第101回 放送と青少年に関する委員会

第101回 – 2009年5月

フジテレビ『めちゃ2イケてるッ!』4月11日放送分の局からの「回答」および5月16日放送分について

視聴者意見について

5月26日に開催した今年度第2回青少年委員会(通算101回)では、1社1番組からの「回答」について審議したほか、4月19日~5月16日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見を基に、バラエティー2本、報道番組1本のビデオを視聴のうえ審議した。

議事の詳細

日時
2009年5月26日(火) 午後4時30分~7時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見委員長、境副委員長、小田桐委員、加藤委員、軍司委員、萩原委員、渡邊委員

フジテレビ『めちゃ2イケてるッ!』4月11日放送分の局からの「回答」および5月16日放送分について

4月11日放送分の審議内容については前回の議事概要を参照。
同番組の5月16日放送分で、女性タレントが他の女性タレントに対し「いじめ」的な行為を連続して行ったことに対し、「特定の一人に対していやがらせをしつこく繰り返し、周囲の人間も笑っている。陰湿ないじめによく似ている」「いじめをエスカレートさせる恐れがある」といった視聴者意見が複数寄せられ、あわせて審議した。

【青少年委員会からの「回答のお願い」】

(1)番組のコンセプト及び次々といじめ的な行為を仕掛ける意図は何ですか、(2)「とりわけ児童・生徒の視聴に十分配慮する」時間帯に放送されていますが、視聴者、特に子ども達が真似するのではとの危惧はなかったのですか、(3)『めちゃ2イケてるッ!』については、今年2月24日の青少年委員会でも、頭からビニール袋を被せたりするコーナーについて議題になり、「英国ではスーパーマーケットの袋に穴をあけるほど(窒息の)危険性を考えている」「制作者達が長時間かけ、真剣に議論した結果なのかと疑問を感じる」などの意見を第98回の議事概要に掲載しています。これらの意見は、制作現場に反映されていますか。反映されているとすれば、具体的にどのような議論があり、放送に至りましたか、(4)青少年委員会では、2000年11月に『バラエティー系番組に対する見解』を、さらに2007年10月に『「出演者の心身に加えられる暴力」に関する見解』を公表していますが、これらの見解は制作現場にどのように浸透していますか。また、制作者はどう受け止めていますか。

【フジテレビからの「回答」】

(1)について
番組のコンセプトは、SMAPの中居正広さんとナインティナインの3人が日本一周の旅をする中、各所でハプニングが起き、それを中居さんが明るく乗り越えていくというコントです。不景気の中、視聴者の方々に明るく元気をもたらしたいというロケ企画でした。ご指摘のシーンはその企画の一環で、中居さんの鼻の下に描かれたヒゲをビニール袋を破くと初めて見えてくるという演出意図で、いじめ的な行為を表現したものではございません。

(2)について
上記の演出意図のもと企画されたもので、ヒゲを隠す道具としてビニール袋を使用することに専心してしまいました。特にいじめを目的としたことではございませんが、ご指摘を受けた点は真摯に受け止め、今後の番組作りに生かしていきたいと考えております。

(3)について
ご指摘頂いた点につきましては認識をしており、リハーサルを行い、安全性を担保して収録を行いました。今回のご指摘に関しましては視聴者、とりわけ子供たちに与える影響を鑑み、十分に検証し、今後更なる配慮をもって番組制作を行っていきたいと考えております。

(4)について
各々ご指摘頂きました見解に関しましては十分に認識しており、日常の会議、収録に際しましても折りにつけ指導、意識を徹底するべく注意を喚起し、番組スタッフに遵守させるような形でのぞんでおります。今回の放送に際しましても議論をし、安全性を確保して収録を行いましたが、ご指摘頂きました点につきましては重く受け止め、今後、ビニールを頭に被せるという演出は番組として回避するよう、改めてスタッフ全員に周知徹底をはかり、番組制作に反映させて頂く考えです。

【「回答」に対する委員の主な意見

  • プロデューサー名で来た回答であるのに想像以上に事務的・表面的で、現場では真剣に議論されていないのではないか。
  • このような「回答」は初めてで、会話になっていない。苦情を寄せた視聴者がこの回答で納得するわけはない。
  • 番組が大きくなっていくと、現場自身も自己コントロールができなくなっている状況があるのではないか。
  • ビニール袋をかぶせるというような手法は今後やらないという回答ではある。

【5月16日放送分についての委員の主な意見】

  • 今回の放送のほうがはるかに不快。出演者ファミリーが単に悪ふざけを楽しんでいるだけで、こういう放送を続けることが、新たな規制を呼び込んでしまう危険性があることを認識してほしい。
  • いじめの積み重ねで、不愉快極まりない。いじめる方といじめられる方、そしてその周囲が笑っているというまさにいじめの構図。
  • この放送がいじめを助長することにはならない。子供達もいじめがこんなに不快なものであるということを感じとるはず。

以上の審議の結果、青少年委員会としては、この番組について視聴者からの懸念、批判の意見が多く、人気番組でありその影響も大きいことなどから、回答の件を含め、直接、制作担当者との意見交換をしたいという方向になった。この件については、再度協議をしたうえで最終的に判断することとした。

視聴者意見について

1.日本テレビ『ザ!世界仰天ニュース』

血液型に関する事例の再現VTRを核に、スタジオ出演者が会場アンケートなどを交えトークを展開する企画に対し、「BPOの『血液型を扱う番組に対する要望』に抵触しているのではないか」「科学的根拠がなく、差別・偏見を助長させる」といった意見が寄せられ、VTRを視聴のうえ審議し、委員から以下の意見が出された。

<委員の主な意見>

  • 一般的にいわれる血液型と性格との関連を否定する発言もあり、差別や偏見を助長するとまではいえないのではないか。
  • BPOの「要望」には従っていないとの印象を受けた。
  • 血液型は話題としてある程度共有されており、この番組も必ずしも断定的でない。

以上の審議の結果、青少年委員会としては、今回放送分は血液型による差別を助長するような内容にはなっていないと判断した。そのうえで、各局に対し、血液型を扱う番組の制作にあたっては、今後とも血液型によって人間の性格が規定されるという見方を助長することのないよう注意することを求めるという意見で一致した。

2.TBSテレビ『総力報道!THE NEWS』

18歳未満が購入することができないアダルト系ゲームの規制問題を取り上げた際、その内容説明やパッケージの映像表現について、「直接的で子どもが見ている時間にふさわしくない」「子どもへの悪影響が心配だ」といった意見が寄せられ、VTRを視聴のうえ審議し、委員から以下の意見が出された。

<委員の主な意見>

  • 報道のあり方として、このような問題を取り上げること自体は問題ない。
  • 放送する時間帯を深夜などにすべきだったとの意見については、ある程度は理解できる。
  • 報道として伝えるべきことは伝えるべきであり、子どもに悪影響があると思うなら親子で話し合うべきだ。時間帯をずらせばよいという話ではない。

