第335回

第335回 – 2025年1月

「調査報道に対する地方自治体元職員からの申立て」審理…など

議事の詳細

日時
2025年1月21日(火)午後2時~午後11時
場所
千代田放送会館BPO第1会議室
議題
出席者
曽我部委員長、鈴木委員長代行、廣田委員長代行、大谷委員、
國森委員、斉藤委員、野村委員、松尾委員、松田委員

1.「警察密着番組に対する申立て」審理

申立ての対象となったのは、テレビ東京が2023年3月28日に放送した『激録・警察密着24時!!』で、人気漫画・アニメのキャラクターを連想させる商品に関する不正競争防止法違反事件を取り上げ、警察の捜査の模様や2021年7月28日に執行された会社役員ら4人の逮捕場面などを放送した。
これに対し、番組で取り上げられた会社役員らは、番組の放送時点で逮捕された4人のうち3人が不起訴処分になっているにもかかわらず、その事実に言及せず、また「人気キャラクターに便乗して荒稼ぎ」「被害者面」「逆ギレ」といった過度なナレーションやテロップを付けて放送するなど、4人の名誉を著しく傷つけたなどとして申立てを行った。さらに、捜査員同士の会話や会議の様子は事後に撮影されたものであるのに、捜査の時系列に沿っているかのように番組内で構成されており、視聴者を混乱させ、許容される演出の範囲を大きく逸脱しているなどと主張している。
被申立人のテレビ東京は、不適切な放送内容が複数あったとして、お詫び放送やウェブサイトでのお詫び文掲載のほか、警察密着番組の制作中止や関係者の処分を行った。さらに再発防止策として番組チェック体制の強化や社内教育・研修の拡充などを進めていくとしている。
申立人側は、お詫び放送等の対応に一定の評価をしているものの、警察署内での事後撮影をめぐる見解の相違やテレビ東京が番組制作過程を明らかにしなかったことに納得せず、双方の交渉は不調に終わり、6月の委員会で審理入りすることが決まった。
今回の委員会では、起草委員作成の委員会決定案について、読み合わせをしながら議論を行った。

2.「調査報道に対する地方自治体元職員からの申立て」審理

申立ての対象となったのは、サンテレビが2023年9月26・27日に放送した夕方ニュース番組『キャッチ+』(キャッチプラス)で、ふるさと納税PR事業のために兵庫県下の地方自治体が出店したアンテナショップで、この自治体の元課長が現職時代に不正行為をはたらいていたという内容の調査報道ニュースを放送した。申立人は元課長で、放送内容は虚偽であり名誉を毀損されたと主張している。
9月26日放送の前編では、アンテナショップ元店長たちの内部告発をもとに、元課長が代金を支払わずに商品を飲食していたと報道した。9月27日放送の後編では、情報公開で得た資料と元店長たちの証言などをもとに、元課長の指示により、家族や知人に公金で高級牛肉などが送られていたと伝えた。
申立人の元課長は、放送などでの謝罪、インターネット上での当該ニュース動画の削除などを求めている。
被申立人のサンテレビは、元課長は電話取材に対し全てを否定したが、発言に具体的根拠はなく、元店長らの証言や伝票のコピーなどの物証からみて、放送内容は真実であり、少なくとも真実であると信じるに足る相当の理由があるとしている。また、地方自治体の管理職の地位にある公務員が、公金が投入されたアンテナショップで行った不正行為を放送したもので、公共性があり、公益を図る目的で放送したと主張している。
今回の委員会では、起草委員作成の委員会決定案について、読み合わせをしながら議論を行い、次回委員会までに決定文の最終案がまとまる見通しとなった。

3. 最新申立て状況

事務局から最新の申立て状況について説明した。

4. その他

来月開催の近畿地区意見交換会について、事務局から詳細な説明を行った。

以上

第46号

テレビ東京『激録・警察密着24時!!』『鬼滅の刃』の模倣品捜査密着事案に関する意見

2025年1月17日 放送局:テレビ東京

テレビ東京は2023年3月、『激録・警察密着24時!!』の中で「人気アニメ『鬼滅の刃』に便乗 悪質コピー商品の販売業者を追い詰めろ」として、販売業者が「不正競争防止法違反」で摘発された事件を取り上げたが、販売業者から放送内容が名誉を毀損する表現や虚偽の事実を警察官に演じさせたねつ造の疑いがあるとして抗議及び申し入れ書が送られた。これを受けてテレビ東京は2024年5月に不適切な内容が複数あったことを認め、謝罪するおわび放送をした。
委員会は同年7月「放送倫理違反の疑いがあり、詳しく検証する必要がある」として審議入りし、テレビ東京や制作会社スタッフなどを対象にヒアリングを実施。その結果、被疑者3名が不起訴になっていたことに触れなかった、『鬼滅の刃』のキャラクターを描いた商品を発注した事実はなかった、密着ドキュメントをうたいながら捜査のほとんどが事後撮影だったことなどを確認した。こうした問題について委員会は、「モザイクなどをすれば個人特定に対する配慮は足りている」とする“モザイク信仰”が人権意識を鈍らせた。また逮捕と犯罪者を安直に結びつける構図にとらわれ、ナレーションであおり、刺激的なスーパーで犯罪捜査をエンタメ化するこの番組のステレオタイプが繰り返されたなどの4つの要因を挙げた。
以上のことから本件放送は、事実と異なる内容を報じ、視聴者の信頼を裏切り、放送倫理綱領、民放連の放送基準及びテレビ東京の放送編成基準の各項目に反しているとして、放送倫理違反があると判断した。

