は、番組制作に当たって、前述の放送基準に沿うよう留意していただきたい。

以上

中高生モニター報告について

今月は11月のモニター報告について話し合われました。
34人の中高生モニターにお願いした11月のテーマは、「最近見たドラマについて」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で25人から報告がありました。
「最近見たドラマについて」では、複数のモニターが感想を寄せた番組は5番組ありました。『同期のサクラ』(日本テレビ)を4人が、『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日)を3人が、『ニッポンノワール』(日本テレビ)、『俺の話は長い』(日本テレビ)、『モトカレマニア』(フジテレビ)をそれぞれ2人ずつが取り上げています。それ以外のモニターは別々の番組について書いてくれたので、今回感想が寄せられた番組は全部で16にも上りました。
「自由記述」では、ラグビーのワールドカップが終了したことを受け、「感動した。今後もラグビーの取材を続けてほしい」という放送局への要望や「来年のオリンピック関連の放送も楽しみ」という期待の声がありました。一方で、「今のテレビ番組は似通ったものが多くあると感じる。もっと多種多様なものを作っていくべき」という意見もありました。他には、芸能人の違法薬物所持・逮捕のニュースについて記述したモニターが3人いました。
「青少年へのおすすめ番組」については、『先生、、、どこにいるんですか?』(テレビ東京)を3人が、『ハートネットTV「シリーズ 発達障害アバター大集合」』(NHK Eテレ)と『BS1スペシャル「新大久保"多国籍会議"ニッポンの未来が見える町」』(NHK・BS1)をそれぞれ2人が取り上げていました。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たドラマについて】

    • 最近のニュースがドラマに取り入れられていることに注目したり、登場人物の心の動きに着目したリ、モニターたちはそれぞれの方法でドラマを楽しみ、考察を深めていると感じた。

    • 『おいしい給食』(東京メトロポリタンテレビジョン)のように中学生が多く出演している番組について、「より話に入り込んで見ることができた」と書いたモニターがいた。少子化で子どもが主人公になる話がだんだん少なくなるかもしれない中で、子どもにとっては同じくらいの年齢の出演者がたくさん出ていると親しみを感じ、嬉しいのだなと思った。

    • 日本テレビの日曜夜の時間帯、『3年A組』から『あなたの番です』、今の『ニッポンノワール』に続くこのラインを、若い人たちはすごく見ていると思った。これらは「参加型」というか、ネットでも物語をみんなで想像をしたりして楽しめるところがうけているようだ。見ている人が、ドラマ以外の時間でも謎解きを楽しむというところが今までのドラマとは全く異なり、新鮮だったということなのだろう。

    • 『ドラマホリック!死役所』(テレビ東京)について、「死は突然やって来る。"後で"とか"そのうち"とか、これまで考えていたことの恐ろしさを感じた。もしも死という壁が人を阻めば、"後で"や"そのうち"はない。このドラマを見て、自分がどのように生きていくのか、ということを考えるようになった」という感想が寄せられていた。このドラマは、突然死や殺人、交通事故に遭ったりして自分の死がなかなか受けとめられない人たちが、一生懸命、死んだ理由や周りの人たちの状況を考えて死を受け入れ、生まれ変わるための門に行けるかどうか、というようなストーリーになっている。私自身も「なかなかおもしろい着目点のドラマだな」というふうに思って見ている。

  • 【自由記述】

    • 中高生の間でもラグビーへの関心は高かった。ただ、中にはバレーボールファンもいて、「男子バレーの活躍もほかに類を見ないものだったのに、どの番組もラグビーばっかり取り上げていて、いつも同じだった」という感想もあった。ぜひ、テレビ局に伝えたいと思った。

    • 友だちに「〇〇という番組見た?」と聞いたら、「あれはCMばかりだから見ない」と言われたというモニターがいた。モニター自身も、CM前後で繰り返し映像が多く肝心のストーリーがなかなか進まない番組にイライラした経験を思い出し、「せっかく面白い番組なのに、そのような原因で視聴者が離れていってしまうのは残念」と考えたという。確かに引っ張り過ぎるところはある。興味深い意見だった。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見たドラマについて】

    • 『同期のサクラ』(日本テレビ)1話が1年という進み方が新鮮でいいと思いました。また、なぜ今のサクラが病院で意識がないのか、観るたびに気になります。サクラ(高畑充希さん)の役も独特で、走り方やお辞儀の仕方、納得いかないときの表情など、真似てみたくなります。今現在のシーンから回想シーンになるという始まり方やだんだんみんなが仲間になっていく…みたいなありがちな部分に対し、希望の部署に行けなかったり子会社に飛ばされたりと予想以上に思い通りにいかない部分もあっていいなと思います。個人的に気になるのは、すみれさん(相武紗季さん)の衣装がおばさんすぎることです。最初はOLファッションだったのに、急に私のおばあちゃんの家の地域のおばさんみたいに変わってしまいました。調べてみたら、サクラの10歳年上という設定のようです。1話では32歳か33歳、6話では38歳か39歳、2019年のシーンでは42歳か43歳。42歳なんて若いのに、60~70代みたいな恰好で、ちょっと残念だなぁ…と思いました。(神奈川・高校1年・女子)

    • 『同期のサクラ』(日本テレビ)真っ直ぐに自分の夢を追いかけて努力し、仲間想いでどんな事にも全力で取り組む北野サクラの姿に毎週感動しています。私は今受験生なので、彼女を見習って頑張っています。(奈良・高校3年・男子)

    • 『同期のサクラ』(日本テレビ)私はこのドラマを見て、人はそれぞれ色んなことを考えているのだろうなと思いました。どういうことかというと、いつもは調子乗りの人でも心に抱えている問題があることもある、ということです。私はこれを見て、どんな人でも悩んでいることがあるかもしれないと思えるようになったし、友だちのこともより大切にしようと思いました。(兵庫・中学3年・女子)

    • 『ドクターX ~外科医・大門未知子』(テレビ朝日)ここまで長い期間続いているとマンネリ化しそうな気もしますが、シリーズが変わるごとに少しずつ、もしくは大幅に変化していく力関係や経済事象、何ともまあクセの強い登場人物たちが良いスパイスになっていて、不思議と「はいはい、もういいよ」とならないのですごいと思います。今回からはAIの「アイ」も登場し、本当にこんな風になる日が近いんだなと思うと少し怖いですが、そのAIとの戦いというか、何というか…。「"AI"が"AI"が、ってバカのひとつ覚えみたい」「もっと自分の頭で考えたら?」というようなAIに頼りすぎるほかの医者たちに警告する言葉が私たちにも向けられているようで深く刺さります。今回のシリーズは特に"言葉"に重きが置かれているような気がします。(福岡・中学2年・女子)

    • 『ドクターX ~外科医・大門未知子』(テレビ朝日)手術中のシーンでどこをどうしているのかを図で表してくれるので視聴者みんなが一目でわかります。また、その年話題になったことが話の中に出てくるのも面白いです。私が見た今回の話は新人ナースがやみ営業をするというものでした。実際にあったことをドラマで扱うのは悪くないと考えています。私たちは世の中であったことを忘れてはいけないと思います。(愛知・中学2年・女子)

    • 『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』(日本テレビ)『3年A組』と話が繋がっていて、そういう工夫は視聴者としてとても嬉しいです。(大分・高校2年・男子)

    • 『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』(日本テレビ)私自身、『3年A組』はハマって見ていたのでこのドラマの中に関係したことが出てきたり、見つけたりしながら見られて楽しいです。ですが、『3年A組』を見ていない視聴者には分かりにくいところがあるのではないかとも思いました。また、「今の日本の社会に、本物の正義は何か、守るものは何か、などといったことを訴えようとしているのかな?」とは思いますが、少し暴力的なシーンが多い気がしています。暴力がかっこよく描かれているようなシーンもあるように感じるので、『3年A組』で私たち世代にヒットしたこの時間帯に放送するのならもう少し少なくても…とは思います。今回も『3年A組』『あなたの番です』に続いてまた、考察というものがSNS上で盛り上がっているので、共有しながら見ている感じがして個人的には好きです。ドラマのストーリーをSNS上で考察しあい、ドラマが放送される前後や放送されていない時間でも盛り上がるというのは新しいブームだと感じます。(福岡・中学3年・女子)

    • 『俺の話は長い』(日本テレビ)このドラマは『サザエさん』のように1時間ある放送時間のうち、30分の話を2本放送しており、この試みだと長時間拘束されるのが嫌だという理由でテレビを倦厭する人にとっても手軽に見ることができ、良いと思いました。日常で起こるちょっとしたことを描いていますが、その中で家族の繋がりというものを感じさせられ、見終わった後に心が温まるようなドラマだと思いました。(愛媛・高校2年・女子)

    • 『モトカレマニア』(フジテレビ)もともと好きなアーティストが主題歌を務めているため視聴し始めました。恋愛に悩む主人公の心情がコミカルに描かれており、全体的にもテンポ良く進むドラマで週1の楽しみになっています。(神奈川・高校1年・女子)

    • 『シャーロック』(フジテレビ)最近ニュースになったことなども出てきて飽きずに見られました。例えば「地面師事件」についての回では、どのような事件なのか気になっていたのですごく面白かったです。主人公がバイオリンを弾くことなど、原作の「シャーロックホームズ」シリーズで読んでいるともっとドラマが楽しめるところも原作の良さを生かしていていいと思いました。(東京・中学1年・女子)

    • 『おいしい給食』(東京メトロポリタンテレビジョン)「給食」をテーマとしたドラマは初めて見ました。家族と一緒に見ていたのですが、「昔はこうだった」とか「今はどうなの?」など話が弾みました。また、多くの中学生が出演しているので、話に入りこんだように見ることができました。(北海道・中学2年・女子)

    • 『連続テレビ小説 スカーレット』(NHK総合)前作の『なつぞら』に比べて少し進むテンポが速いです。最初の1か月はついていくことが難しかったですが今は慣れました。速いテンポの中でも登場人物の心情がうまく表現されていて今後の展開が楽しみです。(鳥取・中学3年・女子)

    • 『ドラマホリック!死役所』(テレビ東京)ドラマに登場する死者は死後に死役所へ辿り着き、そこで初めて自分の死を自覚する。彼らの姿をみて、「後で」や「そのうち」の考えの恐ろしさを感じた。もしも"死"という壁が行く手を阻めば、「後で」や「そのうち」は永遠に来ず、取り返しのつかないことになり得るのだ。このドラマを見始めてから、自分はどのように生きていくのか考え続けている。見ていると必然的に"死"と自分の生き方について思い巡らすようになる。それと同時に死者の思いにやるせなさを感じ、苦しくもなる。しかし、「しね」という言葉を簡単に発したり、ひとを傷つけ、ポイントを稼ぐようなゲームが溢れていたりするなど、若干"死"が軽んじられている今、このドラマを薦めたい。(東京・高校1年・女子)

    • 『G線上のあなたと私』(TBSテレビ)普段は殆どドラマを見ないので、久しぶりに継続して見ているドラマである。なぜこのドラマを見ているかというと、個人的に主人公たちと境遇が似ているためである。私はちょうど今年から音楽教室に通い始めていて、主人公達が習っているバイオリンではないものの、親近感を覚えた。今までドラマを見てこなかったのは、よくある刑事ドラマや恋愛ドラマのストーリーに関心が持てなかったことが大きいと思う。よって、このドラマのように趣味の世界を紹介するような、それだけでなくしっかりとした人間ドラマになっている話が増えれば、もっとドラマを見たいと思うようになるのではないかと考える。(東京・高校1年・男子)

    • 『相棒 season18』(テレビ朝日)テレビの中でも特にドラマを見るのが好きで、毎クールいろいろなドラマを見るのでどのドラマについて書くか迷いましたが、小さい時からずっと見ていて大好きな『相棒』について書くことにします。小さい時は、見ていて難しいと感じる内容も多かったですが、最近はそう感じることも少なくなりましたし、21時からという放送時間も、遅すぎず見やすいですし、2クールあるので長く楽しめるところが好きです。2クールのドラマは、『あなたの番です』を視聴していました。サスペンスものなので2クールあるとストーリーが深くなって、見ていると目が離せなくなってしまうくらい楽しいです。なので、これからもっと2クールのドラマが増えたらいいなと思いました。(石川・高校2年・女子)

  • 【自由記述】

    • ラグビーW杯が終わってしまったけれど、今回増えたファンが減らないように、テレビなどで積極的にラグビーのことを取り上げてほしいです。(東京・中学1年・女子)

    • 私が今回ラグビーを見ようと思った大きな理由は宣伝がすごかったからです。ラグビーW杯の宣伝は大会が始まる1年前から始まっていました。関連するCMもそのころから流れていました。当時、私はラグビーW杯のことはほとんど知りませんでしたがCMなどでたくさん見るうちに「すごい大会なのだな」と自然と思うようになり試合を見てみようと思いました。宣伝というものはすごい影響があるのだと改めて実感しました。他のスポーツでも大きな大会があるときは1年前から宣伝をすればもっと視聴率が上がるのではないかなと思いました。来年の東京オリンピックがそれぞれの局でどのような宣伝をしてくるのか楽しみです。(鳥取・中学3年・女子)

    • 芸能人の方が逮捕されると過去のドラマや映画がすべて地上波で放送されなくなったり、切り替えられたり、差し替えられてしまうのはなぜですか?確かに違法薬物や暴力…逮捕されるようなことをいろんな人に顔が知られている芸能人がするのはいけないことだとは思いますが、ただ出演しているというだけであって作品には何の罪もないと思います。逮捕や送検されてから、その人の出演した映像を地上波で流さないことなどより、もっとできることはあると思います。若い世代に薬物や暴力、犯罪などはいけないことだと伝えられる機会なのではないのでしょうか?(福岡・中学3年・女子)

    • 桜を見る会問題のニュースが芸能人の逮捕というニュースで少し薄まってしまったのではないか、またモリカケ問題の時と同じように曖昧で終わってしまうのかという不安を抱えざるを得ない。(東京・高校1年・女子)

    • 先日友だちに、「○○見た?」と聞いたところ、「あれ、CMばっかだから見ない」と言われてしまいました。TV好きな私はCMも大好きなので、CMが多いから番組を観ないとまでは思いませんが、確かにCMになる前の「この後どうなる??」みたいな映像や、CM明けの「これまでは…」みたいな紹介映像などで、肝心のストーリーはなかなか進まなくて、イライラした覚えはあります。せっかくの面白い番組なのに、そんな原因で視聴者が離れて行ってしまうのは残念だなと思います。(神奈川・高校1年・女子)

    • 台風の際、テレビ局によっては外国人向けの英語サイトを特設しており、来年に向けて他局も導入すると、外国人観光客もより安心してサイトと併用しながらテレビを見ることができるだろうなと思いました。(東京・高校1年・女子)

    • 来年のオリンピックに向けて、外国人向けのローカル番組やニュース番組の字幕の言語を増やすなど、観光客がたとえ日本語をわからなくても楽しめるテレビ番組がもっと増えるといいなと思います。(東京・高校1年・女子)

    • 合成麻薬を所持していたとして芸能人の容疑者が逮捕された。テレビなどのニュースでは、逮捕前日の夜の容疑者の様子を捉えた映像が放映されている。逮捕後に取材をしたりするのは当然のことだと思うが、逮捕する前から様子を撮影していたのは 何か順序がおかしいと思う。そろそろ逮捕されると知っていて撮影していたとすると、どこかから情報を貰って動いていたことになると思う。(東京・高校1年・男子)

    • テレビはどうなっていくべきかということですが、現在のテレビ番組の中に は似通ったものが多くあると感じます。もっと多種多様な番組を作っていくべきだと思います。(愛媛・高校2年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『先生、、、どこにいるんですか?』(テレビ東京)私にはまだ「この先生が自分にとっての一番の恩人だ」と言えるような先生がいません。まだ学生であり、先生がいるのが当たり前だからなのかもしれません。だから、先生との関わりがある時間を大切にしていこうと思いました。(群馬・高校1年・女子)

