第186回

第186回–2023年8月

TBSテレビ『news23』が審議入り

第186回放送倫理検証委員会は、8月4日に千代田放送会館で開催された。
ワクチンを接種後に亡くなった人の遺族の訴えを、新型コロナウイルスに感染して亡くなったと受け取られるように伝え、適切ではなかったと謝罪し、6月の委員会で審議入りしたNHKの『ニュースウオッチ9』について、今回の委員会では、担当委員から当該番組の関係者に対して実施したヒアリング内容の報告があった。これに対して、他の委員からは事実関係についての質問などが出された。次回の委員会までにさらに必要なヒアリングを実施し、意見書の原案作成を目指すことになった。
1月12日放送のTBSテレビの報道番組『news23』において、農業協同組合(JA)で職員が共済営業の過大なノルマを課され、職員やその家族が不必要な契約を結ぶ「自爆営業」が横行していると報じた。放送後、身元を隠す措置が不十分だったため、内部告発した職員が退職に追い込まれたとの週刊誌報道やテレビ局の取材対象に対する不誠実な姿勢が問題だという視聴者の声がBPOへ寄せられた。委員会は、取材源の秘匿という原則が損なわれるという放送倫理違反の疑いがあり、詳しく検証する必要があるとして審議入りを決めた。
統一地方選挙を前に公認立候補予定者が出演したラジオ大阪の番組『大阪を前へ!』等について、政治的な公平性の観点から問題はないか等を判断するために前回の委員会で討議入りしたが、さらに討議を継続することとした。
7月にBPOに寄せられた視聴者・聴取者意見などが報告された。

議事の詳細

日時
2023年8月4日(金)午後5時~午後7時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、長嶋委員、西土委員、毛利委員、米倉委員

1. NHK『ニュースウオッチ9』について審議

NHKの『ニュースウオッチ9』は、ワクチン接種後に亡くなった遺族を、新型コロナウイルスに感染して亡くなった人の遺族と受け取られるような伝え方をし、放送倫理違反の疑いがあるとして6月の委員会で審議入りとなった。
同番組は5月15日に「新型コロナ5類移行から1週間・戻りつつある日常」と題する1分5秒のVTRを放送した。VTRには、ワクチン被害者の遺族の会から遺族3人が出演したが、3人がワクチン接種後に亡くなった人の遺族であるとの説明は無く、テロップで「夫を亡くした」「母を亡くした」と紹介するにとどまった。
今回の委員会では、担当委員から当該番組の関係者に対して実施したヒアリングの報告があった。これに対して、他の委員からは事実関係についての質問などが出された。次回の委員会までにさらに必要なヒアリングを実施し、意見書の原案作成を目指すことになった。

2.TBSテレビ『news23』について審議

TBSテレビは1月12日、報道番組『news 23』の調査報道23時のコーナーにおいて、農業協同組合(JA)で職員が共済営業の過大なノルマを課され、ノルマ達成の為に職員やその家族が不必要な契約を結ぶ、いわゆる“自爆営業”が横行していると報じた。その中で、A地方のJAに勤める男性が、顔をぼかし声も変えてインタビューを受け、ノルマ達成のために1歳と5歳の子供に必要のない共済をかけていると語った。このインタビューには顔をぼかし声も変えた別のJAの職員も同席していた。また、JAのBに勤める男性は、顔をぼかし声も変えて、上司から給与やボーナスが支払えなくなるといわれ職員や農協の為にノルマを無くせないと述べた。
放送後、身元を隠す措置が不十分だったため、A地方のJAに勤める男性は職場で身元がばれて居づらくなり、退職に追い込まれたとの週刊誌報道があった。また、取材を受けた職員とは3回程度会話をしたことがあるという人から「放送を見て誰であるかを私ですら特定できた。彼は農協の問題を告発し多くの職員の声を代弁してくれた。退職になりとても残念だ。テレビ局の取材対象に対する不誠実な姿勢を問題にしてもらいたい」といった声がBPOへ寄せられた。
委員会は、当該放送局に報告書と番組DVDを求めて協議した。その結果、報道の取材源の秘匿という原則が損なわれるという放送倫理違反の疑いがあり、取材から放送に至る経緯等について詳しく検証する必要があるとして審議入りを決めた。今後は当該放送局の関係者からヒアリングを行うなどして審議を進める。

