第97回 放送と青少年に関する委員会

第97回 – 2009年1月

バラエティーについて意見交換

視聴者意見について …など

1月27日に開催した今年度第9回青少年委員会(通算97回)では、日本テレビの番組制作者とバラエティー番組について意見交換を行ったほか、12月4日~1月14日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見を基に、バラエティー3本、情報番組1本のVTRを視聴のうえ審議した。また、調査研究について報告があった。

議事の詳細

日時
2009年1月27日(火)午後4時15分~6時45分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
大日向委員長、橋元副委員長、小田桐委員、軍司委員、是永委員、境委員、山田委員

バラエティー番組について意見交換

委員会では、昨年9月からバラエティー番組について視聴者意見を基に審議し、個別番組については「回答のお願い」を出すなど議論を重ねてきたが、バラエティー番組への理解を深めるため、直接番組制作者と意見を交換する機会を持つことを決め、今委員会では日本テレビのバラエティー番組担当のチーフプロデューサーとコンプライアンス担当者が出席し、バラエティー番組をめぐり意見交換を行った。  委員からは、”笑いの質の低下”や”罰ゲーム”についてのほか、視聴者意見の社内対応について質問が出され、局側からは「クオリティーの高いバラエティーづくりを心がけている」「出演者のじゃれあいを楽しんでもらっている番組で、視聴者の支持は得ていると思っているが、”罰ゲーム”などにはより一層慎重になることを現場には徹底させている」などの発言があった。また、視聴者意見の対応については、「苦情意見などは幹部も含め社内で共有し、意見交換している。問題があったものについては、事例を作成し配付している」と説明があった。
最後に委員長から「テレビは文化を牽引していく役目もあるので、制作者はプライドと自負を込めて番組をつくってほしい」と意見が述べられた。
なお、委員会ではバラエティー番組について、さらに議論を深めるため次回委員会にTBS、フジテレビの番組制作者を招き、意見交換の場を設けることを決めた。

視聴者意見について

1.日本テレビ『AKBINGO!』

アイドルグループが出演する深夜のバラエティー番組について、「深夜時間なので少しは性的な映像もあるとは思うが、小学生にコスプレをさせ、大人がそれを見て、興奮するとご褒美に食事券を与えるというのは不快だった」といった意見が視聴者から寄せられ、VTRを視聴のうえ審議した。委員からは次のような意見が出された。

<委員の主な意見>

  • コスプレの衣装はそれほど問題とは思えなかったが、深夜の番組に11歳の少女を出すことが望ましいのか疑問だ。以前、委員会が出した「要望」を見直してほしい。
  • 11歳の子どもにやらせる演出ではなく、見ていて不快に感じた。テレビ文化の質が下がってしまうことが残念だ。
  • ほかのメンバーの年齢は出さず、あえて”11歳”とテロップを出すところが問題だ。幼い少女に興味を示す人を刺激するのではないか。
  • 11歳の少女を出演させることについて、スタッフも含め社内で検討すべきではなかったか。

以上の審議の結果、幼い少女を番組に出すことについては、2006年10月に公表した「少女を性的対象視する番組に関する要望」を改めて制作者は再確認してほしい旨を議事録にとどめることになった。

2.フジテレビ『とくダネ!』

フィギュアスケート・グランプリファイナルで優勝した浅田真央選手を取り上げた情報番組について、視聴者から「番組の取り上げ方が、18歳の未成年選手を貶めている」「浅田選手に憧れている青少年を傷つけた」といった抗議の意見が多数寄せられ、VTRを視聴のうえ審議した結果、委員から「採点を分析しながら結局は浅田選手を応援していると感じた。ただ、採点についての解説の間違いは問題で、熱烈なファンにとって気になったのだろう」「浅田選手を貶めているといった意見は、視聴者の過剰反応ではないか」などの意見が述べられ、委員会として「特に問題があるとは思えない」という意見で一致した。

3.千葉・東金女児死体遺棄事件の取材・報道について

千葉・東金女児死体遺棄事件報道で、容疑者男性への取材について、「21歳とはいえ知的障害を持っているので、精神的には青少年と考えるべきだ」という視聴者意見が寄せられた。委員会で検討した結果、委員から「知的障害者の場合、判断能力が未熟なため、ある意味子どもと同じような扱いが必要と思われるので、取材などの時に後見人などの同意を得ず取材することは、親の同意を得ず子どもに取材することと等しい行為になるのではないか」という意見が出され、「知的障害者への取材に関しては、成人であっても慎重に行うべきだ」と、議事録にとどめることにした。

調査研究について

橋元副委員長から調査研究の進捗状況について、「16歳から24歳までの若者を対象に実施した『テレビ番組視聴に関する実態調査』アンケートの分析に取り掛かっている。また、同アンケートを補完するかたちで、3月にグループインタビューを行い、映像メディア(DVR、VOD、ワンセグ)別に10代、20代のユーザー各5人ずつの6グループに対し、対象メディアにおける映像コンテンツ、メディア利用状況、情報に対する意識などについて聞く」との報告があった。

■ 中学生モニター報告

1月は、年末・年始の特集番組について書いてもらったが、30人のモニターから43件(1人で複数件の報告あり)の意見が寄せられた。 分野別に分けると、バラエティー番組が18 件、音楽番組が10件、ドラマ番組が5件、情報系番組とスポーツ番組が3件ずつ、ドキュメンタリーと年末年始特集への全般的意見が2件ずつだった。局別では、NHKが12件、日本テレビ系が11件、フジテレビ系が7件、TBS系とテレビ朝日系が4件ずつ、テレビ東京系が3件だった。

・バラエティー番組

バラエティーでは『ガキの使いやあらへんで!!』の大晦日特番が断然多く7件で、あとの11番組は1件ずつだった。『ガキの使いやあらへんで!!』は賛否両論があった。2部の「笑ってはいけない新聞社24時」に好評意見が多く、「すごく面白くてこの一年の中で一番笑えて、気持ちの良い年越しが出来た」、「普段テレビで笑わせている側が笑わせられているというところが面白かった」、「いろんなシチュエーションがあるためバリエーションが豊富で、”今年はなにをするんだろう”という楽しみがある。定番が良い意味での定番なのだ」などだった。
批判意見は「第1部では、芸人がプロレスのような感じでいろいろなことをやっていたのですが、少しやりすぎる(過激な)所もあるのではないかなと私は思いました」、「コントに対して笑ってしまうとお尻をおもいっきり叩かれるという罰ゲームがあったが、回数が多すぎた。その罰ゲームをしている時間をもうちょっとコントに使ってほしかった」、「毎年見ていると、年を重ねるごとにつくりが大きくなっていて、そこでわざと笑わせているような姿勢が透けて見える。もう少し素朴で笑えるようなクオリティーの高さを求めたい」などだった。
バラエティー番組への好評意見としては他に「深夜に放送している『着信御礼!ケータイ大喜利』は他とは全く違い新しい要素が満載だと思う。投稿者がこの番組を作っているところが面白い」、「『M-1GP2008決勝戦』を毎年楽しみにしています。この番組はジャッジが公平で、ほめる時はほめ、辛口の時は辛口、という審査員が良いです」、などがあった。
また、『爆笑問題×安住紳一郎 平成ニッポン20年史!!』には、「平成に年号が変わってからの20年間を振り返るという番組でしたが、1年ごとの時間や内容がうすく、私が生まれる前の出来事や生まれて数年間のことはよく分からないので、もっと詳しく説明してくれれば良かったなと思いました」という批判意見が寄せられた。

・音楽番組

音楽番組では『NHK紅白歌合戦』に8件意見が寄せられたが、賛否が分かれた。好評意見は「今回はけっこう若い人が出てたので視聴率が上がったと思う。若い視聴者があまり見たいとおもわない演歌などを、若い人から人気のある歌手の間に入れることで、なんとなくチャンネルを変えずにそのままにしておくからそういう工夫はいいと思う」、「データ放送やネットを通して随時、舞台裏の様子を知ることができるようになっていたり、ただ音楽を生放送するだけでなく、飛行船から大晦日の各地の映像を放送したりなど、最後まで飽きる事がなかった」などで、批判意見は「同じアーティストの方が同じ曲でこの番組に繰り返し出演しているのが気になった」、「他局である民放に頼りすぎるのはどうかと思います。もっとNHKにしか出せない個性を創っていくべきだと思います」、「司会者はかわりばえしないからどうかと思う。いままで司会をやったことがないひとなどにやってほしいです」などだった。

・ドラマ番組

ドラマ番組では『コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 新春SP』に2件意見があった。「連続ドラマでやっていた時の話と続いている部分があったので、一番最初に、今までにあった内容を振り返っていたのは、良かった」、「別れは決して悲しいだけではないと感じさせてくれました。見てたら何故かわからないけど、心が熱くなって、涙があふれて止まりませんでした」などと概ね好評だった。
『寧々~おんな太閤記~』には、「配役もすごく良かったし、内容も良くて、かなり長時間の番組でしたが、あきることなく見ることができました。ただ語りがとてもかつぜつが悪く、何を言っているのか良く聞こえないところがあるのは残念でした」という意見が寄せられた。