    • 『BS1スペシャル 「新大久保"多国籍会議"ニッポンの未来が見える町」』(NHK BS1)新大久保には韓国を中心にアジア各国のお店が立ち並んでいます。文化の違いなどですれ違うこともあり、勝手に「〇〇通り」など名前をつけたり、古くからの日本のお店が少なくなってきたり問題もたくさんあります。が、そこで、様々な国の人と話し合って交流することは未来の日本にはとても大切なことだと思いました。(兵庫・中学1年・女子)

    • 『メイドインジャパン!』(TBSテレビ)番組を見るといつも思うのですが、日本の技術はすごいと思います。日本の技術のすごさを知れるし、外国の家族の感動の話もあるのでおすすめです。(千葉・中学1年・男子)

    • 『ハートネットTV「シリーズ 発達障害アバター大集合」』(NHK Eテレ)1人1人に合うコミュニケーションの形を模索していて、良いと思いました。最先端の技術を上手く取り入れ、可能性を広げている姿を見て感動を覚えました。私もコミュニケーションは面と向かって行うのが至上という旧時代的な考えは捨てて、柔軟な思考で物事に対応していきたいと思います。(石川・高校2年・男子)

    • 『くりぃむしちゅーの!THE レジェンド2019第10弾』(日本テレビ)今話題沸騰中のラグビー選手特集でした。正直私は大のバレーボールファンであり、男子バレーの活躍も他に類を見ないものだったのに、どの番組もラグビーばかりでいつも悲しくなってしまいます…。(佐賀・高校3年・女子)

以上

第218回 放送と青少年に関する委員会

第218回-2019年10月

視聴者からの意見について…など

2019年10月29日、第218回青少年委員会をBPO第1会議室で開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、前回から継続討論している2件について意見を交わしました。バラエティー番組でタレントをモチーフにした全裸の着ぐるみキャラクターが小学校を訪問して、なぞなぞを仕掛け、不正解だと「オナラ」を発射する企画に関して「低俗で不愉快だ」「子どもに見せたくない」などの意見が寄せられた件については、「審議」には進まないが、後日「委員長コメント」を出すことになりました。また、深夜のバラエティー番組で女性アイドルグループのメンバーの顔に、男性タレントのお尻が近づき、どこまで我慢できるかを競う企画に関して「セクハラだ」「下品すぎる」などの意見が寄せられた件については、「審議」には進まず、討論を終了することになりました。
10月の中高生モニターのリポートのテーマは「最近聴いたラジオ番組について」でした。24人から報告がありました。
モニターからは、ラジオの中の学校をコンセプトにした番組ついて「私がこの番組を一番聴いていたのは、学校に行っていなかったころでした。毎日この番組の出演者の言葉やメッセージに支えられていました。学校に行っていなくて家にいるだけの毎日に光を与えてくれたといっても過言ではないです」、高校野球のラジオ中継について「ラジオでは目を閉じて聴けます。いつボールを投げたかも言ってくれるので試合の経過もよく分かります。『せっかくだから夏休みはのんびりしたい。だけど野球も楽しみたい』こんな私にラジオはぴったりです」、洋楽を中心とした音楽番組について「ラジオを久しぶりに聴いて感じたことは、他のマスメディアと比べて、リスナーとの距離が近いということです。MCがリスナーに電話する企画や、ツイッターを利用して視聴者と会話したり、すぐそこで会話しているような気持になることができます。このことは、これからのマスメディアにとってとても重要なことだと思います」、深夜の番組について「いつも疑問に思うのは『テレビではNGだけれどラジオでOKなことがあるのはどうしてだろう?』ということだ。例えば下ネタ。確実にテレビではタブーだと思われるのが普通にラジオで流れてくると戸惑ってしまう。この差は果たしてあっていいものだろうか。私は個人的には、差があってもいいと思っている。改めて考えると、『放送』って難しいことだなと思う。正解なんてどこにもないからだ。しかも、だからといってすべてが自由というわけではないからだ」などの意見が寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
次回は11月26日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2019年10月29日(火)午後4時30分~午後6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

今回は前回委員会から継続討論となった2件について意見交換しました。
お笑いタレントをモチーフにした全裸の着ぐるみキャラクターが小学校を訪問して、股の間でなぞなぞを仕掛け、間違えた子どもには「オナラ」を発射するというバラエティー番組の企画に対して、「低俗で不快。しかも子どもたちが集まる場所でロケを行っている」などとの意見が寄せられていました。
これに対して委員からは、「子どもが大人になってセクハラ的なことを容認するようなバックグラウンドになり得るのではないか」「制作側は子どもに向けた番組を作るときには、大人向けの番組作るのと違う意識が必要なのではないか」「股間に顔を近づけさせられて、失敗したらオナラを吹きかけられるというのは、大人だけでなく、子どもにとってとても屈辱的な行為だろう。お笑いだからいいんだで済ませることができないような屈辱的なことを子どもたちに強要しているのではないか」「この企画は子どもが参加し、子どもが視聴する時間帯で、まさに子ども向けに行われている」などの意見が出されました。
議論の結果、この件は「審議」には進まないが、後日、「委員長コメント」を出すことになりました。
また、深夜のバラエティー番組で、椅子に座る女性アイドルの顔に男性お笑いタレントのお尻が近づいてきて、どこまで我慢できるかを競う企画に対して、「セクハラだ」「アイドルを番組の道具としか見なしていない」などとの意見が寄せられていました。
これに対して委員からは、「実社会でこれをやったらセクハラにあたるだろうが、深夜で子どもが見ていない時間帯に放送しており、出演者が大人のプロの芸能人であって、そういうことがある程度分かった人を対象に笑いをとっているのではないか」などの意見が出されました。
議論の結果、この件は、「審議」には進まず、討論を終了することになりました。

中高生モニター報告について

今月は10月のモニター報告について話し合われました。
34人の中高生モニターにお願いした10月のテーマは、「最近聴いたラジオ番組について」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で24人から報告がありました。
「最近聴いたラジオ番組」では、複数のモニターが意見を寄せた番組は4番組ありました。パーソナリティーは異なりますが、『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)を4人が、『SCHOOL OF LOCK!』(エフエム東京)を3人が、『POP OF THE WORLD』(J-WAVE)と『高校生からはじめる「現代英語」』(NHKラジオ第2)を2人が取り上げています。そのほかのモニターはすべて異なる番組について報告していました。また、聴取方法について、リアルタイムだったか、またはタイムフリーのアプリ利用や録音だったか、ということについても尋ねました。リアルタイムは12人、アプリなどの利用は12人という結果でした。
「自由記述」では、7人のモニターが台風に関連する記述をしていました。被害をニュースで知って心配だという声、情報を得ることの重要性を痛感したという声、マスコミの取材の仕方に疑問を感じたという声など、内容はさまざまでした。一方で、台風関連以外の記述もありました。10月にスタートした2つのドラマについてこれまでのドラマとの違いを挙げ、「新たな挑戦」と評価する人や最新技術AIを駆使して制作された番組について「未来への可能性を感じている」と期待する人がいました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『関口宏の東京フレンドパーク2019』(TBSテレビ)、『サンドウィッチマン&愛菜の博士ちゃん 初回2時間スペシャル』(テレビ朝日)、『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)について取り上げたモニターがそれぞれ2人ずつでした。

◆委員の感想◆

  • 【最近聴いたラジオ番組について】

    • ラジオを自分の生活に取り入れ習慣として聴いているという中高生モニターが少なくないことが分かった。

    • モニターたちは、アーティストなど、ラジオ番組出演者の考えや思いを知り、より深く人間性に触れられるとしてラジオを受け入れ身近に感じている。これからのマスメディアにはラジオのような「視聴者との距離の近さ」が重要だという意見があったのが興味深い。

    • 出演者の素の言葉、本音を聴けることが醍醐味と感じるモニターが多いが、これは、ラジオではテレビよりも出演者がリラックスして話しているから、ということが関係していると思う。カメラがなくて緊張が少なく、伸び伸び話せるからこその聴き手との親密感、というのがあるのかもしれない。

    • 『SCHOOL OF LOCK!』(エフエム東京)について、聴いてみたら自分の耳元で語りかけられている、ふっと触られるぐらい近いという感覚があった。困っている子どもに向けた内容が多いが、上から目線ではなく、「一緒に飛んで壁を乗り越えてみようよ」という雰囲気作りがなされ、聴いている方は「一緒ならやれるかも」と思える。ラジオ番組の力を感じた。

    • テレビとラジオでOKな範囲が異なるということを指摘したモニターがいる。下ネタなどテレビではタブーだろうと思われることが、ラジオでは何となく受け入れられているということがあるが、そのことに対して「それぞれ違いがあっていいじゃないか」ということが書かれていた。興味深く感じた。

    • NHKの語学講座について、「飽きません」と書いたモニターが何人かいたが、語学を面白く聴いてもらうための工夫が中高生のモニターに伝わっていることを制作者に伝えたい。

    • 災害時のことを考えると、ラジオに日ごろから親しんでおくことが必要なのではないか。学校の授業や教育プログラムにラジオに関する授業があってもいいと思う。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近聴いたラジオ番組について】

    • 『SCHOOL OF LOCK!』(エフエム東京)ラジオは、どこか聴いているリスナーに寄り添ってくれるのでテレビに負けないくらい私は好きです。この番組を私がいちばん聴いていたのは、学校に行っていなかったころでした。毎日、とーやま校長とあしざわ教頭の言葉、メッセージに支えられていました。学校に行けなくて家にいるだけの毎日に光を与えてくれたといっても過言ではないです。(兵庫・中学3年・女子)

    • 『SCHOOL OF LOCK!』(エフエム東京)ラジオで聴いたり、放送・編集後記を読んだりしています。この回は、「セカオワLOCKS!」が400回を迎えるから記念に何をするか、というお話でした。アーティストの方の声を楽曲以外で耳にすることはなく、「声」を耳にできるという点と、アーティストの方の考えに触れられる機会もないので、「想い」を知る、という点でとても有り難い番組です。(福岡・中学2年・女子)

    • 『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)素の会話や笑い、声を聴けるのはラジオの長所だと思います。ゲストとの掛け合いも声だけだからこそ、その人たちの性格の温かさも伝わりました。映像がなく、声だけの放送だからこそ、聴きながら自分のしたいことをして楽しめるのもいいなと思います。(福岡・中学3年・女子)

    • 『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)テレビと違ったアットホームな雰囲気があり、面白かった。視聴者参加型な感じでコメント等も読んでもらえるのでとても面白い。聴くだけで視覚を使う必要がないので勉強しながら聴けるのも魅力的だと思う。(大阪・高校1年・女子)

    • 『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)ラジオをきっかけに今まで聴いてこなかったジャンルの音楽や、知らないアーティストを知ることができますし、勉強にもなります。音楽のほかにも、クスっと笑える話や、元気が出る話がたくさんあり、受験のときやつらいときにも頑張ってこられたのはこの番組のおかげでした。しかし、私の周りにはラジオを聴いている友達が少なく、ラジオの話をすることができないのが悲しかった。もっとラジオが広まればいいのになと日々思っております。(石川・高校2年・女子)

    • 『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)いつも疑問に思うのが、「テレビではNGだけれどラジオではOKなことがあるのはどうしてだろう?」というものだ。例えば下ネタ。確実にテレビではタブーだろうと思われるのが普通にラジオで流れてくると戸惑ってしまうというか、焦るというか…。この差は果たしてあってもいいものなのだろうか。私は個人的には、差があってもいいと思っている。「テレビはテレビ、ラジオはラジオ」だからだ。改めて考えてみると、「放送」って難しいことだな、と思う。正解なんてどこにもないからだ。しかも、だからといってすべてが自由というわけでもないからだ。(佐賀・高校3年・女子)

    • 『POP OF THE WORLD』 (J-WAVE)ラジオを久しぶりに聴いて感じたことは、他のマスメディアと比べて、リスナーとの距離が近いということです。MCがリスナーに電話する企画や、ツイッターを利用して視聴者と会話したり、すぐそこで会話しているような気持ちになることができます。このことは、これからのマスメディアにとってとても重要なことだと思います。(東京・高校3年・女子)

    • 『POP OF THE WORLD』(J-WAVE)この番組に出会ったのは去年の夏ごろでした。英語の勉強へのモチベ上げにもなりますし、海外事情などなどいろいろ知れるので将来のためにもなると思います。個人的にいちばん好きなラジオ番組です!!(広島・高校2年・男子)

    • 『高校生からはじめる「現代英語」』(NHKラジオ第2)飽きがこないように適度に本文を通して流していて、解説を聴いた後にひと通り復習することができるようになっていて良かった。(東京・高校2年・女子)

    • 『基礎英語1』(NHKラジオ第2)小学6年生のときから聴いています。ストーリーがすごく面白いので、毎日聴いても全然飽きません。私が学校で習っている範囲よりも少し早いので予習にもなるので良いです。(東京・中学1年・女子)

    • 『サンドウィッチマンの天使のつくり笑い』(NHKラジオ第1)普段ラジオを聴く機会などめったにないので良い機会になりました。サンドウィッチマンはコントやトークが面白くて好きです。これからラジオを聴く機会を増やしていきたいです。(千葉・中学1年・男子)

    • 『気象通報』(NHKラジオ第2)中学2年生のときに課題で視聴して以来、長期休みや休日に視聴し、天気図を書くようになった。普段は気にしない部分であるが、風向や風力などの情報が簡潔にまとまっていて視聴すると(書くとなおさら)面白いものであると実感できた。日々変化しているのがはっきりと見えてくるのも非常に面白い。さらに教科書に載っている、夏冬の特徴的な前線が実際に見えることも良いと思った。(東京・高校1年・男子)

    • 『第101回全国高校野球選手権大会』(NHKラジオ第1)学校の技術の授業で作ったトランジスタラジオで聴きました。私はもともと高校野球が好きで毎年楽しみにしています。昨年まではテレビで高校野球を見ていましたが学校でラジオを作ってからは野球中継をラジオで聴くことも多くなりました。ラジオでは目を閉じて聴けます。いつボールを投げたかも言ってくれるので試合の経過もよく分かります。眠くなったら野球中継はいいBGMになります。「せっかくだから夏休みはのんびりしたい!だけど野球も楽しみたい!」こんな私にラジオはぴったりです。(鳥取・中学3年・女子)

    • 『SAISON CARD TOKIO HOT 100』(J-WAVE)ゆったりとした気持ちで聴くことができるため、日曜午後の放送時間はうってつけであると思う。また、上位の曲であるほど流れる時間が長く、解説も多くなる。よって、流行の曲ほど情報量が多いので聴いていて飽きない。(東京・高校1年・男子)

  • 【自由記述】

    • ラジオを聴いていて思ったのは、リスナーとの距離が非常に近いということです。他のリスナーやパーソナリティーとつながっているように思えました。このことがラジオの醍醐味なのでしょう。(愛媛・高校2年・女子)

    • ラグビーがベスト8でニュースで多く取り上げられています。バレーボールも史上初の5連勝をしたのに取り上げられなくてバレーボールファンとしては悲しさを感じる。(千葉・中学1年・男子)

    • 台風でとても大変そうです。心配しています。自然災害、となるとやはり情報の大切さを痛感します。(福岡・中学2年・女子)

    • 台風の被害の映像をニュースで見ていると泥や水のかき出し作業をしている最中にリポーターやカメラマンが入り邪魔ではないのかな…と思うときや、避難所でプライバシーが保護されていないんじゃないかな?と思う映像が流れていました。現状をいち早く、というのはとても大切なことではありますが撮ってはいけないところ、配慮しなければいけないところを冷静に判断して取材をしてほしいなと思います。(福岡・中学3年・女子)

    • 台風の際、テレビ局によっては外国人向けの英語サイトを特設しており、来年に向けて他局も導入するとより、外国人観光客も安心してサイトと併用しながらテレビを見ることができるだろうなと思いました。(東京・高校1年・女子)

    • 『NHKスペシャル「AIでよみがえる美空ひばり」』(NHK総合)ステージにAIでよみがえった美空ひばりさんが現れ歌いました。それを見て皆さん泣いていました。私もその再現度に驚き、初めて美空ひばりさんを見たような気がしました。私はこの番組を見て「テレビの力」を感じました。昔のテレビと今のテレビがつながったような気がしました。昔のテレビの大スターが今のテレビにしかできない力でよみがえる。これがテレビなのだと思いました。未来のテレビの可能性を感じました。(鳥取・中学3年・女子)

