2021年3月に視聴者から寄せられた意見

2021年3月に視聴者から寄せられた意見

東日本大震災から10年、各局で放送された特別番組への意見が多く寄せられた。

2021年3月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,408件で、先月と比較して81件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール90%、電話8%、郵便1%、FAX1%(※電話は1日から21日まで休止)。
男女別は男性48%、女性23%で、世代別では30歳代25%、40歳代23%、50歳代20%、20歳代15%、60歳以上14%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。3月の通知数は延べ804件【57局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般への意見の中から抜粋し、26件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

東日本大震災から10年がたった。各局で放送された特別番組への意見が多く寄せられた。ラジオに関する意見は57件、CMについては21件あった。

青少年に関する意見

3月中に青少年委員会に寄せられた意見は79件で、前月から9件減少した。
今月は「表現・演出」が16件、「いじめ・虐待」が11件、「動物」が10件、「低俗、モラル」が7件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 岡山駅のホームで取材を受けた。いきなりマイクとカメラを向けられ、「地元の放送局です」と告げられた後、質問責めだった。仕事で仕方なく外に出ているのに、外出していることが悪いような質問のされ方だった。カメラやマイクを向ける前に、テレビ局名や放送番組名など事前に説明を受け、承諾した後に取材を受けるものだとの認識していたが、この時は非常に気分が悪かった。

  • 政府に対する意見について、国民に寄り添いたいという各局の気持ちは分かるとしても、後出しジャンケンばかりで、見ていて、聞いていて、各局の立場が全く分からない。局の立場としての考えをしっかり表明してほしい。今の政権が全て正しいと思わないが、ああ言ったらこう言う、こう言ったらああ言うでは、マスコミも何を言っているのか?見るのも馬鹿馬鹿しくなってしまう。

【番組全般・その他】

  • 感染対策について。感染防止そのものと、視聴者へのお手本との両方の意味で、出演者もマスクをする場面を増やした方がいい。最近、局によっては、アナウンサーがマスク着用で司会をしていて、とても良いことだと思った。金曜夜のドラマでは、現在の私たちと同じく、出演者がマスクをして歩いている場面があった。とても自然で違和感がなかった。コロナ禍なのだから、そんなドラマも良いと思う。

  • 注目度の高い映像なのだろうが、注射針を刺している映像を繰り返し映す必要はないと思う。私は注射が苦手で、刺しているところを見るだけでも寒気がするほど嫌だ。一日に繰り返し何度も見せられて気分が悪くなる。せめて、ぼかした映像を作るなどの配慮をしてもらいたい。

  • 木曜夜の番組を見た。台本通りの演出なのかもしれないが、一人の芸人に対して、司会者と出演者全員で、無視、発言の阻止や全否定、暴言を浴びせるなどしていてとても不快な気分になった。お笑い芸人だからといって何でもしていいということはない。度が過ぎたものは全く笑えない。イジリを越えてもはや集団いじめにしか映らなかった。

  • 日曜昼の番組は、以前は楽しかったが、先週から司会者と出演者が人の悪口ばかり言っている。視聴者に喧嘩を売っているようにも見える。視聴者相手にストレスを発散して楽しんでいるのだろうか。情報番組なら人の悪口ではなく、楽しめるような内容にしてほしい。

  • 朝の番組で差別表現が、人を笑わせる目的でシャレとして行われた。このことを問題視しないのであれば、それはいままで歴史的に行われてきたのと同じ、差別拡散、扇動行為であり、それがテレビという媒体を通じて行われたことは非常に大きな暴力的な意味をもつ。当該の番組及びテレビ局は形だけの謝罪で終わらせるのではなく、なぜそのようなことが起きたのかを明らかにし、いかに再発防止を行うかについて真摯に考え、実行するべきである。

  • 東日本大震災から10年となり、各局で特別番組が組まれ、同じ内容を放送していた。私は福島出身、東京育ちで、震災当時住んでいた東京で激しい揺れに見舞われ、家具や備品が落ちて割れるなどの経験をしたが、机の下にすぐ隠れたため、なんとか命を守ることはできた。しかし、津波の映像が衝撃的で、長時間に渡って「震災、津波」と言われて辛く、特番のテレビを消してしまった。アナウンサーが「今から津波の映像が流れます」と注意を呼び掛けているが、映像がトラウマなことに変わりはない。震災関連の特番は、各局一斉にやる必要があるのだろうか。来年はもうやってほしくない。

  • 11日昼の特番で津波の映像が流れたが、その恐ろしさを学べて良かった。津波に巻き込まれた人が撮った映像が特に印象的で、最初は低く来て一気に大きな津波が来る、前からも後ろからも横からも来て囲まれるとは知らず驚いた。今まで実際の津波の映像を見るのが怖くて見るのを控えていたが、10年経ち、学ぶべき事だと改めて気づかされた。これを機に防災グッズを購入した。この時期に限らず、定期的に大地震が起こる前にどうすべきか、津波の恐ろしさを学ぶ番組をやってほしい。

  • 11日の夜の特番を見た。日本は、地震に限らず各種災害のリスクが大きく、防災の知識や考えをアップデートした方が良い。また、年を追うごとに東日本大震災をはじめとした災害の教訓や悲しみが薄れていく中、この番組は「どうしたら命を守れるのか」という防災思考や意識を改めて高めてくれる良い番組だった。

  • ニュースとワイドショーの境界線を明確にし、番組表に区分を表記してほしい。ニュースは情報の精度。ワイドショーはあくまでバラエティー番組。最近はワイドショーで新型コロナ、災害情報を伝えている。専門家ではない芸人などがいかにも正しいかのようにコメントしているが、災害時に混乱をいたり被害を受けたりする危険性があると思う。テレビは視聴者に不安を与えるのではなく、冷静な判断ができるよう整然とした情報を伝えてほしい。ワイドショーで時事ネタを扱うべきではないと思う。曖昧な情報が溢れている。

  • 一人暮らしの年寄りはテレビしか楽しみがない。しかし最近はどの局も同じような内容のワイドショーや通販番組ばかりで見ていると憂鬱になってしまう。年金暮らしの年寄りは通販番組を見ても買い物ができるわけでもないし、ワイドショーはコロナ関連の気分が暗くなるような話題ばかりで辛い気持ちが募ってしまう。テレビを見ているのは一人暮らしの年寄りも多いはず。もっと気分が明るくなるような楽しい番組を放送してほしい。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 1000円ガチャ検証という企画は、子どもを含め、ギャンブル依存症になる可能性が非常に高いにもかかわらず、3000円ガチャという更にギャンブル性が高い企画を放送している。子どもにも人気の芸人やアイドルを起用して射幸心を煽る放送内容はやりすぎだ。

【「いじめ、虐待」に関する意見】

  • アニメ内で、男の子が女の子の髪留めをいきなり遠くに投げてそれを取り合う競争をやっていた。二人は仲良しの設定で、女の子も仕方なく受け入れている設定だったが、いじめにも繋がりかねない行為であり、教育番組で流すのはどうかと思う。

【「動物」に関する意見】

  • バラエティー番組で、風呂上がりの濡れた犬が水気を払うため体をブルブルするのを我慢させるという企画があった。犬にとっては体温維持のための本能的な生理現象であるのに、これを強いるのは人間のエゴであり、飼い主の児童にやらせることは動物愛護の精神に反する。

【「低俗、モラル」に反するとの意見】

  • 帰宅後テレビをつけたら、口にするのも憚れるタイトルのドラマを放送していた。内容はセックスレスに悩む夫婦の物語らしいが、露骨すぎないか?深夜とは言え、万が一子どもが見てしまったらどうするのか?せめてタイトルだけでも自粛すべきだ。

2021年2月に視聴者から寄せられた意見

2021年2月に視聴者から寄せられた意見

女性蔑視と受け取れる発言により辞任した、東京オリンピック組織委員会会長の発言を取り上げた番組への意見が多く寄せられた。

2021年2月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,489件で、先月と比較して308件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール97%、電話0%、郵便2%、FAX1%(※電話は今月休止)。
男女別は男性52%、女性18%で、世代別では40歳代27%、50歳代25%、30歳代20%、20歳代13%、60歳以上12%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。2月の通知数は延べ829件【55局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、27件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

番組全般にわたる意見
女性蔑視と受け取れる発言により辞任した、東京オリンピック組織委員会会長の発言を取り上げた番組への意見が多く寄せられた。ラジオに関する意見は80件、CMについては15件あった。

青少年に関する意見

2月中に青少年委員会に寄せられた意見は88件で、前月から51件減少した。
今月は「表現・演出」が27件、「低俗、モラル」が24件、「報道・情報」が8件、「いじめ・虐待」が7件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • コロナ禍における最近の番組を見て、若者がウイルスを感染させている原因とも取れるような印象を受ける。確かに若者は、テレビをあまり見ない傾向があるが、特定の年齢層を批判することは、年代間の分断を生み出す可能性がある。確たる証拠に基づいた報道をすべきだと思う。

【番組全般・その他】

  • 事の発端は、新聞が元会長の女性軽視となるように発言を切り抜きで報道したものを、繋がりがあるアメリカの新聞が翻訳して伝えた記事のせいである。元会長自身の発言は軽率な部分もあるが、本筋では、女性は優秀だと褒めている。それをほとんどのテレビが報道しないのは事実に反する行為だと思う。編集されていない発言の全文を読んだ上で批判するのなら一向に構わない。しかし、一部を切り取った記事で女性蔑視だという意見ばかりを報道するのは不公平であり、視聴者に対する洗脳行為だ。全文を読み、公平な目で報道するようなテレビが出てくることを祈る。

  • 元会長のいわゆる女性蔑視発言について。本当にそのような思想があるのなら弁解の余地はないと思うが、発言の全文ではなく、部分的な切り取りのみで、朝から晩まで全人格の否定ともとれる批判を放送する必要性があったか、大いに疑問である。謝罪会見の本人の態度もいかがなものかと思うが、重大な事件を起こしたわけではない。今回はっきりと分かった事は、メディアがスクラムを組んで、連日批判一辺倒で放送すれば、権力のある有名人の首でも取れるという事だけ。暴走するメディアを監視し、行き過ぎを注意する組織もない。簡単に一人の人生を変える事ができるという流れに恐怖を感じる。メディアにあおられて溜飲を下げる感覚になった国民にも危険を感じる。

  • 昼の番組で、コメンテーターが、老人は社会の害悪かのごとく、老害と表現していた。60歳を超える人たちが、心身の衰えを感じつつ社会で数多く活躍していると思うが、その人たちは不要という意味で受け取った。テレビ放送は公共性を持っていて、共生社会を目指すものと思う。社会で活躍される人たちには敬意を持って接してもらいたい。

  • 昼の番組について。なぜ自分たちが過去に報道してきたのを忘れてしまうのか。司会者も全く普通に無視して、今日知ったみたいに話す。いくら芸人だとしても度が過ぎる。制作側も出演者も恥ずかしくないのか。元会長をいじめ同様に批判。結果、会長を辞任しても、いつまでもVTRやパネルを使って掘り起こして批判。それによりネットでもあおられた人たちによる批判が起こる。そうすると今度はネットの影響という流れを作る。自分たちが火をつけておきながら、反省も謙虚さもなく、ただただ批判するのみ。寄ってたかっての攻撃は許されるのか。会長選出が不透明とか言いつつ、組織委員会の定款も規定もまともに説明せず、まるで人気投票みたいに、いろんな人たちをあげていく。こんな番組をスポンサーもテレビ局の上層部も何とも思わず、ただただ垂れ流し放送。マスコミには自浄作用は働かないのか。国民は不幸だ。