3.ラジオ大阪『大阪を前へ!』等について討議

大阪放送(ラジオ大阪)の番組『大阪を前へ!』、『兵庫を前へ!』は、統一地方選挙前半(3月31日告示、4月9日投票)の約2カ月前の2023年1月12日から1月29日までの間に計15回(15分番組×13回、30分番組×2回)放送された。ゲストは各回とも同じ政党の公認立候補予定者だった。
番組最終回の放送翌日、聴取者からBPOに「特定政党のキャッチフレーズをそのままタイトルにした番組で、ゲストはこの党の政治家と決まっており、内容は党の活動や今後の取り組みを紹介し宣伝することに尽きる。特定政党のPR番組を一般の番組と同じ扱いで放送することは問題だ」という趣旨の意見が寄せられた。
前回の委員会で、政治的な公平性に抵触しているのではないか等の観点から討議入りし、今回の委員会では様々な意見が出されたが、引き続き討議を継続することとした。

4.7月に寄せられた視聴者・聴取者意見を報告

7月に寄せられた視聴者・聴取者の意見のうち、シングルマザーとして娘を育てる女性が、スリランカ出身の男性と恋に落ち、3人で家族を作るというストーリーのテレビドラマに対して、「違法滞在を美化している」「不法移民を正当化している」などの意見が寄せられたことなどについて事務局から報告があった。

以上

第259回

第259回-2023年7月

視聴者からの意見について… など

2023年7 月25日、第259回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ8人の委員全員が出席しました。
委員会では、6月後半から7月前半までの約1カ月の間に寄せられた視聴者意見の中から、事件報道における小学生へのインタビュー取材などの問題について意見を交わしましたが、「討論」に進んだものはありませんでした。
7月の中高生モニターリポートのテーマは、「最近聴いたラジオ番組について」でした。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2023年7月25日(火) 午後4時00分~午後6時00分
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第一会議室(千代田放送会館7階)

議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、飯田豊委員、佐々木輝美委員、
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

6月後半から7月前半までの約1カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当委員から報告がありました。
午後の情報番組の芸能ニュースで、有名女優が夫以外の男性と交わしたとされる交換日記の内容を読み上げたところ、「内容を公表する必要があったのか。番組がいじめに加担しているように思えた」などとする視聴者意見が寄せられました。
担当委員は「問題があるとすれば放送倫理の問題で、青少年に対するものではないだろう。当委員会で取り上げる内容ではないと思う」と述べるなど、「討論」に進むことはありませんでした。
宮城県栗原市の公立小学校に軽トラックが侵入して児童4人がはねられた事件の報道で、目撃者である小学生のインタビューが複数の報道・情報番組で放送されたことについて、視聴者から「児童が精神的・心理的に不安定になっている状況でマイクを向け、事件の様子を思い出させる行為は容認できない」などの意見がありました。
ある委員は「子ども自身のPTSD(心的外傷後ストレス障害)のリスクを考えると、ハイリスクなインタビューだと思う」と指摘しました。
別の委員は「この子どもは事件を客観的に見ていて、自分の言葉でしっかり伝えようとする意志が明確に感じられた。心配のないケースではないかと思う」としたうえで、「そこに目撃者がいて、その子どもが話してくれるのであれば、それを聴くというのは(報道機関の)ひとつの役割だろう。ただし同時に(子どもに対する)アフターケアは大事だ」と述べました。
また、「インタビューでしっかり話してくれる子どもがいたら、取材及び報道の必要性を肯定する判断になるのはうなずける。ただ今回の事件を契機に、改めてこの問題を考えてみることが重要だと思う」と呼びかける意見が出されました。その結果、「討論」に進むことはありませんでした。

