第98回 放送と青少年に関する委員会

第98回 – 2009年2月

バラエティーについて意見交換

視聴者意見について

2月24日に開催した今年度第10回青少年委員会(通算98回)では、TBS、フジテレビの番組制作者とバラエティー番組について意見交換を行ったほか、1月15日~2月15日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見を基に、バラエティー1本、報道番組1本、ドラマ1本、米国ドラマ1本のVTRを視聴のうえ審議した。

議事の詳細

日時
2009年2月24日(火)午後4時15分~7時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
大日向委員長、橋元副委員長、小田桐委員、軍司委員、是永委員、境委員、山田委員

バラエティー番組について意見交換

前回に引き続き、バラエティー番組をめぐり制作担当者と意見交換を行った。

1.TBS

バラエティー番組の制作責任者と考査担当者を交え、”制作者は視聴者をどう想定して番組を作っているのか””制作者と演者(お笑いタレント)との関わり方”など制作に携わる側の考え方を聞いた。局側からは「番組によってはいろいろなターゲットがあり、バラエティーの中には、主に若者に喜んでもらえることを目指しているものもある。テレビの視聴者は多様なので批判を受けることもあるが、潜在的に多く人たちが喜んでいると信じて作っている」「お笑い系バラエティーは、演者と演出側の共同作業で作られている。バラエティーでは演者の瞬発力が重要なので、演出側がネタ作りに時間をかけても、演者が持っている面白さにかなわない場面もある」などの発言があった。
視聴者センターの対応についての質問に関しては、「視聴者センターはお客様である視聴者と真っ先に接するところなので、さらに迅速に対応できるように、システムを改善しているところである」と説明があった。

2.フジテレビ

委員から”危険が伴うコント”や”バラエティー番組におけるスタンスの取り方”などについて質問が出され、制作者からは番組名やお笑いタレントを例に挙げながら「危険と思われるコントについては何度もリハーサルを行い、やる側、やられる側も演技と承知してやっている」「タレントによって色が違うので、その個性を生かしながら作っている」といった発言があった。
また、「青少年委員会の存在をどう思うか」といった委員からの質問に対し「今のバラエティーをすべての人が肯定してしまう世の中ではおかしいし、批判があって当然だと思う。制作者は錯覚で面白いと思って作っている場合もあるので、ときには青少年委員会の存在でシフトダウンする必要もある」と意見が述べられた。

視聴者意見について

1.日本テレビ 『ゴゴドラ HEROESシーズン1』

夕方に再放送された米国テレビドラマについて、「残虐なシーンがあるのに、子どもが目にする時間帯に放送するのはどうかと思う」といった視聴者意見が寄せられ審議した結果、次のような意見が出された。

<委員の主な意見>

  • 視聴者意見は、放送する時間帯を問題にしている。米国のドラマには青少年向けにレーティング(番組格付け)が付けられているので、考査担当者はそれを参考にしながら編成的なことも考えてほしい。
  • 編成的な問題だと思う。時間帯に合わせた番組選びがおろそかになっているのではないか。子どもにはストーリー展開が分かりづらいドラマなので、なおショッキングだったのではないか。
  • ドラマの種類によっては暴力シーンがよく出てくるものがあるので、特に未成年が見る時間帯に放送するものは慎重に考えて選んでほしい。

2.フジテレビ 『めちゃ2イケてるッ!』

バラエティー番組で、頭からビニール袋を被せたり、手錠をかけたまま熱湯に突き落としたりしたコーナーについて「危険だ。子どもへの影響を考えてほしい」といった批判意見が視聴者から多数寄せられ審議した結果、次の意見が出された。

<委員の主な意見>

  • やっているタレントたちはリハーサルを重ね、演技をしていても、見ている子どもたちは演技とは思わずリアルに感じてしまうので、危険だと言わざるを得ない。
  • 英国ではスーパーマーケットの袋に穴をあけるほど(窒息の)危険性を考えている。日本では日常的に事故があるわけではないからといって、このような行為をテレビでやることは危険だ。
  • 制作者たちが長時間かけ、真剣に議論した結果なのかと疑問を感じる。
  • “子どもに影響がある””子どもが真似をしたら危険だ”といった点についてもっと議論する必要がある。

3.フジテレビ 『スーパーニュース』

高校教師が男子生徒に性的行為を強要したというニュースで、生徒が録音した会話を放送したことについて、「子どもが見ている時間帯に、未成年に聞かせる内容ではない」「このニュースを報道するのに、この音声が必要だったのか」といった視聴者意見が寄せられ審議した結果、次のような意見が出された。

<委員の主な意見>

  • 女性が性的被害にあった時のニュースは、あまりリアルな表現はしない。今回のニュースも性的行為を強要する会話を放送しないで、教師からの性的暴行といったニュースにとどめてもよかったのではないか。
  • 最近のニュースの作り方は、多角的な作り方をして視聴者に判断してもらうのではなく、放送局が加害者を断罪しているような報道がみられる。また、刺激的な部分や独占入手を強調したものを放送する傾向が見受けられるのが残念だ。
  • メディア環境が発達して、個人からの情報をそのままニュースの素材として使用することが多くなっているが、取材方法として疑問を感じる。
  • ニュースの取り上げ方が演出過剰になっていて問題だと感じた。
  • 近年、教師による学校内セクハラが多くなっているが、セクハラの実態がなかなか立証できない。今回、録音されたものがあることで保護者たちへの注意喚起にもなるので、啓蒙的な点では放送した意味がある。
  • 夕方のニュースなので、ニュースバリューはあると思うが表現の工夫が必要だ。

4.東海テレビ 『非婚同盟』

昼の時間帯に放送の連続ドラマについて視聴者から、「放送の中に”奴隷ごっこ”や”レイプシーン”が出てくるが、子役の子どもたちにこんな演技をさせるのは酷い」という視聴者意見が寄せられ審議した結果、次のような意見が述べられた。

<委員の主な意見>

  • ドラマだからフィクションがあってもいいが、もっとカメラワークや演出で表現できたのではないか。
  • 出演している女の子たちは中学生の設定だが、未成年にレイプシーンを演じさせることに対しては、制作者側にモラルを求めたい。
  • ドラマの流れとして受け止めるが、不快なシーンだ。今後は演出方法に気をつけてほしい。

今回の委員会で審議した4番組については、「回答のお願い」を出すに至らなかったが、いずれの番組も議論された問題点を議事録にとどめることになった。

■ 中学生モニター報告

2月は、このひと月ほどの間に見た番組について自由に書いてもらったが、30人のモニターから41件(1人で複数件の報告あり)の意見が寄せられた。
分野別に分けると、バラエティー番組が17件、ドラマが12件、情報系番組とニュースが3件ずつ、スポーツ番組が2件、音楽番組とラジオ番組が1件ずつ、その他全般的意見が2件だった。
局別では、フジテレビ系が11件、TBS系が10件、日本テレビ系が7件、テレビ朝日系が6件、NHKが3件、テレビ東京系とTBSラジオが1件ずつだった。

・バラエティー番組

バラエティーでは、16番組に意見があったが、すべて1件ずつだった。
好評意見を列挙すると、  『太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中』 に「本物の国会よりも分かりやすいし、興味が持てる」、  『世界の果てまでイッテQ!』 に「世界中の映像が見られるし、身近な謎や不思議を解決してくれる面白い番組」、  『リンカーン』 に「みんなバカバカしいことや、真剣なことをやっていて、とても良いです」、  『爆笑レッドカーペット』 に「毎回新鮮さがあります。司会者も企画もおもしろく、よく見る番組です」、  『いきなり黄金伝説』 に「おもしろい企画がいっぱいで見ていて飽きません」、 『世界を変える100人の日本人』 に「鳥インフルエンザから日本を守る研究をされている方の話がとても印象に残りました。日本人のコツコツと真面目に研究をする性格が世界で認められているのだと思いました」などで、6番組に寄せられた。
賛否両論があったのは3番組で、 『世界一受けたい授業』 には「最近ちょっとマンネリ化気味です。ただ、でんじろう先生の理科の実験はおもしろいです」という意見。 『深イイ話』 には「長所は深イイなほんとにいいなと思う話から、これはちょっと違うなと言う話まで、ふんだんに取り入れてるところです。短所は同じ”紳助番組”といった感じで、話の展開ややり方も同じで、全くオリジナリティーを感じないところだと思います」という意見。 『あのシーンをもう一度』 には「テレビ朝日の50周年のさまざまな番組が2時間半にまとめられていてよかったです。しかし、その時間では無理があったようで、番組の一部のカットを数秒で切り替えていくという、少し薄い内容となってしまいました。ただこの番組でやっていたような、昔の筋が通った笑いを放送してほしいと思いました」という意見が寄せられた。
批判意見としては、 『エンタの神様』 に「マンネリ化している気がします。時々出る人気芸人見たさに、この番組を見ますが、1時間が長いです」、 『とんねるずのみなさんのおかげでした』 に「とんねるずは体を張らずに若手の芸人に、ヒドいことをしています」、 『ほんとにあった怖い話』 に「毎週やっていた時の方が内容的に面白かったと思います。番組の中でやる”恐怖郵便”という視聴者からの体験ドラマも、いつも新しいものが出てきて面白かった」、などがあった。
また今年3月末で 『どうぶつ奇想天外!』 が終了することについて、「私はこの番組が大好きで欠かさず見ているのにガッカリです。どうぶつを差別せず、色々とりあげてくれるこの番組がなくなったら、私の生物の成績も下がりそう」という感想が寄せられた。

