2007年5月に視聴者から寄せられた意見

2007年5月に視聴者から寄せられた意見

多くは洋菓子メーカーに係わる番組の捏造・虚偽疑惑や司会者批判で、放送局(司会者)の責任を問う、処分を求める意見とあわせ、多かった。また、愛知立てこもり事件における取材・報道のあり方についての批判が目立った。

2007年5月に電話・ファクシミリ・郵便やBPOのHP経由で「BPO視聴者応対窓口」へ寄せられた意見は1,448件で、4月との比較では222件の減少となった。

意見のアクセス方法の割合は、Eメール64%、電話31%、ファクシミリ3%、郵送ほか2%である。(*Eメール数には同一人の多数意見を含む)

男女別では、男性75%、女性23%、不明2%で、世代別にみると30歳代(28%)、20歳代(17%)、40歳代(15%)、50歳代(14%)、60歳以上(10%)、10歳代が(6%)の順となっている。

2007年5月に視聴者から寄せられた意見 1,448件

BPOに寄せられた意見内訳

意見分類 2007年5月件数 年度累計
人権等に関する意見 11 件 40 件
放送と青少年に関する意見 178 件 [ 意見内容 ] 338 件
放送番組全般にわたる意見 576 件 [ 意見内容 ] 1,275 件
BPOに関する意見・問い合わせ 109 件 294 件
その他(放送関連以外) 574 件 1,194 件
意見件数 計 1,448 件 3,127 件

視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局が特定したものは当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。5月の通知数は211件(21放送局)であった。

意見概要

人権等に関する苦情

5月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

人権関連の苦情[11件]

  • 人権に関する審理・斡旋の要請・・・・・・・ 6件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・ 5件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

番組全般にわたる意見

5月の放送番組全般(人権、青少年を含む)の意見総数(1,448件)のうち【情報ワイド番組・バラエティー番組】に関する意見が圧倒的に多く、述べ件数では1,535件と、意見総数を超えている。これは同一意見に複数の指摘項目が含まれているためであるが、中でも意見総数の87%にあたる1,253件が”不適切な内容や発言・表現、不適格な出演者”、次いで”取材・報道のあり方”(336件:同23%)、”モラル・倫理観の欠如”(188件:同13%)、”低俗・下品”(94件:同6%)の順となっている。

その多くは洋菓子メーカーに係わる特定番組の捏造・虚偽疑惑や司会者批判で、”放送局(司会者)の責任を問う、処分を求める”意見とあわせ197件と続いている。

また、愛知立てこもり事件における”取材・報道のあり方”についての批判(77件)が目立ったほか、霊能・占いなどの非科学的番組や出演者の言動への批判が続いている。

なお、「人権等権利に関する委員会(放送人権委員会)」への相談・意見(12件)とは別に、番組(放送倫理検証委員会に改組)・青少年各委員会に寄せられた意見の中で「人権問題や差別にあたる表現ではないか」との提起や懸念は4月の145件から215件に急増した。

【放送局の対応・姿勢】に関する苦情・抗議は250件と前月より増えている。これは個別番組の視聴者応対に関する苦情がほとんどである。
【CM関係】「不適切な表現・内容」との指摘を中心に73件の意見があった。

青少年に関する意見

5月にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送と青少年に関するものは178件と先月より9件減った。アクセス方法ではEメールによるものが84%、男女別では男性からのものが71%と相変わらず多い。
年代別では、今月も10代からの意見が最も多く28%を占め、次いで30代、20代の順になっている。
内容別では福島県と愛知県で起きた事件に関する報道のあり方について、青少年委員会にも多くの意見が寄せられた。また、バラエティー番組の罰ゲームやドッキリ企画等に対して、いじめを助長するという意見が15件あった。

番組全般

【特記事項】(「取材・報道のあり方」「局の姿勢」などから抜粋)

  • 放送、とりわけ報道に関わっている方々はメディアリテラシーということについてどう思っているのか。今日も会津若松の事件が延々と報道されている。こんな放送ばかりでは、また類似事件が起きる可能性があるし、他にも重大事件や世界での出来事なども起きているのに、一斉にこのような報道ばかりでよいのか。関西のテレビ局の捏造問題をはじめ在京キー局の捏造・虚偽疑惑が続く状態だというのに、テレビ局に反省や自浄作用はないのではないか。これでは総務省の規制強化も認めざるを得ない。海外のテレビニュースなどを比較検討して考えてみてください。このような報道でいいのか。放送関係者には真剣に考えていただきたい。
  • 今回の愛知立てこもり事件では多くのテレビ局がライブ中継を行っていました。映像には事件解決のために身を挺して活動する警察官の行動も確認できます。当然ながら犯人がテレビを視聴していた場合、それらの情報は筒抜けとなったでしょう。直接の因果関係は今後の検証に任せることとしますが、現時点で、救助活動を行った警察官一名が殉職されています。無思慮に映像を垂れ流すことが報道の自由と言えるのでしょうか?報道関係者が報道の自由と分別ある行動とを履き違えることがないようにと、彼らに強く意見を寄せたいと思います。
  • 洋菓子メーカー報道のねつ造は、証言者の発言の裏付けも取らないまま垂れ流され、司会者がうのみにしてさらに洋菓子メーカーの口撃が激しく行われた。その後謝罪したが社長の発言とともに、司会者の謝罪が何であったのかあきれるばかりである。過去、何度となくこの局は偏向・ねつ造・やらせ・印象操作等の前歴を持ついわくつきの放送局である。再発防止策など講じる意図もなく、再発を繰り返す自浄能力なき企業である。このような放送局の存在は許してはならないにもかかわらず総務省は座視してきた。そして、BPOにしても所詮は同業者の相互補助機関に過ぎない。自浄能力を期待するほうが間違っている。関西のテレビ局の捏造問題も結局はキー局には及ばずトカゲのしっぽ切りに終わった。この局は一番組に留まらず体質に問題があるのであって、いくら司会者をやり玉にあげても所詮は一芸人の処分や番組スタッフの処分で幕ということになるだろう。だから、総務省による管理強化を期待するしかない。自由を謳歌する前に、責任と義務を果たさなければならないことを思い知るべし。
  • なぜ、国民生活に影響を及ぼす不祥事や問題を起こしても放送局は倒産しないのか? 何故、免許停止はないのですか? 零細企業にはある。最近の低俗な番組は表現の自由か? パチンコ、サラ金のCM、これも自由か? 放送法に守られた業界は幸せですね。