・その他の番組

2件意見があった『第85回箱根駅伝』は、「箱根に出る選手たちは、各大学の誇りと仲間との絆をかけて毎日毎日一生懸命練習してきた人達ばかりで見ていてとても気持ち良いです」、「私は、この駅伝を見て新たな記録達成や喜びの瞬間を味わう事が出来て良かったです。この番組のおかげで、陸上・走る事にも興味がもてました」などと好評だったが、「トップの選手だけでなく順位が下の選手も映してほしいです」、「沿道にいる観客の中にどうでもいい事を書いた札を写そうとしたりする人がたくさんいて辟易したので、そういう人達を写さないようにカメラを工夫してほしいです」、という要望もあった。
『僕の日本を紹介します!』には、「この番組は、芸能人が教科書には載っていない日本の技、食に関する映像や物を持って海外に行き、子どもたちに日本を知ってもらうための授業を行うというものです。私は千原ジュニアさんの、日本のロボット技術を紹介するというものが一番よかったです。スペインの子供たちも感動しているようで、私もなんだか日本が誇らしかったです」という意見が寄せられた。

2月のモニター報告は、締め切りまでのひと月ほどの間に見た番組の感想・意見・批判などを自由に書いてもらう。

第143回 放送と人権等権利に関する委員会

第143回 – 2009年1月

「徳島・土地改良区横領事件報道」事案のヒアリング

「女性国際戦犯法廷 番組出演者の申立て」事案について ……など

全国土地改良事業団体連合会の会長、野中広務氏が名誉権の侵害等を訴えている「徳島・土地改良区横領事件報道」事案について、申立人、被申立人双方に対するヒアリングが行われた。

議事の詳細

日時
2009(平成21)年1月20日(火)午後3時~7時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
竹田委員長、堀野委員長代行、五代委員長代行、右崎委員、崔委員、武田委員、三宅委員、山田委員

「徳島・土地改良区横領事件報道」事案のヒアリング

徳島県で起きた土地改良区の横領事件を伝えたテレビ朝日「報道ステーション」の放送で、名誉・信用を毀損されたと全国土地改良事業団体連合会(全土連)の会長、野中広務氏が申し立てている事案の審理で、ヒアリングを実施した。

「申立書」で野中氏は「申立人が政治力で膨大かつ不要の事業を持ってきて、その投入された莫大な補助金が犯罪発生の原因となったかのような作為的な構成の報道内容」などとして訂正と謝罪の放送を求めている。これに対しテレビ朝日は、「報道内容に基本的な間違いはなく、放送により野中会長の名誉・信用を毀損したとまで言えるものではない」としている。

ヒアリングは野中氏、テレビ朝日双方に対して各1時間行われた。この中で野中氏は「横領されたのは、土地改良の補助金ではなく河川改修の土地代金だった。しかし、報道は私の映像をわざと出して、全土連が土地改良の予算獲得に努力した結果、横領事件が起きたかのように受け止められる内容だった。視聴者に分かるように名誉回復を図るため審理をお願いした。」と述べた。テレビ朝日側は「農業関連の公金の一部が横領されたという報道事実について、特段問題はなかったと認識している。政治と農業の関わりについても問題提起をしたかった。横領事件と野中会長個人を関連づけようとしたものではなく、野中会長の名誉・信用と肖像権を侵害したとは考えていない。」と述べた。

ヒアリングを受けて審理を続行し、放送によって申立人の社会的評価が低下したかどうか、補助金について十分な取材・報道がされたかどうかなどを中心に意見を出し合った。
次回の委員会も審理を続ける。

「女性国際戦犯法廷 番組出演者の申立て」事案について

2003年3月に決定が出された「女性国際戦犯法廷・番組出演者の申立て」事案について、2009年1月7日、被申立人NHKから申立人米山リサ氏にどう対応したかについての報告書が当委員会に提出された。 一方米山氏からは、裁判の過程において重要情報が提示されたとして、委員会でどのような対応をとられるのか考えを聞かせてほしい等の要望が書かれた書面が委員会に届き、委員会で意見交換した。

NHKは2008年6月、この番組についての訴訟が最高裁判決で終結したのを待って、同月、「委員会決定」で指摘された編集の行き過ぎ等について米山氏に謝罪したことなどを報告書で述べている。なお、NHKは、2003年8月に「委員会の決定に対する取り組み状況」の報告をしていたが、米山氏への対応は、裁判が継続中であることを理由に保留していた。

なお米山氏が、本申立ての審理の際、欠かせない重要情報が提示されていなかったとして、委員会に新たな対応をする考えがあるかと尋ねている点について協議したが、当委員会では、既に申立てに対する決定をした事案であり、現段階では、これ以上本件に関与しないとの結論に達した。

「広島県知事選裏金疑惑報道」事案の当該局からの報告

昨年12月3日に「委員会決定」の通知・公表が行われた「広島県知事選裏金疑惑報道」事案の当該局である中国放送(RCC)からその後の取り組みについて報告があった。
本事案の「委員会決定」は、当該局に対して決定を受けての改善や対応等を求めたものではないが、RCCからは1月15日付で「委員会決定後の取り組みについて」と題する以下の書面が寄せられた。
事務局より報告し、了承された。

平成21年1月15日

放送と人権等権利に関する委員会
委員長 竹田 稔 様

株式会社中国放送
執行役員総務局長 原森 勝成

「委員会決定」後の取り組みについて(報告)

この度、貴委員会から12月3日付け「委員会決定」通知を受け、当社では下記の取り組みを行いましたのでご報告いたします。

2008年12月3日(水)

  • BPOでの決定を受けて 夕方のテレビ番組「イブニング・ニュース広島」で決定内容についてニュース報道しました。
  • 東京で決定文書を受け取った報道センター長が、現地から報道センター社員全員に対し、「今後も県民の知る権利に応えるために、権力の監視を続け、公正、公平、正確に、そして放送倫理に即して、当社報道に関わるもの全員で報道にさらなる力を注いでいきましょう」(要旨)とのメールを送りました。
  • 報道センターのキャップ会議にてニュースデスクがニュースキャスターおよび記者クラブキャップに上記メール内容等を伝えて、今後も引き続き、人権に配慮しつつも政治に対する取材、特に調査報道に力を注ぐことを確認しました。

12月4日(木)

  • 当社部長以上が出席する幹部会(「一木会」)にてBPOの決定内容について報道センター長が報告。今後も取材にあたっては人権に配慮しつつ、報道機関として権力の監視を続けること等を報告。これに対し、社長から、これまで通りの報道姿勢を継続するよう激励を受けました。
  • 報道センターで働く社内外の全スタッフにBPOの決定の全文をメールに添付して送付し、今後の取材にあたっての糧にするように伝えました。

12月9日(火)

  • 放送倫理向上委員会(委員長 取締役テレビ局長)を開催。今回の決定を受け、ホームページ上での配信期間に問題はないのか、社員や番組のブログが人権に配慮した表現になっているかなど、さらなるチェック体制の必要性について議論しました。

12月11日(木)

  • 広報部長から全社員に一斉メールで放送人権委員会の委員会決定のアドレスを送り、全社員に閲覧を促しました。

以上

12月の苦情概要

12月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情・相談・批判の内訳は以下の通り。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・・2件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・・・・60件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

その他

  • 意見交換会[中部]のアンケート結果を報告
    昨年11月11日、名古屋で開催された放送人権委員会委員との意見交換会[中部]に関するアンケート結果について事務局から報告した。

    アンケートは、意見交換会に出席した52名全員を対象に行ったが、そのうち約6割に当たる31名から回答が寄せられた。

    主な内容としては、「掘り下げた内容の議論がなされ有意義であった」、あるいは「有益であった」との感想が23件、「毎年開催してもらいたい」「開催回数をもっと増やして欲しい」との積極的な意見が4件、また、「具体的なニュース映像等を利用すればさらに分かりやすかったのではないか」との意見も6件寄せられた。

  • 次回委員会は2月17日(火)に開かれることとなった。
  • BPO年次報告会が3月26日(木)に開かれることが決まり、事務局長から報告した。

以上

2008年12月に視聴者から寄せられた意見

2008年12月に視聴者から寄せられた意見

フィギュアスケートの中継放送や優勝した浅田真央選手への不当な評価や不適切な解説に意見が寄せられた。この他にも「国籍法の改正」に関した報道の少なさを指摘した意見や、世界的な経済危機に直面する中で政局中心の政治状況に対する政党批判、ならびに放送の果たす役割への不満が多かった。

2008年12月に電話・ファクシミリ・郵便やBPOのHP経由で「BPO視聴者応対窓口」へ寄せられた意見は1,343件で、11月と比較し342件増加した。意見のアクセス方法の割合は、Eメール70%、電話26%、ファクシミリ3%、郵送ほか1%。性別は男性66%、女性30%、不明4%で、世代別では30歳代31%、20歳代25%、40歳代21%、60歳代8%、50歳代6%、10歳代2% の順となっている。