2025年1月17日 第46号委員会決定

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目 次






第202回

第202回–2025年1月

TBSテレビ『熱狂マニアさん!』が審議入り

第202回放送倫理検証委員会は、1月10日に千代田放送会館で開催された。
9月の委員会で審議入りした毎日放送の『ゼニガメ』については、先月の委員会で意見書の原案が議論されたのを受け、今回は担当委員から意見書の修正案が提出された。他の委員から複数の質問や意見が出され、次回の委員会までに再修正案を作成することになった。
TBSテレビが2024年10月19日(土)に放送したバラエティー番組『熱狂マニアさん!』の中で、約2時間にわたりインテリア小売業大手「ニトリ」のマニアを特集し放送した。放送後、BPOに視聴者から「番組全編で1社を取り上げ価格や商品名も紹介しており、番組の提供にも社名が入りCMを流していた。これは番組といいながら、明らかに広告ではないのか」という声が寄せられた。委員会は、12月と1月の2回にわたり議論した結果、番組内容や制作過程に「番組と広告の違い」等を含む放送倫理上の問題がなかったかを詳しく検証する必要があるとして審議入りを決めた。
12月にBPOに寄せられた視聴者・聴取者意見などが報告された。

議事の詳細

日時
2025年1月10日(金)午後4時~午後6時20分
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、長嶋委員、西土委員、毛利委員、米倉委員

1. 毎日放送『ゼニガメ』について審議

毎日放送は、2024年7月17日に放送したローカルバラエティー番組『ゼニガメ』で、出張買取業者に密着取材する企画を放送したが、翌日に番組に事実と異なる放送があったことを公表し、謝罪した。さらに2023年11月と2024年5月の放送分にも事実と異なる内容があったことが判明し、9月4日に「一部事実と異なる内容があった」とする調査結果を発表し謝罪した。委員会は9月に審議入りを決め、12月には担当委員が作成した意見書原案が提出された。今月の委員会では、担当委員から修正案が出され、他の委員から複数の質問や意見が出された。
次回委員会までにさらなる検討を進め、担当委員が再修正案を提出する。

2. TBSテレビ『熱狂マニアさん!』について審議

TBSテレビは、2024年10月19日(土)の19時から約2時間にわたりバラエティー番組『熱狂マニアさん!』の中で、インテリア小売業大手「ニトリ」のマニアを特集し放送した。番組は「ニトリマニアが集結!1万点からベスト3 名もなき家事が今夜消滅!」と題して、ニトリの商品を使った時短料理や収納テクニックなどを全編にわたり放送する内容だった。
放送後、BPOに視聴者から「番組全編で1社を取り上げ価格や商品名も紹介しており、番組の提供にも社名が入りCMを流していた。これは番組といいながら、明らかに広告ではないのか」という声が寄せられた。この視聴者意見を受けて11月の検証委員会で議論をした際に、2024年になってからニトリを3回(1月13日、6月1日、10月19日)番組で取り上げていることが判明したため、当該放送局に対してそれらの番組DVDと報告書を求め、12月6日に報告書が提出された。
TBSテレビの報告書によると、これまで当該番組は、ある特定のジャンルに関して、並外れた熱意や愛情を注いでいるマニアが、熱狂していることや好きなものを紹介する番組で、近時はコロナ禍による巣ごもり需要により、コンビニやスーパー、大手日用雑貨店への興味関心がファミリー層などで高まったことを受け、「時短料理術」や「清掃・収納術」など、人気有名企業の商品活用法に詳しいマニアを番組が発掘し、単なる商品紹介ではない、衣食住にまつわる「生活の知恵」を幅広い視聴者に届けてきたという。
委員会は、12月と1月の2回にわたり議論した結果、番組内容や制作過程に「番組と広告の違い」等を含む放送倫理上の問題がなかったかを詳しく検証する必要があるとして審議入りを決めた。今後は当該放送局の関係者からヒアリングを行うなどして審議を進める。