【取材・報道のあり方】

  • 愛知の女性を人質にした元組員の立てこもり事件の報道で各局は、負傷した警官を救出するために行動するSAT隊員たちをヘリコプターのカメラで放送していたが、これではSATの動きの一部始終を犯人に教えているようなものじゃないか。報道の自由の名の下に、警察を愚弄し犯罪者を利するような映像を流すことが許されるのか。私は、SATの若者が銃弾を受けて死亡したのはテレビの責任だと思う。
  • 立てこもり事件報道で各放送局は警察官が撃たれ倒れている映像をライブ映像として流し続けているのはどういうことか。警察官が撃たれているのだから警察は犯人への対処(反撃)や警察官の早期救出も可能だったかもしれないのに、ずっとマスコミが張り付いていたらそれができない。その結果、数時間の放置。マスコミは警察官が死ねばいいと思っているんですか? 怒りで体が震えます。慎重な対応が必要な神経戦の状況下でヘリを何台も飛ばす無神経さ!いい加減にしてください。
  • 長崎市長銃撃事件といい、愛知立てこもり事件といい、マスコミ、特にテレビ局の異常な取材合戦が酷すぎる。SPの警護の回りでの取材振りや、救急車内をズームアップした血まみれの被害者を見たくはない。チャンネルを回せば四六時中気を張って室内を監視している警察官の姿をただ映すばかりの映像が流されているのは、見ているこちらがカメラを邪魔だと思うほどだ。しかも亡くなったSATのご家族の所にまで報道陣が押し寄せているではないか。私はまだ20代だが、事件報道の過熱取材の自重という課題はもう十余年も前から出ているように記憶しているが、直るどころか悪化しているのではと思うほどだ。テレビマンである以前に、人間としてやって良い事と悪い事を視聴者から言われなければ分からないのか。
  • 長久手町立てこもり発砲事件報道で、事件解決後に登場した警視庁や検事のOBである評論家の発言内容に憤りを感じた。確かに容疑者捕捉までに時間を要し殉職者を出したことについては今後の課題がないとはいえないが、「仲間である巡査を放置して何を考えているのか」とか「県警がどうしようもない。ひどすぎる」など、種々の状況、事情も入手できていない段階で、肩書きを利用して言いたい放題という印象だけが残り、醜ささえ感じた。OBである以上、テレビで一方的に批判するのではなく、冷静な問題提起や評論をしていただきたい。
  • 先日の愛知長久手での立てこもり事件の際、各マスコミが路上喫煙の挙句、吸殻を放置した。長時間の取材でタバコを吸いたくなるのはわかるが、道路で火を消し吸殻を捨てていくのはいかがなものか?こういったTV局が喫煙マナーを云々してもまったく説得力がないし、もし消し方が不十分で火事になったらどうするつもりか?罰則として注意や減俸ではなく、清掃活動などわかる形で願いたい。
  • 会津若松母親殺害事件について、各局が競うように首切りの状況などを詳細に報道したため吐き気や不眠といった症状が起きた。最近の事件・事故の取材は度が過ぎているのではないかと感じる。この事件についても、そこまで詳しく報道する必要があるのかと疑問。こうした残虐的ニュースなどは、表現や伝え方をもっと考えて放送してもらいたい。
  • 会津若松市の母親殺害事件の報道についてのお願い。一部雑誌の報道で容疑者の少年が「発達障害」を持っていると報じられたが発達障害の当事者や関係者へ誤解や偏見など悪い影響が及ばないようにするため、以下の点に留意願いたい。?発達障害が犯罪を引き起こす社会問題であるかのような伝え方は絶対にやめてください。?適切な支援や理解があれば発達障害を持つ人が犯罪を起こすことはあり得ないことをきちんと伝えてください。?専門家にコメントをもらう場合は、日本自閉症協会推薦の専門家など、本当に発達障害に詳しい方をお願いします。?発達障害の特性はまだ一般の人達にはあまり理解されていないので、番組内で障害の特性を解説する際には詳しく、わかりやすく、正確にお願いします。?発達障害は決して「欠陥」ではなく、「違い」であり、それを理解すれば世の中にとって非常に役に立つ人々であることを伝えてください。
  • 某局の憲法特集で、憲法改正問題について「これまで声を上げていなかった若者達」の一例としてある女子大生が紹介されていたが、この女子大生は政治的な団体の主要メンバーの一人として継続的に活動を行っている。以前から新聞やテレビ等のマスコミが、ごく一部の人間や政治団体の意見しか採り上げないことを不満に思っていた。多くの国民は人間関係や仕事上のしがらみや生活のために、声を上げたくても上げられないのが現実だ。今回の場合は政治的団体の一員をあたかも普通の一国民のように扱ったのは悪質で一種の捏造だと思う。先日、この局は事実に基づかない放送を行ったとして厳重注意を受けたが、全く反省していないことがこの件でわかった。
  • 今回のジェットコースター事故の報道はあまりにも被害者の人権を侵している。被害者の過去の部活動の写真や趣味等、プライベートなことなどに時間を割いて報道する必要はない。被害者の遺族の立場を配慮すべきだ。放送倫理が欠如しており見るに耐えないし不謹慎にも程がある。メディアは昔から被害者の人権を侵害し、逆に加害者の人権を必要以上に重視している。改善を求める。
  • 山陽自動車道でマイクロバスが大型トラックに追突され1名が死亡し20名が重軽傷を負った事故について、メインキャスターがデータも示さずに、事故の10%が起きている多発地帯であり道路の安全管理に問題があるような発言をしていた。しかし、逮捕された運転手は広島県警高速隊の調べに対し「煙草を取ろうとして、前を良く見ていなかった」と供述している。報道番組にも関わらず何故このような印象操作をするような伝え方をするのか。事実を伝える事が先決であり報道機関としての倫理観を問われるものである。
  • 飲酒運転で警察に追われて事故を起こした暴走トラックのニュースで、運転手の母親にインタビューをしていた。年老いた母親を無理やり引きずり出したような印象で、その困惑した様子が見るに忍びなく怒りを覚えた。強引で極めて不適切な取材だ。母親に事故の責任はないではないか。
  • 犯罪者は顔や名前が伏せられる場合があるが、被害者は顔も名前もしっかり出されている。犯罪者の人権は考慮しても被害者の人権は考慮する必要がないということか。犯罪者の顔と名前は必ず出し、被害者は性別と年齢だけにするよう強く希望する。ちなみに少年犯罪においても犯罪者の公開をするべき。インターネット上には出ている。つまり、「人の口に戸は立てられない」という事だ。
  • 「与党のハンドルを握れるか」との企画で、日曜日朝の討論番組の司会者が公明党代表に一方的な要求を突きつけていた。今年夏の参議院選挙で「憲法改正は争点にしない事を安倍総理に伝えてくれ」「憲法改正論者は支援しない」と政党の代表に執拗に迫り、最後に代表は「分かりました」と答えていたが、これは討論ではなく司会者の立場を利用した報道の横暴である。夕方のニュースでは代表のコメントだけを放送し、あたかも太田代表の自主発言であるかのような印象を与えていた。報道の基本である公平・公正な報道を行うべきである。
  • 参院選を控えて自民党の候補者だけ番組に出演させていたがこれは公正・公平を定めた放送法違反ではないか。この問題をテレビ局の視聴者センターに電話したら、この問題を正面から受け止めるのではなく、私を馬鹿にしきった対応で関係の無い私の家族構成まで探り出す始末。愚劣としかいいようがない。センターのオペレーターも言論機関の一翼を担っているのだからそうした自覚を持って欲しい。
  • 24日、ベビーカーがJRの電車に挟まれたまま発車してしまった事件に私は遭遇しました。その時私が思っていたことは「あのお母さんはどのぐらい罰金を課されるのだろう」、「子供を連れていながら駆け込み乗車なんてどうしたんだろう?」といったことでした。しかし、マスコミの報道を見ていると母親の問題点は指摘されないままに、電車が関知しなかったことばかりが問題視されていたことに私は疑問を感じました。