2008年12月に視聴者から寄せられた意見 1,343件

BPOに寄せられた意見内訳

意見分類 2008年12月件数 年度累計
人権等に関する意見 2 件 51 件
放送と青少年に関する意見 126 件 [ 意見内容 ] 1,185 件
放送番組全般にわたる意見 810 件 [ 意見内容 ] 5,608 件
BPOに関する意見・問い合わせ 41 件 533 件
その他(放送関連以外) 364 件 3,184 件
意見件数 計 1,343 件 10,561 件

視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。12月通知数は663件(36局)であった。
またこの他に、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し33件を全加盟社・局に送信している

意見概要

人権等に関する苦情

12月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

  • 人権に関する審理・斡旋の要請・・・・・・・ 2件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・ 60件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

番組全般にわたる意見

【情報ワイド・バラエティー番組】関連 1,862件(全体の139%) 前月比339件の増加

  • “不適切な内容、不適格な出演者”(1,193件:89%)
  • “低俗・下品な番組”(512件:38%)
  • “倫理観欠如、局の責任”など(157件:12%)

【報道・情報番組】関連1,118件 (全体の83%)前月比222件の増加

  • “取材・報道のあり方・批判”(684件:51%)
  • “放送の影響と公共性、メディアの規制、言論・報道の自由”など(219件:16%)
  • “報道の公平・公正性と内容批判”(215:16%)

*【情報ワイド・バラエティー番組】と【報道・情報番組】の意見合計数が意見総数を超えているが、これは1件の意見に複数の指摘項目が含まれているためである。

12月は情報・ワイド番組を中心に「不適切な番組、不適切な内容」との批判や「報道のあり方」についての意見が前月から大幅に増加した。
これは、フィギュアスケートの中継放送や優勝した浅田真央選手への不当な評価や不適切な解説に対する抗議など(161件)をはじめ、11月から続く麻生批判報道、とりわけワイド番組におけるキャスター・コメンテーターの一方的な論評を批判する意見(96件)、「雇用・リストラ問題」に関する報道のあり方(90件)、「ラジオ番組のパーソナリティーの不適切な発言」への批判(76件)などが寄せられているためで、「報道のあり方」や「放送局の姿勢」を厳しく問うている。この他にも「国籍法の改正」に関した報道の少なさを指摘した意見や、世界的な経済危機に直面する中で政局中心の政治状況に対する政党批判、ならびに放送の果たす役割への不満が多い。
なお、放送局の応対・対応に関する苦情は242件で前月より101件の増加となっている。

青少年に関する意見

12月にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送と青少年に関するものは126件と先月の約2倍となった。
今月は、フィギュアスケートのグランプリファイナルで優勝した浅田真央選手を誹謗するかのような放送があったという批判意見が33件と目立ったほか、低俗、モラルに反するという意見も32件と多かった。

BPOに関する意見

BPOへの意見14件、問合せ20件となっている。「意見・問合せ」以外にBPOについてふれた意見は175件であった。

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 「病院たらい回しで新生児が1週間後に死亡」というニュースを取り上げていたがこの報道に疑問を持っている。まず母子手帳をもって通院していれば、ハイリスク妊娠の可能性がある場合はその旨が記入され助産婦もチェックするので、「新生児を自宅で出産する」ということは考えられない。また、通院している病院があれば、出産の際はその病院に入院できるので、突然入院先を探すことはあり得ない。「たらい回し」という差別的な表現を使って、初めから医療側を誹謗・中傷する姿勢で取材し報道するのではなく、親の方も親としての責任を果たしているのかという面もシッカリ取材したうえで報道して欲しい。ひとたび、医療側がすべて悪いというように報道されてしまうと、医療側はなかなか言い返すことができない。常々、医療関係の報道は横暴だと感じている。こんな報道がまかり通ってしまうと、医療現場の労働環境はますます悪くなってしまうと思う。
  • 東京キー局の夕方のニュース番組で来年の裁判員制度開始に向け、裁判員候補者名簿への記載通知を受け取った人に取材しその映像を放送していました。その人は漁師さんですが、偶然、同じ漁船に乗っている二人の漁師さんのところに通知が届いたのだそうです。「二人一緒に裁判員になると、その期間は操業停止にせざるを得ないので大変だ」と話していました。画面では、確か、その漁師さんの顔にはボカシがかかっていましたが地元の人なら直ぐにその人が誰であるかが特定できると感じました。裁判員法では、放送・出版・インターネットなどで自分が裁判員候補者であることを不特定多数の人に対して公表することを禁じています。この番組のように「顔は隠していても、その他の条件から本人が特定できる」という場合も、この法律に抵触するのではないでしょうか。もし、これが裁判員法違反になるのなら、罰せられるのはこのテレビ局ではなくて取材を受けた漁師さんです。ということは、テレビ局が法律違反を仕向けたことになります。この局がどうやってこの漁師さんを捜し当てたのかは不明ですが、テレビ局が裁判員候補者を探し回るのもおかしな話です。法の遵守を考えたなら、「名前を出さなければいい」「顔を隠せばいい」というものではないと思います。
  • 国籍法の改正について、報道の仕方に強い疑問を持っている。国籍法改正については、国民に知らせず反対派を抑えて強行採決しようとする動きがある。DNA鑑定を用いないで子供を認知してしまうことによって将来発生するであろう問題への危惧が広がっており、反発を覚える国民が多い。それにも拘らず、深夜からのニュース番組ではそういった問題点には一切触れず、「日本国籍を取れない可哀想な子供」の姿を延々と映すだけの感情論で番組は作られていたが、同情を誘うことで視聴者を賛成意見へと誘導したいようにしか見えなかった。正直言って、昨今の、こういった一方通行かつ恣意的な報道姿勢に強い不快感を覚える。賛成・反対双方の意見をしっかりと伝えるのがメディアとして正しい姿勢ではないか?こういった報道姿勢が国民のメディアに対する不信を加速させると思うととても残念で悲しい。
  • 事件を紹介する昼前からのワイド番組のコーナーで、千葉・東金女児死体遺棄事件を取り上げていた。その際「全裸で発見」という表現をしていたが、「衣服をつけていなかった」で十分ではないかと思う。「全裸」という言葉からは「性的」な印象を受けるので、遺族にとっては一層悲しみを増すのではないか。また、人によっては必要以上の興味を抱く言葉ではないかとも思う。日本語には多くの表現方法があるのだから、言葉ひとつにも気遣いをしていただきたい。
