第258回放送と人権等権利に関する委員会

第258回 – 2018年5月

「命のビザ出生地特集に対する申立て」事案の審理…など

議事の詳細

日時
2018年5月15日(火)午後4時~6時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、
白波瀬委員、二関委員、廣田委員、水野委員

1.「命のビザ出生地特集に対する申立て」事案の審理

対象となったのは、第二次世界大戦中にナチス・ドイツの迫害から逃れたユダヤ人を救った外交官・杉原千畝の出生地をめぐって、CBCテレビが2016年7月から翌年6月までに報道番組『イッポウ』で10回にわたり放送した特集等。岐阜県八百津町は千畝の手記などいわゆる「杉原リスト」をユネスコの「世界記憶遺産」に登録申請したが、番組では「八百津町で出生」という通説が揺らいでいるとして、千畝の戸籍謄本についての検証や出生地が記された手記の筆跡鑑定の結果等を放送した。
この放送について、手記を管理しているNPO法人「杉原千畝命のビザ」とその理事長らが委員会に申立書を提出し、番組は、手記は偽造文書であるとの印象を一般の視聴者に与え、さらに申立人らがそれの偽造者であるとの事実を摘示するもので、社会的評価を低下させると名誉毀損を訴えた。これに対し、CBCテレビは委員会に提出した「経緯と見解」書面において、一連の報道は、出生地の疑問やその根拠を再検証したもので、手記が真正か偽造されたものかという判断には踏み込んでいないし、申立人らが偽造したという印象を一般の視聴者が抱くとは思えないと主張した。
今月の委員会では、起草担当委員から本件事案の論点とヒアリングの質問項目の案が示され審理した。その結果、次回6月の委員会で申立人と被申立人のCBCテレビにヒアリングを実施し詳しい話を聴くことを決めた。

2.その他

  • 委員会決定第67号「沖縄の基地反対運動特集に対する申立て」で人権侵害の「勧告」を受けた東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)で4月27日に研修会が開催された。委員会から奥武則委員長と事案の担当だった白波瀬佐和子委員、それに決定の取りまとめに当たった坂井眞前委員長が出席、TOKYO MXは社員140人余りが出席した。番組のDVDを視聴してから坂井前委員長が決定のポイントを説明し、放送と人権などをめぐって質疑応答を行った。

  • 次回委員会は6月19日に開かれる。

以上

第126回 放送倫理検証委員会

第126回–2018年5月

TOKYO MX『ニュース女子』沖縄基地問題の特集に関する意見への対応報告書に追加質問など

東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)『ニュース女子』沖縄基地問題の特集に関する意見への対応について、委員会は、報告の内容が不十分であるとして、当該放送局に対して追加の質問を行った。
委員会が2月に通知公表したフジテレビの『とくダネ!』2つの刑事事件の特集に関する意見への対応について、当該放送局から報告書が提出された。委員会で検討した結果、きめ細かな研修会を開催するなど意見書で指摘した課題に取り組み再発防止を図っているとして、対応報告書を了承した。

議事の詳細

日時
2018年5月11日(金)午後5時~午後8時
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

神田委員長、是枝委員長代行、升味委員長代行、岸本委員、斎藤委員、渋谷委員、鈴木委員、中野委員、藤田委員

1. 東京メトロポリタンテレビジョン『ニュース女子』沖縄基地問題の特集に関する意見への対応報告書に追加質問

東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)の『ニュース女子』沖縄基地問題に関する特集について、委員会は去年12月、重大な放送倫理違反があったとする意見書を通知公表し、TOKYO MXからその後の取り組み状況について報告書が提出された。
この報告について4月の委員会では、「TOKYO MXは、委員会が意見書を通知する前の去年2月、番組は放送基準に沿った内容だったとする『当社見解』を公表したが、意見書通知後、この見解の内容について、改めて社内で検証をしたのだろうか」などの意見が出された。その結果、この対応報告では内容が不十分であるとして、担当委員を中心に追加の質問項目をまとめ、4月下旬にTOKYO MXに手渡したことを確認した。