【不適切・低俗な表現や発言、モラルの低下、局の姿勢】

  • 前世や霊の憑依、霊界など、非常に真実性の疑わしい事柄を、真実であるかのごとく放送している。最近この番組の終わり際に【科学的に実証されたものではない】というテロップを流すようになったが、番組の内容を見れば前世などを肯定的に扱っているのは明らかだ。これは真実を放送する義務を定めた放送法(番組基準・放送倫理)に違反しているのではないか。例えば、番組に登場する自称霊能者が、霊視と称して芸能人の自室の様子などを当てることをしている。しかし、これは事前に調査をしていれば可能であり、それは霊視などではない。もしそうであれば事実の捏造である。捏造の疑いがある以上、放送倫理検証委員会による検証をお願いしたい。また、捏造の有無は別にしても、この番組は民放の放送基準に明らかに抵触しており、その点も検証していただきたい。このような超自然現象を扱う番組は、真実性の検証が難しいため、真実かどうか疑わしい番組が横行している。これではテレビ局が真実を報道する義務がないがしろになってしまい放送界の危機につながる。こういった番組に対するBPOの積極的な行動を期待したい。
  • 霊感商法に等しい番組が一向に改善されていない。先祖供養に関して、番組で時々「勉強会への参加の呼びかけ」や「鑑定会を30年続けている」等と紹介している。因みに勉強会への参加費は1万円、鑑定会の鑑定料は10分~20分で10万円、合計11万円にもなる。これらの内容は、民放連放送基準第8章「表現上の配慮」54条「占い、運勢判断およびこれに類するものは、断定したり、無理に信じさせたりするような・・・」「運命・運勢鑑定、霊感、霊能等を取り上げる場合は、これを肯定的に取り扱わない・・・」に抵触している。この問題についてBPOはどのような勧告を行うのか注目している。
  • 昼の健康情報番組で、かつて「『自然塩』なら20g摂っても大丈夫」と放送。その後(04年3月8日)「怖い糖尿病にならないために」では、米の摂取量の減少が糖尿病の原因であるかのように指摘し米飯の摂取の重要性を説いていたにもかかわらず、05年3月「冬の間に溜まった中性脂肪を上手に減らす方法」では「ご飯を控えたほうがよい」と矛盾したアドバイスをした等、「あるある~捏造問題」以上にひどい。こんなひどい放送しておいて、他の番組を批判し自分の番組の正当性を主張している。公平に処分すべきだ。
  • 深夜に「蜂蜜を子どもに薬を飲ます時に使用するといい」と放送していたが、蜂蜜は蜂が蜜を運んでくる過程で、ボツリヌス菌の芽胞が数%含まれ、これを乳児が摂取すると神経毒から神経麻痺、呼吸麻痺、最悪の場合は死亡となる。報告では11ヶ月の乳児での患例があり、2歳未満は念のため蜂蜜は禁忌と考えられている。放送を信じて視聴者が乳児に蜂蜜を与えた場合、死亡に至らしめる可能性があるため速やかに訂正放送と今後問題放送が起こらないような体制を明らかにすべき。
  • 我が子は劇症型食物アレルギー。朝のドラマでは食物アレルギーの子どもが宿泊中に誤食して親が訴えるトラブルがおきるという話だが、放送後、数人から電話があり「お宅もあんな酷い事するの怖いわね」など中傷を受けた。毎日の食事がロシアンルーレットの様な生活の中、何ヶ月も準備し多方面の方々の協力をえて修学旅行に送り出している。長年努力し療養してきた子どもにはこの中傷は不条理だ。視聴率の高い番組は影響力がある。偏見を生まない様にしてください。
  • お笑いコンビの番組で食べ物を粗末にするシーンを目にする。東京キー局の日曜日の深夜の番組ではパスタに歯磨き粉を混ぜて食するシーンや、以前放送された他局の番組での巨大焼きそばを大量に使用したお粗末な扱い等、放送に値するのか考えたことはあるか?食べ物がなく今日を生きることも難しい人のことを考えたことがあるのか?すでに大量消費の時代は終わりを告げている。自分たちさえよければいいのか?お金があれば何をしてもいいのか?今回の内容は気分が悪くなった。
  • 土曜日夜の特集企画番組で、冷凍マグロをボブスレーのコースで滑らすコーナーがあった。食材を粗末にする行為自体許される事ではないのに、公共の電波に流す事を了承する倫理観の無さが許されない。番組制作者に日本の道徳の低下を進めている責任の一端があると考えるのは私だけではないと思うのだが、低俗番組の排除が道徳観の向上に繋がると思う。番組制作のレベルアップをお願いする。
  • 以前、大食い番組を真似て中学生が死亡した時には在京テレビ局は制作・放送を自粛した。しかし、4月1日某局が3時間にわたって大食い番組の口火を切ってから、各局はニュース時間にはめ込んだりして放送するようになった。新聞の投書欄に女子高校生も指摘していたが、視聴率のために食物を粗末にすべきでない。飢餓に苦しむ国もあることを認識し、このような番組の企画を中止すべきである。各局に注意を喚起して貰いたい。
  • 番組の撮影中に関係者は雨上がりで危険なので撮影を中止させようとしたが、テレビ局側がそれを押し切って撮影を強行したために女性タレントが大怪我をしたというニュースを見た。こうした危険を冒してまで番組を制作する放送局に怒りを感じる。危険な行為を出演者に押し付けるテレビ局に対して、BPOは何らかの規制をすべきである。
  • クイズ番組の”プレゼンバラエティー”と称する企画で、お笑い芸人が全長3mの巨大サメが泳ぐ水槽に素潜りで入り何分で触ることが出来るかと挑戦。他の出演者は笑って見ていた。子供の頃から「サメやエイには絶対に触るな」と親から厳しく躾けられていたし、私自身も子供を躾けてきた。人命に関わるこのような行為は例え芸人であれ行わせるべきではない。出演者の人権を無視した企画で放送以前の問題である。放送直後から気になっていたが、今朝の「放送倫理検証委員会」設置のニュースを見て連絡した。
  • 世界中のミステリー現象を出演のタレントがテーマ毎に順番に真相を推理するという番組。推理に外れたタレントには頭上4~5メートルにつり下げた直径1m程の金ダライを頭に落下させる罰を与えるというもの。番組を見ながら金ダライの落下に非常に危険を感じた。罰の方法はどこのテレビ局でも行っているが、せいぜい1~2mの高さ。これを採用した番組プロデユ-サーの人の命を軽視する劣悪さを感じる。タレントに頭蓋骨骨折や内出血などの大事故が起きたらどう責任を取るつもりなのか。多分、笑いを取るための演出と思われるが逆効果である。この罰ゲームに危険を感じたのは私だけではなく全国の視聴者も感じたことだろう。2011年の地上デジタル化にむけて、番組の質の向上、危険な番組の排除など、BPOからの強い指導をお願いしたい。
  • 母親とその内縁の夫の暴力で2歳児が死亡したニュースを受けて、昨今話題を呼んでいる司会者は「児童相談所は訪問調査をしていながらなにやっているんだ」「児童相談所が同様のケースで児童を救済したことはない」…などと、その手落ちが原因で児童が死んだかのごとく児童相談所を激しく責めていた。今回に限らず、この番組=司会者の論調は徹底的な”弱いものいじめ”で、イジメ問題では学校や校長、教育委員会、いじめた子供を一方的に攻撃していた。まさに、報道の暴力の感がある。その挙句が”洋菓子メーカー捏造報道”だったではないか。客観的で冷静、公平・公正な報道を求める。
  • 法律に関する番組の前半で、ゲストが慈善活動をしていて司会者も援助したいというものだったが、意見は「誰のおかげで学校に行けると思っているんだ」とアジアの子供達をバカにした内容。それを受けて後半には、角界の親方と共に「大阪はアジア人が集まって、おばはんとおっさんが、たこ焼きを食いながら醜く笑っている」などと、大阪やアジア地域は劣っている趣旨の悪意に満ちた発言をした。しかし、私達はアジアの一員としてこれからも手を携わって行かなければいけないはず。こういう「アジアは下」というアジア蔑視の意見に辟易する。人種差別をわざわざ最後に編集し直して番組を作る番組の担当者は反省してもらいたい。
  • 夜8時台のクイズ番組での回答ぶりが余りにも非常識で程度が低いのに驚ろかされた。20代女性タレントが北海道を「国」と言ったり、魚編の字をすべて「さかな」と呼んだり・・・。こんなことが平然と放送されていることを考えると、いつのまにかそれが当たり前の「文化」になりかねない。度を越した非常識さが大手をふってまかり通る時代になり始めたのかも・・・。笑い事でなくなる。BPOとしてこうした傾向に強く警鐘を鳴らすことが出来ないのか。
  • いつもの事だが9時台の”本音トークバトル”と謳った番組でまた訳のわからない愚劣なコメンテーターのたわ言。人材派遣業を手配師よばわりして、業界イメージを著しく毀損する暴言であった。人材派遣は国から許可を得て行う合法的な事業である。コメンテーターの発言は、人材派遣があたかも違法か違法すれすれの怪しい稼業とでも言わんばかりだ。業界が直接間接に被る損害は計り知れない。番組上での謝罪と再発防止策を策定して公表すべきである。
  • 最近の日本の情報番組はお笑いタレントがキャスターをやるケースが増えてきた。欧米では、キャスターは見識を持った人がやっているのに、日本の場合は常識もない上にアナウンスの訓練もしていないようなタレントがやるのは違和感がある。
  • 公共放送では大阪の芸能プロダクション所属漫才師の出演を取りやめたとの報道があったが、大阪の民放ラジオ局はその芸人の出演は取りやめないと回答があった。暴力的な事件が相次ぐ中で、暴力団との交流が云々されている者をラジオに継続的に出演させるのは納得できないし憤りを感じる。このような場合、BPOから大阪の局に何らかの勧告をすべきではないか。
  • お笑いのトップとか言われているタレントが司会する番組に男性歌手がゲスト出演していたが、拳銃を”ちゃか”と言うなど、暴力団を美化するような内容の放送であった。長崎市長が射殺されるなど暴力団の事件が相次ぐ中で、暴力団や暴力行為を容認するような番組を放送すべきではない。
  • 4月からスタートした”生活密着型バラエティー”と称す番組では、「なぜあの店は潰れないのか」というタイトルで、帽子屋、自転車屋、ハンコ屋の3店が取り上げられた。この企画自体、余計なお世話であり、この3業種のほとんどが地道な生活をしている。そのような方を取り上げ「なぜ潰れないの?」と言う事自体失礼だ。逆に「なぜあの店は儲かっているの?」という内容で暴利をむさぼっているような業界や会社を取り上げるなら良いと思う。ハンコ屋の場面で、「黒水牛の原材料費が680円で売値が5500円」等という内容があった。おまけ程度に「特殊技術があるから仕方ないのか?」というコメントがあったが、全体的にハンコ屋がお客様を騙して暴利をむさぼっているような印象を一方的に与えるものだった。例えば、通訳の仕事は1時間4千円~1万円の時給であることは妥当だと思うが、はんこ職人も同じレベルの特殊技術と言えないか?印鑑ひとつ仕上げるのに5~6時間かかる場合もある。その印鑑の価格がどれくらいになるか想像がつくだろう。放送当日、番組の制作デスクに電話をして誤解を招く内容だったことを謝罪するように要求したが応じられないとのこと。実態を説明すると現状を知り言葉に詰まっているようだった。このような浅はかな企画と視聴者への対応は問題ではないか?
  • 日曜夕方の情報番組に宮崎県知事が出演していたが、司会者が芸人扱いをして髪の毛や結婚の話題で知事を馬鹿にしていた。宮崎県民が正当な選挙で選出した知事に対し、非常に礼を欠き選挙民をも含めて馬鹿にした言動が目立った。なぜこんな低俗な司会者に宮崎県知事が馬鹿にされなければいけないのか憤りを感じた。こんなにも知性や見識のない司会者ではあったとは思わなかった。なぜ他のスタッフもたしなめなかったのか疑問に感じた。これが東京都知事であったなら同じ扱いをしていたのか、明かに差別だ。県の振興のために活動する知事の対応に付け込んで、従来の芸人相手と見下したような企画が、局の低いモラルを感じさせる。同局のHPには分かりやすい苦情受付サイトがない。これ自体が企業倫理に対して真摯に向き合う姿が見えない重大な問題と感じられる。放送局ってそんなに偉いのか?
  • 都内の区が管理している公園で許可なくドラマ等の撮影が行われている。公園の使用については掲示板に利用禁止事項が表示されているが、掲示板を無視し公園の横にエンジンを掛けたままロケバスを止め、公園を占有して撮影している。ドラマの制作会社を調べて区役所に確認したが撮影の許可は与えていないとの事だった。
  • 番組中で”おかま”の役を演じた云々と言ったりして、”おかま”と言うことばを多発した。職業にしている人もいるので一概に言えないが、”おかま”は差別用語ではないか。アメリカなどでは同性愛者の自殺が多いなど、社会的問題になっている。テレビは面白おかしいかどうかの視点でしか物事を取り上げないが、公共放送までも”おかま”の問題を昼の番組で興味本位で取り上げるべきではない。取り上げる必要がある場合には、”ゲイ”という表現にすべきである。