  • 麻生総理がハローワークを視察した際の映像で、番組内で使用されたビデオの編集の仕方に疑問を感じた。ハローワークへ仕事を探しにきた若者と総理が話をする場面なのだが、実際の会話では総理が若者に「どんな職を探しているのか」と聞き、若者が「六本木や青山みたいなオシャレなところで働きたい」と答えた。それに対して総理が「何かありませんかねでは仕事は見つからない。目的意識がないと雇う方もその気にならないよ」と発言している。しかし、この番組では若者の声は一切入れず、総理のその言葉の部分だけを使用していた。番組のコメンテーター達は「今は仕事を選んで働ける状況じゃないでしょ」と総理を批判していたが、そもそも、その若者の「オシャレなところで働きたい」という言葉が入っていたらそんな批判にはならなかった筈である。若者のその言葉は、間違いなく「働き先を選んでいる」「現実を分かっていない」発言だ。最近、テレビでは麻生総理の失言を多く取り上げているが、ニュースは事実を歪曲させることなく伝える事が前提の筈だ。東京の放送局のこのニュース番組は不必要に総理批判を生ませるような編集をしていないかどうかを報道現場は慎重に考えるべきだと思う。
  • 麻生総理の失言に関する過剰な報道が続いているが、これらの発言が本来の文脈や意味を大きく逸脱した形で用いられ、明らかな印象操作が行われていて非常に不快だ。「何もしない人の医療費を何故私が払う」という発言も、経済財政諮問会議の議事録を読めば、その直後の「だからこそ真面目に努力して健康を保っている人への保険料の見返り」などの提案に関する発言に繋げないと意味が通らないものだった。不摂生や不注意で病気になったり怪我をした人に何もペナルティーを課すことなく、普段から気をつけていたのに病気になったり怪我をしてしまった人と全く同じ給付を行うという現行の保険システムに対する至極真っ当な批判意見なのに、各マスコミは、さも総理が「不摂生で不健康になった人間の保険料を私が払うのはおかしい」という趣旨で発言したように視聴者に思わせる報道だった。「医師は一般常識に欠ける人が云々」の報道も、元々は医師会側から出た「医者の人数を減らしてくれ」という要請を受けて行ったことで、現状のような医師不足になっているのは医師自体の責任でもあるとするものだ。マスコミのこのような事実を捻じ曲げた偏向報道に対し、BPOから厳重注意して欲しいと思う。
  • 現在、私の住む自治体では1日12時間「人権電話相談」を開設しているが、これが地元民放の番組で紹介された。この相談室は「秘密厳守」を標榜しているが、テレビでは相談者の声が入り、また、電話受けの担当者が書いているメモが映った映像が紹介されていた。これではとても「秘密厳守」どころではないし、逆に「人権侵害」になってしまう。誰だって率直な相談ができなくなる。テレビ局に電話をしたら「問題ありません」という返答だったが、相談したいと思っている人の立場になれば不安になる。もっと気を遣った報道をしてほしい。
  • ある大手ショッピングセンターの屋外受水槽から男性の死体が発見された事件の報道は隠蔽報道ではないか。地元紙の11月28日付の記事では「ショッピングセンター○○店で男性が飛び降り自殺を図り水槽の中に落ちた可能性が高い。また、この男性は11月1日から行方不明になり、家族が探していた」と報じている。同センターには10店舗を超える飲食店があり、その受水槽から飲料水の供給を受けて営業している。地元の人たちの精神的な苦痛は計り知れないだろう。これくらい大きな事件にも拘らず、殆どの放送局が大手スーパーに対する配慮からか店の名称を伝えていない。何時から「情報はネットから得る時代」になってしまったのか。
  • 夜のニュース番組のキャスターの発言は問題ではないかと思う。「政治不信のせいで不況が・・・」という発言を番組内でしていたが、現在の不況の元凶が何であるかは周知の事実であり、決して「政治不信」などでないことは明らかである。そこまでして政府不信を煽るのは問題ではないか。彼はどんなことでも大げさに煽った発言をする。そもそも過去に「椿事件」を起こした局だから、この局の報道を信用するつもりはないが、彼らにはその自覚もなく、まだ堂々と印象操作を続けているようだ。彼らにとって、放送法や放送倫理基本綱領というものは形だけなのか。こういう報道が一向に減らないことは非常に問題ではないかと思う。
  • 政府見解と異なる論文を公表し更迭された田母神前航空幕僚長が、参院外交防衛委員会で参考人として招致されたが、田母神氏の論文や発言が法的にみて何処に抵触しているのかを報道をすべきである。田母神氏は委員会で持論を繰り返し、懲戒処分の審理を経ずに解任された不当性を訴えたと報じられている。集団的自衛権の行使を憲法違反とする「村山談話」や政府見解と異なる主張を論文で発表したことが問題視されているが、自衛隊幹部が政治的な判断を口にすることが憲法の何条の違反になるというのか。私の不明かも知れないが、これまで聞いたこともない。分かりやすく解説して欲しい。
  • 民放のニュースや報道番組で、大学生の内定取り消しについて報道している。しかし、取り上げているのは大学卒業の人の就職問題ばかりで、中学卒業、高校卒業での就職に関することは報道していない。NHKではこの問題を取り上げていたが、なぜか民放は取り上げていない。中卒・高卒の就職は大卒以上に大変なのに、なぜ取り上げないのか?
  • 今年度に約70億円と見込んでいた大手自動車メーカーの工場がある自治体が、法人市民税収入の大半を失う見通しを発表したことに触れ、そのため「道路は穴が開いても放置、河川は氾濫するかもしれない」「小中学校の耐震化工事が出来なくなり、市内の小中学生は心配」とコメントした。実際にはこの自治体の小中学校の耐震化工事の進行状況は98.4%で全国でもトップクラスである。また「道路や河川などの公共施設の維持管理に関す予算は適切に管理する」と市のHPで発表している。これらは、市に対して事前にきちんと取材をすれば判明することである。取材の手を抜き、より扇動的に報道しようとした結果として起こったと思われる。この局はこれまでも同じように事前に取材をすれば判明することを取材せず、その結果、間違いを放送するということを繰り返している。
  • 世の中を騒然とさせるような凶悪犯罪が頻繁に起きているが、それらの手口についてテレビで詳細に伝えすぎていないだろうか?知り合いの警察関係者に聞いた話だが、容疑者を取り調べていると「同様の犯罪をテレビで見て、自分でも出来そうな手口だと思った」という供述が非常に多いという。犯罪報道が別の犯罪を呼ぶようなことはあってはならないことだ。事実を伝えることは大切だが「詳しければ詳しいほど良い」というものでもない。是非、節度をわきまえた報道をしてほしい。
  • ラジオで聴く「緊急地震速報」の中で、聴取者のおかれた状態や状況に応じて注意を呼びかけるのだが、その表現が「自動車を運転していた時は…」「電車に乗っていた時は…」「学校にいた時は…」などと過去形で放送する。しかしこの日本語の使い方は誤りで、「…いる時は…」と現在形で表現するのが正しい。この不適切な表現を改めるようNHKをはじめ関係各所に何回も申し入れているのだが一向に改まらない。
  • ニュース番組でも最近、画面の人物が話す言葉をテロップに記してスーパーするようになったが、その際、話し手の感情やしゃべりのニュアンスに応じてハートマークや怒りマークが書かれていたり、文字に色がついたり、きらきら光ったりすることがよくある。娯楽番組やワイドショーならまだしも、ニュースにこんな小細工は必要ない。不適切だと思う。

