第117回 放送と青少年に関する委員会

第117回 – 2010年11月

視聴者意見について

中高生モニターについて

第117回青少年委員会は11月24日に開催され、10月16日から11月15日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見を基に、ドラマの番組宣伝スポットについて視聴し審議したほか、11月に寄せられた中高生モニター報告についての審議が行われた。

議事の詳細

日時
2010年11月24日(水) 午後4時30分~6時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見委員長、境副委員長、小田桐委員、加藤委員、軍司委員、萩原委員、渡邊委員

視聴者意見について

フジテレビ『ストロベリーナイト』(11月13日放送)の番宣スポットについて

土曜日の夜9時から放送されるドラマの番宣スポットに対し、「子どもが見られる時間に暴力的で残虐なシーンが放送され配慮が足りない」等複数の批判意見が寄せられた。当該局では同様の意見が寄せられたことから、放送の数日前から内容を差し替えたスポットを放送する対応をとっており、委員会では”差し替え前””差し替え後”のスポットの内容を視聴し、”差し替え前”のものについて審議した。

【委員の主な意見】

  • 冒頭のシーンには大人の私でも驚いた。この番組だけではなく、最近、番宣がとても刺激的になっている感じがする。放送局は、番宣はただ刺激的な映像をつなげばよいというものではなく、本編同様、子どもたちへの配慮や放送時間などに関する制作者への教育など、事前チェックの体制を取るべきではないか。
  • 番組はラ・テ欄などであらかじめ見る見ないが決められるが、番宣は視聴者の目にいつ飛び込んでくるか予測できない。また、放送時間がほんの一瞬で、ストーリーのない中で凄惨な映像がより深く印象に残ってしまうので、一層の配慮が必要だ。
  • 最も刺激的な映像を安易に選ぶ傾向にあるが、制作者は番宣で本編の中身を工夫してうまく伝えるという義務を怠っている。視聴者意見にもあるように、あの番宣を見て本編を見たくなくなるという逆効果があるのではないか。
  • このような傾向が引き続き見られるようになると、かつてあった”R指定論”のような議論が再燃しかねず、欧米で見られるガイドラインの作成等、制作者にとって窮屈な状況が起きかねないことを危惧する。

【ドラマ本編についての委員の参考意見】

  • ストーリーの中で見れば大人は受け止めることができると思うが、子どもには刺激が強すぎる。
  • 暴力表現に必然性が感じられず、夜9時過ぎの放送ではあるがコンセプトに無理がある。
  • 正常と異常の境目や生と死など骨太のテーマがあり、考えさせられる点を含んでいると感じた。

以上の審議を踏まえ、委員会としては各委員の意見をBPO報告に掲載するとともに、番宣スポットについて視聴者から意見が寄せられていることから、引き続き注視することとした。

中高生モニターについて

9月~11月は「報道・情報・ドキュメンタリー番組」のジャンルを取り上げている。11月は、「ニュース・情報・ドキュメンタリー番組」の企画を考えてもらった。今の中高生たちが知りたい情報とは何か、どんな事柄に興味があるのかなど、28人から提案が届いた。

