2017年3月に視聴者から寄せられた意見

2017年3月に視聴者から寄せられた意見

東日本大震災から6年。3月11日には各局で特別番組が放送され、その内容に関する意見が多く寄せられた。WBCの野球中継では試合時間が長く、その後の時間帯の番組編成に対する批判が多く寄せられた。

2017年3月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,101件で、先月と比較して291件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール72%、電話26%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性70%、女性29%、不明1%で、世代別では40歳代27%、30歳代26%、50歳代19%、20歳代14%、60歳以上12%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。3月の通知数は956件【50局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、23件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

東日本大震災から6年がたった。3月11日には各局で特別番組が放送され、その内容に関する意見が多く寄せられた。また、WBCの野球中継では試合時間が長く、その後の時間帯の番組編成に対する批判が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は44件、CMについては50件あった。

青少年に関する意見

3月中に青少年委員会に寄せられた意見は157件で、前月から55件増加した。
今月は「表現・演出」「性的表現」がともに25件と最も多く、次に「いじめ・虐待」「低俗、モラルに反する」がともに24件、「報道・情報」が19件と続いた。
「表現・演出」では、バラエティー番組で芸能人がだまされて穴や海に落とされる企画について多数の意見が寄せられた。「性的表現」では、未成年の設定だと思われるアニメキャラクターの発言について複数の意見が寄せられた。「いじめ・虐待」では、体操教室での少女に対する指導の様子について多くの意見が寄せられた。「低俗・モラルに反する」では、お盆で股間を隠す芸についての意見が目立った。「報道・情報」では、大阪府の幼稚園に関するニュース等での園児の取り上げ方についての意見が多かった。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 各局で、東日本大震災を振り返る番組が放送されていた。いまだに故郷に帰れない被災者や、現地の状況が報じられていたが、これは、3月11日にならないと放送できないものなのだろうか。復興が進んでいない、現地の産物が市場で売れないなどは日常のことであり、この日に限って復興、復興というだけでは全く意味がない。現地の産物はどのような検査を通して出荷されているのか、復興が進まないのは何故か、それらをメディアがきちんと調べた上で、普段から報道すべきだと思う。それが被災者に対するいじめや差別を防ぐことにも繋がるのではないだろうか。

  • 東日本大震災から6年、今、私たちは、“二つの風”と闘わなければならない。その一つは風化だ。毎年追悼式が国や自治体で開催され、多くのメディアも番組で取り上げるが、残念ながら年々参加者が減り、話題も少なくなっていく。防災の観点から決して忘れてはならない。3月11日を思い出し、災害時に何を準備し、何を施すべきかをきちんと覚えていれば、被害を少なくすることができる。二つ目の風は、風評被害だ。農産物に含まれる放射能はほとんど減衰したが、被災地産というだけで買い控えが起こる。日本産農産物に対して一定の輸入制限をかける国は、いまだ世界の半分近くに上る。さらに深刻なのは、人的な風評被害である。避難した子ども達が、いわれ無き中傷を受け、いじめに繋がった例も報告されている。差別しようとしている大人の心を反映したものか、大人の意識改革を進めなければならない。二つの風との闘いはこれからも続けなければならない。これも犠牲となられた方々への供養であり、被災者の方々への励みになるはずだ。

  • 関西の学園について連日報道されているが、感情的・扇情的な報道内容で、視聴者が公平な判断ができないのではないか。疑惑の段階なのだから、きちんと裏付けされた理性的・論理的な情報で視聴者に考えさせるような報道をすべきだ。

  • 芸能人が、飲食店などに現場で撮影許可を取るスタイルの番組について。芸能人は、お店には撮影許可を取るが、店内にいるお客様に許可を取っているのか。許可を出すのは店側ではあるが、取材などに慣れていない店に突然撮影許可をとる場合、店の人は、お客様の許可を取ることまで気が回らないのではないか。撮影する側は、最低でもお客様にも同意を得るように注意喚起をする必要があると考える。なかには断ることを言い出せない人もいるはずだ。食事中はすぐに退去することもできない。取材の際、前もって許可を取ること、店側にお客様の同意を得てもらうことを実施するべきと考える。

  • 甲子園の選抜高校野球の報道で、特定の学校に関する扱いが異常だと思う。注目選手がいるというのは理解できるが、あたかもその学校が負けて残念であるかのような報道はやり過ぎではないか。プロスポーツでない高校野球は、もっと冷静で公平に伝えるべきだ。

【番組全般・その他】

  • ディズニー映画の放送は、「ノーカット」としきりに事前告知していたが、エンディングの内容にがっかりした。エンドロールは早送りにされ、子ども達の歌声が出ていた。それだけならまだしも、テレビ局の社員が歌っている。番宣も流れている。なんだかわからないが、芸人も出ていた。「ノーカット」という場合、どういった定義になるのか。見ていて本当にがっかりした。エンドロールも含めて一本の映画だ。早送りして番宣を見せられるぐらいだったら、カットしてもらったほうがいい。視聴率ばかりが気になるから、視聴者の目線になっていない。

  • プロレスの番組を楽しみにしていた。前の番組はWBCの野球中継で、試合が延長して長時間放送になった。これにより番組の放送開始が大幅に遅れてしまい、番組予約がきかず、私は見ることができなかった。プロレスファンにとっては初めての企画で、どうしても見たかった。野球中継が延長することは容易に予想がつくことではないのか。番組編成に大いに疑問が残る。

  • 朝の情報番組で、「山陽新幹線トンネルから水蒸気」というニュースがあった。「水蒸気」は目に見えないので「水滴」が正しい。この誤りに誰も気づいていないのか、疑問を持たないのか、以前から間違ったままの放送が続いている。小中学校の理科の授業では、「水蒸気は目に見えない気体」と教えているが、テレビでは、「激しい水蒸気が見える」といった放送がされる。これを繰り返し見た子ども達は、混乱して正しい知識が身につかない。改善してほしい。

  • 昼の番組で、キム・ハンソル氏と思われる男性が公開したビデオについて、撮影された場所のフロアや部屋などの状況を、わざわざ専門家に分析させて放送していた。「撮影場所は50ヘルツの電子機器が使用されている地域」などと音声分析の結果を公表して、丁寧に50ヘルツ地域の国一覧までつけて放送していたが、やりすぎだと思う。当該男性が、北朝鮮政府から狙われている可能性や、他の国から国家レベルで保護されている情報がある。潜伏先について根掘り葉掘り分析し公開する内容は、男性を狙う暴力テロ組織を利するだけであり、一般視聴者に必要なものとは思えない。

  • 夜の番組で、番組ADが取材をしているが、食べ方が汚い。一呑みは当たり前、お寿司をまとめて手に抱え一気食い、きれいに盛られたものも手掴みで一呑み。大食い番組ならあり得る食べ方かもしれないが、食のリポートであって、大食いを自慢するコーナーではない。取材を受けたお店も、そんな食べ方をしてほしいわけでなく、純粋に料理を楽しんでほしいのではないか。食べ方のせいで、美味しそう、食べてみたいと思う気持ちを削がれる。放送時間帯も家族で見ている時間だ。あんな食べ方を見せられたら、真似をしてしまう子どもも出てくる。何かしらの事故が起こらないとも限らない。

  • 「無人販売所の農家は、相当なお人好し説」を検証するとして、農家の野菜無人販売所から野菜をすべて持ち去り、盗まれたとは思わないかどうかを実験していたが、例えお金を払っていたとしても、真面目に野菜を販売している農家の方に対し非常に失礼で、不愉快極まりない番組だった。しかもあの内容では、「無人販売所から簡単に野菜を持ち去るとことができる」という犯罪を助長しかねない。買い占めた大量の野菜が残ってしまったという、食べ物を粗末にする結末にも不快感を覚えた。

  • 一人芸人がナンバーワンの座をかけて対戦する番組の中で、優勝者が裸でパフォーマンスをしていた。それは、全裸で局部を皿のようなもので隠すという芸で、下品な宴会芸を思わせるものだった。局部を露出するかどうかでスリルを与えるのが狙いらしい。生放送でこのような芸を放送しても良いのだろうか。万一にも局部が露出したら、公然猥褻などの犯罪になるのではないかと思った。軽犯罪法に該当しないのかとも思った。いずれにしても、裸で芸をするというのは、いじめのツールとして利用されるなど、青少年に悪影響を与えるのではないか。

【ラジオ】

  • 関西在住だが、深夜放送を朝まで楽しみに聞いていたのに、3月中旬から、FMの放送に切り替わるということで、番組がなくなってしまった。私はFM局を聞くことができない。すべての人がFMを聞けるわけではないので、配慮してほしい。

【CM】

  • 77歳になる祖母が健康食品・美容化粧品のCMを見て、定期購入と知らずに通販を利用してしまった。幸いにも娘である母が定期購入の停止、及び、今後祖母が電話をかけても断るようにと約束させていたが、この手のCMは、どれだけ自社製品が良いのかとアピールするだけで、肝心の注意喚起の部分は、視力の良い人でも見えないのではないかと思うほどの小さな文字で表記している。CMは15秒程しかないのでそんな文字は読めないし、CM内容を孫の私が確認したところ、定期購入について詳しく書かれていなかった。頼んだ祖母も祖母だが、このような健康食品・美容問わず、通信販売のCMは大いに問題がある。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、芸能人をだまして海や穴に落とす企画があった。演技かもしれないが、俳優が海に落ちてワニに怯える姿を見て、他の出演者が大笑いしていた。人が困っている様子を笑って見ている様子は不愉快だし、子どもにはとても見せられない。

  • ゴールデンタイムの番組で、手術シーンが映像処理されることなく放送された。血や肉や骨がそのまま映し出されており、気分が悪くなった。子どもも見ている時間帯なので、もう少し配慮してほしい。