・ドラマ番組

ラマ番組では 『RESCUE』 と 『メイちゃんの執事』 に3件ずつ、 『ヴォイス』 に2件、 『銭ゲバ』 『キイナ』 『トライアングル』 『警官の血』 の4番組に1件ずつ意見があった。
『RESCUE』 は好評2件不評1件で、好評は「深く”働く”ということを考えさせられる番組だと思います。どんな仕事であっても、その仕事にほこりをもてる、やりがいを見つけられる、そして自分のベストを尽くせる、そんな姿が伝わってきます」、「私は自分が信じられる道を進めば、必ず希望、夢、将来が見えてくることを信じたい。このドラマは、そういう気持ちを、考えを教えてくれる」などの意見で、不評は「中心人物がジャニーズでそれも二人もいるのが考えられない。演技がうまければいいけど、見ていてイライラしてくるから一話目で見るのをやめました」という意見だった。
『メイちゃんの執事』 は、原作の漫画ファンからの意見で「見てはいるのですが、少しがっかりしています。というのも、物語の各部分の設定がかなり原作とは違うからです」、「あまり見ようとは思わなかった。一番の原因はドラマは人間が演じるという点である。どんなに髪を切って短くしたって、メイクをしたって、そのキャラクターになることは不可能だ」などと不評だった。
『ヴォイス』 は2件とも好評で「この番組は法医学で死亡した人を調べて、この人がどんな気持ちでどうして死亡したのかを断定するという新しい感じで、いつも最後に感動があって、この期のドラマでは一番面白いと思う」などという意見だった。
他に 『警官の血』 について、「まさかこんなにもドロドロしたものだとは思っていなかったので、驚きました。ですが、主人公がただの良い人ではない、というのは良いと思いました。きれいごとだけでは済まされない現実的な刑事の世界が描かれていたからです」という、意見があった。

・その他の番組

2件意見があったのは 『みのもんたの朝ズバッ!』 で、「司会者は、進行役という立場なのだから、自分の主観を含めないで発言していただきたい」、「結婚詐欺事件の紹介で、なぜか私には番組に出演している人たちの笑顔が目についた。なんだかあまりこの事件を真面目に受け取っていないように見えた」などと、いずれも批判意見だった。
他に、 『ワールドカップサッカー予選』に「解説者とアナウンサーの声が不必要にうるさい気がします。同じ事を何度も何度もくりかえして言ったり、よく訳の分からない事を言ったりして、少し邪魔に感じました。また同じ時間帯に放送していたのでNHKの方も見てみましたが、私的にはNHKの方が叫んだりせずに落ち着いて解説していたように思えました」という意見もあった。

3月のモニター報告は、締め切りまでのひと月ほどの間に見た番組の感想・意見・批判などを自由に書いてもらう。

以上

2009年1月に視聴者から寄せられた意見

2009年1月に視聴者から寄せられた意見

番組用にプログを自作した番組とテレビ局への批判が集中した。次いで、漢字の読み違いに焦点をあてた麻生バッシングや政党批判に終始する報道姿勢へ批判があった。「報道の役割を問う」とする政治報道の脆弱性を指摘した意見もあった。

1月に電話・ファクシミリ・郵便やBPOのホームページ経由でBPOへ寄せられた意見は1,230件で、12月と比較し113件減少した。意見のアクセス方法の割合は、Eメール65%、電話29%、ファクシミリ3%、郵送ほか2%。 男女別は男性75%、女性21%、不明4%で、世代別では30歳代27%、20歳代22%、40歳代21%、60歳以上9%、50歳代8%、10歳代3% の順となっている。

2009年1月に視聴者から寄せられた意見 1,230件

BPOに寄せられた意見内訳

意見分類 2009年 1月件数 年度累計
人権等に関する意見 9 件 60 件
放送と青少年に関する意見 103 件 [ 意見内容 ] 1,288 件
放送番組全般にわたる意見 692 件 [ 意見内容 ] 6,300 件
BPOに関する意見・問い合わせ 63 件 596 件
その他(放送関連以外) 363 件 3,547 件
意見件数 計 1,230 件 11,791 件

視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。1月通知数は579件(50局)であった。
またこの他に、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し41件を全加盟社・局に送信している。

意見概要

人権等に関する苦情

1月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

  • 人権に関する審理・斡旋の要請・・・・・・・ 9件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・ 28件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

番組全般にわたる意見

【情報ワイド・バラエティー番組】関連 1,623件(全体の132%)前月比239件の減少

  • “不適切な内容、不適格な出演者”(929件:76%)
  • “低俗・下品な番組”(497件:40%)
  • “倫理観欠如、局の責任”など(197件:16%)

【報道・情報番組】関連 756件(全体の61%)前月比362件の減少

  • “取材・報道のあり方・批判” (432件:35%)
  • “放送の影響と公共性、メディアの規制、言論・報道の自由”など (176件:14%)
  • “報道の公平・公正性と内容批判”(148:12%)

※【情報ワイド・バラエティー番組】【報道・情報番組】の意見合計数が意見総数を超えているが、これは1件の意見に複数の指摘項目が含まれているためである。

1月は「捏造・やらせではないか」との指摘(130件)のうち、94件が番組用にプログを自作した番組とテレビ局への批判が集中した。次いで、漢字の読み違いに焦点をあてた麻生バッシングや政党批判に終始する報道姿勢への批判(62件)と、政策や国会審議等政治関連報道について「報道の役割を問う」とする政治報道の脆弱性を指摘した意見(58件)、情報番組を中心にキャスター・コメンテーターの「印象・情報操作に繋がるかのような無責任な発言」等についての抗議や批判が多い。更に”出演者の発言”や”番組のあり方”に関しては、雇用危機(関連意見77件)に直面している状況下で、派遣村報道をはじめ解雇された社員への不当な論評を加える情報番組等を批判する意見が多数寄せられた。あわせて経済・金融危機下での”大食い・高額食材を使った番組”や”不適切なバラエティー・お笑い番組”を制作する放送界の放送倫理や現状認識について厳しく批判している。また、「県民性」や「血液型」および「バラエティー番組(いじめ・暴力)」、パチンコ・携帯電話等のCMに対する批判が続いている。なお、放送局の応対・対応に関する苦情は208件で前月より34件減少した。

青少年に関する意見

1月にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送と青少年に関するものは103件と先月より23件減った。
低俗、モラルに反するという意見は37件と多く、顔にビニールを被せたり、手錠を掛けて熱湯に突き落としたバラエティー番組への意見が5件と目立った。
また今月は、ホラー映画のCMに対し「時間帯などを考えるべきだ」という意見が8件あった。

