第196回

第196回–2024年6月

日本テレビのドラマ『セクシー田中さん』調査報告書について議論

第196回放送倫理検証委員会は、6月14日に千代田放送会館で開催され、5月にBPOに寄せられた視聴者・聴取者意見などが報告され議論を行った。

議事の詳細

日時
2024年6月14日(金)午後5時~午後7時
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、長嶋委員、西土委員、毛利委員、米倉委員

1. 5月に寄せられた視聴者・聴取者意見を報告

5月に寄せられた視聴者・聴取者意見について、フックのついたロープを鼻の孔にかけて軽トラックをけん引するバラエティー番組について「企画内容が危険で楽しめなかった」等の意見が多数寄せられたことが報告された。また、警察の捜査に密着取材した番組についての「取材中に逮捕された人がその後不起訴になっているのに、そのことに触れずに番組を放送しており推定無罪の原則に反しているのではないか」といった意見や、路線バスとして使われている車両を貸し切ってグルメスポット等を巡る番組に対して「貸切バスに乗っているのに番組タイトルで路線バスをうたうのはおかしい」「実在しないバス路線をいかにも運行しているかのように扱っている。戸惑う人が出るのではないか」といった意見が寄せられたことが事務局から報告され、議論した。

2. 日本テレビのドラマ『セクシー田中さん』調査報告書について議論

日本テレビが2023年10月期に放送したドラマ『セクシー田中さん』の原作者が亡くなった事態を受けて設置された社内特別調査チームから、調査報告書が5月31日に公表された。放送されたドラマの内容自体に放送倫理上の問題があるわけではないが、委員会としてはドラマ制作の過程で問題がなかったかどうかについて関心を持ってきた。委員会は、かねてより放送局が自主的・自律的に問題を検討し解決への道を探ることが望ましいと考えており、今回の問題についても、日本テレビの調査を待つこととし、今般公表された調査報告書を議論した。主な意見や感想は以下の通り。

  • この報告書の直後に出た小学館の調査報告書と比較すると、当たり前だが自社寄りの内容になっているという気がするが、今回の問題の理解が深まった。著作者人格権という大がかりな話というよりは、単純に仕事の仕方やサポートが不十分であったことなどが問題だったのではないかという印象を抱いた。
  • 原作者と制作の間の交渉に立つ出版社は、ドラマ制作が漫画の売上げにつながるという利益を有しており、出版社が原作者のライツの代理人としてふさわしいのかという問題にもきちんと取り組む必要があるのではないか。原作者の権利をどう守っていくべきかを議論するきっかけになってほしい。
  • この報告書は、原作者を措いて脚本家をディフェンスしているように読み取れるところがある。
  • 出版社と放送局、原作者と脚本家は、レイヤーが分かれていて、最終的に原作者と脚本家がぶつかり合ってしまったところがあるのではないか。本来ならば、原作者にも脚本家にもエージェントが必要なはずだ。
  • 問題点は「原作に忠実に」という点と、原作が完結していないので「ラストはオリジナル脚本になる」という点で、それをどう扱うかが両者の間で詰め切れておらず、すれ違いがあったことが問題である。
  • 脚本チーム、コアメンバーは、いったいどのような権限を持ち、何をやっていたのかが、報告書を読んでもわからなかった。
  • ドラマ化には改変ありきで進んでいることが問題ではないか。漫画原作の良いところは、絵コンテが出来ているようなもので、キャスティングにも反映しやすい効率的な側面がある。しかしコマ割りや表現は考えに考え抜いて作られているのだから、演出家や脚本家などの現場がそれをちゃんと尊重して制作するという枠組みを作ってほしい。
  • 少女漫画の「キャンディ・キャンディ」について原作者の権利が争われた事件などで、著作者人格権は強く守られているはずなのだが、現場ではいろいろなプレーヤーの立場によって、その捉え方が違うと感じる。
  • 原作者は、当然出版社が自分の利益を代表してテレビ局と交渉してくれるだろうと思っているはずだが、大きな組織の利益に抱え込まれている気がする。
  • 報告書を読んで、つくづく原作者として守りたいものがある場合には、最初にそれを文章で書いて、これが守られなければ、原作の使用許可をいつでも撤回できるとして、判子を押さないとだめだと感じた。
  • 制作チームのフォローアップ体制を構築し、問題事例を継承してもらいたい。
  • 二次元と三次元なので改変は起こるものだが、みだりに変えるのではなく必然性が説明できる改変にするべきだという事を基本の教育としてほしい。
  • ドラマの制作現場の事はよくわからないが、作っていくうちに想定外の展開があったり、演者が関わる事で新しいものが生まれたりと、ある種の生き物のようなところがあると想像できる。最初に契約を作ることは難しいという人がいるが、そういう部分もあるのかもしれない。
  • プロデューサーの優しさだとは思うが、制作者サイドの意見を咀嚼して脚本家に伝えているけれど、生き物であれば、咀嚼をせずに脚本家に対し原作者から出ている厳しい意見をちゃんと伝えるべきではなかったか。
  • 商業的二次利用をする際は、原作者の著作者人格権のもとでするのが原則で、原作者がノーと言えば使えないのだが、報告書ではややあいまいにしていて違和感がある。
  • 不信感がつのってきたところに撮影日程で明らかに虚偽を伝えられて、決定的に信頼関係が損なわれた。報告書の他の事実関係に埋もれてしまっているようだが、これだけ取ればそれこそ倫理的に問題だし、うそをつかずに誠実に対処する事が今後も大事だと思う。
  • 日本のエンターテインメント業界の契約体質が非常に関係している気がして、条件は制作開始前に一定程度枠を決めて書面化しておかないといけないのではないか。
  • ある程度の条件を互いに都合の良い解釈をしている可能性があり、この業界の根本的な問題点のような気がする。

