第232回 放送と青少年に関する委員会

第232回-2021年3月

視聴者からの意見について…など

2021年3月23日、第232回青少年委員会を千代田放送会館会議室で開催し、7人の委員全員が出席しました。
バラエティー番組で出演者のグラビアアイドルがSNSで人気があると紹介した際、グラビアアイドルが胸の谷間を強調したり、セクシーな話をしたことに対して「深夜番組のような内容。子どもと見るには少し度が過ぎている」などの意見が、また男女のトイレ事情をクイズにしたことに対して「出演者、視聴者へのセクハラだ。子どもに見せられない」などの意見が寄せられました。委員会ではこれらの視聴者意見について議論しました。
3月の中高生モニターのリポートのテーマは「1年間で最も印象に残った番組について」でした。25人から報告がありました。
モニターからは、明智光秀の生涯を描いた連続ドラマについて、「光秀や信長の『平らかな世を作りたい』という思いは周りの人に受け継がれて、江戸時代は光秀と信長の願った世になったのかなと思います。歴史ドラマを作るということは、事件や資料を基にわからない部分を想像し、違和感がないようにつなぎ合わせる必要があります。その中で視聴者が楽しめる創作した部分があるドラマがおもしろいと思います。このドラマは、どちらもいい感じで、最初から最後まで楽しく見ることができました」、去年7月の熊本豪雨関連のニュース番組について、「数か月たって録画していた各番組を見返してみて感じたのは、映像が伝えてくるものはとても凄まじいものだったということです。例えばネットのニュース記事や記録サイトに掲載されている文章の情報ではわかりづらくても、映像だと視覚ですぐ自分の頭に入るので、当時のことを思い出しやすくなりました。今後はその映像を使いながら、この災害を継続して伝えてほしいと思います」、人気ロックグループを率いる音楽家・常田大希さんに密着したドキュメンタリー番組について、「曲を作るところをここまで取材したのは初めて見たので、どんどん曲が作られていくのを見るのが面白く、作ってはやり直す、試行錯誤して突き詰める様子がよくわかりました。一人でずっと音楽に向き合って曲を作る姿はストイックそのもので、妥協せず理想を追い求める熱量が素晴らしいと思いました。作り手に熱量があるからファンも熱狂するのだと私は常々思います。(中略)この番組を見て、私も負けていられないと思いました。自分のできることを一生懸命やろうと思います」などのリポートが寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
次回は、4月27日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2021年3月23日(火)午後4時30分~午後6時30分
場所
千代田放送会館会議室
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

まず、2月後半から3月前半に寄せられた視聴者意見について議論しました。
バラエティー番組で出演者のグラビアアイドルがSNSで人気があると紹介した際、グラビアアイドルが胸の谷間を強調したり、セクシーなトークを繰り広げたことに対して、「子どもと見る時間帯の番組として相応しくない」「深夜番組のような内容。児童生徒と見るには少し度が過ぎている」といった意見が寄せられました。また同じ番組内で男女のトイレ事情をクイズにしたことに対して「出演者、視聴者へのセクハラだ。子どもに見せられない」「下品な内容を扱うならば、小中学生に人気のアイドルを出演させないでほしい」といった意見も寄せられました。
グラビアアイドルに関する視聴者意見について委員からは、「グラビアアイドルをきれいと思うか、いやらしいと思うかは人次第で、人によっては反感をもってしまうのは仕方ないだろう。しかし放送を取り止めさせるようなものではない」「子どもに見せたくない場合は見せない、という対応を取る範囲のものかと思う」「胸の谷間に物を挟んだり下ネタに近いところもあって、それが不快で子どもに見せたくないという親の気持ちは理解できる」との意見が出されました。
またトイレ事情のクイズについて委員からは、「単なるクイズという感じがした。青少年が視聴したからといって、特に何か問題があるとは感じない」「他人のトイレ事情など知りたくないと思う人はいるだろうが、それで放送を止めさせるような子どもへの悪影響があるとは思えない」「子どもに見せたくないものは見せなければいいという親としては当然のことがなかなかできていない日本の状況がある。自分でそれができていないので、そういう番組を作るなというような方向に行っているのではないか」といった意見が出されました。
この件に関しては、これ以上話し合う必要はないとなりました。

最後に、今年度の青少年委員会での論議を振り返って、榊原委員長から次のような意見が出されました。「子どもにふさわしくないとか、教育上よくない、子どもには見せたくないというのは、どこがダメなのか。青少年委員会としては、それがどういう意味で良くないのか、ということになる。過度の刺激はよくないと思うが、人間というのはいろいろな経験をする。その中で子どもにとって“教育上良くない”と言われるものが、本当に良くないかどうかを見極めるのが私たちの仕事であると思う。
また年次報告会でも言ったが、芸能人同士で演技ではない本当に痛いことをさせて、それを笑っているというのを子どもたちが見ることによって、人が本当に痛みを感じているときに笑うというのが普通になっていってしまう可能性はあると思う。お笑い芸人は子どもたちに人気があるので、悪い意味のロールモデルになってしまわないか。その辺を見ていく必要があると感じている」

中高生モニター報告について

33人の中高生モニターにお願いした3月のテーマは、「1年間で最も印象に残った番組について」でした。「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で25人から報告がありました。
「1年間で最も印象に残った番組について」では、全部で22番組への報告が寄せられました。複数のモニターが取り上げたのは、『第71回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)で、3人でした。ラジオ番組を挙げたモニターは1人でした。また、特定の番組ではなく、印象に残ったニュース・報道について記述したモニターもいました。
「自由記述」では、東日本大震災に関連した番組を見て、自分の意見をまとめたモニターが多く、今後も震災の記憶を後世に伝える番組を望む声が届きました。また、新型コロナウイルス関連の報道のあり方について取り上げたモニターも少なくありませんでした。コロナと共にあったこの1年を振り返って、「これからもさまざまな変化に伴って進化し続けるテレビであってほしい」という放送局への期待も寄せられています。
「青少年へのおすすめ番組」では、複数のモニターから感想が寄せられたのは2番組でした。『NHKスペシャル「ドラマ 星影のワルツ」』(NHK総合)を6人が、『世界10代コロナ会議』(NHK Eテレ)と『池上彰の災害サバイバル~地震・台風・水害に役立つ10カ条~』(テレビ東京)をそれぞれ2人が取り上げています。
なお、『常田大希 破壊と構築』(NHK-BSプレミアム)については、「1年間で最も印象に残った番組について」と「青少年へのおすすめ番組」合わせて2人から感想が寄せられました。

◆委員の感想◆

  • 【1年間で最も印象に残った番組について】

    • 東日本大震災関連の番組について報告したモニターが少なくなかった。震災のときに彼らは生まれていたが、ニュースをリアルタイムで見たわけではない。だからこそ、若い世代には、津波などの震災にまつわる生の映像を見てもらって、その恐ろしさを訴えるのが良いのだと、リポートを読んでいて感じた。リポートからは、当時の生の映像がいちばんの脅威であり、力を持ったということが伝わってきた。

    • 『第71回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)について書いたモニターの記述に、「紅白が放送できたことで、1年が何とか終わったと感じられた。安心感につながった」というものがあった。視聴者に安心感を与えるという、紅白の役割を再認識した。

    • 『第71回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)コロナ禍で制約がある中、制作されたが、それが逆に良かったというモニターがいた。出演者の長いトークや寸劇がなく、歌合戦に特化していて面白かったという。これからの制作に生かせるのではないか。

    • 『紅白歌合戦』の3人以外は、みんな挙げた番組がバラバラで、報道番組に関しては、ほとんどが東日本大震災関連のものを記述していた。ということは、今年度は、中高生に強く訴えかける、力を持った番組がなかったと言わざるを得ないと感じている。

  • 【自由記述について】

    • 今年は東日本大震災から10年で、かなりの数の関連番組があった。一区切りではあるが、「もう来年から放送はなくてもいいですよね」ということではなく、今後も放送を続けくれると願いたい。

    • 東日本大震災関連の番組は、8月に戦争の特集をするのと同様、やはり、繰り返し、忘れないように放送することが必要だ。長く続けるとマンネリ化のように思えるかもしれないが、視聴者の中には、毎回、若い世代や東日本大震災についての知識がない人たちがいる。視聴者は常に代替わりしている。番組を新鮮なまなざしで見ている人たちがいることを忘れないでほしい。

    • モニターの中には、この1年の放送局の努力を評価する人もいた。「昨年の今ごろは、新型コロナウイルスの影響で、予定通りにドラマの制作ができないなどのさまざまな試練があったが、試行錯誤しながら今までやってきた。1年たっても、コロナは依然として減らないが、放送局は可能な限り放送を続けている。人間はコロナと共存する適用力があり、番組からは順応力を感じている」という内容で、このような温かい目線で応援してくれているモニターがいることを放送局に伝えたい。

    • コロナ感染者数が、毎日、ニュース速報として、効果音とともにテロップで出るのが煩わしいという意見があった。モニターは毎日速報として流すと、オオカミ少年のように本当に重要な時に注意が散漫になってしまうことを危惧している。確かに、もう少し、制作者は配慮したほうが良いと思った。

    • どのニュース番組かは不明だが、コロナ変異種について、「死亡率が2倍」とフリップで紹介された後、キャスターが「死亡率が最高2倍」と説明した番組があったという。モニターは、「フリップでは“最高”が抜け落ちたのかな」と思ったそうだが、あまり良い気分ではなかったと書いていた。フリップが間違い、という訳ではないかもしれないが、言葉の使い方で、視聴者の不安をあおってしまう可能性があるということを制作者に伝えたい。

    • 「オタク」を自称するモニターが、「自分みたいなオタクは声優さんがテレビに出たらうれしいが、普通の人はどうなのだろうか」と記述していた。「ユーチューバーやインフルエンサーという肩書の人が出演しているときに、「この人、いったい誰?」というのと同じことが起こっているのではないかと彼女は気にしているという。これを読んで、時代が変化したのだと思った。以前は万人に知られる人やものが放送にのったが、今は最初は狭い範囲の人にしか受けないものが、やがて大きな波を作るという時代に変わった。「オタク的感性を持った若い世代の時代」になってきていると感じた。

    • 最近、ゴールデンタイムで衝撃映像といった番組が多すぎて、もう見飽きたというモニターがいた。「両親はいつも好んで見ているので、ターゲット層が自分たちより上の世代なのだろうか?」という疑問、「ゴールデンタイムは家族で見ている世帯が多いのだから家族みんなで楽しめる番組を編成してほしい」という要望を寄せている。中高生からの貴重な意見だと受け止めた。

    • あるモニターが、テレビ離れの要因の一つとして、「バラエティー番組などで見られる、他人を下げる、バカにする発言が挙げられると思う」と記述していた。このモニターは、人の容姿についてとやかく言ったり、傷つくような言葉を投げたりするのが不快で面白くないと感じ、このような番組を見なくなったという。個人差が大きいとは思うが、嫌悪感を持つ若者がいるということを制作者に伝えたい。

◆モニターからの報告◆

  • 【1年間で最も印象に残った番組について】

    • 『第71回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)いつもの紅白歌合戦とは違う観客がいない状態での放送だったが、それぞれの曲の演出がすごかった。この番組は1年間ではやった曲が流れるので、その曲が流行したときの思い出がよみがえってきて、すごく懐かしい気持ちになった。去年1年間はたくさんのことが起こり過ぎたが、毎年行われているこの番組を見て、安心していつもと同じように年が締めくくれた。今年の紅白が行われるころには、コロナも収束していたらいいなと思う。(宮城・中学1年・女子)

    • 『第71回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)コロナ禍で今まで通りの方法で実施はできなかったが、別々のスタジオで歌うようにしたことで、歌い終わったらすぐ次の歌、とテンポが速くなっていて、飽きさせないようにしていた。2020年を締めくくる番組にふさわしく、本当に印象に残るいい番組だった。(東京・高校1年・男子)

    • 『NHKスペシャル「津波避難 何が生死を分けたのか」』(NHK総合)番組では、津波の生の映像を見せており、視覚的に視聴者に訴えかけているため、より一層津波の脅威を感じさせることができていた。コロナウイルスのことでも同様だが、津波の脅威を知ってもらうには実際の被害映像を映すことが最も効果的だと感じた。(高知・高校3年・男子)

    • 『NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」』(NHK総合)改めて環境問題が本当に危機的状況にあることを痛感しました。2030年までにもう9年しかないということは、今すぐに行動を起こさなければならないということだと思いました。しかし、私の周りではそれほど危機感を持った人はいない気がします。そのことも大きな課題であると感じました。その原因の一つに、挙げられた諸問題には科学的要素が多く入っていて身近に感じづらいからだと思います。特に、マイクロプラスチックについては、プラスチックの便利さや衛生的なところばかりをみて、プラスチックが海を汚し、魚たちを汚し、私たちへ回ってくることは想像しがたいと思います。知らず知らずに自分にも影響が及んでいること(空気中のマイクロプラスチックを吸ってしまうことなど)を、この番組は教えてくれたと思います。NHKの特集は、タイムリーに私たち全員が知っておくべき内容を伝えてくれている気がします。視聴した私が周りに話していくことが大切だと思うので、実行していきたいと思います。(東京・高校2年・女子)

    • 『あさイチ』(NHK総合)私はこの番組を学校がコロナウイルスの影響で休校になったときに初めて見ました。毎日見ていると、料理や掃除の方法など、企画の一つ一つが図を使ったりクイズ形式だったり、とても分かりやすく説明されていて、とても実践したくなりました。(秋田・中学2年・男子)

    • 『麒麟がくる』(NHK総合)光秀や信長の「平らかな世をつくりたい」という思いは周りの人に受け継がれて、江戸時代は光秀と信長の願った世になったのかなと思います。歴史ドラマを作るということは、事件や資料を基に分からない部分を想像し、違和感がないようにつなぎ合わせる必要があります。その中で視聴者が楽しめる創作した部分もあるドラマが面白いと思います。『麒麟がくる』は、どちらもいい感じで、最初から最後まで楽しく見ることができました。(岡山・中学2年・女子)

    • 『ざんねんないきもの事典』(NHK Eテレ)この番組は、さまざまな動物について、笑える角度から紹介していて、初めて知ることばかりで、とてもためになります。私は、「ざんねんないきもの事典」について、本から読み始めたのですが、実際のところ、文字で読むのと、このようにテレビ画面を通して動物の生態を知るのとでは、テレビの方が分かりやすく、面白く脚色されていて印象にも残りました。読書は視覚が頼りですが、テレビというのは、視覚も聴覚もフル回転するからこそ、体全身で楽しめるものなのだと改めて感じました。(長崎・中学1年・女子)

    • 『常田大希 破壊と構築』(NHK-BSプレミアム)曲を作るところをここまで取材したものは初めて見たので、どんどん曲が作られていくのを見るのが面白く、「破壊と構築」とあるように、作ってはやり直す、試行錯誤して突き詰める様子がよく分かりました。一人でずっと音楽に向き合って曲を作る姿はストイックそのもので、妥協せず理想を追い求める熱量が素晴らしいと思いました。作り手に熱量があるからファンも熱狂するのだと私は常々思います。番組の構成もわかりやすく、たまたまテレビをつけて見た人でも楽しめたと思います。どんな人なのか、どんなことをしているのか、そのルーツ、最後には完成した曲、すべてがそろっていて内容が濃いなと思いました。取材時の日時が入っていて状況も伝わりやすかったです。NHKの密着ものは、余計なものは入れずに淡々と伝えるイメージがあります。そのほうが本人の良さを引き立てる気がします。この番組を見て、私も負けていられないと思いました。自分のできることを一生懸命やろうと思います。(千葉・高校1年・女子)

    • 『金曜ドラマ「俺の家の話」』(TBSテレビ)父親が死ぬ前にと家族旅行を計画するところなど、主人公はなんだかんだ家族思いで、周りのみんなもついて来てくれるのが優しい環境だと思った。幸せそうな姿がほほえましく、まぶしく、純粋にうれしくなった。家族の確かな信頼関係が伝わってきた。結局はお互いに放っておけない存在であると伝えたいのだろうか。主人公の息子のシーンは特に温かい気持ちにさせてくれた。当たり前のようにコロナ禍の世界線(前提)で物語が進むことに魅力を感じる。視聴者が今、リアルタイムに感じている空気と合わせるほうが、物語に入り込みやすく、違和感を持つこともない。しかし、もしもコロナ禍から脱出したときには、後から見る人は少し困惑するのではないかとも思った。(東京・高校1年・女子)

    • 『いざわ・ふくらの解けば解くほど賢くなるクイズ』(日本テレビ)一応、勝ち負けはつくが、それ以上に問題の面白さが重視されているように感じた。なぜこれが良いと思ったかというと、「やらせ」や「仕込み」の疑惑が出にくいからだ。まず、やらせをする意味があるのは勝ち負けや番組の展開・ストーリー性が重要視された番組が主だろう。なぜなら「やらせ」は続きが気になる展開を作ったり、番組として面白い人に勝たせたりするためのものなので、ストーリー性が重要視されていない番組でやらせをしてもあまり意味がないからだ。そのため、ストーリー性が重要視されていない番組ではやらせの疑惑が出にくい。このような勝ち負けや番組の展開が重視されない番組が増えるといいと思う。(千葉・中学1年・男子)

    • 『news every.』(日本テレビ)震災の特集を見るのは初めてだった。映像を見ると、津波はゆっくり迫ってくるように見えるが、次々と家や電柱をなぎ倒していく様子を見て、波の威力を感じた。津波の経験をした方々は辛い思いをするとは思うが、このような映像を見て、今後同じような被害を出さないようにすべきだと思った。(東京・中学3年・女子)

    • 『ダウンタウンのガキの使い!大晦日年越しスペシャル!「絶対に笑ってはいけない大貧民Go Toラスベガス24時」』(日本テレビ)コロナ禍の影響で、接触があまりできないため、今年は体を張る企画がかなり少なくなっていて寂しかったです。ですが、その企画の代わりなのか、過去の番組を振り返るコーナーができていて、新しい感じがあっていいなと感じました。(沖縄・中学3年・男子)

    • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)イッテQがここまで幅広い年代に支持される理由は、出演者とスタッフの一体感だと思います。番組に携わっているすべての人が一丸となって作り上げているのが視聴者に伝わることが、イッテQが人気の理由なのではないかと感じます。(東京・高校1年・女子)

    • 令和2年7月豪雨関連ニュース・特番について(熊本県内の放送局)。今回このリポートを書くため、録画していた各番組を改めて見返してみました。数ヶ月たって感じたのは、映像が伝えてくるものはとてもすさまじいものだったということです。例えばネットのニュース記事や記録サイトに掲載されている文章の情報では分かりづらくても、映像だと視覚ですぐ自分の頭に入るので、当時のことを思い出しやすくなりました。今後はその映像を使いながら、この災害を継続して伝えてほしいと思います。(熊本・高校2年・男子)

  • 【自由記述】

    • 生まれて初めてのモニターでしたが、ちょうど始まった時は、コロナが流行し始めたときで、テレビも今までと随分形態も異なり、これからどうなってしまうのだろうと不安に思ったりしたことを思い出しました。あれから1年たち、コロナは相変わらず続いていますが、テレビの世界もできるだけ通常の放送を続けていて、人間ってコロナと共存する適応力があって、改めてスゴイなと思いました。これからも、様々なことがどんどん変化を遂げていくだろうけど、きっと人間はそれさえも乗り越えていくのかもと思います。そんなときに頼りになるのが、テレビであり、これからも変化に伴って進化し続けるテレビであってほしいと思います。(長崎・中学1年・女子)

    • 震災のことはほとんど覚えていません。テレビで3月11日を振り返るということはつらい記憶を思い出すことでもありますが、私たちのような震災を知らない世代に震災の怖さや恐ろしさを伝えることでもあり、いい番組がたくさんあったなと思いました。(岡山・中学2年・女子)

    • 東日本大震災から10年ということもあり、震災にまつわる番組が多かったと思います。当時の状況を再現したものや、今の復興状態、防災の知識などさまざまなものを扱っていて良かったと思います。今のコロナの時期も、震災時とはまた違う苦しみがあるなと改めて思いました。(千葉・高校1年・女子)

    • テレビ番組を通して、被災地の現状や震災遺構、3.11当時の状況をたくさん知ることができました。学校や仕事をしている人が多い時間帯以外にも、3.11を特集した番組をもっと放送してほしいと思ったし、どうしても当時の映像を見られない人もいると思うので、防災だけに焦点を当てた番組があってもいいと感じました。(宮城・高校3年・女子)

    • 毎日、テレビ画面上部にテロップとして表示されるコロナの感染者数。最近、あのニュース速報について「必要ないのでは?」と思うことがあります。感染者数が過去最高になったときや急な増加のときは、迅速に情報を得たいと思いますが、数が減ってきてからはすぐに知りたいと思わなくなり、わざわざニュース速報で知らせるまでもないと思います。以前、音楽番組中のニュース速報の音が物議をかもしましたが、たまにドラマの再放送を見ているとき、この音が邪魔に感じることもあり、検討してほしいです。毎日ニュース速報を流すと、オオカミ少年(イソップ寓話)のように、本当に重要なときに注意が散漫になってしまうことを危惧します。(愛知・中学2年・女子)

    • ニュース番組中に緊急ニュース速報が、テレビ画面上部に流れる必要はあるのだろうか?(千葉・高校2年・女子)

    • コロナ関連のニュースは毎日放送していますが、いつも同じような内容なので視聴者は少し飽きていると思いました。もっと何を伝えたいのかはっきりさせないと、コロナへの関心も薄くなっていくのではと思いました。(埼玉・中学2年・女子)

    • あるニュース番組でコロナの変異種について死亡率が2倍とフリップで紹介されていたのですが、その後、キャスターさんは死亡率が最高2倍だと説明されました。私は「フリップでは最高が抜けたのかな」と思ったのですが、その後も訂正することはなく番組が終わってしまいました。この間違いに気が付かなかった人は無駄に不安があおられるようでいい気持ちはしないだろうなと感じました。こういった情報の訂正はしっかりとしてほしいです。(愛知・高校1年・女子)

    • 最近、声優さんがテレビに出演していたり、ナレーションをやっていたりするのを見てうれしいと感じるが、私のようなオタク以外の人からすればどうなのだろうかと気になる。最近、インフルエンサーという肩書きでバラエティーなどに出演する人をよく見かける。だがほとんど知らない人だ。ネットは頻繁に見ているはずなのだが私は知らない間に流行に乗り遅れているのだろうか。以前家庭科の先生(年配の女性)が、バラエティーでよく見るタレントという肩書の人たちがよくわからない、あの人たちは何なのか、いる意味が分からないとさえ言っていた(彼女はバラエティーの騒がしいのが苦手だそうなので仕方がないが)が、そういった人たちから見て、インフルエンサーというタレントですらなくテレビに登場する人々はどう映るものなのだろうか。(東京・高校1年・女子)

    • テレビ離れの要因の一つに、バラエティー番組などで見られる、他人を下げる、バカにする発言が挙げられると思う。私自身、人の容姿についてとやかく言ったり傷つくような言葉を投げたりしているのは見ていて不快だし全く面白くないと感じたため、このような番組は見なくなった。(神奈川・高校2年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『NHKスペシャル「ドラマ 星影のワルツ」』(NHK総合)津波の被害を受けた父と母、遠方に住む娘の物語で、決して気持ちが明るくなるわけではありませんが、家族のきずなを通じて心が温まりました。この番組のポイントはリアリティーです。地震に関する報道もNHKのリアルな映像が使用されており、目の前に津波が迫っているのかと思えるような映像でした。戦争と同じで、もっともっと語り継ぐべき出来事だと思いました。(愛知・中学2年・女子)

    • 『NHKスペシャル「ドラマ 星影のワルツ」』(NHK総合)当時の状況が再現されていて、余震やテレビのニュースなど、私の薄れてきた記憶がよみがえりました。被災者の家族の視点もあって、震災時はどうしようもなくて、もどかしくつらかっただろうと身に染みて思われました。「津波の映像が流れます」というテロップからも、震災の残した傷の深さが感じられました。震災を忘れてはいけないと思いました。(千葉・高校1年・女子)

    • 『NHKスペシャル「ドラマ 星影のワルツ」』(NHK総合)こういったリアリティーのある番組こそが被災の記憶を伝えるのに必要なのだと思いました。男性が助かってドラマが終わるのではなく、亡くなった奥さまの遺品を取りに行ったりお葬式の場面が描かれたりするところ、次世代の小さな子どもに津波のことを伝える場面が描かれているのもメッセージ性が強いと思いました。自分が助かっただけでは終わらない、被災の記憶を次の世代へ伝えなければならないリアルな描写をみて、私も記憶のリレーをつなげていこうと改めて強く思いました。(愛知・高校1年・女子)

    • 『世界10代コロナ会議』(NHK Eテレ)世界の10代の意見はなかなか聞ける機会がないので、聞くことができて良かったです。(山形・中学1年・女子)

    • 『世界10代コロナ会議』(NHK Eテレ)同世代の人たちがコロナに対してどのような考えを持ち、不安を抱えているのかを知ることができて、とても役に立ちました。また、日本だけでなく、海外の学生の様子も分かり、新たな発見がありました。(東京・高校1年・女子)

    • 『池上彰の災害サバイバル~地震・台風・水害に役立つ10カ条~』(テレビ東京)私は、趣味で災害対策を調べたり実際に対策したりすることがあるので、この番組内容は興味をそそられるものでした。東日本大震災を振り返ることだけでなく、いずれ起こる首都直下型地震の対策にもなるので、有意義なものだったと思います。「そなエリア」での撮影は、本当に緊張感やリアリティーのあるもので、とても印象に残りました。エリア内で緊急地震速報の音声が流れた時には不安を感じました。地震が10年前より少なくなった今、音による緊張感・不安感を感じることは、当時の記憶をいいようにも悪いようにもよみがえらせるものだと思いました。(東京・高校2年・女子)

    • 『常田大希 破壊と構築』(NHK-BSプレミアム)常田さんもメンバーであるKing Gnuの曲を以前吹奏楽部で演奏してからとても気になっているアーティストだったのでこの番組を見ることにしました。この番組を通して、独特のリズムや音楽の中にみられる特有の音や重なり方は常田さんの常に音楽の常識を壊していくという考えから生まれていることを知りとても感銘を受けました。また、思っていたのと印象が違ったり、知らない一面も知れた気がしました。(茨城・高校3年・男子)

    • 『Nスタスペシャル・東日本大震災10年~つなぐ・つながる~』(TBSテレビ)この地震が起きたとき、私は3歳で宮城にいましたが、とてもつらい生活が続いたのをよく覚えています。私が感じたつらさとは比べものにならないくらいのことを経験した方がたくさんいて、すごく心に刺さりました。震災から10年たちますが、このことを風化させては未来のために絶対良くないので、3月11日だけでも、毎年国民が震災のこと、防災のことを思い出す番組を作り続けてほしいです。(宮城・中学1年・女子)

    • 『にじいろのまちへ 多様性を認め合う高知市に』(テレビ高知)この番組では、当事者の心境などを伝え、差別や偏見をなくすための取り組みを紹介していました。私の地元がこの制度を導入したことはすごく誇りに思うし、この流れがほかの県に波及することを切に願っています。しかし、それと同時に性的少数者への理解を深めるためにも、この番組のようにテレビなどを通じて彼らが直面している課題を報道していく必要があると考えます。(高知・高校3年・男子)

調査研究について

  • 担当の中橋委員から、調査研究(テーマ「青少年のメディア・リテラシー育成に関する放送局の取り組みについて」)に関し、進捗状況などの報告がありました。

委員退任について

稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員が、3月末で任期満了となり、退任することとなりました。3委員とも、それぞれ2期6年務められました。

以上

第231回 放送と青少年に関する委員会

第231回-2021年2月

視聴者からの意見について…など

2021年2月24日、第231回青少年委員会をオンラインで開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、まず1月16日から2月15日までに寄せられた視聴者意見について議論しました。
かつて敵対する王女から虐待を受けた主人公の少年が、その後、王女に復讐するという深夜のアニメ番組での残虐な行為や性的なシーンについて「暴力、性犯罪を助長させる内容で青少年に影響が大きい。深夜とはいえ地上波で放送するべきではない」などの意見が寄せられました。これについて委員からは、「過激なシーンは映像が配慮されており、深夜帯の放送であることをどのように考慮するか難しく、討論に進む必要はないのではないか」「アニメであること、深夜帯であることが免罪符のようになっていないか。番組の担当者はどのように考えているのか意見交換の場があってもよいのではないか」などの意見が出されました。
2月の中高生モニターのリポートのテーマは「指定するドキュメンタリー番組を見た感想」で、課題番組は、2020年度民放連賞〔テレビ教養番組〕最優秀受賞作品『ザ・ノンフィクション おじさん、ありがとう~ショウとタクマと熱血和尚~』(フジテレビ)でした。26人から報告がありました。
モニターからは、
「私は『あと半歩ふみだせ』というおじさんの言葉が印象に残りました。(寺に預けられていた)タクマは高校に進学し、ショウも中学校に復帰して、今は夢を持った社会人として活躍しています。自分ができる中で『あと一歩』をふみだそうというおじさんの熱い思いが伝わってきました。(中略)私の周りには非行に走ってしまった人やいじめを受けている人はいないので、あまり知りませんでした。しかし、この番組を見た後で、いじめや非行、その支援について調べようと思いました」
「今回のVTRを見終わって気づいたことは、出てくる人々みんなが愛にあふれていて幸せに見えることだ。(中略)もちろん辛いことだって複雑な事情だってある。それでもあそこには笑顔がたくさんあってみんなが、これが正しい、あれが正しいといちいち全部言われなくても仲間がいて一緒に前に進んでいける。(中略)きっと彼らは警察に補導されたことも特別非行に走ったこともないような私よりもすっと自分の人生を見据えてまっすぐ前に進んでいけているように感じる」
「十数年前の映像から特定の人物をクローズアップし、(熱血和尚の)廣中さんとの歩みを紹介するこのスタイルはドキュメンタリーならではでないでしょうか。(中略)私はドキュメンタリー番組に対して『雰囲気が重い番組=見づらい番組』という認識で、自分から進んで見ることはあまりなかったのですが、そんな私でもいつの間にか見入っていて、終わったときには涙がこぼれました。ドキュメンタリー番組は、見る側はその事柄について全く知らないことが多いと思います。そのため視聴者側から表現の工夫の仕方などを挙げるのは難しいです。制作の方々は視聴者に内容が伝わる最善の表現方法をこれからも見つけていってほしいと思います」
「逃げれば今度は追われる側となり、余計に息苦しくなってしまうことをおじさんは子どもたちに伝えたかったのだろうと思いました。中高生という、嫌なことには投げやりになってしまいがちの年頃の子どもに『逃げるな』というメッセージを与えることは、きっとその後の人生の基盤になっていくのだろうと思いました。逃げない、すなわち諦めない姿勢こそが、おじさんが子どもたちに与えた社会スキルだと思います」
などのリポートが寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
次回は、3月23日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2021年2月24日(水)午後4時30分~午後6時30分
場所
オンラインで開催
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

かつて敵対する王女から虐待を受けた主人公の少年が、のちにその王女に復讐するという深夜のアニメ番組において、残虐行為や性的シーンについて、「暴力、性犯罪を助長させる内容で青少年に影響が大きく深夜とはいえ地上波で放送するべきではない」「残虐行為、薬物を使い人格を崩壊させる、性的行為などモラルに反する内容で青少年に悪影響だ」といった意見が寄せられました。
これに対し委員からは、「子どもの見る時間帯なら問題だが、過激なシーンは映像がボカされたり真っ暗だったり、あからさまに描かれていない。深夜帯の放送であることをどのように考慮するか難しく、直ちに“討論”に進む必要はないのではないか」「他のアニメと比較した場合、この番組を特定のものとして取り上げることによって、他にも多くの作品を取り上げることになり、それによって表現の幅が狭くなってしまわないように注意する必要はある」などの意見が出された一方で、「アニメであること、深夜帯であることが免罪符のようになっていないか。番組の担当者はどのように考えているのか意見交換の場があってもいいのではないか」「登場人物がかわいく描かれていて、台詞も軽くて子どもが見ても大丈夫と勘違いされる恐れもあるので、保護者には気をつけてほしい」「今では夜中であっても録画で見られてしまう。録画制限のようなことはできないのだろうか」「アダルトアニメみたいな過激なものが、いくら映像がボカされているとはいえ、地上波に乗せることに関しては疑問に思う」といった意見が出されました。

学園ドラマにおいて、女性教師が未成年の俳優が演じる男子生徒を上半身裸にして強引にマッサージしたり、逆らったら部活の試合に出さないと言うシーンに関して、「男子生徒役は18歳にも満たない。番組内ではセクハラと表現しているが、これは性暴力だ。誤解を招き、役者の精神が心配だ」といった意見が寄せられました。
これに対し委員からは「映画では18歳未満の出演者が、性的な場面を演じると児童ポルノに入ってしまう可能性もある。劇場公開にかかわるセンシティブな問題となる」「“児童”と言われる分類に入る役者が演じる性的なシーンについて、テレビの制作者はどのような認識で臨んでいるのか知りたい」「役者を職業としてプロでやっている人が未成年で、性的なシーンを演じる場合、プロだからいいのかどうなのか、なかなか難しい議論だ」といった意見が出されました。

中高生モニター報告について

33人の中高生モニターにお願いした2月のテーマは、「指定するドキュメンタリー番組を見た感想」で、27人から報告がありました。いつものように、「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組」についての欄も設けました。
課題に選んだ番組は、2020年度民放連賞 [テレビ教養番組]最優秀受賞作品
『ザ・ノンフィクション おじさん、ありがとう~ショウとタクマと熱血和尚~』(フジテレビ)。愛知県岡崎市の寺の住職・廣中邦充さんと、非行や虐待、いじめなどの理由によって親元で暮らせなくなった子どもたちとの11年間の歩みをしっかりと見つめた番組です。番組のタイトルに出ているショウやタクマも、ある時期、廣中さんのもとで過ごしました。番組では、子どもたちに「おじさん」と呼ばれ、慕われている廣中さんが、癌に侵されてもなお、亡くなる直前まで子どもたちに手を差し伸べ続ける姿を追っています。多くのモニターが、廣中さんの子どもたちへの愛情に感動し、また、番組に登場する子どもたちが自分と同世代であることに興味を持ち、自分の置かれた環境に照らしながら視聴した様子が伺えました。そして、思春期の子どもの成長には廣中さんのような本当に信頼できる大人の存在が必要であること、また、ショウやタクマの友情から、気持ちを分かち合える仲間は尊いものであることを読み取っていました。中には、「SNSでさまざまな人と簡単につながれてしまうことで、以前より子どもが抱える問題が複雑化し、危険性を増している今の時代には、駆け込み寺のような存在がより一層必要なのではないか」という感想を持った人もいました。
「自由記述」に寄せられた内容は多岐にわたりました。平日夜に放送されているニュース・報道番組で、キャスターがマスクを着用したままニュース原稿を読むことへの賛否やバラエティー番組でのコロナ対策に関する感想といった「コロナ禍の放送」という視点で書かれた意見、そして、2月13日夜に発生した福島県と宮城県で震度6強を観測した地震に関する記述。これらはいずれも複数名から寄せられていました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)に5人が、『ドラマ「ハルカの光」』(NHK Eテレ)に4人が、『ねこ育て いぬ育て』(NHK-BSプレミアム)に2人が感想を寄せています。

◆委員の感想◆

  • 【【指定するドキュメンタリー番組を見た感想】

    • 多くのモニターがのめり込んで視聴したようだ。自分の知らない世界、自分とは異なる環境から素晴らしい出会いによって立ち直った人たちの存在を知れたことがうれしかったということが、リポートからひしひしと伝わってきた。

    • これまでドキュメンタリーをあまり見たことがなかったというモニターが結構多かった。そのため、率直に、「自分か知らない世界があった」という驚きの声が寄せられていた。異なる境遇にある人への理解を深めたり、どうすれば問題が解決するのか考えたりしたようで、ドキュメンタリーの良さがしっかり伝わったのではないかと思う。

    • 廣中さんに心を寄せて書いているモニターが多かった。中には、廣中さんの人間性、懐が深く、おおらかで笑顔を絶やさない様子を見て、「私もおじさんのような人になりたいと心から思った」と書いたモニターもいた。中高生に、このように思わせるということは、とても良い番組だった証しだと思う。