【その他、番組全般】

  • 当日放送予定であったドラマの第7回は先日、愛知で発生した拉致監禁立てこもり事件を想起させる場面があったということで、他の回の放送に差し替えられた。放送時及びホームページにも説明があり、放送局自体が同事件を十分認知し自主規制(編成)をしたことを評価する。BPOに放送倫理検証委員会が出来たことの効果か?
  • “多重債務を取り上げた岩手の弁護士からの報告”という企画の中に”やらせ”としか思えないシーンがあった。それは、過払い金をサラ金業者に回収してもらった多重債務者が弁護士事務所で現金1200万円を受け取り、バッグに入れて持ち帰る場面。自分は法律関係の仕事をしているが、このような大金を弁護士が現金で渡すなどありえない。振込みが常識だ。番組撮影の為に通常ありえないことをやらせたとしか思えない。またこのシーンで”計算書”が画面に示されず、1200万円についての説明が明らかでなかった。このような場合、弁護士報酬は3割。かなりの高額になる。多重債務者の救済という立派な使命というより、弁護士たちは金儲け・ビジネスのためにやっているのではないか…そんな印象を視聴者に与えぬよう意図的に”計算書”を画面に出さなかったのだと思う。また、このシーンは次のような意味で2次被害(犯罪)の発生につながりかねないという点でも問題だ。?弁護士事務所にはいつも大金が置いてある、と視聴者に誤解させた。?過払い金を取り戻してもらった人は多額の現金を手に弁護士事務所から出てくる、と思わせた。とにかくこのシーンは通常はありえないこと(大金の手渡しと持ち帰り)を番組のためにやらせたもので、放送倫理に反する行為だ。BPOとしてはビデオを取り寄せて”検証”すべきだ。
  • 局アナの名を冠した大阪の民放局の情報ワイド番組のコメンテーターが「ネットカフェ難民が500万いる」と発言した。これは何か根拠のある数字なのかを局に問い合わせると「コメンテーターの発言には責任を持てない。直接番組にファックスで問い合わせてください」と言われて、現在問い合わせ中である。このように「コメンテーターの発言については放送局に責任がない」という考えだと、コメンテーターは全くの虚偽でも自由に発言できることになり、それを放送局が黙認しているということになる。これは公共の電波を使用しているものの責任として看過できない事態ではないかと思う。
  • 高野連の特待生問題について、ワイドショーなどでのキャスターやコメンテーターの論調のほとんどが「特待生の処遇を受けた親や子供からその処遇を外すのはかわいそう」と言っている。自分は奨学金を受けて返済したが、その経験から言うと本当に苦学してでも野球をしたいのであれば道はある筈。高野連の決まりは決まりとして守るべきだ。親も子も特待生の恩恵に預るようなことは止めるべきだ。また、新聞社のCMで地球温暖化をテーマに北極・南極の氷が解けて島が沈むようなシーンを描いているが、科学的にはそんなことはない。氷が溶けても水の量は増えない。
  • 放送局から制作プロダクションに降りてくる制作費が安いことが捏造等の問題を引き起こしていると思う。一昔に比べると番組制作費は半分以下になっているのが現状。今の制作費だとプロダクションでは優秀な人材を確保できず番組の質の低下につながってしまうということを放送局が認識していただければと思う。制作費を正常に戻すことが全ての解決につながるとさえ思う。

【CM】

  • 放射性物質の廃棄物処理について、地下数百メートルに埋めればあたかも安全のごときCMを放送した。CMを放送した会社に電話をしたが、調査中というばかりではかばかしい回答は得られない。放射性廃棄物は、地下に埋める等ではなく違う方法で処理すべきである。
  • 番組とCMの音量差をなくすように改善を願う。高齢者や子どもがテレビを見る場合、聴力に合わせて音量を調整して見ていても、CMになるといきなり音量が上がり非常に耳障りだ。この現象で周囲の人に迷惑をかける事にもなる。CMの音量が高いとの理由でCMになるとチャンネルを替える事もある。外人タレントが放送中に「日本のテレビはCMになるとウルサイ」とコメントしているのも見た。ぜひ改善願いたい。
  • 生命保険会社各社、英会話学校、大手家電量販店、これらに共通するのは不祥事を起こしたにもかかわらず、企業のCMの自粛があまりにも遅すぎること。最近になり一部企業では一定の期間自粛をするなどしているが、保険給付金に関するお詫び等を行ったのは1社のみ。また家電量販店においては問題発覚後も店舗オープンのCMを流していた。やはり利益を最優先する姿勢の表れなのか。