以上

第328回

第328回 – 2024年6月

「警察密着番組に対する申立て」審理入り…など

議事の詳細

日時
2024年6月18日(火)午後4時~午後7時半
場所
千代田放送会館7階会議室
議題
出席者
曽我部委員長、鈴木委員長代行、廣田委員長代行、大谷委員、
國森委員、斉藤委員、野村委員、松尾委員、松田委員

1. 審理要請案件「警察密着番組に対する申立て」

申立ての対象となったのは、テレビ東京が2023年3月28日に放送した『激録・警察密着24時!!』で、人気漫画・アニメのキャラクターを連想させる商品に絡む不正競争防止法違反事件を取り上げ、警察の捜査の模様や2021年7月28日に執行された会社役員ら4人の逮捕場面などを放送した。
これに対し、番組で取り上げられた会社役員らは、番組の放送時点で逮捕された4人のうち3人が不起訴処分になっているにもかかわらず、その事実に言及せず、また「人気キャラクターに便乗して荒稼ぎ」「被害者面」「逆ギレ」といった過度なナレーションやテロップを付けて放送するなど、4人の名誉を著しく傷つけたなどとして申立てを行った。さらに、捜査員同士の会話や会議の様子は事後に撮影されたものであるのに、捜査の時系列に沿っているかのように番組内で構成されており、視聴者を混乱させ、許容される演出の範囲を大きく逸脱しているなどと主張している。
被申立人のテレビ東京は、不適切な放送内容が複数あったとして、お詫び放送やウェブサイトでのお詫び文掲載のほか、警察密着番組の制作中止や関係者の処分を行った。さらに再発防止策として番組チェック体制の強化や社内教育・研修の拡充などを進めていくとしている。
申立人側は、お詫び放送等の対応に一定の評価をしているものの、警察署内での事後撮影をめぐる見解の相違やテレビ東京が番組制作過程を明らかにしなかったことに納得せず、双方の交渉は不調に終わり、今回委員会で審理入りするか否かを検討した。
6月18日に開かれたBPO放送人権委員会は、委員会運営規則第5条(苦情の取り扱い基準)に照らして、本件申立ては審理要件を満たしていると判断し審理入りすることを決めた。次回委員会から実質審理に入る。

2.「調査報道に対する地方自治体元職員からの申立て」審理

申立ての対象となったのは、サンテレビが2023年9月26日と27日に放送した夕方ニュース番組『キャッチ+』(キャッチプラス)で、ふるさと納税PR事業のために兵庫県下の地方自治体が出店したアンテナショップで、この自治体の元課長が現職時代に不正行為をはたらいていたという内容の調査報道ニュースを放送した。申立人は元課長で、放送内容は虚偽であり名誉を毀損されたと主張している。
9月26日放送の前編では、アンテナショップ元店長たちの内部告発をもとに、元課長が代金を支払わずに商品を飲食していたと報道した。9月27日放送の後編では、情報公開で得た資料と元店長たちの証言などをもとに、元課長の指示により、家族や知人に公金で高級牛肉などが送られていたと伝えた。
申立人の元課長は、放送などでの謝罪、インターネット上での当該ニュース動画の削除などを求めている。
被申立人のサンテレビは、元課長は電話取材に対し全てを否定したが、発言に具体的根拠はなく、元店長らの証言や伝票のコピーなどの物証からみて、放送内容は真実であり、少なくとも真実であると信じるに足る相当の理由があるとしている。また、地方自治体の管理職の地位にある公務員が、公金が投入されたアンテナショップで行った不正行為を放送したもので、公共性があり、公益を図る目的で放送したと主張している。
今回の委員会では、申立人、被申立人双方の書面が全て出揃い、事務局から双方の主張を整理した対照表について説明を行った。次回委員会では、論点とヒアリング時の質問項目について議論する。