以上の審議の結果、青少年委員会としては、番組で取り上げたこと自体については社会に伝えるべき正当な事柄であり、問題と感じるのであれば親子で対話するなどして解決すべきだ、という意見で一致した。

中学生モニター報告

5月は、バラエティー番組について普段から感じていることを率直に書いてもらったが、31人全員から33件(1人で複数件の報告あり)の意見が寄せられた。
局別では、日本テレビ系が14件(うち読売テレビが1件)、フジテレビ系が8件、TBS系とテレビ朝日系が4件ずつ、テレビ東京系と関西テレビ(ローカル)が1件ずつだった。そしてあまり見ないという意見が1件あった。

  • まずバラエティー番組を肯定的に見ているか否定的に見ているかに大きく分けると、肯定的な意見が3分の2だった。ただしそのうち手放しに絶賛する意見は6件だけで、肯定しながらも番組への批判意見を持つモニターが多くいたのが目立った。
  • 一番多く3件の意見があった番組は『サプライズ』で「火曜日が好き。ブカツの天使というコーナーがよい」、「国民にアンケートをとるような形で進められるのがとても面白い。ただ選択肢に”その他”というものも入れてほしい」などだった。
  • 2件の意見があったのは4番組で、『エンタの神様』は「ネタをじっくり見られ、芸人が切磋琢磨しており、ネタのジャンルも幅広くて良い」という意見と、「マンネリ化でつまらなくなった。単につまらないだけならまだマシだが、シモネタに走って笑いを取る芸人がいるのはよくない」という意見で、賛否に分かれた。『クイズヘキサゴン?』も、「工夫をこらしたクイズの出し方は評価できるが、毎週同じようなことをすることに対しては反対」という意見と「ワンパターンにならずずっと楽しんで見ることができる」という意見があり、2人の見方が異なっている。『行列ができる法律相談所』は2人とも「法律のことをもっとたくさん放送してほしい」という意見だったが、1人は「法律外のトークからカンボジアに学校を作ろうプロジェクトができた」という事実も認めている。『ひみつのアラシちゃん』は「はじめの頃は、メンバーが社会のなぞを紹介していくもので、とてもためになって面白いなと思っていました。今は世界各地のすごい映像をただ流しているだけで、どこが”ひみつ”なのか分からないです」という批判があり、もっと嵐のメンバーを生かしてほしいということが2人の共通した要望だった。
  • 他に21番組に1件ずつ意見があったが、まず6件の絶賛意見を紹介する。『太田光の私が総理大臣になったら・・・』は「今世の中で起こっていることがとても分かりやすい」、『東京フレンドパーク』は「いろいろな分野で活躍している芸能人がかわるがわる出ていて、内容もとても面白い」、『志村どうぶつ園』は「出てくる動物もかわいいが、出演者もとてもいいメンバーがそろっていて、夕食の時一番見やすい」、『たけしのニッポンのミカタ』は「物理や化学に親しみがわき、研究者になりたいと思った」、『アメトーーク』は「普段ほかの番組では見られない部分が良く見え面白い」、『たかじん胸いっぱい』は「キー局のようなどこかかた~い番組でなく、何となく見られ本当に笑える」、などという内容だった。
  • その他好評意見としては、『スクール革命』に「罰ゲームは気になるが、JUMPの3人が似た年代で気持ちが通ずる」、『ナニコレ珍百景SP』に「気分転換にもってこいの番組。平和な日本に住んでいるのが感じられる」、『ペケ×ポン』に「つくり笑いが少なくしらけずに見ることができる」、『サタスペ!1万人に徹底調査!女子が好きなアニメvs男子が好きなアニメ』には「アンケートをとり、名場面を抽出しており偏りがなく良かった」、などがあった。
  • 批判意見の主なものを紹介する。『しゃべくり007』に「ピー音が多すぎ、スタジオは盛り上がっても、見ている方はしらけることがよくある」、『ネプリーグ』に「ネタがつきてしまっている感じ。レギュラーが司会ではなく解答者になっているためパターン化している」、『爆笑レッドカーペット』に「ゲストは面白くないことが多く、エロネタはゴールデン放送になったのでほどほどに」、『爆笑レッドシアター』には「”100人の笑顔を集める旅”も面白いが『田舎に泊まろう』とそっくり」、『秘密のケンミンSHOW』には「県民というのに、その県の中の一部の市だけだったりするのが、ちょっとおかしい」などの批判があった。
  • バラエティーを見ないという意見は「お笑い芸人が、同じフレーズを連呼したり、意味不明なことを言ったり、他のタレントをばかにしたりで面白くない。ネタ番組はネタが短すぎる」というものだった。

6月のモニター報告は、3日(水)から9日(火)までの一週間で見た主な番組を5本まで挙げ、面白かった番組・つまらなかった番組1本ずつについて、その理由を書いてもらう。

2009年4月に視聴者から寄せられた意見

2009年4月に視聴者から寄せられた意見

「追加経済対策」「G20会議」など麻生総理関連の意見と、「献金疑惑」など民主党小沢代表関連の意見が多かった。報道に関するキャスター・コメンテーターの発言に対する批判意見も多く寄せられた。北朝鮮のミサイル発射、不法滞在のフィリピン人家族についての意見も引き続き多かった。

ニュース・報道番組、情報系番組での政治報道についての意見が多かった。政治報道としては「追加経済対策」「G20会議」など麻生総理関連の意見と、「献金疑惑」など民主党小沢代表関連の意見が多かった。

4月に電話・FAX・郵便・EメールでBPOに寄せられた意見は5,041件で、3月と比較し2,161件増加した。

【視聴者意見のアクセス内訳】

方法:Eメール86%,電話12%,FAX1%,手紙ほか1%
性別:男性74%,女性25%,不明1%
世代:30歳代38%,40歳代23%,20歳代19%,50歳代11%,60歳以上8%,10歳代1%

2008年度までは、BPOに寄せられた視聴者意見を「人権」「青少年」「放送全般」「BPO」「その他」に意見分類して表示していましたが、意見のアクセス方法として「メール」によるものが大半を占めるようになり、一つの意見の中に「番組及び放送への批判・批評」「青少年へ与える影響」「それに対するBPOへの提案・苦情」などの要素が含まれるものが多くなったことから、今年度からは意見分類することをやめ、「意見総数」のみを報告することとした。
またこの他に、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、17件を全加盟局・局に送信している。

視聴者の意見のうち番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。4月通知数は3,945件(46局)であった。

意見概要

人権等に関する苦情

4月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

  • 人権に関する審理・斡旋の要請・・・・・・・ 4件
    (個人または直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・ 71件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