  • 番組スタッフが小学生と一緒に給食を食べるシーンがあった。そのスタッフは口に食べ物を含んだ状態で話をしたり、一気食いをしたりするなどマナーがひどかった。子どもに悪影響を及ぼす。

【「性的表現」に関する意見】

  • 未成年の設定だと思われるアニメキャラクターが、子どもを作ったかのような発言をしていた。子どもも見ている時間帯の番組としては不適切ではないか。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 体操でオリンピック出場を目指す少女を取り上げた番組があったが、少女へのコーチの指導が厳しすぎて虐待シーンを見せられているようだった。子どもが痛みで泣き叫んでいる映像はあまりにも残酷で見るに堪えない。

  • バラエティー番組で、あるタレントの嫌いなところを一般の人にアンケートし、その結果を他の出演者が当てるという企画があった。そのタレントの人格を否定するかのような回答もあり、いじめのように感じた。最終的には「嫌いなところはない」がアンケートの回答で圧倒的に多かったというフォローがあったが、このような企画は不愉快だ。

【「低俗・モラルに反する」との意見】

  • お笑いタレントがお盆で股間を隠す芸を披露していた。子どもが真似したり、悪ふざけで、無理やりその芸をやらされたりするおそれがある。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 幼稚園児が園の教育方針に沿って、運動会で選手宣誓する様子などを報道していた。顔は分からないように配慮していたが、報道されることにより、園児本人は自分が悪いことをしたかのように感じるだろう。園児のことを思うと胸が痛む。

2017年2月に視聴者から寄せられた意見

2017年2月に視聴者から寄せられた意見

豊洲市場への移転問題を伝える昼の情報番組などに対し、移転賛成派、反対派のどちらか一方に偏り過ぎているとの批判や、都議会関連問題について、連日同じ内容の放送を続けているとして放送局への批判。医療をテーマにした番組で、特定の睡眠薬が糖尿病に効果があると、一部研究者の学説を紹介した内容に対する意見など。

2017年2月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,713件で、先月と比較して97件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール72%、電話25%、FAX1%、手紙ほか2%。
男女別は男性72%、女性27%、不明1%で、世代別では40歳代27%、30歳代27%、50歳代21%、60歳以上12%、20歳代12%、10歳代1%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。2月の通知数は757件【56局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、20件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

豊洲市場への移転問題は、延期が決まって半年経過したが、昼の情報番組などに対し、相変わらず数多くの意見が寄せられている。移転賛成派、反対派のどちらか一方に偏りすぎる論調への批判や、都議会関連問題について、連日同じ内容の放送を続けている放送局への批判が多かった。また、医療をテーマにした番組で、特定の睡眠薬が糖尿病に効果があると、一部研究者の学説を紹介した内容に対する意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は47件、CMについては37件あった。

青少年に関する意見

2月中に青少年委員会に寄せられた意見は102件で、前月から27件減少した。
今月は「性的表現」が27件と最も多く、次に「表現・演出」が26件、「暴力・殺人・残虐シーン」が12件、「低俗、モラルに反する」が11件、「いじめ・虐待」が7件と続いた。
「性的表現」では、複数のアニメ番組に対して、キスシーンなどの表現に関する意見が寄せられた。「表現・演出」では、主人公が小学生のアニメ番組で、通常とは異なる画風や設定で放送したことについて多くの意見が寄せられた。「暴力・殺人・残虐シーン」では、映画や深夜帯のアニメ番組についての意見が目立った。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 豊洲市場の安全性についての報道が、合理的に、また科学的な判断がなされずに、いかにも危険であるかのように、国民に対して不要な不安を煽っていることに危惧を感じている。地下水にベンゼンなどの有害物資があるとしても、これは飲料用井戸水として使用する際の基準であり、市場としての機能に悪影響を与えるものではない。しかし、マスコミが合理的思考や科学的見識が未熟なまま報道することにより、国民に対し不安を煽り、経済的損失を与えている。

  • 関西にある学園の、土地取引に関する一連の報道に不信感を持っている。新聞各社の本社ビルが建っている土地も元は国有地で、公共性を鑑みて割引されているという話を一部のメディアが伝えているが、主要な報道機関はダンマリを決め込んでいる。土地取引が不透明なのは事実だが、公益性をネタにされると困るから、それだけを論点にするのではなく、教育方針や理事長の人柄なども扱っているのではないか。また、一連の報道で、土地取引や土木工学の専門家が全く出てこないのも、公平性や客観性を欠いている。

  • 埼玉県草加市で起こった交通事故で、母親が亡くなり子どもがけがを負った。原因はトラックの信号無視とされている。そのニュースを伝える際、記者が被害者の遺族にインタビューしていたが、「うん、うん」と相槌を打つことが気になった。「はい」や「ええ」など、他の返し方もあると思うのだが。

  • 最近の日本のメディアは、アメリカのトランプ大統領や、その側近のツイッターの投稿内容を紹介するだけの報道が目立つ。イギリスのBBCやアメリカのCNNなどの海外メディアは、政党や団体の関係者、各地の市民等に直接取材して、専門家の意見も交えながら、説得力のある報道をしている。限られた時間の中で非常に分かりやすく、日本の報道とは比較にならない程のレベルの高さだ。海外メディアの報道姿勢を是非見習ってほしい。

【番組全般・その他】

  • 午後の情報番組は、いつも同じ内容しか放送しないので、ベンゼンやシアンの濃度を覚えてしまった。他の視聴者も同じ状況だろう。この番組のせいで、豊洲市場の風評被害が広がっているので、やめてほしい。豊洲市場移転問題を扱うのなら、築地市場の安全性についても伝えてもらいたい。安全性がはっきりしないのであれば、公平を期すために検証するべきだし、メディアが訴えていく必要もある。豊洲ばかりで築地の状況が分からずに、ただ危ない危ないと騒いでいるだけで、物事が進まない。

  • ある特定の睡眠薬で糖尿病治療ができるという、学会でも厚労省でも承認・認可されていない一部の研究者の意見を大々的に放送し、特定の睡眠薬の商品名も分かるような映像も含まれていた。私は内科医だが、番組放送後、糖尿病の患者から実際にその睡眠薬の処方を依頼され、事実関係の説明に追われている。多くの国民が視聴している人気番組のため、医師が利用するネットでの掲示板を見ても、日本全国で同じようなことが起きており、医療現場が混乱している。事態を重く見た厚労省からも放送局に対し口頭で注意がされたとの報道もある。特定の睡眠薬の製薬メーカーからの番組出演者や番組スタッフへの利益提供の有無も含め、かかる番組が制作・放送されるに至った経緯や公平性・信憑性について検証が必要かと思われる。

  • 朝の情報番組で、番組スタッフが平壌のあるホテルに電話をかけ、金正男氏殺害について「北朝鮮の一般国民が事件の事実を知っているか」ということを確かめていた。電話に出た女性従業員は、当然ながら「知らない」と答えて電話を切った。知っていても「NO」と言うよりほかに無い国であるが、もし本当に知らなかったのであれば、女性が余計な情報を得たとして、当局から狙われる危険性もある。相手の事情を考えない興味本位の放送は不適切だ。

  • 夜のニュース番組で、女性キャスターが結婚報告をしていた。いつからアナウンサーやキャスターが、個人的なことを発表するようになったのか。企業に勤務する会社員が公共の電波にのせて結婚発表することは、異常だと感じていないのだろうか。視聴者の要望に応えると考えているテレビ局もあるようだが、勘違いも甚だしい。ねたみややっかみからではなく、見ている方が本当に恥ずかしいので、やめてもらいたい。

  • 夜のニュース番組で、MCが出演するアルコール飲料のコマーシャルの後、番組が始まった。報道番組のMCが特定企業のコマーシャルに出るということは、その企業や業界の不利な報道はしないということだろう。アメリカに住んでいたが、こういうことはまずあり得ない。このことに限らず、この番組には報道としての自覚が感じられない。今夜は、トランプ・安倍会談について、内容よりもゴルフの場所とラウンドに主眼を置いていた。

  • 朝の情報番組に、人気俳優の出ている料理コーナーがある。そこで使われているオリーブオイルの量は、料理一品に対して多すぎるのではないか。オリーブオイルは体に良いものであっても、使い過ぎるとどうなのか。そもそも、安価で簡単に手に入るものなのか疑問だ。視聴者の健康や家計などに配慮するべきではないか。

  • 新生活シーズンを前にして、東京での一人暮らしを紹介する番組が、毎年2月に東海地方で放送されている。視聴者の需要があることは理解できるが、東京一極集中が加速し、地方の人口が減少しているのに、このような番組を流すことには反対である。本来、地方を元気にするための放送局が、地元を離れて東京での生活を応援する番組を作って流せば、ますます若者が首都圏に流出してしまい、地方衰退に拍車をかける。こういうことを考えない局は、地方に住む者としてとても悲しい。局自体の経営にも影響を与えかねないことも分からないのだろうか。このような番組は慎み、地元に残ることを勧める番組を放送すべきである。

  • ドラマを見逃したので、オンデマンドで見られるかテレビ局に電話をしたところ、専用の問い合わせ窓口があると紹介された。そこに連絡したところ、最初に名前と電話番号を聞かれた。会員登録していないし、単にオンデマンドで見られるかどうかの問い合わせだったので、「言いたくない」と伝えたが、しつこく聞かれたので拒否した。そして「なぜ言う必要があるのか」と問いただしたところ、上司が出てきて、「途中で切れた時にすぐ対応できるように、情報を登録するため聞いている」と言われた。契約者でもない簡単な問い合わせなのに、個人情報を聞き、勝手に登録するのは如何なものか。