    • 中高生モニターは中1から高3までの子どもたちだが、ショウやタクマなどの登場人物は年齢が近く、自分のことと重ね合わせながら考えてくれたモニターもいた。ショウが廣中さんに付き添われて、学校の担任に会いに行くシーンを見て、「学校というのはもっと合理的で、自由で、広い視野が持てる環境になってほしい」というような今の自分の環境における不満や問題意識を記述したり、「廣中さんのように自分のことを支えてくれた人に感謝する気持ちを持った」と感想を寄せたり、考察を深めながら視聴した様子が伺えた。

    • ショウの中学校の担任が、最初、事なかれ主義であるかのように描かれていて気になった。しかし最後にナレーションで、「先生がとてもよくケアしてくれた」というようなことが伝えられ、とても細やかにバランスを取っているのだなと感じた。

    • 最後まで、絶対に、自分のそばにいてくれる人がいるということが、子どもの成長に大きな影響を与えるとモニターみんな伝わったと思う。番組の中に出てきた家庭に問題があったり、「おまえなんか死んでしまえ」と親から言われてしまったりした子どもたちが、廣中さんのおかげで救われた様子に、私自身も感動した。

    • 廣中さんとショウとタクマの3人でバットを持った少年たちに話をつけに行く、というシーンについて、シーンの切り取り方が格好良くなりすぎていて少し疑問を持った。あのシーンはきっちり話をつけるというだけで終わっていたが、もしぶつかり合いになっていれば事件になった可能性もある。おそらく、放送されたシーンの前後には、話をつけるための調整など、もっと違うシーンが撮影されていたのではないかと思う。その部分を短く放送しても良かったのではないか。

    • 廣中さんの生き方が強く印象に残ったと感想を寄せたモニターは多かったが、登場する子どもたちに気持ちを寄せて考えたモニターは意外に少なかったような気がする。自分とは別世界で生きる子どもたちには共感しづらかったのだろうか。

◆モニターからの報告◆

  • 【指定するドキュメンタリー番組を見た感想】

    • 「仲間」の大切さなど「仲間」について学べる、とても良い番組だと思った。演出が上手だったのか、題材が良かったのかわからないが45分とは思えないほどあっという間に番組が終わった。それほど番組に引き込まれた。(千葉・中学1年・男子)

    • 登場人物が、自分とちょうど同じ年代の人たちだったので、興味を持って視聴できました。私がいちばん印象に残った場面は、ショウが地元の不良たちから殴られたとき、後日、おじさんも同行して、その人たちを呼び出して、交渉をしていた場面です。普通だったら、「もう地元には戻るな」で終わるだろうに、ちゃんと話をつけて、そして、最終的には、ショウは地元の中学校を卒業できました。地元に戻れたのも、おじさんが、逃げずに向き合うことの大切さを、身をもってショウに示したからだと思います。ただ、主な登場人物のタクマとショウの会話の中で、「金が無くなったら、恐喝していた」とか、ショウとおじさんとの会話で「バイクを盗むときは、マイナスドライバーとハンマーで」という言葉があり、どれだけ、過去に悪いことをしてきたのか、ということを伝えたくて、この場面が番組内に取り入れられたのだと思うのですが、私は不必要に感じました。なぜなら、恐喝されたり、バイクを盗難されたりした被害者の気持ちは置いてきぼりで、加害者目線の、しかもあまり反省の色もないままの発言に感じ、視聴者によっては、「金が無いときは恐喝すればいい」「マイナスドライバーとハンマーでバイクを盗めるのか」と参考にする人もいるのではないか、と思ったからです。悪事の具体的な行動や方法については、番組内ではあえて触れない方がいいのではと感じました。(長崎・中学1年・女子)

    • 2回ほどリストカットの跡が残った腕が出てきたのが、心に刺さった。思春期の子どもたちの精神状態が現れていて、大人たちに伝えることはでいると思うが、私はトラウマになるくらい怖かったので、腕にモザイクをかけてほしいと思った。(宮城・中学1年・女子)

    • 子どもたちを預かって、お金まで払って、とても愛を感じました。おじさんの周りにいるとみんな笑顔になって、人としてお手本になるような人だと思います。私もおじさんのような人になりたいと心から思いました。(山形・中学1年・女子)

    • 私は「あと半歩ふみだせ」というおじさんの言葉が印象に残りました。タクマは高校に進学し、ショウも中学校に復帰して、今は夢を持った社会人として活躍しています。自分ができる中で踏み出そうというおじさんの熱い思いが伝わってきました。また、子どもたちからおじさんへの感謝の気持ちもよく伝わってきました。私の周りには非行に走ってしまった人やいじめを受けている人はいないので、あまり知りませんでした。しかし、この番組を見た後で、いじめや非行、その支援について調べようと思いました。(岡山・中学2年・女子)

    • 本当にいい番組だと思いました。題材がとてもいいというのもありますが、番組の構成がしっかりしているので、見ていて考えさせられることが多くありました。このような番組はもっと宣伝をしていたほうが視聴する人も増えて、ノンフィクションの需要というのがより明確になると思いました。(埼玉・中学2年・女子)

    • 寺で過ごす若者たちと和尚さんのありのままの姿を映し出しているような感じでいいなと思いました。(沖縄・中学3年・男子)

    • 強い思いは人を変えることができるのだとよく分かった。私はボランティア活動ができる人に憧れている。廣中さんのようにはいかなくても、周りの人をよく見て、相手の気持ちを考えて行動することから始めていきたい。(東京・中学3年・女子)

    • この番組では非行に走ったという少年や少女たちを決してかわいそうに描いたり恐ろしく描いたりしていない。私たちとは事情や環境も違うはずなのに、身近に感じるほど対等に描いていると感じた。そして、今回のVTRを見終わって気が付いたことは、出てくる人々みんなが愛にあふれていて幸せに見えることだ。出て来る映像のほとんどが、みんなが笑い合っていて幸せそうだった。もちろんつらいことだって複雑な事情だってある。それでもあそこには笑顔がたくさんあってみんながこれが正しい、あれが正しいといちいち全部言われなくても、何が正しいのか、正しいとは何なのかを自分で見つけ出して前に進める。分からなくなっても仲間がいて一緒に前に進んでいける。私はそういったことは簡単なようで難しいと思う。私はそんな彼らがすごいと思った。きっと彼らは警察に補導されたことも非行に走ったこともないような私よりも、ずっと自分の人生を見据えてまっすぐ前に進んでいけているように感じる。(東京・高校1年・女子)

    • 特に印象に残っている場面は、ショウが学校に復帰するために担任の先生のところに和尚さんと話しに行った場面です。そこで担任の先生が、ショウに対して、学校に戻ってきてほしくないような口調でショウのことを叱りました。その時、和尚さんが、ショウのことを全面的に守り、担任の先生を注意したのです。ショウは自分の味方になってくれる大人がいると知り、とても安心したと思います。それを見て、私はまるで自分のことのようにうれしく感じました。このような心温まる番組が、コロナで悲しいニュースばかりの今の状況に求められているのではないかと感じました。(東京・高校1年・女子)

    • 和尚さんのように、身近に頼れて、寄り添ってくれる人がいるのは心強いなと思います。番組を見て、自分にも支えてくれた人がいたかもしれないと思い返し、感謝するきっかけとなりました。自分も人に寄り添えるようになりたいと思います。(千葉・高校1年・女子)

    • この作品を通して廣中さんの考え方や人生を少しですが知ることができました。だからなのか、最後の廣中さんが亡くなり、お葬式でかつて廣中さんにお世話になった人たちが泣きながら弔う場面で、思わず私も泣いてしまいました。それほど感情移入がしやすかったです。私はこの作品に出てくる人ほど厳しい人生を歩んでいるわけではありませんが、それでも胸に響いてくるものがありました。(愛知・高校1年・女子)

    • 自分は非行に走る人と無縁の生活をしてきたので、このような人たちがいることに驚いた。暴力団とつながると危険なことや足を洗おうとすれば筋を通せと言われること、未成年の薬物依存は、別世界の話だと思っていた。誰しもワルになった背景があり、更生できるということが分かったような気がした。自分はワルじゃないと思うけど、駆け込み寺のような存在は近くになくて、この状態に例えようのない不安を覚えたり、虚無を感じる人っているんだろうなと考えた。(東京・高校1年・女子)

    • 十数年前の映像から特定の人物をクローズアップし、廣中さんとの歩みを紹介するこのスタイルはドキュメンタリーならではなのでしょうか。このスタイルだと視聴者側は登場人物に対して感情移入しやすいので、自然に作品の意図・内容が入ってくるので気軽に見られてとてもいいと思います。私はドキュメンタリー番組に対して「雰囲気が重い番組=見づらい番組」という認識で、自分から進んで見ることはあまりなかったのですが、そんな私でもいつの間にか見入っていて、終わったときには涙がこぼれました。ドキュメンタリー番組は見る側はその事柄について全く知らないことが多いと思います。そのため視聴者側から表現の工夫の仕方などを挙げるのは難しいです。制作の方々は視聴者に内容が伝わる最善の表現方法をこれからも見つけていってほしいと思います。(熊本・高校2年・男子)

    • ショウのことを途中までは心配しながら見ていたのですが、最終的には中学校にも行くことができ、大人になって仕事をちゃんとしていて、とても安堵しました。和尚さんの頑張りもありますが、本人の頑張りがあったので、立派になられたのかなと思います。(長崎・高校2年・男子)

    • 人間のもろさを強く感じました。見た目は強そうだけど、実は人一倍心が弱った少年たち。和尚さんとの出会いは、彼らに生きることの意味を伝えるだけでなく、彼らが心の奥底でずっと求めていた本当の「愛」を教えるすごく貴重なものだったのだと思います。(東京・高校2年・女子)

    • 特に印象に残ったのは食事のシーンと、和尚さんが子ども一人ひとりの様子を見ているという2点だった。みんなで一緒にご飯を食べること。これは親の愛を十分に受けてこなかったり、親の仕事の都合で一人で食事を済ませたりしている子どもにとって大切な環境であり、その食卓が成長につながっていくのではと感じた。また、子どもたちの家族が抱える問題をも見通してしまう、和尚さんのような人は、核家族化やSNSの普及により、昔に比べて一層子どもが抱える問題が増え、複雑化した現在において重要な存在であるように思う。(千葉・高校2年・女子)

    • 逃げれば今度は追われる側となり、余計に息苦しくなってしまうことを、おじさんは子どもたちに伝えたかったのだろうと思いました。中高生という、嫌なことには投げやりになってしまいがちの年頃の子どもに「逃げるな」というメッセージを与えることは、きっとその後の人生の基盤になっていくのだろうと思いました。逃げない、すなわち諦めない姿勢こそが、おじさんが子ども達に与えた社会スキルだと思います。(東京・高校2年・女子)

    • さまざまな問題を抱える子どもを見てきた廣中住職もまた、昔はタクマと同様にヤンキーでした。ただ、そんな彼だからこそ、生活に悩む子どもを受け入れ、児童施設では決して癒されることがない部分にまで真摯に向き合ってくれ、叱ることなく、まずは笑顔で迎えるその場所は、時代が変わろうとも息苦しさを感じる生活の受け皿として、とても重要な役割をしているなと思いました。また、何より、自分も学校に悩み、少し自暴自棄な時期があったため、寺のような悩みを相談できる場所があれば、親を長い間困らせるようなことはなかっただろうに、と感じました。最後に住職の廣中さんが言っていた「逃げるなー」は、現実から目をそらし、ことを闇雲に終わらせ、あのときに行動を起こしておけばよかったと後悔させないために発せられていて、何もかもが中途半端に終わる自分にとってかけがえのない言葉になりました。(高知・高校3年・男子)

    • 今の社会の問題とは何か、正しい家族、人間関係の在り方とは何かということを考えさせられました。今、社会問題になっている親から子どもへの虐待、その逆である子どもから親への暴力のもとになる親と子どもの見えない溝、そんな溝の橋渡しをする役目を担ってくれていたのがこの番組で紹介されていた通称熱血和尚である廣中邦充さんだと思いました。今、核家族化や近所付き合いのなくなりなど、周りの人たちとの関係がなくなっている状況で、路頭に迷ったり人生に悩んだりしている子どもが多くなっていくかもしれません。和尚のように橋渡しをする。というのはなかなかできないと思いますが、話を聞いてあげたり、親の愚痴なども聞いてあげたりしてお互いのストレスを軽くし、関係に少しでもプラスの貢献ができるような人になりたいと思いました。ですが、それが余計な一言にもなるかもしれません。そんなときに、こんな和尚がいる駆け込み寺のような場所があってほしいなと思わせられる番組でした。(茨城・高校3年・男子)

    • 私は今、悩むことやしんどく思うことが積み重なっていますが、この番組を視聴したことで、放っておいても時間が解決することがあるし、生活や人との関わりの中で解決策が見つかることもあるのではないかと考えられるようになり、少し気持ちが軽くなりました。(宮城・高校3年・女子)

  • 【自由記述】

    • コロナ生活も、早いもので、もう1年となりましたが、そんな中でもテレビの存在は極めて大きいものだと改めて感じています。ちなみに、わが家は家族が在宅しているときは、ずっとテレビが付きっぱなしです。(長崎・中学1年・女子)

    • 朝の情報番組を見ていると、時々、有名人や芸能人が出演されていますが、正直「うるさいな」と思うことがあります。叫んだり、数人で騒いだりするシーンも見られ、コロナの状況を踏まえても、やや不適切な行為だと思います。(愛知・中学2年・女子)

    • 私は最近コロナの緊張感が緩んでいるように思います。世の中の空気を映し出し、全体の意識に大きく影響を与えるのはテレビだと思うので、気を引き締めるべきときは、テレビでも、もっと注意を呼びかけてほしいなと思います。(千葉・高校1年・女子)

    • バラエティー番組のひな壇で横にはアクリル板が立てられていても前後にはないときなど、感染対策として正しく効果を発揮できているのだろうかと不安に思ってしまうことがあります。心配してしまって番組に集中できないこともあるので、表情をしっかり見られないのは残念ですが、出演者がマスクを着用している場面があってもいいのではないでしょうか。(宮城・高校3年・女子)

    • 今のテレビ番組はコロナの感染対策も十分されていて安心して見ることができています。強いて言うならば、番組のはじめにどんな感染対策をしているか紹介してもらえるとそのテレビ番組への信頼も上がると思います。(愛知・高校1年・女子)

    • 『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京)で、キャスター同士がスタジオ内で会話するときにマスクを着用することにした件について。インターネット上でも称賛の声が上がっていましたが、私はこの取り組みに疑問を抱きました。マスクをするとキャスターの口の動き・表情がわかりづらく、(2月時点では)この番組は字幕放送に対応していないため、特に聴覚障害を持っている方などはニュースの内容が分かりづらいのではないかと思いました。(熊本・高校2年・男子)

    • 『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京)コロナの状況の中、テレビ東京のアナウンサーがマスクを着けたままニュースを報道したことについて、私は、緊急事態宣言の緊張感を取り戻すことができて良い試みではないかと思いました。(東京・高校2年・女子)

    • 今シーズンのドラマは、簡単に人が死んでいく、残酷な死、暴力的な死が、とても多いように思います。命の重さは、ドラマでは描ききれないところもあり、とても不安になります。そんな中、『木曜ドラマ「にじいろカルテ」』(テレビ朝日)は、助け合って生きる姿が描かれていて、今のコロナ禍に、柔らかな気持ちになります。メディアは、視聴者に生きることのすばらしさを伝えてほしいと願います。(群馬・中学3年・男子)

    • 先日の地震を受け、新型コロナウイルスが流行する中での避難方法、ポイント、現状をメディアで流してもいいのではないかと思いました。メディアには影響力があるからこそ正しい情報、国民の役に立つ情報を流してほしいと思いました。そして地震で不安になっている人もいると思うので、少しでも心が落ち着く情報を流してほしいと思いました。(埼玉・中学2年・女子)

    • つい先日の福島県沖での地震で久しぶりに大きな揺れを自宅で感じ、東日本大震災から10年たつのかということも思い出しました。人間は忘れやすい生き物とも言われていますが、メディアなどを通して記憶を風化させず、これからの災害の予防として、いかしていくこともできる生き物だと思います。自分が将来大人になってもそんな記憶を風化させない番組が続いていてほしいなと思いました。(茨城・高校3年・男子)

    • いつも1時間の番組が、放送時間を拡大して2時間、3時間になるのが最近多い感じがします。延長が多くて、ときには見飽きてしまうこともあるのですが、放送局側としてはどのようなメリットがあるのでしょうか。(東京・高校1年・男子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)ちびまる子ちゃんは昔から面白いという印象がありましたが、今見ても面白かったです。ボケとツッコミがあって、間もお笑いみたいで、面白いポイントを押さえているからかなと思いました。気を付けて見てみると、背景がよく変わったり、BGMもたくさん流れていて、よく作り込まれているのが分かりました。ちょっとお馬鹿なエピソードが小学生らしくてよかったです。(千葉・高校1年・女子)

    • 『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)時代のギャップを感じました。ちびまる子ちゃんの世界では、まる子の家は大家族で、また彼女は、おかっぱでサスペンダーの服をいつも着ています。このような光景は、最近だと街に全く見られないので、新鮮で、かつ懐かしさとともに心がほっこりしました。時代とともにバラエティーなどテレビ番組の形態は進化していきますが、アニメの世界観はもとのままで居続けていてほしいと思いました。(東京・高校2年・女子)

    • 『ドラマ「ハルカの光」』(NHK Eテレ)このドラマを視聴して、光は人の視界を照らすだけでなく、人生に悩む人に明るい未来へと続くヒントをくれる不思議な力を与えてくれるんだと感じました。(高知・高校3年・男子)

    • 『ねこ育て いぬ育て』(NHK-BSプレミアム)動物を飼う大変さがよく分かった。私はいつか保護犬・猫を飼いたいと思っていたが、番組を見て私には無理だと痛感させられた。一見楽しそうに見える番組だが、動物を軽はずみに飼いたいと言わせないような番組だと思った。(東京・中学3年・女子)

    • 『パオガオ』(琉球朝日放送)動物園にいる動物のことを紹介している番組だった。動物の身体的特徴や食事の仕方などなど、細かい部分まで紹介しているので、その動物の生態をよく知ることができ、実際に行って確認してみたくなった。(沖縄・中学3年・男子)

調査研究について

  • 調査研究(テーマ「青少年のメディア・リテラシー育成に関する放送局の取り組みについて」)に関し、3月に実施する各放送局を対象としたアンケート調査の最終確認を行いました。

以上

第230回 放送と青少年に関する委員会

第230回-2021年1月

視聴者からの意見について…など

2021年1月26日、第230回青少年委員会をオンラインで開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、1件の番組について継続「討論」しました。
深夜のトークバラエティー番組で、アイドルオタクを自称するお笑い芸人が、幼いアイドルを応援している、アメリカの仲間は体内にGPSが埋め込まれていると面白おかしく話したことに対して、「GPSは一度性犯罪を起こした証だが、その話を笑いとしていた」「ロリコンを自称し、未成年への性被害を軽視する発言を繰り返していた」などの意見が寄せられた件について、前回委員会に続いて「討論」を継続しました。その結果、この件については「審議」には進まず、委員会で出された意見を議事概要に掲載することをもって「討論」を終了することになりました。
1月の中高生モニターのリポートのテーマは「年末年始に見たスペシャル番組について」でした。26人から報告がありました。
大みそか恒例の音楽番組について、「飽きなかった理由は、コロナ禍で、無観客で行われたため、無観客だからこそできる、別スタジオで歌ったり、CGを使ったりしていて、歌と歌の間隔が短かったように感じたからだと思う。(中略)幅広い世代のアーティストが出場していて、若者からお年寄りまで、楽しむことができたのではないかと思う。(中略)問題点としては、“合戦”とする必要があるのか疑問に思った。(中略)昔から続いているからだと思うが、基本的には紅組は女性アーティスト、白組は男性アーティストと決まっており、なぜ男女で分けるのか、今の時代ではおかしいと感じる人も多くいると思った」、4年前に放送された連続ラブコメディー・ドラマのスペシャル版について、「時代背景がタイムリーで新型コロナに振り回された世界がよく描かれていると思いました。新型コロナによって(初めて)緊急事態宣言が出された頃の緊張感を思い出し、今の私のウイルスに対する危機感のゆるみを感じました。あくまでドラマの中の世界ですが、まるで実話のように物語がリアリティーをもって進んでいくので、より世界観を身近に感じました。また、女性の産休・育休制度の取りづらさや男性の育休制度の取り方に対する疑問、同性婚に対する理解についてもドラマ内で触れられており、社会に対する改善点も改めて再認識できました」、21世紀に世界で起こった「巨大な転換点」に注目した報道番組について、「時事問題を主に扱う報道番組とは異なり、放送6時間を使って米中対立の“はざま”に立つ日本がどのような対応をしたのかを深く探り、時がたったからこそ発見された新たな取材やキーパーソンによる証言を基に21世紀の歴史を紐解き、WEBメディアや新聞でさえ情報の複雑性や時間の都合上報道できない事件に触れられているため、テレビの存在意義が際立った番組となっていた。(中略)この1年間の報道番組やバラエティー番組も含めて最も“面白い”番組であったなと思います」などのリポートが寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
次回は2月24日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2021年1月26日(火)午後4時30分~午後6時30分
場所
オンラインで開催
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

まず、12月前半から1月前半までに寄せられた視聴者意見について議論しました。
芸人の不倫謝罪記者会見の模様を伝える情報番組について、「記者の質問がひどく、公開のいじめで言葉の暴力のようだった。それを各局が朝から晩まで垂れ流しているが、子どもも見ている」「記者会見は未成年の私が見ても記者によるいじめにしか見えなかった」「集団リンチが放送されているようだ。大人がやっているのだから子ども同士でやるようになる」といった意見が寄せられました。
これに対して委員からは、「緩い質問をしたら忖度し過ぎだとか、タレントの側に肩を持っているとか言われてしまう。従来やってきたワイドショーのやり方としては、ある程度突っ込んで、そこから本音を引き出すというのがスタイルだったのではないか」といった意見が出されました。

ネット上にあふれる「デマ」や「フェイク情報」とどう向き合えばよいのか、その具体的な方法を専門家と考える番組について、「SNSで実際に被害を受けた人の経験をもとに漫画で解説していて、専門家の話も的確だった。若者にも分かりやすかった」「勉強になった。SNSをよく使う若者に見せたい番組だ」
といった意見が寄せられました。
これに対して委員からは「子どもが見るかどうかわからないが、ある意味時宜にかなった番組だと思う」「青少年委員会の調査研究のテーマであるメディア・リテラシーの向上につながる番組だと思う」といった意見が出されました。

学校内に常駐する警察官が、学内の悪と対決するというドラマについて「中学生に手錠を掛けたり、ピストルを突き付けるなどやり過ぎだ」といった意見が寄せられました。
これに対し委員からは「学校に警察官が警棒と拳銃を持って常駐し、法を犯した子どもを速攻警察に突き出すという設定は、学校と警察があまりにも近い関係に見え、ドラマとはいえ不気味な感じがする」といった意見が出されました。

これらの件に関しては、これ以上話し合う必要はない、となりました。

次に、前回委員会を受けて、1件の番組について継続「討論」しました。
深夜のトークバラエティー番組で、アイドルオタクでロリコンを自称するお笑い芸人が、アメリカの仲間は体内にGPSが埋め込まれていると面白おかしく話をしたことに対して、「GPSは一度性犯罪を起こした証だが、その話を笑いとしていた」「ロリコンを自称し、未成年への性被害を軽視する発言を繰り返していた」「芸人の発言が犯罪を肯定的に扱っていた印象を受けた」などの意見が寄せられた件に関して、継続「討論」しました。当該局からは参考資料として追加の報告メモも出されました。
委員からは、
「報告メモを読むとGPSと性犯罪の結びつきを認識できなかった人、認識したけどスルーしてしまった人がいる。再発防止の勉強会を開催したそうなのでそれを活かしてほしい」
「報告メモには芸人の発言に違和感を持ったスタッフがいたという。誰かが違和感を持ったのならば表に出して話し合う、そんな体制を築いてほしい」
「芸人さんは発言を“盛る”ので本当かどうなのか分からないことを局側がすべてチェックするのは手間がかかるし、これは犯罪を助長させる発言ではないのでカットしにくかったのだろう。ネットでも問題になり、テレビ局にも随分とクレームがあったと思うので、一旦そこで考えて、これからの番組の在り方について考えられた一つのきっかけとしては、よかったのではないか」
「アイドルオタクやロリコンが悪いわけではないので、チェックの過程でうっかりスルーしてしまったのだろう。今回は制作者の中でも心の緩みがあったということなので、今後作る側としてもきちんと認識してもらえるようになればいいと思う」
「局側に問題点を知らせたことで、事実を知らなかった人は知るし、チェックの際、違和感を持っていた人は、違和感を放っておかないでおこうと思ってくれたことはよかったのではないか」
など、問題意識を持つことの重要性と今回の委員会の討論を今後の体制作りに生かしてほしいとの意見が出されました。
この件については、「審議」には進まず、委員会で出された意見を議事概要に掲載することをもって、「討論」を終了することとなりました。

中高生モニター報告について

33人の中高生モニターにお願いした1月のテーマは、「年末年始に見たスペシャル番組について」でした。「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で26人から報告がありました。
「年末年始に見たスペシャル番組について」では、全部で13番組について取り上げられていました。複数のモニターが挙げたのは4番組で、『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』(TBSテレビ)に8人が、『ダウンタウンのガキの使い!大晦日年越しスペシャル!「絶対に笑ってはいけない大貧民Go Toラスベガス24時」』(日本テレビ)に4人が、『第71回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に3人が、『芸能人格付けチェック!2021お正月スペシャル』(朝日放送テレビ)に2人が感想を寄せています。
「自由記述」では、多くのモニターが、コロナ禍で放送に何を求めるかについて記述しています。いつ収束するか分からず不安な状況だからこそ、笑顔になれる番組や元気をもらえる番組が必要だという意見が複数寄せられました。コロナ報道については、「報道の仕方を、感染を身近に感じられるよう工夫すれば感染者数を減らせると思う」「新型コロナウイルスはどういうウイルスなのか、どういう対策が必要か、いま一度周知してほしい」という要望もありました。また、「スタジオ番組はリモート収録に戻した方が良い」という声も寄せられました。ほかには、年末年始の番組編成について、「ニュース・報道番組が少ない。もっと増やしてほしい」という意見がありました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『世界は教科書でできている』(NHK総合)を6人が、『サザエさん』(フジテレビ)を4人が、『1億3000万人のSHOWチャンネル 開局2時間SP』(日本テレビ)を3人が取り上げています。

◆委員の感想◆

  • 【年末年始に見たスペシャル番組について】

    • いくつかの番組に関して、「新型コロナへの感染対策がなされておらず、心配になった」や反対に、「対策がされていて安心した」という意見が寄せられていた。マスクやフェイスシールドの着用の有無、出演者同士の距離など、対策が万全かどうかを、子どもたちがかなり厳しくチェックしていることが伺えた。

    • 『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』(TBSテレビ)あるモニターが、「選択的夫婦別姓、妊娠・出産、男性の育休など、かなり多くの社会問題の話ばかりしていて、普通なら難しくてつまらないものになりそうだが、演出によって面白く、気軽に見られたところがすごい」と記述していた。この意見はぜひ、制作者に教えたい。

    • 『第71回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)従来の、NHKホールだけを使って生放送するというスタイルだと、どうしても間を持たせるための工夫が必要で、それが一部の視聴者から「興ざめだ」と思われていたのが、今回は、3つのスタジオを使って、すでに撮影してある素材も取り入れながら音楽を聞かせる、というスタイルだったため、若い視聴者からとても好意的に受け入れられていた。『紅白歌合戦』が今後どういう作りになっていくか分からないが、今回のモニターの反応は今後の参考になると思った。

    • 『第71回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)テレビ放送と同時間帯でYouTube生配信を行っていて、モニターの中には、この番組を、テレビを見ながら同時並行でYouTubeでも視聴したという人がいた。視聴の在り方として大変興味深かった。

    • 「下ネタがひどすぎてチャンネルを変えてしまった」というモニターがいた。笑いをとる場面で下ネタを使った場合、若い視聴者の中には、それが嫌でチャンネルを変えてしまう人もいるということを、制作者にフィードバックした方が良いと思った。

  • 【自由記述】

    • 年末年始に、特番的なものばかりではなく、普段のニュース番組もきちんと放送してほしいという意見が少なくなかった。若者もニュースを見るという習慣がついていると感じた。例年だったら、このような意見は来なかったかもしれないが、今年はコロナで「年末年始はニュース番組が少ない」ということが気になったようだ。

    • 過去に放送されたドラマの全話再放送については賛否両論あるが、あるモニターから「やる気がないようにも見える」という意見が寄せられていた。今後の放送を模索していくうえで、1つの意見として放送局に伝えたいと思う。

◆モニターからの報告◆

  • 【年末年始に見たスペシャル番組について】

    • 『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』(TBSテレビ)コロナについても描かれていて、とても身近に感じることができた。(登場人物の)みくりちゃんと平匡さんがコロナに立ち向かっていて、「頑張っているのは私だけじゃないんだな」と孤独感が紛れた。(宮城・中学1年・女子)

    • 『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』(TBSテレビ)SP決定という発表から楽しみにしていた作品だったので、期待が大きかったが、その期待を裏切らない内容だった。放送局を超えて織り込まれたパロディ(妄想)や、主人公だけでなく登場人物のキャラクターの嫌味のない個性が光るほんわかとしたやり取り、深刻な内容なのにクスっと笑える場面があり、見ていて苦しくないドラマだった。誰もがストレスを抱える今、どう乗り越えるかを考えること、発信すること、協力し合うことで乗り越えられるという希望を与えてくれる結末で、自粛の年末年始にふさわしいスペシャル番組だったと思う。「お受験」や「仕事や社会の変化」など、まだまだネタはありそうなので、続きが楽しみなドラマになった。(群馬・中学3年・男子)

    • 『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』(TBSテレビ)こんなに社会問題の話ばかりしていて、難しくてつまらなくなりそうなものですが、演出によって面白くドラマとして気軽に見られるところがスゴイと思います。局の垣根を越えてパロディをやっていてこだわりを感じるし、間やネタが自然で面白いと私は思います。みくりの衣装も毎回チェックするくらいにかわいいです。(千葉・高校1年・女子)

    • 『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』(TBSテレビ)近頃、ジェンダーについて考える機会が多かった。学校の授業でも扱うようなメジャーな問題だ。また、家で違和感を抱くことも多くなった。私が雑に物を扱うと、母に「女子なんだから恥ずかしいよ〜」と言われた。らしくあることを求める社会で、性別役割を覆すことは難しい。そんな中で、当たり前に育休を取ったりするのがかっこよかった。これが当たり前の社会になったらいいと思う。(東京・高校1年・女子)

    • 『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』(TBSテレビ)時代背景がタイムリーで新型コロナに振り回された世界がよく描かれていると思いました。新型コロナによって(初めて)緊急事態宣言が出されたころの緊張感を思い出し、今の私のウイルスに対する危機感の緩みを感じました。あくまでドラマの中の世界ですが、まるで実話のように物語がリアリティーをもって進んでいくので、より世界観を身近に感じました。また、女性の産休・育休制度の取りづらさや男性の育休制度の取り方に対する疑問、同性婚に対する理解についてもドラマ内で触れられており、社会に対する改善点も改めて再認識できました。(東京・高校2年・女子)

    • 『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』(TBSテレビ)内容を、特に社会問題を盛り込みすぎた感は否めず、単純にコメディとしてこの作品を楽しみたかった人からすると、少し内容に不満足だったのかなとも思った。(千葉・高校2年・女子)

    • 『ダウンタウンのガキの使い!大晦日年越しスペシャル!』(日本テレビ)特に印象に残ったのは、松平健さんが持ち歌の「マツケンサンバⅡ」を披露してくれたのですが、その替え歌が前半は笑いネタの歌詞だったのですが、後半では「こんな世の中でも歌おう みんなで 生きてさえいれば 未来は来る」「ガンバ 日本ガンバ み・ん・な・で・ガンバ 日本!」という歌詞で歌ったところです。今のコロナ禍を踏まえた応援歌のように思え、感動してなんだか泣きそうになりました。笑いばかりでなく、その笑いを通して、視聴者に勇気を与えてくれるこの番組は、やはり偉大だなと感じました。こんな状況下で、番組制作してくださったスタッフやタレントの皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。(長崎・中学1年・女子)

    • 『ダウンタウンのガキの使い!大晦日年越しスペシャル!』(日本テレビ)今年は新型コロナウイルス感染防止の観点からどのような番組構成になるんだろうと思っていましたが、例年と変わらない面白い番組になっていて、こんな状況下でも面白い番組が作れるのはすごいと思いました。特に私は番組序盤に登場した井上芳雄さんと神田沙也加さんのオープニングミュージカルが好きでした。ミュージカルで感染対策を表現しており序盤からとても明るい番組になっているのがいいと思いました。ただ、番組全体でマスクやフェイスシールド、マウスシールドを着用していなかったり、距離をとっているようには見られなかったりと、多くのゲストが登場しているのに、一般的な感染対策をしていないのが残念に見えました。出演者も多いと思うので感染対策をせめてしっかりとしていた方が視聴者にとっても出演者にとってもいいのではないかなと思いました。(埼玉・中学2年・女子)

    • 『ダウンタウンのガキの使い!大晦日年越しスペシャル!』(日本テレビ)豪華な俳優が気合の入った演技で笑いをとろうとするところは面白かった。ただ、今回は笑いをとろうとするネタの場面で下ネタを使ってくるところが多く、あまりにひどい場面もあったのでチャンネルを変えたこともあった。(東京・高校1年・男子)

    • 『第71回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)今年は飽きずに見られた。飽きなかった理由は、コロナ禍で、無観客で行われたため、無観客だからこそできる、別スタジオで歌ったり、CGを使ったりして、歌と歌との間隔が短かったように感じたからだと思う。また、知っている歌が増えたこともあり、ずっと見ていても飽きなかった。幅広い世代のアーティストが出場していて、若者からお年寄りまで、楽しむことができたのではないかと思う。さらに、連続テレビ小説「エール」の特別企画もあり、僕は「エール」を見ていたので、ドラマの出演者や劇中の歌が出てきて、とても楽しむことができた。問題点としては、「紅白歌合戦」と名前がついているが、“合戦”とする必要があるのか疑問に思った。確かに、歌を競い合った方が盛り上がるとは思うが、近年、勝敗があまり関係なくなってきているように感じ、“合戦”ではなく“歌番組”にしても良いのではないかと感じる。また、昔から続いているからだと思うが、基本的に紅組は女性アーティスト、白組は男性アーティストと決まっており、なぜ男女で分けるのか、今の時代ではおかしいと感じる人も多からずいるのではないかと思った。(長野・中学2年・男子)

    • 『第71回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)毎年見ていて、とても楽しみにしている番組です。テレビでしかできないリモコンを使って視聴者が参加できるものやCGを使った演出があって、いつもより楽しく見られました。コロナで大変だけどみんなで頑張っていこうというようなメッセージが込められた演出はとてもいいと思いました。暗くなりがちな世の中を元気づけてくれる番組をたくさん見たいです。(岡山・中学2年・女子)

    • 『第71回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)毎年見ていますが、いつもは親戚で集まっている中で見ていたので番組を流している程度でした。しかし、今年はコロナ禍で家族だけなのでしっかり見ることができました。流行ったアーティストがたくさん出演するので見応えのある番組だったと思います。コロナ禍で出演者を分散させていることで、演出上良い相乗効果もあるのでは、と思いました。いつもは観客やゲストがいて、会場のお客さんも含めた演出をしていたような気がしますが、今年は無観客のためか、そういった演出もなくシンプルな印象でした。個人的にガヤガヤする寸劇のようなものは当たり外れがあると思うので今回の方が見やすくていいと思いました。(沖縄・中学3年・男子)