  • テレビは何かといえば政権を責めている。一方、コロナ禍では、「飲食店が苦しいから、時短要請に応じない」という店主の声を同情的に伝えている。深夜まで遊んでいる若者を何の批判もなしに、彼らのコメントを流している。テレビは批判しやすい人や組織を貶めて楽しいのか。それが国民のためなのか。心地よい言葉で人の弱みにつけ込むのは反社会的勢力と同じだ。放送という武器を持った恐ろしい権力者であることを自覚せず、芸人やタレントを使い、世論に名を借りて断罪することこそ怖い。

  • 水曜日の番組を見た。日本の長い歴史の中で、女性はほとんどその権利を制限されて生きてきた。ネット社会になり、ようやく女性を悪く言う事がおかしいと声を上げられるようになり、海外からも批判され、これで少しは日本の男性も反省してくれるかと思いきや、日本はまだまだ人権後進国のようで、抵抗してこのような芽を潰そうとしている感じがする。この番組の企画もまさにそれ。女性を差別しないでという人間をフェミニストと呼び、それがあたかも悪いイメージであるかのように放送する。差別され続けた人たちが、差別しないでほしいと言うことの何が悪いのか。差別してきた側としては耳が痛いだけなので、どうにかこのムーブメントは収まってほしいのではないか。それを笑いにしてテレビで放送する事に悪意しか感じない。

  • 深夜の番組を見た。客観的に見て、注意力、交渉能力に問題があるAD(アシスタントディレクター)を、「ヤバい奴」という見下しのニュアンスが濃い、内輪のイジリがとても不愉快だった。スタッフの、彼の挙動に対して放たれる高笑いが高慢さに満ちていた。彼は、「自分自身も困っている」と語っているのに、それを病気である可能性すら頭に浮かばない制作側の扱い方が恐怖でしかない。裏方の彼がイジられ、笑い物にされる事は本当に彼自身が望んでいるのか。決してヤバい奴というくくりで、エンターテイメントとして消費してはいけない。彼が、自分の扱われ方に対して、立場がADということもあり、言われる、されるがままだとしたら、一方的なパワハラ企画である。

  • このコロナ禍において、なぜテレビ番組ではマスクをしないのか。スタジオは密室である。一方的に倫理的な対応をメッセージしておきながら、その人物はマスクをしない。ようやく、議員もマスクして、会食も控えるようにした。テレビ関係者は以前と変わりなく、つまらないことに騒ぎ、タレントは不祥事を繰り返す。視聴者は言っていることの内容ではなく、見たもので判断すると言われている。マスクをしようと誰ひとりしない、してはいけないと指示があるのか、誰も語らない、異常な世界である。ますますテレビ離れに拍車がかかるのではないか。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で後輩芸人を無理やり冬の川に入らせて笑っていた。嫌がっていることを無理やりさせるのが面白いとしていることは問題だ。中高生に人気の芸人なのでお手本となるような番組作りをしてほしい。

【「低俗、モラル反する」との意見】

  • バラエティー番組でグラビア・アイドルの女性の下品な姿を皆で笑ったり、芸能人のトイレ事情をクイズの問題にしていた。親子で見ていて気分が悪くなる内容だった。21時台という子どもも見る時間帯ならば、家族で見て安心して見られる、役に立つ番組であってほしい。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 小学生数人がひき逃げされるというニュースがあった。ドライブレコーダーからの映像だったが、事故時の映像を生々しく放送しており衝撃的だった。ひき逃げに遭った子どもたちや家族への心理面に配慮した内容であったのか疑問を感じる。

  • コロナ関連のニュースでワクチン注射の場面が放送されるが、体に針が入っていく映像がアップで映されるのは生理的に耐えられない。なぜ注射の風景ではだめなのか。コロナの注射は深く刺すので、子どもは恐怖心を抱くのではないか。

2021年1月に視聴者から寄せられた意見

2021年1月に視聴者から寄せられた意見

新型コロナの感染拡大で、昨年4月に続いて2度目の緊急事態宣言が出されたが、それを報じた番組への意見が多く寄せられた。また、テレビ出演者のマスク着用に関する意見も多く寄せられた。

2021年1月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,797件で、先月と比較して399件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール98%、電話0%、郵便1%、FAX1%(※電話は今月休止)。
男女別は男性49%、女性24%で、世代別では40歳代28%、30歳代24%、50歳代21%、20歳代14%、60歳以上11%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。1月の通知数は延べ1,146件【54局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、25件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

新型コロナの感染拡大で、昨年4月に続いて2度目の緊急事態宣言が出されたが、それを報じた番組への意見が多く寄せられた。また、テレビ出演者のマスク着用に関する意見も多く寄せられた。ラジオに関する意見は70件、CMについては15件あった。

青少年に関する意見

1月中に青少年委員会に寄せられた意見は139件で、前月から51件増加した。
今月は「表現・演出」が45件、「低俗、モラル」が39件、「その他」が13件、「差別・偏見」が11件、「いじめ・虐待」が6件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • テレビでは、感染防止策として、手洗い、うがい、マスクの着用を連呼しているが、伝えているアナウンサーやタレントが、誰もマスクをしていない。これは、マスク着用は報道に関係しない人達のみが必要で、報道する側は必要ないとの見解からなのか。声高に叫んでいる人間がマスクをせず、いかにも物知り顔で発言するのはいかがなものかと思う。

  • コロナ禍におけるアナウンサーやコメンテーターの発言は、全体的に政府の責任を追及する傾向にあるが、見るのが辛くなってきた。政府の頼りなさや見通しの甘さは確かにあるが、今、この災難の中で、マスコミがこぞってマイナス思考の情報や個人的意見を流していている場合だろうか。どの番組を見ても右向け右。マスコミには日本全国に声を届けることができる力、大勢に影響を及ぼす力がある。もっとウイルス感染について学び、その怖さを根気強く伝え、「人が動かなければ感染は収束に向かう」「ウイルスは人を介して感染する」「ウイルス単独では飛び回らない」など、基本的なことなどを前向きに発信して、国民の意識をリードすることが可能である。今こそマスコミの力を発揮すべき時。政府の批判はコロナ収束の後でもできる。

  • 新型コロナ関連の報道について、日本医師会会長の会見を多くの番組で報じているが、総理大臣の会見並みの扱いは、行き過ぎと感じる。医師会は一業界団体に過ぎないのに、公的機関であるかのような扱いは、視聴者に誤解を与えている。また、各メディアが同じ人物を繰り返し登場させることで、医師会の宣伝放送のようになっている。放送における諸団体については、その出自や成り立ち、構成員の選出方法、資金源など、利益構造を明らかにして視聴者に誤解のないよう配慮するべきである。

【番組全般・その他】

  • 年始の特番を見た。収録時期がいつなのか不明ではあるが、コロナ対策が不十分であった。ハイタッチやハグといった密着行為、審査発表までの控室という密閉空間では、座席の距離がなく、密接していた。さらに、大声で話しているのにフェイスシールドすらしていない。陽性者がたくさん出ているのに、ソーシャルディスタンスを取らないのはいかがなものか。もっと感染症対策を取ることができたのではないかと感じた。

  • 人気タレントの扱いについて。土曜日の番組は気軽な散歩企画なのに、かなり前から事前予約が必要な超高級店で食事をすることが多い。夏休みの特番ではハワイでの豪遊三昧、冬休みの特番でも沖縄での豪遊と、いずれも番組で高額なお金を使い、ただ彼に贅沢をさせ、大騒ぎしているだけだ。番組としてこれで良いのかという印象がある。人気のあるタレントを接待、忖度するだけになっている。特定の人に毎回贅沢や豪遊をさせるのではなく、また、私物化のようなお金の使い方をするのではなく、公共的でバランスの良い番組制作を願いたい。

  • コロナ感染拡大防止の指針として、マスク着用があるのに、テレビでは全然マスクをしていない。「感染対策をしてください」という人が、やってないのでは説得力がない。ロケでは、感染対策に何の効果もないマウスシールドを多用している。アクリル板も体裁だけのように見える。最近はさらに緩んでいる番組が多くなったようで、見ていて腹が立つ。これでは視聴者に、「こんな感染対策でいい」と誤解されても仕方ないと思う。

  • フェイスシールド、マウスシールドは、飛沫拡散防止効果がほとんどないと言われているのに、ロケ番組での多用が目に余る。感染防止策の徹底が叫ばれている今、影響力のあるテレビ放送が、不織布マスクをせずに喋る行為を垂れ流す事は、ニュース番組で協力を呼び掛け、不適切な行動を批判するのと矛盾している。まず、メディアが自ら範を垂れるべきではないか。また、前回の緊急事態宣言時に比べ、リモート出演が少なく感じる。政府の対策が緩いと批判するなら、メディアが率先して前回並みの自粛行動を取り、国民に訴えたら良いのではないか。

  • 楽観主義の人は、悲観主義の人より10年長生きするという統計がある。コロナ感染者の数字も、楽観的に伝えたらどうなのだろう。例えば、「今日も何とか医療破綻を回避できました」「感染者は○○人台で収まっています」「重症者の多くは順調に回復しています」「皆さんのご協力のおかげです」などとしてはどうか。呼吸が楽になりそうな気がしないか。

  • コロナ報道は、なぜ偏った内容や国への批判しかしないのか。コメンテーターも素人で、誰でもテレビや新聞を読んでいれば発言しそうなことをとくとくと語る。内容によっては素人目線で、スタジオで語るのも良い場合もあるが、人の生死や国の政策に関わることは、かえって無用の混乱と不安をもたらす。しかも司会者やコメンテーターが言っていることがどんどん変わっても、誰も指摘しないことを良いことに言いたい放題。専門家も番組に合った人を選別しているのだろうと思える。映像はネットで拾い、街頭インタビューもやる意味がない内容を単純に言わせている。その結果、発言や撮影を切り取られて放送された、やらせではないかという疑惑が常につきまとう。VTRも使い回しているのではないかと思えるようなものを無神経に流す。今の時代、映像の捏造もインタビュー受ける人の発言も作り替えるのは簡単。それを承知で調べることも手を抜いて放送して、間違っても簡単にアナウンサーが訂正して終わる。国会議員も人間なら原稿を読むのも人間。議員もテレビ局も人に影響を与えることで言えば、心して報道番組を制作してもらいたい。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 学校に常駐する警察官を主人公にしたドラマを見て驚いた。非行や犯罪は許されないが、生徒を投げ飛ばす、手錠を掛けるなどやり過ぎではないか。目標に向かって勉強や部活に取り組む学園ドラマならいいのだが。

  • 謎の感染症が蔓延し、感染した屍が人間を襲うという設定のドラマで、屍の描写が生々しく青少年には健全と言えず悪影響だ。またコロナウイルスが蔓延する中、感染症で屍になるというテーマは人々を不安に陥れるのではないか。

【「低俗、モラル反する」との意見】

  • 夕方の時間帯に車内で家族とラジオを聴いていたら下ネタの多い番組をやっていた。夜中なら問題ないだろうが、この時間帯に流すのはいかがなものか。小学生の子どもがいてヒヤヒヤしてしまった。時間帯を変えるなどしてほしい。