番組全般にわたる意見

【意見の傾向】

4月の視聴者意見の大きな傾向として、まず、アクセス方法としてメールによる意見投稿が全体の86%と増加したこと、そして内容として先月に引き続き、ニュース・報道番組、情報系番組での政治報道についての意見が多かったことが挙げられる。政治報道としては「追加経済対策」「G20会議」など麻生総理関連の意見と、「献金疑惑」など民主党小沢代表関連の意見が多かった。報道に関するキャスター・コメンテーターの発言に対する批判意見が多く寄せられ、キーワード検索で「不適切な発言」で142件、「不適格な出演者」で255件が該当した。
北朝鮮のミサイル発射、不法滞在のフィリピン人家族についての意見も引き続き多かったが、近代日本の歴史に焦点を当てたシリーズ企画関連意見、道路清掃の二重行政報道関連意見、新型インフルエンザ報道関連意見も多かった。また、アイドルタレントの公然猥褻での逮捕報道が過剰ではないかという意見も多かった。番組が偏向している、公平・公正でないという意見、不適切な内容や発言などに対する説明・謝罪の方法を問う意見も多く寄せられ、キーワードの「偏向」で1,373件、「公平」で703件、「謝罪」で786件該当した。バラエティー番組、ドラマに関する意見は少なく、特に期首特別番組・新番組への意見は少なかった。一方、放送局の視聴者応対に関する意見、パチンコのCMを規制すべきという意見は先月より増加した。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は129件で、前月より20件以上増加した。
パチンコCMへの苦情も相変わらず多いが、今月はうさぎを特集した教養・教育系番組に、動物を虐待していて子どもへの悪影響が心配だという意見が20件近く寄せられたのが目立った。