BPOに関する意見

BPOへの意見30件、問合せ33件となっている。
「意見・問合せ」以外にBPOについてふれた意見は200件であった。

BPOに関する意見

BPOへの意見30件、問合せ33件となっている。
「意見・問合せ」以外にBPOについてふれた意見は200件であった。

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 女性の遺体が発見された事件で、被害者の女性について不適切な表現で伝えていた。事件について他局のニュースでは「男女の交際のもつれか」程度の表現であったが、この番組では、近隣に住む男性のインタビューで「いろんな男の人が部屋に出入りしていた」「ギャル男系・ストリート系などいろんな奴だった」と語った内容を放送していた。また、画面の右上には常時「自宅に”いろいろな男性”・21歳女性殺害」と表示していた。この番組はニュース報道番組である。何故、被害者家族の心情に配慮しないのか。このような報道姿勢は、被害者家族に対して二重の苦しみを与えることになるとの認識を持つべきである。
  • あることでインタビューを受けたが、番組では発言内容とは全く反対のことをアフレコと字幕で入れられ、放送された。捏造である。ディレクターもそれを認めている。今後、放送による被害を受ける可能性があるので、番組責任者に抗議をして謝罪と訂正を求めたい。
  • ハローワークの紹介で介護センターで研修を受けている夫を22日、地元の新聞社とテレビ局が取材に来た。その際夫は、名前と顔を出さないという条件で取材を受けたが、ある新聞とあるテレビ局は夫との約束を無視し、名前と顔を明らかにして報道した。介護関係への就職をまだ決めたわけではない夫は、この放送が、今後、他業種などへの就職活動に影響を及ぼすのではないかと心配している。約束を破ったテレビ局には謝罪をしてもらいたい。そして、今後この映像を放送する時は顔と名前を出さないと確約してほしい。
  • 私の知人が住んでいる家の近くで事件があり、その知人はインタビュー取材を受けたという。知人が買い物から帰ってきた時にいきなり一人の男性の取材を受けたのだが、マイクもカメラもなかったので以前にも受けたことのある新聞社の取材だと思っていた。放送を見た友人から連絡があり、初めてテレビ局の取材だったことを知ったが、テレビで放送するなどとは知らされていなかったので驚いている。おそらく小型カメラで撮られたのだと思うが、テレビ取材に際しては本人に放送局名・取材者氏名・役職名・番組名・放送予定日時などを伝える規定はないのか。知人は人権侵害とまでは言っていないが、非常に不愉快な思いをしたと怒っている。
  • 大阪府茨木市で起きた、首に携帯電話の充電用コードが巻きついて1歳の男児が窒息死した事件の報道で、警察は「事故死」と見ているのに何故「自宅映像」が必要なのか全く理解できない。「事故」であるのだから原因は携帯電話のコードの問題であり、自宅映像が必要である理由はない。むやみに個人のプライバシーを報道すべきではない。これは「事件」であったとしても同様だが、「事故」なのだからましてやである。
  • 各局で放送されている国政に関するテレビ討論は、「全て行政が悪い」という結論ありきの番組が多いが、もっと本質を話し合う討論番組は出来ないのか。また、街頭インタビューの世論調査の結果を放送する時には、実施した日時や場所、総数、インタビューに応じた男女の比率や年齢等も明確に伝えるべきである。同時に今年5月から始まる裁判員制度に考慮し、ニュース報道では現在のような事件をセンセーショナルに伝える報道姿勢は改めるべきである。特にワイドショーでは殺人罪、傷害致死罪、強盗致死傷罪、身代金目的誘拐罪等に該当するような事件はセンセーショナルに取上げるべきではない。
  • 政治家バッシングは今に始まったことではないが、最近その傾向が特に強いように思う。政策について具体的な根拠を示して批判するならまだしも、ネットの掲示板に書いてある批判コメントの抜粋や、テレビ局に送られてきたというFAXをただ読むだけという方法が多く信憑性に欠ける。そんなもの、本当に一般人が書いたものなのだろうか?ネットの記事を抜粋するならば、URLやサイト名などのソースを明確に表示すべきだ。そうでなければ捏造と捉えられても仕方がないと思う。批判の内容も「馬鹿」や「クソ」等と下品な表現ばかりで見ていて非常に不愉快になる。また、現政権の批判をした後で某野党の幹部の発言を逐一報道する事にも疑問を感じる。現政権については作為的な発言の抜粋をしたり意図的な編集をして報道した後に罵詈雑言で批判するのに対し、野党の発言に関しては特に編集することもなく、ありのまま放送するのは何故だろうか?野党とマスコミの癒着を勘繰ってしまう。毎月、報道のあり方について数多くの意見がBPOに寄せられているが、これらの意見を見てBPOがきちんと機能してくれることを期待する。
  • 国会で民主党議員が麻生総理に漢字テストのような質問をしたことが放送されていたが、さすがにこれについては民主党に非難が集中したようだ。しかし、彼の質問の全体を調べてみると政教分離の問題について問い質した箇所があったが、テレビでは漢字の話ばかりが取り上げられ、政党の問題は全く触れられなかった。ニュースとして取り上げられないのは一体なぜなのか?しかも、テレビ局の足並みがそろっていることが不思議だ。これは記者クラブ制度が問題なのか、いずれにしても異常な事だと感じている。また、コメンテーターの意見が偏り、資質を疑われる人物が出演しているのもおかしい。政治的な知識の乏しいと思われるタレントが個人的な感想を述べるだけの報道番組は、視聴者に対するただの印象操作でしかない。報道キャスターは、平等に事実のみ報じるべきではないか。
  • 昼前のニュース番組で「株価下落は政府のせい」という荒唐無稽な野党の主張を紹介し、視聴者に対する印象操作を行っていた。株価下落の原因は金融危機であるのは言うまでもない。その直後のニュースで株価の下落を伝えたが、1月30日の下落に関してもアメリカの株価が大幅に下がったのが原因だ。【麻生首相が辞任するのが一番の景気対策】とテロップを出しただけではなく、【一番】を黄色の文字で強調をしていた。ニュースでは、こういった悪質な印象操作をやるべきではない。
  • 政治に関する各局の偏向報道がひど過ぎる。同様の意見が他からも届いているだろうが、麻生内閣に対する報道には悪意を感じる。「不偏不党」「公正・公平・中立」「事実を伝える」・・・これが報道ではないのか。政府案と野党案を両方とも正確に報道する。これは当り前のことだ。例えば、各局は「2兆円の定額給付金」だけしか報道していないが、これではまるで政府の景気対策は定額給付金だけで、他には何もないように思ってしまう。私の知り合いが「定額給付金は雇用対策に回すべきだ」と言うのを聞いて私は驚いた。政府案では雇用対策として数兆円もの金が使われるのに、彼女はその事実を知らないのだ。国民をミスリードするのが報道なのか。過去の椿事件を忘れたのか。最近は政治関連のニュースが始まると「どうせ、また総理バッシングか」と思ってチャンネルを変えることも多い。このような事が続くのならテレビはいらない。インターネットで十分である。
  • 先月31日からNPO法人が千代田区内で開いた「年越し派遣村」に関する早朝ワイド番組の報道で、司会者は「派遣契約を切られた者が権利だけを主張している。仕事はあるのだから取り敢えず仕事をしたらどうなのか」等と、あたかも悪いのは失業者であるかの様な発言をしていた。しかし、これは現時点での有効求人倍率が0.76であるという事実を無視した暴言であり、同法人の活動への誤解を流布するものだ。深刻な雇用・人権問題となった「派遣切り」は12月31日に集中していたにも拘らず、相談窓口のハローワークは休業中で、退寮者が帰る家もなく野宿を強いられる状況だったからこそこの時期に緊急の食事・住居支援活動が行われたのだ。司会者の個人的感想がどうであれ、「放送ジャーナリズムの社会的責務に抵触する放送」だという他はなく、虚偽の疑いがある番組が放送されたことにより、視聴者に著しい誤解を与えたといえる。
  • 消費税に関する報道で、「消費税は赤字であっても納めなければならない」という発言があった。これは消費税の仕組みを理解していない放送であると言わざるを得ない報道である。本来であれば、一般消費者が納税者であるべきところを、売上高に応じて納税しているかのように構成されたVTRが放送されたが、著しく事実誤認をしており、且つ、脱税を誘発しかねないものであった。また、これについてテレビ局に問い合わせをしたところ、大変横柄な言葉遣いで応対された。番組に対する「意見」を言ったのに、まるで「クレーム」をつけたかのような対応であった。
  • 今朝、消費税増税に関する与党案についてのニュースを放送していた。今回、二段階方式の記述になった事で総理が「またブレた」ということを印象付けたかったのか、これは編集による印象操作ではないか。そういうことは止めてほしい。元々総理は前から「消費税アップは景気が回復したら」と前提条件をつけていた筈だ。それなのに、総理の発言の前提部分はカットし「消費税は3年後を目処に~」という過去の映像を放送した後に、記者が「後退した(ぶれた)のでは?」と質問し、総理が「全然そんなことはない。認識が違う」と答えるやり取りを流していた。その後、コメンテーターがいつも通り政府批判のコメントをしていたが、これではテレビしか見ていない人は誤解すると思う。本来報道は事実を放送すべきもので、国民をある方向に誘導したり、ましてや自分達の意見を押し付けたりするものではない筈だ。多くの人に影響を与えるのだから、一部を切り取って事実を捻じ曲げるような事はせず、関連の発言に関して放送するのであれば発言の趣旨全部を流すべきだ。最近の報道はレベルの低下が著しい。しかも、寄ってたかって集団いじめのような放送をしており、子どもにも悪影響を与えている。改善を望む。
  • 坂本総務政務官が「本当にまじめに働こうとしているのか・・」等の発言でバッシングを受けたが、彼を追及しているマスコミに疑問を持った。派遣村にいる人たちがデモ行進していたが、横断幕に「憲法9条」など、雇用の問題とは関係のない文字の書かれた旗があり、なにか別の政治的意図を感じた。最近は情報番組や報道番組も信用できないため、テレビを冷ややかに見ている。
  • タクシー強盗事件に関する放送がされていた。コメンテーターが「一連のタクシー強盗は模倣犯の可能性が高い」と論評しながら、タクシー強盗防止用のアクリルガラスなどの防止対策について、その対策普及率をランキング形式で表示していた。最下位の都道府県は京都府と徳島県であった。同じ放送局の別のニュース番組で、犯人の「テレビで見て真似をした」という自供を放送していたが、その事実がありながらこの番組で普及率をランキング形式で公表するというのは注意不足ではないか。普段からテレビに対しては懐疑心を抱きながら見ているが、いくら何でもこの報道だけはおかしいと感じた。こう思うのも私が京都市内でタクシー運転手をしているからだ。番組関係者は、ぜひこの意見を参考にしてもらいたい。
  • 今年も各局のニュース・ワイドショーで沖縄の成人式での迷惑行為が放送された。しかし、東京のキー局がわざわざ取材スタッフを沖縄に出してまで取材しなければならないことかと思う。東京のキー局ならば、地元の東京や関東近郊で暴れている成人式を探し出して取材すればいいのではないか。沖縄県の当該市の市長がマスコミに対して「成人式報道の自粛」の要請までしていた。マスコミによる沖縄での成人式報道によって沖縄の県民性が誤解され、まるで沖縄人が傍若無人の暴徒であるかのように思われてしまっている。「暴れる成人式」は沖縄でも少数派だ。整然とした沖縄の成人式が大多数なのだから、暴れることのない成人式を紹介するべきだ。東京キー局の放送には沖縄と言う地域を貶めようという悪意すら感じる。地域をステレオタイプに捉えて取材・放送するのをやめてほしい。