【ラジオ】

  • 午後の番組で、豆知識という話題で、「できそうでできない体の動き」について取り上げていた。しかし、その内容は、放送の前日に、あるニュースサイトに掲載されていた記事と全く同じもの。説明も一字一句違わず、出典については何も触れていなかった。番組DJは、自分の豆知識として紹介し、「皆さんもやってみてくださいね」など、自分が知っていることのように得意気に話していた。これは盗用にあたるのではないのか。問題があると思う。

【CM】

  • 若い女性がブラジャーをつけ、微笑むCMが流れている。生々しくて不愉快だ。万人の目に触れるテレビで流すべきではない。

青少年に関する意見

【「性的表現」に関する意見】

  • アニメ番組を子どもと見ていたら濃厚なキスシーンがあった。子どもも戸惑っており、見せてしまったことに対して罪悪感が生じた。我が家では夜9時以降の番組はあまり子どもに見せないように気を付けている。番組自体は悪い番組ではないと思うが、時間帯も考え、このようなシーンがあるのなら事前に視聴者に分かるようにしてほしい。

【「表現・演出」に関する意見】

  • 主人公が小学生のアニメ番組で、いつもと異なる画風や設定で放送されたコーナーがあったが、主人公やキャラクターの言葉遣いがひどかった。子どもに人気の番組であり、悪影響がないか心配だ。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 猟奇殺人を取り上げた海外の映画を放送していた。子どもが見てしまいかねないので、このような残虐なシーンが多い映画は夜9時以降に放送してほしい。

  • 深夜帯のアニメ番組での死体の表現がグロテスク過ぎる。最近の子どもは寝る時間が遅いので、偶然このようなシーンを目にしてしまうことも考えられる。小さい子どもにはトラウマになりかねない表現なので注意してほしい。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 深夜のバラエティー番組で、スキー場で芸人を裸にしてスノーモービルに乗せ、寒がっている姿を他の出演者が笑っていた。さらに芸人をゲレンデに寝かせ、ブルドーザーで雪を落とし、覆い被せていた。毎年、雪下ろしで亡くなる人がいるのに全く配慮がない。一人を限界まで追い込み、周りで笑っている様子は集団いじめを連想させる。テレビがもたらす影響を番組制作者はしっかり自覚してもらいたい。

【「要望・提言」】

  • 最近、規制が多くてテレビがつまらなくなってきている。ゴールデンタイムはともかく深夜番組にも批判が寄せられている。確かに子どもが見る時間帯や家族がそろって視聴するような時間帯で過激な暴力シーンや性的なシーンがあるのは良くないと思うが、もう少し寛容でもいいのではないか。視聴者からの意見も大事にしてほしいが、苦情を寄せる一部の人の意見に影響を受け過ぎているように感じる。

2017年1月に視聴者から寄せられた意見

2017年1月に視聴者から寄せられた意見

大みそか恒例の歌番組の演出や審査方法に対する批判や、正月のバラエティー番組のドッキリ企画への批判が目立った。長期化している豊洲市場への移転関連や、沖縄の基地建設反対運動を取り上げた番組への意見も多かった。

2017年1月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,810件で、先月と比較して190件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール80%、電話18%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性62%、女性37%、不明1%で、世代別では30歳代29%、40歳代29%、50歳代18%、20歳代13%、60歳以上9%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。1月の通知数は991件【39局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、21件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

年末年始に放送されたスペシャル番組への意見が多く寄せられた。大みそか恒例の歌番組の演出や審査方法に対する批判や、正月のバラエティー番組のドッキリ企画への批判が目立った。そのほか、長期化している豊洲市場への移転関連や、沖縄の基地建設反対運動を取り上げた番組への意見も多かった。
ラジオに関する意見は56件、CMについては29件あった。

青少年に関する意見

1月中に青少年委員会に寄せられた意見は129件で、前月から19件増加した。
今月は「表現・演出」が34件と最も多く、次に「いじめ・虐待」が29件、「性的表現」が21件、「暴力・殺人・残虐シーン」が10件、「報道・情報」が8件と続いた。
「表現・演出」では、少女の芸能活動の取り上げ方についての意見が複数寄せられた。「いじめ・虐待」では、いわゆる"ドッキリ番組"やお笑い番組での企画がいじめのように感じるとの意見が多かった。「性的表現」では深夜アニメでの表現についての意見が目立った。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • クリスマスの夕方、1月放送のドラマの撮影が自宅付近であった。帰宅途中、警備員から「撮影が始まるので」と通行を止められた。私の前の人は通行でき、かつ自宅が目の前であり寒空の下で待ちたくないので、「自宅がすぐそこなので」と通してもらった。ところが、今度は玄関前に撮影クルーが陣取っていた。「自宅なので通してください」という声も聞かないので、無理やり玄関に割って入ったのだが、謝罪の言葉も一切なかった。マスコミが偉いのか、テレビが偉いのか。道を開けるのが普通だが、そんなことまで一般人がマスコミに説明しないといけないのか。常識の範囲内で行動してほしいが、その常識がかけ離れ過ぎていて話にならない。

  • ニュースになった宅配便の動画について、街頭インタビューしていた。声を掛けられやんわりと断ったが「動画だけ見て」と言われ、スマートフォンでの動画について、「荷物を蹴飛ばす配達員をどう思いますか?」「この宅配便会社にはどのようなイメージがありますか?」などと聞かれ、簡単に答えた。その後「ありがとうございました」の言葉だけでその場を去ったが、その時にもう1人のスタッフが撮影しており、翌日その映像がテレビに流された。初めに番組名を言われただけで「いつ使うか、放送しても良いか」などの説明や確認はなかった。ホームページ上の番組宛メッセージに投稿したが、返答はない。インタビューの仕方も強引だったが、放送される可能性がある以上、きちんとした説明をすべきではないか。

  • 私は、豊洲市場移転のために準備をしてきた。小池知事の決定で移転が白紙になり、今も築地市場で営業しながら豊洲市場のための借金を毎月返済している。豊洲への移転を一刻も早く決めてもらいたいと思っており、築地の劣悪な環境を認識し、移転時期を計画より早くしてもらいたいと願っているが、結局、移転問題は知事にとって政治の駆け引きであり、モニタリングの結果が良くても悪くても、解決する気がさらさら無いのが分かり、心より失望している。出口の見えないトンネルの中にずっといるようで、何を拠り所に頑張れば良いのか分からない。メディアで築地市場の実情を正しく伝えてもらいたいが、そういうことも無く、日々のニュース報道も見ていて辛いだけだ。築地の劣悪な環境をメディアで伝え、全国の人に認識してほしいと願うばかりだ。

  • 「『保護なめんな』などと英字でプリントされたジャンパーを、生活保護担当者が着用することは不適切だとして、市が職員の使用を禁止した」というニュースを見た。どこの局でも「今回の件は良くない、職員が悪い」という論調で伝えていた。果たしてそうであろうか。生活保護の不正受給は良いことではない。社会問題にもなっている。この件を伝えるのであれば、不正受給の実態なども併せて報道するべきだ。本来批判されるべき人間が擁護され、真面目に仕事をしている職員が批判されてしまうことは気の毒だ。

【番組全般・その他】

  • 大みそか恒例の歌番組で、視聴者投票と会場の観客投票で大差がついていたにもかかわらず、審査員票だけでそれら全てが覆った。何のための視聴者投票、会場の観客投票だったのか。視聴者からは、最初から結論ありきの出来レースにしか見えない。データ放送での投票などするだけ無駄という印象すら抱きかねない結果だった。残念だ。

  • 大みそか恒例の歌番組は、どちらが勝っても良いと視聴前から思っていたが、最後の結果発表と投票システムは一体何だったのだろう。視聴者の意見はどうでも良かったのだろうか。番組の冒頭で、投票システムについて細かく説明してほしかった。また、スペシャルゲストの2人が警備員に止められていたが、途中から座席に座らせてあげれば良かった。茶番とはいえ可哀想に見えた。色々な面から制作体制を見直してもらいたい。

  • 歴史ある音楽賞の新人賞に、韓国のグループが選ばれた。このグループは、日本国内でほとんど名前さえ知られていないのではないか。私だけかと思ったが、周りに聞いても誰も知る人がいなかった。そもそもこの賞に限らず、何を基準に選んでいるのか分からないものばかり。週刊誌で、この賞の金銭による不正疑惑が暴露されていたが、今回も同じことが行われたのかと勘ぐってしまう。この賞は今の時代にそぐわないし、放送する意味も感じられない。

  • 正月のバラエティー番組で、女性芸人にドッキリを仕掛けるという企画は、いじめとしか思えない内容で、新年早々大変嫌な気持ちにさせられた。立場の強い者から、一般の観客の前で執拗な要求を突き付けられ、罵倒され号泣していた。テレビだから事前の打ち合わせがあったかもしれないが、気持ちのいいものではない。年配の方も、子どもたちも、家族団欒でテレビを囲む新年のゴールデンタイムだ。心が痛む内容の放送をしてもいいのか。これを面白いとしてはいけないし、いじめを助長するような放送はやめてもらいたい。

  • 日曜夜の番組で、低年齢アイドルの活動が特集されていた。ある幼児アイドルのイベントに成人ファンが押し寄せ、写真撮影やグッズを収集していた。それが批判的であれば別だが、一貫して明るい演出となっており、ファンや関係者の意見も好意的に伝えられていた。最後に司会者が遠回しに批判的意見を述べていたため、本来はそのような趣旨で問題を取り上げたかったのかもしれないが、結果として不十分で、好意的に受け取られかねない特集になっている。このような放送内容が許されると、社会の基本的な道徳規範意識を歪めるおそれがある。改めてテレビによる影響が多大なものであることを認識し、社会規範を考慮した番組作りに努めてもらいたい。