意見抜粋

番組全般

  • 芸能人が自分の経営する店を宣伝しているが、最近は目に余るものがある。あるタレントの牧場などは、全国ネットのゴールデンタイムの番組で1時間まるまる宣伝していた。地方の菓子屋でも地元の放送局に宣伝費を払ってCMを流しているのに、芸能人というだけで公共の電波を使って自分の店を宣伝していいのだろうか?電波は公共のものであって芸能人のものではない
  • BPOから勧告を受けた番組の検証放送をすると聞いた。しかし、放送した番組は全国放送なのに、検証番組は東京ローカルの番組である。私は大阪に住んでいて毎日のようにその報道番組を見ているが、これでは検証番組は見られないではないか。検証番組も全国ネットの番組として放送すべきと思う。また、番組の放送時間だが、早朝ではなく、普通の生活を送っている人が見られる時間に放送してほしい。
  • 盗聴の実態の特集をやっていた。私も調査をしたことがあるが、番組内容はやらせではないかと思った。普通、盗聴器は部屋の会話がかき消されないために、大きな音の出るテレビやエアコンの近くには付けない。また、家庭内に仕掛けられている盗聴器は家族や友人が付けていることがほとんどなので、いきなり訪ねて「仕掛けられているから調べさせて」とは言わない。人間関係を壊すようなものだ。あくまでも依頼があってから行くのが普通だ。本当にこんな調査をしていたら大問題だ。「盗聴を仕掛ける行為は取り締まれない」と番組では言っていたが、他人が仕掛けるのであれば「不法侵入」であり「器物破損」になる。またこの発見業者も便乗盗聴して、依頼もないのに仕事で使用したとなれば電波法に触れる。許されるのは傍受だけだ。
  • わいせつな無修正DVDを製作・販売した人物が逮捕されたニュースで、ぼかしが入れられながらも女性が股を開いている姿が流された。家族で見ているテレビでこういった映像を流すことの影響を考えていただきたい。番組を作っている人間は、見ている者の状況への想像力がないのだろうか。報道内容を聞けばわかるのだから、いちいちわいせつの映像を流すのではなく、それ以外の、例えば犯人を連行する場面やその建物など、普通の映像を流せばよい。
  • 不倫問題でバッシングを受けたタレントの話題になった時、芸能リポーターが「テレビ業界・芸能界に倫理観を求めるな!」という発言をしていた。それに対して番組内の出演者も賛同して「不倫など大した問題ではない」「法律を犯した訳じゃないんだからいいだろう」などと言っていた。法律に触れる云々は別にしても「テレビに倫理観を求めるな」という発言は問題ではないのか。看過できない発言だ。
  • 女性研究者が専門分野の研究で優れた成果を挙げ、テレビのワイドショーでそのことが取り上げられた。その際、どこの局の番組も「”美人研究員”が優れた研究を成し遂げた」と、必ず”美人”という言葉を使っていた。これは女性の研究員であることを特別視し、差別していることに他ならない。なぜ、男性と同じように、業績だけを取り上げてもらえないのだろうか。
  • 「東京マラソン」で倒れたタレントに関連して、番組内でAEDの使用法を説明していた。しかし、私はそれよりもそのタレントが倒れた原因を放送するべきではないかと思った。「日頃どんな練習をするべきか」とか、「どんな体調でマラソンに参加すると危険なのか」を放送するべきと思う。
  • 高速道路料金が1000円の話題を取り上げた際に、コメンテーターが「ETCを取り付けた普通車だけが割引の対象で、車に乗らない人やトラックは除外されている」と、大変憤慨していた。そもそも、高速料金が1000円になることについてはいろいろな意見があると思うが、支持している人のほうが多いと思う。なぜかどの番組でも高速道路料金1000円についての「支持・不支持のアンケート」をしていないのを疑問に感じる。「定額給付金」の時には散々アンケートをしていたように記憶している。
  • 「税金を滞納している市民の定額給付金を差し押さえた」ことについて、コメンテーターが「抗議する市民の気持ちもわかるが、景気回復のためにものだから使わせてあげるべき」という趣旨の発言をした。しかし、納税は義務であり義務を果たさないままに権利のみを追及するのは倫理に反すると思う。このような無責任な発言を堂々と公の電波にのせるのは、教育上も大変悪影響を与えると思う。
  • 工業技術等の世界標準化という内容の中で、解説者が「韓国と共同で世界標準化を進めて欧米に対抗」という趣旨の発言をしていたので驚いた。「安全基準テスト等の日本の情報の蓄積」などを紹介していたが、それらは民間企業や研究機関など現場の努力や、良心的なものづくりの姿勢から作られてきた貴重な財産だ。コストも時間も相当にかかっているものであり、外国と共有するなら、相応の対価が必要なはずだが、そういったことは聞かれなかった。韓国は中国と並んで知的財産権の侵害が多いといわれる国であり、むしろ警戒する必要があるはずなのに、このような不用意な発言を放送するのは問題なのではないか。
  • 「可能性がある」という日本語が、テレビで相変わらず間違って使われている。本来、「可能性がある」というのは「何かが将来的にできるであろう」という時に使う言葉である。それなのに、事件や事故など、過去に起こったことを伝える時にまで「この事故は、**が原因の可能性がある」などと使われている。テレビだけではなく、農水省のBSE(狂牛病)の公式文書にも「原因は飼料の肉骨粉の可能性がある」とあるし、防衛省が出している白書にも「他国に侵略される可能性がある」という文言が出てくる。やはり、正しい日本語として「疑いがある」「危険性がある」という言葉を使うべきである。この言葉遣いで最も気になるのがプロ野球の解説である。「打たれる可能性がある」はまだしも、「ピッチャーは肩に疲労を感じている可能性がありますね」などと言われると愕然とする
  • 先日、ラジオショッピングでカニを紹介していた。パーソナリティーが「こんなに一杯入ってこの値段は安いですね」と言っていたのでその言葉を信用して購入した。しかし、届いた商品は非常にお粗末な物だった。局に電話をして商品の粗悪さを伝え「局で誰か商品を確認したのか?」と聞くと、最初は「食べました」と言っていたが、話が進むうちに「実は、食べていないし見てもいない」と言われた。商品を見てもいないのに、いかにも素晴らしい物のような無責任な放送をすることが許せない。
  • 街中で”鬼ごっこ”まがいのことをしている番組がある。遊園地など閉鎖された敷地内で行っていることもあるが、多くは街中でロケを行っている。役所が許可を出しているのなら問題はないと思うが、一般通行人にとっては危険であり迷惑な話だ。早朝のロケのようだったが、番組中に何回も、鬼役の人に追いかけられた出演者が通行人のすぐ横を全力疾走で通り抜ける場面が放送された。また、見通しの悪い曲がり角も速度を緩めずに走り抜けているので、歩行者と衝突する可能性も大きい。この番組は一般歩行者や通行車両の安全に対する配慮を欠いている。今まで事故が起きなかったのが不思議である。ぜひとも、一般通行人や通行車両に迷惑をかけないように改善していただきたい。
  • 「ケニアで井戸を掘り、飲み水を提供する」という企画があったが、問題点があると思った。番組で「川から汲まれている水が汚れている」と言っていたが、その根拠となる水質検査のデータの開示がなかった。水が濁っているのは確認できたが、上下水道工学では、濁りと水の汚染は関係ない。また、掘った井戸から出た水が透明であるからといって、その水がきれいな水であるというわけではない。水が透明でも、細菌・有害金属・砒素・硝酸などを調べなければ飲み水にできない。これは常識である。番組では水質に関する正しい知識を現地住民に周知させていない。善意だけでは人助けにはならない。技術的な裏づけがなければ犯罪行為につながることを放送局は知るべきではないか。
  • 北朝鮮のミサイルに関連し「国際社会で騒いでいるのは日本だけ」等と言い、G20で国連安保理決議への協力を各国に要請した日本政府の対応を批判していた。ミサイルが領土の上空を通過する日本と、そうでない国々の対応や反応は異なって当然です。それを「日本だけが騒ぐ」と報道することは不適切だと思う。 また、日本政府が国連安保理決議への各国の協力を要請することが、どうして批判されることなのだろうか。北朝鮮のミサイル発射には「北朝鮮による中東・アフリカ諸国への武器セールスのデモンストレーション」という側面も兼ねていると聞く。今後、北朝鮮のミサイルが中東・アフリカ諸国の手に渡り、紛争やテロを拡大する恐れもある。そうなれば北朝鮮のミサイルは、東アジアのみならず世界中の安全保障に影響を与えることになる。そのような近い将来の危険性を無視して、ミサイル問題を矮小化して報道するのはおかしい。
  • 北朝鮮のミサイル発射の前日の収録だったようだが、ミサイルが通過するとされる地方の保育園を男性リポーターが取材していた。その際、リポーターがある子どもにマイクを向け、「ミサイルが落ちて来るんだよ。どうする?」と問いかけた。その子どもは特に過敏な反応を見せなかったが、小さな子どもをいたずらに不安にさせるような質問をするなどもってのほかだ。リポーターの常識を疑う。
  • 近代日本の歴史シリーズで、「なぜ、日本が開国以来急激に国内国外を近代化しようとしたのか」の目的や経緯の説明が少なく、バランスが悪かった。また、台湾が統治される前の状態が説明されていないので、一方的に日本人が悪いように感じられた。たとえば教育についてだって、それまでの就学率が分からなければ判断できないではないか。
  • 台湾の皇民化政策についてのドキュメンタリーだったが、統治時代における日本の教育を受けた台湾人の方々がインタビューを受けていた。内容は、みな揃って日本の統治時代を悪くいうものであった。確かにそのような感情をお持ちの方々もいるのだろうが、果たしてすべての方々が統治時代を悪く思っているのだろうかと疑問を抱いた。私は仕事や旅行で何度も台湾を訪れているが、高齢の台湾人の方で「日本の統治時代が一番良かった。この国が一番よかったときは統治時代だ」とか「今でも私は自分のことを台湾人ではなく日本人だと思っている」と言う方々を知っている。一方的に日本の統治時代を悪と決め付けるのではなく、賛否を含めたインタビューを放送するべきである。
  • 近代日本の歴史を扱うシリーズだが、大変よい番組だと思った。日本が近代化する過程でどのような振る舞いをしなければならなかったのか、そして、その時アジアの諸国にどのような対応をしなければならなかったのかが分かり、大変興味深かった。限られた時間でうまくテーマに沿って制作されていたと思う。 難点を言わせて頂けるならば、なぜ「民族自決主義」が主張されるようになったのか、その背景の説明があればよかったのにと思った。第2話以降も期待している。
  • 地図のないギニアで命懸けの測量を行い完成させた執念の男を紹介する番組で、「JMR」という装置を紹介していた。放送では「アメリカ軍が第二次大戦中に使っていた衛星を利用した、所謂GPSの先駆けとも言える・・・」と言っていたが、第二次大戦中に衛星などあるはずがない。これでは、国民が間違った情報を受けてしまった事になる。テレビ局は自らの影響力について危機感を持ってほしい。
  • 番組のエンディングに出演者の氏名が画面に流れるが、ある時期からクレジットの流れ方が速くなった。最近ではあまりに速くて文字をない。どこの局でも同じなのだが、これはどうしてなのだろうか。俳優の氏名を知りたいと思っても、分からないまま終わってしまうことも多く、とても残念だ。是非改善してほしい。