【不適切・低俗な表現や発言、モラルの低下、局の姿勢】

  • 未成年のアイドル歌手が「ヒトラーおじさんはやさしいおじさん」などとヒトラーを礼賛したそうだ。この番組の制作者は何を考えて番組を制作しているのだろうか。軽い冗談のつもりだったのだろうか。独裁者ヒトラーは、自身の人種差別意識からユダヤ人数百万人を虐殺し、その野心から周辺国を侵攻して数千万人を殺し、欧州・アフリカの数億人を抑圧した罪深い戦犯だ。「優しい」だの「癒し」だのとは冗談でも許されない。中学・高校で社会科の勉強はしなかったのだろうか。同時に、下請けの作った番組をチェックもせずに放送したテレビ局の無責任・無神経にも呆れる。お馬鹿タレントなどの様に、無知・無教養を競い合い自慢する奇妙なテレビ界の風潮が根底にあるのだろうが、こんなことはやめてほしい。視聴率獲得のために無知で非常識な番組を垂れ流すのなら、テレビは社会の害であり敵でしかないことになる。テレビ界の凋落もここまで来たかという感じだ。
  • 関西のラジオの女性声優DJが、飲み終えたジュースのコップを座席下の床に放置するという電車内における自身のマナー違反を指摘して来た男性と口論になり、「オッサンを社会的に抹殺すれば良かった」 「くそじじい」などの暴言を交えながら口汚く「犯罪者(前後の文脈から痴漢冤罪であることが容易に想像できる)に仕立て上げたかった」という趣旨の発言を行った。翌週13日の放送で1分間ほどの”謝罪”を行ったが、その際の状況説明が先週の発言とは著しく整合性を欠いたものだった。コップを置いた状況も違っていたし、口論ではなく男性から一方的に罵られたかのように釈明するなど”言い訳三昧”であったが、不満そうな態度と相まって”謝罪”とは言いがたいものであった。公共の電波で「痴漢冤罪の重大さ」を無視した発言をし、自身の非を認めず一般人に罪をなすりつけようとするのは許せない。この番組ではDJによる悪口が常態化しているが、今回も自身の社会的影響力を考えていない社会性を欠いた不快な発言内容だった。
  • 最近、派遣社員や期間工といった非正規従業員の解雇が相次いでいますが、この番組の司会者やコメンテーターは「他にも仕事があるのに、この仕事を好きで選んだのだからその人にも責任がある」というコメントをしています。この発言を聞くと寒気がします。私も非正規従業員ですが、テレビがこのような発言で世論を煽ることは、非正規従業員に対する差別意識を植え付けているだけだと思います。こういった放送は、例えば、いじめ事件で被害者が自殺したときに、「いじめられていた生徒にも問題がある」と他人事のようなコメントをする学校や教育委員会などと同じようなものです。
  • お笑いタレントで今や映画監督の番組で徹底的に芸人いじめを繰り返していた。芸人を熱湯に放り込んだり、斬首シーンの最中にくすぐったり、サメを使ってドッキリさせたりしていたが「テレビなら何をやってもいいのか!」と叫びたくなるような内容で、モラルも倫理観も全くなかった。BPOとしてバラエティー番組における芸人いじめの問題をしっかり議論してもらいたい。
  • 「血液型性格判断」の正当性を前提としたトーク番組で特定の血液型人間に対する差別を助長する内容だった。「血液型性格判断」自体に科学的根拠が皆無であり、バラエティーとはいえあまりに配慮に欠けるものだった。これが仮に「人種別性格判断」というものだったら、放送できただろうか?現実問題として、人間をたった4つの血液型を基準にして分類してしまうこと自体がナンセンスだが、日本のマスコミが放送しているせいで、世界中で日本だけそれを信じる人が増大している。バラエティー番組の内容として血液型占いを扱うなとは言わないが、「科学的根拠は皆無であると伝える」「特定の血液型を差別的に扱わない」というのが大前提で、この番組の内容には非常に問題があったと思う。
  • 東京の放送局の火曜日夜の番組で、デパートの地下食品売り場の試食品をその場で食べずに大量に店外に持ち出していた。その持ち出し方はまるで万引きのようで、一人の芸人が店員を引きつけ別の「壁役」の芸人が立ち塞がるようにしてその間に大量の試食品を隠すなど計画的な方法を用いていました。これでは万引きと窃盗とどこが違うのか私には分かりません。この番組は未成年者も多く見ていると思いますが、明らかに万引きを助長しており問題があります。数日前からインターネットで「この番組の放送以降、バラエティーの質が下がった」と批判されていましたがその矢先の出来事です。昨今、テレビのバラエティー番組でモラルの問題が軽く見られ、行きすぎた内容が増加していると思います。この局および番組制作者と現場のデパートに行った芸人は放送で謝罪をするべきだと思います。
  • 関西の番組の最後に「今日の記念日」というコーナーがある。前もってコーナーに応募し採用された視聴者が電話で「放送当日が自分にとって何の記念日か」を披露し、最後にルーレットで5千円か1万円を当てるというものだ。ところがその「記念日」の内容が「離婚」「再婚」「不倫」といった男女関係にまつわる内容ばかりで朝の番組にそぐわない。毎朝、下品でくだらない話を聞かされうんざりしている。特に今朝はひどいもので、「12月15日は私の”ダブル不倫”の記念日」と女性の視聴者が生電話で堂々と自慢し賞金をゲットしていた。出演者を前もって選ぶのだから、男女間の話題にばかり片寄らないよう配慮できるはずなのに、実際にはほぼ毎日そうした話題ばかりだ。意識的にそのようなネタばかりを選んでいるのだろうか?あるいは視聴者が「その種の話題以外は取上げられない」と思い込んだ結果、応募の内容そのものが片寄ったのか?とにかくこんな話題に喜んでいるのは電話出演者本人と司会の男だけだ。出勤・登校前の視聴者にとっては不快この上ないコーナーだ。健全な内容に改めて欲しい。
  • 「タイの少年がヘビ使いになるまでのドキュメンタリー」を放送した際の映像の出し方に疑問をもった。最初に司会者が「少年の夢」というタイトルだけを紹介してビデオ映像が始まるという流れだったが、映像の冒頭で何の前触れもなくハ虫類が牙を向くシーンが流れた。テレビを見ていた私と母は驚きと恐怖と気持ち悪さで「ギャーッ」と叫び声をあげてチャンネルを変えた。特に私は「ハ虫類恐怖症」といえるほどこの種の動物が苦手で、この種の動物の写真・映像・画像・アニメーションを見ると動悸が激しくなり気分が悪くなるので、これらを見るのを避けて生活している。そのため放送の後はショックで夕飯を途中にして横になっていた。テレビは一方的に茶の間に流されるメディアだ。このように何の告知もなくハ虫類の映像を放送するのは暴力だと感じるが、これは私だけの意見だろうか?「刺激的な映像や音量で人を驚かしたりすることで実害が出ることもある」ということを、放送局ならびに制作会社の方々に理解してもらいたい。
  • 地方の民放のDJが最近の「若者しゃべり」をしているので聞き苦しい。おまけに漢字の読み間違いが多く驚いている。たとえば「温泉郷」を「おんせんごう」と読んだり、「景勝地」を「けいかつち」と読み、地名の「祖谷」を正しくは「イヤ」と読むところを「ソヤ」と読んだりしている。このような間違いが3分以内に立て続けに起こるのだから、このDJの発言内容にも不信感を持たずにいられない。
  • 世界の怪奇現象を追跡するという触れ込みの番組は、未解決事件を超能力者が解決するというものだったが、よく調べるとこの(自称)超能力者は過去に事件を解決したことがない人物であった。そんな者を登場させておきながら「超能力で事件を解決してきた」と紹介するのは、視聴者を騙す虚偽行為ではないか。非科学的なオカルトを科学的に検証するような番組ならともかく、霊感商法やカルト宗教を助長させるような番組は制作すべきではない。テレビ界のオウム真理教事件での反省はどこへいってしまったのか。それ以前に、実際に起きた事件を娯楽番組に利用することは、事件解決の為に少しでも手掛かりを知りたいと思い今も苦しんでいる家族の心を踏みにじる行為である。人道上も問題である。
  • 卓球の福原愛選手とテニスの錦織圭選手の交際について取り上げていましたが、二人ともタレントではなくスポーツ選手です。更に言えば、道徳的に問題のある行為をしたわけでもなければ、犯罪を起こしたわけでもありません。それをギャーギャーと騒いで二人を追い回し、あげくに福原選手に謝罪させるというのはどういうことなのでしょうか?それがマスコミの仕事なのでしょうか?
  • 「漫才日本一」を決める番組である漫才コンビが優勝した。しかし、その芸風がいただけない。持ち時間の中でいかに沢山の笑いをとるかというのが勝負だが、ボケとツッコミの連続の中で、ツッコミの度にボケ役の頭を叩くのだ。とにかく、突っ込んでは叩く、突っ込んでは叩くの繰り返しである。こんな芸が「漫才日本一」とは聞いて呆れる。昔から上方には「ど突き漫才」という芸風があるが、この「NON?STYLE」の芸とは全く違う。「いじめ」が「かわいがり」などと言い換えられて陰湿な形で横行しているが、このような漫才が市民権を得ることで、相手を叩くことが「何でもないこと」となるのを心配している。
  • 「どちらの男に抱かれたいか?」というアンケートを放送していたが、そのインタビューに「誰々に抱かれたい」「誰々と不倫したい」と平然と応える女性を見て誠に情けなかった。もしも、私の妻が出ていたならばぶん殴った上で即離婚するようなことなので本当に唖然とした。今の日本人もここまで落ちたかと愕然としたと同時に、このような番組を放送するt関西のテレビ局の姿勢に怒りを覚えた。日本を駄目にするような番組を堂々と流している放送局が多々目に付くが、マスコミが日本を駄目にしていると言っても過言ではない。放送局は、事あるごとに「言論の自由」などと言っているが、結局、それは自分に都合の良いことばかりを言っているのだ。BPOはこのような番組を止めさせるくらいの権限を持ってほしい。
  • たまたま見ていたバラエティー番組の総集編で、司会の男性アイドルがゲストのタレントに向かって「死ね!早く」という発言をし、そのコメントを字幕でも放送していた。”総集編”なのだから編集することも出来た筈だ。もう少し配慮をして欲しかった。
  • 東京キー局のプロデューサーが番組に遅刻したとの理由だけで、罰としてその芸人に無理やり1000万円の借金をさせ、その芸人が使ってしまうとすぐに返済を迫り、その芸人がギャンブルで返済をしようとして逆に借金が増えるという、バラエティーでも何でもない内容を放送していた。このテレビ局の倫理委員会は何をしているのか?番組の企画意図が分からない。番組制作者の行為は脅迫罪で逮捕されるべきものではないか?
  • 視聴者の質問に答える番組の3時間スペシャル版のコーナーの一つに仏門に入った女性作家が出演し、「不倫」を賛美し奨励するような発言を力をこめて繰り返していた。しかし、「不倫」は相手の家庭を破壊したり自分の親を嘆かせるなど、周りを不幸にする人の道に反する行為だ。それなのに彼女は「命懸けの不倫は純愛と同じ」「本当に好きならどんどん不倫をしなさい」等とけしかけ、その上「私は何度も不倫をしているけれど、相手と奥さんの離婚が成立した途端、何故か熱が冷めてこっちから別れちゃうの」と、笑いこけながら不倫自慢を展開していた。芸能人ならばともかく彼女のように影響力のある人には、このような内容の発言は許されないと思う。そもそも彼女は仏に仕える身である。あちこちで説法会を開き「欲望を制御し、他人の幸福に手を貸すゆとりを持て」等と仏の教えを説いている人が、テレビ番組では一転して「人を不幸にしてでも自分の欲望には忠実に生きなさい」と力説している。この矛盾を一体どう説明する気か?このコーナーは彼女の一人舞台のようなものであったが、見ていた私は不快で仕方がなかった。このような番組を放送しないで頂きたい。
  • 今どき、食材自慢の番組は要りません。芸能人に飯を食わせて、金を渡して・・・ただそれだけの番組です。何の意味もありません。高級食材の番組を作るくらいなら、報道番組で派遣社員問題などを取り上げるべきです。