  • 演芸番組に若い女優がゲストとして出ていた。ネタのやり取りの中で、落語家が女優に“胸を見せて”など冗談の枠を超えたセクハラをしていた。女優は冷静に対応していたが、気持ちよく笑えるものではなかった。

【「喫煙・飲酒」に関する意見】

  • バラエティー番組で、高級ワインと安価なワインを当てるゲームをやっていた。解答者の一人は未成年だったため、ワインの匂いを嗅がせてどちらか決めさせていた。法律違反をしてはいないが、未成年にお酒の匂いだけでも勧める行為はいかがなものか。

2020年12月に視聴者から寄せられた意見

2020年12月に視聴者から寄せられた意見

新型コロナウイルス感染拡大が続く中、番組制作や取材、ロケのあり方への意見が多く寄せられた。

2020年12月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,398件で、先月と比較して56件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール80%、 電話18%、 郵便1%、FAX1%。
男女別は男性57%、 女性23%で、世代別では40歳代25%、 50歳代25%、 30歳代22%、60歳以上14%、 20歳12%、 10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。12月の通知数は延べ678件【54局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、26件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

新型コロナの感染拡大が続く中、番組制作や取材、ロケのあり方への意見が多く寄せられた。また、不倫問題を起こした芸人の記者会見を取り上げた番組に対する批判も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は74件、CMについては22件あった。

青少年に関する意見

12月中に青少年委員会に寄せられた意見は88件で、前月から7件増加した。
今月は「表現・演出」が33件、「低俗、モラル」が11件、「報道・情報」が10件、「暴力・殺人・残虐シーン」が9件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナの報道が一向に改善されない。「医療崩壊が始まっている」「東京の新規感染者が過去最高だ」など、毎日のように不安をあおられ憂鬱になる。このような報道をしていても感染者は減らないのに、いつまでもネガティブな報道をしている。危機感を持たせることは大切だが、それよりも、どうすれば感染を防げるのかという、正しい知識を身につけるための報道をしてほしい。放送局は本気で感染を減らすことを考えているのだろうか。不安をあおる報道をやめて、国や地方自治体と協力し、コロナを食い止めていくことが必要ではないか。

  • GoToトラベルについて。感染者が増えても継続させていた時期は、政府の対応に批判的で、街角での一般の人たちのインタビューも継続に反対する人を放送していた。一方、政府が、GoToの全国的な一旦中止を決断すれば、遅すぎるといった批判的な声や、多数の観光業者の苦情的なコメントを放送している。これでは政府を批判しているだけであり、視聴者にとって悪い印象しか残らない。国民に色々な不満があるのは理解しているが、それら全てを同時に納得させる事など不可能だ。政府の対応を悪く印象付けているようにしか見えない。

【番組全般・その他】

  • 不倫問題を起こした人気芸人の一連の報道について。破廉恥な事件ではあるが、各局の報道姿勢は倫理に欠ける感じがした。本人は大きな社会的制裁を受け、それが家族にも及んでいる。不倫相手など事の詳細は週刊誌の情報に基づくもので、彼が全て悪いかのように不公平に扱われている。最も疑問に思ったのは、会見の囲み方とあまりにもひどい内容の質問。これは公開いじめのようで、言葉による暴力に感じた。各局が朝から晩までその会見内容を垂れ流している状況もいかがなものかと思った。

  • 土曜日の番組のエンディングについて。視聴者が意図を汲み取りづらい演出となっており、一連の騒動で降板した芸人を卑下するような内容であった。この放送を面白いと思うのは誰なのかということが一切分かっておらず、このコロナ禍で大変な日々を過ごす人々が迎える年末において、この番組を心底楽しみにしていた視聴者に悪い感情を残すような裏切りであった。

  • テレビを制作するにあたり、大食い、爆食い、フードファイトなどの番組は必要なのか。日本では7人に1人の子どもが貧困状態にあると言われている。食べたくても食べられない子ども達がいる。また、毎年、日本のどこかで自然災害が起きている。救助が入るまでは食べ物も不自由だろう。加えて、今年はコロナ禍の影響で、失業者や日々食べることに困った人たちも多かったと思う。命を落とされた方もいただろう。こんな状況の中、こんな状況でなくとも、大食い番組は地上波放送に必要か。視聴率を上げるためになくてはならない番組か。必要ならば、地上波放送ではなく、有料放送などで制作できないものか。仕事柄、生活困窮の方と触れ合う機会が多い。大食い番組は困窮者に対して不適切な番組だと思う。

  • 都内のロケなのに、マスクをしていないのが気になった。一般の人はみんなマスクをしているのに、芸能人はノーマスクで一般人に近付き、話かける。ノーマスクの芸能人を恐れて後ずさりする人もいた。芸能人は特別なのか。ニュース番組では自粛と言っていながら、バラエティー番組のロケはノーマスク。矛盾していないか。

  • 新型コロナについて、情報番組やワイドショーでは、感染者、重症者、死亡者の数を速報で伝えている。アナウンサーやMCは恐怖をあおるだけだ。平常時ではないのに政府批判だけを繰り返していては、正しい感染予防も視聴者に伝わらない。報道機関の人たちは目を覚ましてほしい。感染状況と同時にマスクの正しい着け方、手の洗い方、避けるべき場面等を伝えなければ、視聴者は誤った感染予防方法を続け、感染は益々拡大してしまう。批判は収束後にいくらでもできる。また、バラエティー番組における出演者のマウスシールド着用も控えて欲しい。マウスシールド、フェイスシールドに感染を予防する効果はないと、複数の医師も警告している。これも、視聴者に誤った感染予防方法を伝えている事になる。

  • 午後の情報番組を見た。女性出演者が新型コロナの感染拡大について、「若者が感染を広げている」「若者が外出しすぎている」「青春はいつでもできる」などと言っていた。これには大変傷ついた。私は現在大学生で、自分がかからないように、家族や周りの人に感染させないように、今でも自粛を続けている。大学に勉強しに行きたいし、アルバイトもしたい。今しかない部活やサークル活動にも参加したい気持ちでいっぱいだ。でも我慢している。若者をひとくくりに攻撃するようなことはしないでほしい。

  • どのチャンネルに替えても、朝から晩までコロナ、コロナ、「感染者数が…、重症者が…」と、ほぼ同じ内容の放送をしている。恐怖心ばかりがつのって気が滅入る。テレビを見る気も失せてしまった。何とかならないのか。

  • 新型コロナの感染拡大が続く中、全国の医療機関、医療従事者への負担が日増しに大きくなっている。それに関連した報道で、「医療体制のひっ迫が懸念されている」というものがあった。どうにもこれは見苦しい表記法である。放送局や新聞社などの報道機関が、用いる漢字を定めているのは知っているが、そこに含まれないからといって、やたらに仮名書きにするものではない。そもそも日本語における漢語は外来語であり、音声よってその意味を理解するものではなく、漢字の組み合わせによって理解されるものである。このことから、「ひっ迫」ではなく「逼迫」と書いて、仮名を振れば良いのではないか。今後さらなる国際化が進み、外国人のテレビ視聴も増えるであろう。その時に、近隣の諸国・諸地域出身者にとっては、「逼迫」の方がはるかに理解しやすいはずである。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で芸人6人が都内各所に繰り出し、街歩きをしていたが、うち5人がマスクをしていなかった。一般の通行人はマスク着用が徹底していて、芸人を避けているように見えた。感染症に対する意識の低さが露呈していて、番組を見ていた子どもたちには“悪い見本”と説明するしかなかった。

【「低俗、モラルに反する」との意見】

  • ドッキリ番組で、男性が女湯に入ってしまうというドッキリがあった。多くの子どもが見ている時間帯にそのようなドッキリを放送することは快く思えない。また、裸の男性が女湯に入ることを笑いにするという考えが不快に感じる。

【「報道・情報」に関する意見】

  • ニュースで、住宅が燃えている火災のシーンが放送され、複数の子どもが亡くなったとナレーションがあった。亡くなられた子どもたちの友人がこの映像を見たとき、どれほどショックを受けるだろうか。消火した後の映像ならまだしも、燃え盛る映像の使用には疑問が残った。

【「危険行為」に関する意見】

  • 旅をするバラエティー番組でつり橋を渡るシーンがあったが、出演者の一人が橋を揺らし、仲間を怖がらせていた。子どもたちが見ていたら真似をするかもしれないし、危険だと思う。つり橋でふざけること自体が間違っている。

2020年11月に視聴者から寄せられた意見

2020年11月に視聴者から寄せられた意見

感染が拡大した新型コロナウイルスについて報じた番組への意見や、コロナ禍における番組収録、取材のあり方への意見が多く寄せられた。

2020年11月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,454件で、先月と比較して1,196件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール80%、電話18%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性53%、女性26%で、世代別では50歳代25%、40歳代24%、30歳代21%、20歳14%、60歳以上14%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。11月の通知数は延べ801件【50局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

感染が拡大した新型コロナウイルスについて報じた番組への意見、また、コロナ禍における番組収録、取材のあり方への意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は90件、CMについては16件あった。

青少年に関する意見

11月中に青少年委員会に寄せられた意見は81件で、前月から29件減少した。
今月は「表現・演出」が27件、「いじめ・虐待」が11件、「暴力・殺人・残虐シーン」と「報道・情報」がそれぞれ7件、「低俗、モラル」が6件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナについての報道で、予防のためのマスク着用を推奨している一方で、スタジオではマスクは着用せず、取材などではマウスシールドはしているが、マスクはしていない。報道と番組のあり方が違うので、視聴者としては、マスクをするのが適切なのか、マスクをしなくてもよい状況なのか、判断に迷ってしまう。番組出演や取材におけるマスク着用のスタンスを統一してほしい。

  • 新型コロナについて、「感染者急増」「過去最大」など、不安をあおる報道を繰り返し、結果的に罹患した方や関係者への偏見、差別につながり、社会全体を不安に陥れている。公的機関が発表している検査陽性者は、感染者と報じられ、視聴者に誤解を与えている。また、インフルエンザの流行については淡々と報じる一方で、新型コロナでは、「クラスター発生」「医療崩壊の危機」などと危機感をあおっている。感染抑制や罹患者の重症化防止のための情報を視聴者に伝えることが放送局の役割だと思うが、ワイドショーなどは、ただ騒いでいるだけにしか思えない。過信は禁物だが、過剰な報道はやめ、正しい情報を視聴者に伝え、感染抑制と罹患者への偏見防止につなげてもらいたい。

【番組全般・その他】

  • コロナ禍の中、少しでも感染拡大を防ごう、マスクをして三密を避けようとテレビで報じているが、土曜昼の番組は、それを自ら破るような放送をしている。ロケ中にマスクなどの感染対策をせず、大声で騒いでいる。マウスシールドはほとんど意味がないと言われているが、それすらもしていない。コロナ前の再放送かと思ったほどである。世の中、気が緩んでいるのではないかと言われているが、一番緩んでいるのはテレビ業界ではないだろうか。最大限の感染対策をしてロケをしてほしい。