青少年に関する意見

【報道・情報に関する意見】

  • 会津若松市で殺害した母親の頭部を持って自首した高校生が殺人容疑で逮捕された事件の報道が、中継などを含め”やじうま”的に伝えられている。教育関係者にも大きなショックを与え、少年が通っていた高校では他の生徒への心理的な影響に配慮し、午前中に帰宅させている。また、県教育委員会も心理カウンセラーを派遣し、生徒だけではなく保護者のケアも行うと伝える一方で、何故このような事件を繰り返し報道するのか。現在のような報道姿勢は事件の抑止効果に繋がるとは思えない。最小限の報道に止めるよう配慮すべきである。
  • 会津若松頭部切断事件についてだが、全体的な殺人認知件数や少年による殺人の検挙人数共に減少傾向なので、センセーショナルな報道ではなく分別のある報道をお願いしたい。神戸須磨児童連続殺傷事件が起きた1997年は少年による殺人事件が極めて少ない年だったが、翌年の1998年は平成に入ってから最も少年による殺人事件の多い年となっている。過剰な報道の影響は否定できないのではないか。
  • 報道番組。会津若松母親殺害事件の報道で、学校にカウンセラーが配属されたと伝えていた。しかし、犯罪が青少年の心に重大な影響を与えることを伝える一方で、容疑者の生徒と同じ学校の生徒に取材をしていた。自分たちの取材が青少年の心に犯罪をよりいっそう強く想起させ、重大なトラウマを作っていることがわかっていないのだろうか?どうかマスコミによる、犯罪が起きた場所での未成年に対する取材をやめさせるようにお願いします。
  • 報道番組。福島県会津若松の母親殺害事件報道で、街頭での高校生へのインタビューの際、インタビューアーが「親を殺したいと思ったことがありますか」という言葉を吐いた。高校生は思っていなくても意識させることになり、マイクの暴力である。それも全国放送であり、インタビューアーの意識は幼稚である。局は報道の基本教育をしているのかと云いたい。背景には局の商業主義が優先していると思う。
  • 近頃の報道は、ニュースの度を越えた内容ばかりだ。何か事件が起こると異常なまでの脚色で、見ていて非常に不愉快。再現ドラマや事件現場に残った血の跡の映像などは必要ない。詳しく放送することにより、真似をする人も出てくるだろう。ニュースは淡々と伝えるべき。
  • 情報番組。会津の少年による母親殺人事件について、コメンテーターを中心として、「連合赤軍の過激派だった人の方が、今のインターネット世代よりも社会性があった。」という主旨の発言があり、「最近の若い者」への批判が巻き起こった。「総括」と称する内ゲバリンチ事件や、あさま山荘事件を起こした連合赤軍よりも、インターネットを利用する若者の方を危険視する発言の真意を疑う。また、アメリカでは否定されているコロンバイン事件へのロック歌手の影響を、少年が同じ歌手のDVDを見ていたというだけで蒸し返している。番組もコメンテーター陣も不勉強ではないのか?
  • 報道番組。福島県会津若松市で県立高校3年生の17歳の男子生徒が母親を殺害し、切断した首を持って自首した事件を放送していた。キャスターがスクープ的に「中学生の時から兆しがあったらしい」として、少年の部屋に”手のブロンズ像””首から上のブロンズ像”が残されていたと映像を交えて伝えていたが、ブロンズ創作は中学生の美術部で普通に行われている授業である。自宅にも息子が中学時代に創作したブロンズ像が大切に保管してある。この報道により心理的な影響を受けた青少年も多いのではないかと心配している。
  • 立てこもり事件報道は、何故犯人に警察の張りこんでいる車の位置や警察の場所を教えるのか。特に「突撃する機をうかがっている」や「隙をつけば解決できる」等と報道するマスコミは自らが一番捜査の邪魔をしていることに何故気がつかないのか。生中継で犯人に周りの状況を事細かに伝える事は、犯罪者の幇助もいいところだ。警察が発砲できなかったのも、発砲するところを報道されると後々犯罪者の人権が云々言われるからではないか。マスコミの所為で尊いSAT隊員の命は奪われたと言っても過言ではないように思える。マスコミはこういうところにも気を配りながら報道すべきではないか。
  • ある報道特集。おそらく北朝鮮の映像かと思われる。13歳の少年が拷問されている映像がゴールデンウィーク中の昼間に延々と流れていた。テレビの右上方部には【拷問、公開処刑】というテロップがその映像の間中ずっと出ていた。テレビはスイッチを入れると誰でも簡単に見られるメディア媒体。いくら北朝鮮の内情を伝えようという熱意があったとしても、このような残酷な映像を垂れ流しにしていいはずがない。子どもへの影響も考えてほしい。
  • 情報番組。国内男女ゴルフツアー史上最年少優勝者、石川遼君の個人情報を放送していた。生中継を交えながら、石川君が自宅から通学(杉並学院高校)に利用している駅に「何時何分頃現れるか」「通学経路」「立ち寄る場所」「定期代」等、ストーカー行為に利用されかねない情報だった。局に意見を伝えたが「学校が公表されているので問題ない」と返答された。しかし、学校側に確認したところ、校外の出来事に関しては責任を負えないので、記者会見で「取材は全て学校を通し、個別での取材は止めてくださいと伝えている」と困惑していた。報道機関としての認識が欠如している。

【低俗、モラルに反する】

  • ラジオ番組。放送時間が移動になってから一段と性的表現がひどくなった。放送局では放送基準を設置しているが完璧に違反しているのではないか。
  • バラエティー番組。”恐怖の水害映像ワースト3”には唖然とした。水害に遭った人の恐怖の顔の映像や、この題材をネタに笑うゲストたち。若者たちは共感して虐めをよりおもしろおかしく加速させることだろう。ゲストたちの人格、放送局の方針とはこういうものなのか。そういう意味では世の中の悪の根元は、マスコミとバラエティー番組だ。番組スポンサーは知っているのか。
  • バラエティー番組。寝ている人の顔を土足で踏みつけ”基本的な行為”として笑いのネタにしていた。イジメの中で”基本的な行為”として顔を踏みつけるような学生が現れてからでは遅いと思うし、そういった際に放送局がなんらかの謝罪をするとは思えない。他にも一方的に人をなじる企画や、人の大事にしているものを壊して笑いを取るなど、非人道的な内容を多く放送している。深夜枠とはいえ、0時前後であれば中学生も見ている可能性も高く影響度は計り知れないと思う。
  • 最近の”クイズバラエティー”と呼ばれる番組で、一般常識以前の知識さえも答えられない出演者が多過ぎる。こんな事では「勉強なんかしなくても生きて行ける」と子ども達に言われても反論できない。見ない・見せない裁量権が視聴者にあるとはいえ、余りに酷過ぎる。出演者も恥ずかしいと思っていない映像を見ていると、政府がいくら「教育再生」と声高に叫んでも馬耳東風と問題視されなくなるのではと危惧する。放送局でも教育問題を放送しているが、まず自分達を教育しろ!

【いじめを助長する】

  • バラエティー番組。たまたま見てみると、まだ子どもが見ている時間帯だというのに性的な印象が強く子どもに悪影響を与え、イジメを助長するような内容で非常に不愉快になった。深夜に放送するなら許せるが、とても信じられない。一刻も早く番組を終わらせてもらいたい。
  • バラエティー番組。新メンバー加入に伴い従来からのメンバー1人が番組を降板するというようなどっきり、騙しの企画だった。新メンバーと従来メンバーとの対立を煽り、インターネット掲示板へ実際に悪口を書き込んだり、本人の承諾なしに化粧前の顔を投稿したり、企画とはいえ明らかにやりすぎで、これで笑いを取る企画が悪趣味。多くの青少年が何も感じ取らずに笑って観ていると思うと空恐ろしいものがある。
  • バラエティー番組。回答者の頭にたらいを落とす罰ゲームがあったが、単に視聴者の笑いをとるためであり、あまりにも低俗すぎる。制作者のモラルはどうなっているのか。万が一、いじめとして行われたらどう責任をとるのか。子供は善悪の判断なしに楽しいこととしてしまう。反省だけでは済まされない。

【放送局の姿勢、責任を問う】

  • 特待生制度が問題なのは高校野球を学校宣伝に利用する私立高校が存在するからである。高校野球が私立高校の宣伝となることを知りつつ放送しているNHKの放送姿勢が問題。他の高校総体や高校スポーツと違い、野球偏重、高校野球偏重が見られる。他の高校総体では決勝戦ぐらいしか放送していないにもかかわらず、高校野球は地方大会の決勝を放送、本戦の甲子園での大会では連日生中継している。この体制は異常としか思えない。他の高校総体同様に高校野球大会も決勝戦のみ放送するようにすべき。私立高校の宣伝となるような放送は公共放送にそぐわない。
  • 最近、週刊誌などで報じられた未成年による喫煙が原因で人気アイドルグループのメンバーだった女性歌手が解雇、芸能界を去ったが、その逆に以前、女性アナウンサー同伴で飲酒騒動を引き起こした未成年タレント2人が研修生扱いという謹慎期間を経て間もなく復帰するニュースに耳を疑った。他でも覚醒剤、強制わいせつ、女性マネージャーに対する暴行、飲酒運転など刑事訴追を受けなかったケースも含め、タレント・俳優による事件がここ数年発生しているにも関わらず、社会に与える影響の大小に関係なく処分に一貫性がないと感じる視聴者は多いはず。しかも、伝えているアナウンサーも前記と後記は全く正反対のコメントをしているのにも呆れた。両方とも未成年による不祥事だ。中立・公平にコメントすべきではないのか。
  • 最近報道番組が減っている気がする。ニュースかと思うとグルメや○○王子などの話題で、もっと放送すべきニュースがあるはずだ。戦争や重大事件を風化させているのは、放送界だと思う。どの局もグルメやお笑いばかりで子どもが見て為になる番組がない。政治家や官僚の不祥事なども放送界全体が監視していないから起きるのではないか?

【CM・番組宣伝に関する意見】

  • 年齢制限の付いた映画のCMをテレビで流していいのか?来月公開予定のR-15指定の映画が、午後5時台に放送された。そういう年齢制限付きの映画のCMは、青少年に悪影響を与えて、とても不愉快になる。そういうCMも、消費者金融並みに規制するべきだと思う。
  • カードローンのCMを頻繁に目にするようになった。この日は午前7時台に2回流れた。どういうことなのか?消費者金融CMは去年の4月から、午後5時から午後10時、午前7時から午前9時まで、自粛時間を延長したにも関わらず規制していない。カードローンの実質年率は消費者金融と同じ。カードローンのCMも諸費者金融と同様に規制してほしい。見ていてとても不愉快になる。
  • 清涼飲料水のCM。学校の教室で突然女子生徒が制服を脱ぎ上半身水着のような姿になり踊りだす。明るくくだけたCMなのだろうが猥らで品がなさ過ぎる。女性が肌を露出させているCMは他にもあるが、これは女性の美しさを見せているのではなく単に性的関心をそそるように仕向けているようにしか見えない。