中高生モニター報告について

7月のテーマは「最近聴いたラジオ番組について」で、合わせて21番組について報告がありました。複数のモニターが取り上げたのは『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)、『福山雅治 福のラジオ』(エフエム東京)、『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ)で、「楽屋で話しているようなゆるいおしゃべりがとても新鮮だった」などの感想が寄せられました。
「自由記述」では、普段あまりラジオを聴かないというモニターから「自然にいろいろなジャンルの曲が耳に入ってくるので音楽の幅が広がった」、「野球をラジオで聴くと頭の中で局面を想像でき、一味違う楽しみ方があった」などの声が届いています。
「青少年へのおすすめ番組」では、『アイ・アム・冒険少年 2時間SP』(TBSテレビ)、『ニュー試』(NHK Eテレ)、『チャリキシャ!~走ってみたいグルっとMAP~』(テレビ大阪)、『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)に複数のモニターから感想が寄せられました。

◆モニター報告より◆

【最近聴いたラジオ番組について】

  • 『アナウンサー百年百話』(NHKラジオ第2)

    Jリーグが開幕したときにアナウンサーはどのように実況し、これまでの30年でどのように変化してきたのかが分かって面白かった。現役のアナウンサーが、「熱い試合で何を言ったか覚えていない」というエピソードを話していた。映像がないからこそさまざまな想像ができて面白かった。(高校1年・男子・群馬)

  • 『Top of the Morning』(LOVE FM)

    今はサブスクやYouTubeなども音楽を聴くことができますが、火曜日限定のレコードのコーナーではあえてレコードが紹介されています。私はレコードが家になくテレビなどでしか見たことがないので、紹介やその曲がとても新鮮でした。レコードは昔のものだと思いがちですが、レコードにはレコードの良さがあることに気づけました。音楽をゆっくり楽しんだり古い名曲に親しんだりするところがラジオにもぴったりの魅力だと思いました。(中学3年・女子・福岡)

  • 『ショウアップナイター プロ野球フレッシュオールスターゲーム』(ニッポン放送)

    フレッシュオールスターはおもに期待の若手中心に選手が出場しているため、将来を想像しながら聴くことが出来た。声だけで局面などがすべて理解でき、分かりやすかった。少し声のテンポが早いと追いつかないところがあった。ある程度細かいところも説明していて、テレビを見ていなくても同じくらい分かりやすかった。(中学3年・男子・神奈川)

  • 『ジェーン・スー 生活は踊る』(TBSラジオ)

    自分もお便りを送ろうと思うがうまく文章が書けないのに、常連のリスナーさんは文章が上手だなと改めて思った。普段は“ながら”で聴いているが、じっくり聴いているととてもいいことを言っていたので、ときどき真剣に聴くのもいいなと思った。(高校2年・女子・東京)

  • 『福山雅治 福のラジオ』(エフエム東京)
    • (福山さん主演の)ドラマの裏話を聞くことができたり、(共演者の)永瀬廉さんのモノマネをしたりしていたのが面白く、とても楽しく聴くことができました。さまざまなトークを通して出演者の知らない一面も知ることができ、新鮮でよかったです。ラジオはトークと音楽が中心になりますが、寄せられた質問をもとに貴重な話や面白い話をしていてラジオの良さがよく伝わりました。(中学2年・女子・愛知)
    • 番組全体としては、視聴者からのメールを紹介してその内容をきっかけにトークをする展開で、年の功なのかどんなメールでもそれなりにトークができるのはさすがだなと思いました。ただ「ファンクラブに入っていないと・・」と、入会の勧誘が多いように感じました。(高校3年・女子・京都)
  • 『なにわ男子の初心ラジ!』(ニッポン放送)

    メンバーとスタッフさんの仲の良さがとても伝わってきてほのぼのした平和なラジオだと感じた。一番好きなコーナーは、最後の「5年後のわたしへ」だ。自分と同年代の人の5年後の未来への手紙を聞き、目標を立てて夢に向かって頑張ってみようという気持ちにさせてくれた。(中学2年・女子・東京)

  • 『マイあさ!「健康ライフ」』(NHKラジオ第1)

    身近に感じる疑問をインターネットで調べるよりも正確に、子どもにも分かりやすいように説明していました。司会者の声は高めでとても聴きやすく耳に入りました。(中学1年・女子・千葉)

  • 『レコレール』(FM福井)