3. 最新申立て状況

事務局から最新の申立て状況について説明した。

4. その他

事務局から7月1日付で新任の調査役が着任することが報告された。

以上

2024年6月18日

警察密着番組に対する申立て」審理入り決定

 BPO放送人権委員会は、6月18日の第328回委員会で、上記申立てについて審理入りを決定した。

 申立ての対象となったのは、テレビ東京が2023年3月28日に放送した『激録・警察密着24時!!』で、人気漫画・アニメのキャラクターを連想させる商品に絡む不正競争防止法違反事件を取り上げ、警察の捜査の模様や2021年7月28日に執行された会社役員ら4人の逮捕場面などを放送した。
 これに対し、番組で取り上げられた会社役員らは、番組の放送時点で逮捕された4人のうち3人が不起訴処分になっているにもかかわらず、その事実に言及せず、また「人気キャラクターに便乗して荒稼ぎ」「被害者面」「逆ギレ」といった過度なナレーションやテロップを付けて放送するなど、4人の名誉を著しく傷つけたなどとして申立てを行った。さらに、捜査員同士の会話や会議の様子は事後に撮影されたものであるのに、捜査の時系列に沿っているかのように番組内で構成されており、視聴者を混乱させ、許容される演出の範囲を大きく逸脱しているなどと主張している。
 被申立人のテレビ東京は、不適切な放送内容が複数あったとして、お詫び放送やウェブサイトでのお詫び文掲載のほか、警察密着番組の制作中止や関係者の処分を行った。さらに再発防止策として番組チェック体制の強化や社内教育・研修の拡充などを進めていくとしている。
 申立人側は、お詫び放送等の対応に一定の評価をしているものの、警察署内での事後撮影をめぐる見解の相違やテレビ東京が番組制作過程を明らかにしなかったことに納得せず、双方の交渉は不調に終わり、今回委員会で審理入りするか否かを検討した。

 6月18日に開かれたBPO放送人権委員会は、委員会運営規則第5条(苦情の取り扱い基準)に照らして、本件申立ては審理要件を満たしていると判断し審理入りすることを決めた。次回委員会から実質審理に入る。

放送人権委員会の審理入りとは?

「放送によって人権を侵害された」などと申し立てられた苦情が、審理要件(*)を満たしていると判断したとき「審理入り」します。
ただし、「審理入り」したことがただちに、申立ての対象となった番組内容に問題があると委員会が判断したことを意味するものではありません。

* 委員会審理に必要な要件については、同委員会「運営規則 第5条」をご覧ください。

第268回

第268回-2024年5月28日

中高生モニター報告について…など

2024年5月28日、第268回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ、オンライン参加の1人を含む8人の委員全員が出席しました。
4月後半から5月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
5月の中高生モニター報告のテーマは「最近見たニュース・報道・情報番組について」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2024年5月28日(火)午後4時00分~午後6時00分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、吉永みち子副委員長、飯田豊委員、池田雅子委員、
佐々木輝美委員、沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員

視聴者からの意見について

4月後半から5月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について、担当の委員から報告がありました。
担当委員は「今回は、特定の番組に意見が集中することはなかった」としたうえで、女子高校生が弁護士となって冤罪の容疑者・被告人を弁護するとの設定の連続ドラマについて、「(視聴者から)痴漢被害者は主に未成年の少女なのに犯罪者の味方をするとは、との批判があった。架空のストーリーで冤罪を扱うテーマにあって過剰に反応している印象だ」と指摘しました。
別の連続ドラマで、知的障害や特別学級というワードに続いて、手術を受ける子どもの母親のせりふに「普通に学校に(通えるように)」とあったことについて、「知的障害や特別学級が普通ではないとあからさまに言っていて不快だ」との意見がありました。担当委員は「発達に特徴のある子どもたちが向き合っている現実を描写する演出は必要だと思う。それがよくないと言って演出すらできなくなると、世の中に本当はあふれている偏見を覆い隠してしまう懸念がある。『こういうことはよくないよね』と気づかせる、社会啓発のために必要なことがあると思う」と述べました。
メンタルヘルスや障害者の問題などを正面から題材にする教養バラエティーで、自傷行為の出血シーンが放送され、「子どもも見る時間帯に不適切だ」との指摘があったことについて、担当委員は「当事者の反応を見ると、『自分もそうだった』など共感するものが多く、否定的な反応は少なかった。むしろ当事者ではない人のほうが不適切に感じたのかもしれない」と説明しました。
このほかに大きな議論になる番組はなく、「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

5月のテーマは「最近見たニュース・報道・情報番組について」でした。今月も30人の中高生モニター全員からの報告があり、複数の番組を視聴した感想が多く見られたほか、令和6年能登半島地震関連報道への意見も寄せられました。
「青少年へのおすすめ番組」では『モノマネMONSTER』(日本テレビ)、『君の声が聴きたい presents「ライブ・エール2024」』(NHK総合)、『#バズ英語~SNSで世界をみよう~』(NHK Eテレ)、『世界遺産』(TBSテレビ)、『クイズプレゼンバラエティQさま!!』(テレビ朝日)、『サスティな!』(フジテレビ)、『ドラマ生きとし生けるもの』(テレビ東京)、『ねこ育て いぬ育て(17)』(NHK BS)などに複数のモニターから感想が届いています。