    • 『芸能人格付けチェック!2021お正月スペシャル』(朝日放送テレビ)新型コロナウイルスの影響があった中、いつもと変わらない面白さがあり、工夫が素晴らしいなと思いました。例えば、部屋に入る前に出演者全員が毎回消毒をしたり、部屋の中で1人1人椅子が仕切られていたりと、感染症対策が万全に行われていたため、安心して見ることができたと思います。また、番組内でGACKTさんがおっしゃっていたことの中でとても共感したものがありました。どちらの演奏がプロでどちらの演奏が高校生の演奏か、を当てる吹奏楽の格付けチェックの際、「もし、高校生の演奏をプロの演奏だと聞き間違えて選んだとしても、高校生たちに夢を与えられるなんて、なんと良い番組なんだ」ということです。コロナでコンクールがなくなってしまった高校生にとって、希望を持てるきっかけとなったはずです。同じ高校生として見ていて私も嬉しく感じました。(東京・高校1年・女子)

    • 『ゆく年くる年』(NHK総合)『紅白歌合戦』のお祭りムードから、「ついに今年が終わるんだ!」という気持ちになり、不思議な気分になります。大みそかの楽しい番組も良いですが、このような静かな番組も素敵でした。(愛知・中学2年・女子)

    • 『報道の日2020激動の21世紀~米中、そして日本』(TBSテレビ)時事問題を主に扱う報道番組とは異なり、放送6時間を使って米中対立の“はざま”に立つ日本がどのような対応をしたのかを深く探り、時がたったからこそ発見された新たな取材やキーパーソンによる証言をもとに21世紀の歴史をひも解き、WEBメディアや新聞でさえ情報の複雑性や時間の都合上報道できない事件に触れられているため、テレビの存在意義が際立った番組となっていた。非常にためになりました。この1年間の報道番組やバラエティー番組も含めて最も“面白い”番組であったなと思います。(高知・高校3年・男子)

    • 『RIZIN.26』(フジテレビ)毎年この番組を見ています。全然知らない(格闘技の)選手がたくさんいたのですが、みなさんとても強くてカッコ良かったです。1人1人が全力で戦っていて、「自分もこれからいろいろと大変なことがあると思うけど、この人たちみたいに諦めず、全力でやり切れるようなカッコ良い人になりたい」そう思うことができました。ですが、コロナがひどい中、生で見たいと試合場にいる人が多すぎると思います。いくらソーシャルディスタンスをとっていたとしても危険だと思うので、見に来る人をもっと少なくする、もしくはなくした方が良いと思いました。(岐阜・中学・2年・女子)

  • 【自由記述】

    • 『佐藤健&千鳥ノブよ! この謎を解いてみろ!〜天才謎解き集団からの挑戦状〜』(TBSテレビ)リアル脱出ゲームの面白さと謎解き以外の要素のミックスがとても面白かった。特に最後の問題は、テレビ会社ぐらいの規模がないとできないギミック(仕掛け)を使っており、リアル脱出ゲームとテレビのミックスを楽しむことができた。(千葉県・中学1年・男子)

    • わが家は、お笑い番組と歌番組を家族で見る時間が多かった。みんなで大笑いしたり歌ったりすることができて良かった。年代を問わず笑顔になる番組が今は必要だと思った。(群馬・中学3年・男子)

    • コロナが拡大することによって、もしかしたら、この環境の変化が新たな文化を生み出すきっかけにもなるのかもと思いました。特に、テレビという全国民が多く触れる世界においては、いち早く、さまざまな変化に対応していかなければならないから大変だろうなと思いますが、視聴者に大きな影響を与えることのできるテレビだからこそ、これからも進化し続けて、私たち視聴者を楽しませてほしいです。(長崎・中学1年・女子)

    • ドラマで、コロナウイルスが広まる前後と収束した後の生活の経過を描いていたことで、ストーリーがより身近に感じられました。過去のドラマを見ていて、登場する家電製品や携帯電話を懐かしく思うことが多いので、コロナ対策の生活様式も昔の映像の中だけのものになる日が早く来てほしいです。(宮城・高校3年・女子)

    • 最近コロナウイルスが流行する世の中(あるいは広まった後)の舞台のドラマが多いような気がします。人々の生活環境が大きく変わり、今まで当たり前だったことがそうではない状態になってしまった大きな出来事なので、それを題材にしてドラマを作ることは悪いことではないと思いますが、コロナの問題は今も動いている最中で、状況が日々変わっています。今年に入ってからは再度緊急事態宣言が出る状態になっているのに、基本的にフィクションのテレビドラマで、このことを多く取り入れるのはあまりいい気がしません。(熊本・高校2年・男子)

    • 2度目の緊急事態宣言が出て、政府がテレワークを勧めているので、テレビ番組もリモート収録などを復活すべきだと思いました。(宮城・中学1年・女子)

    • テレビは、距離をとっているとはいえ、ゲストを迎えて放送しています。全国で多くの感染者が確認されている今、昨年の発令時のように、完全リモート、最少人数での放送に切り替えたり、ロケを控えたりすることはできないのでしょうか。(東京・高校1年・男子)

    • コロナ禍以前と同様にドラマの撮影が行われ、次々と新作ドラマが制作されているが、普通に接触したりする場面もあると思うので、感染対策をしきれないのではないだろうか。(千葉・高校2年・女子)

    • テレビでコロナ感染者数についてよくやっています。ですが、それだけだとよく分からないので、何人検査して、何人陽性だったかを放送してほしいです。(岐阜・中学2年・女子)

    • 新型コロナウイルス感染者の情報は毎日公開されていますが、新型コロナウイルスがどんなものなのか、感染するとどんなことが起きてしまうのか、どのような対策をすれば効果が出るのかを放送してほしいと思いました。テレビやラジオのようなマスメディアにしかできないような情報を公表してくれた方がより新型コロナウイルスに対する危機感を抱く人が増えるのではないかなと思いました。(埼玉・中学2年・女子)

    • ニュース番組で新型コロナ感染者数を見て、とても増えているなと感じるのですが、それでも自分に100パーセント関係のあることとして受け止められずにいました。ですが、地元密着型の番組で市区町村別の感染者数を見た時、「私の住んでいる市もこんなにも感染している人がいるのか」と驚き、それからより一層感染対策に気合を入れるようになりました。やはり、メディアが与える影響は大きいので、コロナの報道の仕方を工夫すれば1人1人が危機感を持てるような世の中になると思います。(愛知・高校1年・女子)

    • 年末にもっとニュースを放送してほしいと思います。特に、30日や31日になると朝の8時あたりでは、どの局もニュースはやっていませんでした(短いニュースは除く)。バラエティー番組も非日常な感じで楽しいですが、どこかの局はいつも通り、普段通りの編成にしてほしいです。(愛知・中学2年・女子)

    • 年末年始にニュース番組が一気になくなってしまうことで、最新の世の中の動向が分かりづらくなったと思いました。今年は特にコロナによって、普段に比べてより一層そのことを感じました。特番ばかりでなく、ニュース番組の放送があっても良いのではないかと思います。(東京・高校1年・女子)

    • 年末年始、毎日のようにテレビをつければどこかしらのチャンネルでドラマの再放送をしていて、テレビ欄を見れば早朝から夕方までそれだけなんてものもよく見た。このコロナ禍で制作時間が少なかったり、できることが限られていたりするのかもしれないけれど、“下手に番組を作るよりも売れたドラマを再放送した方が、視聴率が取れるから流している”というように見えてしまったし、実際私の周りの人も「確かに面白いけど、やる気ないのかな?」と思ったと言っている人が何人もいた。(東京・高校1年・女子)

    • 年末年始はNetflixのCMをよく見た気がします。今まで正月はテレビ一択だと思っていましたが、それもだんだん変わっていくのかなとも思いました。(千葉・高校1年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『世界は教科書でできている』(NHK総合)教科書に書いてあったこと(学んだこと)が日常でこんなに使えると思いませんでした。学んだことを思い出すことができて、学校でちゃんと勉強しようと改めて思いました。(山形・中学1年・女子)

    • 『世界は教科書でできている』(NHK総合)教科書で習う知識を日常のどんな場面で使うのか、クイズを通して学べる番組です。「こういう場面で使うのか」とためになることもあったのですが、日常で使うには無理があるのではないか、教科書で習った知識を使うよりも普段使う方法の方が簡単で使いやすいな、と思う場面が多々ありました。まるで、「教科書ってすごいでしょ」と教科書を持ち上げているかのように感じました。(愛知・高校1年・女子)

    • 『世界は教科書でできている』(NHK総合)クイズが出題されるので、家族で議論しながら見られるのが面白い。また、さまざまな家族とテレビ電話がつながり、いろいろな家族がいることに気付かされる。(東京・高校1年・女子)

    • 『サザエさん』(フジテレビ)ほのぼのとしていて、「今のピリピリした状況下でも家族というものはこうであってほしいのではないかな」と見ていて思いました。今はさまざまなアニメがありますが、サザエさんのような国民的アニメがこれからも多くの人の記憶に残るといいなと思いました。(埼玉・中学2年・女子)

    • 『サザエさん』(フジテレビ)ワカメちゃんのように小さいころに夢がころころ変わるのは私にも身に覚えがあって、あるあるだなぁと思いました。最後にワカメちゃんが自分を肯定できるようになるオチはなんだか心にしみました。しかし、みんな素直すぎて、実際の小学生とちょっと違う気がします。教育的観点からかもしれませんが、もう少しキャラクターの個性や面白さがあってもいいのではないかと思います。(千葉・高校1年・女子)

    • 『1億3000万人のSHOWチャンネル 開局2時間SP』(日本テレビ)番組名が気になり、公式サイトで概要を閲覧すると、「企画は皆さんが考えてください。」と書かれていて、疑問とともに大きな興味が出たので視聴することにしました。見てみると、女優の北川景子さんがこれまでできなかった二重跳びを成功させられるようにする企画や、櫻井翔さんが「バク転を成功させたい」という企画など、これまでの番組では見られなかった、自分が落ち度だと思っているものを練習してできるようにする企画や、野口聡一宇宙飛行士に協力してもらった「逆さゴマは宇宙で回すとどうなるのか」「宇宙で食レポをしたらどうなるのか」という企画では、逆さゴマは宇宙では逆さにならないことや、しょうゆはお菓子のグミのように浮かんでいるのを箸で食べることなどが分かり、家族で楽しみながら学べるいい番組だと思いました。(茨城・高校3年・男子)

    • 『1億3000万人のSHOWチャンネル 開局2時間SP』(日本テレビ)この番組は全国民参加型のバラエティー番組で、みんなの「知りたい」や「やってみたい」をかなえる番組となっています。このような類の番組は他にも数多くありますが、「1000年後の地球はどうなっているのか」など一見企画として難しそうなことにも挑戦し、最後は笑いに走るようなことをせず、知識として役に立つ情報を提供してくれているため、他番組とはひと味違うなと感じました。ただ、視聴者参加型と言いながらも結局はタレントや芸人さんの企画が多用され、番組が掲げている趣旨とかけ離れているのではとも思いました。(高知・高校3年・男子)

    • 『新春スペシャル 藤井聡太18才』(東海テレビ放送)子どものころのことや対戦の休憩中にどんなことをしているのか、知る機会があまりなかったので、ワクワクして、新鮮な気持ちになれました。本当に素晴らしい成績を残されていますが、藤井さんも普通の高校生だと思えました。(愛知・中学2年・女子)

    • 『池上彰の鶴瓶に伝えたい!!~2021年こそ良い年になるための偉人伝~』(BSテレビ東京)北里柴三郎が今から100年以上前に予防医療を提案していたこと、そしてその内容が現在のコロナ対策と全く同じであったことに驚いた。その他にも、昔を生きた偉人たちが今の生活の基本となるべき生き方、今の苦境を乗り越えるためのヒントとなる生き方をしていたことに驚いた。(東京・中学3年・女子)

    • 『ディスカバリー傑作選 メガ輸送プロジェクト』(BS11)普段の生活では絶対に見ることのできない輸送現場の裏側なので興味深かったです。大量の高級車を傷つけないように配置したり固定の仕方を工夫したり、商品のキャタピラが痛まないようにマットを敷いたりと、機械化やITが進歩しているといえども、まだまだ人の手や細かい配慮は必要なんだなと感じました。大量の車両や積み荷の映像は迫力があり、それを見ているだけでも楽しめました。(沖縄・中学3年・男子)

調査研究について

  • 担当の中橋雄委員より、調査研究(テーマ「青少年のメディア・リテラシー育成に関する放送局の取り組みについて」)に関し、各放送局を対象としたアンケート調査案が提出され、検討しました。

以上

第229回 放送と青少年に関する委員会

第229回-2020年12月

視聴者からの意見について…など

2020年12月14日、第229回青少年委員会をBPO第2会議室で開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、2つの番組について「討論」しました。
夜のバラエティー番組で、LGBTを扱ったドラマのパロディーとして、男性芸人が控室に挨拶に来た男性後輩芸人に対して、上半身裸になって肩や胸をマッサージして言い寄るというドッキリ企画について「放送時間帯として子どもが見る時間帯であり、LGBT当事者の子ども達への影響は大きい」などの視聴者意見が寄せられた件について、全委員が番組を視聴したうえで議論しました。その結果、委員会で出された意見を議事概要に掲載することをもって「討論」を終了することになりました。
深夜のトークバラエティー番組で、アイドルオタクを自称するお笑い芸人が、幼いアイドルを応援している、アメリカの仲間は体内にGPSが埋め込まれていると面白おかしく話したことに対して、「GPSは一度性犯罪を起こした証だが、その話を笑いとしていた」「ロリコンを自称し、未成年への性被害を軽視する発言を繰り返していた」などの意見が寄せられた件について、全委員が番組を視聴したうえで議論しました。その結果、次回の委員会でさらに「討論」を継続することになりました。
12月の中高生モニターのリポートのテーマは「最近見たニュース・報道番組について」でした。23人から報告がありました。
あるモニターからは、土日の6つの番組を比較し、朝の報道番組について「このコロナ禍で女性のうつが前年同月比でプラス82.6%増加とのことで、イギリスでは『孤独担当大臣』というのが存在することも報道されていました。番組内で『最も悲惨な貧困は孤独であり、愛されていないと感じることだ』というマザーテレサの言葉も紹介されていて、とても印象に残りました」さらに朝の情報・報道番組について「他の番組と切り口が異なっていたのが、マスク着用になり高齢者の音の聞こえについて触れていた点です。ただでさえ、高齢者は聴力が下がるところを更にマスクを通して聞こえる声は、高齢者にとっては高音が聞き取りにくい状況になるとのことでした。そして、『拍手→握手』『佐藤→加藤』に聞こえるなど不明瞭で聞き間違いも起きやすくなる傾向があり、マスクを着用している話す側が、今まで以上ゆっくり丁寧に繰り返して話すようにしなくてはと感じました」というリポートが寄せられした。また、別のモニターからは、コロナのニュース全般について「視聴者の不安をあおるものが多いと感じます。悪い面という一つの面の報道より、うまくいっている事例も入れた多面的な報道のほうが、視聴者にとってわかりやすいものになると思いました。例えば、異なる意見や主張があるときは、それぞれの言い分を丁寧に説明してほしいです。新型コロナの報道の場合、地方ニュースは全国ニュースよりも自分の生活に関わりの深いことを教えてくれるので参考になります。報道番組は、私たちの生活に必要な意思決定をするための材料を多角的に偏りなく伝えるものであってほしい」などのリポートが寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
次回は1月26日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2020年12月14日(月)午後4時30分~午後7時
場所
放送倫理・番組向上機構[BPO]第2会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

前回委員会を受け、2件の番組について「討論」しました。
芸人自らが考えた動画の面白さを競うバラエティー番組において、LGBTを扱ったドラマのパロディーとして、男性芸人が控室に挨拶に来た男性後輩芸人に対して、上半身裸になって後輩の肩をマッサージしたり、胸をもんだりして言い寄るというドッキリ企画について、「放送時間帯としても子どもが見る時間帯であり、LGBT当事者の子ども達への影響は大きい」「子ども達が見るかもしれない時間帯に放送しているため、性的少数者、性犯罪被害者に対する差別や偏見を招きかねない」「LGBTを侮辱している。子どもには見せたくない」などの意見が寄せられた件に関して、委員全員が番組を視聴し、「討論」しました。当該局からは参考資料として報告メモも出されました。
委員からは、
「当該局の報告によれば、不適切だという視聴者意見が多数来たことをスルーしないできちんと受け止めて、それを現場や局全体で共有して、一旦立ち止まって対策をしていることがわかった。このことは評価できると思う」
「番組全体を見れば性的少数者をバカにしているわけではないのは分かるが、不適切と言われればそういうことになるのだろうと思う」
「報告メモを見ると、局としても真剣に検討したのが分かる。有名なタレントが持ち込んだ企画は、手が入れにくいのだろうかとも感じた」
「当該局の報告では、何が問題なのかはかなり明確で、それをきちんと分析している。これが今後に生かされるだろうから、審議に進む必要はないと思う」
「ドッキリ企画をもっと面白くすることは不可能なのか。差別、パワハラやセクハラ以外で、もっと面白いことの可能性というのを自分たちは思いつかなかったのか、制作者としてそこは省みてほしい」
といった意見が出されました。
この件については、「審議」には進まず、委員会で出された意見を議事概要に掲載することをもって、「討論」を終了することとなりました。

深夜のトークバラエティー番組で、アイドルオタクでロリコンを自称するお笑い芸人が、アメリカの仲間は体内にGPSが埋め込まれていると面白おかしく話をしたことに対して、「海外の仲間は体内にGPSを埋め込まれていると話していた。GPSは一度性犯罪を起こした証だが、その話を笑いとしていた」「ロリコンを自称し、未成年への性被害を軽視する発言を繰り返していた」「芸人の発言が犯罪を肯定的に扱っていた印象を受けた」といった意見が寄せられた件に関して、委員全員が番組を視聴し、「討論」しました。当該局からは、参考資料として報告メモも出されました。
委員からは、
「GPSの性犯罪を笑いにしようと思っていたわけではなく、幼いアイドルのファンで、それが本業のお笑いに影響が出ているという趣旨で放送したかったことは分かった。しかし、その中でアメリカの仲間はGPSをつけているという発言が出てきたときに、それをそのまま放送してしまうということの問題性は、よく考えたほうがいいと思う」
「局側が性的な意味合いではないと言っていても、GPSを埋め込まれているのが仲間にいると言ったことで、性的な意味合いに文脈として構成されてしまったことを番組制作者たちが理解できていないのではないか」
「GPS発言をわざわざテロップでフォローし強調している。テロップを作ったのはスタッフで、芸人の話はここがポイントだとスタッフが取り上げてやったのではないか。そこはきちんと考えてほしい」
「発言した芸人は、笑いの差別化のためにあのようなことを言ったほうが受けると思ってやったのだろうが、それは編集の時点でカットしてあげないと芸人自身にもマイナスになってしまうのではないか」
「システム的にどういうチェック体制ができているのか、放送前に誰が最終的に判断するのか知りたい」
「テロップまで出ているので誰かが気がついているはずだが、最終チェックでスルーされていたとしたら、チェックする人にそのセンサーが欠けていたという気もする」
といった意見が出されました。
この件については、次回委員会で「討論」を継続することになりました。

中高生モニター報告について

33人の中高生モニターにお願いした12月のテーマは、「最近見たニュース・報道番組について」でした。「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で23人から報告がありました。
「最近見たニュース・報道番組について」では、1人で複数の番組について取り上げたモニターもいて、全部で24番組について感想が寄せられました。その中で複数のモニターが取り上げたのは4番組で、『NHK NEWS おはよう日本』と『NHKニュース7』(いずれもNHK総合)をそれぞれ3人が、『情報7daysニュースキャスター』(TBSテレビ)と『ZIP!』『NEWS every.』(いずれも日本テレビ)をそれぞれ2人が取り上げていました。
「自由記述」では、12月のテーマに関連して、「情報番組は局による個性が出ている。面白いと思った」という感想や、「(Go Toキャンペーンを取り上げた番組を見て)放送局は政府批判をあおることが使命ではない。コロナをみんながどう乗り切るか、前向きに考える番組を作ってほしい」という要望がありました。また、芸能人の不倫報道やアメリカ大統領選に関する報道について考えたことを記述したモニターもいました。
「青少年へのおすすめ番組」では、11月のおすすめ番組についても多くの感想が寄せられました。複数のモニターが取り上げた番組は3番組あり、『Best Artist 2020』(日本テレビ)を4人が、『ボクらの時代』(フジテレビ)を3人が、『ストロングポイントクロス』(BS日本)を2人が取り上げています。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たニュース・報道番組について】

    • テーマは「ニュース・報道番組」だったが、情報番組を取り上げて記述しているモニターが多く、「報道番組」「ニュース」「情報番組」のすみ分けが曖昧だということが伺えた。

    • ストレートニュースはどう解釈したら良いか伝わりづらいのに対し、ワイドショー的なニュースは説明やコメントが入るので面白いと若い世代に受け入れられているようだ。ニュース番組でもコメンテーターがいて、さまざまな意見を言うことで理解が進むことがある。放送局は今後、どういうふうにニュースを放送していくのか。番組のカラーを出しながら伝える方向にだんだん変わっていくのかもしれないという印象を受けた。

    • コロナ報道に関して、不満や不安を抱えているモニターが少なくないことが分かった。例えば、「視聴者の不安をあおっている」「多角的に偏りなく伝えてほしい」などという意見があった。放送局としては、ある程度配慮していろいろな見方を取り上げているのだと思うが、それでも放送内容にバランスが欠けていると感じている若い視聴者がいるということは制作者に伝える必要がある。

    • ローカルの番組について、数人が、自分に身近な情報を伝えてくれていると評価していた。うれしいと思った。

    • 情報量が多く慌ただしいと感じた番組について報告してくれたモニターがいた。番組の方針や、個々の視聴者の感じ方によって違うのかもしれないが、いろいろな人の意見に耳を傾けていくことが大事だと思うので、こういう意見も参考になると思った。

    • 『NHK NEWS おはよう日本』(NHK総合)朝の時間は長時間見ている視聴者は少ないので、天気予報は30分に1回ほどとこまめに放送しているが、あるモニターがこの天気予報について記述していた。「キャスターの服装を真似てファッションコーデを組むというのはよくある話だ」ということだが、屋外から中継する場合に厚手のマフラーを巻いているのを見て寒さが分かるなど非常に役立つのだろう。気象キャスターの役割は重要なのだと感じた。

    • 「ニュースを視聴する時間が少なくなった。新鮮味がないと感じるからだ」というモニターがいた。「ウェブメディアや新聞など、短い時間でさまざまな情報を幅広く扱う情報媒体のほうにシフトしている」という記述がとても寂しく、気になった。

    • 『英太郎のかたらんね』(テレビ熊本)ローカルのニュース番組で、地元のダム問題について取り上げ、知事の所信表明をそのまま中継していたのだという。モニターが「生の声をそのまま放送するのがテレビらしく良かった」と評価していた。キー局の番組を見ていると、肝腎な人が説明しようとするときに途中で遮って、解説者などが勝手にまとめてしまうことがあって、いつも腹立たしいと思っていた自分としては、この番組のように朝からきちんと知事の説明をありのままに中継するというのは立派だと感じた。為政者が大事なことをどういうふうに、どういう言葉で説明するかということは、きちんと中継する必要がある。

    • 若い視聴者の中には、メジャーな放送局が視聴者を誘導しようとしているのではないか、ごまかそうとしているのではないか、と疑いの目で見ている人も少なくない。テレビ局はもっと意識をして神経を使いながら番組制作を行わなければならないと感じた。

  • 【自由記述】

    • ニュース番組内の特集について、テーマのマンネリ化を感じているという声が届いた。「地元の商店街」や「人情食堂」のようなものが多く、見飽きてしまったという。もっとシリアスな内容を見たいという。中高生の中には、「社会派」のもの、シリアスな問題に切り込むようなものを求めている人もいるということを制作者に伝えたい。

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 音楽番組で「男性が選んだ〇〇」「女性が選んだ〇〇」というテロップが画面の上のほうに出ていたが、若い人たちの感覚と合わない文言だったという意見があった。興味深い指摘だと思った。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見たニュース・報道番組について】

    • 『NHK NEWS おはよう日本』(NHK総合)ほかの番組と切り口が異なっていたのが、マスク着用になり高齢者の音の聞こえについて触れていた点です。ただでさえ、高齢者は聴力が下がるところを更にマスクを通して聞こえる声は、高齢者にとっては高音が聞き取りにくい状況になるとのことでした。そして、「拍手→握手」「佐藤→加藤」に聞こえるなど不明瞭で聞き間違いも起きやすくなる傾向があり、マスクを着用している話す側が、今まで以上にゆっくりと丁寧に、繰り返して話すようにしなくてはと感じました。(長崎・中学1年・女子)

    • 『NHK NEWS おはよう日本』(NHK総合)朝の時間は食パンをくわえて走りたくなるほどに忙しい時間帯なので、欲しい情報が簡潔にまとまっていて助かっています。視聴者が短い時間で見ることに配慮して、一つ一つのコーナーが短くなっていて、どんどん変わっていくので広い分野のニュースを知ることができます。天気予報では、外にいるお天気キャスターが気象の情報だけでなく体感の天気も教えてくれます。キャスターの服装を真似てファッションコーデを組むというのもよくある話です。「おはBiz」では最近の新規事業やチャレンジを伝えていて、ビジネスに今の状況が反映されているのを見るのが面白いです。政治に経済も一緒に結びつけて考えるようになるので良いと思います。ちなみに、公民のテストがあったときの時事問題対策には『おはよう日本』がもってこいだと私の友達が言っていました。(千葉・高校1年・女子)

    • 『NHK NEWS おはよう日本』(NHK総合)などの複数番組。私は朝にNHKの全国ニュース、夕方にNHKや民放の地方ニュースを見ています。NHKでは新型コロナウイルスの情報をグラフや数値を使って分かりやすく報道してくれます。しかし、各局とも、視聴者の不安をあおるものが多いと感じます。悪い面という1つの報道より、うまくいっている事例なども入れた多面的な報道のほうが、視聴者にとって分かりやすいものになると思いました。例えば、異なる意見や主張があるときは、それぞれ言い分を丁寧に説明してほしいです。新型コロナの報道の場合、地方ニュースは全国ニュースよりも自分の生活に関わりの深いことを教えてくれるので参考になります。報道番組は、私たちの生活に必要な意思決定するための材料を多角的に偏りなく伝えるものであってほしい。(岡山・中学2年・女子)

    • 『NHKニュース7』(NHK総合)この日は「カプセル日本に到着 はやぶさ2の試料分析へ」「医療ひっ迫 旭川市に自衛隊看護師派遣へ」「手袋が足りない!医療・介護現場で悲鳴」「英国でワクチン接種開始」などが放送された。専門家の取材が放送されていたが、なんとなく無機質なものに見えた。その原因はスタジオに呼ばれた専門家の生の声ではなく、あらかじめ録音し、編集もされていた映像を放送したことにあったような気がする。専門家の意見を聞く場面も生放送のほうが専門家の意見が伝わりやすいし、編集が加えられていないプレーンなものだと視聴者にも伝わるため視聴者の安心にもつながるのではないだろうか。(千葉・中学1年・男子)

    • 『NHKニュース7』(NHK総合)アナウンサーが、コロナのような重いニュースのときは深刻さが伝わるように、はやぶさ2のように明るいニュースのときは楽しそうに報道していて、雰囲気が伝わってきた。(長野・中学2年・男子)

    • 『情報7daysニュースキャスター』(TBSテレビ)検索ランキングを使っているのがすごくいいと思った。中でもみんなが気になりそうな「鬼滅の刃」や「謝罪会見」の話など、ピックアップする話題が絶妙で、すごくいいなと感じた。また、司会のビートたけしさんがズバズバ自分の意見を言うのも面白くていいなと思った。ニュース以外の部分も面白く長い放送時間が短く感じた。コロナの感染者数もグラフを上手く使っていて分かりやすく、専門家の意見も重要性を感じるものだった。(沖縄・中学3年・男子)

    • 『ZIP!』(日本テレビ)鉄道会社、消防署の方々の感染対策について特集していたが、こんなにも私たちのためにつり革などのアルコール消毒など、感染対策をしてくださっていることを知り、とても安心した。これからも、公共の建物などの感染対策についてテレビで取り上げてもらえればうれしいと思った。しかし、会社の宣伝のようにも見えてしまい、いやらしく感じてしまう自分もいた。(宮城・中学1年・女子)

    • 『NEWS every.』(日本テレビ)特集は、私が見たときには3兄妹の経営する店に取材したものを放送していました。テロップを多く出しており、見やすく情報も伝わりやすい映像になっていると思いました。特集自体は面白いものだったのですが、コーナー終了後もニュースが多く、番組後半は慌ただしいなという印象を受けました。ニュースの取り上げ量は多く、さまざまな情報が得られるのでいいと思うのですが、もう少し各情報をゆっくりと丁寧に取り上げてもいいのではないかと思いました。(埼玉・中学2年・女子)

    • 『あさイチ』(NHK総合)番組のいちばん最初に、新型コロナウイルス対策の換気をするタイミングについての話がありました。学校での席が窓際だから換気をすることになっています。タイミングなど困っていたので助かりました。料理のコーナーでは、ためになる情報がたくさんあって勉強になります。(山形・中学1年・女子)

    • 『JNNニュース』(TBSテレビ)今回は、視聴したことのない報道番組を選びました。この放送を見終わったあと、これはほかの報道番組とは違うなと感じました。短い放送時間ながら主要な報道番組が報じない海外のニュースなどを幅広く取り扱っていたからです。最近では、特に「Go To」や「鬼滅の刃」などに関連した放送が多く、ほかにも知る必要のあるニュースがたくさんあるにもかかわらず、ほかの問題に触れる回数があまりにも少ない。ある意味でニュースに新鮮味がないと感じました。そのため、ニュースを視聴する時間も少なくなり、それよりもウェブメディアや新聞など短い時間でさまざまな情報を幅広く扱う情報媒体のほうへとシフトしています。(高知・高校3年・男子)

    • 『ウェークアップ!ぷらす』(日本テレビ)コロナ禍で女性のうつが前年同月比でプラス82.6%増加とのことで、イギリスでは「孤独担当大臣」というのが存在することも報道されていました。番組内で「最も悲惨な貧困は孤独であり、愛されていないと感じることだ」というマザーテレサの言葉も紹介されていて、とても印象に残りました。(長崎・中学1年・女子)

    • 『グッド!モーニング』(テレビ朝日)「今日一日が明るくなるニュース」が良いコーナーだと思った。もともと、ニュースは暗い話題、物騒な話題が多くなりがちなため視聴者の心に負担をかけてしまうと思っていた。それをケアしてくれるこのコーナーはとても良いと思う。ぜひとも続けてほしい。(千葉・中学1年・男子)

    • 『報道ステーション』(テレビ朝日)この日の放送で、中国でのコロナウイルスの現状と、コロナウイルスの農業への影響の2点が気になりました。中国の現状という点は、しばらく感染者が確認されていない中国でコロナがどう扱われているかや臨時病棟の現在の様子を取材し、ウイルス終息後にも考えを向けられるようになっていると感じました。農業についてでは、外食のための農業生産に焦点が当てられていました。外食産業や旅行業者、観光地の損害は頻繁に報道されてきましたが、外食のための農業生産に焦点が当てられることは少なかったと思います。今回のように、できるだけたくさんの人が抱えているコロナウイルス関連の悩みを伝えてほしいです。(宮城・高校3年・女子)

    • 『めざましテレビ』(フジテレビ)国のコロナ対策の1つである「Go Toトラベル」について言及していました。経済を回すための政策ということでしたが、感染が拡大している今、その政策により人の動きが生まれ、かえって感染者を増やす原因になっているとのことで、札幌や大阪の利用を控える呼び掛けがなされていました。また医療面においても触れられており、分科会会長の「個人の努力のステージは過ぎた」「一般の医療との両立が困難」との談話もあり、政府と医療との認識の違いが露呈されるような報道の仕方でした。視聴者にとっては、危機感を持てる番組構成になっていて良かったと思います。(長崎・中学1年・女子)

    • 『ドデスカ!』(名古屋テレビ)この番組はずっと前から毎日視聴しているのですが、見ている理由はローカルの番組だからです。例えばコロナの話題でも、ほかのチャンネルは主に東京の感染状況を伝えていることが多いですが、この番組は名古屋の情報が多く、時には愛知県の知事が出演することもあり、地域の情報を知ることができるからです。また、お店を紹介する際にも、近所のお店が出てきたりと、番組に対して親近感を抱いています。(愛知・中学2年・女子)

    • 『英太郎のかたらんね』と『TKUライブニュース』(いずれもテレビ熊本)熊本にとって長年の課題だった「川辺川ダム問題」。朝の特別番組では、夕方ニュースのキャスター・コメンテーターの方が出演され、まずダム計画の概要がVTRにまとめられたものを放送し、その後県議会の中継、スタジオでの解説という構成でした。印象的だったのは、約40分間の放送のうち半分以上の約25分間にわたり県議会での県知事の発言が中継されたところでした。発言を後から要約して伝えるのではなく、生の声をそのまま放送する形は、生中継という特性をしっかり生かしたとても良い方法だったのではないかと思います。ただ、私のような当該地域住民以外の人とか、生中継中にチャンネルを合わせて視聴し始めた人などダム問題のことをあまり知らない視聴者からすると、長々と中継を見させられても内容がよく分からなかったので、中継中に別画面(ワイプ)で問題を要約した文字情報などを一緒に放送しても良かったのではと思いました。夕方ニュースでは、県知事の発言を要約・発言後の会見の情報や、県知事の発言を受けて地域住民・県議の受け止めのインタビューを中心に放送されました。ダム問題関連のニュースは10分程度の放送でしたが、コンパクトにまとめられていて分かりやすかったです。(熊本・高校2年・男子)

  • 【自由記述】

    • コロナの影響で、いろいろなテレビ局が番組制作において自粛している中、私が毎年楽しみにしている大みそかに放送される『絶対に笑ってはいけない24時』が撮影時期をずらして、撮影を完了したとのニュースが流れました。わが家の年末は、これを見ないと締めくくれないという程の恒例番組だったので、今年も放送されると知り、とってもうれしかったです。いつもの撮影時期に撮影がされなかったため、今年は無理かと諦めていたところだったので、びっくりすると同時に、テレビ局のスタッフの皆さんがとっても頑張ってくれているのだなと感じました。同日同時間に放送されるNHK紅白歌合戦も、今年は無観客で行うとのことで、コロナの影響がさまざまな所に出ていながらも、コロナ対策をしながらできるだけいつものように放送するという各放送局の意気込みがすごいなと思いました。(長崎・中学1年・女子)

    • 感染者が増加傾向の今、Go Toキャンペーンの在り方に反対意見の世論が多い中、ワイドショーでは、こぞって飲食店への打撃、悲壮感を取り上げていることに不安を感じる。政府批判をあおることが使命ではなく、コロナ禍をどうみんなで乗り切るかを前向きに考える番組を作ってほしい。(群馬・中学3年・男子)

    • コロナの第三波のニュースやワクチンなどのニュースが飛び交い日々恐怖にかられながらも、自分でできる対策はきちんとしなければという意識を引き締めなおして受験期間を過ごしています。幸い自分の学校では感染者が出ていないため自分が学校初の感染者などにならぬよう気を一層引き締めながら残り少ない学校生活を送っていこうと思いました。(茨城・高校3年・男子)

    • 地元のニュース番組の特集を毎日見ていますが、なんだかテーマが似たり寄ったりだなといつも感じています。「人情食堂」「地元の商店街」など、毎回同じように見えて飽きてしまいます。毎日特集を制作するのは大変かもしれませんが、もうちょっとテーマがあってもいいのではないかと思います。私が以前見て、興味を持ったのはハロワークの特集で、シリアスな物語が新鮮だと感じたからです。このように、たまには明るすぎない特集も見たいです。(愛知・中学2年・女子)

    • 私は前まで朝の報道番組は『ZIP!』(日本テレビ)を見ていたのですが、最近は『おはよう日本』(NHK総合)を見るようになりました。以前はニュースよりもエンタメやおいしい食べ物の話に魅力を感じていましたが、今は世の中の出来事に関心が移ったことや、シンプルな情報を好むようになったからだと思います。局によって情報番組は特に個性があり、自分の求めるものの変化も感じ、面白いなと思いました。(千葉・高校1年・女子)