3. 12月の視聴者・聴取者意見を報告

12月に寄せられた視聴者・聴取者の意見では、亡くなった人の報じ方について意見が多く寄せられた。俳優が自宅で亡くなっているのが見つかった件では、当日に遺族にカメラを向け心境を聞くことの何がジャーナリズムなのか疑問に思うなどの意見が、北九州市のファストフード店で中学生が刺され死亡した件では、被害者の名前や顔写真が繰り返し報道されたことが人権蹂躙ではないかなどの批判が寄せられた。この他、タレントが女性とトラブルを起こしていたことが分かったことについて意見が多く寄せられ、タレントがMCをしている番組は打ち切りにすべきだ、実態を調査して再発防止策をたててほしいなどの意見があったことを事務局から報告した。

以上

2025年1月10日

TBSテレビ『熱狂マニアさん!』が審議入り

TBSテレビは、2024年10月19日(土)の19時から約2時間にわたりバラエティー番組『熱狂マニアさん!』の中で、インテリア小売業大手「ニトリ」のマニアを特集し放送した。番組は「ニトリマニアが集結!1万点からベスト3 名もなき家事が今夜消滅!」と題して、ニトリの商品を使った時短料理や収納テクニックなどを全編にわたり放送する内容だった。
放送後、BPOに視聴者から「番組全編で1社を取り上げ価格や商品名も紹介しており、番組の提供にも社名が入りCMを流していた。これは番組といいながら、明らかに広告ではないのか」という声が寄せられた。この視聴者意見を受けて11月の検証委員会で議論をした際に、2024年にニトリを3回(1月13日、6月1日、10月19日)番組で取り上げていることが判明したため、当該放送局に対してそれらの番組DVDと報告書を求め、12月6日に報告書が提出された。
TBSテレビの報告書によると、これまで当該番組は、ある特定のジャンルに関して、並外れた熱意や愛情を注いでいるマニアが、熱狂していることや好きなものを紹介する番組で、近時はコロナ禍による巣ごもり需要により、コンビニやスーパー、大手日用雑貨店への興味関心がファミリー層などで高まったことを受け、「時短料理術」や「清掃・収納術」など、人気有名企業の商品活用法に詳しいマニアを番組が発掘し、単なる商品紹介ではない、衣食住にまつわる「生活の知恵」を幅広い視聴者に届けてきたという。
委員会は、12月と1月の2回にわたり議論した結果、番組内容や制作過程に「番組と広告の違い」等を含む放送倫理上の問題がなかったかを詳しく検証する必要があるとして審議入りを決めた。今後は当該放送局の関係者からヒアリングを行うなどして審議を進める。

2024年12月に視聴者から寄せられた意見

2024年12月に視聴者から寄せられた意見

中学生殺傷事件や韓国非常戒厳など報道のあり方に対して意見が寄せられました。

2024年12月にBPOに寄せられた意見の総数は1,917件で、先月から509件減少しました。
意見のアクセス方法は、ウェブ 87.7% 電話11.5% 郵便・FAX 0.8%
男女別は、男性 58.3% 女性 22.5% 無回答 19.2%で、世代別では10代 1.3% 20代 6.5% 30代 17.4% 40代 23.9% 50代 26.0% 60代 13.0% 70歳以上 3.2%
視聴者意見のうち、個別の番組や放送局に対するものは当該局へ個別に送付します。12月の個別送付先は30局で、意見数は749件でした。放送全般に対する意見は199件で、その中から13件を選び会員社すべてに送りました。

意見概要

番組に関する意見

中学生2人が殺傷された事件や韓国の非常戒厳の報道について意見が寄せられました。また、兵庫県知事選をめぐる報道番組や参議院議員宅火災の映像の使用について引き続き意見が寄せられました。
ラジオに関する意見は35件、CMについては9件でした。

青少年に関する意見

2024年12月中に青少年委員会に寄せられた意見は62件で、前月から2件増加しました。
今月は「要望・提言」が21件と最も多く、次いで「報道・情報」が14件で、以下「表現・演出」の11件などが続きました。

意見抜粋

番組に関する意見

  • 北九州市で起きた中学生2人の殺傷事件。死亡した被害者の顔写真や動画が何度も繰り返し放送されている。家族や友人たちはどんな思いで見るだろうか。被害者のプライバシーや人権についてもう一度考えてほしいと思った。

  • 被害者と加害者の情報量の差に違和感を覚える。被害者の情報はそこまで伝える必要があるのかというほどに詳しく報道されるのに対して加害者の情報は少ない。北九州市の事件では、被害者の生活や映像を繰り返し伝えることよりも、容疑者が映っていただろう防犯カメラの映像を探し出し報道することが重要なのではないか。

  • 韓国大統領が突然発した非常戒厳。字幕スーパーによる速報だけではなく、通常の番組を中断して報道特別番組を放送すべきだったのではないか。公共の電波を預かっているという自覚が足りないのではないか。テレビ離れがますます進むのではないかと危惧する。