  • 異国の地で暮らす日本人を紹介する番組は、フィリピンのピナツボ火山の噴火により親を失った孤児が、ゴミの山から売れるものを見つけて売って生きていく姿を紹介し、その逞しさに心を動かされたという内容だったが、ピナツボ火山の噴火を説明するVTRに何故か、長崎県雲仙普賢岳で発生した火砕流の映像が流れていた。迫力ある火山の噴火映像を出したかったのかもしれないが、全く繋がりのない映像を安易に使用したとしか判断できず、制作者の意図が理解できなかった。

  • 午後の情報番組は、都知事の定例会見を毎週生放送している。知事は各機関の報道を見て、自分に有利な報道をする局や記者を中心に質問させており、知事と記者の馴れ合いを毎週見させられてウンザリする。メディアの仕事は、権力の監視と批判のはずなのに、その機能が全く無く、知事側に気に入られるような内容を毎日放送し、視聴率を取ることしか考えていない。メディアは完全に知事に舐められているが、気づいておらず、見ている側だけが飽き飽きしている。いつまでも知事との馴れ合いをしているから都政が良くならず、オリンピックと豊洲移転の失敗のツケが都民に回される。いい加減やめてほしい。

  • 月曜夜の番組で、沖縄・高江ヘリパッド問題を特集していたが、建設に反対している人たちの印象を悪くする演出を意図的に多用し、公平性に欠くものだった。反対派の取材を試みたようにしていたが、さしたる根拠もなく「このままだと危険と判断、ロケ中止」なるテロップを流し、あたかも反対派が危険であるかのような印象づけをしていた。その後は、賛成派のみが登場し、反対派の活動の問題点を一方的に指摘していた。在日韓国・朝鮮人に対する言説も、いわゆるヘイトスピーチのレベルであり、公共の電波を使用するものとしてふさわしくない内容になっていた。

  • 固定電話に無作為で予告なしに電話をかけてくる行為が不安になる。特に高齢者は就寝が早いので、夜9時すぎなどに繰り返し電話が鳴ると、知らない電話番号で不安がっている。留守電も途中で切れたりしてなおさらな様子だ。年老いた家族から連絡があり、いろいろ調べた結果、夜のニュース番組からの電話と分かったが、当たり前のように、予告なしに世論調査や家族構成など聞き出すのはおかしくないだろうか。委託業者に頼んでいるので対応も悪いらしい。田舎の高齢者は不安でいる。無作為な世論調査などのいきなり電話はやめてもらいたい。

  • 番組への意見を言いたいと思い、局の視聴者窓口に電話をした。しかし対応に出た女性は、話を聞いているのかいないのか分からないような適当な対応だった。「はいはい、伝えます」と言えば良いというものではない。視聴者からの意見は、時にうっとうしいかもしれない。しかし真摯に意見を聞き、正確に関係部署に伝えることが仕事であろう。働く以上、あるいは視聴者窓口が存在する以上、きちんと機能するように仕事をするべきだ。

【ラジオ】

  • 深夜番組の司会者が、自ら作詞作曲した歌をフルコーラスで流していた。プロミュージシャンならともかく、大学教授の彼が趣味で作ったものだ。これは放送の私物化ではないのか。本人も「公共性がない」と言っていたので確信犯だ。例年このようなことをやっているが、今まで批判がなかったのが不思議だ。ラジオ番組司会者なら、何をやっても許されるという風潮が理解できない。

【CM】

  • アイドル育成ゲームのCMは、極めてギャンブル性が高く、課金しなければまともに遊べないゲームだ。子どもの起きている時間帯に、しかも数多く放送されている。未成年のゲーム課金が問題視されている中、注意喚起文も添えられていない。流すべきではないと思う。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 幼稚園児アイドルのライブやイベント活動に成人ファンが押し寄せ、写真撮影やグッズ購入する様子を取り上げていた。私はこのような芸能活動は青少年の健全な育成を阻害すると思っているのだが、番組では批判的な意見は少なかった。テレビは社会の規範意識形成への影響が大きいので、このような考えを持つ視聴者のことも考慮した番組作りを期待したい。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • いわゆる"ドッキリ番組"で、ベテランタレントが若手お笑いタレントに無理な要求を執拗に繰り返していた。とても笑える内容ではなく、いじめのように感じた。こうした内容を面白いものとして放送することで、善悪の判断が未熟な子ども達が間違った理解で人をいじめるのではないかと心配だ。

【「性的表現」に関する意見】

  • アニメ番組で高校生キャラクターの過激なキスシーンがあった。深夜の時間帯ではあったが、誰でもが簡単に視聴できる地上波で放送するような内容ではない。

  • 深夜のトークバラエティー番組で、男性器の俗称をそのまま発言したり、女性タレントが自慰行為について話をしたりしていた。テレビとは思えない下品さだ。私の住んでいるマンションは24時間分のテレビ放送を自動録画するシステムになっており、子どもがこのような番組を隠れて視聴しないか心配だ。

  • 昼間に子どもと外出していたところ、ラジオで性風俗店についての話題を取り上げていた。ラジオは飲食店やガソリンスタンドなどでかかっていることも多く、聞かなければいいというわけにはいかない。せめて時間帯に配慮して放送してほしい。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • バラエティー番組で、出演者にプロレスラーが平手打ちしたり、キックボクサーがお尻を蹴ったりするなどの暴力的なシーンがあり、他の出演者がその様子を笑って見ていた。実際に痛いかどうかはさておき、笑いがあれば暴力も見過ごしていいと青少年が受け止めかねない。

2016年12月に視聴者から寄せられた意見

2016年12月に視聴者から寄せられた意見

覚せい剤使用の疑いで逮捕された歌手への取材のあり方や、番組で使われたタクシー内映像、本人に無断で公開された未発表曲など、過剰な報道に対する批判。お笑い芸人が起こした当て逃げ事故や、俳優が薬物使用疑惑で引退したニュースを報じた情報番組への意見など。

2016年12月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,620件で、先月と比較して63件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール78%、電話20%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性60%、女性39%、不明1%で、世代別では30歳代32%、40歳代28%、50歳代19%、20歳代13%、60歳以上6%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。12月の通知数は835件【39局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、19件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

覚せい剤使用の疑いで歌手が逮捕されたが、自宅周辺や遠方に住む家族への取材のあり方、また、番組で使われたタクシー内映像や、本人に無断で公開された未発表曲や通話内容など、過剰な報道に対する批判が多く寄せられた。そのほか、お笑い芸人が起こした当て逃げ事故や、俳優が薬物使用疑惑で引退したニュースを報じた情報番組への意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は30件、CMについては24件あった。

青少年に関する意見

12月中に青少年委員会に寄せられた意見は110件で、前月から9件減少した。
今月は「表現・演出」が33件と最も多く、次に「性的表現」が18件、「委員会に関する意見」が14件、「言葉に関する意見」が12件と続いた。
「表現・演出」では、いわゆる"ドッキリ番組"への意見が目立った。「性的表現」ではバラエティー番組で、マネキンがしているブラジャーを素早く外す競技を行ったことについて多くの意見が寄せられた。「言葉」では、お笑いタレントが他のお笑いタレントに向かって「死ね」などと言ったことについて複数の意見があった。
また、委員会が12月21日に「TBSテレビ『オール芸人お笑い謝肉祭‘16秋』に関する委員会の考え」を公表したことを受け、多数の意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 覚せい剤使用の疑いで逮捕された歌手の報道について、被疑者の人権が守られているのか疑問だ。自宅に大勢で押しかけ勝手にガレージの中に入り、外車のエンブレムを折り曲げ、タクシー車内の映像を公開し、さらに入手した未発表の楽曲を勝手に流す。ここまで来ると、犯罪者の報道なら何をしてもいいのかという印象を受ける。複数の局が取材しているため、歯止めが効かない状況だ。

  • 覚せい剤使用の疑いで逮捕された歌手のタクシー内映像が放送された。これ自体、問題ではないかと考えていたところへ、タクシー会社が謝罪したというニュースが流された。当然のことと思ったが釈然としない。映像を流出させたタクシー会社よりも、電波に乗せた放送局の罪の方が大きくないだろうか。それなのに放送局が謝罪したというニュースは聞こえてこない。映像を要求したと思われるテレビ局も正式に謝罪すべきだ。タクシー会社に不適切なことをさせ、自分たちはその映像を利用して収益源とし、さらに謝罪なし。あまりにひどくないだろうか。

  • 覚せい剤使用の疑いで逮捕された歌手の件は、報道の自由とは言え、やり過ぎだ。福岡の実家まで押しかけた高齢の父親へのインタビューは、あまりにも心無いもので、事件取材の域を超えている。家族がどれだけ辛い思いをしているか、それをもネタにして晒すことに大きな矛盾を感じる。

  • 覚せい剤使用の疑いで逮捕されていた歌手が、不起訴処分となり釈放された。逮捕される直前から大きく報道してきたが、特に逮捕後は、有罪と決めつけてコメントしているような印象を受けた。不起訴となったのだから、当然これまでの放送を検証し説明するのかと思っていたが、見ていた範囲では謝罪の言葉もなく、まだ疑っているかのような報道に思えた。今回は有名人だから、不起訴も大きく報じられたが、一般人であれば不起訴はニュースにもならず、当初の報道だけで犯罪者のイメージを持たれてしまう。マスコミ関係者は、報道によって誰かの人生を奪うこともあると自覚し、常に自制的に報道に携わるべきだと思う。