【不適切・低俗な表現や発言、モラルの低下、局の姿勢】

  • 手錠をかけて動けなくなった芸人を4人で抱え上げて熱湯に突き落とす。女を足蹴にする。スタッフの一人を上半身裸でパンツ一丁の姿にして真冬の戸外に出す。無口な女優を端に追い詰めて言葉攻めにする。一人の芸人に頭からビニール袋をかぶせ、隙間からスプレーを噴射して息ができないようにし、さらにビニールの袋をひっぱり窒息状態にした。これはかなり酷く「いじめを助長する」といったレベルではない。「悪意の塊」としか言えないものが、ゴールデンタイムに全国に放送されている。また、こんな劣悪なことが行われている最中に、回りにいる出演者やスタッフが手を叩いて喜んでいる。酷すぎる!
  • 昨今、バラエティー番組や笑えないお笑い番組に下着姿で出演する芸人がいる。民放はそのような人間をどのような考えで出演させているのか?裸同然の下着姿で演技をしたり、トーク番組に出演し全国に放送することに何の意味があるのか?民放各局のトップは自局の番組を見ていないのか。放送局の経営者は何とも思わないのか不思議でならない。このままでは放送倫理を守ることを理由に政府の介入を招く事にならないのか?
  • 麻生総理がオバマ米大統領の就任演説について「世界で第1・第2の経済大国が一緒に手を組んでやっていけることが改めて確信できた」と、経済危機克服に向けてオバマ新政権と緊密に連携する考えを強調した。これに対して、関西のラジオ局の司会者は、「おっさん」「頭の中が蜂の巣」「支持率が低い状態でそんな事を言っている立場ではないだろう」等と、非礼極まりない不適切な発言をしていた。表現の自由は日本国憲法で保障されているが、メディア、特にテレビ・ラジオには世論を誘導するほどの力があることを自覚すべきである。局に意見を伝えたが「放送上問題はないと思っている」と回答があった。公共の電波で放送しているという認識が見られなかった。
  • 麻生総理を擁護するつもりはないが、一国の総理大臣に対して非礼な発言があった。この番組で水曜日のコメンテーターを務めている女性作家が、「オバマは格好いいけど、うちのは口の曲がったあの人だからネ、情けない」と麻生総理を誹謗中傷するコメントをした。この番組はニュース報道番組でありバラエティー番組ではない。さすがに番組の後半でアンカーマンが「不適切な発言がありました」と謝罪したが、何故、このような倫理感のない人を出演させているのか。テレビは出版物とは違い公共の電波を使って放送していることをこの作家に認識させるべきである。
  • 司会者の1人である女性アナが、彼女に出題された「麻生さんは自民党の総裁、小沢さんは民主党の代表、それでは志位さんは共産党の・・・なに?」というクイズの問題に「番長」と答えた。呆れちゃったよ。彼女は毎回、自分に出されるクイズにトンチンカンな回答をして笑いをとっているようだが、情報番組にこんな非常識でバカなアナウンサーは出すべきではない。政治・経済・社会のニュースなども取り上げる情報ワイドショーはバラエティー番組とは違うんだ。彼女のような”おバカ・キャラ”は必要ないんだ。
  • 番組制作者は何か不祥事などがあるとバカの一つ覚えのように「反省している」「視聴者から頂いた批判は真摯に受け止める」というコメントを繰り返しているが、その信憑性はかなり薄い。「謝っておけば視聴者は忘れてくれるだろう」という安易な考えによる上辺だけのコメントに聞こえる。女性アイドルタレントが独裁者ヒトラーを偉人扱いした件でも、番組サイドは「謝罪した」としているが、そういった不祥事があった後にも拘らず、今度は次回予告で「淀君の父は実は織田信長だった」などという無茶苦茶な説を平然と放送していた。この局は、全国でも視聴可能な地域は限られているが、視聴率さえ取れれば視聴者を騙したり嘘をつくことさえも許されるのか。
  • 1月11日に世界遺産である京都市の神社内で行われた時代劇ドラマの撮影の様子を見た。ところが、スタッフと俳優が待ち時間の間、堂々と喫煙していた。この神社は境内全域が禁煙になっている。タバコに限らず、一切の火気厳禁である。境内のいたる所に立て札があり、スタッフ・出演者らが口にするのであろうポットと紙コップなどが置かれたテーブルは、その立札の下に用意されていた。禁煙であることが分からない筈はない。そもそも、世界遺産内での喫煙が許される筈がないことくらい、常識で分かることだと思う。もし火を出したらどう責任を取るのだろう。当たり前のようにタバコを吸う俳優とスタッフの姿を見て、そのモラルのなさに驚いた。「テレビのロケ」と称すれば何をしてもよいと思っているのだろうか?京都市民として怒りを感じた。京都市民がとてつもない歳月に亘って守り続けてき京都の歴史・文化・景観について考えることもせず、社寺境内でロケの最中に喫煙する放送局のスタッフのモラルと責任を問いたい。
  • ふと見た番組で、公園で「大食い競争」のロケをやっていた。その番組にはホームレスの方が映っているカットがあった。それを見た瞬間、私は社会の不平等さの縮図を見たようで悲しくなった。何も、ホームレスの方にわざわざ見せつけるような場所でロケーションなどすることはないのにと思った。私はたまたまテレビに映った映像を見て心が痛んだだけだが、ロケが行われている公園でずっと撮影を見ていたホームレスの方の気持ちは「うらやましい」で済むほど簡単なものではなかったと思う。大食いの文化を全て否定する気はないが、大食いをしている方にとってそれほどの食べ物が必要かといえば必要ではない訳だし、そもそも生きる為の食べ物なら無理して詰め込むものではない。その余分な食べ物を、その日の食事にも困っている方にうまく分けてあげられればいいのにと思った。テレビは色々な方に思いやりのあるメディアであってほしいと願っている。
  • 番組の放送時間に合わせて、「視聴率調査」と称して、家々を回って「その家ではテレビで何の番組を見ているのか」を調査するというものがある。案の定、最後はこの番組を見るように勧めるものだ。自分は大阪に引っ越してきて2~3年になるが、今までに番組の視聴を強要するような番組は見たことがなかった。それが、大阪の風土と言われたらおしまいだが・・・しかし、週末の夜12時近くに自宅に来られるのは迷惑だ。
  • 法律を扱う番組の司会者が女性ゲストに対して、「夜空の下でAVばっかり見る」や「もし遊びに来たら差し出したクロワッサンは汚いから食べない方がいい。俺のクロワッサンを触ったから」など、下ネタを連発していた。ゴールデンタイムの放送であるのに、非常に下品な発言であり、セクハラ行為でもある。この行為は法律違反である。番組の看板を背負っている司会がセクハラ発言をするようでは、番組そのものを改めないといけないと思う。
  • 毎日昼前から放送の情報ワイドで時事ネタを担当している男性の言葉遣いが非常に悪い。例えば「○○じゃね~だろ!!」というべらんめえ口調での発言はやくざのように暴力的で、見ていて非常に不快感を覚える。今の世の中の状況を考えて、これ以上、人の心がすさむような言葉遣いはしないで頂きたい。
  • 女性アナウンサーの「鼻をかんだら鼻血が出た」という発言に、男性タレントが「おまえはどこからも生理があるんだなあ」と返した。男の言葉を受けて女性アナウンサーは「セクハラで訴えますよ!スタジオから出て行ってください」と反論したが、聞いていて非常に不快に感じた。このような内容は公の電波で放送する内容ではない。
  • 年配者を「くそじじい」や「くそばばあ」等と呼ぶラジオの出演者の言葉遣いは非常に聞き苦しい。このような呼び方はもちろん、出演も止めさせるべきだ。
  • 男性タレントが年末の歌番組の中で、実兄が経営する玉子焼き店の宣伝をしていたが、そのようなことを放送したのは公共放送として極めて不適切だったと思う。具体的には、兄の等身大の写真パネルをステージ上で披露し商売をPRしたり、楽屋で出場歌手らに兄の店の玉子焼きを振舞う様子が録画で紹介された。このように極めて私的でしかも特定のお店の宣伝になることを、なぜ公共放送が放送したのか全く理解できない。
  • 「応援ゲスト」と称してお笑い芸人やオネエ系・ニューハーフタレント等を出演させたことに怒りを感じた。もはや年末の歌番組は公共放送としてふさわしくない低俗番組に成り下がった。民放のクイズ番組から出たおバカタレントや「羊水が腐る」と発言した歌手共々、このような連中を出演させた理由について局の見解を強く求める。