2. フジテレビ『とくダネ!』2つの刑事事件の特集に関する意見への対応報告書を了承

2月8日に委員会が通知公表した、フジテレビの『とくダネ!』2つの刑事事件の特集に関する意見(委員会決定第28号)への対応報告書が、4月下旬、当該放送局から委員会に提出された。
報告書には、刑事事件報道への意識と知識を向上させるために、社内で100回以上の少人数の研修を実施したことや、報道被害者を招いて研修会を開く予定であること、また意見書の真意をより深く理解するために放送倫理検証委員会の担当委員を招いて勉強会を開催したことや、その際の参加者の声が具体的に記されている。
委員会では、勉強会に出席した委員からの報告などをもとに意見交換を行い、少人数の研修の実施など、意見書で指摘された課題についてひとつひとつ改善を図っていることがうかがわれるとして、この対応報告書を了承し、公表することにした。

以上

第202回 放送と青少年に関する委員会

第202回-2018年4月24日

視聴者からの意見について…など

2018年4月24日、第202回青少年委員会を午後4時30分からBPO会議室で開催、5人の委員が出席しました。(1人は所用のため欠席)
委員会ではまず、委員長の互選を行い、榊原洋一委員(お茶の水女子大学名誉教授・小児科医)が、委員長に選任されました。
次に、3月16日から4月15日までに寄せられた視聴者意見について議論しました。
深夜のアニメ番組で、いじめや虐待のシーンに関して「リアルで真似されやすい」「過激すぎる」などの視聴者意見が寄せられたことについて、委員からは、「これらのシーンはストーリー展開上、必要なものであろう」などの意見が出されました。
4月の中高生モニターのリポートのテーマは「新年度に放送されたスペシャル番組の感想」で、33人から報告がありました。モニターからは、がんをテーマにしたスペシャルドラマについて「普段見る連ドラよりも内容が濃く、映画を見た気分になり、楽しかった」、また、ニュースを解説するスペシャル番組について「今日起きたアメリカのシリア攻撃をすぐに解説してくれてわかりやすかった」などの意見が寄せられ、それについて議論しました。
次回は5月22日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2018年4月24日(火) 午後4時30分~7時00分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

深夜のアニメ番組で、いじめや虐待のシーンについて「いじめの内容がリアルで、真似されやすい」「いじめや暴力表現が過激だ」などの意見が寄せられました。これに対し、委員からは、「アニメの初回であり、いじめや虐待の場面は、ストーリー展開上必要なものであろう。流血のシーンもあるが、著しくグロテスクな描き方ではない」「いじめ、虐待を肯定、推奨するような表現ではない」などの意見が出されました。
この件については、これ以上、話し合う必要はない、となりました。

中高生モニター報告について

2018年度も、全国34人の中高生にモニターを依頼しました。
4月のテーマは「新年度に放送されたスペシャル番組の感想」とし、年度初めの番組改編期に放送された様々なスペシャル番組(いわゆる特番)の中から、自由に選んだ番組を視聴し、報告してもらいました。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。33人から報告がありました。
「青少年へのおすすめ番組」に挙げられていたドラマ特別企画「がん消滅の罠~完全寛解の謎~」(TBSテレビ)をリポートの題材にしたモニターが5人おり、「おすすめ番組」と合わせて11人がこのドラマについての感想を寄せています。「主人公と仲間たちとの絆や家族愛、自分の信念を強く持つことの大切さなどが描かれており、中学生ながらにも考えさせられる場面が多くあった」など、10代ならではの感性と視点で視聴している様子がうかがえます。
「自由記述」では、ラジオについて「若いリスナーが少なくて悲しい。若い人が聴かなければ、どんどん年配向けの番組が増える」という危機感や、「もっと子ども向けのニュース番組があればニュースに興味を持つ子どもが増えると思う」などの意見がありました。

◆委員の感想◆

  • 【新年度に放送されたスペシャル番組の感想】について

    • 『バカリズムのそこスルーする?』(フジテレビ)という番組について、「スルーされたことに目を向けるというコンセプトがとても面白い」と感想を寄せたモニターがいる。そのモニターが「世の中の小さなことをテレビ番組で取り上げることはあまりないので、このような番組はとても興味がわく」と述べていて、中高生が番組に求めている期待が垣間見える感想だろう。

    • 『2018春DASHでイッテQ!行列のできるしゃべくり日テレ系人気番組NO.1決定戦』(日本テレビ)の企画について、「すっぱいものを無表情で食べるというコーナーを食事時ではなく夜10時ごろに放送していたのはよかった」との感想が寄せられたが、おそらく制作者が行ったであろう視聴者への配慮を、中学生が評価しているということが興味深かった。制作者の配慮は、中高生にもきちんと届いているということがわかる報告だった。