【モニターの主な意見】

まず、全体的に多かった意見は「中高生向きのニュース・報道番組が欲しい!」というものだった。タイトルでは、『CTAJ(Children,Think About Japan.)』、『これを見れば世の中の事まるわかり』、『ニュースタイム真っ最中』など、独創的なネーミングを考えてくれたモニターもいた。
「僕が考えた番組は『激論!!学生vs話題の人』というもので、普通の高校生や大学生が話題の政治家や事件の当事者などと討論する番組です。司会は田原総一朗さん、解説はやはり池上彰さん、そしてアシスタントとして学校の先生にも出演してもらう。今のニュースでは大人たちの報道・情報しかありません。世の中には学生たちもいるのだ、僕たちもいろんなニュースに対してたくさんの意見を持っているのだということを知ってもらえる番組ができたらいいなと考えました」
「以前に放送されていた、ひとつの場所を3日間(72時間)にわたって特集するという『ドキュメント72』に似たものを考えました。例えば、ネットカフェやコンビニ、サービスエリアなど、同じ時刻のさまざまな場所を同時に取り上げます。12月1日を例とすると、午後11時のコンビニや公園、居酒屋など、まったく同じ時刻だけれど、それぞれの場所でいったい何が起こっているのか、ややマニアックな番組ですが興味深いドキュメンタリーになると思います」。
報道情報番組の企画はなかなか難しいという意見も寄せられた。「ニュース・情報・ドキュメンタリー番組は、”情報の客観的伝達”が意外と難しい。特にニュースは、めまぐるしく入ってくる情報を早く、冷静に、正確に伝えなければならないため、テレビ局や記者の意向が強く表れる。前回、視聴者参加あるいは双方向番組を考えて企画したが、評価はいまひとつだった。なので、情報の伝達方法など現在もいろいろ検討中です」。
また、今回の特徴のひとつに「スポーツ番組」の提案が多かったことがあげられる。特にクラブ活動で運動部に入っている中高生にとってスポーツは興味のある分野である。
「私が企画する番組のタイトルは『みんなのスポーツ』です。内容は、毎日行われている野球、サッカー、バレーボール、水泳、卓球、テニスなど、あらゆる種類のスポーツについて取り上げるものです。企画を立てた理由は、私が水泳を習っているからで、練習を頑張り大会で成果を発揮できるようにしています」
「僕は野球部に入っているので、もっとスポーツの分野を知りたいと考えています。野球はいろんなチームが戦って、勝ったり負けたり、いろいろな戦いが繰り広げられています。また、難しい情報については、詳しい人に細かいところまで分かりやすく解説してほしいです」「サッカー専門の番組というと、以前は『S☆1 スパサカ』と『やべっちF.C.』がありましたが、現在、全国ネットでは『やべっちF.C.』のみです。CSやBSでJリーグ専門の番組はありますが、Jリーグは地域に根ざすことが目標なので、やはり地上波で放送してもらいたいという願いがあります」など、地域の中高生を含めて5人から提案が寄せられた。
一方、女子からは「政治・経済・国際・社会」のことをもっと知りたい、分かりやすく解説してくれる番組が見たい、作りたいという意見が7人から寄せられた。
「私は、政治・経済・国際・社会・科学文化・スポーツ・芸能など、さまざまな分野のことを知りたいです。また、政治・経済・国際などの情報は難しく複雑なので、フリップや図表を使って基本から解説してほしいです」
「私は家族みんなが集う時間帯に『ダイジョウブ!ニッポン』という情報番組があったら…と考えました。直近の一週間の外交・事件・事故・政治・経済について小学生や政治経済に興味のない若者や主婦でも簡単に分かるような内容がいいと思います。今は教育・就職・税金・年金・老後…いろいろな問題が多すぎて先行きが見えず、これからニッポンはどうなっていくのだろうと日本中の人々が不安に思っているのではないでしょうか。ですから見終わった後に、ニッポンに生まれてよかった、これからもみんなで助け合って暮らしやすいニッポンにしていこうと感じられるような気持ちにさせてくれる番組を期待します」。
また、5分のミニ番組の提案も寄せられた。「私が考えたのは午後8時55分から9時まで5分間の『9時ちょっと前NEWS』です。9時から始まるドラマの前に、その日に起こった政治、経済、社会などさまざまなジャンルのニュースを1分間にまとめて放送する。次に、その中でも目立ったものを1つ選んで図などを使って2分半くらいで解説します。そのとき、内容、原因、結論、プラス(+)というように、4つの観点から見ていきます。プラス(+)とは、その問題についてのもう一つの豆知識みたいなものです。5分間しかないため、ワサワサするかも知れないけれど、今までになかったような番組を作り、興味を広げることで、ニュースが広まっていくと思います」
「私が考えたのは”日本に住んでいる”という条件で無作為に人選し、その人の日常をプロのスタッフではなくて、その人もしくは家族や友人などの素人が撮影する『自由なドキュメンタリー』を考えました。もちろん編集はプロの人にお願いします。放送は多くの人に見てもらえるようにゴールデンタイムの人気番組の合間の5分程度のミニ番組がいいと思います」。
そのほかに寄せられた企画。「僕の企画は『どこへ行く?僕たちの修学旅行』という2時間の特別番組です。僕の高校では生徒の有志が集まって数種類の修学旅行の企画をまず立て、最終的に3種類のコースの修学旅行を決定します。毎年行くから今年もここ、という修学旅行が多い中で、生徒が自主的に資料を調べたりしてコースを決定するのは楽しいものです。そこで、全国の高校生に旅行先の企画を立てて実際に旅行してもらい、その様子をドキュメンタリー形式の番組として放送する。地デジのデータ放送を利用して「最優秀賞」「ハプニング賞」など、視聴者が投票すれば面白い番組になると思います。番組を作る費用も、旅行自体は参加する生徒が支払うので同行する撮影スタッフと司会の費用がかかるくらいです」
今回目立ったのは解説者の起用についての提案で、池上彰さんをという意見が7件、そのほか、小倉智昭さん、宮根誠司さん、村尾信尚さん、青山和弘さんという名前もあがっていた。
なお、今月は委員による「キラ★報告」は選ばす、NHKを含む在京民放各局の「報道・情報・スポーツ・ドキュメンタリー番組」の現場の方に中高生の企画を読んでもらい、ご意見・ご感想を寄せてもらう。