    • 芸能人の不倫とか好きな人は好きなのかもしれないが私はあまり興味がなかった。今の時代に合わないかもしれないが私はただただ純潔な芸人さんだけではなくて破天荒な人がいたらもっといろんなバリエーションのある番組が見られるのかなと思った。不倫関係は当事者どうしの問題だし、それによって広告の違約金などの問題が発生するならまたそこで話し合えばいいだけだし、ここまで連日大きく取り上げる必要が分からない。不倫は法に触れないけど、それよりも法に触れるような「薬物」関連の芸能人のほうが早く復帰できて不倫ほどたたかれてもいないのは不思議だ。(東京・高校1年・女子)

    • 「鬼滅の刃」のキャラクターを知っている体で話が進んでいく番組があったのですが、「鬼滅の刃」を見ていない人もたくさんいると思うので画面のどこかに注釈などを付けてほしいなと感じました。また、情報番組でほぼ毎日「鬼滅の刃」の話をしていて、毎日似たようなことを言うなら時間帯をずらしたほうがより多くの人に情報が渡るし、聞き飽きたなんて状況にならずに済むと思います。(神奈川・高校2年・女子)

    • トランプ氏とバイデン氏、それぞれが当選したときの日本やアメリカ、世界に与える影響をまとめたものがあった。2人の発言や行動は抜きにして、どういう考えを持っていて、どんな政策を行っていくのかが分かるこの番組は貴重だと思った。(東京・高校1年・女子)

    • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)毎回放送を楽しみにしています。イモトさんのワールドツアーでは、毎回全力で何ごとにも立ち向かう姿に感心しています。47都道府県制覇の企画は、山形県にもイモトさんが来てくれるということだから、とても楽しみです。(山形・中学1年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『Best Artist 2020』(日本テレビ)新曲発表だけでなく人気曲のスペシャルメドレーなど内容が盛りだくさんで4時間があっという間だった。昔と違って最近は、今日のような特番以外で、生放送での音楽番組は殆どないので、私のような若い人にとっては“生放送”という点も特に番組の魅力の1つになっている気がした。(千葉・高校2年・女子)

    • 『Best Artist 2020』(日本テレビ)自分の好きなアーティストも出ていて、年末の音楽番組はその年を振り返る機会にもなるので、楽しみにしていました。しかし正直な感想を言うと少し演出がダサい、と感じてしまいました。画面の右上に出るタイトルが、「輝け!○○」や「女性/男性が選んだ」など今っぽくないなぁと思うもので、なんだか引っかかってしまいました。私が気にしすぎなところもあるのかもしれませんが、「女性/男性」など大きなくくりを付けるときはよく考えてほしいです。また、アーティストの紹介に魅力が引き出しきれていないようにも感じました。もっとファンでない人でも新たに関心を持ってもらえて、ファンも盛り上がれるような紹介を期待しています。(千葉・高校1年・女子)

    • 『ボクらの時代』(フジテレビ)収録の裏話などが多く聞けてとても面白かった。声優さんのいわゆる顔面偏差値がどんどん高くなっている気がする。最近はアイドル的な立ち位置の声優さんも増えてきているしそれなら確かにそうだと思う。親が昔は裏方側に近かった声優がライブをして歌ってイベントをやってと俳優さんのようになってきているのは不思議だと言っていた。(東京・高校1年・女子)

    • 『ボクらの時代』(フジテレビ)今いちばんお話を聞きたい方々をキャスティングされていて、とても興味をそそられました。話題を振ったりする司会の方がいないおかげで声優の方々の素に近いような姿、テンション感が見られてうれしかったです。トーク番組ということでいろいろな話が聞けた濃い30分間でしたが、話題が切り替わったときに切り替わったことをもっと強調するような演出があればより分かりやすくなると思いました。(愛知・高校1年・女子)

    • 『ストロングポイントクロス』(BS日本)今週のパラアスリートということでパラカヌー選手の瀬立モニカ選手が取り上げられていました。自分はあまりパラリンピックなどの知識がなくパラリンピックにもカヌーが競技としてあるのかと驚いたと同時に車いす生活を送っていると知りとても衝撃を受けました。モニカ選手を支え、1年ほぼ毎日共に過ごす女性コーチもついて、練習に励むモニカ選手の映像を見て自分も何事も一生懸命に練習や勉強をすれば結果につながると思い、いろいろなことへのやる気や自分の背中を押される感じがしました。これからはオリンピックだけではなくパラリンピックも注目し、モニカ選手のカヌーでの活躍を個人的に応援していこうと思いました。(茨城・高校3年・男子)

    • 『土佐のむかし話』(高知放送)この番組は幼いころに見たことがあり、およそ10年来の視聴となります。地元に伝わる郷土の歴史を分かりやすく映像化し、口頭や文字では理解しにくいところを可視化してくれているため、より一層郷土の歴史を楽しく視聴することができた。(高知・高校3年・男子)

    • 『NEXSTARS☆』(沖縄テレビ放送)サッカースクールの手伝いということで、子どもたちの将来の夢に触れていた。しかも、イベントの告知にもなるので、多くの人に興味を持ってもらえていいと思った。また、番組後半のマサマジックのマジックはすごくて、見入ってしまった。マサは、知名度があり、県内でも人気があるので視聴者の数を集められるのでいい人選だと感じた。(沖縄・中学3年・男子)

調査研究について

担当の中橋雄委員より、調査研究(テーマ「青少年のメディア・リテラシー育成に関する放送局の取り組みについて」)に関し、進捗状況の報告がありました。

以上

第228回 放送と青少年に関する委員会

第228回-2020年11月

視聴者からの意見について…など

2020年11月24日、第228回青少年委員会をBPO第2会議室で開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、1件の「討論」案件がありました。
夜のバラエティー番組で、控室に置かれた手指消毒ボトルから50℃に熱せられたゴマ油が出てくるという芸人相手のドッキリ企画について、「子どもがマネをしたら危ない」「中高生が身近な消毒液を他のものに入れかえたらどうする」などの意見が寄せられた件について討論しました。これについて委員からは、「“専門家の指導”とは、視聴者はやけどの専門家がいて大丈夫だろうと思ったはずだが、実は爆発に関する火薬の専門家だとわかり、視聴者側の安心を作っている期待とは違うところが気になった」「普通のドッキリ番組だと思ったが、消毒ボトルという“新しい生活様式”を題材に使ってやるのは不適切だと感じる」などの意見が出されました。この件については、委員会で出された意見を議事概要に掲載することをもって、「討論」を終了することになりました。
11月の中高生モニターのリポートのテーマは「最近聴いたラジオ番組について」でした。29人から報告がありました。
モニターからは、中高生をターゲットとした学校形式の番組について「中高生、受験生にエールを送ることもあり、聞いて少し背中を押されたような気がした。ラジオは音だけしか情報がないので、DJはどんな人なのか、質問を送った人、コメントした人がいったいどんな人なのだろうと想像力がずっと働いた」、やさしい英語で書かれたニュースを通して、世界で実際に使われている現代英語を学んでいく番組について「普段学校で扱う英語の長文の内容は1年以内のニュースはなかなか出てこないので、ラジオという形で触れることができてよい機会になったと思います。さらに、ラジオは完全に音声のみであるので、余計な情報が入ってこなく、普段テレビやスマホなど視覚を中心に情報を取り入れていた私にとってはとても新鮮で、ラジオを聞くことで集中力を鍛えられたように思いました」、若い世代に人気のモデル、藤田ニコルさんによるトーク番組について「ラジオではパーソナリティーが話す時間が多いので、テレビだけではわからない人柄が見えて、友達一人増えたような気分になります。私は藤田ニコルさんが話すときに素直で気を張っていない感じが好きです。ラジオでは全員の声が聞こえるからちょっとしたところが面白かったり、普段の会話を聞いているみたいで、普段他人の会話を傍聴するのが好きな私にはピッタリかもしれません」などのリポートが寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
次回は12月14日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2020年11月24日(火)午後4時30分~午後7時
場所
放送倫理・番組向上機構[BPO]第2会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

まず、10月後半から11月前半までに寄せられた視聴者意見について議論しました。
夜のバラエティー番組で、LGBTを扱ったドラマのパロディーとして、男性芸人が控室に挨拶に来た男性後輩芸人に対して、上半身裸になって肩や胸をマッサージして言い寄るというドッキリ企画について、「放送時間帯として子どもが見る時間帯であり、LGBT当事者の子ども達への影響は大きい」「子ども達が見るかもしれない時間帯に放送しているため、性的少数者、性犯罪被害者に対する差別や偏見を招きかねない」「LGBTを侮辱している」などの視聴者意見が寄せられました。
これに対して委員からは、
「片方が女性だったら、この企画はできないだろう。男と女の登場人物を替えたら成立しないと思うものを社会に出す相当性を十分に注意しなければいけない時代になっている」
「上下関係が厳しい芸人の間で、相手が断り切れない状況でこういう仕掛けをしている。セクハラ、LGBTに対する考えだけでなく、パワハラを笑いのネタにしてしまうことの問題性は考えないといけない」
「LGBTを題材としたドラマが人気を博したり、LGBTを知ってもらえるということでは良いのかもしれないが、妙な取り扱い方をされることによって、逆にLGBTというのはちょっと変な感じなのかという捉え方をされてしまうのではないかと気にかかる」
「演出に言いたいことはあるが、これを青少年の問題として取り上げるのが適切なのか、考えるところはある」
といった意見が出されました。
この件については、次回委員会で全委員が番組を視聴し、「討論」することになりました。

深夜のトークバラエティー番組で、アイドルオタクを自称するお笑い芸人が、幼いアイドルを応援している、アメリカの仲間は体内にGPSが埋め込まれていると面白おかしく話したことに対して、「GPSは一度性犯罪を起こした証だが、その話を笑いとしていた」「ロリコンを自称し、未成年への性被害を軽視する発言を繰り返していた」「芸人の発言が犯罪を肯定的に扱っていた印象を受けた」などと言った視聴者意見が寄せられました。
これに対して委員からは、
「日本はチャイルドポルノに緩い風潮が感じられる。アメリカの仲間はGPSが体内に埋め込まれているという発言を地上波のテレビで放送してしまったのは、生放送ではないのにどうしてだろうか。犯罪行為を肯定的に笑いにしてしまっているのではないか。コンプライアンスの観点からも子どもに対して悪い影響を与える」
「個人の趣味趣向は自由だが、GPS装着は子どもに対して性犯罪をした人たちだ。センシティブにならねばいけないことに意識がなかったのが問題だと思う」
「アメリカにそんな仲間が本当にいるのかどうか分からないが、これは制作側がもう少し配慮すべきだったと思う」
「アイドルが好きという話なのか、性的に何か問題があるという話なのか、ここが大きな分かれ目だと思う。性的に好きだとあからさまには言っていないようなので許容されたという考え方なのではないか」
「芸人のキャラクター付けで、他とどれだけ差別化するか、どうやったら際立たせられるというところで、一線を越えてしまったのではないか」
といった意見が出されました。
この件については、次回委員会で全委員が番組を視聴し、「討論」することになりました。

次に前回委員会の決定を受けて、一件の番組について「討論」しました。
夜のバラエティー番組で、新型コロナ対策の手指消毒用ボトルに50℃以上に熱した油を入れ、それを知らずに使用したタレントが熱さに驚き、さらにそのボトルが爆発しタレントが油まみれになるというドッキリ企画に対して、「子どもが見て消毒液は怖いと思うかもしれない。“新しい生活様式”をこのような危険な企画に使うのは問題だ」「中高生などが身近にある消毒液を他の物に入れ替え、違った被害が出たらどうする」「専門家の指導のもと行っているとテロップが出たが、あまりに危険。子どもがマネをしたりイジメに使おうと思ったら怖ろしい」などの意見が寄せられた件に関して、委員全員が番組を視聴し「討論」しました。
委員からは、
「“専門家の指導”とは、視聴者はやけどの専門家がいて大丈夫なんだろうと思ったはずだが、当該局からの報告によれば、実は爆発に関する火薬の専門家だということで、視聴側の安心を作っている期待とは違うところが気になった。具体的にどのような専門家なのか表示するべきではないか」
「危険なことをする際、専門家が良いと言っていますと出せば済むという雰囲気があるのではないか」
「普通のドッキリ番組だと思った。いま問題になっているような演出はこれまでもずっと取り上げられたことだから。しかし、新型ウイルス感染問題が収束していない状況において、消毒ボトルという“新しい生活様式”を題材に使ってやるというのは、不適切だったと感じる」
「顔に向かって熱した油を爆発させるのは、プロの芸人が阿吽の呼吸でやっている演出だが、身近な消毒ボトルに熱いものを入れておいて驚かせて笑うというのは、子どもが簡単にまねができてしまう気がする」
「当該局からの報告では、コロナ禍の中、消毒液をネタにしたことは配慮が足りなく、反省しているとのことであった。今後の番組制作では注意喚起されると思う」
といった意見が出されました。
この件については、「審議」には進まず、委員会で出された意見を議事概要に掲載することをもって、「討論」を終了することとなりました。

中高生モニター報告について

33人の中高生モニターにお願いした11月のテーマは、「最近聴いたラジオ番組について」でした。「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で29人から報告がありました。
「最近聴いたラジオ番組について」では、全部で22番組への報告がありました。複数のモニターが記述したのは3番組で、『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)に4人(「自由記述」と合わせると5人)が、『SCHOOL OF LOCK!』(エフエム東京)に4人が、『高校生からはじめる「現代英語」』(NHKラジオ第2)に2人が感想を寄せています。英語の語学番組に関するものも多く、番組は異なりますが6人が報告を寄せました。聴取方法は、リアルタイムが13人、フリータイムアプリなどの利用が15人で、両方を利用したと答えたモニターが1人いました。
これまであまりラジオを聴いたことがなかったというモニターの中には、自分で情景を想像しながら聴くこと、出演者とリスナーの距離が近いこと、などラジオの特性に魅力を感じたという人が少なくありませんでした。また、モニターの記述からは、最初に出会う番組がその後の聴取習慣を左右する可能性も伺えました。
「自由記述」でもラジオ番組に関するものが目立ちました。「若い世代にもっとラジオを身近に感じてもらうような宣伝ができないのか」という提案や、「自分たちのような世代に向けた番組を増やしてほしい」という要望がありました。
また、新型コロナウイルス感染者数が再び増加していることについての意見も多く寄せられました。「東京など感染者の多い地域から地方に取材に来ることに抵抗を感じている。地元局と協力して番組制作を行ってほしい」「第1波のときより感染者数が増えているのに、以前よりニュースが少なくい。対策の仕方をもう一度取り上げてほしい」などの声がある一方で、「コロナ感染者数の増加に慣れてしまった。無観客やリモート出演も日常となった」という人もいました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『V6の愛なんだ2020』(TBSテレビ)を10人が、『歴史秘話ヒストリア「あらためて知りたい!明智光秀」』(NHK総合)と『浦沢直樹の漫勉neo』(NHK Eテレ)をそれぞれ4人が、『林修の今でしょ!講座 2時間スペシャル』(テレビ朝日)を2人取り上げています。

◆委員の感想◆

  • 【最近聴いたラジオ番組について】

    • 「ラジオといえば大人が聴いているイメージがある」というモニターからの意見に、若い人たちはそう感じているのかという発見があった。このモニターが寄せた「若い人向けのラジオ番組をもっと増やしてほしい」というリクエストはぜひとも制作者に伝えたい。

    • 去年まではあまり見られなかった感想がいくつかあった。あるモニターは「ふだんテレビばかり見ていると視覚的な情報が伝わりますが、ラジオは音声だけで集中して聴かないと内容が分からなくなってしまうと実感しました」と書いていた。若い人たちはあまりラジオを聴かなくなってしまっていて、距離ができているのだろうか、と心配になる記述も散見された。

    • 若いパーソナリティーがいることで、若い世代に需要があるのだと感じたというモニターがいた。若い人たちに聴いてもらうためには、若いパーソナリティーを出演させるということも重要だと感じた。

    • 初めてラジオ番組を聴いた人から、「ラジオに興味が沸き、また聴こうと思った」という感想があった。良い出会いで良かったと思う。最初にラジオは面白くないと思ってしまうと、もう二度と聴いてくれないかもしれない。最初に出会う番組がとても大事なのだと思う。

    • ラジオで情報を聴くという「文化」は、とても重要。制作者にはぜひ頑張ってもらいたい。

    • 『SCHOOL OF LOCK!』(エフエム東京)「番組を聴くと元気をもらえる」という記述があった。「特に、人間関係や家族のことで悩んだ時、あるいは勉強を頑張らなければいけない時に支えになった」と書かれていて、ラジオ番組が、生きていく上で力になっていると感じ取れる内容だった。制作者に、応援メッセージとしてぜひ伝えたいと思う。

    • 『基礎英語1』(NHKラジオ第2)月曜日から金曜日まで放送があり、金曜日にまとめがあったり、英語の曲の紹介が入ったり、という企画的なものが良いという評価をしているモニターがいた。英語圏の文化、生きた英語に触れられるように工夫されている部分が受け入れられているのだと感じた。

    • 『基礎英語2』(NHKラジオ第2)3年間続けて聴いているというモニターが、この番組のストーリーをとても楽しんでいるということを書いていた。やはり、ストーリー性があるという構成が、リスナーが継続して聞いてくれるポイントなのだろう。

  • 【自由記述】

    • 「自粛期間でラジオを聴く機会が増えました。運動に散歩に出ていたときに聴くことが多かったです」という記述について、コロナで生活が随分変わったことで、ラジオが見直された部分もあるのではないかと思う。

    • 「結末はCMの後で」ということが多いのが嫌いだし苦手だ、と書いたモニターが、一方で、クイズの場合には「この問題の答えはCMの後で」というのが良いのだという。問題について考える時間が与えられるからだそうだが、この指摘は新鮮だった。

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『V6の愛なんだ2020』(TBSテレビ)コロナ禍で学校行事などがなくなっておりモチベーションが下がっている中で、番組で、生徒たちがみんなで協力して楽しそうにしている姿を見て、元気が出たというモニターがとても多く印象的だった。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近聴いたラジオ番組について】

    • 『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)夜遅い時間に放送される番組なので勉強のお供や夜更かししたい時に聴いているのですが、この番組はまさにそんな時にぴったりです。くだらないことで笑うことで勉強や深夜の時間を楽しくしてくれます。最大の魅力はなんといってもトークの面白さです。パーソナリティーであるオードリーのお二人のトークのテンポが良く、すごく面白いです。次から次へと新しい話題に切り替わっていくので全く飽きずに聴けます。また、お二人の仲むつまじい様子も聴いていてほっこりします。テレビで見る姿とはまた違ったラフな感じが聴いているほうにも伝わってきて、ラフな気持ちで聴くことができます。(愛知・高校1年・女子)

    • 『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)一つ一つの話は長いのに、(オードリーの)お二人の話のテンポがいいので全く長く感じず、リスナーともすごく良い関係を築いているラジオなんだなと毎週思っています。芸人さんなので、厳しい言葉で突っ込んだり、ふざける事もありますが、ベテランの芸人さんなので生放送でもしっかりと発言を考えられているように感じます。(東京・高校2年・女子)

    • 『SCHOOL OF LOCK!』(エフエム東京)もともと私は音楽が好きで、アーティストのみなさんがコーナーを担当する「ARTIST LOCKS!」が豪華だったので小4から聴いています。人間関係や家族のことで悩んでいた時、すごく支えになった番組です。(宮城・中学1年・女子)

    • 『SCHOOL OF LOCK!』(エフエム東京)ラジオといえば大人が聴いているイメージがあるが、大人ではない、私たち向けの番組があるのはいいと思う。『SCHOOL OF LOCK!』では中高生の抱える悩みや関心のあるニュースなどをテーマにしてくれて、楽しく聴きながらいろいろなことを考えることができる。(岡山・中学2年・女子)

    • 『SCHOOL OF LOCK!』(エフエム東京)中高生、受験生にエールを送ることもあり、聴いて少し背中を押されたような気がした。ラジオは音だけしか情報がないので、DJはどんな人なのかや、質問を送った人、コメントをした人はいったいどんな人なのだろうと想像力がずっと働いた。あまり聴いてこなかったが、ラジオに興味が沸き、また聴こうと思った。(東京・高校1年・男子)

    • 『高校生からはじめる「現代英語」』(NHKラジオ第2)ふだんあまりラジオを聴かないのですが、今回この番組を聴いてみて、勉強になる情報が多くて、聴き終わった後は満足感でいっぱいになりました。学校で扱う英語の長文の内容は1年以内のニュースはなかなか出てこないので、ラジオという形で触れることができて良い機会になったと思います。さらに、ラジオは完全に音声のみであるので、余計な情報が入ってこなく、普段テレビやスマホなど視覚を中心に情報を取り入れていた私にとってはとても新鮮で、ラジオを聴くことで集中力を鍛えられたように思いました。(東京・高校2年・女子)

    • 『基礎英語1』(NHKラジオ第2)金曜日には月曜から木曜までの復習と発音練習、「Friday SPecial」という週替わりのコーナーがある。そこで行われる英語の曲の紹介が気に入っている。楽しみながら英語が学べるのでいいと思う。(千葉・中学1年・男子)

    • 『基礎英語2』(NHKラジオ第2)『基礎英語1』から聴いていますが、毎日楽しく聴いています。番組にはストーリーがあり、その内容は1年ごとに変わっていくけど、毎回とてもクオリティが高いのでストーリーが変わる時がとても楽しみです。(秋田・中学2年・男子)

    • 『ボキャブライダー』(NHKラジオ第2)単語だけでなく、例文や語源も教えてくれるので、単語を文章の流れの中で覚えられ、英語の勉強に役立っている。(東京・中学3年・女子)

    • 『子ども科学電話相談』(NHKラジオ第1)初めて聴いたラジオ番組でしたが、とっても面白かったです。特に印象に残っている質問は「つばめは死なないの?」という質問でした。小学生の子が「なぜなら、つばめが死んでいるところを見たことがない」というもので、それに対して、専門家の先生が分かりやすく答えているのです。素朴な質問に専門家が丁寧に答えて解決するのがこの番組の面白さだと感じました。質問しているのがみんな小学生以下だったのですが、中学生も質問していいのなら、私も質問してみたいと思いました。せっかく、いい番組を知ったので、また来週も聴きたいと思います。(長崎・中学1年・女子)

    • 『サンドウィッチマンの天使のつくり笑い』(NHKラジオ第1)毎回爆笑してしまう番組で自然に笑顔になれるのでとても好きです。「天使の二択」のコーナーは、毎回日常にあることを「あなたならAとBのどっちを選ぶのか」を全員が納得するまで討論し合うコーナーで、それぞれの意見を聞きながら、自分の意見と比べて、共感しながら楽しんでいます。(山形・中学1年・女子)

    • 『アットホームpresents 藤田ニコルのあしたはにちようび』(TBSラジオ)テレビでのトークが面白いのでもっと話が聞きたいと思って聴くようになりました。ラジオではパーソナリティーが話す時間が多いので、テレビだけでは分からない人柄が見えて、友だちが一人増えたような気分になります。私は、にこるんが話す時に素直で気を張ってない感じが好きです。ラジオでは全員の声が聞こえるからちょっとしたところが面白かったり、普段の会話聴いてるみたいで、普段他人の会話を傍聴するのが好きな私にはぴったりかもしれません。(千葉・高校1年・女子)

    • 『井上芳雄 by MYSELF』(TBSラジオ)よくこのラジオを聴いていますが、「今日はどんな曲が歌われるんだろう?」と楽しみにしています。今週はカーペンターズの「雨の日と日曜日は」でしたが、まるでコンサートホールの最前列にいるような極上の音楽、臨場感でした。(東京・高校2年・女子)

    • 『内山昂輝の1クール!ポッドキャスト』(文化放送)パーソナリティー本人の話、例えばハマっている漫画であったり、学生時代の話であったりが聴けるというのはとても面白いと思った。今回の話で特に印象に残っているのが最後のコーナーで、違う職業やライフスタイルを知ることができた。このコーナーでお便りを送ったリスナーさんたちの1日を知る中で、同じ時間を過ごしているはずなのにこんなにも自分とは違った生活をしている人が世の中にはたくさんいるのだと改めて実感して不思議に感じた。(東京・高校1年・女子)

    • 『中居正広のON&ON AIR』(ニッポン放送)普段、テレビばかり見ていると、視覚的な情報が伝わりますが、ラジオは音声だけで、集中して聴かないと内容が分からなくなってしまうのだなと改めて実感しました。しかし、中居さんの声は特徴的で、顔も容易に想像できるため、あまりラジオを聴いているという感覚はありませんでした。夜の番組だからか、ダラダラ喋るような感じで、1日の終わりに疲れが取れそうだと感じました。また、テレビよりもラジオのほうが質問コーナーなどで出演者とリスナーのやり取りや連携が多く、リスナー目線で物事を語ってくださって、親しみを感じました。(愛知・中学2年・女子)

    • 『杉咲花のFlower TOKYO』(エフエム東京)日曜日の朝にぴったりな、優しくて温かいラジオでとても心地よい1日を迎えられそうだなあと感じました。ラジオはテレビとは違い、耳だけで楽しめるのでなにかをしながら楽しむことができ、また、1人でいる時に誰かの声が流れているとなんだか安心できるので3月のステイホームの期間にたくさん聴きました。早起きできたらまた聞こうと思います。(神奈川・高校2年・女子)

    • 『今夜はLucky Night~マシコ・フライデー~』(茨城放送)茨城県の人ならではのディープな話題や他県の人なら気づかないような話題もあり、これぞ県ならでは というものがたくさん発見できる番組でした。今回、自分もこの番組にお便りを送ったところ読み上げてもらい、(パーソナリティーに)「自分の番組にも若者が来るのか」と冗談交じりに面白く紹介していただきました。これからも定期的にこのようなラジオも聴いていくのもいいなと思わせてくれるいいラジオ番組でした。(茨城・高校3年・男子)

    • 『MAGICAL SNOWLAND』(FM NACK5)全体的に明るく活気のある番組だと思います。リスナー参加コーナーが多く、リスナーがいるからこそラジオは成り立つのだとこの番組を聴いていて改めて感じました。パーソナリティーは、まだ10代であるのにも関わらず、落ち着いていて番組を引っ張っていて、若いのにしっかりしているんだなと感心する部分も非常に多いです。若い出演者がいるということでラジオは若い世代にも需要があるのだなと感じました。

    • 『GWEEENとはばたけHEROES!!』(熊本放送)県内の高校生が頑張っている取り組みを、MC陣が高校生のもとに出向いて取材・伝える番組。この日は、高校生が「DJポリス」として交通安全を呼びかける県内初の取り組みが取り上げられた。高校生たちの思いなどは、テレビではなかなか知ることはできないので、このラジオで聴けたのがとても良かったです。こういった深い情報まで知れるのがラジオの良さだと思います。実際に僕自身がやっていることも取材してもらいたいと思いましたが、ホームページを見てもどこにその旨を送ればいいのか分からなかったので、もっと多くの中高生たちに聴いてもらえる・情報提供してもらえるように、TwitterやInstagramなどのSNSを活用していくと番組もより良くなるのかなと思いました。(熊本・高校2年・男子)

  • 【自由記述】

    • 私はほとんどラジオを聴く機会がないので声だけ、音だけでというのが少し新鮮だった。動画で人が動いてというのを見るのも面白いが、話を聴いてその情景を想像しながら聴くというのも面白く感じた。ラジオはテレビよりも視聴者参加型で、だからこそリスナーからのお便りあってのコンテンツなのかなと感じた。(東京・高校1年・女子)

    • 私は自粛期間でラジオを聴く機会が増えました。運動に散歩に出ていた時に聴くことも多かったです。自粛期間、私は精神的に大変な時もあったので、ラジオを聴くといつも音楽も流れてきて心が軽くなった覚えがあります。しかし、ラジオはとても面白いのに、若い人にはあまり浸透していないように思います。もっと目につくところで、どんなことをやっているかを宣伝してほしいです。私はよくRadikoで聴くのですが、新しい番組を聴きたいけどどんな番組か分からないことが多く、分かりやすいところに番組の内容や、こんな時に聴く、こんな年齢層に向けて作っている、など判断材料を書いてくれると聴く幅も広がっていいのになあと思います。(千葉・高校1年・女子)

    • 若い人向けのラジオ番組をもっと増やしてほしい。(岡山・中学2年・女子)

    • ラジオのCMはとても耳に残るものが多く、友だちとラジオの話をする時は番組の内容だけでなく、CMで流れていた曲や表現されていたことも話題になります。(宮城・高校3年・女子)

    • テレビでは時間表示されている番組も多いが、ラジオでは時刻のお知らせのようなものが少ないような気がします。時計がない場所では時刻が気になるのでもう少し番組内でも時刻のお知らせをしてほしいと思いました。(埼玉・中学2年・女子)

    • 最近、コロナが再拡大している中で、報道番組について思うことがあります。
      私は毎日同じ番組を見ていますが、同じアナウンサーがきのうは東京、きょうは茨城…など、様々な場所で取材をしていることです。私の住む所に、ふだん東京で生活・仕事をしている方が来られたら、ちょっと嫌だなと思ってしまいます。ぜひ、地方局と協力して取材してほしいと思います。(愛知・中学2年・女子)

    • 食べ歩きや旅関連の番組の企画がまた多くなってきたように感じるが、数か月前まではフェイスシールドやマスクをした上で出演していたのにそれもなくなってきている気がして、感染対策について少し引っかかってしまった。(千葉・高校2年・女子)

    • 第1波の時より感染者数が増えているのに、以前よりコロナウイルスのニュースを見かけなくなった気がします。気温も下がり、風邪をひきやすい季節になったのでより一層、電波を使って対策の仕方などをもう一度取り上げてほしいなあと感じています。(神奈川・高校2年・女子)

    • 最近は、番組内で新型コロナウイルスに感染しないためのアクリル板やマスクが気にならなくなってきました。(宮城・中学1年・女子)

    • 新規感染者数が多い日でも、私はそれほど驚かなくなってきました。無観客やリモート出演も日常となり、4月に感じていたような違和感をなくなってきて、いろんな番組にパーテーションが人と人との間に立てられていても受け入れられるようになってきました。(東京・高校2年・女子)

    • ワイドショー的な番組の進行役にキャスターやアナウンサーを本来の職業としていないタレントが就くことが増えている。とても勉強されていろいろな知識を持っている方もいる一方、「公務員は」「教員は」「医師は」「学生は」「留学生は」と「○○は~であるべき」といった偏った意見を平然と述べることがとても気になる。(群馬・中学3年・男子)

    • テレビ番組の放送開始時間が7時56分などのように、分刻みでスタートすることが多いことに疑問を感じています。視聴率を稼ぐためだとしても、全部の番組で同じように56分や57分に開始したら差はつかないのではないかと考えます。(東京・高校1年・女子)

    • テレビにおいて、「結末はCMの後で」というものは多くあると思うのですが、私はそれが苦手です。CMの間悶々とした思いが続いて少し嫌な気持ちになります。それに比べて、クイズ番組の「この問題の答えはCMの後で」というのは問題について考えられる時間が与えられているようで嫌な気持ちにはなりません。番組の演出ひとつでCMが嫌なものにも良いものにもなるので、こういう細かい演出の部分にもこだわってほしいです。(愛知・高校1年・女子)

    • 民放にも社会的責任がある以上、何らかの形でとっつきにくい問題にも長い時間をかけて議論するように働きかけをしてほしいと感じました。(高知・高校3年・男子)

    • 『姉ちゃんの恋人』(関西テレビ放送)物語の舞台が「コロナ渦中の現代」というまさに今の世の中のような設定だというのが出演者の発言などで伺えるのですが、手洗い・消毒はしているのにマスクはしておらず、中途半端な演出で違和感を覚えました。(熊本・高校2年・男子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『V6の愛なんだ2020』(TBSテレビ)「先生に感謝の気持ちを伝えたい‼校内全員が仕掛け人となり、サプライズ大作戦 ‼」がとても素敵な企画だと思った。ドキドキしながら先生にバレないようにサプライズ撮影をしていく生徒さんたちの姿は、とても生き生きしていた。同級生の僕にとってとても身近なことであるのに、僕にはできないことだと思い、羨ましくなったからだと思う。最後の先生がこっちこそありがとうだよ」といった言葉が忘れられない。(群馬・中学3年・男子)

    • 『V6の愛なんだ2020』(TBSテレビ)毎年とても楽しみにしています。今年は、先生にバレずにV6とサプライズをするコーナーがいちばん面白かったです。この番組はいつも愛を感じることができて好きです。(山形・中学1年・女子)

    • 『V6の愛なんだ2020』(TBSテレビ)先生に感謝の気持ちを伝えるべく、校内全員が仕掛け人となり、気づかれぬよう動画を作成していくサプライズ企画では、仕掛けを行っている人もそうですが、見るほうの私たちまで絶妙なスリルを感じることができて面白かったです。文化祭などのイベントができずとも、自分たちの知恵で思い出を作っていこうとする姿に同じ学生である自分にとってもすごく勇気をもらえた番組でした。(高知・高校3年・男子)

    • 『V6の愛なんだ2020』(TBSテレビ)コロナ禍でさまざまな大会や行事、イベントがなくなり、モチベ―ジョンが下がっている中、このような感じで一緒に部活をやったり、人々に披露したりなど、見ている人々に元気を与えてくれる番組でした。特に、校内全体でピタゴラをやっていたのが印象的でした。生徒たちがみんなで協力をするシーンや楽しそうにギミックを作っている時など、コロナ禍なのに楽しそうにやっているのを見て、見ている側まで心が温まりました。このような、元気をあたえてくれるような番組が増えて欲しいです。(沖縄・中学3年・男子)

    • 『V6の愛なんだ2020』(TBSテレビ)ピタゴラが本当に面白かった。工業高校という部分をいかし、大きい装置や工夫された仕掛けなど、圧倒されるものを自分と変わらない年の人が作っていてびっくりした。そして、高校生たちの笑顔が本当に無邪気で純粋な笑顔だった。(東京・高校1年・男子)

    • 『V6の愛なんだ2020』(TBSテレビ)未成年の主張は私も好きなコーナーで、毎回ユニークな主張が聞けて楽しい。(東京・高校1年・女子)

    • 『V6の愛なんだ2020』(TBSテレビ)いつもは見ないジャンルの番組だったのですが今回おすすめということもあり見てみることにしました。番組を見てみるとコロナなどで大会や発表会ができなかった学生たちに発表の場を設けてみんなで思い出にしようという企画があり。自分も吹奏楽部でやりきれなかった思いがあるのでこのような番組でのサポートが広く普及すれば学生たちも未練なく、またテレビで放送されるという思い出とともに忘れられない経験となるのではないかと思わせてくれる良い番組でした。(茨城・高校3年・男子)

    • 『歴史秘話ヒストリア「あらためて知りたい!明智光秀」』(NHK総合)小学生の時に、「明智光秀は、織田信長を裏切って“本能寺の変”を起こした人物」ということを習いましたが、それ以外のことは、何も知りませんでした。この番組では、明智光秀の人物像に迫っていて、意外な点がいくつもあり、とても興味深かったです。(長崎・中学1年・女子)

    • 『歴史秘話ヒストリア「あらためて知りたい!明智光秀」』(NHK総合)明智光秀といえば、本能寺の変で織田信長を殺害したけれど、教科書には詳しく載っておらず、私の中ではイマイチよく分からない人物でした。この番組はとても丁寧に光秀のことを紹介しており、歴史の勉強に直結しないけど、趣味として興味深い内容でした。やや小難しいさもあったものの、徐々に光秀への興味が湧いてきて、「もっと知りたい!」と思えました。(愛知・中学2年・女子)

    • 『浦沢直樹の漫勉neo』(NHK Eテレ)いつもは漫画を読むだけだったし、漫画を見て楽しんでいたけど、この番組を見て、読んだり絵を見て楽しむだけでなく、これからは、自分も少し漫画を描いてみたいと思いました。(岐阜・中学2年・女子)

    • 『浦沢直樹の漫勉neo』(NHK Eテレ)漫画家さんの絵の描き方などが(同じ人でもどの時代に描いたかによって)だんだん変化していくものだと知りました。その時でしか描けないものがあるのだろうなと思いました。(長崎・高校2年・男子)

    • 『林修の今でしょ!講座2時間SP』(テレビ朝日)私は学校でオーケストラに所属しているので音楽家ベートーヴェンについての番組内容には興味があったので、視聴することにしました。ベートーヴェンの色々なエピソードを知れて面白かったのはもちろんのことですが、ヴァイオリニスト葉加瀬太郎さんのスタジオ生演奏が番組の所々に織り交ぜてあり、その度に美しい音で聞き入ってしまいました。テレビからヴァイオリンの音が流れてくると心が和むので、改めて音楽の力を感じることができました。(東京・高校2年・女子)