    • 『FNS番組対抗オールスター春の祭典 目利き王決定戦』(フジテレビ)について、「自分が参加できる企画がたくさんあって、考えたりするのがとっても楽しかった」との報告があった。クイズ番組とは、基本的にそのような楽しみ方をするものだとは思うが、中高生にとっては、やはりそういう番組が求められているのだと理解した。

    • 『がん消滅の罠~完全寛解の謎~』(TBSテレビ)は、今回大勢のモニターが取り上げているが、「仲間たちとのきずなや家族愛、自分の信念を強く持つことの大切さなどが描かれている」との感想にもあったように、中高生なりに考えながら視聴し、このドラマから得られることがあったということだと思う。また「カメラワークなどがよくて映像ならではのドキドキワクワクがうまく伝わってきた」というふうにも評価する声もあり、制作者のこだわりや質の高さは、中高生にもしっかりと届いているということを制作者にはぜひお伝えしたい。

    • 『西郷どんスペシャル 鈴木亮平×渡辺謙の120日』(NHK総合)を見て「本当に面白いドラマを作るには、番組を作るスタッフの努力と、役者さん達の役に対する心構えが大切なのだなと感じた」との報告が寄せられた。やはり作り手や出演者が熱意にあふれ、丁寧に作られた番組というのは、若者の心に響いているということを実感する。作り手が丁寧につくった番組を、また丁寧に見てくれている中学生がいるということは、制作者にとっても励みになるだろうと感じる。

    • 『又吉直樹のヘウレーカ!』(NHK Eテレ)に「植物のオオバコについて研究を行う中学生が登場し、説明をしており同世代の活躍にすごいという思いと、刺激を受けた」と書いたモニターがいたが、等身大の同世代が番組に出演し、ある種の活躍を見せるということは、中高生の心をひきつけるものなのだと思う。また同じモニターが「子どもにとっておもしろい内容だったが、放送時間が夜10~11時とやや遅いのが残念」と述べているが、確かに、このような番組は、子どもたちがリアルタイムで見られるような時間帯に放送されるといいのではないかと思う。

    • 『ENGEIグランドスラム』(フジテレビ)について、「落語や漫談など中高生はあまり見る機会のないジャンルが取り入れられていてよかった。見る前は堅苦しい芸はこの時間に合わないのではないか、と思っていたが、立川志らくさんや神田松之丞さんなど、いざ見てみると今までにない笑いの取り方がとても面白かった」と評価する報告があった。普段、コントや漫才が中心の演芸番組の中で、落語や講談、漫談が紹介されていたことが、中高生にとって非常に新鮮に映ったようだ。若い世代も、このような演芸に誘導できるという意味で、制作者にとっても新たな可能性が感じられるのではないだろうか。

  • 【自由記述】について

    • 「バラエティー番組で、番宣のために出演している人が最近とても多い」という意見がいくつかあった。今はどこのテレビ局もそういう形で番組が構成されているが、そのようなお約束事のような演出はやはり中高生にとってもあまり感じが良いものではないようだ。

    • 「大笑いできる番組が減っている」という意見について、バラエティー番組はたくさんいろいろあるのに、理屈抜きで大笑いして楽しかったといえる番組が減っているという印象をモニターが持っているということが、気になっている。

    • CMまたぎの演出について、「CM前後で同じ映像を見せることは(視聴者の)テンションが下がってしまう印象が強く、CMへのイメージを悪くする」という指摘があったが、なかなか鋭い視点だと思う。

    • 「最近のメディアは同じことばかり取り上げている」という意見と「ピョンチャンオリンピックの時、どこの放送局も同じような質問をそれぞれ別々にしていて、選手が気の毒になった」という感想が、別のモニターから寄せられた。確かに、放送局や番組ごとに掘り下げ方やアプローチの仕方に工夫を凝らし、個性を発揮して、「どこも同じ」などと言わせないよう頑張っていただきたい。

    • 「ワイドショーなどテレビの放送で、不倫や浮気の話題を大々的に扱わないで欲しい。ネットニュースで十分だ」という意見があったが、中高生としてみればやはりそう感じるのかな、と思った。