    リスナーの方と一緒に番組をやっているという感じがあり、とてもよかった。みんなが共感できる内容や、えー!そうなんだ!と思う内容のどちらも詰め込まれていて、聞いていて全然飽きなかった。これを機にこれからラジオを聞いてみたいと思った。(中学2年・女子・福井)

  • 『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)
    • ほぼ毎週(この)番組名やトーク中に出た単語がトレンド入りしていて、ラジオだけでなくSNSでもかなり盛り上がっている。パーソナリティーがアイドルで生放送というのがこの番組の特徴であり、SNSを通してトークの面白さが伝わり人気につながっているのかなと思いました。(高校1年・女子・茨城)
    • まるで楽屋で話しているかのような終着点が見えないゆるいおしゃべりがとても新鮮だった。ちゃんと会話の内容が面白いし、テレビではなかなか聞けないジャニーズのプライベートトークを聴けるのが面白かった。(高校2年・女子・愛知)
  • 『My Humming Time』(ラジオNIKKEI第2)

    普段はテレビやスマホなど視覚で理解することが多いものをよく使っている。しかしラジオのように聴覚だけで理解するものを使ってみると、視覚化できるものが無かったため理解に時間がかかった。だが自分で情景をたくさん想像することができた。今回は外国の湖の話だったため、湖のある場所を思い浮かべながら聴いたり、湖はどうして小さくなっているのかな?と原因を考えたりした。テレビやスマホなら実際の写真やイラストを見て理解するだけだっただろう。ラジオは想像力が豊かになるとても良い方法だなと思った。(高校1年・女子・北海道)

  • 『TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING』(J-WAVE)

    この番組は聴いているだけで時間の流れを感じることができ、まさに聴くだけで一つの「旅」だと感じる。またゆっくりとした時間の流れは自分を見直すことにつながり、新しい気づきを与えてくれた。(高校2年・男子・東京)

  • 『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ)
    • この番組を聴いて「ラジオって意外と難しくなく、飽きないしすごく面白いな」と思いました。とくにリスナーのお便りがラジオパーソナリティーの人たちによってどんどん深まり面白くなっていく感じが聴いていてすごく楽しくて好きでした。自分で音楽を選ぶと好きな曲だけに偏ってしまいがちだけど、ラジオだと自然にいろいろなジャンルの曲が耳に入ってくるので音楽の幅が広がりました。(中学2年・女子・栃木県)
    • YouTubeやポッドキャストなど最近の流行りに合わせた聴き方をすることができ、昔のものや名作も聴くことができてうれしいです。せっかく魅力がつまった番組なので、CMやYouTubeショートなどを活用するともっと魅力が伝わると思います。(中学3年・男子・神奈川)
  • 『正司紗千の夕暮れチョコレート』(山形放送)

    何気ない山形の話(地元トーク)や、元気の出る曲で前向きになれました。とくに番組が始まるときのピアノのオープニングメロディーは頭から離れません。ぜひ山形に来たら聴いてほしいと思います。(高校2年・男子・山形)

  • 『サカナクション・山口一郎~Night Fishing Radio~』(NHK FM)

    パーソナリティーの山口さんが自分の言葉で作品やアーティストについて解説してくれるのだが、毎回その言葉に納得させられている。感覚として音を楽しむに過ぎない私だが、山口さんはその感覚を言語化してくれる。だからなぜ良いのか、なぜすごいのかがより明確となる。毎回私にとっては知らないアーティストが登場するのだが、私にも山口さんの解説は的確でしっくりくる。だからよく聴いているラジオ番組です。(中学1年・女子・福岡)

  • 『TALK ABOUT』、『荻上キチ・Session』(いずれもTBSラジオ)

    ラジオはテレビと異なり「見る」でなく「聴く」なので、作業しながらでも聴くことができると思いました。初めてニュース以外のラジオを聴きましたが、面白かったので別のジャンルも聴いてみたいと思いました。(高校2年・女子・東京)

  • 『大窪シゲキの9ジラジ』(広島FM)

    この番組のパーソナリティーは日々県内各地の学校の取材をしているが、それは無償で行っている。現在、若者のラジオ離れどころかそもそものリスナーが減っているなか、このような取材と番組制作はリスナーの増加につながっていくと思う。ほかの局でも若い世代のリスナー獲得のためにこのような思い切った番組制作をしてほしい。(中学3年・女子・広島)