調査研究について

担当の中橋雄委員より、調査研究(テーマ「青少年のメディア・リテラシー育成に関する放送局の取り組みについて」)に関し、放送局を対象としたアンケート調査の質問項目案が提示され、委員会で検討しました。

以上

第227回 放送と青少年に関する委員会

第227回-2020年10月

視聴者からの意見について…など

2020年10月27日、第227回青少年委員会をBPO第2会議室で開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、まず9月16日から10月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
夜のバラエティー番組において、控室に置かれた手指消毒ボトルから50℃に熱せられたゴマ油が出てくるという芸人相手のドッキリ企画について、「子どもがマネをしたら危ない」「中高生が身近な消毒液を他のものに入れかえたらどうする」などの意見が寄せられました。これについて委員からは、「子どもがマネをしないだろうが、置いてあるものに対して不信感を感じる子どもがいないとも限らない」「“専門家の指導のもと行っている”という表示があるが、具合的にどのような指導なのか気になる」「真面目にコロナに世界中が立ち向かっているときに消毒液を笑いのネタにするのは抵抗感がある」などの意見が出され、次回委員会で「討論」することになりました。
10月の中高生モニターのリポートのテーマは「最近見たドラマについて」でした。26人から報告がありました。
モニターからは、裏社会に伝説を残した極道が、足を洗って専業主夫になって大奮闘するコメディドラマについて、「一人一人のキャラクターを目立たせながら毎回すっきりとした終わりを迎えているので非常に分かりやすく視聴しやすいドラマになっていると思います。極道の世界のシーンもきちんとあるので主夫だけではない主人公の魅力が表現されていると思います。特に効果音がかみ合っているので、お話をより伝わりやすいものにしていると思います。テロップをもっと使ってもコメディー感は減少しないと思います」、資産家の遺産相続をめぐるミステリードラマについて、「私は本を読んでから実写映画やドラマを見ます。ドラマと本では違った面白さがあり、2倍面白く感じられます。最近若者の活字離れが進んでいると聞きます。私は本が原作のドラマや映画を作ることで、本を読む人が増えると思います」、薬剤師を主人公にした医療ドラマについて、「私はこのドラマでいつも感動するシーンがあります。それは最初に主人公のナレーションで入院している患者さんがオープニングソングとともに紹介されていくシーンです。このような始まり方をするドラマを今まで見たことがなかったので新鮮に感じ、これからドラマが始まるのだなという高揚感も高まってきます」などの意見が寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
次回は11月24日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2020年10月27日(火)午後4時30分~午後6時30分
場所
放送倫理・番組向上機構[BPO]第2会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

夜のバラエティー番組で、新型コロナ対策の手指消毒用ボトルに50℃以上に熱した油を入れ、それを知らずに使用したタレントが熱さに驚き、さらにそのボトルが爆発しタレントが油まみれになるというドッキリ企画に対して、「子どもが見て消毒液は怖いと思うかもしれない。“新しい生活様式”をこのような危険な企画に使うのは問題だ」「中高生などが身近にある消毒液を他の物に入れ替え、違った被害が出たらどうする」「専門家の指導のもと行っているとテロップが出たが、あまりに危険。子どもがマネをしたりイジメに使おうと思ったら恐ろしい」といった意見が寄せられました。
これに対して委員からは、「消毒液を笑いの道具に使ったのは良くないと思う。真面目にコロナに世界中が立ち向かっているときに笑いのネタにするのは抵抗感がある」「危なく見える演出のときに“専門家の指導”という表示を入れているが、どのような専門家なのか。具体的にどのような指導を受けているのか表記してもよいのではないか」「子どもがマネをしないだろうが、置いてあるものに対して不信感を感じる子がいないとも限らない」「見た子どもにボトルから何か熱いものが出たという記憶が残ったとすると、子どもによっては怖がるかもしれない」などの意見が出されました。
この件については、次回委員会で、全委員が番組を視聴し、「討論」することになりました。

中高生モニター報告について

33人の中高生モニターにお願いした10月のテーマは、「最近見たドラマについて」でした。「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組」の欄も設けました。全部で27人から報告がありました。
「最近見たドラマについて」で複数のモニターから感想が寄せられたのは4番組でした。『極主夫道』(読売テレビ/日本テレビ)を4人が、『NHK連続テレビ小説「エール」』(NHK総合)と『日曜劇場「半沢直樹」』(TBSテレビ)、『ルパンの娘』(フジテレビ)をそれぞれ3人が、『35歳の少女』(日本テレビ)と『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(フジテレビ)をそれぞれ2人が取り上げていました。それ以外のモニターは異なる番組について記述し、全部で16番組について報告がありました。
「自由記述」では、放送局に対し、「ドラマのスピンオフが有料配信されることに疑問を持っている」「CM前後の映像が同じでしつこすぎると感じることがある」「番組改編で放送時間などが変わる場合にはもっとアピールしてほしい」などの意見や要望がありました。また、「番組の個性をどう出すかが大事だと思う」という声も寄せられました。
今月は、新型コロナウイルスに関して記述したのは3人でした。そして、芸能人の自殺報道について書いたモニターも2人いました。
「青少年へのおすすめ番組」では、複数のモニターから感想が寄せられたのは5番組でした。『ダーウィンが来た!「敵か味方か?謎の巨大ゾウ」』(NHK総合)を6人が、『アメトーーク!3時間SP』(テレビ朝日)を4人が、『世界一受けたい授業 2時間スペシャル』(日本テレビ)を3人が、『ミライ☆モンスター』(フジテレビ)と『出川哲朗のちょっと電動キックボードで』(テレビ東京)をそれぞれ2人が取り上げていました。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たドラマについて】

    • 『極主夫道』(読売テレビ)もう少しテロップ多用してもいいのではないかという意見があって、とても現代的な印象を受けた。

    • 『ルパンの娘』(フジテレビ)新型コロナウイルスによる新しい生活様式が描かれていて、登場人物の「自粛疲れだな」などのセリフがとても笑えた、と書いたモニターがいた。ある種の共感を覚え、自分の生きる現実の世界でのつらさがドラマによって少し癒やされたのだろうという印象を受けた。

    • 『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(フジテレビ)「医療ドラマは暗くなりがちだが、このドラマは明るい気分で見ることができた」と感想を寄せたモニターに共感した。明るい雰囲気の中で、毎回2人ほどの患者さんのドラマを描き、作り切ったという点で、よくできたドラマだったと思う。

    • 『彼女が成仏できない理由』(NHK総合)漫画家になることを夢見て来日したミャンマーからの留学生が主人公であるこのドラマを見て、ミャンマーの言葉や文化を知ることができるところが面白いと感じてくれたモニターがいた。ミャンマーの留学生の視点で見たら日本がどう見えるかということも考える機会になったようで、興味深く感想を読んだ。

    • 新型コロナウイルスの影響を受け続ける世の中を反映して、コメディー的な仕掛けが、多くのモニターにとても好意的に受け入れられていると感じた。

    • 原作のあるドラマは必ず原作を読んでから見るというモニターが、「ドラマには原作に書かれていないことも描かれるので、ドラマと本とは違った面白さを感じて2倍楽しんでいる」と書いていた。確かに、原作で感じた世界とドラマの世界にはギャップがある。必ず原作を読んでドラマに挑む姿勢、すごいと思った。

    • 最近のドラマの中では様々な職業や職場が描かれている。もしかしたらドラマと現実は少し異なることもあるかもしれないが、子どもたちがいろいろな職業について知るという意味ではそのようなドラマを作ることが大事で、制作者は面白いところに目をつけたという気がしている。

    • 「現実はそうではないけど、そうなるといいな」という内容をドラマで描くことによって、人々の気持ちが変化して現実が少しずつ変わっていく。ドラマはそんな力を持ちうるのではないかと思う。

  • 【自由記述】

    • CM前と明けで内容を繰り返すことについて、「時間稼ぎのような気がしてらない」という意見が来ていた。放送局からすると、ある意味の視聴者サービスで途中から見ても内容が分かるようにという配慮なのだが、視聴者からすると、それが時間稼ぎではないかと思うことがある。だからこそ、このモニターの意見は1つの問題提起であり、放送局には、CM前と明けで本当に内容を繰り返すことがいいのか否かをきちんと検証してもらいたい。

    • 新型コロナウイルスに関して、「現在の1日の感染者数は学校が休校していたころよりも多いのに報道は少なくなっていて、危機感が薄れてきていると感じる」と言うモニターがいて鋭い指摘だと感じた。再放送でもいいから、せめて感染予防の呼びかけを続けるなどの必要があるのではないかという提案、放送局に伝えたい。

    • 注射の映像を流すのは控えてほしいという要望があった。日本の報道はいろいろと、かなり配慮されているが、注射のシーンが気になる人も、気にならない人もいるという中で、放送はどうあるべきかという意見は、興味深い。少数ではあるが、注射の映像を見ただけで意識をなくす人もいる。マイノリティをどう守るか。難しいテーマだが、考えなければいけない。

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『ミライ☆モンスター』(フジテレビ)を視聴したモニターが、「今のことだけではなくて未来のことを展望したり、昔を振り返ったりするようなところがメディアとしての意義だろう」という感想を寄せていた。面白い意見だと思い、興味深く感じた。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見たドラマについて】

    • 『極主夫道』(読売テレビ)コント的な要素とキャラ濃い目のキャストで家族と笑いながら見ました。まず、ドラマを見て思ったのは、「母に感謝しよう」ということです。主人公の龍が「主夫(婦)は誰よりも早く起きて、家事して、子どもの世話をして、気づけば深夜0時や」と言ったとき、母のありがたみを実感しました。母は見えないところでたくさんのことをしてくれていて、とても感謝します。(宮城・中学1年・女子)

    • 『極主夫道』(読売テレビ)1人1人のキャラを目立たせながら毎回すっきりとした終わりを迎えているので非常に分かりやすく視聴しやすいドラマになっていると思います。極道の世界のシーンもきちんとあるので主夫だけではない主人公の魅力が表現されていると思います。特に効果音がかみ合っているので、お話をより伝わりやすいものにしていると思います。テロップをもっと使ってもコメディー感は減少しないと思います。(埼玉・中学2年・女子)

    • 『極主夫道』(読売テレビ)原作の漫画でストーリーを読んでいて気になっていた物語が実写化したと聞き、このドラマを視聴しました。近所間のやり取りに「そこにもし元ヤクザの専業主夫がいたら」という普通は遭遇することのない情景がプラスされた特殊な空気がうまく表現されていて、とてもユニークでほかの作品にはない面白さだと思いました。家の外では強い龍が妻の前では弱いなど現代社会のあるあるのような風景も盛り込まれていて思わずクスッと笑ってしまうシーンも多々ありました。また、ところどころに豆知識がちりばめられていて、ケチャップの付いたTシャツのシミを重曹を使って落としていく方法や、タンスの隙間などに入った取りづらいほこりを取る方法など日常の生活でも役立つ情報も組み込まれていてとてもためになることが多くありました。これからどんなストーリーや豆知識が出てくるのか見るほどに楽しみになってくる作品だと感じました。(茨城・高校3年・男子)

    • 『NHK連続テレビ小説「エール」』(NHK総合)毎日楽しみに視聴していますが、ストーリーもついに終戦を迎え、人々に心の変化が表れ、描かれるようになってきました。終戦を機に我に返り、戦争の後悔をする様は、感慨深いものがありました。人の後悔・過ちというものは、視聴者に強く印象を残すものだと思いました。また、戦争によって家々が倒壊したシーンでは、ヒロインのお母さんの歌うシーンがありましたが、歌を用いることによって悲しみが一層伝わってきて、言葉以上に、歌の力に圧倒されました。音楽の力の大きさが伝わってきました。現在のところでは、主人公祐一は戦後まだ音楽家として立ち直れず、音楽との関係を断とうとしています。そこで今後、どのような人が祐一に声をかけ、前を向かせてくれるのか展開が楽しみです。後悔の後に、自分は何ができるのかを考え、行動するところが、ドラマとしても山場だと思うので、それを踏まえ今後も視聴していきたいと思います。(東京・高校2年・女子)

    • 『ルパンの娘』(フジテレビ)面白かったのは、ドラマの中で、いつもだったら家族みんなで泥棒に入るのに、コロナの影響を受けて、父親だけが泥棒に入り、家族はその様子をリモートで見て参加するという場面です。ドラマの世界でも、コロナの現状が反映されていて、母親が「リモートで泥棒に参加なんてしたくないわ」「一体、いつまで自粛していたらいいのよ」とか、祖母が「自粛疲れだな」とか、父親が「自粛明けにふさわしいお宝か」とか言うセリフがあって、とっても笑えました。(長崎・中学1年・女子)

    • 『ルパンの娘』(フジテレビ)私は内容を全然知らなかったのでコメディーものと知らず、始めからネタのオンパレードというような感じで、いろいろなところにツッコミ要素があり、思わず1つ1つ突っ込んでしまいました。時事ネタや分かりやすいネタがあったり、細かいネタも言葉尻にクセが強かったり、挙げきれないほどたくさん詰まっていました。一緒に見ていた母と、これが何のネタだと見つけ合うのも楽しかったです。(千葉・高校1年・女子)

    • 『日曜劇場「半沢直樹」』(TBSテレビ)実際の日本でもこのような事が起きているのではないか、日本の裏世界を風刺しているのではないかと思った。半沢直樹には、自分が出向や解雇されるかもしれないという思いに負けず、悪いことは悪いと訴えられる力があり、すごいと思った。現実世界にも半沢のような人が必要だと思った。政治や証券など、難しいことが多い内容だったが、歌舞伎役者が多く出演していて、歌舞伎の技法を取り入れた演技や、顔芸、面白い台詞などが多く、飽きずに毎週楽しく見ることができた。(長野・中学2年・男子)

    • 『日曜劇場「半沢直樹」』(TBSテレビ)学校の先生が見ているというので見たらすごく面白かった。銀行員として筋を通す半沢がかっこいい。自分もこのような人になれたらいいなと思った。本当にこんな理不尽なことが行われているのか分からないけど、どんな場所でも半沢のように筋を通すなどのモットーを持ちたい。(東京・高校1年・女子)

    • 『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(フジテレビ)薬剤師というお仕事がどのような仕事か興味を持ったのでこのドラマを見始めました。このようにドラマから職業を知れることはいいと思います。(岐阜・中学2年・女子)

    • 『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(フジテレビ)私はこのドラマでいつも感動するシーンがあります。それは最初に主人公のナレーションで入院している患者さんがオープニングソングとともに紹介されていくシーンです。このような始まり方をするドラマを今まで見たことがなかったので新鮮に感じ、これからドラマが始まるのだなという高揚感も高まっていきます。医療系のドラマはどうしても重くなってしまいがちですが、このドラマは命の大切さを伝えながらも明るい気分で見ることができたように思います。なぜかを考えてみたところ、登場人物のキャラクターに理由があるように思いました。視聴者が親しみを感じられるキャラクターとドラマの内容とのバランスが良いのだと思いました。(東京・高校1年・女子)

    • 『彼女が成仏できない理由』(NHK総合)ミャンマーの言葉や文化を知ることができる部分がたくさんあって面白いです。主人公がひったくりにあったり、コンビニで立ち読みしている人を見たりして、日本に来る以前に抱いていたイメージとの差に落ち込む場面や「自分の国の良いところは自分で見つけろ」というセリフにハッとさせられました。(宮城・高校3年・女子)

    • 『日曜劇場「危険なビーナス」』(TBSテレビ)私は本を読んでから実写映画やドラマを見ます。ドラマと本では違った面白さがあり、2倍面白く感じられます。最近若者の活字離れが進んでいると聞きます。私は本が原作のドラマや映画を作ることで、本を読む人が増えると思います。(岡山・中学2年・女子)

    • 『火曜ドラマ「この恋あたためますか」』(TBSテレビ)最近のドラマや映画を見ていて感じるのが、コメディー要素が増えてきているということだ。このドラマも面白い掛け合いがあったり、おかしな行動をしたり、思わず笑ってしまう仕掛けが盛りだくさんだった。今の時代は見ていてつらいなー、いやだなーと思う内容よりもコメディーが多く、笑いが多い作品が求められていると感じた。今の世の中はコロナなどにより、大声を出して笑う機会が減ってしまっているように感じる。だからこそ、家の中で大声を出して笑いたいと思うのではないだろうか。また、この作品を見ていて仕事と関連付けている内容のドラマが増えているとも感じた。こうした背景にはキャリア教育の推進があるのだろうか。このドラマもコンビニ運営のために働く、商品を開発する人や、実際に作っている人など多くの人たちの姿が描写されている。これらをみて、僕が「これはうまい」だの「ちょっと高い」だの言っているコンビニの商品たちはこんなにたくさんの人が関わっているのだと知ることができた。(群馬・中学3年・男子)

    • 『#リモラブ~普通の恋は邪道~』(日本テレビ)今も収束のめどが立たない新型コロナに関連した連続ドラマは私が知る限りは初めてなので、新鮮な気持ちで視聴しました。「テレワーク」「ソーシャルディスタンス」など、コロナ禍で生まれた新しい生活様式の場面も多く取り入れられ、とても共感・親近感がわきました。主人公は身の回りの男性たちを食べ物に例えるのですが、その表現の仕方が独特で単純に面白かったです。放送では、その男性たちの周りに文字で表示させて、その演出も面白さを引き立てていました。主人公が「産業医」というところから、感染予防に関する豆知識(専門家監修の元)など、ちょっとしたミニコーナーなども設けると、視聴者の注目も浴びやすいかなとも思いました。(熊本・高校2年・男子)

    • 『相棒season19』(テレビ朝日)今作で19作品目で昔から人気のあるドラマだと思いました。みんな個性が強く、主役に負けない癖を持っていて魅力的です。主人公の右京さんのとてもうまい紅茶の注ぎ方や特命係のおなじみの名前の木札が昔から変わらずあってとてもなじみ深いと思いました。(秋田・中学2年・男子)

    • 『24 JAPAN』(テレビ朝日)1話が1時間、24話で1日を作っているドラマで、視聴している時間と物語の時間が一致しているので見ていてとても緊張感を感じさせるドラマだった。1話完結のドラマとは全く違う、全話つなげないと最後まで分からないドラマも面白いなと思った。(東京・高校1年・男子)

    • 『ドラマパラビ「だから私はメイクする」』(テレビ東京)もともと原作を知っていたので見始めました。原作を知っているとき、原作のイメージと違うと見るのを断念してしまうのですが、この作品は原作のキラキラした感じを残しつつ現実味をより持たせているのでとても見やすかったです。また、この作品はオムニバス形式で1話ごとに主人公やストーリーが変わるのでどの回から見ても楽しめることも魅力の1つだと思いました。オムニバス形式の作品は1話で完結してしまうので尾を引かないきれいな形で終われるかが重要だと思うのですが、きれいにまとまって終わっていたので後味も良かったです。(愛知・高校1年・女子)

  • 【自由記述】

    • 東京オリンピックが、来年に延期になっていますが、そのころに日本が落ち着いていたとしても、外国はまだ第2波とか来ているので、どうなるのだろうと気になります。テレビでオリンピックの様子が放送されるのが楽しみですが、どうなるのかな…早く、コロナが終息して、いつもの生活が来てほしいです。(長崎・中学1年・女子)

    • ドッキリなどで事故物件や幽霊など、午後6時から10時の時間帯に怖いものはテレビで流さないでほしいです。(山形・中学2年・女子)

    • 新型コロナウイルスについて。現在の1日の感染者数は、学校が休校していた頃よりも多いが、テレビではあまり報道されておらず、危機感が薄れてきていると感じる。せめて感染予防の呼びかけを続けるなどする必要があると思う。(長野・中学2年・男子)

    • ニュースなどで注射の映像を流すのは少し控えてほしいと思いました。注射の映像は人によっては不快に感じる人もいると思います。注射の映像以外にも代用できる映像はないのかなと思いました。(埼玉・中学2年・女子)

    • 10月になり、番組が改編されています。ニュース番組が延長されたり、人気バラエティー番組がなくなってしまったり、深夜番組が強化されたり。番組が終わってしまうと寂しく感じますが、仕方ないことなので、視聴者も新しい番組編成に慣れていきたいと思います。そして、番組側も放送時間が変わることをもっとアピールしてもらいたいと思います。(愛知・中学2年・女子)

    • 最近のドラマはスピンオフを有料のアプリで配信していて、時によってはそのスピンオフが本編でのカギを握る場合もあって、有料のスピンオフを見ている人と見ていない人との差が出てしまうのではないかと思います。なぜ最近有料配信のスピンオフが増えたのでしょうか。(東京・高校1年・男子)

    • ドラマやバラエティー番組でよく見かけるのが、つながりを分かりやすくするためなのかコマーシャル明けにコマーシャル前の映像を再び流す構成です。全ての番組ではありませんが、時々「もういいよ」と思うくらい前にさかのぼって流すのは時間稼ぎのような気がしてなりません。(東京・高校1年・女子)

    • 最近のドラマはネタ系のものが多いなと思いました。日本のコメディーもとても面白いと思うけど、テンポ感によっては、私はすぐに飽きてしまうものもあるなと感じます。やはりお笑いには間やテンポがつきものだなぁと思いました。また番組によって差をつくることや個性をどう出すかも大事なように思います。(千葉・高校1年・女子)

    • 芸能人の自殺のニュースのことですが、影響の大きな方の自殺についてたくさん報道するのはどうかと思いました。また、たとえ影響が大きくなくてもセンシティブな内容なので扱いを考え直していただきたいです。(神奈川・高校2年・女子)

    • 『日曜劇場「半沢直樹」』(TBSテレビ)を見てから、経済や会社のことについて報道などで見ると、前より少し興味がわくようになりました。(岡山・中学2年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『ダーウィンが来た!「敵か味方か?謎の巨大ゾウ」』(NHK総合)ゾウにまつわる興味深い映像がふんだんに使用されていて教育によい番組だと思いました。ナレーションも分かりやすくタイミングが良いのですっと頭に入ってくる感じがしました。豆知識のようなコーナーもあり、その動物に興味を持てるような番組構成になっていていいなと感じました。(埼玉・中学2年・女子)

    • 『ダーウィンが来た!「敵か味方か?謎の巨大ゾウ」』(NHK総合)ゾウがメスだけで群れをなしている、体は一生大きくなり続けるなど、知らないことばかりで勉強になりました。群れに付きまとうオスは、実は遠くからメスの群れを見守っているという理由に驚きました。その姿は印象的でどこか人間と似ていると感じました。人間がゾウたちの住みかを脅かしたりするといった問題にも触れていて、環境問題も考えさせられました。動物たちの生態は発見が多く、とても興味深いのでこの番組は大好きです。(沖縄・中学3年・男子)

    • 『アメトーーク!3時間SP』(テレビ朝日)私は「踊りたくない芸人」という企画が好きで楽しみにしていたが、何回も企画をしていくうちにどんどん出演者たちが上達して、笑うというよりはすごいなぁと思ってしまう方が多かった。それでも面白い部分はたくさんあって、とくに今回から参加した芸人さんが面白かった。運動神経悪い芸人という企画でもそうだが、自分の苦手という個性をあえて出して全力でそれに挑むからこそ私たちも笑ってしまって楽しいのだろうと思った。(東京・高校1年・女子)

    • 『アメトーーク!3時間SP』(テレビ朝日)この番組は家族で見ていました!「踊りたくない芸人」はそれぞれ動きが独特で個性があってすごく面白かったです(笑)『アメトーーク!』は、何となくいつやっているか分からないけど、やっていると「おっ!今やってるんだ!」とレア感を感じていつも見てしまいます。嫌な感じのしない、「芸人」の面白さが出ていておなかを抱えて笑ってしまいます。(千葉・高校1年・女子)

    • 『世界一受けたい授業 2時間スペシャル』(日本テレビ)今回は、発想を変えただけでこんなにも売れた商品を解き明かしてくれる内容となっていました。いいアイデアを思いつくには柔軟な考え方と、自分だけでなくほかの人にも楽しんでもらえるような商品を考えることが重要であることを知りました。(高知・高校3年・男子)

    • 『ミライ☆モンスター』(フジテレビ)自分と同い年の高校生がサッカーに打ち込み、プロを目指す姿は、同い年とは思えないほど大人びて見えました。近い未来活躍すると思われる「金のタマゴ」を紹介する企画は、後にその人が活躍するようになったときにこれが秘蔵映像となったり、現在からこの番組をきっかけに応援が増えたりと、プラスな効果がたくさんあって良いと思いました。今を時めく人に焦点を当てると視聴率は上がるかもしれませんが、未来を時めくであろう人を紹介したり、逆に昔を振り返ってみたりするのも、メディアとして大切なことなのだろうと思いました。(東京・高校2年・女子)

    • 『出川哲朗のちょっと電動キックボードで』(テレビ東京)いつもの電動バイクとどのようなところが違ってくるのだろうと思い視聴しました。見てみると以前の電動バイクの際は充電が切れたとき運ぶのが苦労になっていたのがキックボードに変わったことによって充電場所を探す際にもスムーズに移動ができるように改善がされていてとても良いと思いました。また、車体が小さくなったことで裏道などの道もスムーズに運転でき、新しい発見ができる旅になっていたと思いました。また、このコロナ禍の状態に合わせてキャストの方はフェイスシールドを着用したり、いつもは訪問したお宅に番組のオリジナルシールをプレゼントしているところをオリジナルマスクに変えたり、この時代に合わせて番組が進化しているということが感じられました。(茨城・高校3年・男子)

    • 『テレメンタリー2020 全力!青春ダンス~部活とコロナの300日~』(名古屋テレビ放送)三重高校ダンス部に密着したドキュメンタリー番組です。同じ高校生とは思えないエネルギー、行動力に驚かされました。ダンス部員のみなさんがアポロシアターの舞台に立つという1つの目標に向かって一生懸命努力する姿がとてもまぶしかったです。番組中、コロナウイルスのせいで様々なことができなくなったときもみなさんが前を向いて頑張る姿は多くの人に元気を与えると思いました。(愛知・高校1年・女子)

調査研究について

担当の中橋雄委員より、調査研究(テーマ「青少年のメディア・リテラシー育成に関する放送局の取り組みについて」)に関し、進捗状況について報告がありました。

以上

第226回 放送と青少年に関する委員会

第226回-2020年9月

視聴者からの意見について…など

2020年9月29日、第226回青少年委員会をBPO第2会議室で開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、まず7月16日から9月15日までの2か月間に寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
報道・情報番組において、コロナ感染者の出た学校を実名で報道したことについて、「未成年者が風評被害を受ける。配慮すべきだ」などの視聴者意見が寄せられました。これに対して、委員からは「学校は行く人が特定されていて、感染者が出たとしても濃厚接触者は追跡できるという状況のときに、公益目的だからという理由だけで学校名を出すことは、少し考えたほうがいい」、また一方で「いじめが起きるとか、学校で問題が起きることは、テレビで学校名が出たからというわけではないと思う」などの意見が出されました。また、著名人の自殺報道について、「有名人の自殺は子どもや若者への影響が大きいので、WHOのガイドラインに沿って報道するべきだ」などの視聴者意見が寄せられました。これに対して、委員からは「詳細な報道ができないから、そこのところはなるべく避けて、最後に命の電話番号を流すという形がパターン化してくるのではないかと懸念している」などの意見が出されました。
8月の中高生モニターのリポートのテーマは「終戦関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について」でした。29人から報告がありました。
モニターからは、太平洋戦争中、原子爆弾の開発に関わった若き科学者を描いたドラマについて、「核兵器がいかにすごく大きな影響を日本に与えたかということが伝わった。この頃の研究者たちの苦悩を感じることができた。しかし、僕には少し違和感があった。『原子爆弾』というものを作り出す行為が美化されているような印象を受けたからだ。日本が『原子爆弾』を作ろうとしていたことが『努力』『青春』などという言葉で言い表されていて、少し疑問を持った」、女性に焦点を当てた終戦スペシャル番組について、「(女優の綾瀬はるかさんがインタビューした内容で)私が印象に残ったのは広島の原爆によって肌がただれてしまった女性の話でした。その女性は綾瀬さんに『今あなたが美しくて嬉しい』と言っていたのが心に残りました。女性が美しくいられるのも平和があってのことなのだと気づきました。写真を手掛かりに丁寧に取材していて、責任をもって番組を作っているのが伝わってきました」などの意見が寄せられました。
また、9月のテーマは「今年4月から9月までで最も印象に残った番組について」でした。27人から報告がありました。
モニターからは、警視庁機動捜査隊を舞台にした刑事ドラマの最終回について、「最後まで展開が予想できず、見入ってしまった。俳優の演技も狂気に満ち溢れていて、怖さを生み出し、作品の世界観に浸ってしまった。また、最後も完ぺきなハッピーエンドにしないところが、面白いと思った。バッドエンドだと悲しく、ハッピーエンドすぎると腑に落ちず、その中間をとったのがいいと思った」、新型コロナウイルス元感染者を追った報道番組について、「なぜこの番組が最も印象に残ったのかというと、コロナがインフルエンザのように1,2週間で回復する病気でないことに気づかせてくれた大きな契機となったからです。これを知るまでは、新型コロナウイルスにはインフルエンザと同様、健康な方にはその後の体調不良は見られないのではないか、と考えていました。しかし、現実はそうではなく、元感染者の3割近くが回復後もいまだに苦しみ続けていることを知り、これからもコロナと共存していかなければならない私たちにとって知らなければならない情報だと感じました。(この番組が放送された)6月から3か月がたち、現在ではワイドショーを中心にもはや、コロナに関する報道が少なくなっています」などの意見が寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
次回は10月27日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2020年9月29日(火)午後4時30分~午後7時15分
場所
放送倫理・番組向上機構[BPO]第2会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

バラエティー番組で、お笑いタレントが農家の人に言われるままパイナップルを皮ごと丸かじりさせられるドッキリ企画に対して「皮にはトゲがあって危険だ。子どもがマネをする」「まるでイジメ。子どもに見せられる内容ではない」といった視聴者意見が寄せられました。
これに対して委員からは、「企画自体が心地よい笑いを提供してくれるようなものではないのかもしれないが、このバラエティー番組はそれで人気を取っているところもあり、それを好む人も一定数いる」「VTRを見ているスタジオの反応が同時に流れるが、そこである程度、それはあり得ないとか、やってはいけない、というようなことが分かるコメントを編集で入れているので、青少年がマネをすることもないだろう」といった意見が出されました。

報道・情報番組において、コロナ感染者の出た学校名を実名で放送したこと
に対して、「未成年者が風評被害を受ける。配慮すべきだ」「実名の必要はあるのか。コロナ差別やクレームが発生したら子どもたちや学校の負担は甚大だ」と言った視聴者意見が寄せられました。
これに対して委員からは、「地元ではあそこから出たよと分かるだろうが、全国放送することについてはどうなのか。感染拡大しないようなメッセージとして、その地域では十分機能しているので、校名を出したり校舎を映したりすることには課題がある気がする」「飲食店とか病院とか不特定多数の人が行く場所ならば、公表する意味はあると思う。しかし学校は行く人が特定されていて、感染者が出たとしても濃厚接触者は追跡できるという状況のときに、公益目的だからという理由だけで学校名を出すというのは、もう少し考えてもいいのではないか」という意見が出ました。その一方で、「いじめが起きるとか、学校で問題が起きることは、テレビで学校名が出たからというわけではないと思う。地元では既にみんな知っていて、その中でいじめや差別が起きるわけで、実名を出しても変わらないのではないか」との意見も出されました。

報道・情報番組において著名人の自殺報道に関して、「有名人の自殺は子どもや若者への影響が大きいので、WHOのガイドラインに沿って報道すべきだ」「自殺方法などを具体的に放送していた。見ていた子どもが動揺している」
「人格形成の途上にある若い人たちに命を粗末にしないよう伝えてほしい」という視聴者意見が寄せられました。
これに対して委員からは、「著名人の自殺が増えていて、どのメディア報道も取扱いには注意して報道していると思いうが、続いているので、ガイドラインを形式的にとらえるような報道にならないよう気をつけないといけない」「詳細な報道ができないから、そこのところはなるべく避けて報じて、最後に命の電話番号を流すという形がパターン化してくるのではないかと懸念している」などの意見が出されました。

音楽番組で昭和60年代アイドルのヒット曲が披露されたが、その歌詞の内容について「未成年者の不純異性交遊を匂わす歌詞。倫理的に問題だ」「子どもも起きている時間帯にこんな歌を流すのは教育の観点から良くない」「ヒット当時、世間では大きな問題意識がなかったと思うが、いま問題意識なく流すのはいかがなものか」といった意見が寄せられました。
これに対して委員からは、「歌詞なので致し方ないのではないか」「当時、こういうものをアイドルが堂々と歌うということに意味があると、中高生にも支持されたということだったのが、三十数年経って、世の中は保守化したということではないのか」「昭和60年代の世相を反映してこういう歌詞が作られたのであって、いま作る音楽にこの作詞は絶対にないような気がする」などの意見が出されました。

これらの件に関しては、これ以上話し合う必要はない、となりました。

中高生モニター報告について

今月は、8月と9月のモニター報告について話し合われました。
33人の中高生モニターにお願いした8月のテーマは、「終戦関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について」でした。「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組」の欄も設けました。全部で29人から報告がありました。
「終戦関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について」では、複数のモニターから意見が寄せられたのは5番組でした。『国際共同制作 特集ドラマ「太陽の子」』(NHK総合)に7人から、『BS1スペシャル「1945ひろしまタイムライン もし75年前にSNSがあったら」』(NHK-BS1)に4人から(「青少年へのおすすめ番組」欄での感想と合わせると5人から)、『NHKスペシャル「証言と映像でつづる原爆投下・全記録」』(NHK総合)に3人から、『NHKスペシャル「沖縄 “出口なき”戦場~最後の1か月で何が~」』(NHK総合)と『ドラマ×マンガ「あとかたの街~12歳の少女が見た戦争~」』(NHK-BSプレミアム)にそれぞれ2人から報告がありました。それ以外のモニターは別々の番組を取り上げ、全部で16の番組について感想がありました。多くのモニターが「祖父母など身近な戦争経験者に直接話を聞きたい」と記述し、自分にできることは何かを考えた様子がうかがえました。また、「当時の映像や証言を後世に伝えるためにテレビは大きな役割を担う」と、放送局の存在意義を再確認し、期待を寄せたモニターもいました。また、一部の番組で行われた取り組み(SNSを活用する、漫画と組み合わせる、など)は若い世代の感覚に合っていると好意的に受け入れられていました。
「自由記述」では、6人からコロナ禍での報道や番組制作の仕方に関する意見が寄せられました。そのほか、8月のテーマと関連づけて、「最近は戦争関連の番組が少なくなっていると感じる」と記述したモニターが2人いました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『さよなら!インターハイ ミキと高校生の“校内放送” 』(NHK総合)と『音が出たら負け』(日本テレビ)をそれぞれ4人が、『炎の体育会TVSP』(TBSテレビ)と『THE 名門校 全国すごい学校名鑑』(BSテレビ東京)をそれぞれ3人が取り上げています。

◆委員の感想◆

  • 【終戦関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について】

    • 『国際共同制作 特集ドラマ「太陽の子」』(NHK総合)について、モニターたちの感じ方は一様ではなかった。太平洋戦争中に日本が原爆を作ろうとして一生懸命研究していたことに対して、「科学者の若いエネルギー、努力、そういうものを描いた部分が今までの番組とは違って新しかった」と感じるモニターがいた一方で、「原子爆弾を作ろうとしたことを努力や青春と美化してはいけない」と疑問を持ったモニターもいた。このようにそれぞれ印象が違ったということは、原爆を多面的に取り上げた成果なのだと思う。そういう意味で意欲的なドラマだった。

    • 『BS1スペシャル「1945ひろしまタイムライン もし75年前にSNSがあったら』(NHK-BS1)について、当時の人たちの気持ちになってSNSでつぶやくことによって、戦争中の状況を今までよりもリアルに感じることができたとモニターが記述しており、中高生にとって面白い企画だったのだという印象を受けた。ただ、SNSはつぶやくだけじゃなく、相手のリアクションもあるツールなので、そういう視点がもう少し入るとより良かったのではないか。戦争の敵、味方がSNSを通して本音で言い合うような環境が提起されていたら、より面白かっただろうと感じた。