  • 【青少年へのおすすめ番組】について

    • 『みんなの甲子園』(毎日放送)を視聴し、とてもいい番組だと思ったが「僕の友だちの多くはこの番組を知らなかったので、もっと宣伝していろいろな人に見てもらえたらうれしい」という意見は、ぜひ制作者に伝えたい。

    • 『発見!タカトシランド』(北海道文化放送)について「自分の住んでいる地域が取り上げられるとうれしいし、地域の活性化にもつながると思う」という感想が寄せられているが、こういう番組はローカル放送の利点だと思う。ローカル性というものが、いかに視聴者と作り手をつなげて、楽しいものであるかという、ローカル放送の力と可能性が感じられる。

◆モニターからの報告◆

  • 【新年度に放送されたスペシャル番組の感想】について

    • 『がん消滅の罠~完全寛解の謎~』(TBSテレビ)3時間のドラマは、普段見ている連ドラに比べて内容が濃く、映画を見たような気分になりました。いろいろなところに伏線が散りばめられ、最後にどんどん謎が解けていくミステリー特有の感じなどが本当に面白かったです。(東京・中学2年・女子)

    • 『バカリズムのそこスルーする?』(東海テレビ/フジテレビ)スルーされることに目を向けるというコンセプトが面白かったです。世の中の小さなことをテレビ番組で取り上げることはあまりないので、このような番組はとても興味がわきます。(岐阜・中学2年・女子)

    • 『2018春DASHでイッテQ!行列のできるしゃべくり日テレ系人気番組NO.1決定戦』(宮城テレビ/日本テレビ)コーナー内でいろいろな対決をしていましたが、「すっぱいものを無表情で食べる」という場面があり、そのコーナーを食事時ではなく夜の10時ごろに放送するという配慮は、とてもいいと思いました。(宮城・中学2年・女子)

    • 『ENGEIグランドスラム』(テレビ西日本/フジテレビ)4時間10分の長い番組だったが、演芸を3部構成にし、合間に歌謡ショーなどがはさまれていてまるで芸人たちの文化祭のようで飽きなかった。(福岡・中学2年・男子)

    • 『FNS番組対抗オールスター春の祭典 目利き王決定戦』(関西テレビ/フジテレビ)自分が参加できる企画がたくさんあって、いろいろ考えたりすることができとても楽しかったです。いろいろな種類のクイズがあり、見ていて飽きなかったです。(大阪・中学2年・女子)

    • 『がん消滅の罠~完全寛解の謎~』(長崎放送/TBSテレビ)主人公と仲間たちとの絆や家族愛、自分の信念を強く持つことの大切さなどが描かれており、中学生ながらにも考えさせられる場面が多くあった。カメラワークなどがよくて小説だけでは伝わってこないであろう映像ならではのドキドキワクワクがうまく伝わってきた。(長崎・中学3年・女子)

    • 『西郷どんスペシャル 鈴木亮平×渡辺謙の120日』(NHK総合)本当に面白いドラマを作るには、番組を作るスタッフの努力と、役者さん達の役に対する心構えが大切なのだなと感じました。今後、「西郷どん」を見る際には「西郷どんスペシャル」で紹介された役者さんの演技の工夫と役作りにも注目して見ていこうと思い、ますますドラマの続きを観るのが楽しみになりました。(福岡・中学3年・女子)

    • 『又吉直樹のヘウレーカ!』(NHK Eテレ)植物のオオバコについて研究を行う中学生が登場し、説明をしており同世代の活躍にすごいという思いと、刺激を受けた。残念だったのは放送時間。子どもにとっておもしろい内容だったが、放送時間が夜10~11時では、やや遅いのではないだろうか。(神奈川・中学3年・男子)

    • 『がん消滅の罠~完全寛解の謎~』(琉球放送/TBSテレビ)医療ドラマというよりは人間ドラマという感じがした。主人公の友人や恩師など様々な人物が登場し、彼らが繰り広げるドラマに常にハラハラさせられた。もちろん医療ドラマとしても面白かった。専門用語が出てくるのだが、それらがテロップできちんと説明されており、よりわかりやすかった。3DCGを使った解説などで、言葉では伝わりにくい場面も理解することができた。3時間近い長いドラマだったが、見ていてとてもよい時間を過ごすことができた。(沖縄・高校1年・男子)