【委員の所感】

  • 自分たちの体験に基づいた提案、例えば「自分たちで体験する修学旅行」の企画など、今の中高生たちが何を考えているかを知る手がかりになるのではと感心させられた。
  • 受験に必要な時事問題や、政治・経済・国際問題について解説してほしいという意見など、知識欲が旺盛な様子もよくうかがえた。また、それを5分~10分程度のミニ番組で伝えてほしいという提案などは、実現可能な企画だと感じた。
  • 『週刊こどもニュース』がなくなるようだが、子どもたちだけが見る「ニュース・報道番組」というのはなかなか難しいものだと思う。ただし、子どもの目の高さ(目線)で作る番組というものもあってもよいのではないか、子どもたちの”本当の生活”を知るドキュメンタリーも大切ではないかと考えさせられた。
  • 情報が氾濫していたり国際情勢が複雑になっていたりして、中高生たちが理解しやすい解説を求めていることがよく分かったが、解説者としての”池上彰現象”には驚かされた。また、「ネットカフェなどの同時ドキュメンタリー」の企画など、自分たちが制作にかかわりたいという要望が強いこともよく分かった。

2010年10月に視聴者から寄せられた意見

2010年10月に視聴者から寄せられた意見

秋の改編にともなう拡大特番への苦情や、ニュースに関連した報道への意見などが多く寄せられた。チリの鉱山落盤事故のカプセルによる奇跡の救出劇は日本でも生中継され、多くの人々に感動を与えたが、報道の仕方が過剰ではないかとの意見もあった。

10月に電話・FAX・郵便・EメールでBPOに寄せられた意見は1,459件で、9月と比較して106件増加した。意見のアクセス方法の割合は、Eメール68%、電話28%、FAX2%、手紙ほか2%。
男女別では男性73%、女性24%、不明3%。
世代別では30歳代30%、40歳代28%、20歳代16%、50歳代13%、60歳以上10%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。10月の通知数は680件[43社]であった。
このほか放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、39件を会員社に送信している。

意見概要

人権等に関する苦情

10月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・・・ 1件
    (個人又は直接の関係人からの要請)