【番組全般、その他】

  • 「こんな福祉番組が見たい・・・」という教育番組はとてもよい番組で推奨する。この番組は「障害者=前向き・明るい」という描き方でいいのかを考える内容だったが、メディアリテラシーに通じる内容でもあり、テレビでの表現方法を考えさせる内容でもあった。NHKのみならず民放も含め放送業界全体がステレオタイプな描き方や偏向的な放送表現で放送することについて考えるきっかけになればと思っている。放送は特定のものの見方だけをするのではなく、もっと多様性を重視して欲しい。
  • 夕刊紙からの内容を紹介するコーナーで、自民党機関誌に掲載された麻生総理夫人のインタビューを紹介していたが、司会者及びコメンテーターの発言が下品すぎる。もともと最近のテレビ番組では麻生総理の漢字の読み間違いなどに対する失礼な発言が多い。ある別の番組では総理のことを「ばーか」などと言っていたが、自民党の機関誌まで取り上げての失礼な発言には品位を疑う。そもそも総理夫人は公人ではないのではないか?子供も見ている時間帯なのに、公共の電波を使ってあからさまに人を侮辱するような発言は控えていただきたい。これではまるで集団イジメを助長しているかの印象を受ける。子供が国や政治に対して誇りを持てなくなるような内容を積極的に発信する放送局は本当に視聴者のために番組づくりをしているのか疑問に思う。
  • 各局の番組で振り込め詐欺への注意を喚起する内容が毎日のように放送されているが、その際紹介されるのは全てと言って良いほど被害例ばかりだ。詐欺による被害をうまく避けた例も併せて紹介するほうが良いと思う。
  • 韓国・ソウルで開催されたフィギュアスケート・グランプリファイナルで優勝した浅田真央選手に対し番組出演者から「おめでとう」の一言もなく、「実力はキム・ヨナの方が上なのに、キムが回転で失敗して負けた」という主旨のコメントをしていた。また、「キム・ヨナは韓国で10本のCM契約をしているが、浅田は7本だ」とも伝えていたが、16日に放送された別のテレビ局のワイド番組では「浅田は現在10本のCM契約をしている」と放送していた。同日夕方放送されたテレビの「スーパーニュース」では、元フィギュアスケート選手が「キム・ヨナは風邪を引いていたから負けた」とコメントしていたが、彼女ならば、健康管理は自分自身の責任であり、一般人よりも厳しい自己管理が必要なことを知らない筈がない。このテレビは”キム・ヨナ万歳””韓国万歳”と、偏向した放送を繰り返している。この放送を見た職場の友人達も「ここって確か日本だよネ」と言って驚いていた。BPOに電話をしたのは、中学生の娘を持つ親として、この番組の偏向ぶりを伝えずにはいられなかったからだ。
  • フィギュアスケートに関する放送で、元選手の解説による浅田選手とキム選手の点数比較には明らかな虚偽の内容があった。「浅田は1ミス、キムは2ミスにも拘らず点差は2.2点。ノーミス同士であったならキムが勝っていた」との内容だったが、浅田の転倒の箇所はトリプルフリップの単独ジャンプではなくトリプルフリップ?トリプルループのコンビネーションジャンプの予定であり、あの転倒による失点は10.68であった。キム選手の2つのミスによる失点が10.46であるから、実際の得点差2.2に失点の差を加えてもノーミス同士であれば2.42で浅田が上回ることになり、元選手の発言は虚偽になる。元選手は現在コーチ業をしており、採点システムを熟知していなければおかしい立場にある。おかしなことだ。また司会者や局アナウンサーなどによる「表現力はキムが上」との発言も「捏造発言」と言える。過去のスコアで検証すれば捏造発言であることは一目瞭然だ。自国の優勝者を称えない、非常に気分を害する放送だった。
  • 15日に放送されたフィギュアスケートの浅田選手批判の番組内容に対する謝罪と訂正を見たが、司会の男の言った「よく知らなかったので」というのは捏造放送の言い訳になるのだろうか?訂正の対象となる放送は、意図的に事実を歪めている様に感じた。何らかの圧力があったのではないかとさえ思っている。一説によれば、一流アスリートをマネージする某社と契約した浅田選手を大手広告代理店がつぶそうとしていると聞いた。もし本当なら広告代理店が、視聴者・放送局・スポンサー企業の三者すべてに害を与えている事になる。本当に恐ろしいことだ。もちろん噂を鵜呑みにするのは愚かな事だが、圧力があったのかどうかの事実は調べるべきではないか。私のような一般人の耳にすら、この様な噂が入ってくる時代なのだから。
  • 公共放送のスポーツ中継のよいところは、フィギュアの採点方法、各選手のプログラムの見せどころ、前回の試合で失敗した部分などをきっちり勉強した上で、アナウンスのプロとしての仕事をすることだ。3回転なら基礎点が何点でそこからダウングレードされると何点になってしまうのかなど、回転不足判定についても詳しく説明していた。民放のアナウンサーは、この重要なポイントをほとんど理解せずにしゃべっているとしか思えない。解説者がきちんと説明しても、アナウンサーはたいてい流してしまう。NHKのアナウンサーだけは3回転と2回転でどれだけ基礎点が変わってしまうか、そこからGOEで減点されると点が殆どなくなってしまうことをきちんと話していた。民放は、芸能人でもない選手に変なキャッチコピーをつけて盛り上げる暇があったら、もっと内容のあることを放送しなさい。大技をやるかやらないかで煽るよりも、回転不足の判定の怖さや大技のリスクを詳しく説明すべきだ。実況するアナウンサーも「ジャンプだけじゃない、あんなコトもこんなコトもできちゃう真央ちゃん」なんていう”ポエム”を考える時間があったら、フィギュア中継でプロのアナウンサーが視聴者に伝えるべきことは何なのかを、NHKの同職の人を見て勉強してほしい。
  • 年末恒例の歌番組の馬鹿騒ぎはいい加減に止める頃ではないでしょうか。戦後の娯楽の少ない頃ならまだしも、今ではうるさいだけです。特に、司会者の興奮しのぼせた発言には、毎年耳を覆いたくなる。似たような番組は民放にもあるのだから、受信料から高額な予算を使ってくだらない番組を作るのは止めにしてほしい。私は歌番組自体は決して嫌いではないが、歌手の人たちが、この番組に選ばれるかどうかで価値判断されるのが可哀想で仕方ない。番組に批判的な意見の人も少なくないのだから、来年以降も継続するかどうか、一度アンケートでもとってみたらどうだろうか。
  • テレビで「言論の自由」を言うのはいいが、「言論の責任」についても考えてほしい。どの番組を見ても、タレントや芸人達が自由気ままに毒舌を吐き意見を言っている。「これは、あくまでも個人的な意見です」というならば、公共の電波で個人的意見をさも世論のように放送するのは卑怯ではないかと思う。事実を放送するのは大事だが、その先の解説や展開説明に、あまりにも無責任な発言が多過ぎると思う。どのようなタレント・芸人・コメンテーター・司会者を使うかは自由だが、物事を解説したり考え方を伝えることに関しては、きちんと自局の人間が責任を持って発言するのがスジではないか。今のやり方は、社会の現状をただやみくもに混乱の渦に巻き込んでいるだけだと思う。現在は政治・経済・生活・医療など全てが混乱の中にある。本来なら世界中の貧困問題や環境問題に日本が貢献すべきこの時期に、視聴率獲得のためか、このような放送を続けているのはあまりにも教養が無さすぎるのではないかと思う。最近、テレビそのものの魅力が無くなってきているのではないかと感じている。今のままではアニメなど、子供番組だけしか生き残れない気がする。
  • 近年、民放各局の番組編成の構成は著しくバラエティーに偏っている。どのチャンネルを選んでも低俗なバラエティーしか放送されない時間帯が一日の大半を占め、ニュース番組が流されるのは深夜の22時を回ってからである。しかも、その時間帯に放送されるどの局のニュース番組も、「事実の報道」に割かれる時間は全体の2割弱しかなく、殆どがキャスターの「私見を発表する場」と化している。しかも、その「私見」がさも正しいかのように情報操作が行われているのが現状である。更には、政治家の発言の一部のみを切り出して「問題発言」を作り上げたり、出来事の一側面のみを映し出すなどした捏造まがいの報道も見受けられる。仮にも「報道機関」を自称するのであれば、「実際にあった出来事」を「様々な側面」から映し出し、私見を交えずに「報道」することに専念するべきではないか。
  • 地デジの完全移行までに、あと3年を切ったことは告知スポットなどで広く知られるようになった。しかし、地デジを見るためには何をどう用意したら良いのかという情報、特に肝心の受像機に関する情報が十分ではないように思う。視聴者が2011年までに備えるべきことを具体的に分かりやすく説明する番組を放送してほしい。
  • 私は家電品販売の自営業をしている。番組の中で「激安家電の買い方」を取り上げていた。昨今、私共の様な零細店が売り上げ不振で閉店に追い込まれているが、それに追い討ちをかける様な量販店優遇の内容だった。お願いがあるのだが、視聴者に「一般の街の商店(電器店)も、一生懸命に地域の皆さんの為に頑張っています」ということを、番組の終わりでもいいので伝えて欲しい。まもなく地上デジタルに移行するが、この様に街の電器屋さんの不況が続くと、アンテナ工事やテレビの設置にも悪い影響が出ると思う。量販店優遇ばかりの放送を是非見直してください。お願いします。