◆モニター報告より◆

【最近見たニュース・報道・情報番組について】

  • 『日テレNEWS NNN』(日本テレビ)※日本テレビのニュースサイト
    内容が似ているニュース(スポーツ・政治など)が要約されて連続で流れてくるので、あまりニュースを見ない私の頭にも内容がするすると入ってきました。興味のある記事はさらに深く調べたので、短くどんどん放送してくれるのは良いと思います。(中学1年・男子・山形)

  • 『NHKニュース7』(NHK総合)
    その日の項目が6つピックアップされた画面はパッと見て分かりやすい。【介護保険料また上昇 地域差も】のニュースを見て、母にも介護保険料を払っているのか質問したところ「会社の給料から引かれているが金額は分からない」と言っていた。僕の住んでいる地域の介護保険料を今度調べてみようと思う。介護保険料は金額ごとに色分けしていて良いと思ったが、色が多くて県境が分かりにくかったので、県境は太線にするのがいいと思う。(中学1年・男子・山梨)

  • 『NHK NEWS おはよう日本』(NHK総合)
    最近の能登半島地震に関する報道は、現地の復興状況などをおおむね好意的に伝えるものが多いと感じる一方で、災害によって得られた教訓や、一時期話題になっていた「千葉県東方沖」の地震に関する情報もほぼなくなっています。間もなく震災から半年という節目を迎える今は、被災地以外の地域に向けて「災害への備え」についてテレビを通して問いかけるのが有意義だと思います。(中学3年・男子・千葉)

  • 『池上彰のニュースそうだったのか!!』(テレビ朝日)
    • 印象が強かったのは香川県の父母ヶ浜です。海外のような絶景で「日本にもこういう場所があったのか」と思いました。また商店街をホテルにする計画は、場所の有効活用という点でとてもいいと思います。まさに一石二鳥だと思いました。(中学2年・男子・東京)
    • ニュースの事例をわかりやすくかみ砕いて解説していて良かった。円安のニュースや情報番組を見ると、個人でできることはないのかなと考える。「外国の投資信託などを買うことも円安に絡んでいるのではないか」「日本の成長を応援することが円の価値を高めることになるのではないか」など、一般庶民ができることを知りたい。(中学3年・男子・東京)
    • 「昔→現在→技術革新→課題→解決策→いま私たちにできること」といった構成が分かりやすかった。また番組内のCMが、前半は少なく後半は5分刻みに放送されていた。視聴者を離さない良策だったと思う。(高校1年・男子・長崎)
    • 『ONE MORNING』(エフエム東京)で「日本銀行が為替介入したのではないか」というニュースを聞いたとき、なぜ日銀は為替介入したと発表しなかったのだろうかと疑問に思っていた。しかしこの番組では「どのような狙いがあって発表しなかったのか」を深く分かりやすく解説していたため、以前よりも時事ニュースに興味を持つようになった。ニュースのポジティブな面も取り上げているのでおもしろい。(高校2年・女子・東京)
  • 『DayDay.』/『ZIP!』(日本テレビ)
    『ZIP!』は長時間ですが、内容が度々繰り返されていて、より多くの人に情報を届ける工夫がありました。ニュースは短めで見出しもあり、分かりやすかったです。エンタメとニュースが交互に紹介されていてあきませんでした。『DayDay.』は、『ZIP!』よりゲストや専門家が多く、解説や感想、推測が多いと思いました。また『ZIP!』よりスピード感がなく、問題や事件を深く考える番組だと思いました。事件の相関図が表示されて分かりやすかったです。(中学2年・女子・秋田)

  • 『情報7daysニュースキャスター』(TBSテレビ)/『サタデーステーション』(テレビ朝日)
    『情報7daysニュースキャスター』では日本のオーバーツーリズムについて司会・キャスター・ゲストが討論しながら情報を共有する流れが楽しかった。バラエティー番組とニュース番組の中間のような感覚で視聴できるため親しみやすかった。『サタデーステーション』では統計的数値を使って真夏日でも地域差があることがよく分かった。情報がまとまっていて時事ニュースを知るには手っ取り早いと感じた。(中学2年・女子・埼玉)

  • 『テレポート山陰』(山陰放送)
    災害時に備蓄食材をおいしく手軽に調理するおすすめアレンジレシピのニュースが参考になった。どういう食材だと調理がしやすく食べやすいかが知りたかった。また、ビニール袋によっては、熱湯に入れると袋が溶けてしまう物もあるので、注意点が書いてあればよかった。(中学2年・女子・鳥取)