    • 『BS1スペシャル「1945ひろしまタイムライン もし75年前にSNSがあったら』(NHK-BS1)について、SNSと番組を連動させるということが子どもたちの間で話題となって興味がそそられて視聴し、当事者の語りに触れ、様々なことを感じられたようだ。あるモニターが「当時、戦争をしているという意識はあまりなくて、生活があった」という当事者の語りにハッとさせられたと記述していた。気づきにくいところに気づかせたということも有意義であったと思う。

    • 原爆に関する番組を視聴して感想を寄せたモニターが少なくなかったが、やはり、番組の中できちんと原爆について取り上げることが大事である。

    • これまで戦争関連の番組を見る機会がなかなかなかったというモニターもいた。しかしそのような子も視聴して多くを感じ取っていた。若い人に見てもらう工夫をすること、戦争関連番組を制作し続けることが今後も重要だと感じた。

◆モニターからの報告◆

  • 【終戦関連番組(ドラマ・ドキュメンタリーなど)について】

    • 『国際共同制作 特集ドラマ「太陽の子」』(NHK総合)私がこれまで見ていた戦争のドラマや映画は、戦争の悲惨さを主に伝えていました。「太陽の子」は、戦争に勝つために国民が努力する姿や科学者が純粋に技術開発に取り組む姿が描かれていました。戦争の悲惨さを伝えるだけではなく、当時の雰囲気や価値観などをきちんと描こうとしているところがいいと思いました。(岡山・中学2年・女子)

    • 『国際共同制作 特集ドラマ「太陽の子」』(NHK総合)この頃の研究者たちの苦悩を実際に感じることができた。しかし、僕には少し違和感があった。「原子爆弾」というものを作り出すという行為が美化されているような印象を受けたからだ。日本に原子爆弾を投下したアメリカへの非難の気持ちが今も根強く残っている中、日本が「原子爆弾」を作ろうとしていたということが「努力」「青春」などいう言葉で言い表されていて、少し疑問を持った。(群馬・中学3年・男子)

    • 『国際共同制作 特集ドラマ「太陽の子」』(NHK総合)今までこの時期は戦争特集をしているドキュメント番組を見ることが多かったのですが、今回初めてドラマを視聴しました。すると、ドラマ作品はドキュメント番組と違い登場人物に感情移入ができるので分かりやすく、実感がとても湧きやすかったです。また、モノローグも適度に入れられており当時の様子について詳しく知ることができ、適度に入っているので作品の邪魔も全くしていなかったです。今回いちばん衝撃的だったのは、突然はさまれた原爆の写真です。不意に出てきたことも相まってとても衝撃を受けました。こういった演出もドラマならではでとても印象に残りました。(愛知・高校1年・女子)

    • 『国際共同制作 特集ドラマ「太陽の子」』(NHK総合)主人公の暮らしていた家が、空襲にあった際に火災が延焼しないようにと家を強制的に取り壊され、代わりの家は用意されない、介護が必要な祖父もいるのにいきなりホームレスとなってしまうのに周りの人は「日本万歳」と声を上げながらあっという間に家を取り壊す、という悲しい現実を最初の場面から突き付けられ、この物語にくぎづけとなりました。弟の裕之が軍に帰る矢先に海で自殺を図ろうとするところでは、裕之の軍に戻ることしか許されない現実、でも戦地で死にたくないという思い、その思いを周りの人に伝えたら悲しませてしまう、皆から非国民と冷たい目を向けられ生きていけなくなる、という極限の状態。いっそ自分のタイミングで命を終わらせたいという追い詰められた状況になっていたのではないか、戦争中はこのような心情の、自分と同じような年ごろの人がたくさんいたのではないかと思い、心が痛かった。(茨城・高校3年・男子)

    • 『BS1スペシャル「1945ひろしまタイムライン もし75年前にSNSがあったら』(NHK-BS1)もし、あの時にSNSがあったらというのを考えたこともなかったので面白いと思いました。SNSのコメントを考えている方たちが言っていたけれど、戦争時代と今の時期は似ていると思いました。いつ終わるか分からない、死と隣り合わせの日々を送っている、いつ何が起こるか分からない怖い時間を過ごしてきたんだなと思います。(山形・中学1年・女子)

    • 『BS1スペシャル「1945ひろしまタイムライン もし75年前にSNSがあったら』(NHK-BS1)この番組ではSNSと戦争を絡め、違った切り口で戦争について知識を深めることができました。内容は、戦時時代を生きた3人の方の日記をもとに、広島にゆかりのある高校生や大学生がその時の気持ちを考えてツイッターにツイートするというものでした。当時中学生であった方は現在もご健在で、その方の言葉が印象に残っています。「原爆の日、僕は放射能を浴びただろう。」その方は現在88歳で、今までに何度も癌に侵され、手術をしてきたそうです。昔のことなのに、現在も影響を受けているとなると、いかに戦争が悲惨であったかよく分かります。(愛知・中学2年・女子)

    • 『BS1スペシャル「1945ひろしまタイムライン もし75年前にSNSがあったら』(NHK-BS1)ポップなイラストとSNSという身近な存在が登場するということで、親しみやすそうだと思い、見ることにした。話の中で、「当時戦争しているという意識はあまりない。生活があった。」という言葉にハッとさせられた。なぜなら私は、みんなが戦争の中で恐れながら日々を送っていたのではないかと思っていたからだ。原爆が投下された戦争中も、今も昔もどんな時でも世界中に1人1人がちゃんと生きていて、暮らしているというのが改めて理解できた。8月6日のその時(原爆投下)を迎えた彼らのツイートを見たとき、彼らの日々はこれからも続くのだということに気づき、この取り組みの目的でもある「原爆投下の後に続く生活」というテーマに納得した。過去の事実は絶対に変わらないけれど、こうして戦争を毎年思うことがどれだけ大切なことか知った。(東京・高校1年・女子)

    • 『NHKスペシャル「証言と映像でつづる原爆投下・全記録」』(NHK総合)この番組の中でいちばん印象に残っているのが、絵とともに語られた原爆投下直後の風景だ。原爆はじわじわと人の心と体をむしばんでしまうことを物語っており、その非情さを鮮明に表していました。戦後75年を経て、戦争の悲劇さを自らの体験として次世代に伝えられる人が次第に減っている。それが途絶えたとしても私のように若い世代の人が語り継いでいけるようにしていきたいと強く思いました。(高知・高校3年・男子)

    • 『NHKスペシャル「証言と映像でつづる原爆投下・全記録」』(NHK総合)近年、どんどん原爆を体験した人が亡くなっていかれる中で、このような番組はとても大切だと思う。あのようなことを二度と犯してはならないと当事者の方々は言う。しかし、当事者の方々も永遠に生きることはできない。そのような中で戦争、原爆の悲惨さを訴えるにはこのようにメディアが伝えていくしかないと思う。(千葉・中学1年・男子)

    • 『NHKスペシャル「証言と映像でつづる原爆投下・全記録」』(NHK総合)学校や自分で調べるだけでは知ることができなかった原爆投下までのアメリカ軍の流れや原爆投下後の様子を知ることができました。視点を日本、広島だけに絞らず、アメリカやソビエト側からも見られて、考えが一方向にならないのでいいなと思いました。初めて原爆によって亡くなられた方の写真を見て、血すら出ずに黒こげになって人間が死ぬことが現実に起こるのか、起こってしまったのかと、とても怖くなりました。当時の証言を語れる人が少なくなる中、このようにテレビで学べるのはとてもいいなと思いました。(神奈川・高校2年・女子)

    • 『NHKスペシャル「沖縄 “出口なき”戦場~最後の1か月で何が~」』(NHK総合)太平洋戦争で起こった大規模な沖縄地上戦の最後の1か月に焦点を当て、米、日本両軍、民間人にインタビューしていてとてもリアルな戦争を伝えていて内容も重かった。インタビューの音声には「死」という言葉がかなり多く含まれていて、常に死と隣り合わせだったんだと思い、戦争の怖さを思い知った。(東京・高校1年・男子)

    • 『NHKスペシャル「沖縄 “出口なき”戦場~最後の1か月で何が~」』(NHK総合)番組を見ていちばんの感想は、「あぁ、私は戦争について何も知らないんだ」という後悔だった。当時の様子をそのまま放送しているところに嬉しさを感じた。いくら無残な死体でも、当時を知らない私たちは目に焼きつけ、少しでも戦争の怖さを知るべきだと思う。(東京・中学3年・女子)

    • 『ドラマ×マンガ「あとかたの街~12歳の少女が見た戦争~』(NHK-BSプレミアム)この番組を見て、いちばん最初に感じたのは独特な構成だなということです。普通のドラマかと思いきや、漫画が所々に入ってくるという初めて見る形式で、心が引き付けられました。俳優さんが演じることで躍動感が生まれるというドラマの良さもあり、映像が動かないことで、見ている人たちが自分自身の頭の中で映像を作り上げていくという漫画の良さもありました。戦争というテーマですが、難しくなってしまわないようにストレートに思いを伝える言い回しは、そのまま視聴者にも真っすぐ届いたように思います。(東京・高校1年・女子)

    • 『#あちこちのすずさん』(NHK総合)最初の若者へのインタビューであったように、自ら戦争経験者に聞くのはハードルが高く、聞きづらい事に共感でき、このような戦争のエピソードを見やすくアニメで放送するのは、いい番組構成だと思いました。僕の祖父母も沖縄戦の体験者ですが、こちら側から体験談を聞こうとすることには抵抗があり、同じような気持ちの人も多くいるのではないかと思いました。今は、コロナの影響で家にいる時間が長いのでアニメ番組で子どもが見やすいのでもっと早い時間で放送してもいいと思いました。(沖縄・中学3年・男子)

    • 『NHKスペシャル「渡辺恒雄 戦争と政治~戦後日本の自画像~」』(NHK総合)戦争はビジネスだと思っている人もいたそうです。その話を聞いて、命をかけて戦争に行った人を、金を回すためだけに行かせたと思うと何とも言えない複雑な気持ちでした。(秋田・中学2年・男子)

    • 『にっぽん ぐるり「語りだす被爆建物」』(NHK総合)全体的にナレーションが少なくて見やすい。特に、被害に遭った建物を映すときにナレーションがなくて見やすかった。75年前の出来事で私たちには遠い昔の出来事に思えるが、「声のない叫び」が聞こえてくるような気がした。(宮城・中学1年・女子)

    • 『“ひめゆりの声”を届けたい~戦後75年 生まれ変わる資料館~』(NHK総合)新しくなったひめゆり平和祈念資料館がどのようにして新しくなったのかを紹介していました。学徒隊の方々が作った資料館は長い文章が多く、今の若い人たちには読む気が失せるなどという意見が来ていて、リニューアルで変える点の1つになっていました。長い文章を短めにし、イラストを増やすという案でそれなら分かりやすくて見やすいものになるなと思いました。戦争の事実を伝えるためにはどんどん時代に合わせた伝え方をする必要があるのだなと思いました。もし、この番組の続編となる番組が作られるなら資料館に来た人がどのようなことを思ったのかなどを紹介するコーナーが入ったら嬉しいなと思いました。(埼玉・中学2年・女子)

    • 『NHKスペシャル 選 ドラマ「東京裁判」』(NHK総合)戦時中の人々の苦悩などではなく戦争が終わった後の「戦争は犯罪であったのか」という問いに取り組んだ東京裁判にフォーカスされていたのでとても興味がわき視聴した。外国人の俳優の方々のセリフもすべて日本語で吹き替えられていたり、ナレーションで詳しく場面説明がされたりと、高校生の私でもとても理解しやすかった。教科書で静止画でしか見たことのない場面をリアルに見ることができた感じがして刺激的だった。こういう作品を学校で見ることができたら良いのに、と思った。(千葉・高校2年・女子)

    • 『“焼き場に立つ少年”を探して』(NHK Eテレ)この番組で取り上げられている“焼場に立つ少年”は、10歳位の男の子で、背中に亡くなってしまった弟か妹を背負ってその子の火葬を待っている。私にも弟がいるが、同じ状況に直面したとき、この少年のように泣くのをこらえているような、何かを耐えているような表情をしていることができるのだろうか、と考えた。そもそも私たちは死というものは遠いもので、あまり深く考えることは少ない。しかしこの時代の子どもたちは死をすぐそばに感じて生きていたのだと考えるととても切ない気持ちになる。この少年のように原爆で親を失い、子どもだけで生き抜いきた人の話も取り上げられていた。中には誹謗中傷に耐えられず自殺してしまった人もいると聞き、戦争が終わってもなお残る被害は大きいのだと感じた。依然として世界各国では地域紛争など、戦時中の日本のような現状が続いている国が少なくない。『焼場に立つ少年』の少年たちのような思いをする子どもがでないよう戦争をなくし、平和に過ごせるようにしていくことがこれからの世界を作っていく私たちの課題である。(長野・高校1年・女子)

    • 『終戦75年スペシャル』(TBSテレビ)2部に渡った編成で様々な体験をした女性をインタビューしていました。前半は女子高生と共にインタビューを見るという内容でした。コロナの影響もあって女子高生の人数が少なく、また、少し居心地が悪そうに見えました。私はもっと活発に意見交換ができるように、高校生はバーチャルで出演にしたり、ツイッターで意見を募集したりした方が良いのではないかと思いました。後半は綾瀬はるかさんがインタビューした内容で、私が印象に残ったのは、広島の原爆によって肌がただれてしまった女性の話でした。何度皮膚を移植しても以前のように戻ることはなく、その女性は綾瀬さんに「今あなたが美しくて嬉しい」と言っていたのが心に残りました。女性が美しくいられるのも平和があってのことなのだと気づきました。写真を手掛かりに丁寧に取材していて、責任をもって番組を作っているのが伝わってきました。(千葉・高校1年・女子)

    • 『戦後75年特別番組 日能研presentsラジオドラマ「青空」』(TBSラジオ)戦争関連の話から目を背けてはいけないと分かっていつつも、自分から進んで番組を視聴することはなかったのですが、このドラマは動物の視点から描かれていて、難しく感じる部分がほとんどなく、登場人物が全員生きて終戦を迎えることができ、クスリと笑えるシーンもあって、子どもでも聞きやすかったです。ラジオドラマを聞くのは初めてでしたが、生きるために盗みをはたらくシーンや「人生20年」というセリフなど、ハッとさせられるところも多く、飽きずに集中することができました。改めて、戦争がない世界を大切に守っていかなければならないという思いが強くなりました。(宮城・高校3年・女子)

  • 【自由記述】

    • 自分たちのような戦争を知らない世代がもっと戦争について知り、後世に伝えていく必要があると感じた。(長野・中学2年・男子)

    • 今年はコロナが大変で戦争に関する話題が薄れていたように思います。戦争に関する話を取り上げる機会を意識して作ってほしいです。(千葉・高校1年・女子)

    • 今年は終戦、原子爆弾投下から75年という節目の年なのに戦争に関連した内容の番組が少なすぎではないか?と思いました。原爆が投下された日にはもともとオリンピックが予定されていたので準備をしていなかったのかなとも思いましたが、もしそうであるならとてもやるせないです。(神奈川・高校2年・女子)

    • 75年という時による記憶の風化、また戦争体験者が高齢化により後世に伝える人が少なくなっているという実情に、新型コロナウイルスという新たな未知の災害が猛威を振るい、以前のような講演会を開けない状況が加わり更なる記憶の風化が起きてしまうのではないかという不安が大きくなっているということも伝えられていて、自分のような年代が戦争中の体験をした人たちからお話を聞ける最後の世代になるのかもしれないと思い、自分も息子などができた際には実際に聞いた話を後世に伝えていかなければならないという責任を改めて感じることができました。(茨城・高校3年・男子)

    • 外出がままならなくなった現在は、テレビの存在が今まで以上に重要で貴重な存在のように思えて、夏休みの今は、結構テレビを見ています。コロナで自宅待機が続いていますが、番組で、いろいろなスポットを紹介してくれたり、また生活が楽しくなるような情報を提供してくれたりするので、思ったほど不便さは感じません。さらに、いちばんの関心事のコロナに関する情報もテレビなしでは、あり得ません。それほどまでに、今の生活にテレビは必需品の1つになっています。(長崎・中学1年・女子)

    • 最近多くの番組が距離をとったりアクリル板を挟んだりしながらも元の撮影形態に戻ってきているように思います。感染者数が日に日に増えているこの状況の中で、対策を緩めて良いのかと少し心配があります。(東京・高校1年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『さよなら!インターハイ ミキと高校生の“校内放送” 』(NHK総合)最後の大会がなくなるのはすごくつらくて悔しいだろうなぁと思いました。こんな時期だからこそできる企画で、今の高校生の思いを聞けたので良かったです。(山形・中学1年・女子)

    • 『さよなら!インターハイ ミキと高校生の“校内放送” 』(NHK総合)私もせっかくの高校生活なのに楽しみだった行事もなくなり、時間がどんどん過ぎていくだけで歯がゆさを感じていました。この番組のような高校生が声をあげる機会を作ることで、また前に向かっていける気持ちになれればいいなと思います。また、校内放送の形式がまるでラジオのようで楽しそうだなと思いました。(千葉・高校1年・女子)

    • 『さよなら!インターハイ ミキと高校生の“校内放送” 』(NHK総合)番組のコンセプト(何をしたいのか)がよく分からなかった。おそらく、中止になったインターハイに関して全国の高校生の思いを共有するような番組だと思うが、番組内では”校内放送”の舞台になった1つの高校(出演者の出身校)に関する話題が多く、その高校に向けるえこひいきのような印象を受けた。インターハイが中止になり、同じようにつらい思いをした全国の高校生はこれを見てどう思うのだろうか。(熊本・高校2年・男子)

    • 『音が出たら負け』(日本テレビ)見ているこちらも息を潜めてしまうほど音のない番組で、テレビなのに音がないなんて斬新で面白いな、と思いました。私も実際体験してみたいな、と思いました。(長野・高校1年・女子)

    • 『音が出たら負け』(日本テレビ)いつも旬な出演者や若い人に人気のインフルエンサーたちが出演するのでいつも楽しみにしている。(東京・高校1年・女子)

    • 『炎の体育会TVSP』(TBSテレビ)生放送の対決はとても見ごたえがありました。(長崎・高校2年・男子)

    • 『炎の体育会TVSP』(TBSテレビ)コロナの影響でプロ野球の試合数が減って地上波で野球を見ることが少なかったので、より一層楽しんで視聴できた。(千葉・高校2年・女子)

    • 『THE 名門校 全国すごい学校名鑑』(BSテレビ東京)都立日比谷高校の校長にカメラが密着し、どのような改革を行ったのかを取材していました。校長先生が自ら動いている姿や生徒さんが多く映っているところから親しみが感じられ、私のような若い世代にも見やすい作りがされていました。また、CMの前後で話題が切り替わるので、頭の切り替えもしやすかったです。CMの前と話題がつながっている時はその内容を忘れてしまうことが多いので、良い演出だなと思いました。(愛知・高校1年・女子)

    • 『BS1スペシャル「1945ひろしまタイムライン もし75年前にSNSがあったら」』(NHK-BS1)この番組の“高校生やスタッフさんが実際に被爆者の方の話を聞いてツイートを作っていく”という形に興味をそそられました。身近なSNSを通して戦争・原爆について考える機会があるということは、私など高校生に向けて特に意味のあることだと思いました。斬新で面白かったです。出演していた高校生たちが被爆者の方に「当時の気持ちがツイートで正しく再現されていない。行軍は憂うつだなんて思っていない」と言われた場面がありました。体験者にしか分かり得ないことがたくさんあるのだとわかりました。「実際に話を聞く」という行為で学ぶことはやはり大切で貴重だなと思いました。私事ですが、私の祖母は戦争体験者であるので、話を聞けるうちにたくさん聞いておこうと思いました。(東京・高校2年・女子)

    • 『サンドのぼんやり~ぬTV』(東北放送)新しくなった東北放送の社屋を探検するという内容で、番組作りの裏側をのぞけたような気持ちになれて楽しかったです。今までも何度かこの番組を見たことがありますが、地元宮城の良いところや人と人との縁が大切にされていて、毎回心が温まります。(宮城・高校3年・女子)

9月のテーマは、「今年4月から9月までで最も印象に残った番組について」でした。「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組」の欄も設けました。全部で27人から報告がありました。
「今年4月から9月までで最も印象に残った番組について」で複数のモニターから意見が寄せられたのは、『金曜ドラマ「MIU404」』(TBSテレビ)で、6人でした。それ以外のモニターは全員異なる番組を取り上げていました。
「自由記述」では、6人がコロナ禍での番組制作に関連した内容で記述していました。「リモート出演が減って嬉しい」という声がある一方で、「共演者同士、コロナをうつし合うのではないか」という心配の声がありました。また、「遠出しづらい中、旅番組で旅気分を味わい楽しんでいる」という声、「コロナで疲れた心を癒すような番組を作ってほしい」という放送局への要望もありました。そのほか、俳優の薬物所持・逮捕報道について考えをまとめたモニターもいました。
「青少年へのおすすめ番組」では、複数のモニターから意見が寄せられたのは4番組でした。『THE MUSIC DAY 2020』(日本テレビ)を7人が、『世界くらべてみたらSP』(TBSテレビ)と『もしもツアーズ』(フジテレビ)をそれぞれ3人が、『B面ベイビー!』(NHK Eテレ)をそれぞれ2人が取り上げていました。

◆委員の感想◆

  • 【今年4月から9月までで最も印象に残った番組について】

    • 『金曜ドラマ「MIU404」』(TBSテレビ)について、多くのモニターが報告してくれた。対照的な性格の2人が衝突しながら事件を解決していくようなバディものは刑事ドラマとかサスペンスではよくあるパターンだが、このドラマは1回1回の事件の深みがこれまでのドラマとは違っていた。今、現実に起こっていることが内容に取り入れられ、リアリティーがあり、社会的メッセージが大いに含まれていた。それが中高生にもしっかり届いていた。

    • 『金曜ドラマ「MIU404」』(TBSテレビ)について、あるモニターから「これまで報道で伝えられていても、自分の周りで起こっていることとしてリアルに感じられなかったことが、ドラマ上の脚色はあるとはいえ、きちんと認識できて、自分で調べてみようと思えました」という声が届いた。社会的な関心まで発掘したこのドラマは素晴らしい。

    • 『NHKスペシャル「豪雨災害 いま何が必要か~命を守る“避難スイッチ”~」』(NHK総合)を視聴したモニターが、自分も危険を感じたらすぐに行動して命を守ろうという強いメッセージを番組から受け取ったと感想を寄せた。若い人たちにとって、異常気象は自分たちの未来に関わる大きな問題だ。自分の問題として重く受け止め、この番組を見た人も多かったのではないか。

  • 【自由記述】

    • バラエティー番組の企画内容がどれも似通っているという指摘があった。「バラエティー番組なのだからバラエティーに富んだ番組をもっと見たいです」という意見をぜひ放送局に伝えたい。

    • ドラマやバラエティー番組などの続編を有料コンテンツで放送することに関して、モニターから「サイドストーリーならまだ分かるが、気になる終わり方をして続きは有料コンテンツでしか見られないということが多く、おかしい」という声が届いた。以前も同じような意見が来たと記憶している。テレビ局の事情はわかってはいるが、それでも、このように考える若い視聴者がいることをぜひ伝えたいと思った。

    • 「最近リモートではなくなってきた」「飲食店での撮影は密になることもある」など、最近のコロナ禍での番組の作り方からいろいろと感じ取っているモニターが多く、とても興味深い。

◆モニターからの報告◆

  • 【今年4月から9月までで最も印象に残った番組について】

    • 『金曜ドラマ「MIU404」』(TBSテレビ)第10話でSNSの脅威が鮮やかに描き出されていた。1人の人物が多数のアカウントでフェイクの動画をアップしたことで、街中の人がその内容を信じ込んでしまう様子が描かれていた。多少の脚色はあるにしろ、私たちが今このような世の中で生きているということに恐怖を感じた。(東京・中学3年・女子)

    • 『金曜ドラマ「MIU404」』(TBSテレビ)最後まで展開が予想できず、見入ってしまった。俳優の演技も狂気に満ちあふれていて、怖さを生み出し、作品の世界観に浸ってしまった。また、最後も完ぺきなハッピーエンドにしないところが面白いと思った。バッドエンドだと悲しく、ハッピーエンドすぎるとふに落ちず、その中間をとったのがいいと思った。(東京・高校1年・男子)

    • 『金曜ドラマ「MIU404」』(TBSテレビ)大ヒットした『アンナチュラル』と『逃げ恥』のスタッフがいるという安心感から見る人も多かっただろうなと思う。なんのドラマを見ようか、という時に裏方の人たちで選ぶことがないので、今度からチェックしてみようと思う。(東京・高校1年・女子)

    • 『金曜ドラマ「MIU404」』(TBSテレビ)あまり身近ではない初動捜査に全力をささげる機動捜査隊の様子が(おそらく)とてもリアルに描かれていて臨場感があり、見ていて引き込まれてしまった。当初の予定より数話分少なくなったそうだが、最終話に向けて決して詰め込んだ感もなく、最終話で主演の2人がマスク姿で登場した時(今のコロナ禍の日本と同じ世界)は、今までコロナ情勢を盛り込んだ作品を見たことがなかったので意外性に驚いた。続編を期待したい。(千葉・高校2年・女子)

    • 『金曜ドラマ「MIU404」』(TBSテレビ)在日外国人の技能実習生の問題を扱っていたことがとても印象に残りました。これまで技能実習生をめぐって、パワハラや長時間勤務などの問題が報道されていましたが、自分の身の回りで起こっていること、という認識があまりできていませんでした。ドラマ上の脚色も少しはあるかもしれませんが、ドラマとして今起きている問題を認識できると、ニュースで知るより関心が湧き、自分で調べてみようと思えました。(神奈川・高校2年・女子)

    • 『NHKスペシャル「豪雨災害 いま何が必要か~命を守る“避難スイッチ”~」』(NHK総合)今まで19回避難して、20回目の避難で家屋の土砂崩れから逃れたという人の話しがあり、ずっと「空振り」だったけど、それは20回目の避難のための「素振り」だったのだと紹介されていました。19回は「本番に向けての素振り」という表現に、私は無駄なことはないのだなと思い、自分も少しでも危険を感じたら、自分の命を守るための最大の努力をしようと思いました。集中豪雨の原因である「地球温暖化」の原因は、地球に住んでいる人間の生活活動によって生じる様々なものが原因と言われており、結局は、自分達人間が災害という形で、しっぺ返しをされているのかもと感じました。地球にも優しい生活様式に変えることが、自分自身の生活や命を守ることに通じるのではと、この番組を見て思いました。(長崎・中学1年・女子)

    • 『駅・空港・街角ピアノ スペシャル』(NHK総合)“音楽とは何か”自分はこれまで吹奏楽部の1人のメンバーとして音楽に携わってきましたが、この答えが出せないまま高校3年まで部活をやってきました。そんな時に偶然この番組の番宣を見かけ録画して見ることにしました。この映像を見て自分は音楽とは目には見えない人と人との絆をつなぐもの、自分の気持ちや思いをその曲を通じて伝える手紙のようなものなのではないのかと考えました。自分もこれからも、高校3年生になり吹奏楽部という部活動を引退した後も、どこかで音楽を通じて人を笑顔にさせたり、励ましたりできるようにしたいと思いました。(茨城・高校3年・男子)

    • 『クローズアップ現代+「新型コロナ 元感染者たちの告白」』(NHK総合)なぜこの番組が最も印象に残ったのかというと、コロナがインフルエンザのように1、2週間で回復する病気ではなかったことに気づかせてくれた大きな契機となったからです。これを知るまでは、新型コロナウイルスにはインフルエンザと同様、健康な方にはその後の体調不良は見られないのではないか、と考えていました。しかし現実はそうではなく、元感染者の3割近くが回復後もいまだに苦しみ続けている人がいることを知り、これからもコロナと共存していかなければいけない私たちにとって知らなければいけない情報だと感じました。(この番組が放送された)6月から約3か月が経ち、現在ではワイドショーを中心にもはや、コロナに関する報道が少なくなっています。(高知・高校3年・男子)

    • 『ソーイング・ビー』(NHK Eテレ)コンテスト出場者が作品を作っているところを映しているだけでなく、その課題の洋服などの歴史を紹介していたり、個人で作る作品を決める時にその出場者がどんなドレスを作っていくのかを図で説明していたりしていてとても分かりやすいです。日本のコンテスト番組ではあまり見ないような部分も多く、海外の番組とは違いが多いのだと思いました。違った点でいうと、ゲスト(モデルや身内)が多く登場したり、司会者と審査員と出場者の距離が近かったり、出場者が審査結果を待つ間のお茶の様子を映していたりしていたという点。日本にはこのような番組があまり多くないので、たまにはこのような番組参加出場者が少なく、長期間に及ぶコンテスト番組をもっとやってもいいような気がしました。(埼玉・中学2年・女子)

    • 『ファインド・ミー~パリでタイムトラベル~』(NHK Eテレ)毎週リアルタイムで見るほど楽しみにしている番組です。登場人物それぞれに家庭の事情や対人関係などに問題を抱えており、その悩むさまがとてもリアルで、登場人物と年代が重なることもあり毎回共感したり、深く考えさせられたりします。どの登場人物にも共感できるところ、欠点があるので、とても感情移入しやすいところも良いところの1つだと思います。こういったティーン向けのドラマは日本ではあまり制作されない印象があるので、とても貴重な枠だと思います。夜の時間帯に放送されているドラマも面白いのですが、もっと若い人に向けたメッセージ性のあるドラマが増えてもいいのではないかなと思います。(愛知・高校1年・女子)

    • 『報道特集』(TBSテレビ)特集で、公演再開までの東京都交響楽団の取り組み等が紹介されていた。私はこのコーナーを見て驚いたことがいくつかある。1つ目は、楽器ごとの飛沫についての実験結果だ。2つ目は楽器の特性や飛沫実験の結果によって舞台上での感染防止策(アクリル板など)を変えていたということだ。私はすべての奏者の横や前、後ろを仕切ったり距離を取ったりする必要があると考えていた。しかし、もちろん基礎的なものは必要だが、実際にはすべての楽器の前に、すべての角度にアクリル板を置く必要はないし、距離も飛沫の飛びやすさによって調整していた。楽器にも様々な特性があるから一律に定められた距離を取っておけばいいというわけではないのだなと思った。(東京・高校1年・女子)

    • 『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ)今回のテーマである「動く」にとても共感できました。何もしなければ何も変わらない、だからこそ今できることから始めてみようというのは素晴らしいことだと思いました。コロナウイルスの影響で直接会って何かをするということはできないけれど、離れた場所であってもこうして誰かを元気づけることができるというのは今いちばん必要なことなのではないかと感じ、それを視聴者に届けた24時間テレビが最も印象に残っています。(東京・高校1年・女子)

    • 『木曜ドラマ「未解決の女 警視庁文書捜査官」』(テレビ朝日/秋田朝日放送)たまにほかの作品とのコラボがあり、とても面白く、ほかの作品を見てみたくなるような工夫がされていると思いました。(秋田・中学2年・男子)

    • 『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ)塾から疲れて帰ってきてこの番組をうだうだと見るのを楽しみにしています。私がひかれるポイントは、占われる人の様々な人生や経験が見えるところだと思います。占い師の聞き上手話し上手の展開の仕方が聞いているだけで面白いし、言い当てるところは驚きや快感で、見るのが癖になります。言い当てられた過去のつらい出来事も、それで終わりではなくて、占い師にアドバイスをもらいながら自分の内面と向き合って、これからどうしていくかを考えるので、1人1人の話に深みがあるし、人間って面白いなぁと思います。(千葉・高校1年・女子)

    • 『夕方LIVE ゲツキン!』(熊本放送)平日18時台に放送されている報道番組の拡大版で、4日前に熊本で発生した豪雨災害に関連した報道特別番組。中盤では、災害発生前日に取材した映像を発生後の同じ場所の映像と合わせて放送されました。たった一晩の雨でここまで街が変わるんだと、かなりの衝撃を覚えました。その映像には出演の方(被災地域出身)も衝撃だったのか、放送中に涙を流されていて今でも強く印象に残っています。ただ、被災地の今の状況や発災後のドキュメント、かつてのダム建設計画の話題など、被災者以外に現状を伝える分にはとても充実した内容でしたが、被災者に必要なライフライン情報や、ボランティアの情報などが全体的に少ない印象でした。私は実際に被災した身ではないのでわかりませんが、発災4日ではまだそういった情報も必要なのかなとも思いました。(熊本・高校2年・男子)

  • 【自由記述】

    • 最近、テレビで「〇〇できたら100万円!」という企画が多いなと感じます。お金だけではなく、もっと違う方法で出演者に対して褒美を与えた方が新鮮味があって面白いのではないかと思います。バラエティー番組なのだから、バラエティーに富んだ番組がもっと見たいです。(愛知・中学2年・女子)

    • ずっと嫌だなと思っていたことがあり、それはドラマやバラエティー番組などの続編を有料コンテンツで放送することです。サイドストーリーならまだ分かるのですが、わざと続きが気になる終わり方をして、続きは有料でしか見られないということが多々あり、その部分はテレビと有料コンテンツできっちり分けなければいけないのではないかと感じています。(東京・高校1年・女子)

    • 飲食店などでのロケが増えてきたが、密を避けるために出演者同士が距離をあけているのは良いが、とても場を回すのがつらそうに見えてしまう。(千葉・高校2年・女子)

    • 各局が密を避けて収録をされていますが、結局何かの弾みで近くにいることもよく見かけるので、見ていて不安になりました。特に、番組の司会で共演をされていたお笑い芸人の方とアナウンサーが新型コロナウイルスにかかったニュースは、感染が共演によるものなのかは分わかりませんが、テレビ収録は危ないのだろうと、より感じました。(東京・高校2年・女子)

    • 最近バラエティー番組などで、リモートや電話での出演が少なくなって嬉しいです。同じスタジオでトークをしている方が面白いし、いいなぁと思いました。(岡山・中学2年・女子)

    • あまり外出できない状況なので、町を探索する番組やご当地グルメを紹介する番組を視聴して旅行気分を味わっています。マスクを着用しての撮影や中継を活用しての町の人たちとの関わりなど、どの番組も安全に工夫しているため安心して見られるし、改めて日本のことをより知ることができて楽しいと思います。(宮城・高校3年・女子)

    • コロナについて、最近はもうみんな慣れてきて騒ぎも落ち着いたと思います。でも、やっぱりどこかで疲れや心の負担を感じている人は多いと思います。テレビでリフレッシュや、心のケアができればいいなと思います。(千葉・高校1年・女子)

    • 学校でのコロナの話題は薄くなりいつも通りの生活が戻ってきました。もっぱら学校での話題は受験勉強や推薦入試など自分たちの将来に関する話がとても多くなりました。ですが、これから冬になるにつれてインフルエンザやコロナウイルスの再拡大などまた気を付けなくてはいけない日々が待っているのだろうなという不安も学校の中では出てきています。(茨城・高校3年・男子)

    • 芸能人が麻薬で逮捕され、ニュースも多く流れましたが、麻薬の恐ろしさをあまり伝えていないような気がします。本当に必要なことを今注目している時こそ伝えるべきだと思います。(東京・高校1年・男子)

    • 母から、最近は緊急性のないものも速報としてテレビに流れることが多いという話を聞きました。コロナウイルスの感染者数が速報として流れることがあるが、それはニュース番組で報道すればいいのではと言っていました。私も速報が流れてテレビに飛びつくと政治関連の緊急性のない内容であきれた経験があります。緊急性のない内容を速報として流すことは「速報」の価値を落とすことにつながるので不適切ではないかと思います。(愛知・高校1年・女子)

    • 『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』(日本テレビ)芸能人が小学校で習う問題に挑戦する番組で最終問題に挑戦せずにドロップアウトした場合に「わたしは小学5年生より賢くありません」と言うルールがあると知った。このようなルールは小さな子がみた時に誤解しかねないのでやめたほうがよい。せめて、賞金をドロップアウトする場合も問題を解くことはできるようにした方がよい。(千葉・中学1年・男子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『THE MUSIC DAY 2020』(日本テレビ)いろいろなジャンルの曲をグループでまとめて分かりやすくしていると思いました。幅広い年代にもわかるようなたくさんのジャンルがあったと思いました。(秋田・中学2年・男子)