番組全般にわたる意見

10月の視聴者意見は1,459件と先月より106件多かった。秋の改編にともなう拡大特番への苦情や、ニュースに関連した報道への意見などが多く寄せられた。
チリの鉱山落盤事故は、発生から69日ぶりに33人の鉱夫全員が救出された。カプセルによる奇跡の救出劇は日本でも生中継され、多くの人々に感動を与えたが、報道の仕方が過剰ではないかとの意見もあった。
尖閣諸島問題では、中国がレアアースの輸出を一時停止したことや、中国内陸部でのデモが暴徒化するなど緊張状態が続いた。報道をめぐっては、日本国内のデモをメディアが取り上げないなど偏向しているとの意見も多かった。検察審査会が小沢一郎議員への「強制起訴」を決めたが、政治と金についてのキャスターやコメンテーターの発言をめぐり、視聴者から厳しい意見が寄せられた。検事による証拠のフロッピーディスク改ざん問題は、上司の特捜部幹部の逮捕へとすすんだが、視聴者からはあわせて報道の責任を問う声も多かった。先月、大相撲テレビ中継が再開したばかりだが、相撲担当記者が家宅捜索の情報を相撲協会の幹部に教えていたことが発覚し、報道のモラルが厳しく問われることとなった。
スポーツ関連では韓国で行われたサッカー日本代表の親善試合で、対韓国戦を「韓日戦」と表記、アナウンスしたことについて、おかしいのではないか、違和感があるとの意見があった。プロ野球日本シリーズのテレビ中継が地上波で一部放送されないことへの苦情もあった。
バラエティー番組では、ダイエット企画でさんざん興味と関心をひきつけておいて、「この続きは来週」と強引に引っ張る手法に視聴者の抗議が集中した。このほか今月からU局などで始まった新作アニメについて、作中の役柄設定がおかしいなどの意見があった。
ラジオに関する意見は56件、CMに関する意見は35件あった。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は143件で、前月より約30件増加した。
今月は、低俗・モラルに反するとの意見が64件、次いで性的表現に関する意見が30件に上った。前者については、複数の放送局で深夜に放送されているアニメに対し、主人公の趣味に関する設定が反社会的で倫理的に問題があるとの意見が多数寄せられた。後者については、バラエティー、アニメ、番組宣伝に対する批判的な意見が目立った。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • チリの鉱山落盤事故の救出の模様を生放送しているが、朝から各局ともこの作戦をまるで見世物のように扱い、はやし立てている。ある番組では作業員の一人一人を写真入りで紹介していた。それも名前と年齢くらいならともかく、家族状況や愛人問題を暴くなど、プライバシーも何も無いような取り上げ方だった。33人の命が助かるかどうかの瀬戸際なのに、芸能ネタ同様に興味本位で伝えるのは不謹慎だ。
  • 厚労省不正問題で村木局長が無罪になったが、あの事件が発覚したとき、NHKを含めすべてのマスコミは、検察のリーク情報に便乗し、舌鋒鋭く非難していた。しかし、それが間違いだったのだから、潔く国民に謝罪するべきではないか。マスコミはいつでも、自分のことはさておき、他者を批判する。評論家と同じだ、卑怯だ。もっとプライドを持ってほしい。
  • NHKの相撲記者による「捜査情報漏えい」という犯罪行為。これはNHKだけの問題ではなく、報道関係者すべての問題だが、民放は鬼の首を取ったようにNHK批判をやっている。漏えいした記者だけが悪者になっているが、組織全体に問題はないのか。報道に携わるものとしてあってはならないことだが、記者への教育などはどうなっているのか。報道の自由を掲げる前に、まず義務を果たすべきだ。
  • 「尖閣諸島問題」に対するデモ行進があった。海外ではCNNやウォール・ストリート・ジャーナル、AFP通信社などが詳しく報道しているのに、日本のマスコミが全く報道しないのはどういうことなのか。国民の”知る権利”が脅かされている。きちんと報道するよう各放送局に伝えてもらいたい。
  • 「サッカー国際親善試合韓国VS日本」だが、何故日本で放送するのに「日本VS韓国」ではなく「韓国VS日本」と韓国が先なのか。他のラジオ等で流れていたのはちゃんと「日本VS韓国」と日本冠だった。日本のテレビ局なのだろうか。何か特定の理由があるのか?
  • 神戸の男子高校生が刺殺された事件について、各報道、ワイドショー番組が、亡くなった方のブログを公開することに怒りを覚える。亡くなった方にはプライバシーはないのか。残された家族や友人(彼女)の気持ちは考えないのか。最近のメディアは視聴率さえとれれば何でもよいという風潮がある。
  • 政治の報道をするときに匿名の関係者の発言を引用することがよくある。取材の難しさや、テーマによっては仕方のない場合もあるだろうが、信頼性などからみると好ましくない手法だ。例えば、放送局や制作者が意図的に世論誘導する時に、匿名発言によりそれが可能になる。匿名発言は他人の足を引っ張ろうとしている人間の影の発言、たくらみを助長しているだけで、報道として健全ではない。
  • なぜクマが出没して猟友会が殺処分しているニュースばかりなのか。人間の命も大事だし、襲われてケガをした人も気の毒だが、クマはちょっと人里に下りてきただけで、なぜ殺されなければいけないのか。中でもツキノワグマは絶滅種のはず。一時的に眠らせてエサの豊富な山に放すくらいの思いやりがないのか。山にエサがなくなっている現状、クマだって生きるか死ぬかの大事な冬眠前に仕方なくおなか一杯になりたいだけなのにひどすぎる。命は命で、動物も人間も同じだ。
  • 日本シリーズの中継について第1戦、第2戦、第5戦を地上波で中継しないことはおかしい。どこの球団のファンも注目する試合であるにもかかわらず、くだらないバラエティー番組を流すことは視聴者の意見を無視している。もっと視聴者に目を向けて番組作りをしてほしい。
  • ニュースなどで、取材現場にはない効果音や音楽をミックスして放送している。視聴者の受ける精神的効果を誘導して、視聴者の正常な認識、判断を麻痺させている。取材収録した素材を編集するのは構わないが、効果音、効果音楽の挿入はやめてほしい。