  • 兵庫県知事選をめぐるさまざまな事象を振り返る報道番組。あらためて選ばれた知事とその選挙運動に対する一方的な批判に終始した印象で、中立公平な報道ではないと感じた。

  • 兵庫県知事選の結果にはSNSが影響したと言われているが、SNS上に流れた膨大な量の情報のうち、何が事実で何がフェイクだったのか、テレビ番組が検証すべきだと思う。

  • 参議院議員宅の火災で、炎のそばで人影が動く映像を使用したことは行き過ぎた報道ではなかったか。心理的に大きなショックを受けた視聴者も少なくないと思う。

  • 有名タレントの突然の死。直後に家族の自宅を訪れマイクを向ける番組があったが、その取材は本当に必要なのだろうか。公共性があるのだろうか。同様に、事件の被害者家族への直撃取材についても必要性に疑問を感じることがある。

  • 週刊誌で女性とのトラブルが報じられた人気タレントが出演予定の番組について、そのまま放送されるかどうかが話題となっている。出演場面をそのまま放送した番組があったが少し違和感を覚えた。

  • 人気タレントの女性とのトラブルについてテレビ各社が報じないことが不可解。レギュラー番組を多数持っているタレントなのだから、裏付け取材を行い知り得た事実を報道すべきなのではないか。

  • テレビはSNSにはフェイクが多いと批判するが、一方で、国内だけでなく海外のスマホ動画を含めSNS上に流れる映像を使って番組を作っている。その中にフェイク動画やフェイクニュースが無いと言い切れるのだろうか。

  • SNSで批判の声が集中している番組は見たくなくなってしまう。SNS上の言いっぱなしを放置せず、番組やHPなどで放送局の意見を聞かせてほしい。放送局は視聴者とのコミュニケーションをもっと大切にしてほしい。

  • 出演者を「一流国立大学卒」「有名私立大学卒」などとグループ分けするバラエティーが多すぎてうんざりする。学歴偏重の風潮を助長する可能性もあると思う。

青少年に関する意見

【「要望・提言」】

  • 虐待をテーマにしたドラマが多すぎて心がすさむ。普通の恋愛ドラマにも虐待シーンが出てきて違和感を覚える。虐待は弱きものの悲しみであって、それをドラマの視聴率稼ぎのネタにするべきではない。

  • 私は中学生で、授業で情報リテラシーについて学んでいる。先生は「マスメディアの言うことを鵜呑みにしてはいけない。インターネット配信のライブストリーミング番組が、実はいちばん公平な報道をしている」と話していた。放送局の人たちは重く受け止めてほしい。

  • 「子どもが真似する」「教育上よくない」というクレームで当たり障りのない番組ばかりになった結果、子どもが不確実な情報や不適切なコンテンツが氾濫するインターネットに移ってしまうのは本末転倒だ。本来は保護者が説明してやるべきなのに、それをやらずにテレビ局にクレームを入れるのは家庭教育の放棄だと思う。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 多くのテレビ局が北九州中学生殺傷事件で亡くなった女子中学生の氏名や顔写真などを紹介した。全国放送で個人情報が拡散されることは気の毒に思う。今の時世に合わないだろう。

【「表現・演出」に関する意見】

  • お笑い芸人に競わせる番組で、決勝に進んだ3組の女性芸人がネタを披露した。1組目は「うんこ」、2組目は「たまきん」、最後が「おっぱい」。これが一番おもしろいネタなのか。家族で一緒に、子どもも見ることを考えてほしい。

【「編成」に関する意見】

  • 子どもたちが日曜日の人気アニメ番組を楽しみにしている。新年度4月からの改編で、放送開始が日曜午前9時半から深夜11時15分になるという。深夜では子どもたちは起きていられない。午前に戻すか、夕方に移してほしい。

【「食べ物」に関する意見】

  • ニュースや情報番組でもグルメの紹介コーナーがある。アナウンサーやリポーターが大きく口を開けて食べ物を入れ、それが入ったままコメントする。とても見苦しい。テレビは子どもも見ている。食べ物を口に入れたままで話さないという正しいマナーを見せてほしい。

第274回

第274回-2024年12月16日

「水を張った洗面台に顔面を押し付けるドッキリ企画」などについての「討論」…など

2024年12月16日、第274回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ、8人の委員全員が出席しました。
会議ではまず、「痛みを伴うことを笑いの対象とする」演出が顕著だったバラエティー番組について、前回11月の委員会に引き続き、「討論」が行われました。
11月後半から12月前半までの1カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
12月の中高生モニター報告のテーマは「最近見たアニメについて」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2024年12月16日(月)午後4時00分~午後6時30分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
「水を張った洗面台に顔面を押し付けるドッキリ企画」などについての「討論」
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、吉永みち子副委員長、飯田豊委員、池田雅子委員、
佐々木輝美委員、沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員