  • 放送前日から番組の宣伝で「山口百恵と釣り対決」と、盛んに放送していた。あの往年の歌手である山口百恵が何十年ぶりかでテレビに出るのかと思い、DVDまでセットして放送を見た。すると出演者は、山口百恵と同姓同名ではあるが、全くの別人であった。同姓同名なのだから間違いではないが、視聴者を騙すような放送はやめていただきたい。
  • 番組キャスターが、結核についてのコメントで「大変な病気ではない」と発言していたが、本当の恐ろしさが分かっていないようだ。結核という病気は、いつ、誰からともなくうつされる可能性があり、一度発病したら長期隔離の闘病生活となる。今の不景気な状況だと職を失いかねない。確かに死亡率は低い病気だが、再発時には病原体の薬剤への耐性力などが強くなるなど、厄介な病気だという事を報道は社会に知らせる必要がある。
  • 中国の「四川大地震」の時は、義援金の募集や日本政府の援助についての報道が何度も行われていた。しかし、今回の「イタリア地震」については義援金の募集などの報道が一切ない。どうしてマスコミはイタリアの地震被害に対して義援金募集をしたり、政府援助についての報道をしないのだろうか。「四川大地震」の時とのこの差はいったいなんだろう。
  • 韓国にまで買いに出かける人が多いほど人気のある韓国の化粧品だが、先日から韓国では原材料にアスベストを含むタルクが使われていた商品の回収命令が出て大騒ぎになっている。しかし、購買者に対しての周知が全くされていない。テレビでも全く報じられていない。「円高で韓国旅行が安い」「一番人気の商品だ」とテレビでは散々勧めていたのだから、この化粧品の危険性を知らせる報道がされないのはおかしいと思う。テレビ各局は消費者に注意を促す必要があるのではないか。
  • 身体に障害のある女子生徒の両親が「娘を普通の中学校に通えるようにして」と訴えている問題を放送していたが、「学校側は努力をして、この生徒を受け入れるべき」という姿勢で一貫していた。しかし、この女子生徒を受け入れるためには学校施設の大幅な改修が必要で、しかも常に介助が必要である。保護者会での意見も両親に有利な意見しか放送していないが、反対の意見も放送しなければ著しく不公正だ。このような万一の場合の責任問題にも発展するデリケートな問題を、放送局の一方的な意見に基づいて放送するのは問題があると思う。「この女子生徒が一般の中学校に通えないのは差別である」という主張のようだが、「障害者向けの学校は一般中学校に劣る」と暗に言っているのと同じではないか?この生徒の安全、教職員の負担、自治体の財政負担を考えれば、設備の整った養護学校に通うのが一番幸せだと思う。
  • 麻生総理が「弥栄」を「いやさかえ」、「三種の神器」を「さんしゅのしんき」と読み間違えたと報道しているところが多々あったが、これは間違いではない。なぜマスコミは報道する前に神社関係者などに読み方を尋ねたりせずに麻生総理を貶めようとするのか。
  • 太陽の黒点現象の影響で地球の気候変動が起きることは、科学者の間では常識と言っても過言ではない。ところが、今回の番組では「地震との相関関係がある」という報道がされた。しかし、地震は地球の内部エネルギーに由来するものだ。番組で紹介したのはどの学者の見解なのか?どこかの文献にあったのか?その学者の名前は?文献名は?その反論意見はあるのか?放送局に聞いてみたい。そもそもこの番組では、それぞれの道の専門家であろうコメンテーターによって「・・・と言う人がいる」などという無責任な発言が頻繁に使われている。科学的な内容のコメントには、客観的に共有し得る情報を欠かしてはならないと考える。
  • ブラジル奥地の原始部族の奇習を紹介していた。その部族内では、生まれたばかりの赤ん坊を「人間」として生かすか、「森の精霊」にするために殺すかを母親の一存で決める。後者の場合は、バナナの葉にくるんだ嬰児をシロアリの巣穴に放り込み、巣ごと焼き殺すことにより「『森の精霊』として永遠の命を与えられる」とされる。番組では生きた赤ん坊を焼き殺す場面を全て映し出していた。原始部族にとっては「聖なる儀式」であることは理解できる。しかし、文明国である日本から現地に行ったスタッフは、そのような恐ろしい行為を撮影することに何のためらいも嫌悪感も持たなかったのだろうか?しかも、全体に「聖なる」「現代の奇跡」「神秘」等の美辞麗句をちりばめ、「殺人」を肯定的に捉えていた。番組を見て強い憤りを感じた。
  • 不法滞在していたフィリピン人一家の長女を顔出しで放送するのは、彼女の人権を侵害していると思う。もし本人が認めても、局として配慮すべきと思う。フィリピンのテレビのニュースでは、彼女の顔にモザイクをかけていた。日本人の場合なら、このように顔出しのインタビュー映像を放送するだろうか。
  • 「超一流を育てる教育」を扱った番組で、「子供と接する時は後ろから接する」と発言していた。その理由は、「向かい合わせの状態で右手で食事を与えると、子供が左手を使うようになることが多いから」とのことだった。この内容からすると、「左利きの人間はダメ。番組内で定義された『超一流』にはなれない」と受け取れるが、これは左利きの人間に対する差別ではないか?最新の脳科学を取り上げている番組内容だからこそ、左手を使うとダメな理由について、きちんとした裏付けを取るべきではなかったか。
  • 番組冒頭、局の女性アナウンサーが喪服を着て「今日、未明、歌手のKさんがお亡くなりになりました。今夜は、予定されていた番組内容を急遽変更して追悼番組をお送りしていきます」と告げた。ビックリしました。 家族も皆テレビに釘付けでした。しばらくしてパロディだと分かりましたが、 視聴率を取るためなら何でもありなのでしょうか? 放送でこのようなことをしてもよいのでしょうか?
  • 各局の報道番組で、2016年に開催されるオリンピックの立候補都市視察のためにIOCの評価委員が来日したことを伝えていた。しかし、このオリンピック招致活動に関する報道については、どの局の報道も偏っていたように思われる。番組に出て来るのはオリンピックの華やかな部分が強調された賛成意見ばかりで、反対意見がまったく出てこない。これはおかしい。開催資金や会場問題等、賛否両論があるはずであり、その両方を伝えることで初めて正しい報道と言えると思う。
  • 地上デジタル放送のイメージキャラクターとして各局のテレビ番組に出演しているタレントが公園で全裸になって騒ぎ、公然わいせつ容疑で逮捕された。そのことが今朝の各局のワイドショーで盛んに伝えられているが、どうせ、それもここ数日限りのことだろう。過去の例に倣い、テレビ局はほとぼりが冷め次第、再び彼をテレビ番組に迎えるのだろう。しかし、そのようなやり方では視聴者は納得しない。一度犯罪を犯した芸能人に対して、マスコミはもっと厳しい態度で臨むべきではないか。
  • 国会中継中に、アイドルタレントが公園で全裸になり騒いで逮捕されたという「ニュース速報」のテロップが流れた。しかし、話題性があるからといって、この程度のことで「ニュース速報」を流すのはおかしい。地震や事故の速報なら緊急性があるが、タレントの逮捕など緊急でもなんでもない。局に聞くと「国民の関心が高く、話題性があるので速報という形で放送しました」と言っていたが、その判断は間違っていると思う。
  • 民放連が基準を変更して、通販番組を「広告」ではなく「生活情報番組」と規定した。現在、この手の番組は非常に多いが、通販番組は視聴者が本当に見たい番組ではないと思う。制作費のかからない通販番組を安易に放送することは、視聴者をバカにする行為だと思う。
  • 日常生活での競争活動を「戦争」と表現することがあるがおかしいと思う。最近気になったのは「値下げ戦争」という表現だ。どうして「値下げ競争」ではいけないのか。以前、コンビニの「弁当戦争」という報道もあったが、「秘密兵器」や「武器」と表現することもやめてほしい。平和時の日常活動を戦争になぞるのは止めてほしい。
  • 日本と朝鮮半島との歴史を考察する番組を見た。学術番組としてやっているはずの番組だが、学術として放送するには問題があるように思える内容だった。既に見つかっている中国の資料や日本産の勾玉などの物的証拠を無視して結論を出しており、白虎・青龍・玄武・朱雀のこと等、中国が起源の文化さえも「朝鮮半島由来」としていた。学術番組であるからにはその情報に誤りがあるのは問題だが、この番組にはその誤りの箇所があまりに多すぎた。
  • 「豚インフルエンザでメキシコで死者」の報道で風評被害を受けている。各局が一斉に「豚から人へ感染し、死者が出た」と大々的に報道している。しかし、「豚肉を食べただけでは感染しない」ことについては数秒しか報道していない。街頭インタビューでは「やっぱり食べるのが怖いですよね」と発言している人ばかりを放送し、風評被害を煽っている。私は食肉加工卸業を営んでいるが、扱っているメキシコ産豚肉について、すでにオーダーキャンセルが相次いでいる。テレビでは「豚肉は食べても安全だ」ということを時間をかけてしっかり報道してほしい。このままでは、風評被害はもっとひどくなるだろう。
  • グラビアアイドルが「暖房を消し忘れ、つけっぱなしにしたまま海外ロケに行ったのだが、その分の電気料金を払わないと電力会社に30分にわたりクレームの電話をした」と得意満面に話していた。これを見て大変不快な思いをした。他の出演者が「これは放送できないだろう」とコメントしていたが、まさに、この内容は放送すべきではなかったと思う。バラエティー番組だからといって、不適切な内容の発言を安易に放送する姿勢に憤りを感じる。
  • 統合失調症の若者達がフットサルに挑む様を取り上げていたが、その病気の症状として「幻聴・幻覚」があることが強調され、まるで「幻聴・幻覚」のある人はみな「統合失調症」であるかのような誤解を招く内容になっていた。現在、日本で問題になっているのは、深刻な犯罪被害を受け、その後遺症としての「幻聴・幻覚」と闘っている人がたくさん存在するということだ。必死に「幻聴・幻覚」と闘っている、つまりは自分が被害を受けた犯罪と闘っている方々が多くいる現実をきちんと認識し、統合失調症との線引きをした上で報道すべきだ。
  • 「うさぎの科学的検証」として、「うさぎは鳴くか」「うさぎは散歩するか」など、うさぎの特性を無視し、動物愛護精神に反した科学的根拠のない「実験」をしていた。うさぎに対して著しい恐怖と不安を与え、うさぎを飼っている人、うさぎが大好きな人に対して著しい怒りを与えた。うさぎは非常に臆病で、警戒心が強い動物である。「動物の愛護及び管理に関する法律」では、基本原則として「動物が命あるものであることに鑑み、何人も動物をみだりに殺し傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない」とある。これからすると、今回放送された番組はこの法律に違反しているし、放送の倫理規範からも著しく逸脱していると思う。
  • 番組の中で医師が「ヒアルロンサンは、注射は効くが口から摂取しても何の効用もない」と言っていた。自分は以前、テレビのCMを見て”ヒアルロンサン”を購入して現在も飲んでいる。この放送を見てがっかりしたが、事実を知って良かったと思った。放送局はCMについて、こうした医師の専門的な意見も聞いて実際の効用を確認してから放送するべきである。
  • アイドルタレントが出演している、洗濯用液体洗剤のCMの中で「私、汚れてました」という台詞がある。自分は以前、性的被害を受けた事があるので、このCMを見るのが非常に辛い。そういう経験もないアイドルが軽々しく「私、よごれてました」と発言することが到底理解できない。放送で流す回数を減らしてもらえないか。