  • 朝の番組は、新型コロナについて、「医療崩壊」「GoToトラベルの中止」「緊急事態宣言」などと、大げさにあおっている。その裏で若者などの自殺者数が増加傾向にある事実。今の状態からさらに経済を停止させるようなことを行えば、自殺者がさらに増加する可能性には触れない。テレビ局の意図するあおりに賛同しているかのような一部の医療関係者の出演コメント。それに真っ向から反対意見がある医療関係者も多数いるなかで、そういった人たちの出演は皆無。結局、テレビ局に都合の言いことだけを並べている。このような放送をして得をするのはテレビ局関係者だけで、国民は誰も得しない。国民を混乱させるのはやめてほしい。

  • 情報番組で新型コロナの感染状況を伝えている。感染者数・重症者数・ベッド数の状況などを逐一アナウンサーが深刻な表情で伝えるが、その直後、一変して笑顔で「おいしい飲食店情報」などを披露する。飲食店での会食が最大のクラスター発生源である現在、コロナのニュースの直後に飲食店情報とは矛盾している。

  • 羽田空港でGoToトラベルについて昼の番組の取材を受けた。私たちは男2人の70歳代。インタビューに対し、私は「札幌には行かないし、経由もしないのでこのツアーに参加した」という旨を答えた。しかし放送では、話の内容はすべてカットされ、「札幌観光に行ってきたという男性、GoToのチャンスを逃したくなかったから…」とのナレーションが流された。顔はモザイクで隠されていた。このように、番組の企画の方向性に合わせてインタビュー内容を改ざんすることはよくあるのだろうか。映像を都合よく利用されてしまった。改ざんを前提に処理をしたとしか思えない。テレビ局とはこのようなものなのか。

  • 食べられもしない量の料理を出し、無駄な食べ残しをし、食べられもしないほどの激辛にして食べ残しをするのは、あまりにも常識を超えている。新型コロナの影響もあり、出演者の食べ残しをスタッフが食べて処理するはずもない。世の中には何事にも限度と常識がある。食べられもしない量を分かっていながら出し、食べられもしない辛さにして食料を無駄にするのは非常識だ。限度ある常識的な番組作りをしてほしい。

  • 大ヒットしている人気アニメの過剰報道と、それに興味のない人たちに対する配慮のなさについて。いくら人気があるとはいえ、知っていて当たり前のように報じるのはどうなのか。それを知らない人、興味のない人、嫌う人たちからすれば、不快で腹立たしい。多様性の時代というのなら、はやりものを安易に取り入れ、過剰に報道するばかりでなく、別方向の意見をもっと取り上げたほうがいい。

  • 人気アニメの劇場版が連日取り上げられているが、テレビが騒げば騒ぐほど、劇場に人が殺到する。コロナに感染しそうで怖い。GoToトラベルも同様で、テレビであおると人は出かけたくなり、結果として感染拡大につながってしまう。私は宅配業者の配送員。仕事上、感染防止には万全な対策をとっている。いくら私たち現場が努力しても、テレビで人々をあおるような放送をされてしまうと何もならない。このことを放送関係者は忘れないでもらいたい。

  • 新型コロナと年齢(83歳)のため、最近はテレビを見て過ごす時間が長くなった。いつも思うのだが、ほとんどの番組は若い視聴者向けに作られている。たとえば歌番組は歌そのものを楽しみたいのに、踊りやトークなどの演出が過剰で疲れてしまう。ドラマでは出演俳優の名前が思い出せずイライラすることもある。できればその俳優のセリフの際、時々でも役名と俳優名を字幕表示してくれたら助かる。私も以前は問題なくテレビを楽しめたのだが、80歳を超えたころから少し難しくなってきた。若い人はテレビ以外の活動があるが、老人にとっては日々の生活でテレビの占める割合は年々大きくなる。是非、高齢視聴者の要望を生かしてほしい。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • 子どもの通っている熊本県内の高校で新型コロナのクラスターが発生し、地元のテレビ局は学校名を公表して報道していた。公表されたことにより学校を貶める嘘の情報が広まり、風評被害が起こっている。学校は不特定多数の人が来るわけではないし、子どもたちにも影響が大きい。学校名の報道は慎重にすべきだ。

【「表現・演出」に関する意見】

  • ドッキリ番組や実験番組は、最初は子どもの興味を引く軽いイタズラや実験だったが、最近は怪我をさせたり人を痛めつけるような内容に変わってきている気がする。子どもがマネをしたりイジメにつながってしまうのではないか。見ていてそうならないようなイタズラや実験にするべきだ。

  • バラエティー番組で「人気俳優が起こしたひき逃げ事件」のテロップを流し、延々このニュースについて放送し、非常に不快な内容だった。現段階では、起訴不起訴処分は決定しておらず、日本の司法では「推定無罪」であることを認知するべきだ。目を引くようなテロップやボードを使い、週刊誌の不確かな記事を鵜呑みにした内容を出演者の無責任なコメントと共に流し続けた。子どもも見る時間帯、いじめにも似た番組だ。

【「表現・演出」に関する意見】

  • 『SHIROBAKO』(NHK Eテレ)は、アニメ制作の舞台裏を題材にした作品で、制作の苦労が分かり、仕事の勉強になる。暴力シーンなどなく安心して見ていられた。アニメ業界で働きたい若者に見せたい番組だと思った。

2020年10月に視聴者から寄せられた意見

2020年10月に視聴者から寄せられた意見

不妊治療に関して不適切な発言をしたタレントへの批判や、幼少女への性的嗜好をネタにした芸人への批判が多く寄せられた。

2020年10月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,650件で、先月と比較して944件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール84%、電話14%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性35%、女性42%で、世代別では40歳代27%、30歳代25%、50歳代20%、20歳代15%、60歳以上11%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。10月の通知数は延べ1,882件【59局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

昼の番組で、不妊治療に関して不適切な発言をしたタレントへの批判や、夜の番組で、幼少女への性的嗜好をネタにした芸人への批判が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は74件、CMについては31件あった。

青少年に関する意見

10月中に青少年委員会に寄せられた意見は110件で、前月から1件増加した。
今月は「表現・演出」が33件、「暴力・殺人・残虐」が17件、「要望・提言」が8件、「いじめ・虐待」と「低俗、モラル」がそれぞれ6件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナの報道について、夕方のニュースになると、「今日、東京で新たに新規感染者が○○人確認された」と、いまだに新規感染者のみを報じている。入退院数、検査人数、陽性率は一切報じない。詳しいことはネットで調べればいいと、まるで視聴者に丸投げしているとしか思えない。新規感染者だけでは何の報道にもなっていない。報道機関としての役割を放棄しているように感じる。

【番組全般・その他】

  • ロケ番組において、出演者がマウスシールドやフェイスシールドを付けて収録するケースが多い。特にマウスシールドが目立つが、「ウイルス感染予防の観点からは不合格である」と、多くの専門家から指摘されている。人が少ない場所での収録であれば、出演者のみにリスクが及ぶだけだが、ある程度の街中での収録では、飛沫リスクは避けられない。おそらく顔を見せたいがための対応だろうが、放送では使用しないほうがいい。感染予防にはマスクの有効性がほぼ確立しているのだから、影響力を考え、見本となるよう遵守すべきだ。

  • 昼の番組を見た。次のバスまであまり時間がないなら、飲食店に入らなければいいのに、店の人に急いで作らせた料理に少ししか口をつけずに店を後にするシーンがあった。食べ方も急いでかきこむ感じで、代金は払ったものの最後まできちんと食べないなど、店に失礼だ。見るに堪えないのでチャネルを替えた。この時間帯は多くの世代の人たちが見ている。食事のマナー、食品ロス、店への気配りに欠けるなど、道徳的にどうかと感じた。

  • 芸人が、小児への性犯罪者を仲間であるとし、さらに同じ性的嗜好をもつ自分たちは、世間から虐げられている被害者であるという趣旨の発言をしていた。また、それを出演者一同が笑うという番組の流れだった。実際の被害者たちがどれだけの傷を負っているかの想像力もなく、何気なしにこの番組を見ていた視聴者の中には、これを笑い話のネタにしていいのだと感じる人たちもいることと思う。れっきとした犯罪を、嬉々として笑い話にする内容は、許されることではない。

  • 昼の番組で、不妊の原因についての不適切なコメントがあった。専門的な知識を持たないタレントが、何を根拠に断言できるのか。不妊治療で苦しんでいる女性たちがいることを忘れないでもらいたい。

  • GoToトラベルのおかげで、高級ホテルのエグゼクティブルームが、普段は一泊14万円のところ、特別価格と税金の補助で一泊55,000円になるという話題。「これはお得ですね」と、出演者たちは大喜びしている。一泊55,000円の宿泊ができる人たちに、税金の補助が必要なのか。

  • 夜のニュースで、新型コロナの感染拡大以降、東京・品川駅の朝の通勤風景を流している。いつも、いやだなと思いながら通るのだが、ついに今日、自分の足元が映ってしまった。もし、顔が出ていたらと思うとぞっとする。テレビに映りたくない人の気持ちはどう考えているのか。

  • どこの局も同じ話を一日中繰り返している。それも新型コロナなど、気が滅入る話題ばかりでうんざりする。私は、寝ている時間以外、テレビ画面と向き合っているが、番組があまりにつまらないので、ビデオばかり見ている。何とかしてほしい。

  • BSの番組を見た。町の中華店を訪ね歩く番組だが、今回は、東京都練馬区が舞台。レギュラー出演の芸人とその店の店員は、今年閉園した遊園地「としまえん」の思い出話で盛り上がっていた。都市開発によって消えゆく昔ながらの人情の温かみを、下町のノスタルジーとともに、じんわりと味わうことができた。飲酒を

  • 扱う点で、「青少年には見せるべきではない」という意見もあると思うが、温かい人情に触れることができる番組こそ、青少年に見てもらいたい。近年、放送倫理の劣化が叫ばれているが、このような良質な番組もあることを知ってもらいたい。

【ラジオ】

  • FMの夜7時からの番組は、社会問題や政治などを取り上げる内容だが、一部の常連リスナーによるコメントが、徐々に誹謗中傷化している。いろいろな問題について、異なる意見が交わされることは健全だと思うが、一部のリスナーが、自分と意見が異なる相手に対して、個人攻撃と思われるようなコメントを投稿することが多々見られる。また、ナビゲーターに対して攻撃的なコメントをするリスナーもいる。何年もこの番組を聞いているが、ここ最近、エスカレートしているようで怖い。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 深夜のトーク番組で、アイドルおたくをネタとする芸人が自分はロリコンで応援しているアイドルは14~17歳。自分の仲間がアメリカでGPSを付けられていると面白おかしく話していた。しかしGPSを付けられているということは犯罪者のはずで、このように軽々しく話すことではない。性被害にあってPTSDに苦しむ子どもたちもたくさんいる。性に対する問題意識が低すぎる。

【「差別・偏見」に関する意見】

  • ドッキリ番組において、男性先輩芸人が男性の後輩に言い寄るという同性間のセクハラ、パワハラを放送していた。男女であればセクハラとして放送できない事を同性であれば笑えるかのように放送するのは、同性間セクハラを矮小化している。また同性愛者=セクハラをするかのような偏見を助長する表現だ。子どもが見る時間帯であり、LGBT当事者の子どもたちへの影響は深刻ではないか。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • グロテスクで残忍なシーンが多く、子どもが見ることのできない深夜に放送していたアニメをゴールデンタイムで放送するのはいかがなものか。鬼の首を切り、血しぶきが上がる。子どもに見せていい内容ではない。