    • 『THE MUSIC DAY 2020』(日本テレビ)8時間の音楽番組を放送してくれて嬉しかった。生放送で元気をもらった。(長崎・高校2年・男子)

    • 『世界くらべてみたらSP』(TBSテレビ)「世界の様々な国の人に同じ質問をすればどう返ってくる?」というとてもシンプルなテーマだけれども、意外と手間がかかる番組だと思いました。様々な国出身の外国人ゲストが出ていて、企画の結果がどうしてこうなったのかを考察を交えながら説明していて、より企画がわかりやすく頭に入ってくるなと思いました。(埼玉・中学2年・女子)

    • 『もしもツアーズ』(フジテレビ)横須賀はよく行っていた場所だったので、番組を見てまた行きたくなった。家族が家にいて夕食を食べている時間帯でもあるので、家族で楽しめる場所を紹介するのはかなりいいんじゃないかなと思った。(東京・高校1年・男子)

    • 『B面ベイビー!』(NHK Eテレ)ファンの視点から魅力が分かりやすく解説されていて、興味を持てました。出演者同士のトークの場面では、教室やタクシー車内など背景がかわいくて、自分も同じ空間にいるかのような感覚になれました。(宮城・高校3年・女子)

調査研究について

担当の中橋雄委員より、調査研究(テーマ「青少年のメディア・リテラシー育成に関する放送局の取り組みについて」)に関し、進捗状況について報告がありました。

以上

第225回 放送と青少年に関する委員会

第225回-2020年7月

視聴者からの意見について…など

2020年7月28日、第225回青少年委員会をBPO第2会議室で開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、まず6月16日から7月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
恐怖心をあおるようなホラー映画のCMに対し、「番組と違ってCMは視聴を選択できない。子どもがいるので放送時間帯を考慮してほしい」などの意見が寄せられました。これについて、委員からは、「何万という人が見たとき、ごく小さい割合でもかなりの人数になってしまう。その人たちが怖いからやめてくれ、と言い出した時に、それを放っておいていいのか。ただそれを全部取り上げていると何も成り立たなくなってしまう」などの意見が出されました。
7月の中高生モニターのリポートのテーマは、「最近見たバラエティー番組について」でした。29人から報告がありました。
モニターからは、冒険をテーマにしたバラエティー番組について、「何よりもよいと思ったのは企画に挑戦する一人一人の色がとても出ていることです。また、企画、お題、スタッフによるコメントの質が良いことも大きいと思います。おそらく、企画やお題のみを決め、あとのことは挑戦者に任せ、スタッフがあまり関与しないところが良いのだと思います」、日本国内や外国で起きた出来事に対して、どのようにしてその困難を突破していったか、というクイズ形式の番組について、「特に印象に残ったのは、自転車の迷惑駐輪の撃退方法です。どのような行動をしたら、迷惑駐輪が止まったのか、というクイズが出されました。その時に、スタジオにいるタレントが面白おかしく回答するのですが、結局答えは『自転車捨て場』という立て札を立てることによって、迷惑駐輪が止まったということでした。そこに駐輪すると捨てられてしまうという心理を利用したもので、ちょっとしたひとひねりで、問題を解決できるのだなと感心しました。全体を通して思ったことは、スタジオのタレントの回答時間が長すぎるということです。もっと短めにして、他の出来事の紹介を増やしてほしいと感じました」、人気アイドルグループとゲストチームが、いろいろなゲームをして得点を競うバラエティー番組について、「数人がスタジオに集まり、アクリル板で隔てるなどソーシャルディスタンスを保つ工夫をしながらゲームを行っていました。完全に以前通りとはいきませんが、ゲームの形態も今までの形に戻ってきたことをうれしく感じました。嵐5人やゲストが距離を隔てながらも集まっているのを見るには久しぶりで、皆が、中継ではなく実際にコミュニケーションを取り合う姿が見られました。リモートもよいのですが、人と人とのコミュニケーションは実際に会って会話するなかで生まれることを痛感しました」、などの意見が寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
8月は休会とし、次回は9月29日に定例の委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2020年7月28日(火)午後4時30分~午後6時30分
場所
放送倫理・番組向上機構[BPO]第2会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

6月後半から7月前半に寄せられた視聴者意見について議論しました。
委員からは、次のような意見が出されました。
「今回青少年委員会として問題にするような番組は特になかったが、今後問題になってくるのではないかと示唆されるものがあった。
バラエティー番組において、情報番組のリモート出演を模した設定で、タレントの自室に、突然黄色い通学帽をかぶりランドセルを背負った水着姿の女性が現れ、タレントがうろたえるという演出に対して、『女性蔑視で、児童の性的対象化にあたるのではないか』といった意見が寄せられた。これが、子どもの性的対象化になると理解されることは少ないと思うが、広い意味でのセクハラということで、世の中がセンシティブになってくると大きな問題になるかもしれない」
また、恐怖心をあおるようなホラー映画のコマーシャルに対して、「番組と違ってCMは視聴を選択できない。子どもがいるので放送時間帯を考慮してほしい」「子どもが見て夜寝られなくなった」「視聴者には敏感な人や子どももいる」などといった配慮を求める意見が寄せられました。
これに対して委員からは、「このCMを見て平気な人も多いだろうが、これは受け止め方の振幅が広い話題なので配慮も必要なのではないか」「何万という人が見たとき、ごく小さい割合でもかなりの人数になってしまう。その人たちが怖いからやめてくれ、と言い出した時に、それを放っておいていいのか。ただそれを全部取り上げていると何も成り立たなくなってしまう、難しい問題だと思う」といった意見が出されました。

中高生モニター報告について

33人の中高生モニターにお願いした7月のテーマは、「最近見たバラエティー番組について」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で29人から報告がありました。
「最近見たバラエティー番組について」で複数のモニターから意見が寄せられたのは5番組でした。『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)に3人から、『アイ・アム・冒険少年』(TBSテレビ)と『THE 突破ファイル』(日本テレビ)、『世界まる見え!テレビ特捜部』(日本テレビ)、『世界一受けたい授業』(日本テレビ)にそれぞれ2人から報告がありました。それ以外は別々の番組を取り上げており、全部で23番組について感想が寄せられました。「毎週(毎回)見ている」という記述が随所に見られ、特定の番組を視聴する習慣があることが伺えました。
「自由記述」では、新作ドラマの放送やリモートでないスタジオ番組の放送を喜ぶ声、その一方で、新型コロナウイルス第2波への不安が複数寄せられました。また、コロナ禍での災害報道の在り方について記述したモニターもいました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『NHKスペシャル「タモリ×山中伸弥 人体vsウイルス~驚異の免疫ネットワーク~』(NHK 総合)を10人が、『坂上&指原のつぶれない店』(TBSテレビ)を3人が、『世界10代コロナ会議』(NHK Eテレ)と『BS1スペシャル レバノンからのSOS~コロナ禍追いつめられるシリア難民~』(NHK-BS1)、『池上彰の人類vsコロナ危機~徹底検証!あの時何が起きたのか~』(テレビ東京)、『タカアンドトシの今夜、宿ナシ二人旅SP 北海道ぐるり1700キロ』(北海道文化放送)をそれぞれ2人が取り上げています。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たバラエティー番組について】

    • モニター報告から、若い世代は単に笑えるというだけでなく、知的な要素もバラエティー番組に求めているのだと思った。「笑える」「知的」の両方がそろったものを評価するというのが今どきの傾向のように感じている。

    • 『オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。』(日本テレビ)「違法転載されるくらいなら、テレビ局が公式にユーチューブで映像配信を行えばいいのではないか。もっと攻めの姿勢でユーチューブを利用したらどうか」というモニターがいた。テレビの力で、面白い映像を制作し、ユーチューブで番組を宣伝するというのは良い提案だと思う。

  • 【自由記述】

    • 番組の再放送が中高生に好評のようだ。再放送ではあるが、この世代にとっては初めて視聴するものばかりで興味を持って受け入れられている。これは、新型コロナウイルスで番組制作を自粛せざるを得なかった期間に明らかになった重要な事実だと思う。

    • 数人のモニターが、芸人などコンビで活動する人たちがスタジオ収録時にどのような距離で出演しているかを気にしていた。「コンビだと一緒に住んでいたり移動の時には近くにいることが多かったりするはずなのに、番組の時だけつい立てで隔てられているのをどう理解したらいいのか」という感想や、逆に、「ほかの出演者が距離をとって座る中、コンビ芸人は隣同士で座っている。距離を取るならきちんと取ってほしい」という意見もあり、興味深かった。

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『NHKスペシャル「タモリ×山中伸弥 人体vsウイルス~驚異の免疫ネットワーク~』(NHK 総合)CGが丁寧に作りこまれていて、中高生にもしっかりと内容が伝わっていた。いい番組だったと思う。

    • 『世界10代コロナ会議』(NHK Eテレ)新型コロナウイルスの感染拡大によって当たり前が当たり前ではなくなってしまった現実を描写した部分に、モニターがとても共感していた。10代の本音を描いたこのような番組は、やはり青少年にとって身近で重要なのだと感じた。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見たバラエティー番組について】

    • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)海外ロケを行っているイッテQは、コロナの影響を最も受けている番組なのではないかと感じます。その中で、国内で何とか試行錯誤してロケを行い、いつもと変わらない面白い番組を作っているのは本当に素晴らしいなと改めてイッテQの凄さを感じています。(東京・高校1年・女子)

    • 『アイ・アム・冒険少年』(TBSテレビ)何よりも良いと思ったのは企画に挑戦する一人一人の色がとても出ていることです。また、企画、お題、スタッフさんによるコメントの質が良いことも大きいと思いました。おそらく、企画やお題のみを決め、あとのことは挑戦者に任せ、スタッフさんがあまり関与しないところが良いのだと思います。(千葉・中学1年・男子)

    • 『THE突破ファイル』(日本テレビ)私はこの番組が大好きで、必ず毎週見ています。今回はスペシャルだったので、見ごたえがありました。特に印象に残ったのは、自転車の迷惑駐輪の撃退方法です。どのような行動をしたら、迷惑駐輪が止まったか、というクイズが出されました。その時に、スタジオにいるタレントが、面白おかしく回答をするのですが、結局答えは「自転車捨て場」という立て札を立てることによって、迷惑駐輪が止まったということでした。そこに駐輪すると捨てられてしまうという心理を利用したもので、ちょっとしたひとひねりで、問題を解決できるのだなと感心しました。全体を通しは、スタジオのタレントの回答時間が長すぎると思いました。もっと短めにして、他の出来事の紹介を増やしてほしいと感じました。(長崎・中学1年・女子)

    • 『THE突破ファイル』(日本テレビ)知識と機転の良さがいざという時に光るものだと感じた。知恵を学べて良い番組だと思う。(東京・中学3年・女子)

    • 『世界まる見え!テレビ特捜部』(日本テレビ)世界の様々なことを取り上げているからこそ面白いところもありますが、日本のことを絡ませても面白くなるのではないかとも思いました。(埼玉・中学2年・女子)

    • 『世界一受けたい授業』(日本テレビ)この日は3本立てで、全体を通じて、1つのテーマにかける時間がちょうど良く、ジャンルの違うものを並べることで最後まで飽きずに見ることができました。また、その道の専門家ではなく俳優さん、タレントさんが説明してくださることでより親近感を感じながら見ることができました。直した方が良い点として気になったのは「トーク」と「VTR」のバランスです。VTRが若干多いなと感じました。スタジオでのトークも芸人さんがいることで面白く感じたので、どちらをメインに取るか、どのような形式で番組を放送していくのか、もっとしっかりした骨組みを考えた方が良いと思います。(愛知・中学2年・女子)

    • 『有田プレビュールーム』(TBSテレビ)普段演出される側のタレントたちが自らプロデュースした企画を放送する点が面白かったです。次はどんなタレントのどんな企画が見られるのかと楽しみです。テレビを作る人・出る人たちがどんな思いでいるのかを垣間見た気持ちになれました。ゲストのコメントや演出の意図をもう少し聞きたいと思いました。(宮城・高校3年・女子)

    • 『オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。』(日本テレビ)この番組はユーチューブでも公式チャンネルで短い動画が配信されていて、深夜枠でもいろんな人に知ってもらえる機会があり、うまい活用をしていると思います。私はユーチューブをよく開くので、違法転載されるくらいなら公式のテレビ局から、しかし、ユーチューブでも未公開映像などをもっと配信してほしいと思います。ユーチューブとの違いを出してほしいので、テレビの立派なスタジオを活かした企画や、想像しなかった人同士の組み合わせが生まれる機会をつくる企画など、テレビの大きな力で面白い番組を作ってほしいです。(千葉・高校1年・女子)

    • 『クイズプレゼンバラエティー Qさま‼』(東日本放送/テレビ朝日)「〇〇大卒業」と書かれているが、それをなくしてほしいです。こういうのが学歴社会を生み出してしまっているのかなと考えました。(宮城・中学1年・女子)

    • 『マツコ&有吉 かりそめ天国』(名古屋テレビ/テレビ朝日)視聴者の投稿から話されるので、どちらかというとラジオに近いかもしれません。ただ、テレビということを活かして時々絵が入ったり、検証してほしいというものに対しての検証結果の映像が流れたりなど両方のメディアの良いとこ取りをしているように感じました。また、トークが面白いお二方だからこそ成り立つ番組だなと毎回思います。1つの投稿からどんどん話題が膨らみ、「あるあるー」というものから、「えっ」と驚かされるエピソードまで毎回面白い方向へ展開されていき、声を出して笑いながら見ています。(愛知・高校1年・女子)

    • 『痛快TVスカッとジャパン』(フジテレビ)以前から視聴してきました。もう少し身近なものを集めてくれたらもっと楽しく視聴できると思いました。(東京・中学2年・男子)

    • 『VS嵐』(フジテレビ)数人がスタジオに集まり、アクリル板で隔てるなどソーシャルディスタンスを保つ工夫をしながらゲームを行っていました。完全に以前通りとはいきませんが、ゲームの形態も今までの形に戻ってきたことが嬉しく感じました。嵐5人やゲストが距離を隔てながらも集まっているのを見るのは久しぶりで、皆が、中継ではなく実際にコミュニケーションを取り合う姿が見られました。リモートも良いのですが、人と人とのコミュニケーションは実際に会って会話する中で生まれることを痛感しました。(長野・高校1年・女子)

  • 【自由記述】

    • いろいろと新たな撮影がされ始めました。こんな日常が、とっても嬉しいです。でも、第2波が来ているので心配です。テレビは、世の中の状況から影響を受けて、すぐに反映するんだなと、今回のコロナ騒動で感じました。いつも通りの放送がずっと続いてほしいです。(長崎・中学1年・女子)

    • 芸能人のコンビの人は、一緒に住んでいたり、移動の時など近くにいることも多いのに、番組の時だけ「ついたて」があるのは違和感がある。(岡山・中学2年・女子)

    • スタジオ収録で出演者同士の距離をとって撮影している番組が多いが、コンビの芸人さんだとやはり距離が近い番組が多く、仕方がない部分もあるとは思うが距離をとるならきちんと取ってほしいなと思いました。(埼玉・中学2年・女子)

    • 今、日本は自然災害やコロナの影響が大きく出ているのでもっと注意喚起をする番組が増えてもいいと思った。(中学3年・沖縄・男子)

    • 7月の豪雨災害は、私の地元熊本でかなりの被害がありました。今年は新型コロナの影響で、遠方からの一般ボランティアがなかなか入れず、行政・マスコミ関係の応援でしか現地入りできない状況です。また、今までの災害よりは東京キー局はじめ各地の応援が少ない状況もあってか、豪雨関連報道が少なく感じてしまいます。コロナ流行後初めての災害であったため、各局も報道の仕方について手探り中だと思います。ウィズコロナ時代の新しい災害報道に期待しています。(熊本・高校2年・男子)

    • 新しく撮影した番組が増えて嬉しく思います。ですが、再放送があまりされてこなかった番組をコロナ期間中に見ることができたので、再放送の番組を見たい気持ちもあります。(長崎・高校2年・男子)

    • 昔のドラマの再放送が始まり、当時リアルタイムで見ていた母と初めて見る私で視聴して楽しんでいます。これからも昔の面白いドラマをどんどん地上波で再放送してほしいです。(千葉・高校2年・女子)

    • 三浦春馬さんの自死についてどの報道番組でも取り上げられているが、本人にしか分からないことを他の誰かが憶測で語っていたのが不快だった。そっとしておくべきだ。(東京・高校2年・女子)

    • 虐待死のニュースを見ました。命が失われてしまうことはあってはならないことで、二度と起こらないよう行政や保護者、周囲の人の責任を問うことも必要だとは思います。しかし、せっかく大きな影響力を持っているメディアなのだから、画面の向こうの同じことをしてしまいそうな人(今回だと虐待してしまいそうな人)のために、相談できる施設や窓口などを紹介してみても良いのではないかと感じました。いじめや自殺のニュースも同様に思います。(宮城・高校3年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『NHKスペシャル「タモリ×山中伸弥 人体vsウイルス~驚異の免疫ネットワーク~』(NHK 総合)新型コロナウイルスが感染した時に体内で起きていることをCGを使って映像にして説明していたのでとても分かりやすく、さらに世界の研究を紹介していて、ニュースだけでは知れないことが多く、興味深かった。(東京・高校1年・男子)

    • 『NHKスペシャル「タモリ×山中伸弥 人体vsウイルス~驚異の免疫ネットワーク~』(NHK 総合)と『日曜ビッグバラエティ 池上彰の人類vsコロナ危機~徹底検証!あの時何が起きたのか~』(テレビ東京)新型コロナウイルスがどんな形なのか知らなかったので、ニュースで報道されている1日の感染者数や緊急事態宣言だけでなく、ウイルスそのものがどんな形で、どうやって増殖していき、何が怖いのか、今まで知っていたようで知らなかったことを知る良い機会になりました。もっとウイルスの本質を見つめ直す番組を制作してほしいと思います。(愛知・中学2年・女子)

    • 『坂上&指原のつぶれない店』(TBSテレビ)初めてこの番組を見たのですが、とても面白く、これから毎週見たいと思いました。お店の方の人柄やそのお店を始めた思いなどもくみ取ることができ、ただ面白いだけでなく、優しい気持ちにもなれました。(東京・高校1年・女子)

    • 『世界10代コロナ会議』(NHK Eテレ)国境を越えて世界の様々な10代の人たちがビデオを通して、自分たちの置かれている環境や世界に対する課題を語り合っていて、ニュースでは知ることのできないような10代の思いを知ることができました。(埼玉・中学2年・女子)

    • 『世界10代コロナ会議』(NHK Eテレ)「外出したり、友人と会ったりそんな日常が僕の元気の源だったんだ」という言葉が印象的でした。確かに、当たり前が当たり前じゃなくなってしまった。しかし、コロナが終息し、また友人と再会した時、その当たり前がどれだけ素晴らしいものなのか考えさせられる、いい経験だと感じています。(高知・高校2年・男子)

    • 『BS1スペシャル レバノンからのSOS~コロナ禍追いつめられるシリア難民~』(NHK-BS1)私には何ができるのか考えさせられたが、服をあげること以外に何も思いつかなかった。平和な世の中しか知らなかった、私は世界を少しもちゃんと見られていなかったのだと思い知らされた。これから少しずつ難民への理解を深めていきたいと思う。(東京・中学3年・女子)

    • 『タカアンドトシの今夜、宿ナシ二人旅SP 北海道ぐるり1700キロ』(北海道文化放送)新型コロナウイルスの影響で今は旅には行けませんが、コロナがおさまったらこんな旅に行きたいです。(秋田・中学2年・男子)

調査研究について

担当の中橋委員より、調査研究(「青少年のメディアリテラシー育成に関する放送局の取り組みについて」)に関して、進捗状況について報告がありました。

以上

第224回 放送と青少年に関する委員会

第224回-2020年6月

視聴者からの意見について…など

2020年6月23日、第224回青少年委員会をBPO第2会議室で開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、まず3月16日から6月15日までの3か月間に寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
新型コロナウイルスを取り上げた、報道・情報番組について「子どもが家にいるのに政府の対応への批判を垂れ流している」「感染者の出た学校名を挙げて報道している。これは気持ちが弱っている子どもに追い打ちをかけているようだ」などの意見が寄せられました。これについて委員からは、「政府の政策判断についての批判という視点で番組を構成すること自体は悪いとは思わないが、その前提として“事実の報道”の上での評価ということがあると思う。そのあたりが視聴者に伝わりにくいこともあって、このような意見が出てきたのではないか」などの意見が出されました。
中高生モニターについても、3か月分のリポートについて議論しました。
4月の中高生モニターのリポートのテーマは「これまでで一番印象に残ったテレビ・ラジオ番組について」でした。32人から報告がありました。
モニターからは、老舗足袋メーカーがランニングシューズの開発に挑む姿を描いたドラマについて、「このドラマから、どんなに苦難があっても神様がほほ笑むのは目標に向かってただ走り続けるだけだ、ということを学んだ。そして、その神様は人間だ。目標に向けて走り続ける者を見て、同情や憧れを感じて仲間になってくれたり、助けてくれたりする。そんな人間は必ずどこかにいる。そんなことを学んだ」、フェイクニュースをテーマにしたドキュメンタリ―番組について、「強烈に印象に残っているのは、メキシコで無実の男性2人が、フェイクニュースによって市民に殺害された事件です。市民が、ネットの情報がフェイクであるかを確かめる前に騒ぎを大きくし、人々の正義心を利用して、殺害は躊躇なく実行されました。フェイクニュースが『殺人』というところまで人々を動かせたという実例はあまりに衝撃的であった。…フェイクニュースは真面目なものから滑稽なものまで日々の生活にあふれているので、例えばTwitterのフェイクニュースの紹介と注意を促すような、情報番組のひとコーナーなど、若者に寄り添ったコーナーがあったら面白いなと思いました」などの意見が寄せられました。
5月のテーマは「最近見たニュース・報道番組について」でした。32人から報告がありました。
モニターからは、夜のニュース番組について、「この番組を見て、特に二つの良い点を思いつきました。一つ目は、国内のことから海外のことという放送順であったことです。コロナウイルスの内容が主でしたが、国内のことを伝え、その後、海外でどのような動きがあるかを伝えていたことにより、視点をスムーズに切り替えることができ、理解しやすかったです。二つ目は明るい内容を取り上げていたことです。コロナウイルスの影響により、ロボットの開発が進んでいるというものです。世の中が暗くなっている中、未来を見据えたロボットの進化というニュースは、世の中に少し光を差してくれたような気がします。一つ気になった点は、都市のインタビューばかりで地方の様子があまり分からないことです。地方はどのように考えているのか、東京都との影響の差はどのくらいあるのかなど、都市部と地方の比較した情報がもう少しあると良いと考えました」、別の夜のニュース番組について、「(新型コロナ関連のニュースで)公園で遊んでいる子どもに対してのインタビューが放送されていたが、インタビュアーが『コロナの影響で学校に行けないのは悲しいですか?』『早く学校に行きたいよね』のような答えが聞かずともわかるものであり、有意義なインタビューに感じられなかった。休校期間中、家での自粛で気が滅入る中、せっかく気晴らしのために外で遊んでいる子どもに対して現実を再認識させるようなこのインタビューは必要だったのか?」、新型コロナウイルス関連のニュース全般について、「いつもニュースをつけると感染者が増えた減った、接触は8割減などいつ見ても毎日同じことの繰り返しだったような気がします。家にいる時間が長くなると見る時間も増えるのですが、テレビを見ても気が張ってしまって疲れる感じもありました。コロナ鬱と報道されることも増えましたが、それは共感して気持ちが楽になることと同時に気持ちを煽る可能性も感じました。…最近はコロナウイルスについてどうすべきかの議論が盛んになっていますが、私は議論する側に熱が入りすぎて怒り口調になりすぎてしまうのが苦手に感じます。…テレビでの話し合いは小さい子も含め多くの人の目に入るので、自分の意見をぶつけるだけでなく互いの話を聞き入れながら解決策を探るなど、話し合いも有意義だと思えるような、手本になるようなものを心がけてほしいと思います」などの意見が寄せられました。
また、6月のテーマは「最近見たドラマについて」でした。30人から報告がありました。
モニターからは、家政夫を主人公にしたドラマについて、「(この日の放送は)再放送ではなく、新しい話のドラマが作られていました。それだけでもびっくりしたのに、さらにドラマは一人一人がテレビ会議みたいな感じで、画面の中の画面で演技していて、今の自粛が続いている現状にピッタリなドラマに仕上がっていました。…そして、このドラマが大好きなもう一つの理由は、毎週毎週、何らかの『家事テク』が紹介されることです。…この『家事テク』が大好きで、いつも母に教えてあげています。…さらに、もう一つこのドラマが好きな理由は、必ず、最後に主人公が、意味深というか、なるほどと思うセリフを言う点です。…『ほんの少し工夫をしてやり直すだけで改善される』という言葉もありましたが、この言葉は、大人の夫婦の世界の話だけでなく、中学生である自分の生活を振り返ってみても同じことが言えるかも、と思いました」、2002年に放送された学園ドラマの再放送について、「学園ドラマというジャンルのドラマは今でも多いが、10年以上前の作品が今でも人気があるのはすごいなと思いました。…主人公に対して生徒たちが反発しながらも少しずつ距離を縮めていくところが学園ドラマらしく、見ごたえのあるものだと思いました。…学校が徐々に再開してきているタイミングでの放送だったので、学校で先生に会うのがとても楽しみになるなと思いました」などの意見が寄せられました。
次回は7月28日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2020年6月23日(火)午後4時30分~午後7時15分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第2会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

3月16日から6月15日までに寄せられた視聴者意見について議論しました。
新型コロナウイルスを取り上げた報道・情報番組に対して「子どもが家にいるのに政府の対応に対する批判や悪口を垂れ流している。教育上良くない」「感染者の出た学校名を挙げて報道している。これは気持ちが弱っている子どもに追い打ちをかけているようだ」などの意見が寄せられました。
これに対して委員からは、「報道や情報番組で、政府の政策判断についての批判など、そういった視点を持った番組構成自体が悪いとは思わないが、批判をする前提として“事実の報道”をした上で評価をしていると思う。そのあたりの工夫が視聴者に伝わりにくいこともあって、このような意見が出てくるのではないか」などの意見が出されました。
バラエティー番組でコロナ自粛生活の家庭での悩みを相談するコーナーに電話で出演した女性音楽家が、思春期を迎えた息子について「変な臭いがしてきた」「アニメの女性キャラクターの胸の画像を重点的に見ている」などと発言したことに対して、「学校でいじめられる可能性がある」「性癖を暴露しているようで、子どもの虐待と同じレベルだ」などとの意見が寄せられました。
これに対して委員からは、「スタジオ出演者とのやり取りは息子を笑い物にしたり、深刻にとらえたものでなく、思春期の男の子では特別なことではないという感じでやっている」「音楽家自身もオープンな感じを売りにしているので、問題ないのではないか」などの意見が出されました。
これらの件に関しては、これ以上話し合う必要はない、となりました。

中高生モニター報告について

今月は、4月、5月、6月のモニター報告について話し合いました。
2020年度になり、新たにモニターを依頼した33人に初めてお願いした4月のテーマは「これまでで一番印象に残ったテレビ・ラジオ番組について」でした。「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設け、全部で32人のモニターから報告がありました。
「これまでで一番印象に残ったテレビ・ラジオ番組について」では、テレビ番組について29人が、ラジオ番組について3人が記述していました。複数の意見が寄せられたのは、『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)で2人から、その他はそれぞれが別々の番組を取り上げていました。テレビ番組のジャンル別では、バラエティーに12人、ニュース・報道・ドキュメンタリーに8人、ドラマに4人、音楽番組とアニメにそれぞれ2人ずつ、教育番組に1人から報告がありました。
「自由記述」では、新型コロナウイルスに関連して記述したモニターが15人いました。各局のニュース番組の報道内容についてかぶり感があるという不満、ウェブ会議ツールを活用した情報番組や無観客のバラエティー番組への感想などが目立ちました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ)に7人が、『音楽チャンプ~5か月で全国3000人を調査!歌うま日本一決定戦~』(テレビ朝日)に5人が、『世界にいいね!つぶやき英語』(NHK Eテレ)に2人が感想を寄せています。
今回のレポートでは、新型コロナウイルスで亡くなった志村けんさんが出演した番組を視聴し、「笑い」や「優しさ」について考察を深めたというモニターが多かったのも印象的でした。

◆委員の感想◆

  • 【これまでで一番印象に残ったテレビ・ラジオ番組について】

    • 番組を、自分の興味や進路などに結び付けて考えながら視聴しているモニターが多く、興味深かった。

    • 『NHKスペシャル デジタルvsリアル 第1回フェイクに奪われる“私”』(NHK 総合)「特集のような形もよいけど、日常的にそういうフェイクニュースの注意とか紹介とかをするような番組のコーナーとかあったらいいのではないか」という提案があったが、ぜひ制作者に伝えたいと思った。

    • 『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)について書いたモニターが、3年間天気を担当した気象予報士が番組を卒業するということでスタジオにいた人たちの拍手がとても大きくて驚き、単にスタッフの数が多いというだけではない番組の温かさを感じたという。こういうちょっとしたところを見られているのだと改めて感じた。

◆モニターからの報告◆

  • 【これまでで一番印象に残ったテレビ・ラジオ番組について】

    • 『NHKスペシャル デジタルvsリアル 第1回フェイクに奪われる“私”』(NHK 総合)コロナウイルスによって生活が振り回されている中で、何の情報が正しいのか疑問に思うことがあり、関連してフェイクニュースについても知りたいと思い、見てみました。強烈に印象に残っているのは、メキシコで無実の男性2人が、フェイクニュースによって市民に殺害された事件です。市民が、ネット情報がフェイクであるかを確かめる前に騒ぎを大きくし、人々の正義の心を利用して殺害は躊躇なく実行されました。フェイクニュースが「殺人」というところまで人々を動かせたという実例はあまりにも衝撃的でした。今回のような特集の形もよいですが、フェイクニュースは真面目なものから滑稽なものまで日々の生活に溢れているので、例えば、情報番組のひとコーナーなどで、フェイクニュースの紹介と注意を促すような、若者に寄り添ったコーナーがあったら面白いなと思いました。(東京・高校1年・女子)

    • 『逆転人生「母は強し!連続雪崩から奇跡の生還」』(NHK 総合)一年ほど前に見た番組ですが、再現のドラマがとてもリアルで、はっきりと憶えています。どんなに苦しく大変な状況でも、生き延びるために頑張っていた姿に勇気をもらいました。主人公の主観的な視野から見ている再現もあって、実際に自分が体験したかのように思えました。(長野・中学2年・男子)

    • 『超入門!落語 THE MOVIE』(NHK 総合)落語と一緒に実写の映像を流すため、理解が深まり面白かったです。落語では、子どもには分かりにくい言語や、難しい言葉がありよく分からない場面がありますが、この番組ではそれが少なかったように感じられました。分かりにくいオチも、映像があると安易にわかるため、落語って面白いんだなって初めて感じられたきっかけでした。(沖縄・中学3年・男子)

    • 『中居正広のキンスマスペシャル』(TBSテレビ)この番組で志村けんさんは、いかりや長介さんとの思い出を語っていますが、ここから、志村さんがいかりやさんのことをずっととても大切に思っていることが分かり、志村さんの優しさが僕にはうかがえました。再現VTRがとても良くできていて見やすかったです。また、たんに1年前の放送を再放送するのではなく、再編集がされていて、いいと思いました。(東京・中学2年・男子)

    • 『陸王』(TBSテレビ)「どんな苦難があっても神様がほほ笑むのは目標に向かってただ走り続けたものだけだ。」ということを学んだ。そして、その神様は人間だ。目標に向けて走り続ける者を見て、同情や憧れを感じて仲間になってくれたり、助けてくれたりする。そんな人間は必ずどこかにいる。そんなことを学んだ。(群馬・中学3年・男子)

    • 『アンナチュラル』(TBSテレビ)このような普段生活している上であまり注目されることのない職業・職種にフォーカスを当てたドラマが増えたら、学生などの将来の職業選択の幅にも良い影響を与えるのではないだろうか。(千葉・高校2年・女子)

    • 『ライオンスペシャル 第39回全国高等学校クイズ選手権』(日本テレビ)「地頭力」というテーマがよかった。これからAIが普及していくにあたって人間にはAIにはない地頭力が求められると思われる。ひらめき問題が出るため、子どもも大人も誰にでも正解する可能性があり、自分も参加したくなった。(千葉・中学1年・男子)

    • 『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ)番組関係者の子どものように興奮したり感動する姿を見て、人間らしさにあふれているなと思った。(東京・高校1年・男子)

    • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)毎週欠かさずに見ているのですが、出川哲朗さんの「はじめてのおつかい」のコーナーが特に大好きです。毎回笑いが止まりません。「出川イングリッシュ」と呼ばれるほど、ネイティブの方が話す英語とは程遠い英語で、お茶の間を笑わせてくれます。それに加え、スタッフの方の編集により、面白いフレーズに黒い背景で白い文字の字幕が出ることによって、さらに面白さが増します。出川イングリッシュは単に面白いだけでなく、外国の方とコミュニケーションをとる方法を教えてくれます。毎回、あの英語でゴールまでたどり着けるのは、出川さんのコミュニケーション力にあると思います。ただ笑わせてくれるだけでなく、得られるものがあると考えます。(東京・高校1年・女子)

    • 『俺のスカート、どこいった?』(日本テレビ)この番組を見てLGBTの人たちへの見方が変わったように感じる。以前はよく知らず、偏見もあったが、彼らも同じ人間で同じように悩み、生きている人だと気づくことができた。この先、このドラマのような番組が増えて、偏見などがなくなっていけば良いな、と思った。(長野・高校1年・女子)

    • 『マツコ“毒舌”観察!!50日間で女性の顔は変わるのか!?』(日本テレビ)生活環境を変えるのは自力ではなかなかお金もかかるし踏ん切りもつかないので難しく、テレビ番組だからこそできる企画だなと思います。人が変わっていくのを見ていると、皆がどこかに抱えているであろう自分を変えてみたい、変わってみたいと思っている気持ちが刺激されて、私も自分の可能性が広がった気になって、前向きにさえなれたような気がしました。(千葉・高校1年・女子)

    • 『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)連日あまりにも新型コロナウイルスの話題が多すぎると思う。私は報道番組は新しいことを伝えるためにあるのだと思う。しかし最近は、この番組だけに関わらず、報道番組全てが同じ情報を伝えているように思えてしまう。もっと番組の特色を生かして、思い切って新型コロナウイルスとは全く関係ないことを放送するなど、その番組にしかできないコーナーを見たい。この番組では、この日、3年間お天気を担当した気象予報士さんが番組を卒業される日で、番組最後にはその気象予報士がコメントを言っていたが、その後の拍手があまりにも大きくて驚いた。単純にスタッフの人数が多いだけでなく、番組の温かさが感じられた。(愛知・中学2年・女子)

    • 『EXI怒』(テレビ朝日)私が印象に残ったのは出演者が全員高校生だったことです。年齢は同じでも、思考や生活の中で重点を置いているものが全く違うことが、私にとっては新鮮で興味深いものでした。(宮城・高校3年・女子)

    • 『題名のない音楽会』(テレビ朝日)楽器作りのほぼすべての工程が手作業だと知った時、1つの楽器に多くの人の手間や技術がかかっているんだなと驚嘆したと共に楽器を今まで以上に大切に扱おうと思いました。高校卒業後の進路として、このような職を目指してみてもいいのかなと思いました。(茨城・高校3年・男子)

    • 『志村けんさん追悼特別番組 46年間笑いをありがとう』(フジテレビ)流行りのその時面白いと思ったものでもその流行が終わった後に見返してみると「あー懐かしい」や「何がそんなに面白かったのだろうか」と感じることが多い。それに対してドリフターズや志村さんたちのコントはいつ見ても新鮮で面白くて、これが十何年以上も前のものだとは思えない。何度見てもその先の展開が分かっても絶対に笑ってしまう。わかっているのに本当にそうなったとき笑ってしまう。それはとてもすごいことなのだと思った。(東京・高校1年・女子)