    • 10月スタートのドラマについて、思ったことは、今までなかったようなものが増えてるなということです。『同期のサクラ』(日本テレビ)は一話が一年という新しい展開だし、『俺の話は長い』(日本テレビ)は30分2本立てという"サザエさん方式"。今までになかったようなことをやる!という方針はすごくいいことだと思います。テレビもいろんなことにチャレンジして、もっとよくなれば良いなと思います!(神奈川・高校1年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『サンドウィッチマン&愛菜の博士ちゃん 初回2時間スペシャル』(テレビ朝日)について、子どもたちを博士とし、芸能人が子どもから学ぶという構成だったのが面白かったです。博士と呼ばれる子どもたちに1日密着して、ランドセルを背負った姿を放送するなど、子どもだというところを見せるのもいいと思いました。(北海道・中学2年・女子)

    • 『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)私が小さいころから放送していた国民的アニメ。まる子が駄々をこね、おじいちゃんが甘やかすシーンが面白くて和みます。(石川・高校2年・男子)

    • 『関口宏の東京フレンドパーク2019』(TBSテレビ)俳優の方々がドラマでは見せないような笑顔をしたり、協力してゲームに挑む姿が新鮮でした。素顔が垣間見えるバラエティー番組はいつもと違う一面が見られて余計に嬉しいのだなと感じました。(東京・高校1年・女子)

調査研究について

担当の中橋委員より、調査研究(青少年のメディアリテラシー育成に関する放送局の取り組みについて)の進捗状況について報告がありました。

今後の予定について

  • 学校の先生方と青少年委員会委員との意見交換会を、来年2月15日に開催することになりました。

以上

第217回 放送と青少年に関する委員会

第217回-2019年9月

視聴者からの意見について…など

2019年9月24日、第217回青少年委員会をBPO第1会議室で開催し、6人の委員が出席しました。(1人の委員は所用のため欠席)
委員会では、まず7月16日から9月15日までの2か月間に寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。今月は、2件の番組について討論しました。
バラエティー番組でタレントをモチーフにした全裸の逆立ちした着ぐるみキャラクターが小学校を訪問してなぞなぞを仕掛け、不正解だとおならを発射するという企画について、「裸の男性が逆立ちしてお尻を見せているのは低俗で不快だ」「子どもに見せたくない」などの意見が寄せられました。また、深夜のバラエティー番組で女性アイドルグループのメンバーの顔に、男性タレントのお尻が徐々に近づいてきて、どこまで我慢できるかを競う企画について、「未成年のアイドルの顔にパンツ姿のお尻が近づいてくるのは、セクハラだ」「下品すぎる」などの意見が寄せられました。この二つの番組について、委員全員が視聴し、討論しましたが、今回の委員会では結論を出さず、次回に討論を継続することになりました。
8月の中高生モニターのリポートのテーマは「戦争関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について」でした。24人から報告がありました。
モニターからは、戦争中の庶民の生活をテーマとした情報スペシャル番組について、「この番組内で取材を受けていた人たちの戦争中の想いや好きな人が兵士なので全く会えず、生存していないかもしれない恐怖で仕方がない気持ちなどがすごく理解できます。この番組を視聴し、ますます戦争のことを忘れてしまってはいけないということを学びました」、戦争について考える教養スペシャル番組について、「戦争の風化を防ぐために、ちっぽけな行動かもしれないが私は祖母に話を聞くことを決意した。今回あらためて、中途半端な知識のみで『戦争は絶対に駄目だ』と言っていた自分が情けなく思えた。戦争という大きなくくりで見るのではなく、一人ひとりがいたという認識で見ることの大切さをより心に刻むためにも必ず実行しようと背中を押された番組だった」などの意見が寄せられました。
また、9月のテーマは「夏休みに見たスペシャル番組について」で、20人から報告がありました。
モニターからは、恒例の長時間チャリティー番組について、「アイドルグループ・嵐と3校のブラスバンドが共演する企画は、同年代の高校生が一生懸命にパフォーマンスをしている様子を見て心を打たれました。特に私自身もオーケストラでホルンを吹いているので彼らのパフォーマンスを見て自分も頑張ろうと力をもらうことができました」、俳優・香川照之さんが昆虫の興味深い生態を紹介する教養番組について、「昆虫が100年後には今の1%になっていることにすごく驚きました。人間が自分たちのことだけを考えていてはいけないということがよく分かりました。私も香川さんのように、自分の大好きなことを突き詰めて全力で挑戦できるような人になりたいと思いました」などの意見が寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
次回は10月29日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2019年9月24日(火)午後4時30分~午後6時45分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
今後の予定について
出席者
緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

今回は、二つの番組について委員全員が視聴し討論しました。
お笑いタレントをモチーフにした全裸の着ぐるみキャラクターが小学校を訪問して、股の間でなぞなぞを仕掛け、間違えた子どもの顔に向けてオナラを発射するというバラエティー番組の企画に対して、「裸の男性が逆立ちしてお尻を見せているのは低俗で不快。しかも子どもたちが集まる場所でロケを行っている」「小学生の子どもが見ていたがドン引きしていた。二度と子どもに見せたくない」「子どもの顔をお尻に見立てた部分に入れさせるなんて笑えるわけがない」などとの意見が寄せられました。
これに対して委員からは、「裸体着ぐるみがリアルであり、子どもたちの中に性的被害体験者がいた場合には、フラッシュバックも起こる可能性がある。性的虐待は非常に根が深く、人のさまざまな発達とか、精神的な健康に大きな影響を与えかねない」「友達に見られて、みんなに笑われるという屈辱感を与えたり、尊厳を傷つけたりするような演出が、性的なこととつながっている意味で、性的虐待経験があった場合、忘れられないようなシーンになるのかもしれない」
「第二弾で一定の演出上の配慮が見られたが、十分とは思われない」などという意見があった一方、「下品だと思ったが、この表現自体がすごく子どもたちに悪影響があるとは思わない」「作り物だけども、お尻の中に自分が入って行く。でも子どもはすごく喜んで、ニコニコしている。子どもたちがどのようにあれを受けとめたのかというのは、ちょっと分からない」「第二弾も放送されたが、視聴者からの意見を受け演出的な配慮が見られたことは評価したい」という意見がありました。
この件については、今後の放送も含め、次回の委員会で継続して討論することとしました。
深夜のバラエティー番組で、椅子に座る女性アイドルの顔に男性お笑いタレントのお尻が徐々に近づいてきて、どこまで我慢できるかを競う企画に対して、「未成年の女性アイドルの顔面にパンツ姿でお尻を向けて近づくというのはセクハラだ」「アイドルを番組の道具としかみなしていないのか」「未成年にこんなことやらせていいのか。下品すぎる」「女性蔑視的な内容だ」などとの意見が寄せられました。
これに対して委員からは、「メンバーの中には未成年者もいる。適切性を欠いた企画ではないか」「以前同じ企画をアイドルグループの先輩が耐えたのだからあなたも耐えなさいと言うのは、作られた画面であってもセクハラの要件を満たしているのではないか」「演技かもしれないが、嫌がって泣いている姿だから、すごく嫌な感じがしたし笑えなかった」「芸人をいじめて、いじめられて困っている姿を見て笑うという構図のバラエティー番組が多くなっているような気がする」などの意見が出された一方、「出演している時点で演出に同意しているとすれば問題ないのではないか。それに耐性のある人が出演していると見なせると思う」「泣いたような演技をするということは、あの番組で求められていることだから、本当に嫌がっているかどうかは何とも言えない」との意見が出されました。
この件についても今回結論を出さず、次回委員会で討論を継続することになりました。

中高生モニター報告について

今月は、8月と9月のモニター報告について話し合われました。
34人の中高生モニターにお願いした8月のテーマは、「終戦関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で24人から報告がありました。
「終戦関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について」では、複数のモニターが意見を寄せた番組は3番組あり、『NHKスペシャル #あちこちのすずさん』(NHK総合)に6人から、『池上彰の戦争を考えるSP 第11弾 ~失敗は隠され、息子たちは戦場へ~』(テレビ東京)に3人から、『映画 ひろしま』(NHK Eテレ)に2人から報告がありました。意見が寄せられた番組のジャンルはさまざまでしたが、多くのモニターたちは、戦時中に生きた人たちの経験や思いに自分を重ね、共感している様子がうかがえました。「食料も十分にない貧しい暮らしを強いられた日々の中で楽しさを見つけ、心の居場所を創っていった当時の人々のリアルと強さを感じました」や「それぞれの人生があり、家族がいたことをあらためて感じた。決して戦争のことを忘れてはいけない」など、思いを綴っていました。
一方で放送局に対する要望もありました。「自由記述」で、「自分が幼いころと比べ、多くの放送局で戦争関連の番組が減ったように感じる。面白いこと、時事的なことを伝えるだけがメディアの役割ではない。メディアの意味を今一度考え直してほしい」という声が上がっています。終戦関連以外の記述では、あおり運転のニュースに関する意見が2件ありました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』(日本テレビ)を4人が、『ETV特集 あの夏を描く 高校生たちのヒロシマ』(NHK Eテレ)を2人が取り上げています。

◆委員の感想◆

  • 【終戦関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について】

    • 『NHKスペシャル #あちこちのすずさん』(NHK総合)について、これまで中高生モニターにとっては、戦争はあまりリアリティーがなかったと思うが、番組を見ることで「戦争というものをもっと学ばなければいけない」という気持ちになったという人が多く、意味のある番組だったと思う。

    • 『池上彰の戦争を考えるSP 第11弾 ~失敗は隠され、息子たちは戦場へ~』(テレビ東京)に寄せられた高校1年生からの感想の中に、「異常を常識にしてしまうメディアの力の大きさを知った」「現代では異常と感じられることが、当時は普通であったのかもしれないと感じるようになった」と書かれていた。この高校1年生は、この番組を見たことで、中途半端な知識で「戦争はダメだ」と口にすることは情けないと感じ、戦争を経験している自分の祖母に体験談を聞いて実際のところを探ろうと行動を始めると言っている。こういう決断、行動力が大事だと思う。

    • 『特集ドラマ マンゴーの樹の下で~ルソン島、戦火の約束~』(NHK総合)高校2年生のモニターから「戦争時に受けた心の傷はいつまでたってもいえないことが伝わってきました」という感想が届き、とても深く見てくれたという印象を持った。戦後の年をとった主人公と戦時下の若いときの主人公と、過去と現在を行ったり来たりしながらドラマが作られていて、一人ひとりの人間にスポットライトを当てた物語なので、個人というところに寄せてよく理解できたのではないかと感じた。

    • 戦争があったためにオリンピックに出られなかったというような話について書いたモニターがいて、学校で知ることできないようなことを知ることができたという内容だった。それが一つのテレビの良さ、テレビの意義だと思う。

    • モニターの中に、ひいおばあちゃんの戦争体験を聞いて、自分がどう感じたかも含めてSNSで発信したという高校生がいた。戦争経験者に戦争のときに何をしていたのかを聞いて、それをまたSNSなどで自ら発信して伝えていくという、新しい伝え方を考えているなというふうに思った。

◆モニターからの報告◆

  • 【終戦関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について】

    • 『NHKスペシャル #あちこちのすずさん』(NHK総合)この番組内で取材を受けていた人たちの戦争中の想い、好きな人が兵士なので全く会えず、生存していないかもしれない恐怖で仕方がない気持ちなどがすごく理解できました。今の時代にも戦争が起こっていたら、私たちも間違いなく同じ気持ちになるはずです。今、私たちが平和に過ごせているのは当たり前ではありません。戦争がないからなのです。この番組を視聴し、ますます戦争のことを忘れてしまってはいけないということを学びました。(愛知・中学2年・女子)

    • 『NHKスペシャル #あちこちのすずさん』(NHK総合)戦争が起きていても、戦争に負けずに、おしゃれをしようとしていた女性たちは本当にすごいと思いました。戦争というと「悲しい、苦しい」というイメージばかりだったけれど、この番組を見て、戦争中でも小さな幸せがあったことが分かり、今も昔も人々の気持ちは変わらないなと思いました。(東京・中学1年・女子)

    • 『NHKスペシャル #あちこちのすずさん』(NHK総合)この番組名と内容を見たときに絶対見ようと思ったし、リポートに書こうと思った。なぜかというと、私のひいおばあちゃんは戦争の経験者であり、私は今まで彼女から多くの戦争についての話を聞き、実際にSNSに載せたことがあるからだ。聞いた話の中に、「つらい状況下において私を励ましてくれたのはいつも音楽だったよ」という言葉があった。私は、自分も音楽をたしなむ身として音楽の力をあらためて感じたし、「ひいおばあちゃんが戦時中音楽に救われなければ今、私はいなかったかもしれない。これからは音楽に恩返しをするつもりで音楽の練習をしたい」という内容の投稿をした。「戦争伝承」とは、話を聞くだけではなく、自分の感じた思いも込めて自らも伝えるのが現代のスタイルなのだろう。(佐賀・高校3年・女子)

    • 『NHKスペシャル 全貌 二・二六事件~最高機密文書で迫る~』(NHK総合)小学校で少し習いはしたのですが、詳しい内情などは習っていなかったので面白さと驚きと、少し切なさもありました。過去の誤りを受けとめ、まっすぐ考えながら進むことが私たちに求められているのだと感じた番組でした。(福岡・中学2年・女子)

    • 『池上彰の戦争を考えるSP 第11弾』(テレビ東京)同年代で戦争のことを自らすすんで知ろうとする人はいったいどれほどだろうか。身の回りを思い、その数を考えるとぞっとした。戦争の風化を防ぐために、ちっぽけな行動かもしれないが私は祖母に話を聞くことを決意した。それまで戦争を思い出したくないかもしれない、と勝手に祖母の気持ちを決めつけ、その話題を出すのを躊躇していた。今回、中途半端な知識のみで「戦争は絶対にダメだ」と言っていた自分が情けなく思えた。戦争という大きなくくりで見るのではなく、一人ひとりがいたという認識で見ることの大切さをより心に刻むためにも必ず実行しようと背中を押された番組だった。(東京・高校1年・女子)

    • 『池上彰の戦争を考えるSP 第11弾』(テレビ東京)戦争にかかわった一人ひとりの心情や行動を読み解いていて、より「戦争はしてはいけない」と思わされる番組でした。戦争を知らない私たちはこのような番組をこれからも見続けなければいけないと思いました。(北海道・中学2年・女子)

    • 『映画 ひろしま』(NHK Eテレ)この映画には実際に被爆された方々も含め、8万人以上の方々が出演しており、反戦を強く訴える作品になっています。どれだけの年月が経っても心身ともに蝕み続ける原爆や戦争の恐ろしさを本当に痛感しました。戦争で家族を亡くした子どもたちが、平和記念館に訪れた人たちに記念品として、被爆した瓦礫を売っているシーンがありました。自分がこの時代に生きていたらと思うと、言い表すことができないくらい考えることが多くありました。この映画は世界中の人々に、その中でも特により多くの日本人に見てもらうべき作品だと思いました。(奈良・高校3年・男子)

    • 『終戦スペシャル「子どもたちの戦争」』(TBSテレビ)不遇にも戦争孤児となってしまった方々の辛い立場が痛いほど、理解できた番組でした。「セミなんかも食べましたね。はは」と悲しそうに笑いながら過去を回顧して、思い出をぽつぽつと語られていた姿を見ると、戦争がいかに残酷でこの世にいらない戦いであるかを強く感じました。耳をふさぎたくなるような事実が多くありましたが、それ以上に教科書には載せきれない、語り切れない雰囲気が映像とともに伝わり、いつの間にか戦争を知らない世代として、将来を担う若者の一人として、知らなければいけない責任感にかられ、目が離せませんでした。(東京・高校1年・女子)

    • 『NHKスペシャル"ヒロシマの声"がきこえますか~生まれ変わった原爆資料館~』(NHK総合)数年前に改修前の原爆資料館に行ったことがあったので、そのことを思い出しながら視聴しました。この番組は改修後の資料館の展示を紹介しつつ、展示の背景を見ていく番組でした。改修前に比べて遺品が増えたということで、原爆によって起こった惨劇がより一層ダイレクトに伝わってきました。原爆の被害にあった人たちは当たり前に、家族や友人、恋人がいた、という事実をあらためて感じさせる展示であり、特集であったと思います。(神奈川・高校1年・女子)