【番組全般、その他】

  • 「桂離宮 知られざる月の館」を心行くまで堪能した。美しい映像とナレーションは、まるで別荘に招かれているかのような素晴らしい時間を与えてくれた。建築・庭園の赴き、美しさに心が安らぐ思いがした。職人さんの技が美しく精緻でレベルが高いことに驚き、日本文化を誇りに思えた番組だった。今後もこのような日本人の心に響く番組を制作・放送していただくことを期待している。
  • 教育番組で同性愛者を取り巻く偏見や好奇の目に満ちた厳しい現実をありのままに伝えており「同性愛者に対する一般人の意識のあり方」を問う好番組だった。私自身何かと辛いことの多い同性愛者の一人だが、視聴して「ここまで現実を直視した番組がついに放送されるようになった」と、感慨深かった。私は以前からNHKに対し、このような内容を取上げてくれるよう要望を伝えて来たが、今回の放送は期待を裏切らないもので、制作・放送して下さったことに感謝している。
  • 今回のキー局のブログ捏造という不祥事は視聴者のテレビへの信頼を一段と低下させたと思います。景気後退による在宅でのテレビ視聴が増える中、各局の視聴者獲得争奪戦のさもしい手段が露呈したものと捉えています。テレビはかつてのような信頼感を持って視聴できるものではなくなりました。誇大な表現や捏造等、視聴率至上主義による商業性が一段と強まり、公益性が殆ど感じられません。テレビがネットや視聴者を馬鹿にした放送を改めない限り、歪んだメディアリテラシーが蔓延し、メディアと視聴者の相互不信は日を追って激しくなる事と思います。
  • 各局に設置されている「番組審議会」についてだが、委員へは自局の好評番組が提示されるためか、委員からは番組に対して肯定的な意見が示されることが多いようだ。しかし、肯定的な意見を改めて示さなくても、それは視聴者自身がすでに感じ取っていることと思われる。むしろ、批判的な意見が多く出てこそ、これからの番組向上のための有意義な議論が出来ると思う。「番組審議会」では、より一層の番組向上を目指して、指導・要望などの意見が多く出ることを期待している。
  • 年末年始のテレビを見て「テレビもとうとう、ここまで堕ちたか」という感を持ちました。NHKの番組の民放化、民放各局の長時間痴呆的番組の連続、ニュース番組の軽視等など目に余るものがありました。もう「見なければいいじゃないか」では済まされない問題だと思います。NHKおよび民放各局には「発想の転換」を強く望みます。
  • 正月特番の給食タイムというコーナーの中で、一個9万円もするというアワビが出され出演者達が食べていたが、派遣切りなどで職を失い、住む家もなく、食べる物を買うお金も無く苦しんでいる人たちが大勢いるのに、こんな高価な物をタレント達がバカ騒ぎをしながら無駄食いするとはどういうつもりだ。こんな番組を作るテレビ局の常識の無さに呆れた。そんなに金があるのなら、困っている人たちに寄付すべきではないか。
  • 早朝ワイド番組の新聞記事の紹介で派遣切りを取り上げた際、派遣切りに遭った失業者を批判していた。司会者が、自分の考えを視聴者に押し付けて批判していいのか?「ハローワークの人と話したが求人はいっぱいある」と発言していたが、求人票が多くとも採用人数は1人~2人が普通で、複数の求人はまれである。派遣切りでの失業でなく、会社が倒産して失業した人、在職中(正社員・派遣・契約・パート・アルバイト)だが転職したい人等も応募するため、採用人数も少ないので応募者全員が採用されるわけでない。この男はそういうことを認識して発言しているのか?
  • 番組で「年越し派遣村」の若者数人が元アナウンサーの司会者にインタビューされる映像が放送されていた。「年越し派遣村」に集まってきた人達の大部分は工場などで働いていて「派遣切り」にあい、失業したために寮を追い出された人が大部分で、その年齢層も若年層から中高年まで多岐に亘っている。ところが、この番組に出演していたのは若者ばかりだった。しかも「家出してきた」とか「もともと野宿生活をしていた」「家族関係に問題があって家に帰れない」等、個人的に特別な事情を抱えた人ばかり。これでは、一般的な「年越し派遣村」の住民とはかなりかけ離れている。放送を見る限り、彼らの容姿も受け答えも明らかに不自然で、「仕込み」の疑いが濃厚だ。彼らを「派遣村」の一般的な住民であるかのように報道し批判するのは、悪質な印象操作であると思う。そもそも「派遣切り」は明らかに労働問題・社会問題で、それを一部の失業者個人の「心の問題」にすり替えて批判するというのは完全な間違いだ。また番組内で居酒屋チェーンの社長が彼らを批判していたが、このチェーン店は残業代不払い等、違法労働行為が度々問題にされている会社だ。このような人物にコメントを求めるのは非常識ではないか。
  • 1月22日の早朝のワイド番組で「生活保護・母子加算廃止反対」の内容で事実と違うものがあったように思う。生活保護受給の母子3人の世帯が月の生活費が13万円で、その内家賃が約3万円、残りで生活し食事にも困窮している。それにも拘らず、母子加算を廃止することはけしからんとの内容だった。私もそれはけしからんと同調し見ていたが、3人世帯で10万円未満の生活費?との疑問を持ち調べてみた。すると3人世帯では家賃を除いた生活保護費は約15万になり、母子加算が8千円、それ以外に障害加算がついて少なくとも18万円にはなっているのではないかと推測できる。さらに生活保護法を読むと、収入があればそれを控除するとの決まりがあった。番組に出ていた母子世帯は生活保護以外に収入があり、それを控除された後の生活保護費が13万円なのではないか。今回の報道は視聴者を騙したもので、嘘で、大げさで、紛らわしいものではないかと思う。調査の上、間違った表現であれば即刻訂正をしていただくよう放送局へ指導してください。
  • 長野県の山村で熊の狩猟を趣味にしている男性を紹介した。人里におりて農作物を荒らすわけでもない熊の生息域である山深くに猟友会のメンバーと立ち入り、熊を追い詰めて深手を負わせた挙句に、仕留められずにそのまま何の手だても取らずにいる様子や、狩猟の失敗を嘆く様子を面白おかしく取上げていた。2004年から2006年にかけて大量捕殺が続いたため、熊の生息数が激減していると新聞でも読んだ。また、自然林が育つ過程で熊が大きな役割を持っているということを知っている人も多い。水の保全・森林育成とも不可分であるにも拘らず、著しく事前調査を怠っていたという印象を持った。熊の狩猟については自治体によっても取り組み方にばらつきがある中、狩猟がレジャーとして簡単なものと認識され、視聴者が安易な認識を持つことをテレビ番組が助長するのは危険だと思う。
  • 電話によるテレビ局各社の世論調査を数回受けた経験があるが、NHK以外の調査は非常に回答しずらい。テープに録音した女性の声で質問があり、賛成か反対かを電話番号を押して答える方法だが、民放の調査は女性の声が小さく、話すスピードも速すぎる。また、調査に対する説明も足りない。日常的に携帯でメールを使っている世代の人達は答えられると思うが、我々のような高齢者には無理な調査方法である。その結果、60歳以上の有効回収率が低くなっていることは当然のことである。調査方法を再考するべきである。
  • 20人の医師が疑問を解決するというコーナーで「うつ病」を笑いものにする瞬間があった。「うつ病」は不景気で職を失う人達が多い中で増大している。これは社会問題としても取り上げられており、「うつ病」はお笑いで取り上げるような病気ではない。番組を見て非常に不愉快に思った。番組の最後に「この人達は病気がなくなってしまうと困ってしまう人達ですから」と漫才コンビの一人が言っていた。病気がなくなって困る人などこの世の中には誰一人としていない。この言葉を受けて黙っていた20人の医師は本当の医師なのか。本当に医師ならばそうは思わないのではないか。番組制作者は何を考えてこの番組を制作したのか。腹立たしい限りである。
  • この日の早朝のワイド番組は非常に不快だ。放送の中で中川財務大臣が漢字を読み間違えたことをネタにして笑い飛ばしていた。その他にも「常用漢字に新しい字が追加された」ことを伝える際に、あからさまに「麻生さん聞いてますか?」などと馬鹿にしたことを言っている。子どもが見る時間帯である。漢字が読めなかったことを取り上げて馬鹿にすることが、いじめの助長につながることを全く考慮していないようだ。だいたい、この司会者自身が「乱高下」を「らんこうか」と読んだり、「汚名挽回」などという言葉を使っても全く訂正もしない人物である。この番組は洋菓子メーカーの不祥事の捏造など、過去にも問題が多い番組だ。どういうつもりでこのような放送をしているのかを説明するように言ってほしい。
  • 年末の民放のクイズ番組の途中でNHKの年末の歌番組をモニターで映し出し、スタジオの番組出演者たちが話題のユニットの番組出演を楽しんでいた。いったい、放送番組に関するモラルはどこへ行ったのだろうか?この歌番組には民放局名を書いたTシャツを着た同局の女子アナも出ていた。クイズ番組出演者にも戸惑っている人が見受けられたし、番組進行の芸人の片割れはその状況を戻そうとしていたが、相棒が聞き入れなかった。放送中に「放送事故」と連発していたが、それが日本のテレビ放送のモラルなのか?大晦日ならば、何を放送しても良いのか?スポンサーの広告費が削減されている現在、テレビ局も大変だと思う。しかし、「視聴率さえ取れれば何でもよい」でいいのだろうか?これは、両局で事前に打ち合わせされていたことなのだろうか?楽しければ何でも良いのだろうか?これが、メディアと言えるのか?民放の番組でNHKの番組を見て何の意味があるのか?こんな放送を見たい視聴者がいると思っているのか?番組制作者のセンスを疑うが、番組として放送法には触れないのだろうか?なんとも情けない放送だった。
  • 民放の特別企画で安田講堂事件を特集していた。番組は最初から最後まで国家権力や警察権力の非道さを槍玉に挙げ学生運動を擁護した内容で偏ったものだった。講堂占拠という犯罪行為を徹頭徹尾擁護しており、私は見ていて気分が悪くなってしまった。現在の若者が、こうした学生運動賛美の番組をどう受け止めるのかを考えると恐ろしくなった。「犯罪行為は許せない」ということを強調したうえで番組全体を構成するのが放送局のするべきことではないのか。
  • 番組の中でマレーシアのマングローブ林観光を紹介し、日本からの観光客にマングローブの種を持ち帰ってもらっている旨の紹介があった。しかし、海外からの植物の持込については植物防疫法があり持込には正しい手続きを踏む必要があるが、これについてはきちんとした説明がされておらず、法律違反を助長しかねない放送になっていた。番組を見て、番組で紹介された活動に賛同したいと思った視聴者の思いを無駄にしないように、番組制作にあたっては関係法令に留意し、視聴者に正しい情報が伝わるようにしてほしい。
  • 土曜の夜の番組中の質問に携帯サイトから答えると、抽選で一人に100万円をプレゼントするという企画があり、番組中に当選者の発表をしていた。しかし、これではアクセスが集中するのは明らかである。前回の発表の時にも同様のことがあって番組HPでお詫びしていたが、また同じ事をやったのだから上辺だけのポーズとしか受け取れない。一時間近くも携帯のiモードサイトに接続のままにしておくことで、クイズ参加者の通信料の負担は相当なものになる。番組制作サイドはこの通信料をキャリアからの広告費としているのではないか?クイズに参加したことで、詐欺にあったように感じた。
  • 民放のいずれの局も通販番組が多過ぎる。常にどこかのチャンネルで日用品を売っているが、内容は代わり映えがせず電波の無駄使いに過ぎない。各局は盛んに「地デジ化」を宣伝しているが、それに伴い国民にもある程度の負担が強いられる。地デジ移行に伴って放送内容そのものが良くなるのならまだ許せるが、相変わらず通販番組ばかりの編成ということであれば、せっかくの地デジ化も国民の利益にならず何ら喜ばしくない。
  • 毎日仕事でFMを聞いている。例えば火曜日の午前3時からの番組なのに「月曜日午前3時」と言っている。どの曜日でも同じように、深夜零時を過ぎているのに曜日の表示を変えないのだ。仕事が報道関係なだけに、曜日感覚が違ったりするので違和感を覚える。試験日を気にしている受験生も聴取していると思う。零時を過ぎたら、正しい曜日表示をするべきではないか?
  • 乏しい年金の中から年間2万円を上回る受信料を払っているのに、最近は高齢者向けの番組が少なくなっている。何で民放と同じような芸能番組や若者向け番組ばかりになってしまったのか。視聴者センターにも抗議したが一向に聞き入れてくれなかった。
  • テレビでは、大相撲の初場所前には朝青龍を散々叩いておきながら、優勝した途端、手のひらを返すように褒め称えている。このポリシーの無さ、無節操、見識の無さには呆れた。勝てば官軍で、それまで非難されていた品格や品性の欠如、礼儀を欠く非常識な行動などは許されるということなのか。
  • 私は小さい時から勉強が大嫌いで、小学生の時に早くも落ちこぼれてしまいました。大人になった今、怠けたことを後悔し、勉強の必要性を感じています。しかし現在放送されている「高校講座」は私には難しすぎてとても付いて行けません。出来れば中学程度の内容の講座も放送してもらえないかと希望します。