【「食べ物」に関する意見】

  • 路線バスを乗り継いで旅をするバラエティー番組でカレー屋を訪問してカレー三食とグラタンを注文。しかし次のバスまでの時間がないからと最初に来た一食を4人でつつき、さっさと店から出て行った。料理も無駄になったし、作ってくれた人への感謝の気持ちもなかった。お金を払えばよいという問題ではない。子どもも見る時間帯なのでこのような企画はやめてほしい。

【「推奨番組」に関する意見】

  • 『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(テレビ朝日)は、毎回感心やら可愛いやらで楽しませてもらっている。出演者と素晴らしい才能の子どもの会話も楽しく、この子たちは日本の宝だとうれしくなる。視聴者はこのような番組を期待していると思う。

2020年9月に視聴者から寄せられた意見

2020年9月に視聴者から寄せられた意見

首相の辞任表明を受けた自民党総裁選、飲酒運転で逮捕された元タレントや亡くなった女優を取り上げた番組等への意見が多かった。

2020年9月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,706件で、先月と比較して202件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール78%、電話20%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性52%、女性28%で、世代別では40歳代27%、30歳代24%、50歳代21%、20歳代13%、60歳以上13%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。9月の通知数は延べ897件【59局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

首相の辞任表明を受けた自民党総裁選について報じた番組への意見が多く寄せられた。そのほか、飲酒運転で逮捕された元タレントや亡くなった女優を取り上げたワイドショーへの意見も多かった。
ラジオに関する意見は65件、CMについては32件あった。

青少年に関する意見

9月中に青少年委員会に寄せられた意見は109件で、前月から19件増加した。
今月は「表現・演出」が24件、「低俗、モラル」が17件、「その他」が16件、「危険行為」が14件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナの報道のあり方について。各放送局の定時ニュースでは、ほとんどの場合、新規感染者の増加数しか報道しない。なぜ完治した人の数を同時に伝えないのか。「今日も感染者が200人を超えました」などのセンセーショナルな表現で、視聴者の不安をあおるだけでいいのだろうか。これだけ聞いていると、いかにも新規の感染者だけがどんどん増えているような印象を与える。不安をあおるだけではなく、真の状況を視聴者が冷静に理解し易いように伝えるのが、メディアの役割ではないのだろうか。

  • 最近の報道番組を見ていると、どの局も同じ話題ばかり。新型コロナが流行すればコロナばかり、台風が来れば台風ばかり、それも首都圏への影響があればすぐに地方を切り捨て、首都圏の情報ばかりだ。偏った意見に集約され、多様な意見は発信しない。自民党総裁選にしても、すでに決定しているような報道が相次いでいる。しばらくしたら一斉に批判するのだろう。報道は世論を形成する。もっと責任を持って、多様な意見を広く伝えてほしい。若い世代は、インターネットでその他の情報を得ることもできるが、それには偏った考え方の場合もある。マスコミ報道以外に情報を取得できる手段を持たない人たちも大勢いることを認識し、制作、発信にあたってほしい。

  • 自民党総裁選について、メディアはひたすら状況を伝えるだけで、前政権がやり残したことへの追及すべき問題について、候補者に聞き、視聴者に伝える姿勢が全く感じられない。一般市民に総裁選の投票権は無い。派閥の駆け引きなど伝えてもらっても無駄なこと。「もう新総裁は決まり」的な雰囲気でまとめている。それよりも、今後取り組むべきことを忖度なく視聴者に伝えたほうがいい。

【番組全般・その他】

  • 台風10号に関して、気象庁のコメントを再三報じているが、あまりにもお粗末だ。「経験したことのない強い台風」「特別警報を発する可能性」「最大限の警戒」など、可能性ではなく、もっと現実に即して、いつ警報を出すのか、台風の経路に予想される住民がどう対応すべきかについて放送してほしい。

  • 緊急ニュースの各大臣の入閣速報が迷惑。数分おきに速報を鳴らし、その度に大臣の話。全く緊急性が感じられない。台風や洪水で、避難の遅れる人たちが出るのは、日頃からどうでもいい速報を流しているからではないか。

  • わざわざニュース速報で、「○○氏が再任」や「○○氏が初入閣へ」と、音付きで何度も速報を流す必要はないと思う。速報は、大雨特別警報など、本当に特別な時だけ流すべきだ。

  • 閉園した遊園地の最後の日にスポットを当てていた。そこには、コロナ禍で迎えた最後の日に、マスクもせずに楽しそうに騒いでいる来園客の姿があった。中高年を中心に、多くの人たちが自らの人生と重ね合わせて閉園を惜しむ姿を描きたかったのかもしれないが、今や人の集まるところでマスクをつけることは常識だ。世の中とのギャップが大きく、違和感があった。

  • 飲酒運転による追突事故を起こした元タレントについて、各局で過去の映像や事象を引き合いに出し、実名・顔出しでの報道を行っている。事故を報じるのは致し方ないとしても、芸能界を引退し、一般人として生活している人への配慮がされていない。ましてや、過去に不起訴になった件や離婚理由について、関連付けて報道するのはいかがなものか。日々、飲酒運転による交通事故が発生している中、交通事故の加害者を実名・顔出しでは報じていない。彼が元芸能人であったことを考慮しても、過去の件を持ち出しての報道は、人権を侵害しているように感じる。

  • 元タレントの逮捕報道について。有名芸能人だったからといって、「○○さん」という呼び方はいかがなものか。あくまで違法行為をして逮捕されたのだから、きちんと一般人と同じように「○○容疑者」の呼び方で報道したほうがいい。報道は公平中立の立場であらねばならない。それをしっかり踏まえてほしい。

  • 亡くなった女優について。各メディアに言えることだが、自殺と思われる報道は慎重になる必要がある。コロナ禍などで不安定な社会、芸能に携わる人たちの自死が相次ぐ中、なおさらそれが当てはまると思う。彼女が訪れていた寿司店へのインタビューでは、店員からの「微笑みがなかった」や「楽しそうではなかった」という証言が引き出されていたが、プライバシーは一体どこにあるのか。これを報じることで、自殺の抑止になるなど、社会に良い影響があるのだろうか。こうした報道のされ方が、芸能界をはじめとする様々な業界にストレスを与え、さらなる悲劇を生むことになるのではないかと危惧している。自殺を取り扱うすべての番組に、もう少し配慮が必要だと思う。

  • 日曜昼の傑作選は、芸人が大量の麺類や超激辛ライスを食べる企画。料理に使用された唐辛子や香辛料は常識を超えている。芸人たちは涙を流しながら無理やり口に運ぶ。食事を堪能する表情は全くなく、どう見ても苦行を強いられている。人間が一度に食事を摂る量には限界があり、胃破裂を引き起こす可能性が高く、医学的に危険である。食品ロス問題が叫ばれる昨今、大量の残飯を生み出すなど時代に逆行した企画で、不快感しか残らない。

  • 見たくない、見せたくない暴力的な映像が流れることがあり、子ども達への影響を懸念している。先日も、朝、テレビをつけると、タクシー車内で運転手が殴られるドライブレコーダーの映像が流れていて、子どもが大変怖がっていた。心理的な影響や、これらの暴力的な映像が常態化して、何とも思わない、当たり前の風景になってしまうのではないか。視聴者からの映像を入手する簡易さと、センセーショナルな映像による視聴率の追求が相まってなのか、近頃、暴力的な映像が垂れ流しされているように感じる。放送による影響を考慮し、人が被害を受けている映像を見ても平気でいられる人間を育てないよう、配慮してもらいたい。

青少年に関する意見

【「低俗、モラルに反する」との意見】

  • 音楽番組で昭和60年代のヒット曲を歌っていたが、歌詞の内容が未成年者の性行為を想起させ卑わいで下品だった。発売当時は世間が大きな問題意識を持っていなかったと思うが、いまこの曲を子どもも見ているゴールデンタイムで放送したのは残念だ。

【「危険行為」に関する意見】

  • ドッキリを仕掛けるバラエティー番組で、手指消毒液の入れ物から熱したゴマ油が噴出。熱さに困惑していると、さらに熱したゴマ油を掛けるという企画をやっていた。加熱した油は危険だ。子どもが平気だと思って料理中に近づいてきたり、マネをしていじめに使ったら恐ろしい。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 子どもの通う小学校の児童一人がコロナの陽性となり、休校となった。これについて朝の情報番組で、学校名と校舎を外から撮った映像が放送されたが、その必要はあるのか。特定する報道の仕方は、コロナ差別やクレームを助長するのではないか。

  • 著名人の自殺に関する報道を控えてほしい。悩みを持つ人々に対して刺激となりかねない。思春期の若者の自殺は、もっとも危惧される死因の一つになっている。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • バラエティー番組の動画を紹介するコーナーで、人が車にはねられたり、銃で撃たれて苦しんだりする様子がモザイクなしで放送されていた。人が死んだわけではないという判断で放送したのかもしれないが、子どもが見てもおかしくない時間帯で普通に流されることに驚いた。もう少し子どもたちに配慮して頂きたい。

【「その他」に関する意見】

  • 子ども向けアニメ番組放送中に、有名人が自殺したニュース速報テロップが表示され、子どもたちが怯えていた。速報性も大事だとは思うが、アニメ番組であることやニュースの内容を考えると、速報テロップの出し方に子どもへの配慮がほしかった。

2020年8月に視聴者から寄せられた意見

2020年8月に視聴者から寄せられた意見

連日の猛暑の中、感染拡大が続く新型コロナウイルスについて報じた番組への意見、取り上げ方への要望が多く寄せられた。

2020年8月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,908件で、先月と比較して174件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール82%、電話16%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性52%、女性26%で、世代別では40歳代28%、50歳代22%、30歳代20%、20歳代15%、60歳以上12%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。8月の通知数は延べ1,168件【58局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、25件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

連日の猛暑の中、感染拡大が続く新型コロナウイルスについて報じた番組への意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は75件、CMについては40件あった。

青少年に関する意見

8月中に青少年委員会に寄せられた意見は90件で、前月から7件減少した。
今月は「表現・演出」が27件、「報道・情報」が15件、「低俗、モラル」が9件、「危険行為」と「いじめ・虐待」がそれぞれ7件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナの報道について。連日、感染者の数をセンセーショナルに流すだけで、国民の不安と恐怖をあおっている。死亡者数、入院者数、重症者数、回復退院数、実際の陽性者数などには触れず、報道機関の役割を放棄している。パニックを誘発し、経済を萎縮させて破壊し、自殺者を増やし、暗い話題をそんなに増やしたいのかと恐怖を感じる。報道姿勢に一定の規制が必要ではないか。

  • 新型コロナの報道について、偏った意見ばかりで視聴者の不安をあおっている。私は飲食業だが、テレビの影響で客足が遠のき、死活問題になっている。不安要素の報道も必要だろうが、経済面も考えて多角的な報道をしてほしい。このままでは、閉店せざるを得ない店も数多く出てしまい、自殺者も増えるばかりだ。