「水を張った洗面台に顔面を押し付けるドッキリ企画」などについての「討論」

11月の委員会に引き続き、バラエティー番組でピンポン球を上半身はだかの男性芸人に高速で打ち付ける企画と、同番組の企画で、「水攻め」と称してターゲットの男性芸人の顔面を水を張った洗面台に押し付けるドッキリ企画について「討論」が行われました。
ある委員は「当委員会のいちばん大きな特徴は『放送局と視聴者との間の回路になる。一緒に考えましょう』というところにあって、そこは絶対に大事な核として維持しなければならないと思う。それを踏まえて何ができるかを考えるべきだ」としたうえで、「新たな見解やコメントを出す前に(放送局の制作担当者との)対話の機会を設けるべきだろう」と述べました。
別の委員は「バラエティー番組を見るうえでの『お約束』というべきものが、視聴者との間で通用しなくなっている。これは若者のテレビ離れという現象の表れのひとつかもしれない。(10月の委員会で議論になった)バラエティー番組でのファッションチェックの企画の場合、審査員は辛口というのが『お約束』だったわけだが、そのことが今は通用しなくなって、批判的な意見がたくさん来た。『お約束』が通用しなくなった状況を制作者側と共有することがいちばん大事だと思う」と指摘しました。
さらに別の委員は「委員会として(見解やコメントなどで)もう一度意見を言うとしても、結局、屋上屋を架する感じになってしまい、その次の対応ができなくなる懸念がある。今回は(制作者側に対して)『バラエティー番組の制作がさまざまな厳しい制約の下に置かれていることを踏まえて、共に考えていく機会を設けましょう』と呼びかけて、勉強会なり研修会などを企画してはどうか」と提案しました。
一方、子どもの視聴者の視点も加味すべきだとしてほかの委員は「意見を多く出すのは大人ばかりだ。子どもからはほとんど来ない。『子どもの意見どおりに動きましょう』ということではないが、子どもがテレビのこういう状況をどう見ているのかを知る機会を設けられないか」と述べました。
この問題については次回以降も「討論」を継続することになりました。

視聴者からの意見について

11月後半から12月前半までの1カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
平日夕方の報道番組で、自民党参議院議員の自宅マンションから出火し議員の家族2人が焼死した火災を報じる際、炎に包まれたベランダで家族と見られる人影が火に液体をかけているような映像が「視聴者提供」として放送され、視聴者から「あまりにショッキングな映像だ」などの意見が寄せられました。
担当委員は「たしかにショッキングな映像だったが、子どもに対する影響というより、(報道機関として『視聴者提供映像』使用の)一般的な判断に関わることなので、当委員会での検討事案ではないだろうと思う」と説明しました。
10代の中学生から「学校の授業で情報リテラシーを学んでいるが、先生が『マスメディアの言うことを鵜呑みにしてはいけない』『インターネット配信のライブストリーミング番組が実はいちばん公平な報道をしている』と話していた」との意見がありました。
ある委員は「これだけで判断してはいけないと思うが、学校でのリテラシー教育が十全なものではないということだから、子どもたちを誰がどのようにケアすべきかは大きな課題だろう」と述べました。
担当委員は「(SNSなどのネット空間では)『オールドメディアはだめだ』などマスメディアに対する逆風が強くあって、学校の教員のなかにもそういう感覚の人がいるのかもしれない。大人である教員の認識がそうだと、子どもたちに『信頼できるのはもはやテレビではない』という価値観を伝えてしまうのだろう」と指摘しました。
このほかに大きな議論になる番組はなく、「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

12月のテーマは「最近見たアニメについて」で、合わせて16番組への報告がありました。
複数のモニターが取り上げた番組は『アオのハコ』(TBSテレビ)、『クレヨンしんちゃん』『ブルーロック』(いずれもテレビ朝日)、『ちびまる子ちゃん』『サザエさん』(いずれもフジテレビ)、『名探偵コナン』(読売テレビ)で、作画やストーリー展開についての意見などが届いています。
「自由記述」にはアニメに関する意見のほか、選挙関連番組や放送上の演出についての意見も寄せられました。
「青少年へのおすすめ番組」では『がっちりマンデー!!』(TBSテレビ)に8人から、『今夜はナゾトレ』(フジテレビ)に6人から、『犬のお仕事~ニュージーランド編~』(NHK BS)に3人から感想が届いています。

◆モニター報告より◆

【最近見たアニメについて】

  • 『チ。~地球の運動について~』(NHK総合)
    今の我々の生活では、例えばLGBTQの問題に代表されるように、過去の価値観に過度にとらわれることが問題を引き起こす事例が多く起こっている。このアニメは、常識に過度にとらわれすぎる私たちの普段の行動に疑問を呈するとともに、正しい常識との向き合い方について教えてくれる作品だと思う。(高校1年・男子・兵庫)