    • 『オールスター感謝祭』(CBCテレビ/TBSテレビ)例年と変わらない「生放送」「ミニ企画」などやはり安定して面白かった。ドタバタ感は生放送でしか味わえないし、ミニ企画の種類が豊富なので、長時間に渡り飽きずに見られた。(愛知・高校1年・男子)

    • 『FNS番組対抗オールスター春の祭典 目利き王決定戦』(フジテレビ)4月から始まるドラマやバラエティー番組の出演者がチームで対戦する番組は、節目の時期にしか見られないので、楽しみにしていました。たくさんの企画があり、私自身もクイズに参加したくなるような作りでした。いろいろなクイズがありすぎたので、もう少しひとつひとつの企画を丁寧に詳しくやっていただきたいなと思いました。(東京・高校1年・女子)

    • 『池上彰のニュースそうだったのか!!』(テレビ朝日)番組前半は日本の風習などを池上さんが解説し、後半は生放送でアメリカのシリア攻撃について解説する内容だった。その日に起きたアメリカのシリア攻撃を解説してくれて、すごくわかりやすかった。アメリカではこのニュースが夜に発表されたので、反応が未だ出ていないという解説があったが、このタイムリーな話題は生放送でしかわからない内容だったのでよかった。(東京・高校2年・男子)

    • 『ENGEIグランドスラム』(フジテレビ)この番組はネタを披露する芸人のバランスがよい。勢いのある若手から賞レースで活躍する芸人、さらにはネタを披露することが滅多にないベテラン芸人など幅広く実力のある芸人が出演し、全体を通して安定していた。また落語や漫談など中高生はあまり見る機会のないジャンルが取り入れられていてよかった。見る前は堅苦しい芸はこの時間に合わないのではないか、と思っていたが、立川志らくさんや神田松之丞さんなど、いざ見てみると今までにない笑いの取り方がとても面白かった。落語や漫談をこれからも見てみようと思った。気になった点は、観客の笑い声が不自然に感じられたことだ。近年お笑い番組は減少しているが、この番組は今後もずっと見ていたい。(東京・高校2年・女子)

    • 『さんまの東大方程式』(フジテレビ)この春、高校2年になり大学受験を身近に感じるようになりました。周囲には東大を目指す友人もいます。個性豊かな東大生の学生生活や、受験勉強について楽しく知ることができることは受験勉強の励みになります。ただ「東大」という肩書だけで「天才」などと評価することが多くあります。もちろん東大合格は狭き門ですが、東大生だからといって天才、スーパー大学生などと言わないで欲しいです。(東京・高校2年・女子)

    • 『旅する落語』(フジテレビ)今まで一度も落語を見たことがありませんでした。街を歩いてネタを探すという企画は大変難しそうだけど、出演者のふたりが作り出した落語はとても面白く、親子で楽しく見ることができました。落語だけでは伝わらない笑いも、ネタ探しのVTRのおかげで一層面白く、テレビならではの企画だと思いました。(東京・高校3年・女子)

  • 【自由記述】

    • バラエティー番組などで、番宣で出演する人が最近とても多いと思います。(東京・中学2年・女子)

    • テレビで大笑いできる番組が減っている気がします。(新潟・中学2年・男子)

    • ラジオが大好きです。でも、若いリスナーが少なくて悲しいです。若い人が聴かなければ、年配向けの番組がどんどん増えていくと思います。正直、嫌です。(岐阜・中学2年・女子)

    • テレビなどで「続きはCMの後」などの引き伸ばしや、CM前後で同じ映像を繰り返すことは、視聴者のテンションを下げてしまう印象が強い。CMへのイメージを悪くしてしまう気がする。(神奈川・中学3年・男子)

    • 最近のメディアは同じことばかり取り上げていると思う。夕方のニュース、ワイドショーなどはどの局も同じ内容を毎日放送しているように感じる。見ていて面白くない。(沖縄・高校1年・男子)

    • ピョンチャンオリンピックでそれぞれの放送局が試合終了直後から選手へのインタビューを個別に行っていて、選手たちが大変そうだと思いました。また、どの局も質問内容が変わらないような気がしたので、どこか1局が代表で取材し、それをそれぞれの局で放送すればいいのではないかと思いました。(福井・高校1年・女子)

    • もっと子ども向けのニュース番組があれば、ニュースに興味を持つ子どもが増えると思います。(東京・高校1年・男子)