    • 『奇跡体験!アンビリバボー』(フジテレビ)「万朶隊(ばんだたい)」という特攻隊に関する番組だった。でも、見ているとき、自分が思っていた特攻隊ではないと気づいた。「特攻隊=体当たりで死ぬ」と思っていた。この隊は「弾丸を当てたら帰ってこい、そして何度も手柄をあげる」だった。その一員の佐々木は奇跡の生還を9度起こした。とにかく生きる。その精神が佐々木の中にあったのだと感じた。戦争はしてはいけない、人の命は物に変えることができないたった一つのもの。何度も多くの人に聞かされてきた。でも、こういった体験談を通じて、あらためて、振り返るきっかけになった。(山梨・高校1年・男子)

    • 『ニュースウォッチ9』(NHK総合)私はドキュメンタリーやドラマなどの戦争関連番組を見ると夜、怖くて眠れなくなるので、新聞やニュースのコーナーなどを見ます。その中で印象に残ったのが、この番組で特集されていたある男性のお話です。その人は戦後生まれで祖父が沖縄戦の指揮者だったそうです。祖父はどのような人だったのか、なぜこのような決断をしたのか、などいろいろ調べ、祖父を知っている人のインタビューも記録し、次の世代に向け発信しているそうです。最近、戦争を経験した人の高齢化で戦争体験を伝える人が少なくなっているので次の世代にどう伝えていくか考えなくてはなりません。そんな中でこの男性は戦争を経験していないけど中高生に講演を行っていました。この番組を見て戦争を経験していない人もこうやって戦争を伝えることができるのだなと実感しました。(鳥取・中学3年・女子)

    • 『NEWS23』(TBSテレビ)女優の綾瀬はるかさんが戦争を体験した人にお話を聞く、という内容でした。今まで「戦争」というと、戦争そのものにしかスポットが当たらなかったというか、頭がいかなかったというか、あまり終戦後のことは知らなかったなと思いました。終戦後は兵隊の方たちは日本に帰って、疎開していた人たちも家族のもとに戻って来られたというようなイメージがありました。でも、やっぱり戦争が"終わった"というよりは戦争に"負けた"わけで、負けた国はまだ悲しい出来事があったんだなと知りました…。(神奈川・高校1年・女子)

  • 【自由記述】

    • 私が幼いころは8月に入るとほとんどの番組で戦争を取り上げていましたが、最近では少しのコーナーの中でしか取り上げられません。戦争の経験者がどんどん亡くなっている状況で、このような報道の仕方では、日本が戦争をしていたということが風化してしまいます。学校の教育ではもちろんですが、メディアを使って正しい情報を教えることが重要だと思います。放送局では視聴率を大切にしているということは以前のBPO会議(中高生モニター会議)で分かりましたが、面白いこと、時事的なことを伝えるだけがメディアの役割ではないと思います。メディアの意味を今一度考え直してほしい。(奈良・高校3年・男子)

    • ゴールデンの戦争関係番組は少ないと感じました。(北海道・中学2年・女子)

    • 悲惨な場面やグロテスクなシーンを見たい訳ではありませんが、すべてモザイクなどで隠してしまうと、一番の悲劇的な場面の歴史を誰も受け継がなくなってしまうと思うので、時間・チャンネルをきちんと設定し、そういう画像を流すと警告した上で報道するべきでは?と思いました。(東京・高校1年・女子)

    • あおり運転のニュースでデマが広がり、デマを広げられた女性がいるというニュースを聞いて驚きました。デマのニュースをインターネット上などで見たときに、目を引く内容に初めは信じてしまいそうになるのは仕方のないことかもしれませんが、本物なのか自分で見極めて簡単に拡散しない、ということは今の時代でとても重要なことだとすごく感じました。(福岡・中学3年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『クイズあなたは小学5年生より賢いの?』(日本テレビ)本当に小学5年生までに習った問題しか出題されないのですが、案外覚えていないものですね(笑)。家族で答えを出し合ったりしてとても楽しめました。(広島・高校2年・男子)

    • 『ETV特集 あの夏を描く 高校生たちのヒロシマ』(NHK Eテレ)ヒロシマの高校生が被爆者と話し合いながら原爆の被害の様子を描いていく姿を追ったドキュメンタリーでした。同世代の高校生たちが頭を悩ませながらも必死に絵を描いていく様子に心を打たれました。(神奈川・高校1年・女子)

    • 『ファン10万人がガチで投票!高校野球総選挙』(テレビ朝日)野球が好きで高校野球も毎年テレビの前で応援している。いつも何かが起こるのが高校野球の醍醐味だと感じる。(山梨・高校1年・男子)

    • 『BS1スペシャル マンゴーの樹の下で~こうして私は地獄を生きた~』(NHK BS1)一括りにできない、そして綺麗事では済ませられない、一人ひとりの物語があり、そのことが伝わってきた。インタビューの合間に言葉に詰まって沈黙が続く場面も放送していて、戦争が一人ひとりに今もなお与え続ける影響というものを感じました。(愛媛・高校2年・女子)

9月のテーマは、「夏休みに見たスペシャル番組について」でした。全部で21人から報告がありました。
「夏休みに見たスペシャル番組について」では、複数のモニターが意見を寄せた番組は2番組あり、『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ)に8人から、『金曜ロードSHOW! サマーウォーズ』(日本テレビ)に2人から報告がありました。それ以外は別々の番組を取り上げていました。視聴された番組のジャンルは幅広く、モニターそれぞれが自身の興味に従って視聴し、考えを深めた様子がうかがえました。「自由記述」では、3人のモニターが『消えた天才』や『クレイジージャーニー』(ともにTBSテレビ)の問題について触れています。「ありのままを放送すべき。ますますテレビ離れが進みそう」という批判の声がある一方で、「バラエティーでは人を楽しませることが大切。そこまで批判的にならなくてもいいのではないか」という意見もありました。「青少年へのおすすめ番組」では、『ライオンスペシャル第39回全国高等学校クイズ選手権』(日本テレビ)を4人が『青春舞台2019』(NHK Eテレ)を3人が取り上げています。どちらの番組にも、「同世代が情熱を傾け、ひたむきに頑張る姿に感動した」という共感の声が寄せられています。

◆委員の感想◆

  • 【夏休みに見たスペシャル番組について】

    • 『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ)について、「感動した。私も頑張りたい」という感想が多い中、別の視点からの感想も寄せられた。「頑張っている人にライトを当てるのはいいけれど、障がい者が日常でどういうところを助けてほしいと思っているのかというような、見ている人が番組が終わってからも使える情報を発信してくれるといいな」というものだが、こういうメッセージがあることも制作者に伝えたい。

    • 『金曜ロードSHOW! サマーウォーズ』(日本テレビ)への感想に、「小さいころから楽しんでいた。高校生になって、いろいろ登場人物の言うことの意味が分かってきて、見方が変わってきた」というものがあった。昔の自分と比べて分かってきた部分に楽しみを感じているようで、その辺りが興味深い。

    • 『熱闘甲子園』(朝日放送テレビ)について書いたモニターがいた。甲子園が気にはなるけど忙しくて、8月の2週間ずっとだとなかなか全部見にくいのかもしれない。私自身、『熱闘甲子園』を見たことがなかったが、見てみると、試合の結果だけではなく、全く中継とは違う観点からいろいろなことを紹介していることが分かった。学校それぞれの甲子園への思い、それぞれの選手の顔とか特徴とかプレッシャーとの闘い方とか、そういうものを取材しているので、「このチームを応援したい」という、そういうダイジェストならではの面白さがあるんだということをあらためて考えた。

    • 『クレイジージャーニー』(TBSテレビ)が大好きだったモニターから、「珍しい生物のレポートをたくさん執筆している爬虫類ハンターが出ていたので、信用していた分、よけいに衝撃的だった。いつも狙っているのは珍しい生物なので、見つけて捕まえるのはそんなに簡単ではないことをありのままに放送してほしかった」という感想が届いた。本当に信用していたからこそ信用を裏切られ、がっかりしたという気持ちがにじみ出ていた。そういう思いを制作者にはかみしめてもらいたい。

    • 生放送の視聴者参加型の番組でリモコンでクイズに答えられるという番組のことや、続きのエピソードみたいなものをツイッターや公式ホームページで見ることができるというような新しいタイプのドラマについて書いたモニターがいた。新しい時代のテレビのあり方について関心があるのかと、いろいろ考えさせられた。

    • 「京都アニメーションの放火事件の実名公表について不満に思っています」という中学校2年生のモニターがいた。いろいろ報道で取り上げられたから、メディアのあり方とか、そういうものについて考える機会になったのだろうと思った。賛否についてはいろいろあると思うが、少なくとも、こういうことを中学生も考える機会があったことが興味深い。みんなで考えていかなきゃいけないことだと思った。

◆モニターからの報告◆

  • 【夏休みに見たスペシャル番組について】

    • 『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ)嵐と3校のブラスバンドが共演する企画は、同年代の高校生が一生懸命にパフォーマンスをしている様子を見て心を打たれました。特に私自身もオーケストラ部でホルンを吹いているので彼らのパフォーマンスを見て自分も頑張ろうと力をもらうことができました。(神奈川・高校1年・女子)

    • 『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ)毎年障がいを持った子どもたちがいろいろなことに挑戦しているのが印象に残る。頑張っている人を見ると、自分も何か頑張ってみたいと思えるようになるし、その人を応援したくなると思った。(群馬・高校1年・女子)

    • 『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ)「頑張っている人」にライトを当てるのは良いことだと思うが、普段、障がい者の方が助けてほしいことなど、番組が終わってからも使える情報を発信すべきだと思う。(島根・高校1年・女子)

    • 『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ)「24時間駅伝」が一番印象に残りました。練習風景を見て、毎日頑張っていて、本番では見事完走していたので、すごく感動しました。僕じゃそんなに走るのは無理なので、頑張りと辛さが伝わってきました。(大分・高校2年・男子)

    • 『金曜ロードSHOW! サマーウォーズ』(日本テレビ)人のつながりが大切だということ、諦めたらそこで終わってしまうということ、作品を通して強く実感することができました。「人間あきらめないことが大切だよ」という登場人物のおばあちゃんの言葉も、受験生の今の私には印象に残っています。昨年見たときはそんなことは感じなかったので自分の中の変化も個人的に感じられた気がしています。(福岡・中学3年・女子)

    • 『金曜ロードSHOW! サマーウォーズ』(日本テレビ)幼少のころから幾度となく見てきましたが、いつ見ても退屈さを微塵も感じません。幼少のころはネットやアバターなどの小難しいことは分からなかったのですが、高校生に上がりIT用語が多少理解できるようになると、また違う視点から物語を楽しむことができました。(石川・高校2年・男子)

    • 『NHKスペシャル 香川照之の昆虫"やばいぜ!"』(NHK総合)私も香川さんのように、自分の大好きなことを突き詰めて全力で挑戦できるような人になりたいと思いました。一つのことをマニアックに突き詰めていくような番組は面白いと思います。そのような番組が増えてほしいです。(東京・中学1年・女子)

    • 『生放送クイズバトル リモコンWARS』(NHK総合)視聴者はdボタンでクイズの回答を入力、多数の視聴者が正解していたら海賊を倒すパワーを得て、そのパワーがたまると最後に海賊を倒すことができます。まさに視聴者主体の番組であり、クイズの内容が学校で習うような内容とは全く違い、どちらかというとひらめき力を問うようなもので相応に簡単なものだったので子どもでも楽しめ、大人は大人で楽しむことができ、家族みんなで楽しめる番組だと思いました。(愛媛・高校2年・女子)

    • 『土曜プレミアム ENGEIグランドスラム』(フジテレビ)老若男女楽しめる面白い番組だった。僕はENGEI歌謡祭のコーナーが好きです。特に癖の強い「愛は勝つ」は家族みんな面白くて頭から離れなくなっていて僕も口ずさんだりします。(千葉・中学1年・男子)

    • 『UTAGE!令和の夏!挑戦の夏!3時間SP!』(TBSテレビ)さまざまなジャンルのアーティストのみなさんがいろいろなことにチャレンジしたりコラボしているのがとても面白かったです。若者に人気のアイドルから演歌歌手まで幅広い世代の方たちが出演されていて家族で楽しむことができました。(北海道・中学2年・女子)

    • 『熱闘甲子園』(朝日放送テレビ)「甲子園というのは気になるけれど、夏休み忙しくてずっと見られるわけじゃない…」というときに助かる番組です。「夏跡」というしんみり(?)したものから、アナウンサーがインタビューをしてまわるものまで、いろいろなタイプがあって楽しめる、夏休みのお楽しみです。短い時間の中でも細かく紹介されているので、「この高校の野球部を応援してみよう」と思えて、ひいきチームを見つけることから始められるのでとても面白かったです。(福岡・中学2年・女子)

    • 『声優×怪談』(NHK総合)アニメをはじめとした多くのテレビ番組に出演している声優の方々が、それぞれ一人で怪談のナレーション・登場人物を演じるという新しいタイプの怪談だった。イラストなどに加えて声優の演技力が怪談を引き立てていた。普段から多くのキャラクターに声を入れているだけあって、見た人が想像力を働かせられるような演技だったと思う。さまざまな声優が出演していたので、それぞれの声の個性が見られたのも良かった。(東京・高校1年・男子)

  • 【自由記述】

    • TBSの番組が立て続けに休止になりました。テレビは視聴率を気にすることも分かりますが、「真の姿」を放送するものだと思います。ねじ曲げたり、誇張するのはいけないと思います。ますますテレビ離れが進みそうです。(愛知・中学2年・女子)

    • 『クレイジージャーニー』の報道には驚いた。実際の自然で捕まえている様子を見られて面白いと思っていたので、がっかりすると共に、とても残念に感じた。いつも狙っているのは珍しい生物なので、見つけて捕まえるのはそんなに簡単ではないことを、ありのままに放送してほしかった。(東京・高校1年・男子)

    • TBSの報道について、批判の声が多いようです。けれど、バラエティーなどでは「人々を楽しませる」これが一番大切だと思うので、個人的にはそこまで批判的にならなくてもいいのではないかと思います。(兵庫・中学1年・女子)

    • 『日曜ドラマ あなたの番です』(日本テレビ)2クール連続ドラマと聞いて挑戦的だなと思いました。昔はあったそうですが、私は見たことも聞いたこともなかった。最近はドラマのマンネリ化がよく言われます。テレビ離れが進む中でテレビ局がいろいろな放送の在り方を模索するのは大切だと思います。番組の内容だけではなく、こういう放送の方法をいろいろ試すことももっと必要だと思います。昭和、平成、令和と時代が変わる中で人々の生活習慣も変わるし考え方も変わります。人々の娯楽も変わります。時代の変化において行かれずテレビが残っていくには、いろいろな放送を模索すべきだと思いました。(鳥取・中学3年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『ライオンスペシャル 第39回全国高等学校クイズ選手権』(日本テレビ)頭脳明晰で個性的なキャラのメンバーが多かったように思いますが、優勝を目指し、チームワークで頑張っていた。県内の高校の生徒も頑張っていました。(愛知・中学2年・女子)

    • 『ライオンスペシャル 第39回全国高等学校クイズ選手権』(日本テレビ)来年は自分も高校生になるので友だちを誘って参加してみたいと思いました。私は今のスタジオだけのクイズより昔のアメリカに行ってするクイズの方が好きです。学生にとって夢や希望が大きいかなと思うからです。(鳥取・中学3年・女子)

    • 『ライオンスペシャル 第39回全国高等学校クイズ選手権』(日本テレビ)私の知っている高校生クイズは知識量で競うものだったので、今年の高校生クイズが思考力で競っていて驚いたが面白かった。(群馬・高校1年・女子)

    • 『青春舞台2019』(NHK Eテレ)高校生たちが青春をかけて舞台に取り組んでいる姿に感動しました。松本穂香さんが高校生にインタビューするシーンはとてもリアリティーがあってよかったです。(北海道・中学2年・女子)