【CM】

  • 事件の裏にパチンコありと言えるほどパチンコの影響力が大きくなっているのに、どうしてパチンコのCMがテレビで野放しになっているのか。先日、千葉で起きた「幼児3人火災事故死」も、23歳の母親がパチンコに熱中して家を留守にしている間に起きたという。台湾と韓国ではパチンコCMは禁止されている。ところが、民主党の小沢代表が昨年2月に韓国の李大統領を表敬訪問した際に、大統領からは「日本におけるパチンコの規制により在日同胞らが苦境に陥っているため関心を持ってほしい」と伝えたそうだ。在日韓国人たちの関わっているパチンコ業界の商売がしやすくなるように頼まれたわけだが、自国では規制しながら日本には規制緩和を要請するという大変虫のいい話だ。私は韓国のマスコミを通じて知ったのだが、こうしたことは日本のマスコミでは全く報道されていない。キー局の番組では、女性タレントや女性歌手がパチンコを宣伝していた。犯罪防止という点からも是非パチンコのCM規制に取り組んでほしい。

【BPOへの意見】

  • BPOのHPに掲載されている視聴者からの意見を毎月読んでいる。これほどまでに番組内容や編成についての批判が殺到している中で、実際のテレビ番組の内容に変化が見られないのは何故なのか?最近は逆に低俗番組が増え、まともな報道番組が減少の一途を辿っているように思う。BPOは各局の共同出資によってできた自浄組織だそうだが、これ以上番組の低俗化が進むのであれば完全な第三者機関に任せたほうがよろしいのではないか?BPOが今のままなら結局は各局の問題点を改善できず、各局は視聴率至上主義を突き進むのではないか。