  • 正直、連日の新型コロナ関連番組は飽き飽きしていて、気分が沈む。特段、新情報があるわけではなく、感染者が発表されるたびに速報まで打って、うんざりする。今後、コロナについては、特別な演出をせずに粛々と報道してもらいたい。一方、もっと取り上げるものがある。モーリシャスの油流失事故、中国の食品ロスに関する日本の状況、コロナ禍の中で起きた児童虐待など、細かい事案であっても、しっかりと取り上げたほうがいい。

【番組全般・その他】

  • 京都・渡月橋での暑さのリポートはあまりにもひど過ぎる。40℃を超える気温の中、ディレクターが明らかに熱中症のような様子で必死に中継リポートしていた。帽子も日傘もささず、さらにはマスクもしながら、熱中症リスクの高い格好だった。この際、スタジオで受けていたMCは、支離滅裂なことを言い始め、体調の悪そうなディレクターに、終始あざけるような態度で応対し、ディレクターがスタジオに返そうとしても、無理やり放送を続行するように伝えていた。ディレクターをリポートに行かせた局の判断は間違っている。残酷ショーを見たいのではない。情報番組なら、正しい情報を適切な方法で伝えるべきであり、今回の放送は、不適切どころか、非人道的ですらあった。

  • 新型コロナ報道について。最近では、「インフルエンザより軽い」という方向性を作ろうとしている。番組に出演している医者やコメンテーターが、「コロナは大したことない」という持論を展開していることが多く、「コロナは危険」という持論の人たちはテレビに出てこなくなった。インフルエンザと違い、ワクチン無し、特効薬無し、ウイルスの実体もはっきり分からないという点に触れず、希望的観測が述べられている。東日本大震災のメルトダウンの時と同じで、政府の方針に沿わない報道が少なくなっていくように感じる。

  • ワイドショーのあり方について、新型コロナを通じて知ることになった。国難とも言えるこの状況に対して、ショーとして報道するやり方、より扇情的に問題を取り上げ、ネットで情報を拾い、街頭インタビューの類型的なコメント。「後手、後手…」と政府批判。まともに政策の説明やコロナ対策の啓蒙や休業補償の話をせず、興味のある内容だけを取り上げ、それを切り取って放送。テレビ局の世論操作が一方的だ。日本人のモラルを高めようとするテレビ局はないのか。感染を防いで行こうとなぜ訴えないのか。無知なコメンテーターもやめさせてほしい。それだけでも誤った考えが減ると思う。

  • バラエティー番組のやらせに、厳しくなり過ぎてはいないか。普通のことを普通にするだけでは、当然ながら面白くならない。やらせなしのリアリティーと面白さを追求すれば、危険な企画が増える。一方で、ワイドショーや報道の意図的編集は気になる。専門家や政治家の言葉を切り取って、全く逆の意味になるよう編集された報道が散見される。楽しませることよりも、情報を伝えることに重きを置くべき番組は、発言者や情報源の意図通りにしっかりと報道する責務があるのではないか。いろいろな意見を報じるのは大切だが、本人が言っていないことを、あたかも言ったように報道するのは捏造だ。独自の情報や独自見解を発表するのはいいが、発言者の意図が歪曲されて伝わるように編集するのは、事実を捻じ曲げる意図があり、悪意に満ちている。面白くするためのやらせよりもよほど問題があると思う。

  • 勤務している会社のリスク管理部門から、「職員一人ひとりのコロナ対応」なる文書が社内にて掲示された。そこには体調管理、職場での感染防止、職場以外での生活、感染症が疑われる職員発生時の対応などが分かりやすく示されていた。そして最後に追記として、「世間の報道などに惑わされたり、一喜一憂せず、人に感染させない行動を率先垂範する事が重要」と加えられていた。最近、報道に対して、疑問や疑念、不満を感じ、またそう感じざるを得ない不祥事も起きているだけに、とても印象に残っている。そして強く感じたのは、こういった文書が出回ること自体、報道の信頼、信用、権威、地位といったものが著しく低下しているのではないかということだ。

  • 仲間と飲み会をする、趣味のサークルでカラオケをする、合唱をする、海でサーフィンをする、旅行に行く、コンサートに行く、親戚に会う。これらは感染者がいない場所なら何の問題もない活動、不要不急かもしれないが、人生を楽しむ、豊かにする活動だ。私たちは生命を維持することだけを目的に生きているわけではない。そして、これらの不要不急と思われることを生業としている人々にとって、仕事がなくなることは生命がなくなることにも等しい。新型コロナ報道の際に、これらの活動がまるで悪であるようなイメージを植え付けないでほしい。一度イメージが落ちてしまうと回復するのには相当なエネルギーが必要になる。人類の敵はコロナであり、人とのコミュニケーションが悪いわけではない。これ以上イメージを悪くしないでほしい。もう十分に周知されている。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • プロ野球中継を見たら大勢の解説者が次の打者の打撃予想をするクイズ形式だった。解説がほとんどなく、ヒットなら何ポイント、フォアボールなら何ポイントと獲得ポイントを競うもので、子どもや視聴者に賭博のやり方を教えるようなものだ。スポーツ中継でこのようなやり方は野球ファンとしては納得できない。

  • ボートレースのPR、実況中継、開催日程などが紹介される番組が夜の8時台に放送されている。誰に見てもらうために放送しているのか。児童、生徒、未成年への影響は考慮していなくていいのか。

【「要望・提言」に関する意見】

  • 8月は原爆投下日、終戦記念日があるが、年々戦争に関連した番組が減っているように感じる。戦争を体験した人が減っている今、そういう人たちを取材して戦争体験を映像や音声で残してほしい。戦争に関する番組やドラマを放送し、青少年に戦争の悲惨さ、残酷さを伝えていってほしい。

【「危険行為」に関する意見】

  • バラエティー番組でお笑い芸人に生のパイナップルを皮ごと食べさせていた。汗だくで涙ぐみながら食べて、後で嘔吐していた。全く笑えない映像で食道や内臓を傷つけるのではないかと心配になった。子どもが真似をしたり、いじめの手段に使われたらどうするのか。

【「喫煙・飲酒」に関する意見】

  • 最近目立つのが番組内での飲酒行為だ。出演者が赤い顔で酒を飲みながら番組を進めている。芸人の食レポにおいても酒を要求する場面がある。青少年への影響をどう考えているのか。

2020年7月に視聴者から寄せられた意見

2020年7月に視聴者から寄せられた意見

感染が収まらない新型コロナウイルスについて報じた番組への意見や、九州を中心とした豪雨被害など、各局における災害情報に関する意見が多く寄せられた。

2020年7月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,734件で、先月と比較して225件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール80%、電話18%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性56%、女性24%で、世代別では40歳代27%、50歳代22%、30歳代22%、60歳以上14%、20歳代13%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。7月の通知数は延べ949件【67局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、26件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

感染が収まらない新型コロナウイルスについて報じた番組への意見が多く寄せられた。また、九州を中心とした豪雨被害など、各局における災害情報に関する意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は64件、CMについては47件あった。

青少年に関する意見

7月中に青少年委員会に寄せられた意見は97件で、前月から20件増加した。
今月は「表現・演出」が27件、「要望・提言」が11件、「いじめ・虐待」が10件、「報道・情報」が9件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナの感染が収まらない中で、陽性者や重症者など様々なデータが出ているが、仮定に基づく話題を報じることに不信を覚える。統計では、前提や規則の定め方で、データをどのようにも解釈することができる。意味のない解釈で不安をあおったり、危険を過小評価するのはやめてほしい。

  • 東京新宿歌舞伎町の一番街付近にある居酒屋で働いている。連日の新型コロナ感染報道で、店の売り上げが激減し、迷惑している。歌舞伎町は広い歓楽街で、ホストクラブやキャバクラは一番街付近にはない。また、近辺の同業者に感染者は出ていない。一番街の入り口のアーチばかり放送で映さないで欲しい。この付近全体に感染が広がっているような報道により、店の売上が生活に直結し、困っている。

  • 人気俳優の自殺を受けて、あちこちのワイドショーなどで詳しく取り上げているが、自殺防止の観点から、場所や方法を詳しく報道しないなどのメディア関係者へのガイドラインがあるはずだ。それを周知しているのだろうか。

  • 中国の長江流域で長期的大雨が続いており、世界最大のダム三峡ダムの決壊が懸念され、そればかりか上下流とも大洪水で、1,200万人以上が避難対象となる異常事態が起きている。そのことを日本のマスコミはほとんど報道しない。長江流域には大都市が多く、日本人も数十万人規模で住んでいる。その人たちの親族に対し、何の情報も流さないのは、報道機関としてどうないか。一方、インターネットでは、連日詳細にこの情報が提供されている。このことから見ても、今の地上波、新聞を中心としたオールドメディアは、もはやその役割を果たせていないのではないかと感じている。

【番組全般・その他】

  • 日曜昼の番組を見た。緊急事態宣言が解除された後のロケと思われるが、出演者が移動車の中ではマスクをしていたが、ロケをしている店の中や屋外ではマスクを外して店の人たちと大声で会話をしていた。メディアでは、「新しい生活様式の中で…」などと、しきりに叫んでいるのに、このようなロケを見せられては全く説得力がない。

  • 長時間の歌番組を見た。アーティストと司会の距離が近すぎ、2mも離れていなかった。また、大人数の女性アイドルグループがスタジオで歌を披露したが、それは、いわゆる“密”状態。どのような感染防止対策のもとで放送しているのか。危機感がなさ過ぎる。

  • 北関東に住んでいる。高校野球中継の映像と音声がひどい。中継内容もよく分からない。放送免許を持ったテレビ局が出すレベルとは思えない。ホームビデオをたれ流している感じで、テレビを見ていて酔ってしまう。

  • 世界中のいろんな人と、テレビ電話で各国をめぐる番組を見た。今、新型コロナで外出自粛が長引く中、新たな方法で人と人をつないでいるところがとても良く、司会者のコメントも素晴らしかった。外出ができない中、それを見て元気になった人も多いと思う。今後もこのような番組を作ってもらいたい。

  • 土曜日の夜の番組を見た。久しぶりにいい番組だった。日本の子どもたちの成長を見せてもらい、ありがとうと言いたい。このような番組が次々に放送されるようになるといい。

  • 岩手県に住んでいる。アナウンサーがアポなしで県内の集落を訪れる番組を見た。その土地の人や文化、飲食店が紹介され、普段は気にかけない風土の良さに気づくことができた。派手な演出はないが、郷土を愛する心を育てる良い番組だと思う。地方局は、キー局制作の、東京の飲食店や名所ばかり紹介する番組をそのまま放送することが多いが、このような番組が増えれば、テレビの価値が上がり、東京一極集中にも歯止めがかかるのではないか。番組制作者には頭が下がる思いだ。他の地方局も見習ってほしい。

  • 放送局のツイッターによる防災情報は助かる。携帯電話の電波状況、避難所の開設情報、避難すべきエリアの詳細、各種支援情報など、とても分かりやすい。

  • ニュース番組の豪雨災害や地震情報で、英語による災害情報を放送している局がないように感じる。万が一、来年の東京オリンピック開催期間中に大規模な災害が発生した場合の備えが必要だと思う。以前、BSでは、地震速報を英語でも流したチャンネルがあった。日本語が分からない人たちのために、英語による災害情報を放送した方がいいと思う。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • 迷惑ユーチューバーの逮捕を伝えていたが、本来は削除すべき動画を公共の電波で見せる行為はどうなのか。子どもも見ており、逮捕された悪い人だよと捕捉しなければいけなかった。何も考えず動画を流すのでなく、してはいけないことをしたと分かるように伝える努力をしてほしい。