    • 『青春舞台2019』(NHK Eテレ)私の通っている高校には演劇部がないので高校生の演劇は初めて観ました。同じ高校生とは思えないほどの表現力に驚き、すごく刺激を受けました。(広島・高校2年・男子)

    • 『ダーレモシラナイ~爆笑!日本の新常識~』(毎日放送)この番組は視聴者が自分だけが知っているという情報を立証し、VTRを見ている間にプロがインターネットで視聴者の持ち寄った情報を検索するというものです。視聴者主体の番組作りがなされていて持続可能な番組だと思いました。(愛媛・高校2年・女子)

    • 『ひとモノガタリ「"がんになって良かった"と言いたい~京大生のSNS奮闘記~」』(NHK総合)祖母が話していたのを不意に思い出し視聴しました。番組が始まる前にブログを少し拝見していたのですが、やはり本人から直接聞くことができたため心情がひしひしと伝わってきました。何より、大炎上の裏側を知ることができて良かったです。(石川・高校2年・男子)

◇中高生モニター会議について◇

8月3日、テレビ東京で開催された中高生モニター会議について、参加したモニターからの事後アンケートを参照し、委員から感想、意見を聞いて、総括しました。

今後の予定について

  • 10月3日に開催される山形県の放送局の方々と青少年委員会委員との意見交換会について、テーマや会議の進行などについて最終確認をしました。

以上

第216回 放送と青少年に関する委員会

第216回-2019年7月

視聴者からの意見について…など

2019年7月23日、第216回青少年委員会をBPO第1会議室で開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、まず6月16日から7月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
敏腕刑事と声紋分析官が連続殺人犯を追う刑事サスペンスドラマの初回放送について、「暴力的なシーンが多すぎて見るに堪えない。グロテスクな描写が青少年の目に触れるのは危険だ」「殺人の仕方が激しすぎる。子どもも視聴できる時間帯なので問題ではないか」などの意見が寄せられました。これに対して委員からは、「この番組の放送時間は、子どもの視聴について親が配慮すべき時間帯でないか」「ありありとひどいというのではなく、今から殺害するぞという状況を並べ立てて心理的に怖さを募らせる演出がそのような印象を抱かせたのではないか」などの意見が出されました。
7月の中高生モニターのリポートのテーマは「最近見たバラエティーについて」でした。30人から報告がありました。
世界を舞台に様々な冒険に挑戦するバラエティー番組について、「この番組を見ると『月曜からまた頑張ろう』という気持ちになります。心の底から笑うことで『明日から学校、疲れるな』という気持ちが吹き飛びます。この番組は『チームで作る番組』という感じがします。出演者とスタッフとの間に強い絆があると思います」、芸能界・スポーツ界で活躍した有名人の"今"を紹介するバラエティー番組について、「必然的に自分一人では知らない芸能人が多々いる。しかし、自分の知らない人の人生を母などと話しながら知るのは非常に興味深い。自分のような年の人でも母とコミュニケーションをとって、面白く見ることができた」、日本を訪れる外国人に空港で直撃取材をするバラエティー番組について、「取材された人が大きな目標を持っていたり、はっとするような人生を歩んできたことを知って驚きました。同時に、これからはもっといろんな人を見た目で予測しないで、その人の性格とか、その人の人生について目を向けようと思いました」などの意見が寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
8月は休会とし、次回は9月24日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2019年7月23日(火)午後4時30分~午後6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

敏腕刑事と声紋分析官が連続殺人鬼を追う刑事サスペンスドラマの初回放送に対して、「暴力的なシーンが多すぎて見るに堪えない。グロテスクな描写が青少年の目に触れるのは危険だと思う」「殺人の仕方が激しすぎる。子どもも視聴できる時間帯なので問題ではないか」「女性を撲殺する残虐な殺人シーンが多く、気分が悪い。子どもが見たらと思うとゾッとする」などの意見が寄せられました。これに対し委員からは、「夜の10時からの放送で、子どもの視聴については親が配慮するべき時間帯ではないか」「ありありとひどいというのではなく、今から殺害するぞという状況を並べ立てて心理的に怖さを募らせた演出が、そのような印象を抱かせたのではないか」との意見が出されました。
路線バスに乗って都内を旅するバラエティー番組で、出演者が旅の途中に競艇や競馬をする場面について、「ゴールデンタイムに延々とギャンブルをやっている。子どもやギャンブルで苦しんでいる人がたくさん見ている」「子どもが見ている時間だ。買うのは大人の自由だがギャンブルという性格上、エキサイトしている場面はこの時間帯にふさわしくない」「未成年者が見ている時間帯に賭け事を奨励するかのような放送は如何なものか」などと言った意見が寄せられました。これに対し委員からは、「ギャンブルにのめり込んでいくようなところはギャンブルの悪い面を出してしまっていて、あまり好ましくないのではないか」「競馬中継では生き物の美しさ、真剣さ、そういうものも含めて伝わってくるが、この番組のシーンはお金を無駄にしているオジサンという情報が伝わってくる」「子どもが見てもいい時間に流している番組として、制作側はその辺りは少し配慮をしてもよかったのでは」との意見が出されました。
これらの件に関しては、これ以上話し合う必要ない、となりました。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした7月のテーマは、「最近見たバラエティーについて」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で30人から報告がありました。
「バラエティーについて」では、複数のモニターが意見を寄せた番組は3番組でした。『チコちゃんに叱られる!』(NHK総合)、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)にそれぞれ3人から、『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)に2人から報告がありました。それ以外は、別々の番組を取り上げており、バラエティー番組への興味が幅広いことがうかがえました。
「自由記述」では、「芸人らの闇営業問題で謹慎処分が下されました。私はニュースを見て芸人さんは自分の収入だけを考えて行動しているように感じました。テレビ局や視聴者を裏切ったように感じました」など、この問題について複数のモニターから批判的な意見が寄せられています。
「青少年へのおすすめ番組」では、『音楽の日』(TBSテレビ)を7人が、『はじめてのおつかい 夏の大冒険スペシャル』(日本テレビ)、『コトノハ図鑑』(毎日放送)をそれぞれ2人が取り上げています。『音楽の日』には、亡くなったジャニー喜多川氏へ感謝をこめたメドレーがすばらしかった、などの感想が寄せられました。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たバラエティーについて】
    • 『月曜から夜ふかし』(日本テレビ)のように、最近、ネタを見つけてきては検証するバラエティー番組がはやっているが、作っている人たちに聞くと、本当に地獄のような日々だというから、そんなに世の中に面白いことは転がっていないので、街に取材に行って、面白い人を見つけることは、2週間に一人、二人見つかればいい方だという。そのようなことについて、今回のモニターは、かなり細かく分析していて、中学生でこのようなリテラシーを持っているのかという感じは伝わってきた。

    • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)について、この番組を見ると、月曜日からまた頑張ろうという気持ちになる、心の底から笑うことで、明日から学校疲れるという気持ちが吹き飛ぶと書いている。最近、BPOでも、放送倫理検証委員会から意見が出されたが、こういうふうに見てくれている子どももいることを制作者に伝えたい。

    • 『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ)について、日曜日の夜に家族みんなでテレビを見るという。テレビがお茶の間の団らんの一つの要素になっている。まだこういう感じのテレビ視聴を高校2年生がしているのは、ちょっとほっとする感じである。家族とともに見るときに、やはり安心して見られるものは大事だと思う。

  • 【自由記述について】
    • 芸人の闇営業問題について、かなり厳しい意見が寄せられているが、何が問題なのかを考えて言っているのか、という疑問もある。世論をそのまま受け入れて厳しい意見を言うのではなく、問題点を整理して意見を述べるという姿勢を持ってほしい。

    • 最近、ニュース番組でも、情報番組でも、芸人の闇営業問題を盛んに放送しているが、ポイントがはっきりしないまま流れているように感じる。テレビ局も、整理して、視点を明確にして放送することが大切だと思う。

    • 学校でニュース番組を作るというメディアリテラシーの授業について書いてきているが、その事柄をまとめる影響力を感じたというふうに、いろいろな考え方を一つにまとめてしまうことに問題意識を持っているようだ。しかし、むしろ、多分送り手には意図があって、受け手は読み取らないといけない、ということを考えてほしかった。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見たバラエティーについて】

    • 『月曜から夜ふかし』(福岡放送/日本テレビ)について、ただひたすらに笑える番組です。たまに(実はけっこう)下ネタもありますが、健全なレベルですし、何よりマツコさんと村上さんのかけ合いが大好きです。カードを2人が選び、そのテーマに沿ってトークを繰り広げ、VTRを見るというスタイルで、シリーズ化されているカードもあるが、バラエティーに富んでいてネタを見つけてくる制作スタッフの方々は着眼点がすごいなと思います。私が好きなシリーズは「街行く人の個人的ニュースを調査した件」。東京の街で、年も性別もばらばらの人にランダムに「個人的ニュース」を尋ねる企画です。(福岡・中学2年・女子)

    • 『Youは何しに日本へ?』(テレビ東京)を見て、いろんな人がいることついて改めて考えてみました。取材された人が大きな目標を持っていたり、はっとするような人生を歩んできたことを知って驚きました。それと同じにこれからはいろんな人を見た目で予測しないで、その人の性格とか、その人の人生についてもっと目を向けてみようと思いました。これから大人になっていくにつれて、たくさんの人に出会うと思います。その時に、このことを心にとどめて関わっていきたいと思いました。(兵庫・中学3年・女子)

    • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)について、この番組を見ると「月曜からまた頑張ろう!」という気持ちになります。日曜日は次の日からまた1週間が始まるので「明日から学校、疲れるな」という気持ちになるけれど、イッテQを見て心の底から笑うことでその気持ちが吹き飛びます。イッテQは「チームで作る番組」という感じがします。私は出演者と番組スタッフとに間の強い絆があるのではないかと思います。そうでないと過酷な挑戦も乗り越えられないと思います。いろいろなことに挑戦すること、面白いことがたくさんの人に愛される大きな理由だと思います。ですが、この二つは絆がないと成り立たないと思います。(鳥取・中学3年・女子)

    • 『爆報!THEフライデー』(TBSテレビ)について、一言でいえば「母か祖母と共でないと楽しめないバラエティー」であると思う。「芸能人のその後を映す」というのがこの番組の主であるため、必然的に自分一人では知らない芸能人が多々いる。自分の知らない人の人生の遍歴を母などと話しながら知るのは非常に興味深いものである。おそらくターゲットとする年齢層は母のような中高年なのかもしれないが、自分のような年の人でも母とコミュニケーションをとって、面白く見ることができた。(東京・高校1年・男子)

    • 『夜の巷を徘徊する』(テレビ朝日)について、マツコ・デラックスが、主に都内の様々な場所を夜に訪問・見学する内容である。基本的に、出演するのはマツコ・デラックスのみであり、多くてもゲストがもう1人いる程度である。そのため、出演する人物にフォーカスを当てることがなく、土地の特色が分かりやすくまとめられている。また、その街の人に積極的にインタビューを行うので、街の「今」も見られる。さらに、出演しているマツコ・デラックスは関東の地理に詳しく、いろいろな情報を知ることができる。最近の放送では、都内の有名ホテルである椿山荘を取材した回が印象的であった。いろいろな花・樹も綺麗であったが、個人的には三重塔が最も良かった。夜だったので、三重塔がライトアップされていて美しかった。番組の雰囲気・内容はとても良いと思う。しかし、放送時間が深夜なのでリアルタイムで見られないことが残念だ。もう少し早い時間に放送すれば、いろいろな年齢層のファンも増えるのではないかと思った。(東京・高校1年・男子)

    • 『バカリズムの30分ワンカット紀行』(BSテレビ東京)について、この番組は、全国各地を地元の人が紹介するバラエティー。何といっても、この番組の特徴はワンカットである(早回し以外の編集を行わない)ことです。このため、紹介する地元の人々は視聴者が分かるほどにセリフを確認しながら言ったり、言い間違えたりすることもありますが、そのような一生懸命に街の魅力を伝えようとする姿を含めて、この番組の良さとなっています。また、他の番組ではなかなか取り上げられることのない場所のこともこの番組では、知ることができるというのも大きな魅力だと思います。街の人をうまく利用して番組を面白くするというのは、番組制作において重要な点ではないかと考えました。(愛媛・高校2年・女子)

    • 『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ)について、日曜日の夜は、家族みんなでテレビを見る、という家庭が多いのではないかと思います。私の家もそうです。両親が共働きで、小さい頃は祖母の家で休みの日や放課後を過ごしていました。ご飯を食べ終わってから弟とテレビを見る時間は、今でも変わらないひと時です。この番組は、アイドルグループのTOKIOが、福島に村を作ったり、無人島を一から開拓したり、捨てられる食材を使って料理をしたり、地方の特産品を使ってPR活動をしたりする番組です。私は特に、無人島を開拓する「DASH島」のコーナーが好きです。TOKIOはアイドルグループですが、無人島で知恵を使い、決して特別扱いせずに開拓していく姿を心からすごいと思います。(石川・高校2年・女子)

    • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)について、私の中でバラエティー番組と言われて一番に頭に思い浮かぶのは、この番組です。放送が開始された2007年から12年間見続けていることもありますし、好みがみんな違う私の家族でも毎週、唯一この番組だけはみんな集まって見ているからです。なぜここまで「イッテQ」は面白いのか、自分なりに考えてみました。一つ目、どのゴールデン番組にもない特徴はすべて海外ロケをしていることです。視聴者は毎回見慣れない映像なので12年放送されても飽きないのだと思いました。二つ目はキャスティングにあると思います。内村光良さんをはじめ、手越祐也さんから芸人そしてモデルまで幅広い層に対応しているところにあると思います。そして三つ目は企画力だと思います。ですが、先日BPOが「祭り企画」に関して意見を発表したようなことになり残念でした。すごく面白く、ためになるコーナーであり個人的にも好きだったので、いろいろ事情はあると思いますが、この企画の復帰を望みます。(広島・高校2年・男子)

    • 『クレイジージャーニー』(TBSテレビ)について、今回の番組の内容は、ジャーナリストが南アフリカへ行き、貧困問題やアパルトヘイト撤廃後もまだ黒人差別が残っていること、黒人の人々の中でも格差が生じていることを伝えるというものでした。黒人の人々が多く生活する地域でも、それぞれ富裕層、中産階級層、低所得者層が住んでおり、明らかな格差がそこにはありました。貧困から抜け出すには教育を受けることとコネが必要であるとのことでした。また、麻薬のディーラーやギャングの人々の話を聞く場面もありましたが、その仕事をしている理由を聞かれると彼らは全員「家族を養うために仕方なくやっていること」「子どもには自分と同じことをさせたくないこと」「そのために自分がお金を稼いで子どもに教育を受けさせたいということ」を言っていました。この番組を通して、やはり教育は大切なんだということ、また私が教育を受けていることは当たり前ではないということを改めて感じました。格差は日本でも生じているため、こうした社会問題から目を離さず、大学でしっかりといろいろなことを学んで向き合っていきたいと強く思いました。(奈良・高校3年・男子)

  • 【自由記述】

    • 闇営業問題で芸人らに謹慎処分が下されました。この問題でテレビ局側は出演部分のカットや出演見合わせなどの対応に追われました。私は、ニュースを見て芸人さんは自分の収入だけ考えて行動しているように感じました。テレビ局や視聴者を裏切ったように感じました。芸能人はもっと芸能人としての自覚を持ってほしいと私は思いました。テレビは芸能人がいないと番組を作れないし、出演者あってのテレビだと思います。そして、一般人からみると芸能人は憧れであり、中には心の支えになっている人もいます。私も好きな芸能人がいて生きているうちに一度は会いたいです。つまり芸能人の人が思っているより、私たちへの影響力はとても大きいです。だから、もっと自分の仕事にやりがいを感じこれからも頑張ってほしいです。(鳥取・中学3年・男子)