青少年に関する意見

【低俗、モラルに反する】

  • このバラエティー番組は、なんと小学生に、いわゆる「合コン」をさせるという内容だ。「小学生が恋愛体験」「女子小学生がオトコを落とすテクニック」等をテレビで取り上げている。こんな番組は終わらせた方がいい。
  • 最近はテレビの番組の質が、低レベルになっている。「見せパン」などという言葉を頻繁に使っている情報系番組で、内容もばかばかしくてとても最後まで見ていられない。私は女子高の教頭をしているが、生徒から「テレビだってあんな番組を放送しているのだから、私たちが短いスカートであぐらをかいてもいいでしょう」と言われた。テレビ局はもっと、若者の規範になるような番組を作らなければならない。
  • バラエティー番組で、タレントの頭に買い物用のビニール袋をかぶせ、首の所でぎっちりと結び、その状態のまま数回呼吸するシーンが映された。タレントはその後、解こうとして果たせず、結局ビニール袋を破って顔を出したが、これは死にもつながる危険行為なのに注意のテロップすら入らなかった。テレビは字も読めない幼い子供も見ているので、ふざけて真似をして悲惨な事故が起きかねないと思った。あんなシーンは放送すべきではない。
  • 冒頭から歌手の追悼番組として始まり、非常に悪質な内容だった。後で知ったが、僅かにテレビ欄やインターネット等で番組については紹介していたようだが、知らずに見た人は驚いたと思う。混乱を防ぐ為にも、事前に宣伝をしておくべきだったのではないか。しかしたとえ宣伝をしていても「死」をネタにしたのは問題である。「死」は笑いごとではない。こんな企画を笑いだと思っているのなら、それを理解してくれる身内だけでやればよい。公共の電波を使った番組は誰の目にも触れるものである。時間帯的に中学生ぐらいなら充分に起きている時間であり、見ている可能性もある。見れば子ども達も真似することになる。

【CMに関する意見】

  • 携帯電話のゲームサイトのコマーシャルを、子供のよく見る時間帯に放送しないでほしい。私の地元秋田では、放送局のキャラクターが保育園を訪ねるような番組の中にもこのようなCMが流れたりする。携帯電話のゲームサイトは「無料」といいながら「有料」であったりと、様々なトラブルの原因になっている。消費者金融のコマーシャルのように、子供たちが見ない時間帯にだけ放送するように規制してほしい。
  • パチンコ機器メーカーのCMが今年の4月から規制され、キー局ではパチンコ台のテレビCMが自粛されているようだ。しかし、その枠を縫う様に、ローカル局では地元パチンコ店のCMが増加している。たとえば、私の地元では、4月から朝の情報番組の時間帯にパチンコ店のオープンCMを時間帯を変えながら毎日放送している。「射幸心を煽る表現はしない」「児童・青少年への配慮」など微塵もない。全国の放送局が足並みをそろえて自主規制を今一度守り健全なCM体制が行えるよう、BPOでも善処してもらいたい。