  • 有名人の自殺に関する報道は、子どもや若者の自殺を誘引する危険性があるため、自殺対策の専門家はWHOのガイドラインに従って報道するよう呼び掛けている。自殺を助長しかねない安直な報道に警告を発したい。

【「要望・提言」に関する意見】

  • 子どももテレビを見ている時間に恐怖心をあおるようなホラー映画のCMは流してほしくない。CMは予告なく突然流れるので、対応するにも限度がある。

【「危険行為」に関する意見】

  • バラエティー番組で我慢比べ対決と称して50度前後の熱湯に芸人を入浴させていた。今は動画をネットにアップする子どもも多いので、真似しかねない大変危険な行為である。

【「言葉」に関する意見】

  • 出演者が「ら」抜き言葉で話したときにテロップでは「ら」が足されている。なぜ発していない言葉をテロップに入れるのか。こんなにも多くのテレビで「ら」抜き言葉が流されている現在では、新しい言葉として認めてはどうか。

2020年6月に視聴者から寄せられた意見

2020年6月に視聴者から寄せられた意見

新型コロナウイルス禍における番組制作のあり方への意見や、人気芸人の不倫問題を取り上げた番組への意見など。

2020年6月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,509件で、先月と比較して1,089件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール84%、電話14%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性61%、女性37%、不明2%で、世代別では40歳代24%、30歳代22%、50歳代19%、20歳17%、60歳以上15%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。6月の通知数は延べ856件【47局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、25件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

新型コロナウイルス禍における、番組制作のあり方への意見が多く寄せられた。また、人気芸人の不倫問題を取り上げた番組への意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は60件、CMについては13件あった。

青少年に関する意見

6月中に青少年委員会に寄せられた意見は77件で、前月から19件減少した。
今月は「表現・演出」が15件、「低俗、モラル」が14件、「報道・情報」が11件、「犯罪の助長」が7件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナの影響で、東京在住の人たちが施設などへの立ち入りを断られている事例を報じていたが、人の出入りを制限している施設は、ただリスクマネジメントをしているだけではないのかと疑問を持った。以前のトイレットペーパーなどの買いだめ騒動の時もそうだが、心配のいらない事象を大げさに報道し、視聴者の不安をあおっているように感じた。

【番組全般・その他】

  • 昼の番組を見た。放送を見る限り、新型コロナ対策を取っているとは思えない。アナウンサーは透明のマスクをしていたが、MCとゲストは何ら対策もなく、ずっと会話と試食をしていた。何人も集まって会話をするのはどうなのか。それぞれの間隔も空いているようには見えなかった。密集、密接、マスクなど、国民がコロナ対策をしているのに、放送だからいいのか。報道機関だからこそ見本を見せる、率先してマスクをつける、人と人との間隔を取る、そんな姿を紹介するべきではないか。ソーシャルディスタンスは必要ないのだろうか。

  • 東海地方の番組で、新型コロナ禍でのライブハウスの取り組みを伝えていた。ライブに出ていたのは東京から来たグループ。これを録画したのは13日だ。首都圏からの他県への移動を自粛している中、自分勝手に行動しているグループや、それを分かった上で出演させるライブハウスに対し、好意的で宣伝になるような放送をするのは如何なものか。それに加え、このグループが東京から来ていた事や、録画日が県間移動の自粛要請が解除される前である事には触れていない。それにも問題があると思う。

  • 夕方の番組で、給付金の10万円で焼肉店に繰り出した人たちを紹介していた。「ちょっとした贅沢を満喫」という趣旨の使い道だ。これを見て、ここしばらくほとんど収入のない飲食店従業員の私は、ため息が出た。私にとってはぎりぎり急場をしのぐための生命線の10万円である。大切に使う予定で、焼肉店に出かけるなど到底考えられない。お金の使い方が自由であるのは百も承知だが、余裕のある人たちの映像を見せられ、気落ちしてしまった。私のような境遇の人たちにもう少し配慮できなかったのだろうか。

  • 日曜日の番組を見た。この番組には以前から問題があると思っている。おそらく、海外で起きていることを分かりやすく伝えようとするコンセプトで制作されているのだと理解しているが、最近は、ただ面白ければいいという姿勢に見える。今、アメリカで起きているデモや、香港での市民による抗議活動について、人の命や人権を軽んじている印象がある。人々が命をかけて行っている活動に、漫画キャラクターを使ってほしくなかった。

  • 黒人奴隷を題材とした映画が深夜に流された。アメリカで黒人への差別が問題視され、デモが激化している状況下において、この作品を放送するのは不適切だと思う。

  • 深夜番組で、酔っ払って正体不明状態の人のインタビューを流しながら大爆笑している。オンエアに当たり、酔いもさめ、正常な判断ができた時に許可を取ったのか疑問。その後のコーナーでも、新型コロナを真面目に祈祷するおばさんを笑っていた。世間的な枠から外れ、自分なりの特異な主張や意見や行動を、ただ笑いのために使っていいのか。

  • 不倫や離婚について、あった事実を報じることはいいと思うが、そのことについて、論評、批判して不特定多数の人に伝えるのは問題だと思う。個人の領域や倫理観に踏み込むことや、その個人を放送から追放するのも疑問だ。世間の思惑で、個人に責任を取らせ、賠償させるようなシステムはおかしい。人格者を要件とするならば、それを選別、起用する方に責任がある。

  • ヨーロッパから日本へ荷物を届ける超大型コンテナ船の密着取材は、普段何気なく使っている輸入品のありがたみを感じられるだけでなく、迫力ある映像は、エンターテイメントとしてとても見ごたえのあるものだった。世界的な新型コロナ禍の中で、いつ日本に戻れるのかも分からない不安の中で任務につく船員の方々と番組スタッフに敬意を表したい。医療従事者以外にも、人知れず働くヒーローが数多くいることを子ども達に伝えられる放送だった。

  • ニュースの内容によって、アナウンサーの性別を替えるのはおかしい。微笑ましいニュース、ちょっといい話、子どもや動物関連のニュースなどは、決まって女性アナウンサーや女性ナレーターの優しい声で伝える。その時点で、ニュースの格が下であることが分かる。日常の軽い話題などは女性の優しい声で伝えればいいという、テレビ局の性別役割分担意識が露骨に出ている。声というのはとても重要で、あの優しい声が聞こえてきたとたん、なぜか見ている方も思考が停止してしまう。こういう意図的な使い分けは旧態依然の放送だと思う。

  • テレビでは、常用漢字でない文字が、ひらがなで表記されるが、最近は、普通に漢字で書き表しても違和感がないような言葉までひらがなになっていて、やり過ぎだと感じる。ある番組のテレビ欄やサブタイトルでも、「誹謗中傷」の「誹謗」の部分にひらがなが使われていて、言葉の深刻性が感じにくくなっていた。視聴者に分かりやすくしたつもりでも、余計に分かりにくくなるようでは、本末転倒ではないか。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • ある芸能人のスキャンダルについて、朝のワイドショーから夜の番組まで子どもの耳に入れたくない性的な詳細を伝え、コメントしている。小・中学生のいる我が家としては大変不安になる。視聴者には子どもたちがいる事を考えて、時間帯や表現についてよく検討してから放送してほしい。

【「食べ物」に関する意見】

  • 児童が見る時間帯に大食い、激辛の無理なメニューは問題だ。お金を払って残すのはどうなのか、激辛も度を超えている。この頑張りは違うと思う。出演者が美味しそうに食べているから食べに行こうと思えるメニューに戻してはどうか。

【「推奨番組」】

  • ヨーロッパから日本へ荷物を届ける超大型コンテナ船の密着取材番組は、迫力ある映像で見ごたえがあった。世界的なコロナ禍の中、いつ日本に戻れるか分からない不安の中で、任務に就く船員と番組スタッフに敬意を表する。医療従事者以外にも人知れず働くヒーロー、ヒロインが数多くいることを子どもに伝えられるものだった。

【「視聴者意見への反論・同意」】

  • BS放送について、通販番組やサスペンスドラマの再放送などに偏っているという意見があった。確かにそれらの番組は疑問に思うが、一方で質の高いドキュメンタリー、子どもたちに見せるべき番組も多い。一緒くたにBSの番組を否定するべきではないと思う。

2020年5月に視聴者から寄せられた意見

2020年5月に視聴者から寄せられた意見

新型コロナウイルス対策における政府の対応を伝えた民放各局のワイドショーへの意見や、検察庁法改正案を取り上げた番組への意見など。

2020年5月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,598件で、先月と比較して167件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール98%、郵便1%、FAX1%(電話応対は休止中)。
男女別は男性72%、女性27%、不明1%で、世代別では40歳代28%、30歳代27%、50歳代18%、20歳16%、60歳以上8%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。5月の通知数は延べ1,836件【51局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、25件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

新型コロナウイルス対策における政府の対応を伝えた民放各局のワイドショーへの意見、また、検察庁法改正案を取り上げた番組への意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は62件、CMについては25件あった。

青少年に関する意見

5月中に青少年委員会に寄せられた意見は96件で、前月から23件増加した。
今月は「表現・演出」が27件、「報道・情報」が16件、「暴力・殺人・残虐」が9件、「性的表現」「いじめ・虐待」「その他」がそれぞれ6件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナの報道には、政府批判が多過ぎる。給付金についても、「遅い」との批判でなく、仕組みや手続き方法を繰り返し伝えた方がいい。批判しても何も解決しない。この緊急事態で、うまく変化している人もたくさんいる。国民に様態変化が迫られる今、マスコミが平和ボケの旧態依然なのは如何なものか。今後のことも含め、報道のあり方を検証すべきだ。

  • マスコミは、新型コロナについて、もう少しまともな報道をしてほしい。自治体や医療現場、飲食店などの悲鳴を報じて不安をあおり、平然と繁華街に繰り出す人たち、パチンコ店の行列に並ぶ人たち、他県にわざわざ行く人たちを過剰に報じることが、他県ナンバーの車や一部の店舗、医療関係者や物流関係者、コロナ患者やその家族に対する悪質な嫌がらせが横行する要因になっている。深刻に考えてほしい。メディアリテラシーを改めて、客観的な報道意識を持ってもらいたい。

  • 新型コロナや検察庁法改正案の報道を見て、テレビがものすごく怖くなった。真実を伝えようという意志がなく、嘘で塗り固められた内容に震え上がってしまう。死者や感染者数など、総人口の割合から見れば、日本の対策が順調であることは明らかなのに、そこに触れたり掘り下げたりしない。検察庁法改正案についても、スパムメールやデマ画像によって、増加した偽りのツイート数をあたかも確かな数字のように報じ、人々の勘違いを訂正することなく、悪い悪いと一辺倒に決めつけて伝えている。このような異常な報道をすべての局がやっている。なぜこんなことになってしまったのか。メディアに正しい情報を届ける気は無く、むしろ日本を破滅させてやろうという強い気持ちで日々制作にいそしんでいるように感じる。捏造、偏向しか伝えないテレビはもういらない。