    • 先日、学校の授業で数枚の決められた写真を使いニュース番組を作った。いくつかの班に分かれ発表したが、同じ写真を使用しているのに、内容はどれ一つとして被らなかった。このことより、同じ素材でも受け取り方は全く異なるため、メディアの私情を挟まない情報の重要性と、その異なる見方をまとめる影響力を感じた。(東京・高校1年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『はじめてのおつかい』(日本テレビ)を見ました。私は子ども好きというわけではありませんが、この番組に出てくる子どもたちを見ていると、かわいいな と思ったり、応援したくなります。今回は、兄弟でおつかいに出た弟くんが、初めて言葉をしゃべっておにいちゃんが「にいにっていえるようになったの?」と言っている姿を見て、涙が出ました。(神奈川・高校1年・女子)

    • 『映像の世紀プレミアム第13集 戦場の黙示録』(NHK BSプレミアム)について、中学受験生時、教科書も資料集もめくるページめくるページが目つきの鋭い兵士さんだったり、けがをして倒れている人の山だったりで、怖いと目を思わず目を背けてしまった。高校生になり、この番組を見て、未来を背負う一人の若者として学ばなければいけない日本、世界の歴史の大切な1ページなのだなと強く思いました。(東京・高校1年・女子)

    • 『音楽の日』(TBSテレビ)の一部をリアルタイムで視聴した。見ていた中では、歌手の森山直太朗さんが、長崎の五島列島で歌を披露している場面が最も印象に残った。曇りでありながら、長崎の景色がとても美しかった。また、釜石市の復興スタジアムからの中継も印象に残った。思っていたよりも綺麗に整備されていて、復興が進んでいる様子がよく伝わってきた。(東京・高校1年・男子)

    • 『音楽の日』(TBSテレビ)について、歌手とお客さんが一体となって楽しそうでした。また、ジャニーズの人たちが、ジャニー喜多川さんへ感謝を伝えているシーンはすごく感動しました。(愛知・中学2年・女子)

    • 『コトノハ図鑑』(毎日放送)について、身の回りにあふれている和製英語をその正しい言い方、和製英語となった理由にも触れながら説明していて、とても分かりやすかった。また、逆に和英英語が英語になった例も紹介されており、これはあまり聞いたことがなかったので目からうろこでした。ただ、途中で街の人にインタビューするシーンがあったのですが、たった1人だったので、もう少しあってよいのではないかと思いました。(愛媛・高校2年・女子)

調査研究について

担当の中橋委員より、調査研究(青少年のメディアリテラシー育成に関する放送局の取り組みについて)の進捗状況について報告がありました。

今後の予定について

  • 10月3日に開催される山形県の放送局の方々と青少年委員会委員との意見交換会について、参加委員の確認をしました。

以上

第215回 放送と青少年に関する委員会

第215回-2019年6月

視聴者からの意見について…など

2019年6月25日、第215回青少年委員会をBPO第1会議室で開催し、6人の委員が出席しました。(1人の委員は所用のため欠席)
委員会ではまず、5月16日から6月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
深夜のバラエティー番組で、10人の女性タレントが山奥でサバイバル生活をする企画で、一人が皆から無視されたり、陰口を言うシーンについて、「子どもも見るテレビで娯楽としていじめが行われるのは許せない」などの意見が寄せられた。これに対し、委員からは、「この番組を見たら、いじめはこんなに格好が悪いとか、いじめている側に否定的な感情を起こさせる作りだった」などの意見が出されました。
6月の中高生モニターのリポートのテーマは「最近見たドラマについて」でした。29人から報告がありました。
男性カップルの日々の食卓を描いたドラマについて、「ドラマでゲイやLGBTQのことについて放送するのは大切なことだと思いました。私もこのドラマで普通の生活をしている2人を見て自分と同じだと思い、身近に感じました。2人が2人を思いやる愛は他のカップルと何も変わらない。それを見たらたくさんの人がLGBTQの方々との壁をなくせるようになると思う」、大学病院を舞台に医学界の腐敗を追及したスペシャルドラマについて、「ほとんどの人が自己顕示欲と権力への憧れを心のどこかに抱えており、一度その欲を満たしてしまうとそれで満足ではなく、むしろよりもっとほしくなってしまうのではないか、そして弱い立場の人はその最大の被害者ではないでしょうか。このドラマは、忖度がはびこる現代社会の縮図であるとも思いました」、朝の連続ドラマについて、「まだ昔を残している時期の東京が、セットで緻密に表現されていてよかった。特に、主人公が住んでいるおでん屋は雰囲気が出ていると思う。戦争についての場面は、すべて実写もしくは再現映像だと思っていた。しかし、空襲の場面などが一部アニメになっていることは斬新だと感じた」などの意見が寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
次回は7月23日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2019年6月25日(火) 午後4時30分~午後6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

深夜バラエティー番組で、女性10人が山奥で10日間のサバイバル生活を送る企画で、一人を皆が無視したり、陰口を言うシーンについて、「いじめをするひどい内容で子どもが真似をする」「子どもも見るテレビで娯楽としていじめが行われるのは許せない」といった意見が寄せられました。
これに対し委員からは、「見ていて、いい気持ちがしない番組だったが、この番組を見たら、いじめはこんなに格好が悪いとか、いじめている側に対して否定的な感情を起こさせるような番組の作りではないか」「逆にいじめはだめだとか、いじめをしている人間ってだめだと感じた」との意見が出されました。
川崎市で起きた通り魔殺傷事件の報道について、「加害者の血まみれの映像が薄いモザイクで流れ、気分が悪くなった」「保護者や子どもにインタビューするのはおかしい。ショックを受けていることは映像で流さなくても皆分かっている」「被害児童やその家族など傷ついた人にインタビューを試みたり、血だまりの現場を何度も映すなど配慮がない」「上空からの映像で被害者が運ばれる映像が流れたが、被害者や救助をしている人への配慮が全くない」などと言った意見が寄せられました。
これに対し委員からは、「取材しないわけにはいかない理由が、きちんと視聴者に伝わってないのではないか。視聴者とのコミュニケーションをインターネットなどを使って取れる時代だと思うので、そういう情報発信をしていく必要があるのでは」「犯人が倒れている映像が薄いモザイクで、相当の血が出ているというようなものが放送されていた。あれは犯人だったからできたのか。もしそれが被害者であったならば、あの映像を出しただろうかという疑問はあった」「空撮のヘリコプターが多数飛び過ぎていたような気はする。視聴者との関係性ということで言えば、こういう事件のときに本当に必要なのかと感じた」との意見が出されました。
これらの件に関しては、これ以上話し合う必要ない、となりました。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした6月のテーマは、「最近見たドラマについて」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で29人から報告がありました。
「ドラマについて」では、複数のモニターが意見を寄せたドラマが5番組あり、と『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ)、『インハンド』(TBSテレビ)にそれぞれ3人、『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日)と『ラジエーションハウス』(フジテレビ)、『きのう何食べた?』(テレビ東京)にそれぞれ2人から報告がありました。上記の『俺のスカート、どこ行った?』と『きのう何食べた?』の他、『腐女子、うっかりゲイに告る。』(NHK総合)を報告したモニターも1人おり、性的マイノリティーが登場するドラマへのリポートが6人から寄せられています。
「自由記述」では、「映画やドラマに影響を受けたとされる事件が起こることがあるが、だからといって内容が過激なドラマをなくしたり批判したりすることは間違っていると思う。その作品は誰かの娯楽として存在している可能性があるからだ」と意見を述べるモニターがいました。また、子どもが被害者となった事件の際に、学校側が児童・生徒への取材・撮影を控えるよう要請しているにも関わらず、その後も学校周辺での取材を続けるマスコミへの不快感を訴える意見も寄せられています。
「青少年へのおすすめ番組」では、『100分de名著 アルプスの少女ハイジ』(NHK Eテレ)を4人が、『ドキュメンタリードラマスペシャル reset~あの日、人生を変えた~』(NHK BS1)を3人が、『衝撃のアノ人に会ってみた!』(日本テレビ)を2人が取り上げています。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たドラマについて】

    • 『ラジエーションハウス』(フジテレビ)について書いてくれたモニターは、将来外科医師になりたいという。やはり子どもたちは、自分の将来のこと、進学のことなどを常に考えているので、ドラマでも、そういうことにつながるテーマだと、入りやすいだろうと思った。

    • 『白衣の戦士!』(日本テレビ)について、ふだん接することが少ないナースの人がどういう生活を送り、どういうことを考えているか、ドラマを通じて見ることができたのが楽しかった、と書いているが、やはりある切り口があること、企画が斬新であることが評価されているのではないか。

    • 『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ)は、主人公の俳優の演技が強烈だったと思う。このテーマはうまくいくのかいかないのかと思っていたが、「すごく感動した」というリポートを見ると、子どもたちはそれぞれの見方をしながら、何かを受けってくれたのだろう。

    • 『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ)は、タイトルがうまい。このタイトルに惹かれて、みんな見たくなるのではないか。

    • 『あなたの番です』(日本テレビ)について、殺人の仕方が面白い、と書いてきたモニターがいたが、これは、割と正しいというか、オーソドックスな感想だと思う。ドラマに限らず、小説でも、残忍なものを読むと、人間はモヤモヤしてもスッとするところがある。最近、そういうものを表にしてはいけないという傾向があるが、ごく少数の割合でそれに誘発される人がいるかもしれないが、それを全部なくしてしまうことは、かえって危ないのかもしれない。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見たドラマについて】

    • 『インハンド』(TBSテレビ)について、今まで病院の先生や警察のドラマは数多く制作されてきましたが、内閣官房や寄生虫学者にスポットをあてて制作しているのは面白いと思った。人気俳優が出演しているため、私たち中高生の関心も高く、影響を与えないように寄生虫をかわいいイラストで表現するなど配慮があって素晴らしいドラマだと思いました。(北海道・中学2年・女子)

    • 『きのう、何食べた?』(テレビ東京)について、改めてゲイの方やLGBTQの方について考えるきっかけになりました。私はもともと尊敬している人がゲイの方だったり、割と早いうちからいろんな人に興味があったので、LGBTQの方々についての本も読んでいました。それにこのドラマの影響もあって、私はLGBTQの方は身近な存在に感じています。ゲイの方について話していたとき、一人のクラスメイトが当たり前のように「先生や公務員になるのは無理やな。更衣のこともあるし」と言いました。まさかクラスメイトがそんな風に思っているとは知らなかったので、ショックでした。私はドラマでゲイやLGBTQのことについて放送するのは大切なことだと思いました。私もこのドラマで普通の生活をしている2人を見て自分と同じだと思い、身近に感じました。誰かを愛するということについても同じです。2人が2人を思いやる愛は他のカップルと何も変わらないです。それを見たらたくさんの人がLGBTQの方々との壁をなくせるようになると思います。(兵庫・中学3年・女子)

    • 『白い巨塔』(テレビ朝日)について、自分を失うほど権力を求め翻弄された一人の天才外科医。このドラマは財前という男が頂点からどん底に落ちていく模様を描いています。初めは皆、誰かを助けたいという純粋な思いで職に就いたはずです。それなのに、いつしかその心を忘れ自分の利益を何よりも優先させるようになってしまったのはなぜでしょうか。何が彼らを変えてしまったのでしょうか。それを解くキーワードは「権力」であると私は考えます。ほとんどの人が自己顕示欲と権力への憧れを心のどこかに抱えており、一度その欲を満たしてしまうとそれで満足ではなく、むしろよりもっとほしくなってしまうのではないか、そして弱い立場の人はその最大の被害者ではないでしょうか。このドラマは、忖度がはびこる現代社会の縮図であるとも思いました。(東京・高校1年・女子)

    • 『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ)について、ドラマの中で印象的だったのは、ただ家を売るだけでなく、現代の問題、例えば老人の居場所がどんどんなくなっているところや、心が自分の性別とは違う人の話や同性愛などのLGBTの人たちの話が出てきていた。その人たちへのぴったりの家を探すためにその現代の問題にどう接していくかが描かれていてとても架空の話とは思えない、現実味のあったドラマだった。また、主演が北川景子さんということもあり、とても演技が上手く恋の要素や笑える要素も含まれていてまさに笑いあり、涙ありという言葉がふさわしいドラマだったと思う。こういうドラマが増えれば、現代人が目を向けなければならない問題、つまり今の若者たちがあまり関心のない問題もたくさんの人が考えることができるんじゃないかなと思った。(大阪・高校1年・女子)

    • 『連続テレビ小説 なつぞら』(NHK総合)について、東京編では、まだ昔を残している時期の東京が、セットで緻密に表現されていてよかった。特に、主人公が住んでいるおでん屋は雰囲気が出ていると思う。
      戦争についての場面は、すべて実写もしくは再現映像だと思っていた。しかし、空襲の場面などが一部アニメになっていることは斬新だと感じた。戦争を題材にしたアニメ作品は多いが、ドラマの場合はそうでもないと思う。確かに、当時の白黒でやや不鮮明な映像を見るよりも想像しやすい点がよかったと感じた。(東京・高校1年・男子)

    • 『あなたの番です』(日本テレビ)について、「毎回人が死にます」のキャッチコピーに寄せられて見始めました。人間の心の移り変わりももちろん見どころの一つだと思いますが、それよりも私は「殺人の仕方」に重点を置いて見ています。小説では比較的「トリック」を重点にしたものが多いのですが、推理ドラマではあまり見ることがありません。しかし、この番組では、不思議な形で見つかった遺体などがあったので、面白かったです。(島根・高校1年・女子)

    • 『3年A組~今から皆さんは人質です~』(南海放送/日本テレビ)について、毎回予想もしない方向に物事が進んでいき、主人公がヒーローにも悪者にも見え、そのことが視聴者をこのドラマにひきつけたのだと思います。高校生という大人に近いけれどまだ子どもであるときに、このドラマに出会えたことで今後の人とのコミュニケーションに多大な影響を与えてくれたと思っています。自分に正直であること、自分の言動に責任を持つことの大切さを改めて感じました。また、見ている側にも俳優さんたちの熱意がひしひしと伝わってきて、毎回、涙なしに見ることができませんでした。(愛媛・高校2年・女子)

  • 【自由記述】

    • 映画やドラマに影響された事件が起こることがある。だからといって、内容の過激な映画やドラマをなくしたり、批評したりすることは間違っていると思う。その作品は誰かの娯楽として存在している可能性があると思ったからだ。(群馬・高校1年・女子)

    • ニュースのスポーツ特集が気になります。スポーツの国際試合などで、日本が勝った時は勝ったことを大々的に放送しています。しかし、負けてしまったときは、「日本チームの勝敗は…?」のように放送してCMの後に結果を言う場合が多いです。これらは、できるだけ多くの人に放送を視聴してほしいがためのやり方なのだろうと思っています。ですが、僕はこの方法には何か違和感があり、もう少しよい報道の仕方がありそうな気がします。(東京・高校1年・男子)

    • 川崎通り魔殺傷事件について、事件があった当日、学校側が「生徒などへの取材、撮影はお控えください」ということを言ったはずでしたが、事件数日後までマスコミの皆さんが校門付近で撮影を続けており、とても不快でした。(神奈川・高校1年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『衝撃のアノ人に会ってみた!』(日本テレビ)について、この番組は「あの時のあの人、こんなふうになってるの?!」という見方もできるし、そのことを知らなくても「こんなことがあって話題になっていたんだなぁ」という見方もできるなと思いました。またいろいろな生き方を学べるので希望になるかもなと思いました。
      この日は櫻井翔さんが出演、今まで取材してきたオリンピックの中で、衝撃を受けたアスリートを紹介していました。櫻井翔さんはアイドルとして、俳優として、また、キャスターとしても活躍していますが、オリンピックを6大会取材していると聞くと、改めて桜井さんってスゴイ!と感じました。(神奈川・高校1年・女子)

    • 『100分de名著 アルプスの少女ハイジ』(NHK Eテレ)について、現代文の授業のような読み解き方で、もともと知っていた作品でしたが、新たな面が見られたと思いました。今後とも視聴したいと思います。(神奈川・高校1年・女子)

    • 『ドキュメンタリードラマスペシャル reset~あの日、人生を変えた~』(NHK BS1)について、パラアスリートたちのスポーツとの出会いやどのように障害をもったのかなど、彼らの人生の「リセット=生まれ変わり」について知ることができました。障害の「壁」など存在させない彼らの生き方に感銘を受けました。(広島・高校2年・男子)