    • ニュースやワイドショーであまり不倫・浮気の話題を大々的にやらないで欲しい。ネットニュースなどで十分です。(東京・高校2年・女子)

    • 今年の3月で終了したいくつかの番組は、今終わるべきだったのかな、と疑問に思います。視聴率だけがすべてではないと思います。テレビ離れもそこから始まっていく部分もあるのではないかと思います。(山梨・高校2年・女子)

    • 報道系の番組で、テレビやラジオで取り上げられるのと取り上げられないのでは、世間の関心度などが大きく変わってくると思います。ネットニュースや新聞等もありますが、それでも主要な情報源であることに変わりはないので、すべてにおいて公平性を保つ、デマを流さない、わかりやすく伝えるなどのことを強く意識してこれからも伝えていってほしいと思っています。(東京・高校3年・男子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】について

    • 『みんなの甲子園』(毎日放送)夏には『熱闘甲子園』があるのに、春の選抜にはないのか、と残念に思っていたところ、この番組を見つけてうれしかったです。ぼくは野球をしているので、球児たちが甲子園で躍動する姿を見てもっと野球を楽しみたいと思います。ただ、ぼくの友達はこの番組を知らなかったので、もう少し番組を宣伝していろいろな人に見てもらえたらいいと思います。(兵庫・中学2年・男子)

    • 『又吉直樹のヘウレーカ!』(NHK Eテレ)又吉さんの文学的な言葉づかいには、いちいち感動してしまう。オオバコ少年と又吉さんの会話には、とても興味をひかれた。語りが吉村崇さんで、意外と真面目な人柄が見えて面白い。暮らしにひそむ不思議の細かいところまでわかって楽しい。とても気に入っている。(福岡・中学2年・男子)

    • 『発見!タカトシランド』(北海道文化放送)よく家族で見ています。自分の住んでいる地域が取り上げられると嬉しいですし、地域の活性化にもつながると思います。今後もこのような番組が増えるといいと思います。(北海道・高校2年・女子)

以上

2018年4月に視聴者から寄せられた意見

2018年4月に視聴者から寄せられた意見

財務省事務次官のセクハラ問題について、各局の番組での報道のあり方への批判や、被害を訴えた女性記者の属するテレビ局の、この問題に関する対応への意見など。

2018年4月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,393件で、先月と比較して187件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール71%、電話28%、郵便0.7%、FAX0.3%。
男女別は男性70%、女性28%、不明2%で、世代別では40歳代27%、30歳代26%、50歳代18%、20歳代14%、60歳以上12%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。4月の通知数は延べ677件【52局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

財務省事務次官のセクハラ問題について、各局の番組での報道のあり方への批判や、被害を訴えた女性記者の属するテレビ局の、この問題に関する対応への意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は42件、CMについては18件あった。

青少年に関する意見

4月中に青少年委員会に寄せられた意見は94件で、前月から29件増加した。
今月は「表現・演出」が48件と最も多く、次に「低俗、モラルに反する」が8件、「報道・情報」が7件と続いた。
「表現・演出」では、深夜のアニメ番組で女子中学生に対するいじめ、虐待のシーンについて意見が寄せられた。「報道・情報」では、人気タレントが未成年女性に対する強制わいせつ容疑で書類送検された件の報道について意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 財務省事務次官のセクハラ問題について。事務次官の自宅にも連日取材陣がおしかけているのは、プライバシーの侵害ではないのか。家族や近所の人の生活を脅かしていいとは思えない。セクハラ被害を訴えた女性記者の人権ばかり擁護されて、事務次官の家族や近所の人は擁護されないのか。節度ある取材を望みたい。

  • 人気タレントが、強制わいせつの疑いで書類送検されたことをテレビで報じていたが、被疑者であるにも関わらず、どの局も揃って「○○メンバー」と伝えているのはなぜなのか。特定の事務所に所属するタレントが逮捕されると、必ず「メンバー」と報じられるのは疑問だ。報道機関としての各局の考えを聞かせてもらいたい。

  • ニュースというものは事実を淡々と伝えて、判断を視聴者に委ねるものではないか。最近は必ずと言っていいほど、ニュースを伝えた後にキャスターが個人の意見を述べる。それもほとんどが野党寄りだ。与党は国民が選んだもの。それに対し批判を繰り返すキャスターの、どこに正当性があるというのか。公平・公正な報道を求めたい。