【番組全般・その他】

  • ゴールデンウイークなのに、駅や高速道路が混雑していない状況を、さも残念な事であるように報じる番組が多い。商店街や駅などのまばらな人通りを、混雑しているように見せかける撮影を行い、外出自粛している人を皮肉るように報じている。平時に賑わっていた場所が混雑していないのは、自粛要請の報道に皆が納得して従っていて、喜ばしい事であり、恥ずべき事ではない。自粛を促す報道に従ってくれる人たちが多い事に感謝するべきだと思う。

  • ニュースとワイドショーの線引きがあやふやになっている。タレントが事実と感想をごちゃごちゃに発言するため、事実がかすんで紛らわしい番組が多く、それをニュースと思いこむ人が多くなっている。ワイドショーで政治ネタを扱うなとは言わないが、公平な立ち位置で番組を作ってもらわなくては、偏向報道ばかりになり、正しい情報が広まらず、世間の認識がねじ曲がってしまう。ネット社会でテレビが信用できるものではなくなっている。業界全体の放送のあり方を見直すべきだ。

  • 国民の不安をあおるワイドショーが一部にある。偏った意見の専門家やコメンテーターは、自分たちの持っていきたい方向に誘導し、ただ政権を批判したいためにしか見えない。正確な情報が知りたいだけなのに、素人同然の芸能人や専門外のコメンテーターに意見を求めたり、現場の医師の発言をゆがめて編集したり、いったい地上波テレビはどうしたのか。最近は、テレビからの情報が信用できず、インターネットの番組を見るようになった。夕方のニュースでインタビューを受けた知人が、こんな風にしてくれと演出までされて、事実とは全く違う映像が流れたと言っていた。一部の放送局のせいで、全体の信用を落としていることに気付いてほしい。

  • 番組出演者が命を絶った。ワイドショーでは、誹謗中傷した人たちを分析しているが、違う。匿名で中傷した人は悪い。しかし、テレビ局は本当に台本や過剰なあおりとなる編集をしていないのか。この番組は、以前も台本の有無やパワハラで問題になっていたと聞く。編集で話を広げ過ぎていたとしたら、中傷のきっかけを作ったのはテレビだ。少なくとも、当事者として会見などで説明してもらいたい。この話題を、一般人のリテラシーが低いと、メディアが自分たちの行動は棚に上げて批判していることが気になる。きっかけを作ったかもしれないと自分たちを省みるどころか、他局のワイドショーでは、「一般人の発信はメディアと違って精選されていない」と口にしていた。専門家でもない芸能人が無責任に発言して、批判されていることを分かっているのか。意図的な情報操作と捉えられる内容ばかりの現状を自覚してほしい。

  • キャスターが、番組の最後に、「ここでお詫びです」と言いつつ、具体的にいつのどの放送でどんな間違いがあったのか触れず、「○月○日の○○の放送で間違いがありました。訂正してお詫び申し上げます」。これだけ言われても全く分からない。このようなことが複数回ある。まるで指摘元に対して、番組で謝りましたよと言わんばかりに聞こえる。もっと視聴者の方を向いた訂正をしてほしい。

  • このところのBS放送は、どの局も代わり映えしない番組の横並びで、非常につまらない。朝から晩まで通販番組ばかり、それも「お金のたまる財布」「腰に巻くだけで腹筋が鍛えられる」など、うさんくさいオカルト商法的なものが多い。ドラマにしても、韓流ものかサスペンスばかり。ジャンルが偏り過ぎだ。わざわざ高い工賃を払ってアンテナを設置したというのに、これでは話にならない。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • 夏の甲子園が中止になって、そのニュースを取り上げるのは分かるが、他の学生スポーツ大会も中止になっているので当事者たちの気持ちは同じではないか。夏の甲子園だけピックアップされたら、他のスポーツをやっている人たちがかわいそうだ。

【「暴力・殺人・残虐」に関する意見】

  • クイズ番組でスポーツ選手の解答者が変な答えをしたときに、お笑い芸人の司会者がいきなり顔を平手で叩く場面があり、相当痛そうだった。他の解答者には小学生も含まれていたし、テレビを見ている子どもも多いはずだ。顔を叩くのはいじめを誘発する行為だと思う。

【「犯罪の助長」に関する意見】

  • 最近のバラエティー番組は昔と比べてコンプライアンスの問題からか、過激さが抑えられていると感じるが、逆にドラマは表現の自由が過度に主張され、犯罪を誘発・助長するような場面がリアルに描かれているものが多い。子を持つ親としては非常に遺憾に思う。

2020年4月に視聴者から寄せられた意見

2020年4月に視聴者から寄せられた意見

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が出された。その状況の中で、番組の生放送、収録、取材のあり方などへの意見が多く寄せられた。

2020年4月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,431件で、先月と比較して665件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール97%、電話3%(電話応対は4/7まで)。
男女別は男性59%、女性40%、不明1%で、世代別では40歳代26%、30歳代23%、50歳代18%、20歳18%、60歳以上12%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。4月の通知数は延べ758件【56局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、28件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が出された。番組の生放送、収録、取材のあり方などへの意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は212件、CMについては42件あった。

青少年に関する意見

4月中に青少年委員会に寄せられた意見は73件で、前月から14件減少した。
今月は「表現・演出」が27件、「報道・情報」が9件、「要望・提言」と「低俗、モラル」が8件、「その他」が6件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 日々増していく新型コロナの不安を大きくさせる報道はやめてほしい。飲食店、旅館、自治体、医療関係者などの悲鳴や困惑している姿ばかり報道して、一体何がしたいのか。不安を投げかけているだけで、何の解決にもなっていない。また、国、政府を批判する報道が多いのも気になる。国や自治体が検討している補償や補助について、もっと情報を流すべきだ。国民のみんなが新型コロナに対して収束するよう努力している。報道関係者も人々の行動心理を考えた、適切で的確な報道を願いたい。

  • 戦後最大の国難の中、報道の自由という名のもと、無責任に国民の恐怖心をあおり、政権の足を引っ張るどころか、医療崩壊を招きかけないコメントを、どこの医療関係者かも分からない人物や、政治や医療の知識もない芸能人や論説委員などに語らせ、国の政策に国民は戸惑っているかのように伝えている。また、若者が無責任に行動しているかのように編集したり、基幹企業本社が多くある品川駅の出勤風景をわざわざ撮り、緊急事態宣言が意味のないもののような印象を与えている。これはもう悪意の報道でしかない。企業も国民もそれぞれが国に協力し、自分達ができること以上の事を行なっている。放送局も今一度放送倫理を考え直し、国民の糧となるような報道姿勢を取るべき時だと感じる。

  • アメリカのテレビ局は、大統領の記者会見の際、画面下にテロップで、言っていることが本当かどうかのファクトチェックを流している。日本でもそれが必要ではないか。総理の記者会見は、「あらゆる手を尽くす」「速やかに取り組む」など、抽象的で力強い言葉が並ぶが、マスクの供給も休業補償も何一つ速やかに行われていない。あらゆる手を尽くしているなら、なぜ今、医療崩壊の危機にあり、現金給付でもめているのか。2月末の会見では、マスク供給の確保を明言したが、店からは消えたまま。医療現場にすら行き渡っていない。そうしたことをきちんと検証し、過去にこう言っていたが、現状はどうなっているか、達成できたのか、できてないのであればなぜなのか。それを伝えるのが報道ではないか。総理の言葉をただ流しているだけでは報道とは言えない。権力の監視が報道の仕事である。今の報道の仕方では、政府の広報機関と同じだ。

【番組全般・その他】

  • 国民のみんなが不安を抱え生活している。生活に必要な情報は、ニュースで放送してくれたら十分だ。ワイドショーの無責任な情報は、国民が混乱するだけだと思う。

  • 朝の番組を見た。3月末のロケと明記しながらの、大型遊園地や伊勢神宮観光の映像。すでにコロナは蔓延しており、自粛しなければいけない時期。「3連休に緩みが出た」と報道しておきながら、自分たちが緩みの極限。ほとんどの人が遊園地を自粛していた時期に、マスクなしで大絶叫。かなり蔓延していた東京から、ウイルスを持ち込んだと思われても仕方がない。

  • メインキャスターの新型コロナ感染が判明した。それから2週間以上経つが、視聴者への説明がほとんどされていない。その一方で、感染が広がった病院の院内感染のニュースなどを取り上げている。まずは他者を批判する前に、自分達スタッフになぜ感染が広がったのかを検証するほうが先ではないか。番組スタッフが、病院や政府、街中などにいまだに取材に回っているが、彼らこそが感染を広げている。自分たちは特別だという意識が蔓延しているのではないかと思う。

  • 新型コロナの対策にあたり、赤ちゃん用品を代用した方法を放送でが取り上げたことで、買い占めが起こっている。消毒薬の代わりに哺乳びん洗い、マスクの布の代わりに赤ちゃん用ガーゼ、マスクの衛生維持のために母乳パッドなどだ。乳児は大人より免疫力が低く、清潔な環境を維持するため、赤ちゃん用品が必要だ。ただでさえ、新型コロナの影響で出産に不安を抱く妊婦が多い中、必要なものが揃えられず、さらに不安を抱く妊婦は少なくない。このような放送は見直してもらいたい。

  • 夜の番組を見た。新型コロナについて、知りたいことを専門家の人から聞くコーナーがあり、とても良かった。どういう環境が感染しやすいか、一般的な会社員の生活状況を例にあげて説明していたので、不安が少し和らいだ。在宅勤務でテレビを見る機会が増えたが、議論しても解決にならないことを延々続ける番組や、税制も社会環境も違う他国の状況の一部だけを切り取って、日本の対策のここがだめ、あれもだめと批判する番組ばかりで、気が滅入っていた。この番組のように、きちんとしたデータをもとに、客観的に説明してもらえるのは貴重でありがたい。特に、医師による感染防止対策は参考になった。

  • 新型コロナの影響で、番組制作が制限され、コンテンツが制作できない状況が続いている。外出自粛の要請が出て、コンビニやファミリーレストランの深夜営業も中止や時間短縮になっている。この際、テレビ放送の24時間放送の見直しを検討してはどうか。バブル期に便利で自由な時代になり、24時間放送が定着したが、今の時代に本当に必要なのか。少しは時代が戻ってもいいのではないかと思う。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • 新型コロナウイルスで小中学生、幼稚園児の自宅待機が始まった頃から、子どもの自宅待機ストレスとともに、親の子どもへのストレスも取り上げられ始めた。私は子どもに「私がいるとストレスになるの?」と聞かれた。大人にはストレスが愛情とは違うところにあることが理解できるが、子どもには自分が家にいることが親のストレスになっているという解釈をしてしまっている。もう少し分かりやすく、家にいる事ではなく、家計や仕事に行けないからだなどといった説明が必要だと思う。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • バラエティー番組で父親が全裸になり自分の肛門に水を入れ、それを噴出させる様子を小学生の娘二人に見せる企画を放送していた。これは性的虐待に当たるのではないか。スタッフも司会者も止めるような発言がなく背筋が寒くなった。放送を作る方々には性的虐待についてよく学んでいただきたい。

【「その他」】

  • 新型コロナウイルス緊急事態宣言後、各局とも宣言以前に収録済みと思われる番組を放送しているが、いわゆる“三密”をしているものが多い。自粛中の子どもに、テレビは三密していいのかと聞かれて困っている。過去に収録済みの番組には、必ず収録日を明示するか、明示できないなら放送しないでほしい。