【動物虐待に関する意見】

  • うさぎを飼っている者として、今回の教養系番組はとてもひどい内容だった。「うさぎがペットとして最適か」どうかの内容にしては、あまりにもひどかった。ライオンと対面させたり、首輪式のリードで引っ張ったり、ラジコンで追いかけまわしたり、オスとメスを一緒にしたらどうなるかと実験したり、マラソン選手に追いかけられたり、こんなことをすると、うさぎというのは恐怖を感じて自らを死に追いやるのだ。それを知っていての番組なのか。それとも、そういう大事な部分を言わないでの放送なのか、見ていてとても怒りを感じた。「鳴かないから飼いやすい」といって安易な気持ちで飼う人が増え、不幸なうさぎたちを増やすことにもなりそうだ。ああいう内容では動物虐待に見えてしまう。

【非科学的事項に関する意見】

  • このバラエティー番組では度々血液型に関する内容を取り扱っているが、その際、血液型ごとの偏見を助長しかねないアンケートが毎回挿入されている。科学の領分を回避して「話題」の形をとれば問題ないと解釈しているのかも知れないが、「科学的根拠に基づかない」という情報が一切伏せられたまま当然のことのように繰り返し話題に取り上げられていれば、視聴者の偏見が助長される可能性が高まることは十分に考えられる。これは自分で情報の精査を行うことが難しい青少年において、より顕著になるのではと危惧している。BPOから血液型を扱う番組への要望が出されて以来、番組内での「工夫」は多く見受けられる。しかし、要望はあくまで偏見の助長を避けるために出されたものであり、「批判を免れるためのガイドライン」ではないはずだ。番組制作者はマスメディアの影響の大きさを自覚してもらいたい。

【いじめや虐待を助長する】

  • 子供向けバラエティー番組でありながら、芸人達が逆立ちを競い、最後には「一番へたな人はビンタ」となって、着ぐるみを着たキャラクターがビンタをする。良くも悪くも子供はすぐに真似をするが、そういうことを考慮した放送内容なのか?ビンタは暴力行為である。また、「一番へたな人にはおしおきをする」というのは、いじめを助長することになるのではないか。子供向け番組としては、不適切な内容だと思う。

【暴力・殺人シーンに関する意見】

  • 昨日のことだが、近所の7歳の子供が、このアニメを見ている8歳の女児から「殴る蹴るの暴力を受けた」といって泣いて帰ってきた。聞くとリーダー格のその子がアニメの真似をしながら毎日いじめに来ているそうだ。ビックリした。このアニメは敵を殴ったり蹴ったりする。最後は必殺技を敵に使い、死ぬまで続ける。子供達に暴力的な発想が生まれるアニメの放送中止を望む。

第147回 放送と人権等権利に関する委員会

第147回 – 2009年5月

「保育園イモ畑の行政代執行をめぐる訴え」事案の審理

「割り箸事故・医療裁判判決報道」事案の審理 ……など

3件の審理事案のうち、「保育園イモ畑の行政代執行をめぐる訴え」事案と「割り箸事故・医療裁判判決報道」事案の実質審理が始まった。「派遣法・登録型導入報道」事案については、事情により今月は審理を見送った。

議事の詳細

日時
2009年5月19日(火) 午後4時~7時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
堀野委員長、樺山委員長代行、三宅委員長代行、大石委員、小山委員、坂井委員、武田委員、田中委員、山田委員

「保育園イモ畑の行政代執行をめぐる訴え」事案の審理

先月の委員会で審理入りが決まり、今月から実質審理が始まった。
この事案は、大阪の保育園の理事が、道路建設のため保育園の野菜畑が行政代執行によって強制収用された当日、園児たちを現場に動員して並ばせたなどと事実に反することを情報バラエティー番組で放送され、名誉を侵害されたと申し立てたもの。
番組は2008年10月19日放送のTBS「サンデージャポン」。「申立書」によると、子どもたちが並んでいる映像は行政代執行前日の記者会見で撮影されたもので、この映像をもとにコメンテーターらが「無理やり並べさせられてかわいそう」などとストーリーを展開させており、ねつ造以外のなにものでもなく、訂正放送も全くおざなりだとしている。そして、具体的な事実誤認とコメンテーターの誤った発言に触れた訂正放送と名誉毀損の具体的内容に触れた謝罪の放送などを求めている。
TBSは審理入りの決定を受けて「答弁書」を提出し、この中で「理事に直接謝罪し、事実誤認に関しては、訂正・お詫び放送を行ったことから当社としては意を尽くしたつもりでおります。」としている。当日の委員会では、同録ビデオを改めて視聴したあと、各委員がビデオ部分とコメンテーターによるスタジオトーク、訂正放送について意見や感想を述べあった。
委員会は、申立人の「反論書」とTBSの「再答弁書」の提出を受けて、6月の委員会も審理を続行し、その次の委員会でヒアリングを行うことを決めた。

「割り箸事故・医療裁判判決報道」事案の審理

先月の委員会で審理入りが決まり、今月から実質審理が始まった。
申立ては、東京都在住の勤務医らから、2008年2月13日にTBSのニュース情報番組『みのもんたの朝ズバッ!』で放送された、割り箸事故をめぐる判決報道の内容が、事実誤認及び捏造を含む内容で、医師としての社会的評価を低下させるものであり、名誉を侵害し、信用を失墜した。さらに申立人本人及びその関係者に事前に取材することもなく、一方に偏った不公平な報道であると訴えてきたもの。これに対しTBSは、医療事件をめぐる刑事判決と民事判決を比較しながら、医療機関には「最善の注意」を果たしてもらいたいとの観点から放送したもので、名誉を毀損したとの認識はない。また、医師側への「事前取材」がなかったとの指摘については、刑事と民事の判決を比較するに際しては必要不可欠なものとは考えてはいないと反論している。
委員会では、まずTBSから提出された同録ビデオを視聴した上、医師側から提出された「申立書」とTBS側から出された「答弁書」をもとに論点を整理し、議論に移った。この日の議論では、番組全体の内容と論調、スタジオでのゲストやコメンテーターの論評などについて意見が交わされた。この結果、申立人側から提出される予定の「反論書」、これに対する被申立人側からの「再答弁書」の提出を待ち、次回委員会でさらに論点を絞って審理を進めることとなった。

「派遣法・登録型報道」事案 審理日程の検討

この事案については先月の委員会で審理入りが決まったが、申立人側の事情を考慮して今月は審理を見送ることとし、今後のスケジュールについてのみ検討した。
なお、「サンデープロジェクト」はテレビ朝日と朝日放送の共同制作であることから、この事案の当該局はテレビ朝日と朝日放送の2局とすることになった。

4月の苦情概要

4月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情・相談・批判の内訳は以下の通り。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・4件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・・・71件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