【番組全般・その他】

  • 視聴者詐欺ではないか。ダイエットという人々の関心事を取り上げ、しかも今までずっと追いかけてきた190キロの女性の「ダイエット今夜完結!」と散々煽り、結局次週に持ち越すなんてひどすぎる。それまでもCMまたぎでは同じような内容ばかりを流していた。視聴者を馬鹿にしている。CMまたぎや次週に引っ張る手法は、この番組以外にも山のようにあるが、この番組のやり方は汚い。こんなことで視聴率を稼ごうなんて最低だ。もう二度と見ない。
  • 秋の改編期にあたって、多くの「スペシャル番組」が放送されている。「衝撃映像」「びっくり映像」などと称して、インターネット上で相当前に話題になった動画を垂れ流している番組を多く見かける。特に、10月第二週には、各局が順番に似たような内容で放送していた。事故瞬間の映像や残酷で目を覆いたくなるようなシーンもある。放送局は自分たちで番組を作る能力をなくしてしまったのか。
  • 私は「家電量販店」に勤めている。最近、いかに安く買うか、「値切り術」のような技を紹介する番組が多い。家電に関しては店をハシゴし、値切り交渉すれば安くなることは事実だ。しかし、私が担当する国内ブランド時計は、定価の3割までしか値引くことができない。しかし客はテレビで紹介されたことを鵜呑みにし、強引に値切ってくる。値引きの限界を説明するのだが、納得してもらえない。「ふざけんなてめえ」「テレビは嘘なのか」「詐欺野郎」など罵声を浴びせられる。売り場の者はたまらない。
  • プロ野球で優勝すると、各球団は”ビールかけ”をしてドンチャン騒ぎをする。頑張った選手への褒美としてやるのだろうが、あくまで球団内のお祭り騒ぎであって、テレビで生中継までする必要はない。私は低収入の年金生活者なのでビールを飲むことさえままならず、”ビールかけ”の映像が流れるたびに悔しさがこみ上げてくる。どうか”ビールかけ”の映像をテレビで放送しないでほしい。
  • バラエティー番組やCMの中で、緊急地震速報や気象警報発令時に発せられる音に似た電子音を使用するケースが多い。注目させるためと思われるが、あまり恒常化すると、こういった音への反応が鈍り、本当の警報が出た場合に対応が遅れ、状況によっては命にかかわることになる。電子音の使用には、一定の規制が必要ではないか。
  • 同居する両親は補聴器を常時使っている。テレビ番組を視聴中、両親を困らせるのが「ニュースのBGMの大音量」だ。健常者にはそれほどでもないのだが、補聴器を通すとビートの効いた「ドカスカドカスカ」という音が異常な音量に増幅されて耳をつんざき、肝心のニュースが聞こえないという。テレビを楽しみにしている補聴器使用者は少なくない。せめてニュース番組やニュースコーナーだけでもBGMをやめてほしい。
  • 事件を起こした人をテレビやラジオに出すことをやめてもらいたい。テレビ業界は事件に対しての罰が軽すぎる。物損事故等の軽微なものならいいが、大麻や暴力で怪我を負わせたといったものに対しては厳しく罰すべきだ。具体的にはテレビ業界からの追放。一般人なら職を失い、新たな職にもつけない。それなのに、テレビ業界は時間が経つとうやむやにし、テレビに出演させている。
  • ロケ中の出来事だが、くわえたばこのスタッフが下品な言葉遣いや荒々しい態度で見物人に注意をしていた。制作スタッフの態度の悪さに驚いた。住宅地の中の一角、そこに住んでいる人々も大変迷惑をしていた。路上喫煙禁止区域なので、マナーを守ってロケを行っていただきたい。放送を楽しみにしていただけに、あまりのスタッフのひどさに唖然とした。

【ラジオ】

  • 土曜日お昼の時間帯なのに、平然とわいせつなトークや覚せい剤、性行為を連想させる曲を頻繁に流している。番組中、視聴者から寄せられた苦情もトークのネタにして笑いものにしている。改善が見られないし、このような状態が恒常化している。ラジオ放送なら許されるとでもいうのか。 ・深夜に枕元でラジオを聞いていると、アナウンサーの息継ぎが聞き苦しい。中には息継ぎが聞こえない上手なアナウンサーもいるが、若手の女性アナウンサーの多くは息継ぎが多くうるさい。本人は自分の放送を静かな部屋で聞いたことがあるのか。一度聞いて改善してほしい。無理なら息継ぎ音を機械で消してほしい。
  • ホームランクイズなどに応募すること100回以上、しかし一度も当選したことがない。公式には応募に条件はないが、若者のプロ野球ファン獲得のために、若い人だけを当選させているのではないか。私は62歳だから選ばれないのではないかと邪推してしまう。公平な抽選が行われているか調査してほしい。

【CM】

  • CMの流れる時間が多くなった。再放送番組は特にひどく、CMのほうが長いのではないかというくらいよくやる。朝のワイドショーなどでもそうだ。見たいものを待っていたら、CMが流されて見たいものはほんの少しだった。最近ではHDDに録画し、後で見ている。
  • 「タンスから旦那さんのニオイがする。だから防臭しましょう」といった歌詞を軽いメロディーに乗せて流す防臭剤の宣伝がある。「男性は臭いもの」と決め付け、それを視聴者の脳に刷り込むような内容に反感を覚える。そうしたCMを放送で流すことは非常識だ。制作者の意図を理解しかねる。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • アニメの中で、未成年がアダルトゲームなどを大量に購入しているという設定・表現が極めて不適切だ。また、作中に出てくる実在のアダルトゲームのメーカーがこの作品に対して公式に協力しており、未成年に対する配慮を軽視している。深夜番組とはいえ、インターネットの動画サイトでも配信されている。未成年がこの作品に触発され、アダルトコンテンツに安易に手を出す恐れもある。
  • 子ども向け番組で不快なコーナーがある。楽器を乱暴に扱うことを笑いにしたり、子どもにずるがしこい考えを植え付けるような表現がみられる。ダンスやドロケイなど、子どもの遊びが広がる良いコーナーもあるのに残念だ。作る側は大人としての倫理観を持つべき。でないと「見せない」という選択肢を選ばざるを得ない。
  • ドッキリ企画として、お金の貸し借りの金額で人間性をはかっていた。理由も聞かずに大金を貸してくれる人は優れていて、小額しか貸してくれない人は「ケチ」と馬鹿にされていた。この番組は人気があるので影響力も大きいだろうし、子どもも見ていると思う。このような内容は放送するべきではない。