  • 『科学×冒険サバイバル』(NHK Eテレ)
    子どもから大人まで分かりやすく学べると思う。イラストでウイルスの説明があったのは分かりやすかった。番組の最後に“今回の振り返り”があると学びを定着できてもっと良くなると思った。(中学2年・女子・鳥取)

  • 『アオのハコ』(TBSテレビ)
    • 高校生という青春の時期だからこその感情を、アニメーションと声優の方々の声が綺麗に包み込んでいたので、感情移入しやすく胸が熱くなった。アニメーションが水彩のような透明感のある絵で、1人1人の表情がまっすぐに伝わりやすいと思う。背景のリアルな描き方とキャラクターのアニメ感ある描き方が時々噛み合わず少し違和感が残る場面もあったが、丁度よい対比にも感じられるので、今季で一番刺さるアニメだと思った。(中学2年・女子・埼玉)
    • シーンの一つ一つがリアルでありそうな場面が多く、見ていてドキドキしました。第10話ではプール掃除の用具片付けのシーンで、猪股大喜が鹿野千夏の腕を思わず掴んだところがドキドキしました。(高校2年・男子・山口)

  • 『勇気爆発バーンブレイバーン』(TBSテレビ)
    想像していた以上にリアル志向のアニメで驚きました。往年のロボットのような見た目をしているのは主人公のロボットだけで、それ以外はリアル調のロボットや実在する兵器が登場するため温度差がすごかったです。久しぶりにリアルタイムで最終回までテレビにかじりついて見ていました。『機動戦士ガンダム 水星の魔女』(毎日放送)以来の、熱中して見たアニメでした。(中学3年・男子・千葉)

  • 『ラーメン赤猫』(TBSテレビ)
    登場人物が少ないので取っつきやすく気軽に見ることができました。設定や雰囲気から子ども向けのアニメだと最初は思っていましたが、働くことの意味や労働契約の大切さを教えてくれる、考えさせられる番組だと思いました。(高校1年・女子・愛知)

  • 『聲の形』(日本テレビ)
    タイトルの「聲」が「声」ではないのは、気持ちを伝えるのは声だけではないという意味が込められているからだと思いました。小学生の頃に一度観たことがある映画ですが、時間が経つとこんなに感じ方が違うのかとびっくりしました。自分の心の成長を感じました。(高校1年・女子・岐阜)

  • 『薬屋のひとりごと』(日本テレビ)
    このアニメがとても好きで、コミカライズ版も読むほど主人公の猫猫(まおまお)に惹かれています。自分をしっかり持ち、広い視野と多くの知識を持って判断・考察をする猫猫のような人になれるよう、これからも勉学に励みたいです。また身分を示す位の構成は初心者でも分かるように簡略化されていて、中国ドラマよりもポップな感じの物語で安心して見ることができます。(高校2年・女子・愛媛)

  • 『クレヨンしんちゃん』(テレビ朝日)
    刺激的なところが好きで、小学生の頃はレンタルビデオ店で何度も借りた。時事ネタも多く、特に印象に残っているのは2014年3月7日放送の「消費税が上がるゾ」というお話だ。現実とリンクしていて実際に4月から消費税の引き上げがあった。小学1年生が消費税の仕組みを理解するのは困難だが、アニメーションによる可視化で私でも理解することができた。(高校2年・女子・青森)

  • 『ブルーロック』(テレビ朝日)
    • 良い意味で期待を裏切ってくるので毎週の放送が楽しみだ。サッカーを知らない私でも技やレベルの高さが分かるように説明してくれるし、「自分の挑戦を自分で見つける」「本番のアドリブ力の強さ」といった人が強くなるためのキーワードが多く出てきて心の強さや柔軟な考え方も大切だと伝わってくる。(中学1年・女子・鹿児島)
    • プレイヤーが自分の殻を破り“エゴ”をむき出しにするシーンや、各々の武器を活かしたスーパープレーは、実際の試合を見ているような感覚になります。主人公が「自己の分析」や「考え方」をうまく言語化できていて、目標に対して「どうすれば成し遂げられか」を常に考えているので、僕も真似しようと思いました。(高校2年・男子・神奈川)