その他

  • 「徳島・土地改良区横領事件報道」事案で、「重大な放送倫理違反」という「委員会決定」(3月30日に通知・公表)を受けたテレビ朝日で、5月14日に決定内容についての研修会が行われ、講師を務めた三宅委員長代行及び事務局より報告があった。
    この研修会は「委員会決定」に対する局側の理解を深めてもらうとともに、局の現場の声を聞いて意思疎通を図る目的で開かれた。当該番組である『報道ステーション』のスタッフなど約80人が参加し、三宅委員長代行がパワーポイントによるレジュメを示しながらわかりやすく解説し、質問や疑問に答えた。三宅代行は「新しい試みであり今後の参考にしてほしい」と報告した。
    報告を受けて堀野委員長は「『委員会決定』は局が姿勢を変えたり、考えたりしていく始まりであり、今後はこうして欲しいという趣旨からも、この試みを続けていく意味があると思う」と語った。
  • 次回委員会は6月16日に開かれることとなった。また、6月29日に臨時の委員会を開くことを決めた。

以上

第25回 放送倫理検証委員会

第25回 – 2009年5月

虚偽証言をスクープとして放送した日本テレビの報道番組『バンキシャ』

戦時性暴力を扱ったNHKの『ETV2001』 …など

第25回放送倫理検証委員会は5月15日に開催され、まず、日本テレビ『バンキシャ』について3回目の審理を行った。最初に特別調査チームから裏金作り報道に関する調査結果の中間報告があり、その上で議論がなされた。
NHK『ETV2001』については、委員会が公表した「意見」に対して新聞報道などさまざまな反応があったので、それについて意見交換を行った。
荒川区議会に対する報道は過剰だったと当該局にクレームがあった事案については、通常の範囲内の取材であると判断し、取り扱わないことにした。
次に、二重行政をテーマに、大阪府の道路清掃を取り上げた事案は、当該局に質問書を出し、回答を待って改めて検討することにした。
バラエティー番組の問題点については、委員会として蓄積してきた具体的な事例をどういう方法で取り上げるかについて話し合った。
最後に、委員会で討議した事案が既にマスメディアにより周知されている場合には、原則として「BPO報告」等では実名を公表することを決めた。

議事の詳細

日時
2009年 5月15日(金) 午後5時~8時40分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
川端委員長、上滝委員長代行、小町谷委員長代行、石井委員、市川委員、里中委員、立花委員、服部委員、水島委員、吉岡委員

虚偽証言をスクープとして放送した日本テレビの報道番組『バンキシャ』

岐阜県が発注した土木工事で、裏金作りが行われているという建設会社役員の証言を報じた日本テレビの報道番組『バンキシャ』(2008年11月23日放送)について、委員会は特別調査チームを編成し、事実関係の調査を行った。調査は当該番組のスタッフおよび取材先の関係者に対するヒアリングを中心に行われ、調査担当責任者である調査顧問から委員会に対してその結果が中間報告された。

<主な委員の意見>

  • 全ての元凶は制作時間の短さだ。真相を究明するということよりも、放送日に間に合わせるようにしようとすることが、曖昧で中途半端な取材になる原因だ。可哀想なくらい現場のディレクターが駆け回っているという状況を作ってしまっている。
  • 画が取れれば何でもいいという、映像至上主義的な感じがする。組織としてチームでやっているはずだが、実態はチームになっていない。お互いの連絡は不十分で、てんでばらばら、チェック機能が働いていない。
  • 正確な意味で誰も価値判断していない。裏付けを取ろうと提言してみたところで、この構造である限りまた起きる。そこが一番問題。
  • こういうことがおきないためには(1)責任体制の確立(2)責任者の資質をたかめること(3)告発を疑うスタンスをもつこと、が大事だ。
  • 制作者は、こうすれば視聴者が “怒り”を抱くだろうと安易に演出しているようにみえる。その手法は報道番組ではなく「水戸黄門」を見ているようだ。「俺たちが正義だ」というような感じがする。

特別調査チームの報告や、こういった意見を受けて、次回の委員会で委員会としての対応を検討することにした。

戦時性暴力を扱ったNHKの『ETV2001』

この事案は前回の委員会で審議を終了し、4月28日にNHKに対して委員会の「意見」を通知した後、記者発表を行った。新聞等でさまざまな報道がなされたので、それらについて意見交換を行った。

東京・荒川区議会報道は過剰取材だとクレームがあったテレビ朝日の『スーパーJチャンネル』

3月24日の『スーパーJチャンネル』において、荒川区議会の予算案に盛り込まれた区議会議員の人間ドック費用を全額公費負担にする件と、議長室の応接セットを高価なものに買い替える件はお手盛りではないか、という放送を行った。その取材方法が強引で、伝え方にも問題があるなどと数人の荒川区議からクレームがあった事案。
当該番組を視聴し、テレビ朝日の説明文書を検討した結果、委員会は通常の取材の範囲内であると判断した。また、議員は公人なのだから、その意見を公にできる場は他にもあるのではないか、という意見が述べられた。以上の観点から、この事案は取り上げないこととした。

道路清掃をめぐる二重行政問題を取り上げたTBS『情報7daysニュースキャスター』

大阪府の府道と国道との交差点で、大阪府の清掃車が国道を横切るときに、清掃用のブラシを上げて国道は清掃しないようにして通行する映像が二重行政の象徴的なシーンとして放送された(4月11日)。しかし、通常はこのような方法は行わず、TBSの依頼による動作だったことが分かった。TBSも行き過ぎた取材であったことを認め、2週間後にお詫び放送を行った(4月25日)。
委員会はTBSが作成した報告書を検討した結果、改めて同局へ質問書を出し、その回答を受けて引き続き検討することにした。

バラエティー番組の問題点について

バラエティー番組全体に見られる放送倫理上の問題点を委員会としてどう扱うのかという問題については、個別の番組としてではなく、いくつかの番組を複合的な視点から扱う方法など、時代と共に変化しているバラエティー番組に対応できるような新しい切り口を見つける必要があるとの議論がなされた。

<主な委員の意見>

  • 報道系の問題は事実をきちんと伝える義務があるから、その判断基準に従って議論できる。しかし、バラエティーは、視聴者を楽しませたかどうか、視聴者と良好な関係が作られているかどうかといった別の軸が必要ではないか。
  • バラエティー番組のアウトソーシング先は、制作プロダクション、芸能プロダクション、スポンサーないしは営業(代理店)の3つ。放送局の制作者がこの外部3組織との間で、主体性を持てなくなったことが、放送倫理と深い関係があるのではないか。
  • 最近のバラエティー番組の傾向は、視聴者が生身のタレントの姿を求めるようになってきたので、台本が邪魔になってきた。この変化が、バラエティー制作者の横着さを生んだのではないか。

「こういうバラエティーが良いバラエティー番組だからこのように作りなさい」という結論は、この委員会としては言うべきではないという点では一致し、引き続き議論を継続することにした。

「BPO報告」等における局名・番組名の公表ルールについて

従来、委員会の「討議」事案をBPO報告に記載するときは、放送局名や番組名は公表しないことを原則としてきた。しかし、新聞や週刊誌などのメディアで既に周知されている事案については匿名にする必然性がないので、今後は原則として公表することとした。
なお、「審議」「審理」事案については従来どおり公表する。

以上