  • お笑い芸人が当て逃げ事故を起こした件で、テレビではすべて「さん付け」で伝えていた。一方、歌手の覚せい剤使用容疑の報道では、逮捕される数時間前から「容疑者」と連呼していた。この違いは何か。芸人が大きい事務所だから遠慮しているのか。歌手が個人事務所だから叩いているのか。この理不尽さは納得できない。

  • 私は、飲酒運転をして電柱にぶつかり、その後すぐに警察に出頭した。一晩留置場に入った翌朝、この事故が報道されたことを知った。職業、住所、氏名とともに事故現場の写真がテレビで放送されたようだ。飲酒運転をした私が悪いのだが、被害者も出ていない、いわゆる自損事故なのに、氏名まで公表する必要があるのか。ニュースで放送されたことで、新しく決まりそうな仕事がだめになってしまった。私が悪いことは重々承知しているが、人の不幸を食いものにするような報道はしないでほしい。

  • 日本人はうるさくなりすぎだ。映画やドラマも規制ばかり。日本人特有の規律正しさや真面目さばかりを守ることで、結局、自分たちの首をしめている。地上波の映画放送にしても、新作公開に合わせた前作ものばかり何回も見せられる。映画やドラマは、いいことも悪いことも含め、その時代や歴史を映し出すものなのに、どうしてそれをあれこれ規制して、剥ぎ取りながら見せるのか。これでは歴史も勉強できないし、想像力や感動も生まれない。映画監督のメッセージも伝わらない。今の子どもたちに想像力がないのは、剥ぎ取られたものしか見ることができないからだ。

【番組全般・その他】

  • 日曜のニュース番組で、高校生が高性能ゴムパチンコを使い、バスに向かって玉を放ち、窓ガラスを壊した事件を伝えていた。その際、わざわざ同じ道具を使ってベニア板に穴をあける再現実験を行い「危険ですから真似をしないように」と注意していた。このような危険性のある再現実験は果たして必要であろうか。道具をどのように持ち、どのように玉を飛ばすのかを知らしめるだけの実験である。危険性のある道具の使い方を紹介する必要はない。

  • 昼の情報番組で、薬物使用疑惑の元俳優について伝えている。彼は、逮捕されたわけでも容疑者でもなく、芸能界を引退してすでに一般人だ。犯罪者のごとく扱うことは人権侵害以外の何ものでもない。コメンテーターの推測に過ぎないのに決めつけるような発言、自身の物差しだけではかる非難の言葉などは、反論する機会もない人に向けた一方的な暴力だ。すでに事務所も辞めていることから、クレームがないことを良いことに、このような放送をしているのだと思うが、誰が止めるのか。誰が彼を守れるのか疑問だ。

  • 朝の情報番組で、薬物使用疑惑の元俳優について伝えている。告発者と言われている人物を出演させ、真偽不明な意見を報じ、倫理観に疑問を覚えた。プライバシー暴露などを予告するような人物による、一方的な報道であり、信憑性が疑われるにもかかわらず、犯罪行為があったかのように印象付ける恣意性を感じた。影響力のあるテレビで、偏った報道を流すことの責任を考えてほしい。逮捕されてからで十分だ。被疑者になる前から印象操作をすることが、芸能人、一般人を問わず、相手にとってどれだけダメージであるか、よく考えてほしい。

  • 新語・流行語大賞が発表された。その中に「保育園落ちた日本死ね」があった。子どもと一緒に見ていて「日本死ね」とアナウンサーが言ったのを聞いた時は仰天した。子どもに聞かせていい言葉とは到底思えない。放送上「日本死ね」という言葉は極めて不適切だ。流行語大賞は、民間企業が企画するもので、選出過程も透明性に欠け、独断で選んでいるものに思える。公共倫理に対する責任は、テレビなどメディア側が格段に重い。話題性のある企画でも、不適切な言葉が含まれていたら放送すべきではない。

  • 新語・流行語に選ばれた「保育園落ちた日本死ね」について、出演者が、こぞって「下品だ」「不穏な言葉だ」などと酷評している。下品なこの言葉が選ばれたのは、日本社会の矛盾を鋭く突いて、多くの人の記憶に焼きついたからだ。無難な言葉ではみんなの心に残りはしなかった。実際に保育園探しで苦労している人たちの共感も大きかったはずだ。出演者の芸能人たちは、世の中の事情に疎いので、勝手な批判をしているだけではないか。

  • 朝のワイド番組に出演している男女のアナウンサーが、不倫関係にあると週刊誌が報じている。彼らは出演を控えているが、番組ではそのことについて説明が一切ない。タレントや議員の不倫については連日しつこいほど報じているのに、身内の不祥事には一言も触れない。これでは甘すぎる。

  • 夜のニュース番組で、豊島区が消滅危機にあるとのことで、存続に向けて日々奮闘する女性の特集があった。これ自体は良かった。しかし、その後意見を述べた女性のMCが「消滅して何が悪いのか、合併すればいいだけのことではないか」と主張するに至っては、完全に困惑した。特集にはメッセージがあるはずだ。私にはそれが「豊島区の歴史、文化、伝統を守るためには区としての存続が不可欠だ」とのメッセージだと受け取り共感した。しかし、このMCには全く伝わらなかったようで、特集自体を否定するかのような発言をした。番組MCが否定するような内容なら、番組として否定したも同然である。何のための特集なのか?視聴者に失礼だ。

  • フランスでのフィギュアスケート中継での、男子シングルのアメリカ代表選手への扱いに抗議する。彼は、自身のセクシュアリティを公表し、LGBTへの偏見をなくすための活動にも熱心なアスリートだが、放送では彼のコメントを「オネエ言葉」のように吹き替えていた。これは偏見を助長しかねないものだ。

  • 今回のフィギュアスケート中継は、これまでのような大げさな選手紹介や行き過ぎた楽屋裏の撮影、そして、同じ映像の繰り返しが減った点が非常に良かった。いろいろな選手の演技を見ることができたし、競技会らしい爽やかな番組構成になっていた。また、演技中に画面端に、ジャンプやスピンなどの要素についての技術点の加算が、リアルタイムで表示されていたことも視聴者に分かりやすかった。来年以降もこういった改善は続けてほしい。

  • 日曜の長寿番組が好きでずっと見ている。司会者がベテランから若手に代わってから、面白いのだが、にぎやかすぎると感じる時がある。どこが笑いのポイントか分かりにくいことも多い。以前のように、メリハリのある笑いを届けてほしい。

  • 年末にお年寄りが大勢出ていた番組は、もらい泣き、笑い泣き両方で涙が止まらなかった。一番もらい泣きをしたのは「過去の自分へのビデオレター」。人生の先輩方の、若かりし頃の人生の一部分を垣間見ることができて、どのビデオにも感動した。今回出演したご長寿の皆様のように、元気に明るく、日々のありがたみをかみしめるような素敵な大人、お年寄りになりたいと心から思った。

【ラジオ】

  • 「番組からの電話に出て、合い言葉を言えればプレゼントする」企画がある。その際に「非通知着信拒否の設定を解除しろ」と繰り返し放送している。電話による詐欺事件が頻発している現在、非通知着信拒否は対策として有効であると思うが、何故それを解除させようとするのか。電話番号を知られると面倒だと思っているのかもしれないが、発信専用の回線を1本引けば済む話だ。詐欺防止の啓発コマーシャルを流しているのだから気を遣っても良いのではないか。

  • インターネットで勝手に記事を引用し、問題化する事象が発生している。自ら取材せず、いい加減にコピー情報を発信することが原因と考えられる。新聞や雑誌、Webニュースから引用する際、許可や契約が必要と思われるが、ラジオでは取材しないパクリ記事使用が横行。無法地帯となっている。きちんと対処しなければ、近いうちに大きな問題が必ず起こる。

【CM】

  • ラジオの「振り込め詐欺」啓発CMは、息子役の3人(1人は本当の息子)が、それぞれ「もしもしお母さん俺だけど」と言い、本当の息子を当てる内容なのだが、息子の声を当てられなかったお母さんが、笑いながら話している。多くの被害が出ている犯罪の啓発ならば、もっとシリアスにするべきではないか。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 芸能人にいたずらして笑いをとる、いわゆる"ドッキリ番組"で、いたずらの内容を小学生に考えさせていた。近年、このような"いたずら"を真似した動画をインターネットやSNS上に拡散するいじめもある。視聴していて、とても心苦しかった。このような企画はやめてほしい。

  • ラジオ番組で、学生のリスナーに生電話をつなぎ、先生のモノマネをさせるという企画があった。学校名は明かされないものの、担当科目などを言っているリスナーもいた。多感な年ごろのリスナーが聴取している番組で、人の特徴を笑うような企画をすべきではない。

【「性的表現」に関する意見】

  • 子どもも見ている時間帯のバラエティー番組で、マネキンがしているブラジャーを1分間でいくつ外すことができるかというゲームをしていた。もう少し時間帯に配慮してほしい。

  • 日曜日の朝に放送された番組を小学生の子どもと視聴していたのだが、「セックス」という単語が多用され、とても気まずかった。普段は前後の番組を含めて教養的な内容なので、余計に憤りを覚えた。

【「言葉」に関する意見】

  • お笑いタレントがチームに分かれて行うクイズ番組で、他のチームに対して「死ね」などの暴言を何度も吐いていた。あまりにも度が過ぎる。本人は顔見知りに冗談で言っているつもりかもしれないが、居酒屋で言うのとテレビで言うのは違う。多くの子どもが見ているような番組で使う言葉ではない。そのような言葉でいじめられている子どももいるのだ。

【「危険行為」に関する意見】

  • 運動が苦手なタレントに様々な運動をさせる企画で、プールに飛び込むシーンがあった。プールは一般的な深さであり、一歩間違えると頸椎を損傷しかねないような飛び込み方だった。真似をしないようにとの表示はあったが、子どもは真似してしまうものだ。安全管理を徹底してほしい。