【CM】

  • 公共広告機構(AC)のCMを見て心を動かされ、お年寄りへの配慮の大切さに改めて気付いた。CMでは、おぼつかない足取りながらもマイペースで何とか歩くおじいさんが画面に向かってにっこりと微笑み、「(歩みが遅くて若い人には迷惑をかけるけれど)勘弁してくださいね」と語りかける。このように穏やかな口調と笑顔で言われると、こちらも「ああ、そうなんだ。のんびりペースのお年寄だって懸命に歩いておられるんだ。もっといたわってあげなければ」という気持ちになる。CMを見てほのぼのと心が温まった。
  • 民放のテレビショッピングなど通販番組の量の多さと内容に問題がある。深夜は勿論のこと、日中にも通販番組を放送している放送局がある。しかも、その放送時間が長いのである。これらの通販番組は本来、CMとして捉えるべきであるが、その場合にはCMの総量規制に違反しているとのことになってしまう。また、第三者の通販業者が放送枠を買い取って番組を提供する場合はまだ理解できるが、放送局が100%出資して通販を目的とした子会社を作り、その子会社が堂々と自社の電波を利用して販売行為を行っているのは問題だと思う。そもそも放送局が公共の電波を私的に使用して、このような販売行為をやっていいのか?公共の電波利用に対する対価に関しても、使用する帯域の割合に比較して、放送局は他の携帯電話業者などに比べても微々たる電波使用料しか払っていない。特権の上に胡坐をかいて身勝手なことを行っているとしか思えない。このように放送倫理にも大きく違反している民放各局には、他産業の商品偽装を指摘したり報道したりする資格はない。
  • パチンコの業界団体が時間規制などを打ち出したと聞いたが、この種の規制はパチンコ業界がするのではなく民放連なりBPOなりの放送局サイドが決めるべきではないのか。広告主の業界団体による自主規制だと、景気動向などに左右されて、規制の内容がその時々で変化してしまうことがあるのではないか。
  • テレビ放送で、本編からCMに移った途端に大音量になるのは何故なのか?その都度ボリュームを下げることで対応しているが、数分おきに入るCMの度に慌ててリモコン操作をするのは煩わしい。これでは番組に適した音量で視聴していても、アパート等ではCMの騒音が隣近所への迷惑になり、特に深夜の場合はトラブルの元にもなりかねない。早急の改善を求めたい。

【BPOへの意見】

  • 「BPOがバラエティー番組を問題視している」という新聞の報道を見た。確かにBPOの姿勢には同意できる。しかし、バラエティー番組での出演者の行為は目につきやすく気ずきやすいが、もっと問題なのは地方についての表現である。とりわけ、大阪や関西についての描き方に問題があるように思う。その表現は偏見ばかりで差別的ですらある。「大阪人はケチ・せっかち・ガメツイ」「大阪人はお笑い芸人のようだ」などなど、こういう表現はバラエティー番組以外のニュース・情報番組・ワイドショーなどでもなされている。民放だけでなく、NHKまでもがニュースで「せっかちなのは大阪人気質だから」などと非科学的な発言をしている。バラエティー番組におけるセクハラやイジメについてだけでなく、こういった大阪への偏見・差別など、地方の「県人気質」の表現について、BPOとしての見解を出していただきたい。もうその段階まできていると思う。
  • 家族や友人にBPOの話をしても誰も存在を知りません。テレビでもっと宣伝するべきではないでしょうか。このままでは報道被害にあっても泣き寝入りする人ばかりになります。もっと力を発揮してください。

青少年関する意見

【報道・情報系番組に関する意見】

  • 不平不満も言い訳もせず、ひたむきに練習をし、韓国でのグンラプリファイナルで史上初の2回のトリプルアクセルを決め見事優勝した浅田真央選手に対して酷い放送があった。「おめでとう」の祝辞の言葉もなく、ゲストの恩田元選手は実際の予想点数よりはるかに下の点数を言い「浅田選手がキム選手より下だ」というようなコメントをした。しかし、今年の世界選手権や今シーズンのグランプリシリーズの得点を合わせると、一番高い演技構成点をもらっているのは浅田選手だ。この番組を見ていて、怒りと不快感を強く感じた。事実を伝えるべきテレビ局がこのような捏造報道をしてもいいのか?15日のニュース番組でも同局の報道は酷かった。ひた向きに頑張る10代の女性アスリートへの偏向報道は、彼女に憧れて頑張っている青少年にとって大変な悪影響を及ぼすに違いない。
  • フィギュアスケート・グランプリファイナルで優勝した浅田真央選手について、韓国のキム・ヨナ選手と比較し、嘘のデータで浅田選手を貶めていた。衣装や化粧についても「浅田は子供っぽい」と批判していたが、ノーメイクの浅田と本番用のメイクをしたキムを並べて比較したフリップを使用していた。また、本来、競技とは関係のないCMの本数で優劣をつけていた。18日の番組内で再び浅田選手のことを取り上げていたが、何のためなのか分からない。謝罪したつもりかもしれないが、謝罪にはなっていなかった。司会が「フィギュアのことは知らない」等と言っていたが、いつも、よく知りもしないことをさも知っているかのような顔で放送しているではないか。「知らない」と言いながら公共の電波で放送するとは、視聴者を愚弄しているのか。プロとして恥ずかしくないのか?上っ面だけの謝罪ではなく、誠心誠意、心から謝るべきだ。そもそも人として「優勝おめでとう」と言えないのがおかしい。局は、一体どういう意図で放送したのかきちんと説明する義務がある。一人の才能ある若者を潰したいのか。局の報道姿勢そのものがおかしいと思う。
  • 数日前に起きた「夫による妻殺害事件」を、事件現場となった民家の前から伝えていた。この夫婦には子どもが二人いるそうで子どもの自転車や物干し竿に掛かったままの子どもの衣服などが映し出されていたが、このような物をわざわざ映す意味があるのか?両親が加害者・被害者となった事件においては、残された子ども達の将来が大変心配される。周りの大人たちが見守って何とか健全に育ってくれると良いと思う。報道する側も例外ではない。子どもの将来に配慮する責任があることを自覚し、哀れみを誘うような映像を安易に使うことは避けるべきだった。

【低俗、モラルに反する】

  • あるバラエティー番組に出演している芸人は、見た目にも気持悪い格好をして変質者やストーカーの話をしているが、とても”芸””ネタ”といえるものではない。モラルを欠いた内容であり、子ども達が見る番組に出演させるべき人物ではないと思う。
  • バラエティーの罰ゲームで、女性歌手がプロレスのブレーンバスターをかけられ粉の中に落ちていた。プロレスラーのように身体を鍛えていない人にブレーンバスターをかけるのは非常に危険な行為だと思う。”笑い”として放送されていたが、子どもが冗談で真似をしたら大変なことになる。危険な行為を”笑い”として放送するのはどうかと思った。
  • 「タレント1日密着」という内容がバラエティーで放送されていたが、タレントには内緒で楽屋にカメラを仕掛け、カメラの存在を知らない彼は全裸となり下半身をデジカメで撮影された。その映像を番組出演者全員で見るなどしていたが、これは人権問題に当たると思われるほど卑猥な内容であり、家族と見ていてとても不愉快な思いをした。この番組は深夜番組ではない。ゴールデン帯の番組で人を羽交い絞めにして局部を撮影するなどは子どもの教育にも大変影響があると思う。
  • バラエティー番組。視聴するのに年齢制限のないテレビで放送する番組としては不適切すぎます。女性の身体をあたかも物のように粗暴に扱うシーンなどがあり、夜の10時からとはいえ、冬休みでまだ子どもも視聴しているであろう時間帯に放送するのはいかがかと思いました。「面白さ」だけで番組が構成されていて、その他には全く配慮がなく、見ていて不愉快な思いがしました。ニ度とこのような番組は制作・放送してほしくないです。

【非科学的な事項に関する意見】

  • 「血液型がB型の男性」を、その他の血液型の女性達が徹底的に叩く内容だった。女性達は様々なエピソードをまじえてB型男性がいかにダメであるかを披露し、スタジオ中で大笑いしていた。しかし、バラエティー番組であることを差し引いても、ここまで来ると「差別」以外の何物でもない。かつてBPOの青少年委員会は、血液型による性格判断を放送番組で扱うことに批判的な姿勢を示し、各局に「要望」を出している。今回の番組で、その「要望」が全然生かされていないことがはっきりした。

【CM・番組宣伝に関する意見】

  • 先ほど「パチンコ台のテレビCMを自粛する」ということを報道で知ったが、放送時間の規制が「夜は9時迄」というのは甘すぎる自粛ではないかと感じた。最近の未成年者はもう少し遅くまでテレビを見ていると思った方がいいと思う。自粛するなら「午後11時」あたりまでにするのが適当ではないか。また未成年者に限らず、パチンコというギャンブルのCMを四六時中垂れ流す民放各局の現状に辟易している視聴者も多いのではないか?民放の更なる自粛を望む。
  • テレビでの映画放映と映画のCM放送について意見がある。まず、映画放映についてだが、洋画劇場などの番組でホラー映画が放映されていることがある。私はホラー映画が苦手なので、ふとチャンネルを回した時にそういう番組を見ると非常に不快なショックを受ける。ホラー映画はショッキングな映像や音が出る時があるが、それを一瞬見てしまうだけで苦手な人には大変不快なものになるので、テレビでは放映しないでいただきたい。見たい人は映画館やDVDで見ればいいことで、テレビ放映の必要はないと思う。またR15等、成人映画に指定された劇場映画のCMの放送も禁止すべきだと思う。具体的には「SAW5」のCMを、先日、偶然に見てしまい大変不快だった。映画のCMは特にショッキングな映像や音を中心に編集して作られているので影響が大きい。テレビに目を背けても音は聞こえるのだ。映画自体がR15指定なら、15歳以下の子供も見る可能性のあるテレビでCMを流すのは不合理だと思う。