【番組全般・その他】

  • この時期になると毎年のように、「今年の新入社員は…」「今の若者は…」といった、世代や年代で人の性格や傾向を安易にひとくくりにし、40代50代の人たちとの違いを比較して、若者の悪い点をことさらあげつらうニュース番組が多いように感じる。若者へのネガティブキャンペーンは不愉快だが、それに加え、「自分たちの時代は、残業が当たり前だった…」というような、長時間労働を肯定するコメントをさりげなく混ぜ込んでくる。余計に腹立たしい。

  • 今年の新社会人に関するコーナーで、男性出演者が、「勝ち組・負け組」という表現を使いコメントしていた。世の中にはさまざまな事情を抱えている人たちがいる。一度失敗するとなかなか立ち直れないこともあると思う。テレビに出演するような人たちは、紛れもなく「勝ち組」なのだろう。勝ち誇ったようにこの言葉を使っている。今まで批判がなかったことが不思議だ。「負け組」という、一言でその人に烙印を押すような表現は、今後やめてもらえないだろうか。

  • 昼の番組は、財務省事務次官がセクハラ行為をしたことが、事実であるとした内容に感じられた。司会者は「個人の意見ですが…」と前置きをして、事務次官の個人批判ともとれることを話していたが、テレビの影響力を考えれば、個人の意見であっても、確証のないことを語っていいとは思わない。批判されている側は反論することができない。まるで欠席裁判をしているようだ。テレビを見ている人たちに、「セクハラは事実である」と誘導しているように思えてならない。

  • セクハラ問題におけるテレビ局の記者会見を見たが、勇気ある会見で評価したい。今後また、このような問題が考えられるので、これをきっかけに、各局で社員がセクハラなどの被害に巻き込まれた場合、どう対応すべきかなどのマニュアルを作成してほしい。そして、その女性記者に対するケアをしてもらいたい。

  • 日曜日の番組で、内閣支持率のデータを報じていた。1,952人に電話をし、回答率39.5%、と小さな文字で記されている。つまり772人に聞いただけ。固定電話なのでお年寄りなどが対象である。これでは信憑性が低い。このデータを報道番組で大げさに伝えている。これはおかしい。ネットでの世論調査をするべきではないだろうか。

  • 記憶に残るスポーツの名場面を特集した番組は、その一瞬の裏事情や選手の実際の心理など、誰も知らなかった真実を掘り起こして紹介していたが、どのエピソードも事実ならではの迫力があり、興味深かった。女子マラソンの金メダリストが、ラストスパートでサングラスを投げるシーンは有名だが、実は、高価な物をダメにしないよう、あらかじめ投げる方向など、入念な打ち合わせをした上でのパフォーマンスだった。他にも面白い話が満載で、たまたま番組の途中から見たことが残念に思えるほどだった。

【ラジオ】

  • FM局のプロ野球中継は、昨年まで、西武ライオンズの試合を、実況アナウンサーとリポーターで進行していた。しかし今シーズンから、芸人が加わる一方、実況アナがいなくなり、試合の中継をおろそかにし、「野球大喜利」をするなど、試合展開そっちのけの放送になっている。テレビの副音声ならまだしも、ラジオ局は、運転中のドライバーなど、テレビの見られない環境の人たちにも伝わる放送をしてほしいと思う。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 深夜のアニメ番組で、女子中学生に対して暴行、性的暴力、いじめを助長する描写があり、また未成年者の犯罪行為を肯定するようにも受け取れる描写が見受けられた。公共の放送で、このような内容のアニメを放送することに対して不快な思いをした。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 人気タレントが、未成年女性に対する強制わいせつの疑いで書類送検されたことについての報道で、被害者の特定につながりかねない放送があった。被害者と知り合うきっかけになった番組名を放送していた。被害者であり、未成年であるにもかかわらず、あまりに配慮のない放送の仕方であると感じた。

【「動物」に関する意見】

  • 池の水を抜いて、外来生物の実態を調査するバラエティー番組で、外来種といって駆除される(殺される)のは腑に落ちない。生き物は悪くないので、ちゃんと命として扱うことこそ子どもも見る時間帯の番組として適切だと思う。外来種なら何でも殺してもいいということを子どもには教えないでほしい。