  • 『森谷佳奈のはきださNights!』(山陰放送)

    BSSのイベント案などをリスナーさんたちと一緒に考えたり丸投げしていたりするところが、パーソナリティーの人とリスナーさんたちがつながっているなと感じました。姿が見えないラジオだからこそ、声だけで状況が把握できるよう詳しく説明してくれるのがラジオの魅力だなと思いました。(中学1年・女子・島根)

  • 『アルコ&ピース D.C.GARAGE』(TBSラジオ)

    何年も毎週欠かさず聴いているお気に入りの番組です。自分がラジオにのめりこむきっかけになった番組であり、安定して毎週大笑いできる唯一の番組です。個人的には作家の笑い声も丁度よくてコーナーもクオリティが高く、全てが無駄でできた無駄が一切ないラジオだと思っています。(高校3年・男子・神奈川)

  • 『乃木坂46の「の」』(文化放送)

    普段は見えない意外な一面がたくさんあって「素」の話を聴くことができてよかった。メジャーな曲ではなくマイナーな曲も流していたのでよかった。(高校3年・男子・千葉)

  • 『SDGs学部 ミライコード』(エフエム東京)

    番組で教授が訴えていたのは「同じ地球の同じ仲間たち」ということを考えなければならない、他人事と考えた時点でその問題は解決しないということです。自分はニュースなどで報道されている内容は自分からはほど遠いものだと思っていましたが、地球という視点から考えると自分にとって身近なものなのだなと思いました。(中学2年・男子・埼玉)

【自由記述】

  • 野球はテレビ(で見る)しか楽しくないと思っていたが、ラジオで聴くと新鮮で意外と分かりやすかった。頭の中で局面を想像でき一味違う楽しみ方があった。(中学3年・男子・神奈川)

  • ラジオは映像がないので最近の若者はつまらないと思っているようだが、想像力が培われるのでとてもいいと思う。(高校2年・女子・東京)

  • これを機にスマホにラジオを聴くことができるアプリをインストールした。アプリから番組表を見て驚いたのはテレビであまり見ない人がメインの番組が「人気番組」や「急上昇」に挙がっていたことだ。テレビは万人受けするようたくさんの人に向けて放送される番組が多い印象だが、ラジオは「この人が出ているから聴く!」というその番組を聴く目的を持った視聴者がしっかり楽しめる番組をつくることがメインなのだと思った。自分の好みの番組を探してみたいと思う。(高校2年・女子・愛知)

  • 最近、テレビのニュース番組などで「若者はテレビ離れで何でもネットで情報を入手しており、それは危険だ」というコメントがなされるが、高い割合でなくても若い視聴者がいることを忘れないでほしい。そしてそれを踏まえた上での心あるコメントをしてほしい。(中学3年・女子・広島)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『ニュー試』(NHK Eテレ)
    • 国によっていろいろな入試の方法があり、日本とは全然違うところが多く
      とても難しかったです。日本も年々入試の方法が変わるので勉強になりました。(高校1年・女子・京都)
    • ハーバード大学の問題から、これからさらに変化し続ける社会との向き合い方や考え方を学べた。またリーダーの在り方についても知ることができ、自分の立場と置きかえて考えることができた。(中学3年・女子・広島)
  • 『やまがたZIP!「夢はかなえるもの~新米教師と校長先生の物語~』(山形放送)

    15分という短い番組でしたが、見ごたえがあって面白かった。校長先生の教育に対する熱量が伝わってきた。いかにして生徒との距離を縮めてよい関係を築くかを考えていて、校長先生面談などはいいと思った。インスタに毎日投稿していて保護者の人も学校の様子を見られるのがすてきだと思った。(高校2年・男子・山形)

◆委員のコメント◆

【最近聴いたラジオ番組について】

  • 『TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING』(J-WAVE)という番組を評価する感想があり、実際に聴いてみてとても面白い番組だった。パーソナリティーが低音で淡々と語り音楽をゆっくり紹介していく真夜中の番組のようで、私自身も引き込まれた。