  • 『Nスタ』(TBSテレビ)
    • 「アメリカの刑務所では刑務所内のスーパーで買い物ができる」と説明があったが、賠償金の支払いや借金が残っている受刑者は買い物ができないのか、どこからお金が出ているのかという疑問が残った。受刑者がどのような生活をするのかがざっくりと分かって、映像で見られるのは良いと思った。(中学3年・女子・神奈川)
    • いつも学校から帰宅すると見ています。山あいの住宅を狙った連続強盗事件のニュースを2時間くらいの中で3回ほど見ました。長いニュース番組では、同じ記事や同じ人にインタビューする動画を何度も放送するのはあるあるですが、同じニュースを伝えるときにはより多くの人にインタビューをし、伝え方を少し変えてみるのもアリではないかと思いました。(高校3年・女子・栃木)
  • 『ニュースウォッチ9』(NHK総合)
    一つ一つのニュースをとても詳しく報じていて分かりやすいです。一方でいくつか改善点もあると感じました。一つ目は、反対側の立場にいる人達にもっとスポットライトを当ててほしいということです。値上げを抑えるために生産者が何を工夫しているかなどに注目するとより深く知ることができると思います。二つ目は、SNS等で視聴者の意見を吸い上げることで、もっと親近感の湧く番組になるのではないかと思います。(中学3年・女子・長崎)

  • 『憲法記念日特集 今必要な憲法議論は』(NHK総合)
    各党で議論しているため意見が対立するのは分かるが、正直、議論として成立していない気がした。なぜなら、各党がそれぞれの憲法に対する考え方を述べ合っただけで建設的なものではなかったからだ。例えば各世代の代表者とスタジオで討論してほしかった。一方で『news zero』(日本テレビ)や『報道ステーション』(テレビ朝日)では一般人へのインタビューだけで、憲法改正に賛成あるいは反対いずれかの意見のみに偏っていた。政党と一般人の両方の意見を組み合わせて放送するとよかったと思う。(高校1年・男子・兵庫)

  • 『ゴゴスマ GO GO!Smile!』(CBCテレビ)
    ニュースの解説が分かりやすく、多くのコメンテーターの意見を聞くことができるのはとても面白いですが、解説をする専門家がいつも同じ人だと思います。一人の専門家が解説・監修するのではなく、たくさんの専門家がかかわれば、公平で偏りのない情報を届けることができるのではないかと思います。(高校1年・女子・愛知)

  • 『WBS(ワールドビジネスサテライト)』(テレビ東京)
    難しい言葉が多く、理解が追いつかないところが多々あった。語句の説明もあったが、やはり難しいところも多かった。そして私が今、世界や日本では何が起こっているのかを知らなすぎるということを改めて実感した。(高校1年・女子・岐阜)

  • 『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ)
    さまざまな「円安」に関するニュースを視聴しました。番組では円安に伴うオーバーツーリズムを取り上げていましたが、他番組と違って「県知事」「他の事例を解説できる専門家」「内容を深く理解して自身の意見を述べる人」の3人で課題や対策を話し合っていました。普段ならば知り得ないところまで解説していたため「理解が深まった」と一番強く感じることができました。(高校2年・男子・神奈川)

  • 『真相報道バンキシャ!』(日本テレビ)
    • コメンテーターによる偏りのない意見は、とても納得するとともに勉強になりました。(高校2年・男子・山口)
    • さまざまな視点からニュースを見ることができてとても興味深かったです。表現の仕方として気になったのは、インタビューを厳選して流しているところです。若者に「転職を考えているか」というインタビューではすべて「転職を考えている人」もしくは「独立・家業を継ぐことを考えている人」で、「転職を考えていない人」のインタビューがなく多数派の意見しか聞くことができず残念でした。(高校2年・女子・愛媛)
  • 『情報7daysニュースキャスター』(TBSテレビ)
    最初のフリートークの話題は初めて見るものが多く、今回の中国・泰山で足をプルプルさせて歩く観光客の様子に腹を抱えて笑った。三谷幸喜氏と安住紳一郎アナウンサーの掛け合いを見たくてこの番組を視聴する人が私を含めてたくさんいると思うので、フリートークの時間をもっと延ばしてほしい。また江の島の話題では、6歳の男の子の家を「観光地に位置している」と紹介していたが、住所をほとんど公開していたので大丈夫かなと思ってしまった。(高校2年・女子・青森)