2016年11月に視聴者から寄せられた意見

2016年11月に視聴者から寄せられた意見

東京・神宮外苑前のイベントで痛ましい火災事故があったが、その報道姿勢や使用した映像に関する批判が多く寄せられた。また、アメリカ大統領選挙に関連した情報系番組における報道のあり方への意見、覚せい剤使用の容疑で逮捕された歌手への取材方法や映像使用に関する批判など。

2016年11月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,557件で、先月と比較して284件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール78%、電話20%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性65%、女性34%、不明1%で、世代別では40歳代30%、30歳代29%、50歳代18%、20歳代14%、60歳以上7%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。11月の通知数は796件【45局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、21件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

東京・神宮外苑前のイベントで痛ましい火災事故があったが、その報道姿勢や使用した映像に関する批判が多く寄せられた。また、アメリカ大統領選挙に関連した情報系番組における報道のあり方への意見、覚せい剤使用の容疑で逮捕された歌手への取材方法や映像使用に関する批判も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は37件、CMについては18件あった。

青少年に関する意見

11月中に青少年委員会に寄せられた意見は119件で、前月から62件減少した。
今月は「いじめ・虐待」が36件と最も多く、次に「表現・演出」が27件、「言葉」「性的表現」がそれぞれ8件と続いた。
「いじめ・虐待」では、バラエティー番組のトークシーンで、タレントが「学生時代に矛盾した言動が目立つ友人を問い詰めた結果、その友人が学校に来られなくなった」旨のエピソードを話したことについて、多くの意見が寄せられた。
「表現・演出」では、アイドルチームとお笑いタレントチームが体を使ったゲームで対決し、負けたチームが勝ったチームに土下座したことについての意見が複数あった。
「性的表現」では、深夜のアニメ番組で男児キャラクターの性器が描かれていたことについての意見が目立った。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • アメリカ大統領選報道において、各局が情報を出すタイミングを操作していたのではないかと疑念を抱いた。現地ニュースのWebサイトやリポーターが、トランプ氏勝利確定と言っている州をなかなか選挙人獲得としてカウントしなかった。一方、クリントン氏が選挙人を獲得する際は即時表示させ、あたかも僅差状態が昼過ぎまで続いているように報道していた。トランプ陣営の盛り上がりは終始伝えていたが、沈んでいるはずのクリントン陣営はほとんど映さなかった。こういった姿勢が、報道に一喜一憂する視聴者の感情を利用し、テレビに繋ぎとめるための方策としてあるのであれば許し難いことだ。

  • 神宮外苑前の火災事故の報道で、火災現場から発見された5歳児にモザイクを入れて放送していた。ツイッター上にアップロードされた動画を引用したようだ。救助を求める父親と思われる男性の悲痛な叫びも収められていた。事件事故を伝える目的のために、凄惨なシーンや遺族が動転して悲鳴を上げている姿を全国に放送する必要はあるのか。親御さんの心情を思うと見るに堪えられない。

  • 神宮外苑前の火災事故の報道で使用している映像素材は、救助に全く手を貸さず、現場状況を最後まで平気でカメラに収め、SNSに投稿したものと思われる。このような倫理に外れたものを使用する番組制作者や現場ディレクターの判断、テレビ局としての姿勢に憤りを覚える。

  • 神宮外苑前の火災事故で投稿映像を流しているが、必要ないと思う。私は消防団に入っているが、火災現場に行くと野次馬の中に携帯電話で撮影している人がいる。消火活動の邪魔にもなる。テレビでこのような映像が使われると、一般市民が自分たちの事故現場の撮影に公共性があると勘違いしてしまう。

  • 高齢者による交通事故を取り上げて、「高齢者の運転=いけないこと」と批判している。徒歩圏内に店の無い地方の高齢者には、運転しなければ生活できない事情もある。やみくもに「運転するな」と批判されてもどうにもならない。高齢者が運転せざるを得ない背景も併せて伝えるべきだ。

  • インターネットの意見を、あたかも多数派の意見のように取り上げるテレビ番組が非常に多い。あるいはその意見を"視聴者の意見"として制作に反映している。これでは誤った情報を伝えている可能性もある。テレビの影響力を考えてほしい。番組によっては「インターネットの意見は無視してよい」という発言もある。限度はあるが大体そのとおりであると思う。テレビ制作者側のインターネットに対する知識が足りな過ぎではないだろうか。

  • 覚せい剤使用の容疑で逮捕された歌手のタクシー内映像が放送された。単に逮捕の直前の映像というだけで、事件の現場でもなく、動機やアリバイを示す決定的映像でもない。タクシー会社は、警察からの依頼の場合を除いて、乗客の同意なく防犯カメラの一般公開を前提とした映像を提供しないはずである。例え、タクシー会社から提供を受けたとしても、この映像を流すのは、プライバシーの面から重大な問題があると思う。こうした行為が許容されるなら、乗客は車内カメラのスイッチを切れと要求したり、事件捜査以外に映像を利用しないよう確認しないと安心してタクシーを利用できなくなる。

  • 歴史ある音楽賞の買収疑惑を週刊誌が伝えている。しかしどの局も、この話題を一切取り上げない。不倫問題等、弱っている人間に対して連日容赦ない攻撃をしておきながら、大きな力には屈するようで憤りを覚える。各局で伝えるべきだ。

【番組全般・その他】

  • 日本各地の家族を訪ね歩く番組は、人と人との出会いによる感動があり、素晴らしい。このような心温まる番組が増えることを願っている。放送を見て、実際に出演者が訪れたロケ地に観光に行く人も多いそうだ。地方の活性化・観光PRにも大いに役立つ。

  • この人気芸人は、どの番組でもセクハラと思われる行動をするが、不思議と大きな問題にならない。一般の会社ならクビになるようなことでも何故か許されている。相方と女子アナウンサーと三人で都内近郊を散歩する番組は、度重なるセクハラをテレビに映し、女性を笑いものにしているようで気分が悪くなる。

  • 夜のニュース番組で、「トランプ氏が大統領になると、米国から車の輸入を押し付けられる、基地負担を求められる」と不利益ばかりを強調し、「ニューヨークでは反対意見が多い」と結論付けた。トランプ氏はクーデターで政権を取ったわけではない。選挙という民主的な手段で選出されたのだ。反対意見ばかりだと言うなら、取材した場所と人が偏っているのだろう。トランプ氏を支持した人達の意見と、彼らがトランプ氏に何を期待しているのかを聞きたいが、肯定する意見を取り上げることは一切なかった。報道は中立・公平なものでなければならず、多面的な視野に立っての見解が求められる。無用な不安を煽るのは報道番組としてすることではない。

  • 夜のニュース番組で、ゆるキャラについて放送していた。誕生した経緯やその活躍を取り上げるならまだ分かる。しかし、流れてきたのは、中に入っている人がかつて鬱病で苦しんでいたことや、重い難病を患っていたということだった。ゆるキャラは、人に夢を与えるものだ。その下の素顔まで知ると楽しめなくなる。困難を乗り越えた人を取材したいなら、他にやり方があるだろう。視聴者にとって触れてほしくないところをあえて見せる。この番組を見ると、制作側が素人集団のような気がしてならない。

  • 昼のニュース担当の女性アナウンサーは、かなりの回数で噛んだり読み間違いをする。今日も、アメリカ大統領関連のニュースで何度もつかえ、同じ所を繰り返し読み直していた。平日5日間のうち2~3日くらいは噛みまくり、非常に聞きづらい。人間だから全く噛むなとは言わないが、毎日毎日噛まれては、ニュースが頭に入って来やしない。

  • 年末恒例の歌番組は、人気アイドルグループのメンバーそれぞれが掲げた「夢」に1ヵ月間投票を募り、その「夢」の順位を生放送で発表するとのこと。人の夢を他人の投票で順位をつけること自体がおかしな話だか、メンバーの気持ちを思うとかわいそうになる。記者会見のときに初めて企画を知らされ「残酷すぎませんか?大晦日まで争わないといけないなんて」とコメントしていたが、まさにそのとおりだと思う。メンバーは12~25歳の女の子で構成され、未成年も多い。このような企画には到底賛成できない。

  • 終電を逃した人の家に付いて行くだけの番組は、街で飲んでいる人の意外な人生が分かり、人は見かけによらないと感心させられる。市井の人々が懸命に生きていることが垣間見られ、切なくもいい番組だ。田舎の移動販売車で買い物をしているお年寄りに付いて行って、話を聞くことも実に面白い。以前、おじいさんが亡くなって、お葬式でそのビデオを流して喜ばれたというエピソードの回は本当に良かった。この局は、外国人など一般の人々をよく取材して面白い番組を作っている。下手なタレントや芸人を使うより何倍も良い。

【ラジオ】

  • 通信販売コーナーで宣伝しているお掃除ロボットを購入した。最新型と強調していたが、届いたのはいわゆる型落ち品だった。私は量販店で下見をしていたのでそのことに気づき、クーリングオフで返品できた。しかし購入者の中には、放送で言っているとおり、最新型と信じて使っている人も多いと思う。ラジオ局に最新型という売り文句を外すよう申し入れたが改善されず、つい先日も「最新型を紹介します」と言って型落ち品を宣伝していた。番組パーソナリティーやゲストも商品説明に加わっているので信用度も格段にアップしており、余計に腹立たしい。

【CM】

  • 賃貸住宅のCMで、着ぐるみのキャラクターが、公道をキックボードに乗ってバスを追いかけるシーンがある。キックボードは遊具であり、交通量の多い公道での使用は禁止されている。CMを見て真似をする人も現れるのではないか。