  • 『大窪シゲキの9ジラジ』(広島FM)という地元の中高生を応援する番組の感想を読み、このようなローカル番組があるのだなと新鮮だった。自分のメッセージが読まれたりリクエスト曲がかかったりすることは本格的なラジオリスナーへの道につながるので、リスナーを増やすためにもこのような切り口はよいのではないか。

  • トレンド入りした“芸誕生日”という言葉が気になり『SixTONESのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)を視聴したというモニターが、SNSを通してトークの面白さが伝わっているのだろうと書いていた。注目を浴びる人たちが生放送で出演し、まさにSNSとリンクしながらいろいろな相乗効果を呼ぶのは今どきのラジオ放送の在り方なのだろうと思った。

  • 特定のラジオ局一筋で聴いているという感想があったが、せっかくなのでいろいろな番組を聴いてみるといいのではないか。自分も若いとき、たくさんの深夜番組のなかから曜日ごとにハシゴをして聴いていたが、それぞれの違いや特徴が分かって面白かった。そういう聴き方のなかから自分に合う番組がもっと見つかるかもしれない。

  • 全体的にラジオを聴き慣れていないというか、新鮮な感想が多かった。メジャーな曲ではなくマイナーな曲を流していてよかったという感想もあったが、たまにラジオを聴くとそのように新鮮に受け止めてもらえる。だが、サブスク全盛の時代にそれがラジオに定着するきっかけになるかどうかは、少し難しいのかなと思った。

【自由記述について】

  • 新しいドラマやアニメを見ているが、なぜ再放送があるのか疑問だという声があった。サブスクが当たり前の時代、アプリやサイトで前の番組を見られるのになぜ再放送が必要なのかという若い世代の新鮮な感想だった。

  • 仕事に焦点を当てた番組が面白いという複数の感想があった。若い人たちは、職業を選ぶなど何か将来の勉強や参考になるようなところに注目するのだろう。青少年向け番組の中で職業を楽しく紹介するのは一つの在り方かもしれないと思う。

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)への感想が多かった。この番組は、多様な子どもたちがたくさん登場し、誰一人同じ子どもはいない。それこそ多様性の象徴のようで、いじめも起きないしうまくできた番組だなと思いながら感想を読んだ。

  • 『ちびまる子ちゃん』に、「懐かしかった」「昔から変わっていなくて安心した」という感想があったが、なかなか複雑な感想だと思った。確かに見れば楽しめるけれど、普段は見るきっかけがないのでおすすめされないとなかなか見てくれないのではないか、とも思えた。いい番組でも中高生に普段から見る習慣を持ってもらうのはなかなか難しいのだろうかと考えさせられた。

今後の予定について

石川県金沢地区の放送局との意見交換会を11月22日(水)に金沢市で開催することを確認しました。
8月の定例委員会は休会とし、次回は9月26日(火)に千代田放送会館BPO第一会議室で開催します。

以上

2023年7月に視聴者から寄せられた意見

2023年7月に視聴者から寄せられた意見

古代メキシコ文明に親しもうという子ども向け番組の歌の歌詞に、子どもに聞かせたくない表現がある、などの意見が寄せられました。

2023年7月にBPOに寄せられた意見は 1,607件で、先月から 166件減少しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール 83% 電話 15% 郵便 1% FAX 1%
男女別(任意回答)は、男性41% 女性19 % で、世代別では 40歳代 26% 50歳代 22% 
30歳代 20% 60歳以上 15% 20歳代 13% 10歳代 2%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、7月の送付件数は635件、53事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から15件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

コメンテーターが福島第一原発の「汚染水の放出」と繰り返し発言したが「処理水の~」であるべき、古代メキシコ文明に親しもうという歌の歌詞が「しゅうだんいけにえ200人」といったもので子どもに聞かせたくない、などの意見が寄せられました。ラジオに関する意見は42件、CMについては16件でした。