【性的表現に関する意見】

  • 落語家が司会を務めている番組だと思ってみていたら、AV女優と思われる女性が水着になってベッドに寝るなど過激な表現が多いうえ、アダルトビデオそのものの画像を流し宣伝していた。例えば「お酒は20歳から」というように、番組の放送前に断りを入れるなどして対策はできないものだろうか。
  • 夕方帰宅して見るニュースの後に、夜のドラマの番宣で濃厚なキスシーンが流れる。違和感があるのでやめてほしい。晩ご飯の時間で我が家にとって唯一テレビを見る時間帯であり、子どもも一緒に見ている。
  • 深夜のアニメだが、18歳以下の視聴を制限しなければいけないような過激な性描写が見られる。問題のシーンは不自然な光源や黒枠などで若干の規制をかけてはあるものの、激しい男女の絡みがあることは確実に分かる。あえて過激な描写を入れることを売りにしているようだが、制作者は成人指定の意味と必要性を理解していただきたい。

【いじめに関する意見】

  • バラエティー番組内の街頭インタビューで、「口が臭そうなのは」「生まれ変わりたくないのは」など芸人のイメージ調査を行っていた。芸人は1位に選ばれても笑いに変えられるが、一般人にとってはいじめ以外の何ものでもない。いじめにつながるようなテーマは教育上良くない。
  • タレントが格付けし合う企画は、人権を無視し放送倫理に違反する行為だと考える。人を見かけや容姿で判断し順位付ける行為を放送で流すのは非常に不愉快だ。学校でのいじめやさまざまなトラブルにつながりかねない。子どもが視聴可能な時間帯に放送することは問題だ。

【危険行為に関する意見】

  • 断崖絶壁で芸人にホッピングをやらせていた。芸人は嫌と言えない。あまりにひどい番組だと思う。あのような場面を子どもがまねしたらどうするのか。もっと影響の大きさを考えるべきではないか。また、人の命の尊さを制作者は考えるべきだ。

【言葉に関する意見】

  • ドラマだが、出演者の女性の言葉遣いが悪い。「てめえ」「この野郎」などと発言している。この作品に限らず、全体的に女性の出演者が男言葉を使っているのでとても気になる。テレビを見た子どもがまねをして汚い言葉遣いをするので、各局とも番組制作の際には気をつけてもらいたい。

【動物に関する意見】

  • 民家に現れた親子熊の射殺のニュースで、射殺された子熊が流血して倒れている写真が映されていたが、家族全員が不愉快な思いをした。子どもも見ているかもしれないニュースで、このような映像は如何なものかと思った。動物を簡単に殺してよいという認識を与えかねない映像だ。

【差別に関する意見】

  • 子ども向け番組に、知的障害の子のような演出の女性のキャラクターが出演している。差別をテレビで煽っているように見える。このような子どもたちと関わったことがあるので胸が痛む。他の子ども向け番組で、これほどあからさまな誤解を生むような出演者を見たことがない。子どもたちがこんな出演者で喜んでいるとでも思うのだろうか?

【食べ物に関する意見】

  • メニューをひたすら食べ尽くすような、食べ物を粗末に扱う企画は止めてほしい。ニュースでは、日本の食料自給率の低さや貧しい国々の食料事情などを取り上げている。せっかくのそうした教育的内容が、相反する主旨のバラエティー番組で台無しになっている。

【要望・提案】

  • 子どもと一緒に刑事物ドラマを見ていて気付いたが、テレビ番組にも映画同様にR15などの指定が必要ではないか。そのドラマでは、不倫や殺害、克明な犯行状況の映像など、子どもに見せられる内容ではなかった。基本的には家庭の責任だと思うが、せめてラ・テ欄での制限指定表示等は必要なのではないか。

【視聴者意見への反論・同意】

  • ちょっとしたことで「放送するな」「規制しろ」「悪影響だ」といった意見が多い。確かに見ていて不快な番組はあるが、過剰反応する人が多すぎる。何を見て影響されようと行動と決断をするのは自分自身だ。例え子どもでも例外ではない。子どもに悪影響だと思うなら保護者がしっかりと助言、指導すればいいのではないか。
  • 毎月「視聴者からの意見」を読んでいるが、放送倫理や、権利侵害、名誉棄損など、BPOが取り組むべき事案とは関係のない意見が多い。「画面のワイプが目障り」「芸人の関西弁が不快」などといったことで、誰かの権利が侵害されたり名誉が傷つけられているのか。これらが子どもに悪影響を与えるとは到底思えない。こうした意見は受け付けるべきではないのではないか。