青少年に関する意見

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • バラエティー番組のトークシーンで、タレントが「学生時代に矛盾した言動が目立つ友人を問い詰めた結果、その友人が学校に来られなくなった」旨のエピソードを話していたが、テレビで笑い話として話すような内容ではない。後悔しているような感じもなく、大変不快だった。

  • トーク番組で、あるお笑いタレントの変わった性格を別の多数のお笑いタレントが揶揄していた。本人が嫌がっているにも関わらずトークは続けられ、小学生のいじめを彷彿させるような内容だった。子どもたちへの悪影響が心配だ。

【「表現・演出」に関する意見】

  • タレントに簡単なテストを受けさせて、誰が一番勉強できないかを決める企画があった。タレントの出身校が表示されていたが、その学校の中にはいじめにより不登校になった生徒を受け入れているような学校も多く見られた。辛さを乗り越えてやっと学校に通っている生徒がたくさんいるにも関わらず、一部のタレントの成績だけで勉強ができないと思われてしまうのはかわいそうだ。このような企画で高校名を出す必要があったのだろうか。

  • アイドルチームとお笑いタレントチームが体を使ったゲームで対決する番組で、負けたチームが勝ったチームに土下座していた。勝負事で負けた方が土下座するという概念を子どもたちに植え付けないでほしい。

【「性的表現」に関する意見】

  • 深夜のアニメ番組で、小学校高学年くらいの男児キャラクターの性器を何度も描いていた。乳児や幼児ならともかく、社会通念から外れているのではないか。

【「危険行為」に関する意見】

  • 視聴者からの投稿動画を紹介する番組で、息子が父親にいたずらするシーンを取り上げていたが、危険な行為が多かった。特に、寝ている父親の口を掃除機で吸って起こす行為やドライヤーに小麦粉を入れておく行為は重大な事故に繋がりかねない。子どもが真似しないか心配だ。

  • あるタレントが重さ9kgのボールを使って腹筋を鍛えている旨を紹介した際に、そのトレーニング方法を他の出演者にも挑戦させていた。普段鍛えているタレントならともかく、重たいボールを腹に落とす行為はとても危険だ。子どもに人気があるグループのメンバーが挑戦しており、学校などで真似する子どもが出ないか危惧する。

2016年10月に視聴者から寄せられた意見

2016年10月に視聴者から寄せられた意見

10月の改編期では、大勢の芸人たちが賞金を懸け、体を張ってクイズで競った番組への意見や、人工透析患者に対するブログ記事での暴言で、出演していた番組をすべて降板したキャスターへの批判、東京・豊洲市場の移転問題を扱った昼の情報系番組への意見など。

2016年10月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,841件で、先月と比較して205件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール78%、電話20%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性66%、女性33%、不明1%で、世代別では40歳代30%、30歳代27%、50歳代21%、20歳代13%、60歳以上8%、10歳代1%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。10月の通知数は972件【46局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、21件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

10月の改編期では、大勢の芸人たちが賞金を懸け、体を張ってクイズで競った期首番組への意見や、人工透析患者に対するブログ記事での暴言で、出演していたテレビ番組をすべて降板したキャスターへの批判、そのほか、豊洲市場への移転問題を扱った昼の情報系番組への意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は42件、CMについては35件あった。

青少年に関する意見

10月中に青少年委員会に寄せられた意見は181件で、前月から99件増加した。
10月25日開催の第185回委員会で、『オール芸人お笑い謝肉祭’16秋』(TBSテレビ)内の一部コーナーを審議対象とすることを決定したことを受け、今月は「委員会に関する意見」が81件と最も多かった。次に「表現・演出」が22件、「いじめ・虐待」が20件、「性的表現」が11件と続いた。
「委員会に関する意見」では、視聴者からの意見を委員会の考えと誤認した意見が目立った。
「表現・演出」では、アニメ番組で主人公の男児が裸になったシーンに複数の意見があった。
「いじめ・虐待」では、バラエティー番組で歌手に関する話題を取り上げた際、出演者がその歌手の容姿を揶揄していたとの意見が多数寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 豊洲市場への移転問題で、これまでの費用、長期延期による業者への補償金、今後かかると予想される建設費用等は都民負担が増え、東京オリンピックより費用がかかる可能性もある。そのことを議論せず、メディアでも扱われないまま、時間だけが流れている。この問題は、今後はいかに効果的に解決されるのか話し合うべきであるし、テレビ・ラジオでは真剣に取り扱うことを望むばかりだ。

  • 豊洲市場の問題を連日取り上げているが、出演者は皆揃って移転反対派ばかりだ。番組で伝える以上、反対派だけでなく賛成派の意見も取り上げるべきだ。また、専門家でもない芸能人が得意顔でコメントしていることも多々ある。知識も根拠もない意見など、何の説得力もないことをお伝えしておく。

  • 男子中学生暴行事件で、加害者は匿名、被害者の名前は明かされていた。加害少女によれば「後輩をいじめたので、暴行を加えた」もので、被害者は「後輩をいじめたかもしれない人」の印象だ。殴られ、重体になり、命も危ぶまれる被害者に、さらに追い打ちをかけるような報道は如何なものか。最悪、彼の意識が戻らない場合、真実が明かされないまま、加害者の言い分だけが残ることになる。

  • 元女優の大麻所持容疑での逮捕を受けて、逮捕前の映像を何度も流していた。容疑者であることを考慮しても、盗撮と見られるものばかりだ。事件とは何ら関係のない洗濯物を干すシーンなど、私生活を分別なく放送することは許されるべきものではない。

  • 中国訪問を控えたフィリピンの大統領についてのニュースで、「大統領は、中国との領海問題についてソフトランディングを目指している」とまとめていた。この"ソフトランディング"という言葉だが、日本語訳も説明も無かった。前後の脈絡から意味は推測できたが、一緒に見ていた両親には難しかったようだ。ニュースは分かりやすいことが一番だ。日本語で済む場合は日本語を使ってほしい。

  • プロ野球クライマックスシリーズのファイナルステージは、ここ数年、BSで中継している。今年はパ・リーグを全試合見ることができたが、セ・リーグは放送されなかった。例年弱小であったチーム同士が日本シリーズ出場を賭けた戦いを行う、非常に注目のカードであったのに残念。全国的に女性ファンをはじめ、ここ数年人気が広がっている。放送局に様々な事情があるのだろうが、視聴者のことも考えてほしい。

【番組全般・その他】

  • 夜の情報番組で、人工透析に関するブログ記事での暴言で降板した男性キャスターについて、女性アシスタントが、彼だけが悪いかのような釈明をした。しかし、以前番組で、彼自身のブログが炎上したことを話題にした時には、彼女や周りの出演者も大笑いしていた。透析患者に対して不謹慎でとても不快に感じたが、このことは番組関係者のみならず、放送したテレビ局にも問題があるのではないか。トカゲのしっぽ切りのように、一人だけを降板させて終わりにするのではなく、局としてきちんと責任をとるべきだ。

  • ミュージシャンの外見を名指しで「気持ち悪い、ブサイク」とは何事か。しかも音楽まで「こんな曲売れているのか」と誹謗中傷していた。彼は結成3年で「紅白」まで出場した優秀な作曲家だ。人のプライバシーをハイエナのようにあさり、コメンテーターがせせら笑っている。私達ファンはみんな怒っている。番組が面白ければ一人の人間の人生なんかどうなってもいいのか。

  • ミュージシャンの活動自粛の報道について、あまりにも個人の中傷に特化したものに感じた。たしかに一成人として、しっかり反省すべき重大な失態を犯したと思う。しかし、芸能人が一斉にテレビで言いたい放題に悪口を言い、ましてや外見のことをことさら批判し始めたことは如何なものか。一人の人間に対して大人数で、聞くに耐えない悪口を言う。このことは立派ないじめと言えるのではないか。

  • 期首番組で、芸人同士がお互いのズボンを脱がし合い、競技というより、ただ下半身をさらけ出すだけの集まりにしか見えなかった。しまいには全裸になる芸人も現れて、ひどい内容だった。下半身を出せば笑いが取れるという感覚が、芸人や番組制作者にあるのだろうか。番組の作り方を考えて直してもらいたい。

  • 期首番組で、芸人たちが野外のセットで自ら服を脱ぎ、全裸になる場面があった。収録は、一般人が観覧できるような状況に見え、下品極まりない。このような不適切な番組を休日のゴールデンタイムに放送する、局の常識を疑いたくなる。

  • 芸人が大勢出ていた期首番組は、テレビに活力があった頃を思い出させるような力強い番組だった。一部の視聴者からクレームが来るかもしれないが、「祭り」とは、日常のしがらみから一時解放されるものであって、本来、若干の不道徳性を内包するものではないだろうか。一部の批判に過剰に配慮していては何もできなくなる。ケガを恐れず体を張って球を追いかけるスポーツ選手が感動を与えるのと同じように、体を張って笑いを追求する芸人もまた尊いと思う。

  • 芸人が大勢出ていた期首番組について。私は現在40歳代だが、以前はこのような番組が沢山あった。もちろん真面目な番組も必要だとは思うが、トコトン馬鹿をやる番組もあっていいと思う。視聴者には「いやなら見なくていい」という選択肢があるのだから問題ない。正直、最近のテレビは自主規制が増えてきて、番組自体がつまらなくなり、バラエティーを見る機会がめっきり減った。見たい人は見ればいいし、見たくない人は見なければいいだけのことだ。もう少し見る側の選択肢を増やせるようにしてほしい。