  • 『報道ステーション』(テレビ朝日)
    • 夜遅い時間にピッタリな進行だった。ニュースを伝える際は解説を丁寧に含めながらも淡々と進めていて、スポーツニュースには熱量や勢いを感じるもののなぜか落ち着いた気持ちで見ることができた。冒頭の豪雨のインタビューは学生が相手だったが、明らかに嫌そうな顔をしているのを放送するのはいかがなものかと思ってしまった。少しでも思いやりが必要ではないか。(高校2年・女子・東京)
    • 冒頭はイラン大統領を乗せたヘリコプターが墜落したニュースで、事故発生現場を近距離で撮影した動画で視聴者を一気に惹きつけることができていたと思います。ただ、動画のあとナレーターが「一体イラン大統領が事故に遭うまで何があったのでしょうか」と言ったのが少し引っかかりました。「ヘリ墜落」という文字をテロップで見た当初は事故を予想していたのに、その表現だと他殺なのかと疑ってしまう人もいるのではないかなと思いました。(高校3年・女子・熊本)
  • 『スーパーJチャンネル』(テレビ朝日)
    その日にあった事件や一般人が知らない情報を、専門家を招いて分かりやすく解説してくれるところが良いと思う。他局では専門家ではない人やインフルエンサーがコメントすることが多々あり、見識がないコメントが多いのではないかと思うことがある。これらのコメントは世間の人を動かすことができるので、彼らをコメンテーターに抜擢するのは少々危険な気もする。また、ニュース番組は視聴者がサクッとその日の情報を収集できる形式が今の時代にあっているのではないか。そういう意味では『60秒で学べるNews』(テレビ東京)は今の時代にマッチした番組だと思う。(高校3年・男子・埼玉)

  • 『サスティな!』(フジテレビ)
    僕は日常生活で騒がしいのは苦手なので、普段からテレビを消音に設定して視聴することがある。この番組は録画して2回見たが、最近のテレビは字幕が出るので、2回目は全くの消音で見ても楽しめた。出演者もちょうどいいスピードで話していた。最近のテレビは騒がしかったり話すのが早かったりするが、僕にとってちょうどいい具合だった。(高校3年・男子・東京)

  • 『THE TIME,』(TBSテレビ)
    高校3年生になって、授業で時事問題がよく取り扱われているため、情報番組は見るようにしています。『THE TIME,』ではさまざまなジャンルのニュースを取り上げていてバランスがいいと感じています。ニュースには殺人事件など重いニュースもありますが、事故の起こった様子やドライブレコーダーの映像といった重すぎる情報がなく、朝の情報番組として適切だと思います。(高校3年・女子・奈良)

【自由記述】

  • 私は7時頃に起きて7時30分頃に登校しますが、この30分間のテレビはグルメ探訪やお祭りの紹介が異様に多いです。ロシアによるウクライナ侵攻やハマスの動き、沖縄の米軍基地に関する問題など、興味のある事柄を知ることが出来ず悲しいです。(中学2年・男子・東京)

  • 朝はいつもNHKのラジオニュースで過ごしています。テレビはエンタメなど楽しいニュースが多く遅刻しそうになりました。(中学2年・女子・秋田)

  • 4月10日のラジオ番組『ラフリー!』(山陰放送)に出演していた田中友香理アナウンサーの「子どもの入学式に出席するため、途中まで番組に出演して時間になったら入学式に向かう」という考えがすごいと思った。そのことを受け入れた相方の丸山聡美アナウンサーや会社もすごいと思った。仕事と子育てを両立できて良いと思った。こういう考えが全国に広がるといいと思う。(中学2年・女子・鳥取)

  • 動画配信サービスや見逃し配信が充実しているなか、「ワクワク感」がテレビの唯一無二の良さではないかと最近思います。配信サービスはたくさんのエピソードが配信されていて“一気見”できますが、テレビだと次のエピソードまで一週間ほどあくので、次回を楽しみに一週間頑張ることができます。放送が待ち遠しくて、開始まで秒単位で数えてしまうこともあります。(中学3年・女子・長崎)

  • 最近のニュース番組は視聴者の注目を集めようとし過ぎていると思います。最近だと「大谷翔平選手の結婚」がどの放送局のニュース番組でも大々的に特集され続けていて、反対に戦争や災害に関するニュースは、発生から時間が経つと終わったことかのように放送されなくなります。大谷選手に限らず、芸能人やスポーツ選手の個人的なニュースやスキャンダルが大々的に特集され続けるのは間違っていると思います。(中学3年・女子・東京)

  • 学校の情報の授業で、「普段テレビを見ますか?」という質問に対して「はい」と答えた人が半数を下回ったことにとても驚きました。中高生をメインとした番組コンテンツを増やすことによって若い年齢層がより興味を抱き、テレビを視聴する中高生が増えるのではないかと思います。(高校2年・男子・山口)

  • 『夜明けのラヴィット!』(TBSテレビ)は一週間分の“面白集”を分かりやすくコンパクトに伝えてくれるので、忙しい高校生にとって「お得感のある番組」だと思います。(高校2年・女子・愛媛)

  • ニュース番組の中で扱われる言葉が難しいと感じることが時々ある。dボタンで用語解説などがあると、より学びにつながると思う。(高校2年・女子・東京)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『新 窓をあけて九州』(南日本放送)
    園児たちが自分の願いを大人に伝えるだけでなく、その願いのために自分たちがどんな行動を起こそうかと積極的に考える姿がすばらしい。そして、その行動や考えに協力した先生や地域の方々の姿から、屋久島の中で子ども達が愛されることや絆の深さが伝わった。(中学1年・女子・鹿児島)