  • 『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)
    • 最近視聴していなかったので、まるちゃんの声が変わっていて驚きました。前の声優さんの声は昭和っぽさがありましたが、現在の声優さんは最近のアニメの声という感じがして、時代の変化を感じました。(中学3年・女子・東京)
    • 『ちびまる子ちゃん』は小学生の頃まで視聴していたが、今回久しぶりに見て、まるちゃんは意外と辛辣なことをサラッと言っていたのだと気がついた。テレビの型や値段設定など、漫画開始当時のまま現在も放送され続けているところはすごく歴史を感じられていいなと思った。(高校2年・女子・東京)
    • 「よその家がうらやましい」回は高校生の私にも響くものでした。「よその人たちもそれぞれの環境で自分なりに頑張っているから、自分もこの境遇で楽しんで生きていこう」というメッセージがあったと思います。数年ぶりに視聴して、子どもだけでなくいろいろな世代が様々な受け取り方ができると思いました。今回はTVerで一人で視聴しましたが、また家族と一緒にテレビで視聴したいです。(高校3年・女子・熊本)
  • 『サザエさん』(フジテレビ)
    • 登場人物の名前もキャラクターも知りませんでしたが長く続いているアニメなので視聴しました。お母さんがよく言う「昭和の感じ」「昭和みたい」の意味が分からなかったのですが、『サザエさん』を見て「昭和みたい」だと思いました。かなり大人数で住んでいてコタツを囲んで話をしたり、裏の家の人と話をしたり、おばあちゃんと若いお母さんが一緒に台所に立ったり、おじいちゃんと若いお父さんが割と早く帰宅したりしていて、子どもたちが学校から帰るとお母さんたちが家にいるのには驚きました。30分のアニメですが“昭和”のことを考えながら視聴することができました。(中学1年・男子・山梨)
    • 幼い頃から見ているお気に入りのアニメですが、高校生になって視聴する機会が減っていました。39年ぶりに新キャラクターが登場するとSNSで多く取り上げられていたので視聴しました。良くも悪くも昭和時代の家族形態をよく表していて、家族団らんのシーンは昭和ならではだと感じられて良いのですが、『サザエさん』には性別役割分業が残っています。私としてはマスオさんが料理をしたり、サザエさんがパートなどをしたりするシーンも見たいです。(高校3年・女子・奈良)

  • 『鬼滅の刃 桂稽古編』(フジテレビ)
    映像がとてもきれいで、景色や和服といった日本の美しさを改めて感じました。でも頭が飛んだり体が燃えたり刀で血が飛び散ったりなど残酷なシーンがあって、たとえ深夜放送で13歳以上が対象でも録画視聴する子どももいると思うので、テレビは映画より規制が難しいと思いました。今回の内容は原作のストーリーが中途半端な所で分割され、戦いもなくつまらなく感じました。スト―リーと曲のイメージも合っていませんでした。(中学2年・女子・秋田)

  • 『夜桜さんちの大作戦』(毎日放送)
    私の推しアニメです!作画もいいし原作を壊さずにストーリーを作っていて、とても見やすいです。武器の描写が多いですが、きちんと表現出来ていてすごいと思いました。(中学1年・男子・山形)

  • 『歴史に残る悪女になるぞ』(毎日放送)
    転生モノで「悪女に転生したので破滅しないようにしたけれど結局まきこまれてしまう」というストーリーはよく見るが、「自分から悪女になろうとする」ものは見たことがなく、新鮮味があって面白かった。(中学1年・女子・神奈川)

  • 『名探偵コナン「乱歩邸殺人事件」』(読売テレビ)
    • グロテスクな絵が少なく、殺人事件のシーンでも気持ち悪くならないところが良いです。また災害時などに役立つような豆知識が豊富なところも良いところだと思います。原作回はキャラクターが豊富でとても面白いですが、アニメオリジナル回はいつも麻酔銃で誰かを眠らせて事件を解決するワンパターンなので、バリエーションをもう少し増やしてほしいです。(中学2年・男子・東京)
    • 実在する場所がアニメに登場するのはスペシャル感が強くて良いと思います。このようなコラボを沢山制作すれば、日本のアニメをより海外にアピールできると思います。(中学2年・女子・東京)

【自由記述】

  • アニメは動画配信サイトで先行配信されるので、テレビで視聴する機会が減っていると感じる。テレビが先行放送やオリジナルストーリーの放送をするなど、独自性を出す必要があると思う。(高校1年・男子・長崎)

  • 小学生の頃、子どもの日に『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』(いずれもテレビ朝日)が放送されなかったのがショックだった。子どもの日には子ども向けの番組をメインに放送してほしい。(高校2年・女子・青森)

  • 小さい子どもはアニメを通して学んだり大きな影響を受けたりするので、ある程度対象年齢を絞る方が、子どもの発達に合わせたアニメが制作できるのではないかと考えています。視聴者の年齢層や影響などをどのように考え、伝えたいこととのバランスをどう取りながらアニメ制作を進めているのか気になります。(中学3年・女子・長崎)