【非科学的なことに関する意見】

  • 情報番組。出演者たちが血液型で性格を決めつけて納得するというコーナーを放送していた。数ヶ月前にも似たようなコーナーを放送し苦情が出ていた。血液型性格診断は科学的な根拠がない上、差別等の社会問題を引き起こすため、このような番組は数年前に規制したはずだが、未だに放送している事は(しかも子どもたちも見ている時間帯)問題だと思う。
  • バラエティー番組。”マイナスイオン”を未だに取り扱っていることにとても驚いた。【世界一の癒しの場所を探す】と題して、落差が世界最大級の滝のマイナスイオン濃度を測定しに行くという内容だった。男性タレントが崖の上から2メートルほど降りた所でマイナスイオン測定器で濃度を測定。十分な結果が得られなかったため今度はプロのクライマーが崖から数十メートル程降りて測定。果たして命がけでとりに行くだけのデータだったのか?マイナスイオンの効果に科学的根拠がないのは言うまでもないし、そのような科学用語自体存在しない。子どもたちに誤った科学的認識を与える可能性がある。

【スポーツに関する意見】

  • 情報番組。Jリーグの試合結果やプレー内容は流さず、ミスプレーや暴動の映像を探してきて放送している、悪意に満ちた内容である。最近では”今週のバックパス”というコーナーにまでして放送している。Jリーグの放映権を持っているテレビ局なのか?特定のスポーツ、サッカーを貶めるような放送は青少年に対して悪影響であり、サッカーというスポーツの名誉を著しく傷付けるものである。

【差別や偏見を助長する】

  • 街頭アンケートは偏見が多い。例えば、中高生対象なら渋谷のギャルで、大学生の場合には東大の学生しか尋ねない。サラリーマンは新橋、高齢の婦人の場合は巣鴨とありきたりすぎる。中高生は渋谷で、大学生は東大生がすべてなのか?それで日本国民の意見が取れるものなのか?地方に行けば意見は様々でもっと多様化していいのではないだろうか。東京だけではなく地方の意見も取り入れるべきだ。

【食べ物の扱いについて】

  • ドラマ番組。ほほえましいホームアニメを実写版にしたドラマだが、この日の企画はいただけない。ギャルが大食いに挑戦していたけど、世界には食べられなくて死んでしまう人もいるのに、どうして未だにテレビ局はこのようなことを企画するのだろうか。大食いなど特技でもなんでもない。人間が生命維持や健全な社会活動をするのに必要な量を遙かに超えた量をむさぼり食うのは、ましてやそれをおもしろ企画として公共の電波を使って放送するなど人倫にもとる行為だ。

【演出・表現に関する意見】

  • ラジオ番組。ニュースにユーモアを交えて紹介する番組だ。今回の放送で松岡農林水産大臣の自殺のニュースを紹介していたが、BGMとしてZARDの曲が多数使用されていた。ZARDの坂井泉水さんが亡くなった原因はまだ事故・自殺の両面で調べを進めている状態。仮に自殺だとしても松岡農林水産大臣の自殺の理由とはまったく異なると推測できる。これらの理由から今回のニュースでZARDの曲を使用したこと、このような演出方法に不快と憤りを感じた。また訃報のニュースを紹介しているにも関わらずパーソナリティーが何度も笑う場面があり、怒りを感じた。当ラジオ番組は10代のリスナーが多く青少年にも悪影響だと思う。

【動物の扱いについて】

  • バラエティー番組。「人食い鮫でわさびはおろせるか」というテーマは、あまりにもくだらない。そのためにわざわざ外国に行って鮫をハンティングする。サメはどうなったのか?解放したのか?殺したのか?ただ、わさびをおろすためだけなら、動物をいじめているようにしか思えない。高校生の息子は「人食い鮫は殺していい」と言うが、”人食い鮫”などとは人間中心の言い方だ。しかもその鮫が人を食べたわけではない。鮫肌でわさびをおろす器具もあるのに、わざわざこんな企画は必要ではないと思う。「”生命”を大切に」といっている中、子どもたちが見る番組でこのように命を軽々しく扱う企画はやめて欲しいと思う。

【その他】

  • バラエティー番組。この番組の司会は以前から特定ジャンルのタレントの不祥事を集中的に取り上げる傾向があり、番組内容も公平性を欠く構成が気になっていた。特に先日放送分は、精神的に未熟な未成年タレントへの人格攻撃が長く続き、視聴していて強い不快感を覚えた。正当な評論の域におさまるのか疑問が残る。また、当該タレントは妊娠中で精神的なショックを与えかねない内容だった。制作者や出演者が放送の公共性を理解しているのか疑わざるを得ない。
  • ドラマ番組。神戸連続幼児殺傷事件を題材にしたドラマが放映予定で、すでに広告が流れている。学生ズボンと白ワイシャツの高校生がジャックナイフを持って学友を襲う場面だ。あの事件から10年たつが、会津若松母親殺人事件から日が浅いのに、今、なぜ、この時期に、この時間帯に放送しなければならないのか。番組広告も記憶がフラッシュバックのように甦る手法だ。テーマは被害者家族の苦悩だと思うが、今回の放送について強く疑問を持つ。

第1回 放送倫理検証委員会

第1回 – 2007年5月

「委員会運営と定例委員会決定」

報告事項の検討 …など

「委員会運営と定例委員会決定」

委員会運営では、事務局から運営規則、調査のスキームなどについて説明し、委員会の「審議」「審理」の区別と、それぞれの取り上げる番組の範囲についても議論した。「審理」対象は「虚偽の疑いのある番組が放送されたことにより、視聴者に著しい誤解を与えた疑いがあると委員会が判断した番組」に限定されていることを確認。一方審理対象としないものについても、「係争中のもの」「政治的公正・公平」「宗教」「歴史観」「放送されていないもの」などについて検討した。また、取り扱う番組の放送時期については、原則は委員会発足後放送された番組とするが、放送人権委員会(人権委員会)が放送後1年以内としていることから、同じ基準に合わせる方がよいとの考えが出された。こうした議論は、今後も続けて、ある程度まとまった段階で委員会の内規とする予定。

委員会の内容をどこまでどのように公開するか、議事録を作るか作らないかについても話し合った。委員会での審議内容や、決定の過程を見てもらうためにも、プライバシーの問題を除いて、なるべく公表すべきだとの意見もあった。そして、議事録にもいろいろなレベルがあるので、今後議論して行くこととし、とりあえず、議事録の要約を作成して委員に配付し、合意を得てからHP等で公表するなどしてはどうかとの意見で一致した。

定例委員会の開催日時を調整し、毎月、第二金曜日の午後5時からとすることを決めた。

報告事項の検討

放送上問題になった案件、視聴者からの要請など4件について、当該放送局からの報告を中心に事務局が報告し検討した。

  • 国会答弁を編集して「全く逆の答弁」という表現で放送した番組について、政党が抗議し、局側がその後、当該番組内で訂正とお詫びをおこなった件。
  • 鮎漁解禁のニュースで、同じ日に観光PR用CMの為に撮った養殖鮎を取り付けた再現映像を、知らないまま報道で使ってしまい、後日、番組内でお詫びをした件。
  • 視聴者から特定宗教の教義は邪義であると手紙で訴えてきた件。

以上について、委員会は審理入りする案件ではないことを決めた。ただし、訂正の仕方について、どうあるべきか審議の場で議論したいテーマだとの意見が出た。

TBS『みのもんたの朝ズバッ!』不二家報道について

この件は、不二家の社外委員会の元委員長2人が、私人の立場で放送倫理検証委員会に「調査、審理を申し立てた」と、記者会見して発表し、報道されたため、公知の事実となった。しかし、委員会は、申し立ては受けないことになっており、双方の紛争を解決するための機関でもないため、あくまで「虚偽の疑いのある放送によって、視聴者に著しい誤解を与えた疑い」があったかどうかを審理する必要の有無について、双方の資料と放送ビデオを基に検討した。委員の主な発言は以下の通り。

  • 「この問題について、既に不二家は、TBSの謝罪を受け入れている。そういう状況があるのに、あえてなお視聴者に誤解を与えているとして取り上げる必要があるのか」
  • 「テレビを通して放送したものが虚偽かどうか、あるいはテレビを通して謝罪をしたかどうか、あくまでもテレビの画面上に出たもので判断すべきで、これは解決済みだ」
  • 「一連の放送を見ると、あまりにも全体としてひどすぎる」
  • 「事実関係の伝え方が甘いとか、司会者の論拠が乏しい高圧的な決めつけは、問題としてあるが、一般的に今のテレビにはこういう問題があるという中の一事例として議論するならともかく、本件を真正面から取り上げることはどうか」
  • 「紛争が解決しているかどうかと、虚偽の内容があるかどうかは別の問題だ」
  • 「放送でのお詫びや訂正は何をどう謝っているのか視聴者は理解出来ない。この委員会はお詫びしているから審理しなくていいのだとすると、視聴者に説明責任が果たせるのか疑問を感じる」
  • 「非常に慎重に、相当きちっとした、社会に分かり易い結論を出して、審理に入るか入らないかを決めるべきで、短時間の議論では無理ではないか」
  • 「どっちにしても、相当明快な理由付けをしなければならない」
  • 「いろいろ疑問点があるので、プレ(事前)審理のようなものをした方がよい」