青少年関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • バラエティー番組。人気お笑い芸人2人が電車に乗って出掛けて行って、大阪近辺のあちらこちらをブラブラするという番組でした。いつもは毎月、最終金曜日の深夜に放送されているのですが、元旦の昼間に放送された特番の内容があまりにもひどかったので御報告致します。番組は、お笑い芸人がチキンを買い、その後なんとラブホテルに入ってサンタとトナカイの格好をしてチキンを食べるという内容でした。ラブホテルに入る所、部屋を選ぶ所、エレベーターに乗る所も放送されていました。勿論、部屋に入る所、お風呂などホテルの部屋の内部をウロウロする所も全部放送されていました。私の家では親戚一同が集まっていて、勿論、子ども達も見ていたのですが、このような内容の番組が元旦のこのような時間帯に放送されて良いものなのでしょうか?私は深夜のこの番組は大好きでしたが、元旦の放送を見てがっかりしてしまい、もう見る気を無くしてしまいました。
  • バラエティー番組。私は中学校で社会科の教師をしています。この番組は子ども達にも分かりやすく政治や社会問題を取上げてくれるので、私の学校でも見ている生徒は多いようです。しかし、番組の中で意見が対立すると、少数派は多数派から徹底的に叩かれます。これは数の力でねじ伏せようとしているようで民主主義的とは思えません。そして、そのような「少数派叩き」が子ども達にも影響しているようです。生徒間で意見の違う者がいると、周りから「異端者」扱いされて攻撃の的になってしまいます。私は度々そういう現場に居合わせたので、生徒たちに「何故対立する意見には耳を貸さないのか?」と尋ねました。すると返ってきた答えは「だってテレビでもやってるよ」ということでした。考え方の多様さを尊びお互いを尊重できる社会であるために、身近なテレビ番組では模範を示してほしいものです。
  • ドラマ番組。うどんを床に捨てて踏んだシーンがあった。あんなひどいシーンを見たら、うどん屋さんはどう思うだろうか。教育上もよくない。バラエティー番組ですらあんなことは今時していない。もしあれが作り物ならテロップを入れるべきだし、そもそも作り物には見えなかった。仮に作り物だとしても、許される行為ではない。まさか「スタッフが後でおいしく頂きました」なんてことは無いだろうし、そんなうわべの言い訳は許されない。番組スポンサーにも抗議の連絡をするつもりだ。ニ度とあんなシーンをテレビで放送しないでほしい。
  • バラエティー番組。番組のコントの中でトランプの手品をしていた。その際、メインのお笑いタレントがトランプに女性器を表すマークをつけていた。相方が「こんなマークはつけないように!」と言って笑っていたが、放送でやるようなことではない。この局の場合、この番組に限らず他の番組でもタレントがことさらに卑猥な言葉や表現を使うのが目につく。子ども達も、正月休みの習慣が抜けずに遅くまで起きているこの時期である。影響が心配だ。
  • いくらバラエティー番組とはいえ、お笑いタレントの顔にビニール袋を被せたり、手錠を掛けて熱湯の中に突き落とすのはやり過ぎだ。下手をすれば大事故にも繋がる。面白くもないし、ただ不快なだけだ。子どもも多く見ている番組なので、内容を真似をして取り返しのつかない事件が起こる可能性もある。テレビが視聴者に与える影響をもっと真剣に考えるべきである。

【報道・情報に関する意見】

  • 「家出サイト」について特集をしていたが、記者が「家出サイト」の書き込みにある売春斡旋業者へメールで「どんなことをやるのか」と質問したり、面接を受けたりしていた。また、「家出サイト」への書き込みをした15歳の少女を呼び、「どうやって書き込みをして、家に泊めてもらうのか」と聞いていたが、このような内容は、青少年への影響を考えて放送してもらいたい。

【非科学的な事項に関する意見】

  • 血液型別の女性の結婚をテーマに放送予定のドラマは、「A型→安定志向、B型→好奇心旺盛、O型→おおらか、AB型→マイペースである」といった安易なキャラクター設定をし、ドラマを通して血液型の特徴をテロップで表示するなどするようだ。これは、根拠のない統計を基に、誤った知識や偏見を視聴者に植えつける危険性がある。特に、まだ正確な判断力を持たない未成年者に誤った知識を与え、偏見や差別を抱かせる温床になり得ると考えられるので強く憂慮している。元来、生まれつきのものである血液型で性格や行動の傾向を特定することは重大な差別行為に当たると考える。番組の放送中止を強く希望する。

【CMに関する意見】

  • 最近、夕方から19時台にかけて、パチンコやパチンコ店のコマーシャルが多く放送され、私の小学校4年生の子どもが興味を持って見ている。「近所のパチンコ屋に行けば、コマーシャルに出ているような歌手のゲーム機で遊べてお金が当たる」という安易な考えを同級生から聞いたようで、実際に行こうとしていた。この時間帯のパチンコCMは子どもに対して悪い影響を与える。パチンコは特にギャンブル性が高いと思われるので、コマーシャルの時間帯を遅くしてほしい。
  • 深夜1時を回ったあたりから東海地区でキャバクラのCMが頻繁に入るが、下品で不快だ。特に週末などは子ども達も夜更かしをするので、こうした映像が子どもの目に触れてしまう。時間帯に関係なく、風俗関係のCMはテレビから排除すべきだと思う。局に意見を伝えているが、今のところ改善されていない。

【編成に関する意見】

  • アニメ番組。娘が見ている隣で見ていたが、心理描写ともいえるシーンで子どもには少々過激と思われる内容が目立った。人間が建物の屋上から転落するシーンがあったが、人形を使うことで表現を緩和しているようだが、それでも夕方の番組にしてはショッキングなシーンだと思った。数カ月前にもこの番組では子どもを虐待する描写や人間の体が切断されるシーンが放送された。この番組では流血シーンなどがあまりにも多い。この番組は深夜にも別枠で放送していると聞いたが、夕方枠と深夜枠で表現を変えるなどの規制をすることは出来なかったのか?夕方6時台の時間は子ども達もアニメを見る事が多いと思われるが、この番組は子ども達への配慮が行き届いていないようだ。

【いじめや虐待を助長する】

  • •本妻と妾の激しい対立を面白おかしく描いた、いわゆる「ドロドロ路線」の帯ドラマである。毎回、女性同士の派手な衝突があるが、大人同士の喧嘩を描いている限りは別に構わない。しかし、予告として、主人公達の娘である小学生の少女2人が同級生の貧しい少女を奴隷として扱う場面が放送された。2人は共謀して同級生を自宅に連れ込み、奴隷としての忠誠心を確かめるために何と自分の足の指を舐めさせるのだ。短時間の予告ではあったが、あまりに酷い場面に大変なショックを受けた。この場面を予告の盛り込む必要性は全くないし、だいいち、ドラマの中で子役にこのような行為を演じさせるのは行き過ぎだ。

【食べ物に関する意見】

  • バラエティー番組。昨年秋の番組放送後に、早食いを真似した千葉の小学生が、食べた物を喉に詰まらせて死亡するという事故が起きていたので、この番組の中で「お詫び」とか「注意の呼びかけ」をするだろうと思って見ていたら、そうしたものは入らなかった。当番組は少年の早食い死にはなんら影響を与えず、全く関係はないと開き直るかのような局の傲慢、不遜な態度に驚いた。この種の番組の悪影響(真似る人が多く危険、など)がこれまでいろいろと指摘されていたのにである。”テレビ人間”の良識の無さには呆れた。

第144回 放送と人権等権利に関する委員会

第144回 – 2009年2月

「徳島・土地改良区横領事件報道」事案の審理

1月の苦情概要 ……など

全国土地改良事業団体連合会の会長、野中広務氏が名誉権の侵害等を訴えている「徳島・土地改良区横領事件報道」事案の審理が行われ、「委員会決定」を取りまとめるための起草委員を決めた。

議事の詳細

日時
2009(平成21)年2月17日(火) 午後4時~5時45分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
竹田委員長、堀野委員長代行、五代委員長代行、右崎委員、崔委員、武田委員、中沢委員、三宅委員、山田委員

「徳島・土地改良区横領事件報道」事案の審理

徳島県で起きた土地改良区の横領事件を伝えた昨年7月のテレビ朝日「報道ステーション」の放送で、名誉・信用を毀損されたと全国土地改良事業団体連合会(全土連)の会長、野中広務氏が申し立てている事案の審理を、先月に引き続き行った。

「申立書」で野中氏は「申立人が政治力で膨大かつ不要の事業を持ってきて、その投入された莫大な補助金が犯罪発生の原因となったかのような作為的な構成の報道内容である」などとして、訂正と謝罪の放送を求めている。これに対し、テレビ朝日は、「報道内容に基本的な間違いはなく、放送により野中会長の名誉・信用を毀損したとまで言えるものではない」としている。

当日は、前回の委員会で実施した野中氏とテレビ朝日に対するヒアリングをふまえ、報道によって野中氏の名誉が毀損されたかどうかについて各委員が意見を出し合い、詰めの審理を行った。

その結果、起草委員を決め、次回委員会では、起草委員会がまとめた「委員会決定(案)」について検討することとなった。

1月の苦情概要

1月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情・相談・批判の内訳は以下の通り。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・・9件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・・・・28件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