  • 『テレビ東京開局60周年特別企画ドラマスペシャル「生きとし生けるもの」』(テレビ東京)
    • 不思議感ただようバーのような場面から一転して病院に変わり、旅に出るという場面の急展開に目を引かれました。「殺す前に」「死ぬ前に」行く旅というところが良いと思いました。(中学1年・女子・神奈川)
    • 「生きている」ことが、俳優の言葉によってありありと表現されていて心に刺さった。ただ1話限りなので展開が早く感情移入しにくかった。(中学2年・女子・埼玉)
  • 『もう中の教えて高校生!「池田工業高等学校 建築学科」』(信越放送)
    私は高校で工科系のことを学びたいと思っていたので、同番組のロボコンや測量といった、少しレアな分野にスポットを当ててくれるところがとても良いと思いました。(中学2年・男子・東京)

  • 『君の声が聴きたい presents「ライブ・エール2024」』(NHK総合)
    ラジオと同時に放送されていてすごかったです。色々な世代の歌手が出演していて紅白のようで家族で楽しめました。生放送らしい歌声でよかったです。(中学2年・女子・秋田)
    曲だけでなく、言葉でもエールを送っており、心に残る番組となっていたと思う。(高校1年・男子・長崎)

  • 『ねこ育て いぬ育て(17)』(NHK BS)
    犬が大好きですがペットショップに入れないくらいのアレルギーがあります。散歩している犬を見たり、YouTubeを見たり、犬グッズを見たりして犬欲を満たしています。番組を見て「野犬」の存在を知りました。自分の生活圏には野犬がいないので臆病な性格に驚きました。しかしその臆病さがあったので保護されるまで生き延びられたのかと思うと、胸が少し痛みました。(中学2年・女子・東京)

  • 『#バズ英語~SNSで世界をみよう~』(NHK Eテレ)
    初回から毎週楽しみにしていて、気軽にスラングを知ることができたり、熟語を学べたりすることころが良いと思う。SNSのコメント欄を紹介して間違っているところには訂正が入っているのを見ると、ネイティブの人も完璧ではないのだと思えて、英語に挑戦しやすくなった。(高校3年・男子・埼玉)

  • 『レギュラーの全国あるある探検隊』(BSよしもと)
    京都府京丹波町は遠くて馴染みがない地域なので「黒豆」のイメージしかなかったが、栗やキャベツも名産品であることを知った。タコ焼きの食レポがうまくて食べたくなった。最初の自己紹介の時間が少し長く感じたので、他のものを紹介してもよいと思う。(高校2年・女子・青森)

◆委員のコメント◆

【最近見たニュース・報道・情報番組について】

  • 外国人による犯罪のニュースについて、今インターネット上では「国へ帰れ」などと激しいバッシングが起きているが、中学1年生の報告では「真面目な人もいるのでとても残念」とあった。バランスを持って冷静にニュースを受け止めていると思う。

  • 中学生や高校生の視聴者は、同世代に関するニュースや特集への関心が高いと感じた。

  • 高校2年生のモニターから「インタビューされている人が嫌そうな表情をしていて、少し胸が痛くなった」と報告があった。以前、戦争に関連する番組は残酷なシーンがあるので見たくないという声があったが、似たような意見だと感じる。

  • オーバーツーリズムについて多くのモニターから報告があり、とても関心が高まっていると感じる。


【自由記述について】

  • 中学2年生のモニターから「朝のテレビ番組に関して学校でディベートをした」と報告があった。テレビ番組や新聞などを活用して、自らの論理形成や相手の論理予想について学んだのだろう。報道番組が教育現場で活用されるということは、番組の客観性や中立性、情報の包括性がますます求められてくると思う。

  • 高校2年生のモニターから「中高生をメインとした番組コンテンツを増やしたほうがいい」という報告があったが、この視点は放送局側に欠けていると感じる。購買層向けの番組が多くなる中で中高生向けの番組が少なくなると、その中高生たちは将来も番組を見なくなってしまう。例えばゲーム業界では、ゲームに夢中になった子どもたちが高校生や大学生に成長したときに興味を持つようなコンテンツを開発していき、最終的にはオールジェネレーションで顧客を作っている。放送業界においても、購買力のある人をターゲットにすると同時に、小さい頃から放送に興味を持ってもらい、また子どもたちの視聴を促し続けるようなコンテンツが必要だと思う。

今後の予定について

次回は6月25日に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。

以上

2024年5月に視聴者から寄せられた意見

2024年5月に視聴者から寄せられた意見

「共同親権法」の審議・成立のニュースについてさまざまな意見が寄せられました。

2024年5月にBPOに寄せられた意見数は1,678件で、先月から199件減少しました。
意見のアクセス方法は、ウェブ 86.9% 電話 11.6% 郵便・FAX計 1.4%
男女別は、男性 50.8% 女性 27.6%  無回答 21.6%で、世代別では10代 1.8% 20代 14.0% 30代 22.0% 40代 20.1% 50代 21.8% 60代 9.1% 70歳以上 3.3%
視聴者意見のうち、個別の番組や放送局に対するものは当該局へ個別に送付しますが、5月の送付件数は560件、35局でした。放送全般に対する意見は120件で、その中から11件を選び、会員社すべてに送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