審理入りするかどうかについてもう一度議論したいという意見が多く、臨時の委員会を開くか検討したが、この問題は緊急性はそれほどないこと、次回定例が2週先の6月8日であることから、それまでに、TBSに対して疑問点をいくつか追加質問して回答をもらい、委員に回覧して、次回委員会で審理入りするかどうかの結論を出すことにした。

記者会見

審議終了後、放送倫理検証委員会のスタートにあたり、委員全員が記者会見し、抱負や放送法改定反対についてそれぞれの考えを述べた。この中で川端委員長は「表現の自由が民主社会を守る上で一番重要だ。もちろん表現の自由といっても、特に放送の場合は電波という公共の資源を使うということで、放送する側が自ら律していかなければならない事柄があると思う。それを国家権力、行政の側が放送法や電波法の規定を手段として介入してくるということは決して好ましいことではないので、われわれのような委員会が自ら律していただくためのお手伝いをしたい」と述べた。

以上

第79回 放送と青少年に関する委員会

第79回 – 2007年5月

フジテレビ『はねるのトびら』に関する回答を基に審議

中学生モニターについて …など

フジテレビ『はねるのトびら』に関する回答を基に審議

『はねるのトびら』のシリコンゴム巻きについては、前回委員会で審議し、フジテレビに対し下記の文書で回答を求め、今委員会では同社からの回答を基に審議した。

〔フジテレビへの回答のお願い〕

2007年4月27日

  • 子どもが模倣する可能性、また、模倣した場合の危険性についての配慮はあったのか。
  • 危険予告や模倣禁止のテロップ(「危ないので、真似をしてはいけません」など)が入っていないのは何故か。
  • 同パフォーマンスは、今後も採用される予定があるか。

なお、貴局の番組審議会で審議予定がある、あるいは、すでに審議した場合は、その旨もご記載ください。

〔フジテレビからの回答〕

2007年5月11日

4月27日付け「視聴者からの意見に対する回答のお願い」に対して以下の通り、回答申し上げます。

今回のパフォーマンスは年少者の視聴割合が高い当番組の放送時間帯(毎週水曜日19:57~20:54)を考えた場合、非常に配慮に欠けた内容であったと申し訳なく思っております。

今回のパフォーマンスにおいては企画立案の段階から安全性に特に注意し、撮影に使用する道具(シリコンゴム)を厳選した上、スタッフによるパフォーマンスのシミュレーションを徹底的に行ない安全面を確認し実施致しました。使用した道具による安全性は確保されていたとはいうものの、その道具が一般の方にはなじみが薄く代替品によって年少者が模倣する可能性については配慮に欠けていたと思っております。更に代替品による模倣の可能性の意識が希薄であった為、その危険性に対する注意喚起のテロップなども欠落したことは大変申し訳なく思っております。

今後は番組が視聴者、特に年少者に与える影響力を最大限考慮し、同パフォーマンスを実施する場合には再度安全面に留意し、放送上の注意喚起を徹底させ、よりよい番組作りに邁進する所存です。

また、ご質問にありました当社の番組審議会での状況ですが、現時点では当該放送内容に関しての審議履歴も審議予定もございません。

各委員の意見は次のとおり。

  • 配慮に欠けていたことを謝罪している点は認めるが、シリコンゴムの安全性を確認しただけで、ほかのもので子どもが真似することについて意識が行かなかったということには驚きを感じた。
  • 安全面に留意しながら今後もシリコンゴムのパフォーマンスを続けると受け取れるが、身体を痛めつけるような行為についてはもっといろいろな角度から社内で検証してほしい。
  • 注意喚起のテロップを入れれば問題がなかったように受け取れるところが気になるが、危険性については委員会の指摘を受け入れているので回答のお願いを求めた意味はあったのではないか。
  • 自社の番組審議会での審議予定はないとあるが、このパフォーマンスについて回答要請したことをあまり問題視してないのではないか。もっと社内で検討することが望ましい。
  • 視聴者意見を基に青少年委員会で審議し、その番組に問題があると指摘された場合は、当該局はその事実を自社の番組審議会に知らせてほしい。委員会としても”審議会に知らせてください”ということをお願いしていいのではないか。

以上の審議を踏まえて、フジテレビに対して、「シリコンゴム巻きを含め、同番組で行われている身体を痛めつける罰ゲーム的な行為について、今後の制作にあたっては危険性などをもう一度吟味してほしい」また、「今回の『はねるのトびら』に関する経緯を自社の番組審議会において報告することを希望する」旨の文書を出すことを決めた。なお、今月は中学生モニターからも『はねるのトびら』について、「見ていて元気が出てくる」など良い点も挙げながらも、「”ひどすぎる””かわいそう”と思える罰がたくさんある」といったレポートが寄せられており、参考として文書に加えることとなった。

〔委員会終了後、フジテレビ『はねるのトびら』に対する文書について、さらに検討した結果、より議論を深める点があるとの結論に達し、次回委員会で再度議論することになった。〕

次に、視聴者意見の審議では、「バラエティー番組の中で、若手芸人に対し性器を見せろと強要していた」とか「ラジオの深夜放送での性的表現がひどい」といった性に関するモラルの低下についての視聴者意見に対し、委員からは次のような意見が述べられた。

  • あまり過剰な反応をするのはいかがなものかと思うが、全体的にテレビ・ラジオとも性に対するモラルが低下しているのは問題だと思う。
  • ラジオの深夜放送はアナーキーなメディアで、また生放送なので放送基準すれすれでやっていることもある。テレビと同じに論じるのは無理があると思う。
  • 性に対する品性は確かに低下している。これがいいとは思わないが、あまり神経質に過剰反応して世の中すべてが性に対してクリーンになることには疑問を感じる。

また、同じく性のモラルについて、「幼児の全裸が出てくる映像や小学生くらいの少女を男性が抱き上げるシーンで下着が見えたりすることについて、今、保育園では、1歳の子どもを扱う時は同性の保育士がやるなど気を使っている。幼児に対して性的興味を持たせる映像は流すべきではない」という視聴者意見に対し、委員からは「この意見は少し過剰な反応ではないか。今は男性の保育士もいるので、女性の保育士しか小さな女の子を扱うことができなくなってしまう」という発言があり、これに対し「テレビでは、かわいいからと小さな子どもの裸や女児の下着が見えることも放送しているが、日本は子どもの性についてまだまだ鈍感ではないかと感じる。今は学校内での教師による猥せつ事件や幼児への性的虐待について社会的意識が高まっているので、現状を認識して番組を作ってほしい」といった意見が出された。

なお、前回委員会から検討することとなった「委員会が問題視している番組の提供スポンサーの責任」について、「”企業のコンプライアンスとして、低俗番組のスポンサーとなることに疑問を感じる”といった視聴者意見が寄せられていて、改めてスポンサーの責任について検討する必要を感じた」との委員からの発言があり、今後の取り組みとして「スポンサーの責任を認識してもらうために、広告担当者ではなく経営のトップの方と青少年委員会が懇談する場を設けてはどうか」という提案が出され、検討することとした。

中学生モニターについて

今月は全国の中学生モニター30人から43件(1人で複数件の報告あり)の意見が寄せられた。今回は地域放送の番組についての報告もあった。

内容は、今月はドラマについてが一番多く16件、バラエティーが15件、アニメ番組4件、情報・討論番組とニュースと映画が各2件、音楽番組とドキュメンタリーが各1件だった。