  • 選挙で若者の投票率が低いというニュースをよく見るが、選挙に行かない人は「あまり政治が分からない」という人が多いのだと思う。ニュース番組の中で政治や選挙の仕組みに触れる機会を作り、毎日少しずつ政治用語や言葉の意味を噛み砕いて伝えてほしい。意味が分かる方がニュースを見ようと思うし、さらに疑問が湧いてくるので、政治に関心を持つ人が増えると思う。(中学2年・女子・鳥取)

  • 兵庫県の斎藤元彦知事に対して多くのマスコミが批判的な報道(おねだり疑惑やパワハラ疑惑)をしていたのに再当選したことは、多くの日本人がテレビや新聞の報道を信用していないという事実が浮き彫りになったように感じました。また国境なき記者団が毎年発表する「報道の自由度ランキング」で日本は今年70位に下落してして、このままマスメディアの信頼がなくなり日本人の主な情報源がSNSになってしまったら、フェイクニュースや悪意のあるデマ、それによる暴動や治安悪化を招きかねないので、やはり信頼できる放送機関の存在は大切だと思います。報道のあるべき姿について、今一度考える必要があると思います。(中学3年・女子・東京)

  • 闇バイトについて。夕方のNHKニュースで特集(犯人の証言や闇バイトに手を染めるまで)しても10代の子どもは視聴できない時間なので、TikTokなどでQRコードを配信してニュースへ誘導するとよい。“闇バイト”という名称を変更して、重犯罪だというイメージを若者に定着させてほしい。(中学2年・女子・東京)

  • 『ベストアーティスト2024』(日本テレビ)でAぇ!groupがファンに囲まれた360°ステージでパフォーマンスをしていたのですが、高さがなく柵で区切られただけなのでファンの顔とかぶってよく見えないなど、ステージ構造を見直してほしいと思いました。動物園にしか見えなくてアーティストへのリスペクトも足りないと思いました。(中学3年・女子・神奈川)

  • 私が住んでいる地域では、テレビ朝日系列で日曜の午前10時に『懐ドラマ』という枠があります。私が生まれる前のドラマが再放送されていることもあり、毎週楽しみにしています。深夜帯でもいいので、全国放送でもこのような取り組みをすると面白いと思います。(高校1年・女子・愛知)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『犬のおしごと~ニュージーランド編~』(NHK BS)
    今まで知らなかった犬の仕事を知ることができましたが、犬たちが長時間働かされているのではないかと心配になりました。犬たちにストレスや負荷をかけないように、どのような取り組みがされているのかも紹介してほしいです。(高校1年・女子・愛知)

  • 『がっちりマンデー!!』(TBSテレビ)
    • ナレーションの声が聞きやすかったです。(中学1年・女子・神奈川)
    • 番組の最後に『出張!がっちりマンデー!!』の宣伝をしていた。この番組を最後まで見た後、行きたいと思った。(高校2年・女子・青森)

  • 『今夜はナゾトレ』(フジテレビ)
    世界が感動する日本のスゴい文房具の紹介でした。普段何気なく使っている文房具ですが、私たちが不自由なく使うための発明や生産工程の工夫が凝らされているんだと思いました。(高校3年・女子・栃木)

  • 『わが校自慢!VS.ハイスクール』(毎日放送)
    北野高校(大阪)と興国高校(大阪)の対決がとても面白かった。高校生が学年を超えて協力しているところに青春を感じ、自分もやってみたいと思った。それぞれの勝負に勝った高校の生徒たちが感激していたところはドラマのようだった。同じ高校生としてみんなが楽しそうに練習しているところがとてもうらやましかった。(高校1年・男子・兵庫)

◆委員のコメント◆

【最近見たアニメについて】

  • 中高生は作画にもストーリーにも現実的な要素を求めていると感じた。

  • 「アニメを見ることが少なくなった」という報告が意外と多いと感じた。

  • 『勇気爆発バーンブレイバーン』(TBSテレビ)を見たが、勇気・友情をテーマに自衛隊のパイロットと米軍のパイロットが協力して戦うストーリーが美しく描かれていた。ただ、いま国内で「防衛力強化」「軍事力増強」といった議論が出ている中で、そういったテーマに問題意識を持たず無条件に受け入れる雰囲気が醸成されていくのではないかという怖さがあると感じた。

  • サブスクリプションでのコンテンツ視聴が定着しつつある中で、コンテンツメーカーである放送局の存在感が明らかに薄くなっていると感じる。特にアニメやドラマでは顕著で、どこの放送局が制作しているのかをほとんどの視聴者が意識していない現状があると思う。

【自由記述について】

  • 「“闇バイト”という名称を変更してほしい」という意見があったが、“闇”よりも“バイト”という響きの方が耳に残りやすいため若い人たちは“闇バイト=アルバイト”と認識してしまう懸念がある。マスコミはこういった言葉をもっと丁寧に扱うべきだと思う。

今後の予定について

次回は2025年1月28日(火)に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。

以上