【編成に関する意見】

  • 東京で深夜に放送されているドラマを、北海道では、最近14時台に堂々と再放送している。過激なベッドシーンが盛り込まれた成人向けのドラマを子ども達もいる時間帯に放送するとは、いくら何でも非常識すぎる。我が家には中学生の子どもがいるが、定期テストなどで下校が早い時、私がいればさりげなくチャンネルを変えるようにしているが、それも限度がある。冬休みが始まるのでますます子どもだけで過ごす機会も増えるが、こうした番組から子ども達を完全に隔離することは難しい。「大人の娯楽」としてのこの種のドラマの存在は認めるが、放送時間を深夜に限るなど、最低限のルールは守るべきだ。
  • 年末で子供がテレビを見る時間が多くなるが、午後の3時台に殺人シーンなどが頻繁に出てくる推理ドラマを再放送すべきではない。それに適した放送時間を考えてほしい。

【差別や偏見を助長する】

  • バラエティー番組。この番組は大阪人を徹底的に嘲笑の的にしており、実際の姿を正しく伝えていない。大阪から関東地方に転校した子どもが「大阪人なら面白いことを言って笑わせろ!」と言われるという。いじめの材料にさえなりかねない内容のこの番組を、即刻止めて欲しい。

【犯罪を助長する】

  • バラエティー番組。出演者の誕生日をタダで祝おうという趣向で、デパート地下の食料品売り場に行って売り場の店員にわからないようにこっそり試食品をくすねた。どうも売り場の人たちもあらかじめ知っていたようだが、これは明らかに万引きという犯罪行為だ。これを子どもが見たら真似したくなる。冗談ででもやるべきではない。

【言葉に関する意見】

  • 料理番組内でのゲストの発言が余りにも酷すぎて子供に与える影響を考えると心配だ。なぜか美味しい事を「バカじゃないの?」「うっめぇ?」「すんっげー」等と言い、日本語を崩して使うのにも余りにも下品。ゲストの多くが若い女性だけに残念だ。バラエティーでは、汚い言葉を使うのが流行っているのかもしれないが、子どもへの影響を考えてください。
  • お笑い芸人が、「殺すぞ」「年越せねー身体にすっぞ」と真面目な顔ですごんでいて、見ていて怖くて震えた。ニュースでは、「タクシー運転手が乗客に『殺すぞ』と言われ、警察官が駆けつけて来るまで暴力をふるわれ続けた」という放送があったばかりだ。不況の世の中で殺伐としているが、自分の発した言葉に自らが煽られるように人を平気で傷つける青少年や大人が多くなっている。それだけに、メディアはメディアの持つ力と責任を自覚して番組制作をしていただきたい。家族揃って家でクリスマスを楽しむ中、テレビからの「殺すゾ」「年越せねー身体にすっぞ」はあんまりだ!!

【その他】

  • この時期、クリスマスがテーマの特集やドラマが多く放送されるが、その中で「サンタクロースをいつまで信じていたか」というインタビューやセリフをよく耳にする。同時に、親が子どもの枕元にプレゼントを置くシーンなどもよく見かける。そのうちに気がつくことだとは思っているが、まだサンタさんがいると信じている子ども達の夢をテレビ等で崩して欲しくない。子どもの友達のママ達も同じように思っているようだ。以前に子どもと一緒に見られるようなほのぼのとしたドラマにもそのようなシーンがあり、あわてて子どもに話しかけて気を逸らせたりしたことがある。この時期の番組は、放送する時間帯やドラマの設定を少し見直して作って頂きたいと思う。

第21回 放送倫理検証委員会

第21回 – 2009年1月

建設中のマンションをPR的に扱ったバラエティー番組

戦時性暴力を扱ったNHKのノンフィクション番組 …など

第21回放送倫理検証委員会は1月9日に開催され、まず建設反対運動が起きているマンションをPRのように扱ったのではないかとされるバラエティー番組について討議した。ある街の魅力的なスポットをランキング形式で紹介するという当該番組のコンセプトと、具体的な番組の問題点についていろいろな意見が出されたが、個別の事案としては取り上げないことにした。
NHKの戦時性暴力を扱ったノンフィクション番組について5回目の討議を行った。8年前の番組ではあるが、放送倫理上の問題がある可能性があると認められたので審議入りすることにした。
昨年9月の委員会で、バラエティー番組の演出方法や質の問題について事例を積み重ねた上で検討することを決めた件につき、事務局から中間報告が行われた。

議事の詳細

日時
2009(平成21)年 1月 9日(金)午後5時~8時15分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
川端委員長、上滝委員長代行、小町谷委員長代行、石井委員、市川委員、里中委員、立花委員、服部委員、水島委員、吉岡委員

建設中のマンションをPR的に扱ったバラエティー番組

この番組のコンセプトは、ある街で見つけたモノの良い面だけを捉えてランキング形式で紹介することなので、結果としてPR的な手法になることはやむを得ない。また、マンション建設の是非がテーマの番組ではないし、一方の主張だけを取り上げたともいえない。しかし、1位としたそのマンションを取材するときに係争中であることに気がつかなかった、というのは明らかに当該局の取材不足である。身近な街の紹介をコンセプトとする同種の番組は何本か放送されているが、十分なリサーチと、広告宣伝とは一線を画した毅然とした制作姿勢が求められる。
以上のような意見を踏まえて討議の結果、当該番組自体に放送倫理上の問題があるとまではいえず、委員会としては取り上げないことにした。

委員の主な意見は次の通り

  • 今までのこの番組の流れから見て今回が特別とは思わない。広告を模したつくりがコンセプトなので、PR的な番組にならざるを得ない。
  • 六本木など再開発の流れの一環として、街全体の大きな変化としての取り上げ方ではないか。たださまざまな配慮が足りなかった。
  • 番組制作過程においてPR的な要素を、疑おうと思えばいくらでも疑えなくはない。そのような番組を放置しておいていいのだろうか。
  • 放送法とか番組基準で考えていくと、広告と番組の境界線を壊していて、ある意味ではテレショップ番組より質が悪い。この番組だけをあげつらうんじゃなくて、全体的にチェックしていかなければいけない。
  • 報酬が伴われて番組にしたとすれば問題だが、番組制作者が本当に価値がある情報だと判断して紹介するのであれば問題はない。放送の中で商品を紹介することに対して、何がいえるかはかなり難しい。
  • 例えば、番組で書籍をストレートに紹介するとPRになるが、これは私にとっては役に立った書籍ですということと、これはこの地域にとって活性化にとても役に立つ再開発ですということ、PRと番組の境目がどこにあるのか難しい問題だ。
  • この種の番組は他にもたくさんある。店に入っていってコマーシャルベースで商品を紹介したりする。コンセプトがゆるくなっている。
  • 番組を通して見て、マンション建設を1位にしたことが悪いかというとそうともいえない。放送倫理の問題として何かがいえるのかというと難しいと思う。ただ、係争中のものを番組の中で取り上げて積極的に評価をして良いのかは疑問だ。
  • 視聴者サービスなのか広告まがいなのか、その境が難しい。制作者のセンスが重要だ。宣伝くささが立ちすぎると、番組の魅力がなくなるから必然的に視聴者が離れる。
  • このマンションを1位に持っていったのは作為的だ。つまり、1位以外はほとんどが食べ物店やせいぜい花屋くらい、店ばかりを紹介しておいて突如このマンションが1位はあまりにも不自然だ。
  • 番組を作るに当たって係争中ということを知らなかったというのはおかしな話だ。現地の人はみんな知っているはず。当該局は1週間の調査をしたとあるが、本当に知らなかったならば取材・調査不足だ。
  • このマンションを紹介するなら、値段や間取りと並んで係争中であることも必要情報として放送すべきではないか。
  • あの番組のコンセプトは紹介するものを全て好意的に捉えているから、マイナス情報は出せない。
  • 街作りをどう見るかの問題だ。再開発をして街を作っていくのがいいという人もいれば、今までの環境が変わるのがイヤだという街作りもあって、どちらがいいとは言い難い。

戦時性暴力を扱ったNHKのノンフィクション番組

戦争と裁判をメインテーマに、戦時下における性暴力を扱った8年前に放送されたノンフィクション番組(『ETV2001「シリーズ戦争をどう裁くか 第2回問われる戦時性暴力」』)。制作過程において政治的な圧力により内容が不当に改変されたと関係者が主張している事案について5回目の討議が行われた。
これまでの議論を踏まえて担当委員によって作成された、放送倫理上の問題点を整理した文書を元に討議がなされた。その結果、当該番組の制作プロセスを、NHKが自ら公開している文書および最高裁判所の判決により検討する限り、放送の自主性・自律性がどこまで守られたのかについて疑いが残ると認められるので、放送倫理上の問題がありうるとして、事案の審議入りを決めた。
今後の審議のため、NHKに補足的な説明を求める質問書を送ることにした。NHKの回答をまって、さらに議論を進めることになった。

まとめて議論する予定のバラエティー番組についての中間報告

委員会運営の問題点や新年度に向けての課題等について意見交換を行った。
まず、事務局から次のような現状と運営上の問題点を提示した。

第17回の委員会において、個別に審議するほどではないが、放送全体の倫理水準という意味では見過ごせないバラエティー番組が散見されるので、まとめて検討することを決定した。その後、討議の対象になりうるとしてリストアップされた10番組について、事務局から報告された。
今後は、担当委員を決めて番組の分類、分析等を行い、具体的な検討資料が作成された段階でその取り扱いを討議することにした。

以上