調査研究について

担当の中橋委員より、調査研究(青少年のメディアリテラシー育成に関する放送局の取り組みについて)の進捗状況について報告がありました。

今後の予定について

  • 山形県の放送局の方々と青少年委員会委員との意見交換会について、10月3日に開催することが決まりました。

以上

第214回 放送と青少年に関する委員会

第214回-2019年5月

視聴者からの意見について…など

2019年5月28日、第214回青少年委員会をBPO第1会議室で開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、まず4月16日から5月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
バラエティー番組で、ゲストの男子フィギュアスケート選手が、女子選手の脚の好みなどを話す企画について、「未成年の女子選手を性的な目で見ているのは不適切だ」「"脚フェチ"を告白しているのは、10代の女性選手に対するセクハラ発言とも受け取れた」などの意見が寄せられました。これに対し委員からは、「バラエティー番組での遊びの一つではないか」「女性の身体について話題にすることについて、いろいろな意見がある時代だということを制作者側は企画段階で十分に意識してほしい」などの意見が出されました。
5月の中高生モニターのリポートのテーマは「最近見たニュース・報道番組について」でした。29人から報告がありました。
改元のニュースについて「良いなと思ったのは今までの年号について振り返ったり、これからの令和の元号がどんなふうになっていくかを分かりやすく説明しているコーナーでした。自分の生まれる前のことや平成という元号がどんな思いでつけられたのかが分かって勉強になりました。どうかなと思ったのは、元号が変わるときに集まってカウントダウンをして大騒ぎする人たちは、本当に元号について考えているのか疑ってしまうし、そういう特集がどのチャンネルでもあまりに多くて、そうやって新しい元号を迎えるのが正しいのかと思いました」、夜のニュース番組について、「大津市の園児が死傷した交通事故のニュースの中で、保育園の記者会見で記者が園の過失を追及するような質問ばかりしていて、高校生の私でも、その言い方はこの場で不適切ではと思う残念なシーンがあった。たくさんの人の目に留まる重要な情報網のマスコミだからこそ、人が見て疑問を抱かないような正しい"第四の権力"としての役割を果たしてほしい」、高齢者による交通事故関連のニュースについて、「私は山間部に住んでいるため、車がないと生活がままならないので、高齢ドライバー問題は他人事には感じられません。公共交通手段のない地域での免許返納は難しい問題だと思うので、進める一方で別の手段として歩行者優先の道路作りやルールの見直し、車のアシスト機能の向上など、起こりうる可能性をつぶしていく意識と行動を早急に求めなければならないと考えます」などの意見が寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
次回は6月25日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2019年5月28日(火) 午後4時30分~午後6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

バラエティー番組において、ゲストの男子フィギュアスケート選手が女子選手の脚の好みについて話す企画について、「未成年の女子選手を性的な目で見ているのは不適切だ」「"脚フェチ"と告白しているのは10代の女子選手に対するセクハラ発言ではないか」「好みの女子選手の脚を当てるクイズをやっていたのは不愉快だ」といった意見が寄せられました。
これに対し委員からは、「バラエティー番組に慣れていないスポーツ選手が司会者に乗せられてしまっている側面もあるが、それほど大げさなものではなく、バラエティー番組の遊びの一つではないか」「特段に女子選手を性的な対象と見ているような印象はない」との意見が出されました。
また一方で、「女性の身体を話題にすることについて、いろいろな意見がある時代だということをテレビ制作者の側も企画段階で十分に意識してほしい」「欧米では未成年の性的な扱いについて非常に厳しい。文化的、社会的背景は違うが、日本でも捉えられ方が変わってくる可能性があることを意識してほしい」「女子選手の脚を当てるクイズをやったことは、企画を立てた側の時代感覚に問題はないのか考えてほしい」との意見も出されました。
これらの件に関しては、これ以上話し合う必要ない、となりました。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした5月のテーマは、「最近見たニュース・報道番組について」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で29人から報告がありました。
「ニュース・報道番組の感想」では、『ZIP!』(日本テレビ)に4人、『NEWS ZERO』(日本テレビ)に3人、『グッド!モーニング』(テレビ朝日)『スーパーJチャンネル』(テレビ朝日)『めざましテレビ』(フジテレビ)にそれぞれ2人から報告がありました。番組はそれぞれ異なりますが、「改元」関連に9人、「高齢ドライバーが起こした交通事故」についてのニュースに7人のモニターが言及しています。
「青少年へのおすすめ番組」では、『ドリーム東西ネタ合戦』(TBSテレビ)と『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』(NHK総合)を4人が、『ETV特集 傷ついた故郷と向き合う~熊本地震3年 南阿蘇村~』(NHK Eテレ)を3人が取り上げています。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たニュース・報道番組について】

    • 朝の情報番組について「エンターテインメント形式で子どもにも分かりやすく伝えてくれている。しかし、一方で女性アナウンサーが3~4人出演する曜日もあり、多過ぎるのではないかと感じる。また彼女たちがニュースを読む際に言い間違えることが多いので、立場を自覚し、正確に情報を伝えてほしい」という分析と指摘があった。中学生なりに厳しい目で見てくれているということを制作者に伝えたい。

    • 『中居正広のニュースな会』(テレビ朝日)を取り上げ、「私たちが分からない複雑なニュースを専門家が誰にでも理解できるように伝えてくれるのでありがたい」と報告したモニターがいた。この番組が、子どもにとっても分かりやすく丁寧につくられているのだろうと思った。

    • 子どもたちが様々な報道を通して日本全国で起こる重大な事件に関心を持ち、情報を得るということは、結果的に日本全体がある程度一定の情報を共有することにつながるという意味において、やはり報道番組の果たす役割は大きいのだと感じた。

  • 【青少年へのおすすめ番組について】

    • 『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』(NHK総合)を視聴したモニターが、同じNHK総合で放送されている『チコちゃんに叱られる!』と比較し「チコちゃんは出演者をいじるが、カネオくんは出演者にいじられる。その対照的なかけあいが面白い」と書いているが、番組の個性を比較して論じる視点に感心した。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見たニュース・報道番組について】

    • 『グッド!モーニング』(テレビ朝日)毎朝、家族で観ています。今知っておきたいニュースが子どもにでも分かるように、エンターテイメント形式で分かりやすく伝えられていると思います。ただ、この番組には女子アナウンサーが曜日によって3人から4人出演していますが、正直なところ1人か2人で充分ではないかなと感じます。またこの女子アナウンサー達がニュースを読む際に言い間違うことが多いので、ニュースを報道する立場を自覚して、正確に情報を伝えてほしいと思います。(東京・中学2年・男子)

    • 『中居正広のニュースな会』(テレビ朝日)私たちが分からないような複雑なニュースを専門家が誰にでも理解できるように伝えてくれるのでありがたい。(愛知・中学2年・女子)

    • <元号・天皇についてのニュース>テレビで元号について特集をしていたのを見て、良いなと思ったのは、今までの元号について振り返ったりこれからの令和の元号がどんなふうになっていくかというのを分かりやすく説明しているコーナーでした。自分が生まれる前のことや平成という元号がどのような思いでつけられたのかが分かってとても勉強になりました。どうかなと思ったのは、元号が変わるときに集まって大騒ぎをする人たちは、本当に元号について考えているのか疑ってしまうし、その特集がどのチャンネルでもあまりに多くて、そうやって新しい元号を迎えるのが正しいのか?と思ってしまいました。この10連休で改めてテレビは世間や私たちにとって重要なものだなと思いました。(兵庫・中学3年・女子)

    • 『ZIP!』(日本テレビ)すこし難しいと感じることがある政治のニュースや世界情勢のニュースでも、テロップや図、映像はもちろん音声でかみ砕いて説明されているので分かりやすいです。授業でニュースについて聞かれたり、勉強する際に参考になるニュースが多いので朝の短い時間で理解できます。国内・国外のニュースだけでなくエンタメに関するニュースや私たち世代での流行を扱ったコーナーもあり、街頭のアンケートで同世代の意見、大人の意見など、流行に対することもコーナー化されていて面白くて、あーそうなんだなぁ…っていう大人の意見も聞けてちょっと面白いです。夜のニュース番組を見ることもたまにあるのですが、朝見るニュース番組とはニュースの切り出し方や説明の仕方、番組の雰囲気も少し大人向けな気がします。私個人的には朝のニュース番組のほうが見やすいしニュースによっては分かりやすいこともありますが、祖母は夜のニュースのほうがいい、と言っていました。レポートを書きながら考えていると、朝起きてこのコーナーが終わったらこれをする、これが始まる前にこれを終わらせる!など、ニュース番組のコーナーで朝の時間を把握して使っていたな、と感じました。メディアが生活の一部に固定化(?)されているな、というのを改めて思いました。(福岡・中学3年・女子)

    • 『news every.』(日本テレビ)大津市の園児が死傷した事故のニュースで、園の過失を追及しているかのような質問ばかりしていて、高校生の私でも、その言い方はこの場には不適切では?と思う残念なシーンが多かったです。たくさんの目に留まる重要な情報網のマスコミだからこそ、人が見て疑問を抱かないような正しい"第4の権力"としての役割を果たしてほしいと思うと同時に、常に情報を発信し続ける大変さを強く感じました。(東京・高校1年・女子)

    • 『ニュースきょう一日』(NHK総合)私が一番関心を持ったトピックは、池袋の母子死亡事故です。遺族の気持ちになって考えると大変心苦しいですが、少子高齢化に伴いこのような事例がほかの場所でも現在進行形で起こっているかもしれない、と考えるとゾッとします。巷では高齢者に対する免許証返納義務ないし剥奪する義務を訴える声や免許証更新の期間を短くするなどの声をよく聞きます。これから医療の発展に伴い寿命が延び、高齢者が増加すると予想されるので、それに合わせた制度改革の必要性を感じます。このような事件を皮切りに我々若者と高齢者の間に隔たりが生まれないように社会の在り方を変えていくべきであると思います。(石川・高校2年・男子)

    • <交通事故関連のニュース>私は山間部に住んでいるため、生まれたときから移動は自家用車、車がないと生活がままならないので高齢ドライバー問題は他人事には感じられません。公共交通手段のない地域での免許返納はかなり難しい問題だと思うので、進める一方で別の手段として歩行者優先の道路づくりやルールの見直し、車のアシスト機能の向上など、起こり得る可能性をつぶしていく意識と行動を早急に求めなければならないと感じます。(奈良・高校3年・男子)

  • 【自由記述】

    • 僕は北海道で放送している地方ローカルの番組が好きです。出演している人は有名人ではないのですが、番組の企画がとても面白くて良い番組だと思います。しかし、キー局の番組は有名人が出演しているのに、番組の企画つまらなくてあまり面白くありません。なぜローカル番組の企画のほうが面白いのですか。(東京・中学2年・男子)

    • 番組のBGMについて気になっています。たしかに、その番組の雰囲気を作るために流すのは良いと思います。例えば、落ち着いた雰囲気を作りたいならクラシック、賑やかにしたいなら流行しているポップスを流すようなことは問題ないと思います。それらの音楽が、その番組のメッセージ性を強めてくれるためです。しかし、それらがすべて良いとは僕は思っていません。なぜなら、本当にその番組が伝えたいことに音楽を被せていたり、色々な意見を持ってほしい場面で似たようなイメージしか持てないような音楽を流したりしては本末転倒な気がするからです。(東京・高校1年・男子)

    • 最近のドラマの傾向ですが、日本人は海外と比べて「自分の意見を言いづらい文化」があります。それを代弁してくれているドラマが増えていると思います。このようにして、社会現象が起きることによって社会全体が変わっていくと良いと考えます。(広島・高校2年・男子)

    • 『FUNKY FRIDAY』(NACK5)リスナーや小林克也さんと共に番組を作ってきた原田ディレクターが脳梗塞になり、番組の9時間を「原田さんに捧げる9時間」としていた。番組も、本当に原田さんのことを思って、リスナーと一緒に番組を作っていると感じました。NACK5はパーソナリティーとディレクターとリスナーが一体だなと思った。(東京・高校2年・男子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『ETV特集 傷ついた故郷と向き合う~熊本地震3年 南阿蘇村~』(NHK Eテレ)当時小学生だった私は、そこまで深く知らなくて、今回番組を見て地震について深く考えさせられたと思う。いくら復興が進んでも以前に戻るにはあと何年、何十年もかかり、地震が一瞬で奪ったものはとてつもなく大きかったのだと思った。(北海道・中学2年・女子)

    • 『ドリーム東西ネタ合戦』(TBSテレビ)もともとお笑いを見るのが好きなのですが、今回は東軍・西軍ともに人気芸人さんが出演されており、とっても楽しみにしていました。エド・はるみさんが出演されておりとても懐かしかったです。(神奈川・高校1年・女子)

    • 『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』(NHK総合)100円玉の作り方や、お札の偽造防止対策などの話が印象に残りました。元号が変わることで硬貨の印字も変わるということを聞いて、新元号の影響がここまで来ているのかと驚かされました。見ていて飽きず、ユーモアのある内容だったと思います。(東京・高校1年・男子)

    • 『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』(NHK総合)キャラクターが番組の進行をしているという点は、同じNHKで放送中の『チコちゃんに叱られる!』と同じですが、チコちゃんは出演者をいじるのに対し、カネオくんは出演者にいじられるという点では真逆であり、その構図が面白いです。(愛媛・高校2年・女子)

調査研究について

担当の中橋委員より、調査研究(青少年のメディアリテラシー育成に関する放送局の取り組みについて)の進捗状況について報告がありました。

今後の予定について

  • 5月21日(火)に開催された高知県の放送局と青少年委員会委員との意見交換会について、出席した委員が感想を述べ合い、総括しました。

以上

第213回 放送と青少年に関する委員会

第213回-2019年4月

視聴者からの意見について…など

2019年4月23日、第213回青少年委員会をBPO第1会議室で開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、まず3月16日から4月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
殺人犯を追いつめるサスペンスドラマの最終回について、「子どもが視聴可能な時間帯に放送する内容としては殺人の描写が生々しく描かれていた」「いじめを助長させるような表現があった」などの意見が寄せられました。これに対し、委員からは「殺人のシーンはインパクトはあったが、刺すなどの実行行為を直接見せていないなど映像的な配慮はあった」「いじめのシーンは事件のきっかけとなった回想の場面であり、肯定的には描かれていない」などの意見が出されました。
4月の中高生モニターのリポートのテーマは「これまで視聴・聴取したなかで一番印象に残るテレビ・ラジオ番組について」でした。33人から報告がありました。
学校を舞台に教師が生徒を人質にするという内容の連続ドラマについて「私は、この2月まで不登校だったが、このドラマで先生が生徒と真正面から向き合う姿や生徒自身が自分の抱えている問題と目を合わせてそれを乗り越えて成長する姿を見て、自分もこのままではだめだと思うようになった。自分も自分の問題と真剣に向き合いたいという気持ちでいっぱいになり、それを見た次の日、何か月も入っていなかった学校の教室に行った。何かを見てこんなに心を動かされたのは初めてだった」、小説家の村上春樹さんが出演するラジオ番組について、「村上さん自身の普段の生活、過ごし方が垣間見える気がして楽しかった。いくつかのクリスマスソングが紹介されたが、聞いていてクリスマスの季節感に浸ることができた。その年のクリスマスは、それらの曲を聴きながら過ごしたが、今どこかで同じ曲を聴いている人がいるのだろうかと感じて、暖かい気持ちになれた」、東日本大震災のニュースについて、「これが日本で起こっているのか?現実なのかフェイクなのかと当時小学3年生の私は混乱し、映像を通してでありながらもこれほどの恐怖を感じたことはなかった。その後も続くテレビからの情報で頭の中の混乱は少しずつ鎮まり現状の理解は進んだが、その分深く悲しみで埋められていくという経験をした。あの光景とその時感じた気持ちは強く心に残っている」などの意見が寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
次回は5月28日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2019年4月23日(火)午後4時30分~午後6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