局別ではフジテレビと日本テレビが14件ずつ、NHK5件、テレビ朝日3件、テレビ東京とTBSが2件ずつ、朝日放送・東海テレビ・テレビ愛媛が各1件だった。

  • ジャンル別で件数が一番多かったドラマでは、『バンビーノ!』に4件、『ライアーゲーム』に3件意見が寄せられた。『バンビーノ!』は意見が賛否に分かれた。好評は「半人前(自分では一人前だと思っている)の見習いシェフの成長物語で、ストーリーの展開が早く、料理シーンも臨場感あふれていた」というものだった。先輩が主人公をいためつける暴力についても、「暴力=イジメではなく暴力シーンを全て排除すると現実からかけ離れたものになってしまう」という肯定的な内容だった。批判は「話の展開を難しくならない程度にもう少し複雑にしてみると単調にならず見ることができると思いました。また登場人物が前に出すぎる感じもある気がしました」という内容だった。
    『ライアーゲーム』は好評で、「面白いです!最高です!若い人のことを良く考えてつくってるな…と思います」、「僕が今まで見た番組中では上位の方です。騙しあいの後のトリックの説明がとても分かりやすかったです」などという意見が寄せられた。ただ漫画が原作である点については「先が読めてしまうし、原作が好きな人にとっては受け入れがたいと思います。やるとしたらもっと回数を増やして欲しいです」という要望があった。
    2件ずつ意見があったのは『セクシーボイスアンドロボ』『プロポーズ大作戦』『喰いタン2』で概ね好評だった。
    『生徒諸君!』へは、「自分と同年代の中学生の話なので、興味を持って見始めたが、あまりに悲惨な内容で3話見たところで見るのをやめてしまった」という感想が1件寄せられた。
  • バラエティーでは『はねるのトびら』に2件意見があったほかは1件ずつだった。『はねるのトびら』への意見は2件とも賛否両論が併記されたもので、良い点は「”短縮言葉”や”ほぼ100円ショップ”などコーナーの内容がおもしろく、見ていて元気が出てくる所です」など。悪い点は「芸人さんに対しての罰や食べ物の扱い方です。見ていて”ひどすぎるだろう”とか”かわいそう”と思える罰がたくさんあります。その人をケガさせるような行為があり、そういう面ではショックです」などというものだった。
    好評だった番組は『世界の果てまでイッテQ』、『20年大河バラエティー!超近現代史!さんま&所が解明!?』『学校へ行こうMAX』『ぴーかんテレビ』(東海テレビ)などだった。
    批判意見としては、『週刊オリラジ経済白書』に「知っても何の得にもならないようなことばかりして、そのために莫大なお金がかかっています」、『いきなり!黄金伝説』に「大食いはやたら大きなメニューを何分で食べるとかいうもので見ていてしんどくなります。お店の人はどう思っているのかなあとか。食べたくても食べられない国も多く、日本でもそんな人がいるし、もっと考えてほしいと思った」などが寄せられた。
  • アニメ番組では、『のだめカンタービレ』『おねがいマイメロディーすっきり』には1件ずつ好評意見が、『名探偵コナン』には先月と同様「テレビの前で見ている私たちも一緒に推理していけたらいいなと思います」という要望が、『ケロロ軍曹』にも「オタクの人にしかわからないネタが多めだったので、どんな人が見てもよくわかるものにしたほうがいいと思います。またエロチックなシーンも多く、家族が見ているので、できる限りそういうシーンはやめたほうがいいと思います」という要望が寄せられた。
  • その他の分野では、『ニュースZERO』『その時歴史が動いた』『ダーウィンが来た!生き物新伝説』『海猿』『尾崎 豊 15年目のアイラブユー』に好評意見が寄せられた

青少年委員会での、委員の発言は以下のとおり。

  • 『はねるのトびら』の2件の意見は、番組を楽しんでるにもかかわらず、罰ゲームのやり方に疑問を持っている。これが中学生の平均的な意見だと思う。制作者側に罰ゲームについて考慮してほしい。
  • ドラマの『バンビーノ!』や『喰いタン2』でスパゲッティーを食べるとき音を出しているという指摘があった。確かにテーブルマナーや文化の違いなどをテレビで学ぶのは大切なので、細かいところまで気を使う必要がある。
  • ドラマの原作が漫画ばかりという指摘が今月もあった。オリジナル脚本のドラマがもっと作れないものか。
  • 中学生の意見には子どもならではの感覚や好みが投影されており、大人が気付かない指摘も多々ある。中学生モニター報告は当該番組制作局に送付しているが、制作者側になかなか伝わらないのが残念だ。中学生の意見には子どもならではの感覚や好みが投影されており、大人が気付かない指摘も多々ある。中学生モニター報告は当該番組制作局に送付しているが、制作者側になかなか伝わらないのが残念だ。

調査・研究活動について

橋元委員から「小中学生はテレビをどう見ているか?―36人インタビュー調査」について、事前アンケートと日記式生活行動調査のまとめに入り、報告書の章立てを考える段階になっている、との報告があった。

第123回 放送と人権等権利に関する委員会

第123回 – 2007年5月

「ラ・テ欄表記等に対する訴え」事案のヒアリングと審理

「エステ店医師法違反事件報道」事案の審理…など

「ラ・テ欄表記等に対する訴え」事案のヒアリングと審理

北海道在住のルーマニア人でセラピストの女性から苦情申立てがあった事案は、4月委員会から実質的な審理に入ったが、5月の委員会ではヒアリングを行い、申立人と被申立人・テレビ朝日の双方から直接主張を聞いた。

申立人は、「2月にテレビ朝日のバラエティー番組に一家で出演したが、新聞のラ・テ欄に<バツイチ子連れ美女の・・・>等の表現で家庭の事情が書かれた。放送内容が当初説明を受けた企画意図と違っていた」と苦情を訴えた。これに対し、テレビ朝日は、「前夫との離婚について放送で紹介することは、申立人は事前に了承していた。大自然の中で生活する家族を描くという番組企画は一貫して変わっていない」などと反論した。

ヒアリングの後、さらに審理を行った結果、起草委員会で委員会決定の草案をまとめ、それを基に次回委員会でさらに審理を続けることになった。

「エステ店医師法違反事件報道」事案の審理

本件事案は、東京都町田市のエステ店経営者が「医師法違反で送検されたニュースの中で、極悪人の如く報道されて人格が否定され、プライバシーも侵害された」と訴えているもので、これに対し、被申立人・日本テレビは「報道内容は、公益を図るものであり、事実を誤まりなく伝えている」と反論している。

本件事案について放送人権委員会は、前回の委員会でのヒアリングを受けて、5月7日に起草委員会を開き、委員会決定の草案作成に当たった。

5月の委員会では、この起草委員会での検討作業が報告され、「委員会決定」の原案取りまとめに向けて意見が交わされた。

その結果、「決定」案の細部の文言等について更に検討・修正を図ることになり、6月委員会で最終的な審理を行うことを決めた。

「広島ドッグパーク関連報道」事案の審理

本件事案は、06年12月、大阪の動物愛護団体の代表が、朝日放送に対して苦情を申し立てたもので、申立人は「11月から12月にかけて放送された報道番組『ムーヴ!』において犬たちを救済する我々の活動が、一方的な偏見報道及び憶測報道によって、あたかも募金目当てであるかのように放送され、名誉を毀損された」と訴えている。

これに対し被申立人・朝日放送は「動物愛護団体の募金と活動実態が整合しているのかを検証する報道であり、関係者の人権、プライバシーには十分に配慮している」と主張している。

放送人権委員会は2月の委員会で審理入りを決定した後、3回にわたって実質的な審理を行ってきた。特に5月の委員会では、コメンテーターの発言内容や取材のあり方等、多岐にわたるそれぞれの論点を整理し審理を行った。

その結果、6月の委員会では、申立人、被申立人双方を個別に招いてヒアリングを行い、それぞれの主張を直接聞くことにした。

更に、このヒアリングを受けて6月29日に起草委員会を開き、委員会決定の草案作成に向けて作業を進めることにした。

審理要請案件

「誤表記で人権侵害の訴え」

2月に北朝鮮を訪れた都内の男性から「平壌観光をした際に撮影した映像をキー局に提供したところ、それが<平壌の最新映像>として放送されたが、自分の会話部分に”記者”と誤って字幕表示された。これによって報道関係者との疑惑を持たれ、その後の訪朝が許されなくなるという被害を被った。これは人権侵害・名誉毀損であり、局には謝罪と訂正等を要求しているが、誠意ある回答がないので放送人権委員会に審理を要請したい」との苦情申立てがあった。当該局に問い合わせると「慰謝料を請求されており、話し合いは進んでいない」という。

5月の委員会でこの申立ての取り扱いを協議したところ、「放送人権委員会が法に基づいた強制調査権を持たない自主的苦情処理機関であることに鑑み、金銭要求を伴う案件については本委員会で審理すべきものとは認められない。(現行運営規則には明記されていないが、7月施行の改正運営規則には明記)」ということで委員全員の意見が一致、<審理対象外>と決定した旨を苦情申立人に文書で通知することになった。

4月の苦情概要

4月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

◆人権関連の苦情[12件]

  • 斡旋・審理に関連する苦情(特定個人または直接の関係人からの人権関連の苦情)・・・10件
  • 人権一般の苦情(人権関連だが、関係人ではない一般視聴者からの苦情)・・・2件

その他

村井専務理事より、放送倫理検証委員会の発足に伴い、NHK、民放連から体制強化のため委員・スタッフの人員増を含む予算の増額が認められたこと等の報告があった。

次回委員会は、6月19日(火)に、「広島ドッグパーク関連報道」事案のヒアリングを審理に先立って行うことを決め、閉会した。

以上