共同親権法(改正民法)の国会審議と可決成立のニュースを多くの番組が取り上げ、その内容についてさまざまな意見が寄せられました。
ラジオに関する意見は15件、CMについては10件でした。

青少年に関する意見

2024年5月中に青少年委員会に寄せられた意見は60件で、前月から8件減少しました。
今月は「表現・演出」が29件と最も多く、次いで「要望・提言」が13件、「報道・情報」が6件と続きました。

意見抜粋

番組全般

  • どの局のバラエティー番組も、テーマに沿ったVTRを流した後、スタジオの出演者が感想を言い合うといったおきまりの構成のものばかりで飽きてしまう。編集も似たり寄ったりで新鮮味がない。

  • 報道の自由度が世界70位、G7の中では最低だったという。戦時の報道のあり方を反省して今の放送法、放送業界ができたはずなのに、国民に伝えるべきことを伝えられていないということではないだろうか。重要な政策案件については、国会で議決される前に国民の議論を喚起するような報道を期待したい。

  • 番組ADがタレントに向かって「お金を貸してほしい」とせがむドッキリ企画。ひとの善意を試しているようで不快だし、寸借詐欺の場面を見せられているようでもあり強い違和感を覚えた。

  • 酔って寝込んだタレントを宙づりにして驚かせ嘔吐させていたバラエティー番組。吐しゃ物にモザイクをかけても気持ち悪いし、面白くない。

  • いわゆるCMまたぎでよく使われる「このあとすぐ」という言葉は信用できない。やめてほしい。

  • 高額報酬で共犯者を募る闇バイトが社会問題となっているのに、それをバラエティー番組でドッキリ企画にしていた。闇バイトをお笑いのネタにしようという制作者の感覚に違和感を覚える。

  • 共同親権か単独親権かという問題と面会交流をめぐる問題は分けて考えることができるのではないか。

  • 共同親権問題は異なる立場や主張を尊重して公平に伝えるべきだと思う。

  • 情報番組などで、SNSをはじめとするネット上の情報をそのまま放送にのせているが、真偽不明のものや意図を持って攻撃する内容のものもあるので、ネット情報の利用は慎重に判断した方がいいと思う。

  • 歯の欠けた一般人を集めて運動会などを行うというバラエティーの企画。登場した人は一様に笑顔だったが、視聴者の中には複雑な気持ちになった人もいるのではないだろうか。素直には笑えなかった。

  • 警察密着番組の打ち切りが発表されたが、同様の番組は他社も放送している。これを機に各社が警察密着番組のあり方を確認してはいかがだろうか。警察活動の重要性は十分に理解するが、密着した対象を賛美する内容になる可能性はあると思う。

  • 原作者が亡くなったドラマの制作について当該放送局から調査結果が発表されたが、真相解明のためにはまだ不十分だと感じる。局は記者会見を開くべきだ。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組のドッキリ企画で、ターゲットの芸人の体に電気を流して笑うという残酷な内容があった。人をいじめて笑うという構図を当たり前のように放送するのは子どもたちへの悪影響が大きい。

  • メンタルヘルスや障害の問題を題材にする教養バラエティー番組で、自傷行為の出血シーンが放送された。子どもたちが見る時間帯には不適切ではないだろうか。

  • バラエティー番組で、鼻フックで軽トラックを引っ張るという企画を放送したが、鼻をけがする可能性があり、たいへん危険に感じた。子どもも模倣しかねないだろう。

  • 歌謡番組の合間のバラエティー企画で、芸人3人が頭部を覆った透明のバケツに水を満たして息止めのリレーをした。息を我慢する様子を芸人のMCらが笑いながら批評していた。これのどこが楽しいのか理解に苦しむ。

【「要望・提言」】

  • 情報番組のスタジオに高校生を招いて投資を勧める話を聞かせた。投資は良いことばかりではなく、十分な資金と知識があったうえで、自己責任で行うべきもの。未成年に勧めるのは好ましくない。

  • 連続ドラマで、手術を受ける子どもの母親役が「普通に学校に(通えるように)」と言うせりふがあった。知的障害などの特別学級が「普通でない」ことをあからさまにしていて不愉快であり、憤りを感じた。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 医療福祉センター利用中に男児がけがをしたというローカル・ニュース。負傷した男児の顔写真が両目のぼかしだけ入れられて放送された。見ていて気分が悪くなった。これを見た子どもの心にトラウマを与えてしまうのではないかと心配になった。

【「動物」に関する意見】

  • バラエティー番組のトークで、芸人が「(淡水域に生息する)アロワナを海水に入れて殺した」という話をした。それを聞いた別の芸人と俳優がゲラゲラと大笑い。生き物を殺して笑うのは教育的によくない。