青少年に関する意見

7月中に青少年委員会に寄せられた意見は118件で、前月から48件増加しました。
今月は「表現・演出」と「言葉」が34件ずつと最も多く、「報道・情報」が17件、「要望・提言」が10件と続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • 4歳女児虐待死のニュースで、現場となった自宅アパートが特定できる映像が使われている。きょうだいは近くの小学校に通っているのですぐに特定されてしまう。配慮が必要ではないだろうか。

  • タレントの自殺の扱いかたを朝の番組で見比べたところ「今から10分ほど伝える。気分がすぐれないという方は10分ほど後にテレビの前に戻ってきてほしい」と断ってから始めるなど配慮を感じる番組もあれば、センセーショナルと感じる番組もあった。命の問題。ガイドラインを遵守してほしい。

  • 福島第一原発の話題でコメンテーターが繰り返し「汚染水の放出」と表現した。国際的な安全基準を満たしていると科学的に判断されている「処理水」の海洋放出が、さも危険であるかのように視聴者に誤認させるおそれがある。

  • 虐待の疑いで母親が逮捕された事件の報道で、被害児童の同級生に「やせ細っていなかったか」などと質問していた。事件の細部を同級生が知ることで被害児童の生活への影響が増大するのではないだろうか。

  • 番組で「危険な暑さ」「熱中症に厳重な警戒を」など呼びかけながら自社の屋外イベントを紹介している。矛盾している。

【バラエティー・教養】

  • 「河川で溺れた本人よりも救助者のほうの死亡率が高い」というデータを紹介していたが、あわせて示された出典を確認したところ、「二次被害が発生した場合」という前提条件がついていた。視聴者に誤解を与える。

  • 声を変えて他人になりすますことが可能な「AIボイスチェンジャー」という装置を、出演者に使わせて楽しんでいた。すでに犯罪に利用されている技術だ。生成AIに対する規制が議論されている現在、その一面だけを安易に紹介するのは危険だ。

  • 変装したアイドルグループのメンバーたちに「買い物」など街中でのミッションを課し、視聴者にはSNSなどで彼らを探すよう呼びかけた「かくれんぼ」企画。出演者が見破られまいと猛然と走って逃げるなど危険だと感じる場面があった。もう少し安全面に配慮して撮影してほしい。

  • 「7月28日は自由研究の日」の中で、ドライアイスを風船に入れてぬるま湯を注ぎ、破裂させるという実験をスタジオで実演していた。「たいへん危険なので家庭でまねしないでください」というテロップと説明があったが、危険なものをわざわざ紹介する必要があったのか疑問。

  • 日本語を理解できない外国人に、男性器を想起させるひらがなをプリントしたTシャツを着せて笑いにしていた。他国の人々を侮辱し、おとしめる企画で非常に不快。

  • いわゆるドッキリで、わんこそばの途中に酢入りの椀(わん)を出し、むせる様子を笑っていた。気管に入ったりすると危ない。

  • 全裸でいることを余儀なくされた男性の前に仕掛け人の女性が現れ、あわてふためく男性の様子を笑うドッキリ企画。「LGBT理解推進法によって心は女だと言えば男が女湯に入れる」などのヘイトスピーチが激化している状況下、あり得ないと思う。

  • 安倍元首相銃撃を機に霊感商法の危険性が再認識されたが、テレビは毎年夏になると心霊番組を放送し霊感商法を助長していると感じる。メディアは「心霊番組と霊感商法」の関係について議論してほしい。

  • 番組のサブタイトルが前週放送のスペシャル番組の「裏側に完全密着」。大々的な予告もあって楽しみにしていたが、この内容が放送されたのはわずか10分ほどで「裏側」もなし。本当にガッカリだ。

【ドラマ・アニメ】

  • ドラマで子どもが戸棚に隠れていたシーンをコミカルに描いていた。子どもがまねをすると危険。熱中症で亡くなった事例もある。

【その他】

  • 日々、相撲中継でたまり席の同じ女性がたびたび映る。手にしたうちわに大書された文字をネットで検索すると、女性は飲食店の経営者でうちわの文字は本人の源氏名だという。本人のSNSには過去、自分が映ったテレビ画面の画像。放送が宣伝に使われているような状況はいかがなものか。