殺人犯を追い詰めるサスペンスドラマの最終回において、犯人による刺殺や自殺に見せかけた首つりなどのシーンについて、「子どもが視聴可能な時間帯に放送する内容としては殺人の描写が生々しく描かれていた」「これを見た判断のつかない子どもにこのようなことを誘発してしまうおそれはないのか」「いじめを助長させるような表現があった」といった意見が寄せられました。これに対し委員からは「殺人のシーンにインパクトはあったが、刺すなどの実行行為そのものを直接見せていない表現上の配慮は感じられる」「いじめのシーンは事件のきっかけとなった回想の場面であり、肯定的に描かれていない」との意見が出されました。
朝のアニメ番組において、妖怪との戦いに敗れた女性が倒れ、体の下から血が流れ出る場面について「出血するシーンは残忍で、子どもの見る時間帯に放送すべきでない」との意見が寄せられました。これに対して委員からは、「うつ伏せ状態での描写で、傷や顔の表情を映していない映像的な配慮が感じられる」「青少年に悪影響を与えるほどの残虐性とは思えない」「昔からやっているアニメだが、当時は何の問題もなかった。作りが変わったのか、皆がセンシティブになっているのか、疑問に思った」との意見が出されました。
夜のバラエティー番組で司会者とゲスト有名人が飲食店で酒を飲みながらトークする企画について、「酔っぱらっているように見える。青少年が上品なお酒の飲み方を間違って覚えてしまう。悪ふざけで酒を飲む番組は一考してほしい」との意見が寄せられました。これに対し委員からは、「本当に酔っているなら問題だろうが、表現・演出の一種ではないか」「放送時間帯によっては注意が必要だ」との意見が出されました。
これらの件に関しては、これ以上話し合う必要ない、となりました。

中高生モニター報告について

2019年度は、全国34人の中高生にモニターを依頼しました。
新しいモニターの初めての報告となる4月のテーマは「これまで視聴・聴取したなかで一番印象に残るテレビ・ラジオ番組について」でした。また、「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。
33人から報告が寄せられましたが1人で2つの番組をリポートしたモニターがおり、ジャンル別では、ドラマに11人、バラエティーに8人、報道・ドキュメンタリーとラジオ、その他にそれぞれ5人から報告がありました。ドラマでは3人が『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ)を取り上げ、「(ドラマを見て)自分が逃げ続けていた自分自身の問題に向き合いたい気持ちでいっぱいになり、翌日、何か月も不登校だった自分の教室に行った」など、ドラマとの出会いの喜びと制作者への感謝を伝える報告が届いています。
「青少年へのおすすめ番組」では、『フランケンシュタインの誘惑E+』(NHK Eテレ)に6人のモニターが感想を寄せています。
「自由記述」では、「最近はどのチャンネルのバラエティーも同じような内容・出演者で、あまり面白くない。なぜテレビは同じになってしまうのか?」というバラエティー番組への疑問や、「番組制作の背景は画面のこちらからは見えないが、番組を通して、こちらからは見えない人々の思いや考えが伝わってきて、最終的には私もつながりの一員になっていると感じる。テレビやラジオは、そんなことが可能な素晴らしいものだと思う」というテレビ・ラジオへの期待感を述べるモニターがいました。

◆委員の感想◆

  • 【これまで視聴・聴取したなかで一番印象に残るテレビ・ラジオ番組について】

    • 『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ/2019年)を取り上げたモニターが、1年以上不登校を続けていたがこのドラマを見て心を動かされ、視聴した翌日から登校を再開しとてもいい1日を過ごした、ということを報告している。ドラマの持つ力を体現したかのような感想だと思う。

    • 『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ/2019年)について「主人公である教師がつぶやいた言葉や叫んでいた言葉などがすごく印象に残り心に刺さっている」と述べたモニターがいたが、ドラマはそのセリフ一つひとつが子どもたちの気持ちに残るのだと感じた。

    • 『アイシテル〜海容〜』(日本テレビ/2009年)という10年前のドラマを、当時5歳で視聴していたというモニターが報告している。5歳で見たドラマが心に残り続けていると書いてくれたリポートを読んで、ドラマの力を思い知らされたドラマというものは、人の心の中に入り込んで何かをつかまえてしまうようなものなのかもしれない。

    • 『FUNKY FRIDAY』(FM NACK5)「最近の趣味はラジオを聴くだけでなくメッセージを送ること」だと書いてくれている。ラジオは今も昔も、リスナーの声を取り入れながら構成されており、その過程への参加感を味わいながら今の子どもたちもラジオを聴いているのかな、と感じた。

  • 【自由記述について】

    • 「インターネットでは意図的に検索した結果が表示されるが、テレビは番組表に内容が細かく載っていないことが多いので何が放送されるかわからないのは少し怖い」という記述があった。私たち大人の感性とは逆のようで、若い世代は、自分の見たいものは自分でコントロールできるということが日常になっているのかもしれないと思った。

    • 「番組制作の背景は画面のこちらからは見えないが、番組を通して、こちらからは見えない人々の思いや考えが伝わってきて、最終的には私もつながりの一員になっていると感じる。テレビやラジオは、そんなことが可能な素晴らしいものだと思う」と、制作の背景を書いてくれたモニターがいたが、テレビに対して非常に高い意識を持っていることが感じられる。

  • 【青少年へのおすすめ番組について】

    • 『フランケンシュタインの誘惑E+』(NHK Eテレ)について「医療という科学と生死という人間の営みの共存について考え意識することになった。次の時代、先人の築いたそれを担う私たちはどこまで踏み込んでいるのか」と非常に深い感想が寄せられており、感心した。

◆モニターからの報告◆

  • 【これまで視聴・聴取したなかで一番印象に残るテレビ・ラジオ番組について】

    • 『ハートネットTV /耐えて許してなぐさめる ~能楽師ワキ方・宝生閑の人生~』(NHK Eテレ/2015年)主役ではない「ワキ方」、端の人の生き方や考え方を学ぶことができました。主役ではなく、むしろ端にいる人が空気を動かすことができること、主役と脇役の間合いが大切だということ。口で「言う」、態度で「示す」など自分自身の体を使わないと思いは表現できないと思っていた私にとって、日常のやり取りを見直すきっかけにもなりました。それまでは「空気を読む」、「言わぬが華」と言われるようなわかりにくいことは駄目だと思っていたのですが、それもまたケースバイケースで適切な方があるのではと、今は考えています。(福岡・中学2年・女子)

    • 『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ/2019年)私は、中学2年の2月まで不登校でした。このドラマで先生が生徒と真正面から向き合う姿や、生徒自身が自分の抱えている問題と目を合わせてそれを乗り越えて成長する姿を見て、自分もこのままではだめだと思うようになりました。主人公の先生が生徒に真剣に語りかける目をみて心が揺さぶられました。自分も自分の問題と真剣に向き合いたいという気持ちでいっぱいになり、それを見た次の日、何か月も入っていなかった学校の教室に行きました。とてもいい1日でした。それから学校に行けるようになりました。このドラマの制作に携わったすべての大人の方にありがとうを伝えたいと思います。これからも多くの人に勇気を届け、大切なことを伝えていってほしいと思うと同時に、私もそんな大人になりたいと思いました。そんな大人になれるよう、日々たくさんのことを学んでいきます。(兵庫・中学3年・女子)

    • 『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ/2019年)このドラマの中で柊一颯先生が3年A組に訴えかけていた内容は、今の社会全体にも通じる内容でした。非現実的な設定も多くありましたが、私にはいい意味で刺激的な内容でした。このドラマのセリフで、「お前の他愛もない言葉一つで、誰かを救うことができるかもしれない。でもその一方で、傷つく誰かがいるかもしれないってことを忘れるな。簡単に命を奪えるってことを忘れるな。」というものが強く印象に残っています。この言葉は私の経験と重なり、ドラマが終わった後にもふと思い出しました。この言葉は私以外にも多くの人に響いてほしいと思えた言葉です。また、柊先生が呟いていた「死ぬのは怖いな」という言葉も、ボソッと放った一言だったからこそ心に刺さりました。このタイミングで何か訴えかけるドラマとしてメッセージ性の強い、いいドラマだったのではないかなと思います。(福岡・中学3年・女子)

    • 『アイシテル〜海容〜』(日本テレビ/2009年)このドラマは、少年犯罪と親をテーマとした悲しく切ないストーリーでできています。視聴時、私はわずか5歳であったのにもかかわらず今でも心に残り続けているのは、その内容があまりにも衝撃的だったからでしょう。どんなに愛され育った子どもでも犯罪者になりうる。そして、どんなにささいなことでも誰かの心の傷になりうる。その事実をつきつけられました。これは、犯罪だけでなく、あらゆることに置き換えられると思います。
      SNS。お互いの顔が見えないから、と発した何気ない言葉が、誰かを不快にさせるかもしれない。
      友人関係。仲が良いからと、冗談のつもりで言った言葉が、知らずに相手を悲しませるかもしれない。どんな時でも、自分の言葉と行動に責任をもつ。これこそが、親ではなく子としての視聴者であった私が得たメッセージでした。(東京・高校1年・女子)

    • 『テストの花道』(NHK Eテレ/2010~2014年)この番組は主に勉強のやり方を紹介する番組でした。番組は高校生向けだったのですが、その時私は小学生だったので「中学生や高校生になったらやってみたい」と思っていました。今もいくつかの勉強法を覚えていますし、試したりもしています。小学生だったので、習っていない教科もあったりして、兄にほとんど無理やりやらせた勉強法もありました……。今考えると、学生によくある悩みから解決法を紹介してスタジオに戻って、試したり話し合ったりしてからさらに応用的なことまで紹介するという流れが、「上手に作られているなぁ」と感じます。また、花道の先輩たち(大学生)の意見を聞けたのも 中高生にとって良い刺激になったのではないかと思います。そして、一番すごいなと思うところは 勉強法を紹介するという「お勉強」の番組なのに固くなり過ぎずユーモアを交えながら視聴者が楽しく見ることができるというところです。中高生はもちろん、当時小学生だった私も「勉強」に対する抵抗や壁というか薄い膜のようなものを感じなくなったと思います。私は「勉強は楽しいものなんだ」と思うことができたあの番組がとても印象に残っています。(神奈川・高校1年・女子)

    • 『村上RADIO~村上式クリスマスソング~』(エフエム東京/2018年)ラジオの放送から、村上さん自身の普段の生活・過ごし方が垣間見える様な気がして楽しかった。また、番組タイトルにもある通り、番組内でいくつかのクリスマスソングが紹介・放送されていた。これらの曲は個人的には知らないものばかりであったが、どれも欧州のクリスマスにありそうな、独特の雰囲気がとても良く出ており、聞いていてクリスマスの季節感に浸ることができた。かなり気に入ったので、その年のクリスマスは、それらの曲を聞きながら過ごした。曲を聞いていると、今どこかで同じ曲を聞いている人がいるのだろうかと感じて、暖かい気持ちになれた。これまで多くの番組を視聴してきたが、このような気持ちになれたものは少ない。(東京・高校1年・男子)

    • 『FUNKY FRIDAY』(FM NACK5)様々なコーナーがあり、毎週楽しみにしている。パーソナリティーの小林克也さんの話術がとてもすばらしく尊敬する。また最近の趣味は、ラジオを聴くだけではなくメッセージを送ることで、番組内のあるコーナーに電話かメールで参加できるのだが、全くつながることができず、大変無謀なコーナーだと思っている。正解者のなかから抽選などのほうが、様々な人にチャンスがあるのではないかと思ったりもする。(東京・高校2年・男子)

    • 『震災関連のニュース』(2011年3月11日)小さな頃からニュースが好きで家族で見てはそれぞれの見解や意見を交わすのが楽しみでした。そんな日々の中で東日本大震災が起こった時だけは今までとは違いました。これが日本で起こっているのか?そして現実なのかフェイクなのかと当時小学3年生の私は混乱し、映像を通してでありながらもこれ程の恐怖を感じたことはありませんでした。しかしその後も続くテレビからの情報で頭の中の混乱が少しずつ鎮められ現状の理解は進みますが、その分深く黒く重い悲しみで埋められていくという経験をしました。あの光景とその時感じた気持ちは強く心に残っています。テレビは今、この時をリアルに伝えることができ、後世にありのままの姿を残すことができます。リアルが伝わることの大切さ、伝えることの重要性を子どもながらに強い刺激を受けながらも感じました。メディアの中でもテレビやラジオの正確な情報は私たちの生活にとても重要で必要なものであると認識し、世の中を知る有り難いものであると考えるようになりました。このような経験から、3.11の映像が一番心に残るものとなりました。(奈良・高校3年・男子)

    • 『新元号発表生中継』(2019年4月1日)新元号発表の瞬間は外出先だったため、その瞬間に立ち会うことをあきらめていたが、政府による生配信があると知り「これは見るしかない」と思うと同時に、放送手段から時代の移り変わりも感じられた。(佐賀・高校3年・女子)

  • 【自由記述】

    • インターネットなどでは自らが意図的に検索したものの結果が出ます。けれどテレビはチャンネルを替えると映像が飛び込んできます。番組表にも放送の内容は細かく載っていないことが多いので、少し怖いと思います。(兵庫・中学1年・女子)

    • 私たち視聴者側から見えるのはでき上がったものだけれど、それはその作品ほんの一部分でしかなく様々な人がつながってようやく形になったものです。その制作の背景というのは画面の向こう側でこちらからは見えません。だけど見えるもの、つまりその番組、を通して、こちらからは見えない人々の思いや考えが伝わってきて、最終的には私もつながりの中の一員になっていると感じます。テレビやラジオは、そんなことが可能な素晴らしいものだと思っています。(東京・中学2年・女子)

    • 僕はバラエティーが好きなのですが、最近はどこのチャンネルのバラエティーでも同じような内容・出演者で、あまり面白くありません。しかしラジオは局によっていろいろな工夫がされていて出演者も多彩で、すごく面白いです。なぜテレビは同じような内容・出演者になってしまうのですか?(東京・中学2年・男子)

    • 私がそうであるように、TVやラジオなどのメディアから得る情報に抱く感想は十人十色です。先日、学校の授業でメディアについて学びました。その時に様々なニュース記事を読む機会があったのですが、一部の記事に偏りを感じました。「~のようだった」など不確定なものもありました。メディア側には、公平さを求める一方で、私たち視聴者も、メディアリテラシーをしっかりと個々が身につけなければならないと思っています。(東京・高校1年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『フランケンシュタインの誘惑E+』(NHK Eテレ)まず、編集がとても上手だと思いました。世界観が独特な内容だけれど、それに入り込みやすい雰囲気があってすんなりと入っていけました。それから、内容も興味深かったです。死を克服する人体実験、それが確実に心臓は動いていたという話は、死というものが心臓が止まるということならば、本当に生き返っているということで、あの物語は不可能じゃないんだ、とドキドキさせられました。(東京・中学2年・女子)

    • 『フランケンシュタインの誘惑E+』(NHK Eテレ)科学番組でしたが、「死」を科学で克服しようとする姿勢からはたして「死は乗り越えるべきものなのか」、「死ぬとはどういうことか」など突きつけられた感じがしました。医療という「科学」と生死という人間の「営み」の共存についても考え意識することになりました。次の時代、様々な発展とともに先人たちが築いたそれを担う私たちは、どこまで踏み込んで良いものなのか?侵してはいけないところはどこなのか?そんなことを考え、また「生と死」の対局にあるものについても理解できる良い番組でした。(福岡・中学2年・女子)

    • 『フランケンシュタインの誘惑E+』(NHK Eテレ)人体蘇生を生涯かけて試みたコーニッシュ氏の生涯を取り上げていた。これらは、当時の新聞・学術雑誌の記事や多くの人々へのインタビューなどで構成されており、しっかりした内容だった。途中で挙げられていた「何をもって死とするか」という問題について、とても考えさせられた。医療技術が急激に促進する現代において、この問題はより真剣に考えるべきだと感じた。(東京・高校1年・男子)

調査研究について

担当の中橋委員より、調査研究について進捗状況が説明されました。青少年のメディアリテラシー育成に関する放送局の取り組みについて今年度中に資料収集をすること、来年度中にアンケートを実施する予定です。

今後の予定について

  • 5月21日(火)に開催される、高知県の放送局と青少年委員会委員との意見交換会について、地元局との事前打ち合わせの結果を踏まえ、テーマ、進行などが事務局より説明されました。

以上