その他

次回委員会は3月17日(火)に開かれることとなった

以上

第22回 放送倫理検証委員会

第22回 – 2009年2月

戦時性暴力を扱ったNHKの「ETV2001」事案

ブログを捏造して放送したクイズバラエティー番組 …など

第22回放送倫理検証委員会は2月13日に開催された。まず「ETV2001」事案で、当委員会が出した質問書に対するNHKからの回答が間に合わなかったと事務局から報告があり、その後、若干の意見交換を行った。
続いて新しく報告された3件の事案を検討した。 (1)最初はブログのウソを暴くというコンセプトのクイズバラエティー番組内のコーナー企画で、制作スタッフがブログを捏造して放送した事案、(2)次に金融ジャーナリストが特定の金融機関が破綻しかねないと解説し、誤解を与えたとしてお詫び放送したニュース情報番組、(3)最後に街頭インタビューで番組制作スタッフを出演させたことが発覚したバラエティー番組についてそれぞれ討議した。各番組とも個別の事案としては取り上げないことにしたが、2つのバラエティー番組は、バラエティー番組全般に見られる問題点についての意見をバラエティー論として取りまとめる際に改めて議論の対象とすることにした。

議事の詳細

日時
2009(平成21)年 2月13日(金)午後5時~7時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
川端委員長、上滝委員長代行、小町谷委員長代行、石井委員、市川委員、里中委員、立花委員、服部委員、水島委員、吉岡委員

戦時性暴力を扱ったNHKの「ETV2001」事案

8年前に放送されたノンフィクション番組『ETV2001「シリーズ戦争をどう裁くか 第2回問われる戦時性暴力」』の制作過程において、政治的な圧力により内容が不当に改変されたと関係者が主張している事案について、2回目の審議(討議を含めると6回目)を行った。 今回は、当委員会がNHKに出した質問書に対する回答をもとに審議する予定であったが、NHKからの回答が当委員会が指定した期限に間に合わなかったので次回に持ち越すことになった。事務局からはその間の経過報告と次回の委員会までに間に合わせるようNHKに要請した旨の報告があった。 引き続き、若干の意見交換を行った。

ブログを捏造して放送したクイズバラエティー番組

インターネットで閲覧できる情報のウソを検証しようとするクイズ形式のバラエティー番組で紹介されたブログが、実は、番組の素材として使用するために制作スタッフが作ったものであったという問題。当該局からは、参考にした実在のブログのコピーが提出された。各ブログの放送使用許可が得られなかったので、制作スタッフが6つのブログをネット上に捏造して放送した制作・演出手法の適否を中心に討議された。

<主な委員の意見>

  • ネットもメディアである。テレビというメディアが他のメディアを扱うときの常識の欠如。なぜこういう企画が通るのか
  • 何で大騒ぎするのか。被害は何なのか、何もないではないか。どこかで歯車が狂ってきている。
  • しかし、捏造といえば捏造というカテゴリーだ。
  • 大した問題じゃないしレベルが低いから放っておけばいいというのとはちょっと違う。番組制作の安易さに対して苦言を呈したい。制作費がないのならば知恵を働かせるのがプロだ。ブログ上のウソを責めるような企画ではなく、他に目を向けて頑張ってほしい。
  • あちこちから捏造と言われると制作者が萎縮し、あれもこれもやめようとなって良い番組が消えてしまう。制作者が萎縮する傾向になるほうが恐い。
  • ネットは個人の書き手に全責任が委ねられ、読む方もそれを前提にするメディアだから、ウソがあるからテレビがそれを叩くという企画自体がおかしいのではないか。
  • 背後にウェブ世界の信頼性という大きな問題を抱えている。放送と通信の一律管理のような、テレビ番組だけで云々できない局面に本質があるのではないか。

以上のような意見交換の結果、ブログの捏造が否定されるべき手法であることは間違いなく、その限りにおいては当該局に反省を求めたいが、細かい部分の見せ方の問題であり、それによって誰かが被害を被ったわけではない。必要以上に捏造と騒ぐと制作者が萎縮するという意見もあり、個別の事案としては取り上げないが、バラエティー論の一環として他の事案と共に改めて検討することにした。

特定の金融機関が破綻しかねないと誤解を与えたニュース情報番組

この事案の経緯は次の通りである。 ローカル局の夕方に放送されているニュース情報番組内の、金融ジャーナリストが担当しているコーナーで、ある金融機関の経営状況について解説をした。その際、断定はしていないものの、当該金融機関が「このままでは債務超過に陥り破綻しかねない」という趣旨のコメントがあり、関係者から抗議が寄せられた。コメンテーターがリードするコーナーであるが、当該局の裏打ち取材がされないまま金融機関の破綻の恐れという重大なコメントが放送された制作のあり方に問題がある。ただ、当該局は、視聴者に不安を与え、取り付け騒ぎが起きるおそれなどを考慮して、速やかにその金融機関と対応を協議した。翌朝、当該局は金融機関が開店する以前に3回、さらに当該番組内でもお詫び放送を行った。

<主な委員の意見>

  • 丁寧にお詫びしたのは良いが、金融が国際化している視点に立てば翌朝ではなく、その日のうちにお詫びすべきではなかったのか。
  • 著名人やタレント依存という制作者の姿勢がまん延している。
  • 言論表現の自由があっても、出演者は例えば誹謗中傷やわいせつコメントはしないという倫理観をある程度もっているが、それ以外のところになるとかなりタガが外れている。
  • コメンテーターは誤解のないように言葉には気をつけるべきだが、この件で内容的に全く根拠のないことを言ったわけではないと思う。そのことを考慮しないとおかしなことになる。
  • デリケートな問題を乱暴に扱ってしまったということだが、番組としてはコメンテーターに丸投げしているような作り方をしているので、問題が起こる可能性は常に持っているのではないか。
  • コメンテーターが複数いると、会話のなかでまぎれたり修正されることもあるが、ひとりの場合はミスに気がつきにくいし、局の意見だと思われてしまうなど全然違う意味合いを持ってしまうおそれがある。

生放送におけるコメンテーター発言と放送責任についてはどの放送局でも起こりうる問題で、特にこの事案は対応を間違えると社会問題化する危険をはらんでいたが、視聴者に対して速やかに対応し、再発防止に向けて業務改善策を講じ、既に番組審議会への詳細な報告も行われているので、当委員会としては取り上げないこととした。

制作スタッフにやらせのインタビューをしたバラエティー番組

ローカル局のバラエティー番組で、出演タレントが街頭ロケで女性の通行人の年齢当てをする。その通行人にはスポンサーが提供する景品が贈られるコーナー企画。ところがインタビューされたのは制作スタッフの女性であった。再放送時に、インタビューされた人の名前と制作スタッフの名前が同じであることに視聴者が気づき、やらせが発覚した。当該局は記者発表をし、社内に調査委員会を立ち上げ、番組を打ち切るなどの処置を取った。

<主な委員の意見>

  • 当該局の対応は過剰反応ではないか。調査委員会を立ち上げてどのようなことが報告されるのだろうか。
  • ローカル局にとって1社提供スポンサーが大切なのはわかるが、視聴者対策よりもスポンサー対策が優先しているのではないか。それに倫理問題が利用されているようにもみえる。
  • インタビュー相手がいないならば、「今日はスタッフに聞きました」で済む話ではないのか。
  • 欧米ではやらせにならなくても日本はちょっと神経質なぐらい厳格にやらせにしてしまう。そこまで目くじら立てて取り上げる気はない。
  • やらせとか捏造という倫理を問うキーワードが便利なものとして流通していて、テレビたたきの便利な道具に使われている。
  • 放送局の営業や代理店は、その番組が買い切りのスポンサーになった瞬間に番組全体がCMであるかのような錯覚を持つようになることがある。その錯覚が問題だ。
  • 通行人にインタビューするくらいのことに手抜きをするべきでない。現場の一人一人が横着であり、その横着さと安直さがまん延しているのが許せない。
  • このようなリアクションでは、局は何も良くならない。視聴者のほうを向いていないし、これでは自らの制作活動への自省がないから、今後、も起きてくるのではないか。

以上のような意見交換の結果、単純なヤラセではあるが、ロケ現場の選び方から人名スーパーの出し方まであまりにも稚拙であり、悪意すら感じられない。当該局は過剰とも思われる対応をしているが、番組制作の基礎を踏まえて、横着せずに制作してほしいというのが委員会の希望である。単体の番組としては取り上げないが、バラエティー論を議論するときの材料に加えることにした。

最後に、事務局から、最近の視聴者意見の概要報告、3月26日に開催されるBPO年次報告会の案内があった。

以上