【ラジオ】

  • 安倍元首相襲撃から1年というニュースで現在の警備体制、旧統一教会に対する質問権の行使状況などを伝えたが、批判が高まっていた「政治家と教団との関係」にはまったく触れなかった。不自然な報道だと思う。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 紀行バラエティー番組。ロシアのある民族に関するVTRで、動物の血などを映像処理せず見せた。非常に生々しく気分を悪くした。その民族には日常の光景だろうが、そのまま放送するのはおかしい。子どもが見たら、悪影響があるかもしれない。

  • バラエティー番組で、男性芸人が温泉宿で入浴中にロッカーの暗証番号を変えたうえ、男湯を女湯に入れ替えるドッキリがあった。女性入浴客が徐々に迫ってきて、全裸の男性芸人を困惑させた。男性の尊厳を無視し、その性的プライバシーを軽視するものだ。

【「言葉」に関する意見】

  • 最近の犯罪報道で「闇バイト」という言葉をよく聞く。なんとなく響きが軽く、実態がうまく伝わらない。これに加担する若者が後を絶たないのも、言葉の持つ軽さが一因かもしれない。凶悪犯罪につながることを適切に表現する言葉を使うべきだ。

  • 子ども向けミニ枠番組のなかの体操の歌に「集団生け贄200人!」「天国行きたきゃ…心臓どくどく捧げよう!」などの歌詞があった。非常にグロテスクな表現で、子ども向け番組には不適切だ。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 自殺したとみられる若手タレントの元妻の女性タレントが、5歳の息子を連れて帰京した際、空港でテレビカメラが向けられた。幼児がいる場の対応としてはあまりにおかしい。そもそも遺族への取材は不要だと思う。

  • 小学校の校庭に軽トラックが侵入して児童がはねられた事件で、複数の報道・情報番組が目撃者である子どものインタビューを放送。子どもが精神的、心理的に不安定になっている状況でマイクを向け、当時の様子を思い出させる行為は容認できない。とても気分が悪くなった。

【「要望・提言」】

  • 近ごろは子ども向けアニメ番組が減っている。ゴールデンタイムにアニメが放送されなくなって寂しい思いだ。子ども向けアニメの放送枠を増やし、子どもに夢と希望を与えてほしい。

【「低俗、モラル」に反する】

  • 深夜のバラエティー番組で、女性の下着を数メートルの高い位置から落として、芸人が口でキャッチしたり、凍らせた下着をブーメランのように投げて飛距離を競ったりしていた。セクハラまがいの内容で、女性が見たら、さぞかし不愉快だろう。

2023年8月4日

TBSテレビ『news23』が審議入り

TBSテレビは1月12日、報道番組『news 23』の調査報道23時のコーナーにおいて、農業協同組合(JA)で職員が共済営業の過大なノルマを課され、ノルマ達成の為に職員やその家族が不必要な契約を結ぶ、いわゆる“自爆営業”が横行していると報じた。その中で、A地方のJAに勤める男性が、顔をぼかし声も変えてインタビューを受け、ノルマ達成のために1歳と5歳の子供に必要のない共済をかけていると語った。このインタビューには顔をぼかし声も変えた別のJAの職員も同席していた。また、JAのBに勤める男性は、顔をぼかし声も変えて、上司から給与やボーナスが支払えなくなるといわれ職員や農協の為にノルマを無くせないと述べた。
放送後、身元を隠す措置が不十分だったため、A地方のJAに勤める男性は職場で身元がばれて居づらくなり、退職に追い込まれたとの週刊誌報道があった。また、取材を受けた職員とは3回程度会話をしたことがあるという人から「放送を見て誰であるかを私ですら特定できた。彼は農協の問題を告発し多くの職員の声を代弁してくれた。退職になりとても残念だ。テレビ局の取材対象に対する不誠実な姿勢を問題にしてもらいたい」といった声がBPOへ寄せられた。
委員会は、当該放送局に報告書と番組DVDを求めそれらを踏まえて協議した。その結果、報道の取材源の秘匿という原則が損なわれるという放送倫理違反の疑いがあり、取材から放送に至る経緯等について詳しく検証する必要があるとして審議入りを決めた。今後は当該放送局の関係者からヒアリングを行うなどして審議を進める。