【CMに関する意見】

  • 日曜昼の時間帯に数本のパチンコCMが流れていた。子どもへの影響などは考慮されていないのか。賭博に類するCMが、子どもが見る時間に平気で流れることに嫌悪感がある。ゲーム、漫画などの規制も必要だと思うが、あまりにもパチンコに関しては制限がなさすぎる。
  • 消臭剤のCMで、「夫のクローゼットは臭い」といった内容。実態以上に男性に対する侮辱だと思う。家庭内における父親の居場所をなくすうえ、子どもに対しても父親の地位低下をきたす恐れがある。また、食事時に流すのはいかがなものか。「臭い臭い」などと聞かされながらの食事は気持ちのいいものではない。
  • アニメ番組の放送中に宝くじのCMがあった。人気番組で幅広い視聴者層があることは分かるが、未就学児も見るような番組で、射幸心を煽るCMを放送することは問題ではないのか。

第167回 放送と人権等権利に関する委員会

第167回 – 2010年11月

「大学病院教授からの訴え」事案の審理

「上田・隣人トラブル殺人事件報道」事案でテレビ朝日から対応報告書 ……など

「大学病院教授からの訴え」事案の審理が行われ、「委員会決定」案の起草に入ることが決まった。「上田・隣人トラブル殺人事件報道」事案で「放送倫理上問題あり」とされたテレビ朝日から、委員会決定を受けた後の対応報告書が提出された。

議事の詳細

日時
2010年11月16日(火) 午後4時 ~7時45分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
堀野委員長、樺山委員長代行、三宅委員長代行、大石委員、小山委員、坂井委員、武田委員、田中委員、山田委員

「大学病院教授からの訴え」事案の審理

この事案は、テレビ朝日・朝日放送が2010年2月28日に放送した『サンデープロジェクト』の特集コーナー「隠蔽体質を変える~大学病院医師の孤独な闘い~」について、大学病院教授から、不当な直撃取材をされたことや放送の内容が偏向し人権を侵害されたと申立てがあったもの。
今月の委員会では、先月のヒアリング結果等をもとに、教授への直撃取材やインタビューの扱いについて問題があったかどうか、民事裁判結果や刑事処分についてのコメントに偏りがなかったかどうかを中心に、突っ込んだ意見が交わされた。また教授側に、取材に応じて説明すべき責任がなかったのかどうかについても話し合われた。
審理の結果、起草委員会を開いて「委員会決定」案を作成し、来月の委員会ではこれをもとに詰めの審理を行うことになった。

「上田・隣人トラブル殺人事件報道」事案でテレビ朝日から対応報告書

「上田・隣人トラブル殺人事件報道」事案で、8月5日に放送倫理上問題あり(見解)の「委員会決定」を受けたテレビ朝日は、決定への対応と取り組みをまとめた報告書を11月4日に委員会に提出した。事務局より報告し了承された。
(報告書全文は、当ホームページ「委員会決定第44号」の「当該局の対応」をご覧ください。)

10月の苦情概要

10月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情・相談・批判の内訳は以下の通り。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・1件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・・・・53件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

その他

  • 11月10日に開かれた総務省ICTフォーラムでBPOに対するヒアリングが行われ、今後の取り組みについて説明したことを事務局より報告した。
    ヒアリングにはBPO飽戸理事長らが出席、「放送の自由を守る力は視聴者の信頼にある」という認識の下、放送界の自主的な第三者機関として公平な判断に努め、BPOの活動について一般への周知拡大を図るとともに、放送局に対しても、様々なレベルでの取り組みを通じてより浸透を深めていく考えであると表明した。
  • 次回委員会は12 月21 日(火)に開かれることになった。

以上

第43回 放送倫理検証委員会

第43回 – 2010年11月

参議院選挙をめぐって放送の公平・公正性に疑念が持たれた4つの番組

やらせ取材の疑惑が指摘されたフジテレビの『Mr.サンデー』…など

第43回放送倫理検証委員会は11月12日に開催された。今夏に行われた参議院選挙関連の放送で、公平・公正性に疑念が持たれた報道番組および情報番組の合計4番組について3回目の審議を行った。その結果、担当委員が作成した決定文案について委員会の合意が得られたので、12月上旬に当該4局に対して通知した上で記者発表する運びとなった。 付録にバックをつけることで売り上げが伸びている女性誌関連のインタビュー取材で、視聴者から不自然な映像が指摘され、やらせの疑惑が持たれたフジテレビの『Mr.サンデー』について討議した。過去にも他局で同様の事案があり、議論はそれとの関連にも及んだが、当該局から新たに提出される報告書を待って、改めて討議することにした。 10月22日に開催された「在阪局・BPO検証委 意見交換会」(詳細は90号参照)について、意見交換会に参加した在阪各局から意見や感想が寄せられたので事務局から報告した。 事務局からは、11月10日に行われた総務省のフォーラムはまとめの段階に入り、今まで出された意見を集約したうえで座長の見解を添えて総務大臣に提出される見通しであることを報告した。