    • 『民放同時放送!一緒にやろう2020 大発表スペシャル』(民放各局)「どのチャンネルにしても同じ番組」という近年ではなかなかなかった状態に、出演のアナウンサーの方々も興奮しているのが画面上からも伝わったのがとても印象に残りましたし、視聴者側の自分自身とてもワクワクしました。各局の色をもっと出してほしいとも思いました。細かく見ると、生中継の技術面はフジテレビ、VTRは日本テレビが担当していましたが、普通の視聴者はただ「同じ番組をやっている」としか印象付けないと思います。例えば、各局のスタジオを中継で結ぶとか、この時間はこの局が主導で制作する(各局の番組のフォーマットでやる)など、民放コラボを全面的に演出してみるのも面白いかなと思います。(熊本・高校2年・男子)

    • 『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)エンディングの最後に、「負けるなー」と感情をこめて言っていたことが印象に残った。本当につらいこの世の中で、エールを送ってもらえると元気が出る。(宮城・中学1年・女子)

  • 【自由記述】

    • コロナが流行していて、テレビからの情報はとっても大切だとしみじみ思いました。4月7日の午後7時からは、安倍首相の「緊急事態宣言」のニュースがあり、NHKの教育テレビ以外は、全局、会見をそのまま生放送していて、どのチャンネルもみんな同じ場面だったので、こんなことがあるのか、とビックリしました。でも、そのような放送をすることで、事の重大さが分かって、テレビというものは情報ばかりでなく、深刻度も感じさせてくれる、大きな影響を与えるものなのだと感じました。コロナの情報は、これからも、もっともっと必要になるので、テレビの情報を見逃さないようにしたいと思います。(長崎・中学1年・女子)

    • テレビ番組がどうなるのか不安に思います。(秋田・中学2年・女子)

    • 様々なバラエティー番組や音楽番組が観覧のお客さんを入れずに出演者の方たちだけで収録を行っているのをよく目にします。普段はあまり感じないけれど、このような状況にいざなってみると、観覧できている一般の人も番組を盛り上げるのに大きく貢献しているのだなと思いました。(東京・高校1年・女子)

    • 報道番組では番組進行に必要な人、専門家の方、コメンテーターさんというようにスタジオにいる人数が多い番組もあり、見ていて怖いです。また、人数が少ない番組でも喋るには距離が近い番組があるので、もう少し配慮をしてほしいと感じています。(愛知・高校1年・女子)

    • 多くの番組で席を離したり、テレビ電話での出演になっていたりする。なんだか違和感を覚えるし、1日も早く終息するといいなと思う。(東京・高校1年・女子)

    • 一概に、全ての番組が…、というわけではないが、不必要に演者が多すぎる番組作りが増えたような気がする。(千葉・高校2年・女子)

    • ラジオ番組でツイッターを使って番組を盛り上げるものも多く、SNSが発展した時代だからこその盛り上げ方だなと思いました。しかしツイッター内でしか見られないものもあり、ツイッターが使えない人でも使えるもので番組を盛り上げてほしいと思いました。(埼玉・中学2年・女子)

    • 最近ラジオを聴くようになったのですが、局を変えたときに今何の番組をしているのかパッと分からないのがテレビと違って仕方がないけれど不便だなぁと思います。でも聞いている側がリスナーとして参加できるのが楽しいし、生放送が多いので面白いです。(千葉・高校1年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ)志村園長の共演者、観客、スタッフ、動物たちに対する優しい心が全体に表れている、とてもいい番組だと思った。(岡山・中学2年・女子)

    • 『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ)志村さんの昔の映像を見ていると、パンくんと仲良くいろんな事をしていて、笑いながら胸がしめつけられました。(長崎・高校2年・男子)

    • 『音楽チャンプ~5か月で全国3000人を調査!歌うま日本一決定戦~』(テレビ朝日)一般人が出演して歌うところが良かった。他のカラオケ番組にはない“課題曲”の制度は審査をフェアにできるし、同じ曲でも歌う人によって表現が変わることを楽しめるし良いと思う。(東京・高校2年・女子)

    • 『音楽チャンプ~5か月で全国3000人を調査!歌うま日本一決定戦~』(テレビ朝日)私と同い年の子や1、2歳しか変わらない子が多くて、私も何か頑張れるものを身につけようと思わされました。(神奈川・高校2年・女子)

    • 『たけしのその時カメラは回っていた』(NHK 総合)1964年の東京オリンピックに向けて、日本はいろいろな準備をしていた中、たくさんの「困った」があふれていたというのには、驚きました。2020年の東京オリンピックが、来年に延期されましたが、この番組で紹介された1964年の東京オリンピック前のように、今も日本のどこかに、オリンピックに向けて、見えない場所で一人ひとりの職人の人々の苦労があるのかもしれないなと思いました。(長崎・中学1年・女子)

    • 『ローカル魂 寅ちゃんと6年1組農業部』(テレビユー山形)「農業」は1週間でたくさんはえる雑草の処理や水やりなどとても大変な仕事だということを改めて知ることができました。さらに、農業部が、一生懸命雑草をぬいたり、野菜をうれしそうに収穫していたりするのを見て、がんばっているなぁとうれしくなりました。(山形・中学1年・女子)

5月のテーマは、「最近見たニュース・報道番組について」でした。全部で32人から報告がありました。1人で複数の番組を取り上げたモニターもおり、全部で27番組(ラジオ番組を4番組含む)について報告がありました。中でも、『NHKニュース7』(NHK 総合)については5人が、『NEWS every.』(日本テレビ)と『報道ステーション』(テレビ朝日)についてはそれぞれ4人ずつが、『新・情報7daysニュースキャスター』(TBSテレビ)と『日曜報道THE PRIME』(フジテレビ)にはそれぞれ3人ずつが、『Nスタ』と『NEWS23』(いずれもTBSテレビ)、『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』(CBCテレビ/TBSテレビ)にはそれぞれ2人ずつが、感想を寄せていました。
「自由記述」では、12人のモニターが新型コロナウイルス関連の内容を記述していました。中でも、コロナの影響により番組制作の仕方や番組編成が変更を余儀なくされていることについての感想を述べたモニターが7人と目立ちました。
「青少年へのおすすめ番組」では、11番組について感想が寄せられました。『林修の今でしょ!講座 2時間スペシャル』(テレビ朝日)は5人、『ノーサイド・ゲーム特別編』(TBSテレビ)と『NHKスペシャル“わたしをあきらめない”~5年1組 子どもたちと先生の一年~』(NHK 総合)はそれぞれ3人ずつ、『ETV特集「義男さんと憲法誕生」』(NHK Eテレ)と『池上彰×松井秀喜 in キューバ』(テレビ東京)、『サタデーウォッチン!』(TBC東北放送)はそれぞれ2人ずつと、複数のモニターが取り上げています。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たニュース・報道番組について】

    • 新型コロナウイルスの報道に関する内容が多かったが、特に、「オンライン授業」や「9月入学」の話題などについて、自分たちの身近な問題として捉えている。子どもたちはこのようなニュースを視聴した時に、自分とニュースの関係が今までと少し違って感じ取れるのではないかと思う。

    • モニターの感想の中に、「連日番組に出演している専門家が疲れて見える」など出演者を気遣うようなものがあり、興味深く感じた。

    • コロナウイルスの報道には視聴者が共感して気持ちが楽になるような内容もあるが、それと同時に、気持ちを煽ってしまうものもあるという意見は鋭い。

    • コロナと関係のないニュースを取り入れてほしいという意見が少なくなかった。みんなが一斉に同じものを放送するのではなく、選択肢の多様性を持ったほうがいいのではないかと多くのモニターが感じているようだ。

    • インタビューについて、答えありきで取材をするということが本当に必要かという内容を書いたモニターが少なからずいた。公園にいる子どもには「学校に行けないのはどういう気持ち?」という質問などに対して、「答えが分かっているようなことをなぜわざわざ聞くのか」「インタビューの意味が分からない」という批判が結構出ていた。その辺が、番組の作り方や番組の選択肢の多様性ということに関連してくるのではないかと感じた。

    • 『首都圏ニュース845』(NHK 総合)埼玉に住んでいるモニターから「東京都がメインの話題になっているので、首都圏と言うからには埼玉や神奈川、千葉のことも、もっと全体的に取り上げてほしい」という意見があった。制作者に伝えたいと思う。

    • 『スッキリ』(日本テレビ)について書いたモニターが、スタジオが一瞬沈黙したということを取り上げ、「生放送は大変なんだな」と感じたと記述していた。リモートだと、どうしても何か会話の間に空白が出てしまう。全体的な流れが分からなくて、みんながどこでしゃべっていいのか分からなくて、指されるのを待っている、みたいな感じがしてしまい、一瞬みんなが遠慮した時に空白が起こる。そういうことは初めての経験であり、モニターから楽しまれている部分もあるのかなと感じた。

◆モニターからの報告

  • 【最近見たニュース・報道番組について】

    • 『NHKニュース7』(NHK 総合)1日のまとめとして見ています。この日は、首相が「緊急事態宣言」を解除するのか、延長するのか、国民みんなが気になっていた日で、いつもは30分間の『ニュース7』が、この日は1時間45分も放送されていました。たくさんの専門家の意見が紹介されていました。最近は、感染者数ばかりでなく、「回復者数」という数値も示してくれる番組が増えてきたように思えます。そのことで、感染者数は、どんどん累積されて増えていく一方ではあるけれども、その一方で、この数値の裏には、これだけの回復者数も含まれていると思うと、今、実際に闘病している数値を推測出来て、コロナ感染の状況を正確に把握できて、不安も少しでも抑えられる気がしました。(長崎・中学1年・女子)

    • 『NHKニュース7』(NHK 総合)この番組を見て、特に2つの良い点を思いつきました。1つ目は、国内のことから海外のことという放送順であったことです。コロナウイルスの内容が主でしたが、国内のことを伝え、その後、海外でどのような動きがあるかを伝えていたことにより、視点をスムーズに切り替えることができ、理解しやすかったです。2つ目は明るい内容を取り上げていたことです。コロナウイルスの影響により、ロボットの開発が進んでいるというものです。世の中が暗くなっている中、未来を見据えたロボットの進化というニュースは、世の中に少し光を差してくれたような気がします。1つ気になった点は、都市のインタビューばかりで地方の様子があまり分からないことです。地方はどのように考えているのか、東京都との影響の差はどのくらいあるのかなど、都市部と地方で比較した情報がもう少しあると良いのではないかと考えました。(東京・高校1年・女子)

    • 『NEWS every.』(テレビ信州/日本テレビ)私は毎日ニュース番組を見ています。その中でこの番組は、全国と地域どちらのニュースも取り上げられているので面白いと思ってみています。今、新型コロナウイルスの影響で、様々な番組で「お家時間」について取り上げられています。この番組の地域のニュースでは番組おわりに視聴者から集めた家での過ごし方を報道しており、私も家族とみています。スマートフォンのニュースでは、ひとりでしか楽しめないけれど、テレビでは家族みんなで楽しむことが出来るのでいいなと思ってみています。(長野・高校1年・女子)

    • 『報道ステーション』(テレビ朝日)番組キャスター・スタッフの新型コロナ感染が発覚した件について。入院中の療養生活、症状の進行状況のほか、発覚までの番組制作時の状況についても、詳しく報じていました。他番組では治療薬の効果・承認について良いイメージを全面に取り上げられていますが、投与しても効果がないケースについても取り上げられていて、その情報がとても印象に残りました。この番組では制作スタッフが当事者の体験談として、今の新型コロナの真実を報道する力強い姿勢が見えました。(熊本・高校2年・男子)

    • 『新・情報7daysニュースキャスター』(TBSテレビ)アメリカの放送局が報道番組内で行っている「ブレイクタイム(コロナ関連ニュースの合間に全く関係のない話題を入れる)」をおそらく日本で初めて取り入れ、視聴者の心理的な配慮が見られました。視聴者によっては、コロナ関連の情報を見続けることにより心理的に大きな負担がかかる場合もあるが、これまでは見ないという選択肢しか無かったが、放送局側がこのような配慮を行う手段も、これから他の番組で導入するのもいいとは思うが、逆に硬派な報道番組(NHKの定時放送など)では、情報だけを得たい視聴者もいると思うので、視聴者が選べるような仕組みが出来上がれば良いなと思います。(熊本・高校2年・男子)

    • 『日曜報道 THE PRIME』(岡山放送/フジテレビ)同時双方向のオンライン授業をしている学校が全国で5%しかないことがわかりました。少ないと思いました。私の学校は同時双方向のオンライン授業も動画の配信もありません。なので、ほかの学校がインターネットで授業をしていると、自分たちの学校は授業がちゃんと終わるのか不安になりました。(岡山・中学2年・女子)

    • 『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ)9月入学について取り上げていました。他の報道番組では、この事例を専門家のインタビュー等でまとめ、キャスターが伝えるのがほとんどですが、この番組では発言力がある2人(橋下徹、萩生田文科相)がリアルタイムで討論をしていて、受験生である僕はとても魅かれる番組でした。9月入学について、他の報道番組では、専門家の意見や一方の意見しかきけませんが、この番組では、Twitter を通して番組をみている人の意見もみせており、いいと思いました。Twitterがあることで、笑える意見や考えさせられる意見がいっぱいあっておもしろかったです。ニュースや報道番組では、様々な人の意見を聞ける演出を増やして欲しいと思いました。(沖縄・中学3年・男子)

    • 『Nスタ』(TBSテレビ)アメリカのコロナウイルス対策を取り上げていてとても良いと思った。ほかの国の対策を知ることができ、日本の対策の悪い点や新しい対策の方法を取り入れることができる。(宮城・中学1年・女子)

    • 『NEWS23』(TBSテレビ)放送日がこどもの日だったということも要因なのか、公園で遊んでいる子どもに対してのインタビューが放送されていた。が、インタビュアーの子どもに対する質問が「コロナの影響で学校に行けないのは悲しいですか?」「早く学校に行きたいよね」などといった、正直答えが聞かずとも分かるようなものであり、有意義なインタビューには感じられなかった。休校期間中家の中での自粛で気が滅入る中、せっかく気晴らしのために外で遊んでいる子どもたちに対して、現実を再確認させるようなこのインタビューは本当に必要だったのか。わざわざ公園まで出向いてインタビューを行う必要はないのではないかと思った。(千葉・高校2年・女子)

    • 『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』(CBCテレビ/TBSテレビ)視聴していて、子どもも見るような時間に放送される報道番組は、博識な方がメインになるよりは、一般人に近い深い知識をもっていない方のほうが適任だと思いました。逆に子供が見ないような時間の番組は、難しい話題にどんどん切り込んでいくと思うので博識な方がメインでやった方がいいと思いました。あと、取り上げ方とは違うと思うのですが、ニュース映像が流れているときにワイプが映っているのが気になりました。ニュースに対しての反応を見たいわけじゃないし、ワイプが別の人に切り替わるたびに気が取られてしまうので、肝心のニュースに集中できなかったです。(愛知・高校1年・女子)

    • 『首都圏ニュース845』(NHK 総合)首都圏のニュース番組なので、首都圏の様々な地域を取り上げているが、東京都がメインなのでほかの県ももっと全体的に取り上げてほしいと思った。(埼玉・中学2年・女子)

    • 『あさチャン!』(TBSテレビ)学校があって朝早く家を出なければいけない日も、6時台に短くニュースをまとめてくれるコーナーで大きなニュースを確認することができて便利だと思います。ただ、報道のためとはいえ、団体で動かなければいけない取材が今の状況で本当に必要なのかと制作するスタッフのことが心配になりました。(宮城・高校3年・女子)

    • 『スッキリ』(日本テレビ)動物が町中に現れたという紹介が心が和んで面白かった。その中で一瞬、スタジオが沈黙する場面が見られ、生放送の大変さを感じた。臨機応変に物事に対応するのは難しいなと感じた。(東京・中学3年・女子)

    • 『サタデーステーション』(テレビ朝日)コロナウイルスのPCR検査の実態で、検査体制が十分に整っている病院と整っていない病院があり、その両者について特集をし、多角的な視点でこのニュースを取り上げているように、様々なニュースに対し様々な視点からの意見を取り上げて報道しており、自分の物事に対する見方を考え直すことができて良いと思った。(東京・中学2年・男子)

    • 『めざましテレビ』『とくダネ!』(どちらもフジテレビ)コロナ関係のニュースの中で一番自分が参考になった情報は手作りマスクの作り方を紹介していたことで親もそのニュースを見てマスクを作って自分の家にある使い捨てマスクの使用量を減らすことができました。また、ほかのいい点としては最近のニュース番組ではSNS上の情報も調べてニュースにしていることもあり、一般の人たちの生の声がそのままニュースに反映されていてとても良いと思います。逆に、ニュースの情報で少しわかりづらいなと思った点は、まだ不確定な情報がニュース速報として流れてきてそのたびに振り回された点です。ただ新しいニュースをいち早く知らせることはテレビ会社の使命でもあると思うのでその点はしょうがないのかなと今の時点ではそう思うようにしています。(茨城・高校3年・男子)

    • 『NHKニュース7』(NHK 総合)他、複数の番組について。いつもニュースをつけると感染者が増えた減った、接触は八割減、などいつみても毎日同じことの繰り返しだったような気がします。家にいる時間が長くなるとテレビを見る時間も増えるのですが、テレビを見ても気が張ってしまって疲れると感じる時もありました。コロナ鬱と報道されることも増えましたが、それは共感して気持ちが楽になることと同時に気持ちを煽る可能性も感じました。事実、母はコロナ鬱と称して隙あらば家事をサボろうとします。最近はコロナウイルスについてどうすべきかの議論が盛んになっていますが、私は議論する側に熱が入りすぎてしまって怒り口調になりすぎてしまうのが苦手に感じます。今はただでさえ家にこもっているだけの時に、自分まで怒られているような気分になります…テレビでの話し合いは小さい子も含め多くの人の目に入ると思うので、自分の意見をぶつけるだけでなく互いの話を聞き入れながら解決策を探るなど、話し合いも有意義だと思えるような、手本になるようなものを心がけてほしいなと思います。(千葉・高校1年・女子)

  • 【自由記述】

    • いつから学校が始まるのか気になり、今まで以上にニュースを見るようになりました。すると、あることに気付きました。4月は、どのニュースも全部コロナ関連の話しばかりでしたが、5月になると、長崎の地元のニュース番組では、コロナ以外の明るいニュースも増えてきたのです。つまり、ニュース番組というのは、その時その時の情勢を伝えていて、ニュース番組を見れば、リアルタイムにその情勢が分かるのだと知りました。集団生活が始まると、感染の可能性が高くなるので、また休校になるかもしれませんが、ニュースをよく見て、その時その時の状態を読み取って、冷静に行動したいと思います。そういう意味からも、テレビの情報は、日常生活と切っても切り離せない貴重な情報源だということを改めて感じました。(長崎・中学1年・女子)

    • 最近、コロナの影響により、ドラマの撮影が間に合わず、ドラマの放送が延期になったり、バラエティー番組のロケやスタジオ撮影を取りやめなければいけなくなったりして、昔の番組の再放送が行われているのをよく目にします。新番組を見たいという気持ちはもちろんあるけれど、久しぶりに好きなドラマの再放送を見ることができて、休校が延長され悲しい気持ちが明るくなりました。(東京・高校1年・女子)

    • 最近はドラマの再放送が多く行われています。テレビ局によって1つのドラマを放送するか、複数のドラマを総集編という形で放送するかに分かれていて違いが面白いと思います。ただ、テレビ局は次のドラマのつなぎくらいに考えているかもしれませんが、視聴者にとっては今期のドラマとして見ているので、できれば1つのドラマを最後まで放送する形がいいなと思います。(愛知・高校1年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『林修の今でしょ!講座 2時間SP』(テレビ朝日)出演者の方々が別々の場所で撮影されていたが、普通のスタジオでの時と同様にやり取り含めとても面白かった。(千葉・高校2年・女子)

    • 『林修の今でしょ!講座 2時間SP』(テレビ朝日)殺伐としたニュースが多く気分が沈んでしまっていたので、何も考えず笑えてよかったです。(長野・高校1年・女子)

    • 『ノーサイド・ゲーム特別編』(TBS)前回の放送の時も見ていたが、未放送カットや大泉さんのナレーションが入ったことによって、前回とは雰囲気が変わっていたため、とても見て面白い内容だった。(東京・中学2年・男子)

    • 『NHKスペシャル“わたしをあきらめない”~5年1組 子どもたちと先生の一年~』(NHK 総合)1年密着し、子供たちへのインタビューもされていて、子供たちの考え方の成長が感じられ面白かったです。また、子供たちと一緒に自分でも考えることができて、思考が深くなったように思います。ただ、テレビカメラが入ると普段とは違う良い格好をしてしまうと思うので、本当に素の姿だったのか疑問に思いました。そういうところに配慮した撮影であったかどうかの説明が欲しかったです。(愛知・高校1年・女子)

    • 『ETV特集「義男さんと憲法誕生」』(NHK Eテレ)今の憲法の生存権や国家賠償請求権を作った人がこんな尽力した人だと驚いた。憲法の加筆・修正を行う前に、海外視察や大学の教授、弁護士を歴任して平和の大切さや司法を学んで、それを憲法に反映させたところが自分の経験を無駄にせず、国のために尽くしているように思い感動した。(東京・高校1年・男子)

    • 『池上彰×松井秀喜 in キューバ』(テレビ東京)まずいちばんに、キューバのおしゃれな街並みと池上彰さんの詳しい解説で、画面に目が釘付けになりました。そして、キューバの外交についての解説では、キューバはアメリカに翻弄され、野球界にも影響が出ていることが分かりました。それで良いのかと今一度考えさせられました。(東京・高校2年・女子)

    • 『サタデーウォッチン!』(東北放送)最近始まった「みんな、おうちで何してる?」というコーナーが好きです。ほかの人がいろいろな工夫をしておうち時間を楽しんでいるのを見ると、ずっと暗い気持ちでいても良くないな、と思いました。(宮城・中学1年・女子)

6月のテーマは、「最近見たドラマについて」でした。全部で30人から報告がありました。複数のモニターが感想を寄せた番組は8番組ありました。『エール』(NHK 総合)を4人が、『麒麟がくる』(NHK 総合)と『家政夫のミタゾノ 特別編』(テレビ朝日)をそれぞれ3人ずつが、『いいね!光源氏くん』(NHK 総合)と『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ)、『ごくせん2002 特別編』(日本テレビ)、『警視庁・捜査一課長 2020年特別バージョン』(テレビ朝日)、『ドラマホリック!「レンタルなんもしない人」』(テレビ東京)をそれぞれ2人ずつが取り上げています。
「自由記述」では、放送局への期待や要望が多く寄せられました。ドラマの撮
影やスタジオ収録が徐々に再開していることについて、「新作が楽しみ」「スタジオに出演者が一堂に会する番組は反応やテンポが良いと感じる。普段の放送のありがたみを感じた」という声、その一方で、新型コロナウイルスの影響で再放送が増えていたことについては、「家族で昔のことを思い出しながら見たり話したりする機会になって良かった」「当時を経験できなかった自分は新鮮な気持ちで見られた」「再放送の試みを続けてほしい」など、再放送に肯定的な感想もありました。そのほか、最近のニュースに関する意見も寄せられていました。
「青少年へのおすすめ番組」については、『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?スペシャル』(日本テレビ)を6人が、『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)を4人が、『こころの時代セレクション「砂浜に咲く薔薇のように~女優 サヘル・ローズ~」』(NHK Eテレ)と『BS1スペシャル「ヒグマを叱る男 10年の記録」』(NHK-BS1)をそれぞれ3人ずつが取り上げていました。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たドラマについて】

    • 再放送のドラマが多い中、過去の放送をそのまま流すのではなく、リモートで撮影した現在の映像で再放送の映像を挟んでいたという工夫が評価されていた。多かれ少なかれ加工を施し、「特別編」という形で、一度見た視聴者も飽きさせない努力が恐らく魅力になっていると思う。多くのモニターがこの状況下における放送局の試みを感じ取ってくれている。そのことを制作者にも伝えたいと思った。

    • 再放送が良かった、嬉しかったという声が多く挙がっている。新型コロナウイルスで新作の撮影が進まずに再放送をしていたこの期間、テレビ業界としては再放送を有効に使うという大きな意味のある実験ができたという気がしている。

    • 「久しぶりに好きなドラマの再放送を見ることができて、休校が発表されて悲しい気持ちが明るくなった」というモニターがいた。いい感想だと思ったが、他のモニターからは、「再放送の連ドラを楽しんで見ていたら、途中で打ち切られてしまって気分が壊れた」というものも寄せられた。放送局は再放送をする時に、もう少し視聴者のことに配慮しなければいけないという気がした。

    • 『エール』(NHK 総合)週末に放送されている1週間の振り返りについて何人かが書いていて、評判がいいのだなと感じた。

    • 『99.9』(TBSテレビ)「大変このドラマを気に入ったので、小説も読んでみました」というモニターが、やはりドラマのほうが入りやすかったと記述していた。せっかく本を読んでくれたのにとも思ったが、やはり映像には強みがあるのだろう。

  • 【自由記述】

    • コロナに関連した取材で、レポーターが厳戒態勢を敷いている介護の現場の取材する意味を問うたモニターがいた。高齢者の家族は面会もできないのに、取材に来ている記者やカメラマンは高齢者に接触しているということに疑問を感じ、接触して大丈夫なのかというのと同時に、なぜ報道関係者は面会できるのに家族が面会できないのかという気持ちが書かれていて印象に残った。

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)「まる子は性格がひねくれているようで、実は優しい女の子だと思う」というモニターからの意見について、『ちびまる子ちゃん』は視聴者意見で「子どもに悪い影響を与える」というものが届くが、このモニターのように、実は子どもの側は優しい女の子だということを分かって楽しんでいる。改めて、子どもに悪い影響は与えていないと思ったし、子どもの頃に見るアニメには意味があるのだとも考えさせられた。

    • 新型コロナウイルスの感染による自粛モードがこのまま続くのだとすれば、アニメなど、何か子どもが楽しめるような番組が、もう少し多く放送されてもよいと思う。そういうことも配慮する必要があると感じている。

    • 幼い頃に見たアニメなどに回帰するという現象は、もしかしたらコロナへのストレスと関係しているのかもしれない。放送局には、今回のリポートから子どもたちの思いをうまく拾って今後の制作にいかしてもらいたい。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見たドラマについて】

    • 『エール』(NHK 総合)一週間の振り返りの日があると、忙しくて毎日は見られない人たちにとってはとてもありがたくて良いことなのだろう思った。私はこれまでドラマを見たことがなかったが、週に1度見るのならある程度続けられそうだ。次回の朝ドラでも一週間の振り返りの日を作ったほうが良いと思う。(千葉・中学1年・男子)

    • 『エール』(NHK 総合)笑える場面が多く、とても楽しく見ることができて嬉しい。また、今作から月〜金曜日の放送に変わったが、土曜日の放送は無くなるのではなく、一週間のまとめを放送してくれるので、1週間の復習ができてありがたい。(長野・中学2年・男子)

    • 『麒麟がくる』(NHK 総合)今まで大河ドラマは見たことがなかったのですが、親が面白いと毎週見ていて、つられて見ているうちに僕もはまってしまいました。歴史はあまり興味がなかったのですが、ドラマの中で地図が出たり、地名の説明もあってとても分かりやすいと思います。織田信長の桶狭間の戦いをテーマにしていましたが信長軍と今川軍との戦いのシーンがすごい迫力で、どんどん物語に引き込まれていきました。社会の歴史の教科書では桶狭間の戦いについてあまり詳しくは出てこなかったので、今度、詳しく調べてみたいと思いました。(秋田・中学2年・男子)

    • 『麒麟がくる』(NHK 総合)大河ドラマを毎年見ています。明智光秀といえば織田信長の家臣として有名で、本能寺の変を起こしたという印象しかありませんでした。ドラマでは、光秀という一人の人物を通して、本能寺の変までにあった出来事や事件のことが描かれていて、歴史そのものに興味がわいてきます。登場人物の「こま」は自分に近い感覚で、物語に自分を引き込んでくれる存在です。(岡山・中学2年・女子)

    • 『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日)なんと、再放送ではなく、新しい話のドラマが作られていました。それだけでもびっくりしたのに、ドラマは、1人1人がテレビ会議みたいな感じで、画面の中の画面で演技していて、今の自粛が続いている現状にピッタリなドラマに仕上がっていました。とっても面白くて、今までに見たことがない新鮮さを感じて、画期的でした。私がこのドラマが大好きな理由は、主人公のミタゾノさんが紹介する「家事テク」があるからです。毎週毎週、必ず何らかの「家事テク」の紹介があって、いつも母に教えてあげています。このドラマのおかげで、沢山の「家事テク」を知ることできました。さらにもう一つの理由は、必ず、最後のミタゾノさんのセリフが、意味深というか、なるほどと思うからです。例えば、この日は夫婦が不倫していたという話でしたが、「近い距離にあれば傷つけあうことが起こる」「適度に距離を保ち、風通しをよくする」という言葉を言い、それは、玉ねぎの保存方法について説明しているかのように思えるのですが、実は、夫婦関係においても言えることを言っているのです。他にも、「ほんの少し工夫をしてやり直すだけで改善される」という言葉もありましたが、この言葉は、大人の夫婦間の世界の話しだけでなく、中学生である自分の生活を振り返ってみても同じことが言えるかも、と思いました。私にとって『家政夫のミタゾノ』は単なるドラマではなく、いろいろな要素を含んだ大切な番組で、これからも毎週見たいと思います。(長崎・中学1年・女子)

    • 『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日)ミタゾノがすべて物語を動かしているのが面白いです。ドラマの前と後にミタゾノが視聴者に向けて話しかけているところを入れているのが良いと思います。できればですが、ミタゾノのモーニングルーティーンやドラマの裏側を見てみたいです。(山形・中学1年・女子)

    • 『いいね!光源氏くん』(NHK総合)タイムスリップ系のドラマで面白かったです。平安時代からのタイムスリップということで、仕草や服装から昔見ていた「おじゃる丸」を連想しました。話し方や着ているもの、考え方が現代とあまりにかけ離れていて面白かったです。昔の人にスマホを持たせたらこんな風になりそうなどの想像で作られた部分も現実味があって面白かったです。それをツッコミながらも受け入れて同居する主人公の悩みっぷりもおかしくて楽しく見られました。この番組の欠点は、放送時間が遅く、録画でしか見られないのが残念でした。もっと早い時間で放送してほしいです。(沖縄・中学3年・男子)

    • 『いいね!光源氏くん』(NHK総合)設定がとても面白く、30分というちょうどいい長さで終わるという所もとても良かったです。意地悪な役も出てこないし、光君(光源氏)と沙織(ヒロイン)のかけあいもクスッと笑えるような要素が多くて1週間の疲れを癒してくれました。(東京・高校2年・女子)

    • 『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ)初めの頃は一話完結(犯人を捕まえて事件解決!)というストーリーにならないことにモヤモヤが募っていましたが、個性的なキャラクターたちや登場人物の関係性の変化で引きこまれ、今では毎週楽しみにしています。(宮城・高校3年・女子)

    • 『ごくせん2002 特別編』(日本テレビ)学園ドラマというジャンルのドラマは今でも多いが、10年以上前の作品が今でも人気があるのはとてもすごいなと思いました。今を時めく人気芸能人が出演していて、今とは違う雰囲気を感じることができ、新鮮だなと思うところが多くありました。学校が徐々に再開してきているタイミングでの放送だったので、学校で先生に会うのがとても楽しみになるなと思いました。(埼玉・中学2年・女子)

    • 『警視庁・捜査一課長 2020年特別バージョン』(テレビ朝日)単に過去の放送を流すだけではなく、ドラマの前後にリモート撮影した映像を挟んでいたました。さらに、第1話放送前の4月4日には制作発表会の代わりに出演者によるビデオ配信や主演俳優の誕生日には、レギュラー出演者がそれぞれメッセージを公開するなど、コロナ禍のピンチをチャンスに変えて放送しているように感じました。(愛知・中学2年・女子)

    • 『レンタルなんもしない人』(テレビ東京)実際にいる人の話をもとにしていて、なんもしないことを商売にしている人だと知って驚いた。レンタルさんに依頼する人は人それぞれ何か抱えていて、依頼人の心情もだんだんと表れていて、内容が深く、ところどころ自分に似たところもあって共感しやすかった。(東京・高校1年・男子)

    • 『99.9』(TBSテレビ)有罪から無罪を勝ち取り冤罪を防ごうとする内容はとても心惹かれました。また、所々にダジャレやコメディー的な要素を含んでいるところがあり、一見難しそうなドラマかなと思ったのですが、子どもでも見やすい場面がたくさんあるため良かったです。大変気に入って小説も読んでみました。内容も小説に書かれている箇所がほとんどで、やはりドラマのほうが頭に入りやすかったです。(高知・高校2年・男子)

    • 『野ブタ。をプロデュース 特別編』(日本テレビ)名前は知っていましたが見るのは初めてでした。少し前のドラマを見るとその当時の景色、最先端の技術、流行や「当たり前」がみえてとても新鮮な気持ちになります。例えば、現在ではすごく身近な存在であるスマートフォンも十年前のドラマではあまり登場しません。ドラマはその瞬間を記録する資料になるのかも知れないなとおもいました。(神奈川・高校2年・女子)

  • 【自由記述】

    • 家族みんなで昔のことを思い出しながら見たり話したりする機会になるし、再放送の存在もこの期間を通してまた評価されるようになったのではないかなと思います。(千葉・高校1年・女子)

    • 最近、お笑い番組の再放送が多くて楽しいです。緊急事態宣言が解除されたとはいえ、気が抜けず、コロナ疲れがたまるので笑ってストレス解消できます!とても助かっています。(宮城・中学1年・女子)

    • 再放送の試みはとてもいいなと思いました。テレビ番組はどんなに面白くとも、テレビ局が再放送しない限りもう一度流れないので、再放送は続けてほしいと思いました。(東京・高校2年・女子)

    • リモートでも番組はできていたし、再放送も楽しかったのですが、やはり面と向かって放送する普段のスタイルだと、ダイレクトに相手に伝わるので反応が面白くテンポ感も段違いによくなるので、普段の放送のありがたみを感じました。(愛知・高校1年・女子)

    • 新型コロナウイルスの影響でドラマなどが再放送になっているので早く元に戻ってほしいです。(秋田・中学2年・男子)

    • ドラマや映画のメイキングをTV放送してほしい。どのように作成されているのか気になる。(東京・中学3年・女子)

    • 朝ドラを見ていて、ここ最近の朝ドラでは嫁ぎ先の姑とそりが合わない、仲が悪いという演出が見られないと思った。時代的に仲がいいほうにニーズがあるからなのだろうか。(東京・高校1年・女子)

    • 各テレビ局のリポーターが厳戒態勢をしいている施設の介護現場に取材している場面ですが、そこに住んでいる高齢者の家族は面会制限が設けられているのに、取材に来ている記者やカメラマンの方は短時間だとは思いますが高齢者の方に接触していますが大丈夫なんですか。(高知・高校2年・男子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?スペシャル』(日本テレビ)大人でも案外知らない問題ばかりで、また、小学5年生という絶妙な難易度の問題が見ていてとても面白く、一緒に考えながら楽しむことができます。(東京・高校1年・女子)

    • 『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)小学生の時によく見ていたが、今回久しぶりに見ました。番組の中のまる子は、性格がひねくれているようで実は優しい女の子だと思います。家族の中のおじいちゃんやお姉ちゃん、お母さん、お父さんなどの皆が個性が強く、でもちょうどよくまとまっていて見ていて面白いです。(秋田・中学2年・男子)

    • 『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)中学生になったあたりから見ていなかったのですが、今見たら見方が変わるかもしれないという考えで視聴してみました。見てみるとキャラクターの声が懐かしいなーという気持ちとともに今ニュースなどで流れている混乱の世の中とは違った平和な世界の物語が描かれていてとてもリラックスできる作品でした。(茨城・高校3年・男子)

    • 『こころの時代セレクション「砂浜に咲く薔薇のように~女優 サヘル・ローズ~」』(NHK Eテレ)弱い立場の人を社会でどう支えるか、貧困の家庭は多くあるはずなので、私たちも意識を高めて考えるべきだと思いました。サヘルさんの親子で支えあい自分の生きる意味を探りながら懸命に生きてきた人生に、私も大変なことがあっても自分らしく生きて、自分の生きる意味を見つけていけたらと思いました。(千葉・高校1年・女子)

    • 『中居正広のニュースな会』(テレビ朝日)様々なニュースを基本から分かりやすく解説していたため、とても内容を理解しやすく、旬のニュースをおさえることができて良かった。(東京・中学2年・男子)

以上