議事の詳細

日時
2010年11月12日(金) 午後5時~7時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
川端委員長、小町谷代行、吉岡代行、石井委員、重松委員 立花委員、服部委員、水島委員

参議院選挙をめぐって放送の公平・公正性に疑念が持たれた4つの番組

7月11日に行われた参議院選挙に関連して、放送の公平・公正性に疑念が持たれた報道2番組(長野朝日放送、信越放送)と情報バラエティー2番組(TBS、BSジャパン)の事案について、前回の審議をふまえて、担当委員から決定文の修正案が提出された。
この4番組には、参議院比例代表選挙の趣旨を正しく理解せずに制作したと思われるものから、単純な過失と見られるものまで、放送の公平・公正性に関する疑念の程度には差があるが、民主主義の根幹を成す選挙に関わる放送であるのに、公平・公正性を損なわないよう制作するという根本的倫理が十分に尊重されていないという点では、共通の問題があることから4番組を一括した形で委員会決定とすることが、今回の審議で改めて確認された。
一方、TBSのバラエティー番組『アッコにおまかせ』(6月6日放送)の中でも、参議院選挙をめぐって放送の公平・公正性に疑念がもたれる内容があったことが審議の過程で明らかになり、決定文で指摘することになった。
当該4局に対する委員会決定の通知と公表の記者会見は、12月上旬に行うことにした。

やらせ取材の疑惑が指摘されたフジテレビの『Mr.サンデー』

付録にデザイナーズバッグを付けることで販売部数を伸ばしている女性誌に関して、フジテレビの情報番組『Mr.サンデー』が、インタビュー取材を2回にわたって放送(8月8日、9月26日)したところ、視聴者から「場所が異なる2ヶ所の取材現場に同じ女性が映っている」などとやらせ疑惑が指摘された。当該局が調査した結果、制作スタッフが複数の女性を事前に仕込んで撮影したことがわかったので、お詫び放送(10月17日)をするとともに、委員会に対し詳細な報告書を提出した。
これと同様の取材方法が、去年・今年と名古屋のテレビ局において採られており、委員会はBPO報告に記載して注意を喚起した。にもかかわらず、同様の事案が起きたことに委員会は危惧を抱き、過去の事例を踏まえて討議した。

【委員の主な意見】

  • 問題は髪型を変えて2度も出てくる女性で、仕込み過剰だ。特定の女性をそうまでして出すのは、普通ではない。「やらせ」と同じことだ。
  • こういう取材では、あるがままに表現すれば良いと思う。そうではない取材方法に走ってしまう理由が分からない。
  • 日本のメディアは「やらせ」にアレルギー反応があって、すごく潔癖になっている。それは虚偽放送の抑止力になっているが、この事例は「やらせ」と言われるのを回避するために、無理やり通行人に聞いてみたという形式にしてしまったのではないか。
  • バッグを持った通行人を15人も見つけたなら、そのほかに事前調査で判明した愛好者を3人連れてきて、意見を聞きましたと正直なストーリーにすればよい。なぜ通行人18人にこだわったのか。
  • 最近、雑誌にバッグや景品をつけるというのは凄まじい現象になっている。その現象自体について虚偽を言ったわけではない。
  • こういった取材方法が、このまま広がっていったらまずい事になるというのはわかる。しかし、過去にあった捏造事案と比較すると、手法選択の間違い、数の水増し、連絡体制の問題はあるにしても、この事例は軽いと思う。
  • 演出はある程度、番組に必要だと思う。どこまで許されるかと いう程度問題ではないか。
  • 街頭でインタビューして意図しない答えが返ってくることが、実は、取材者を鍛えてゆく。しかし今回のように、コメントや映像を仕込んで済まそうとすることが、取材、制作の弱さになって行き、非常に大きな不祥事を起こす土壌になる。
  • 当該局は、問題点の検証と再発防止に向けたプロジェクトチームを立ち上げ、報告書をまとめることにしている。委員会ではそれを受けてさらに議論を重ねることした。

在阪局と検証委員会との意見交換会の開催

10月22日に大阪の読売テレビで開催した「在阪局・BPO検証委意見交換会」に関して、在阪各局の出席者から事務局へ意見や感想が寄せられたので委員会に報告した。これらの意見を参考にして、次回以降開催する地方における意見交換会の材料にする予定である。

以上