  • 夜帰りが遅いので、ニュース番組はこれしか見ることができない。報道は、社会の問題や矛盾を取材して視聴者に提示するのが使命ではないのかと思うのだが、この番組を見るといつもがっかりする。豊洲問題では、土壌汚染対策の責任の所在と、その陰に見え隠れする大手ゼネコンの存在が知りたいのだが、番組では、外国人コメンテーターが「責任の追及はするべきではない」と言い、別の日には、築地のリポートとして市場を歩き高級魚を紹介していた。そこには何も問題の核心に触れる部分がなかった。これなら旅番組でやれば十分だ。報道番組に情報的要素を入れるのは時流だろうが、ここまで報道としての役割を放棄し、どうでもいい取材に終始すると、局はこれを報道番組として認識しているのか疑問に思う。

  • 鉄パイプが落下して男性が亡くなるという痛ましい事故があった。奥さんと歩いていた際の事故だったようだ。インタビューで男性を良く知る人に、故人の人柄を問うまではいいが、夫婦仲まで聞いていた。今回の事故に関係ないばかりか、取りようによっては、奥さんに何か責任があるようにも取れる。取材してしまったのなら仕方ないが、なぜ編集で削除しないのか。配慮がないにも程がある。

  • 心霊現象や面白映像など、視聴者からの投稿を紹介し、優秀作品を選んでいた番組は、タイトルからして「CGなどではなく、自然に映ってしまった映像」であると解釈して視聴した。ところが大賞を取ったのは「空を飛ぶ象」という作品で、どう見てもCG技術を使った映像だった。受賞理由もはっきりせず、釈然としない。冒頭で番組コンセプトや選考基準などをもっと明確にすべきだった。

【ラジオ】

  • 夕方4時からの番組は、今、最高に面白くてためになる番組だ。日替わりの出演者がニュースを分かりやすくも鋭く分析。テレビでは見ることができない奥の深い解説を聞くことができる。男性アナウンサーも本当によく勉強していて、話の転がり方が実に爽快。こんなに面白い番組がテレビでも見られれば本当にいいのにと思う。ポッドキャストで番組を流してくれているのがとても助かるし、ダウンロードして何回も聞いている。これからもずっと続けてほしい。

【CM】

  • クレジットカードのCMは、カラフルなスカートの女性が踊っているが、下着のようなものが何度もチラチラ見えて下品すぎる。わざと見せているのか。

青少年に関する意見

【「委員会」に関する意見】

  • お笑いタレントが多数出演した番組を青少年委員会で審議するとのニュースを見た。苦情が多数あるようだが、神経質にならずに、あのような番組を潰さないでほしい。私はあのような番組を楽しく見て育った。子どもへの影響があるとの意見もあるが、そんなに嫌ならば子どもに見せなければいいし、インターネットの影響の方がよほど大きい。どうか一方的な意見に惑わされないでほしい。
  • 委員会がお笑い番組を審議すると聞いた。時代が変わったとはいえ、こういう番組があってもいいと思う。その番組を見たが、昭和時代の馬鹿らしさがあり懐かしかった。こうした番組を楽しいと思う人もいるのだ。審議は人を傷つけるような内容の番組に限ってほしい。
  • お笑いタレントが多数出演した番組を委員会が審議するのは当然だと思う。「嫌なら見なければいい」との意見はこの問題の本質からかけ離れている。子どもから高齢者まで誰もが簡単に見ることができる地上波で、視聴者が不快な思いをすることが容易に想像できるようなわいせつな行為の数々を放送することは問題だ。公共の電波を利用していることを踏まえ、厳しく審議してほしい。

【「表現・演出」に関する意見】

  • アニメ番組で主人公の男児が全裸になるシーンがあった。突発的かつ不本意な形で服を脱がされたシーンについては問題ないと思うが、教室で自ら全裸になるシーンは子どもの教育上問題があるのではないか。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • バラエティー番組で歌手に関する話題を取り上げた際、出演者がその歌手の容姿を揶揄していた。容姿をあげつらって"いじって"いたが、学校でも同じようなことが起こっている。これはいじめに相当することだ。

【「非科学的な事柄」に関する意見】

  • 未確認飛行物体や未確認生物を取り上げた番組があった。バラエティー番組なのだろうが、フィクションである旨が出ていなかったように思う。常識ある大人ならばフィクションであることを理解したうえで楽しむことができるが、多くの子どもたちが見る時間帯にこのような非科学的な番組を放送すると、子どもたちの真実を見極める目を育てるにあたっての障害にならないか心配だ。

【「低俗・モラルに反する」との意見】

  • ローションを塗った階段を使ったクイズで、多数のお笑いタレントが陰部を晒すシーンがあった。多くの子どもも視聴していたと思われる。子どもから高齢者までが安心して見ることができるような内容にしてほしい。

2016年9月に視聴者から寄せられた意見

2016年9月に視聴者から寄せられた意見

岩手県に上陸した台風10号に関する報道系番組の取材のあり方への意見や、東京都の豊洲への市場移転問題を扱った情報番組への意見。暴行事件のあと不起訴になった二世俳優に対する報道のあり方への意見が多く寄せられた。

2016年9月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,046件で、先月と比較して233件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール80%、電話18%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性53%、女性46%、不明1%で、世代別では30歳代30%、40歳代25%、20歳代23%、50歳代13%、60歳以上7%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。9月の通知数は1,230件【43局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、20件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

台風シーズンの中、全国各地で多くの被害が出たが、岩手県に上陸した台風10号に関する報道系番組の取材のあり方への意見や、新都知事のもと、東京都で11月に予定されていた豊洲への市場移転問題を扱った情報番組への意見、また、暴行事件のあと不起訴になった二世俳優に対する報道のあり方への意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は37件、CMについては31件あった。

青少年に関する意見

9月中に青少年委員会に寄せられた意見は82件で、前月から13件減少した。
今月は、「表現・演出」が18件と最も多く、次に「性的表現」「いじめ・虐待」がそれぞれ12件、「暴力・殺人・残虐シーン」が8件と続いた。
「表現・演出」では、高校生が出演するクイズ番組の演出についての意見が目立った。
「性的表現」では、有名女優の娘であるタレントがアダルトビデオに出演するとの話題の取り上げ方について、複数の意見が寄せられた。
「いじめ・虐待」では、お笑いタレントが容姿を揶揄することで笑いを取ることについて、複数の番組に苦言が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 最近、意見でありながら誰の意見なのか、責任の所在を隠している放送が目立つ。ナレーションの中で、いい悪いという意見を述べたり、あるいは某代議士の意見として個人名を隠して述べたり、街の声などという、嘘か真実かも分からないような意見もある。いずれも視聴者を誘導する意図が感じられる。女子アナの中には、意見と事実の区別ができていない者も見受けられ、テレビ関係者のモラルが低下している。意見は事実報道に紛れ込ませないということをもう一度自覚してもらい、誰の意見であるかを明確に分かるよう、責任の所在を明確にして、ごまかさないようにすべきだと思う。

  • 二世俳優の報道について。この事件は事実関係がしっかりと解明されておらず、マスコミが断片的な事実のみを都合よく報道し、彼ならびに彼の母親である女優の名誉や尊厳を踏みにじるような声が目立つ。裁判にかけられて有罪と下されていない以上、彼らの人権を無視するような悪意ある報道は自粛されるべきではないだろうか。それを鑑みず、被害者感情に訴え、さも自分たちが正義であるかのように報じるマスコミやテレビ番組の出演者に憤りを感じる。

  • 二世俳優の報道について。性犯罪については、事実認定、有罪確定、刑の執行後の再犯率や、また当人がなぜ犯罪に至ったかを真剣に検証すべきで、報道により、単に「甘やかしてわがままに育てた親の責任の結果生じた犯罪」という安易なイメージを刷り込むべきではない。薬物犯罪に更生教育が必要なように、性犯罪にも然るべき更生措置などが必要であることを報道してほしい。

  • 私は岩泉町民だ。電気も徐々に復旧するなか、現場の惨状を自分たちの目で確認もせず、ニュースやワイドショーの情報だけで、行政や町長の対応などが批判されているようだ。やっと電話が繋がりかけたところで、町役場などに全国の人たちからの批判が殺到し、対応に追われている。岩泉全域にわたり道路は寸断され、未だに孤立して救助を待っている状態だ。ニュースで取り上げるのはいいが、復旧の妨げになるような無責任な行動は慎んでもらいたい。

  • 岩手県の台風による水害で、孤立した住民が道路に「SOS」の文字を書いて助けを求めていた。被災した方は救助ヘリだと思い、一生懸命に手を振って助けを求めていたが、それは報道ヘリで、しかもそれをニュース番組で放送していた。そもそも災害時は助けを呼ぶ声が聞こえなくなるので、報道ヘリは飛ばすべきではない。熊本地震の教訓が全く生かされていない気がする。

  • 台風10号での浸水被害や、岩手県の高齢者施設のニュースについて。施設の職員が台風の情報がよく分からず死亡させたかのように報道されている。私の住む沖縄は台風によく襲われるが、それでも毎回状況が違い、対応が難しい。岩手県に上陸したのが初めてなら、台風に対応する方法が分からなくて苦労したのではないだろうか。職員を責めるような報道は見ていてつらい。

  • 毎日時間帯を問わず、豊洲市場移転のニュースが放送されている。取り上げるのは構わないが、専門知識のないコメンテーターが「豊洲は危ない」とあおるだけの番組が多く見受けられる。出演している芸能人の多くは、個人的意見を言っているだけに過ぎないかも知れないが、その影響力はすさまじく大きいことを理解すべきだ。専門知識がない人を呼ばないのが一番いいが、専門家による学術に基づいたコメントは必要だ。その際、芸能人は黙っておくのがよい。居酒屋で交わすレベルの会話をテレビでされても、デマが独り歩きし風評被害を広げるだけだ。

  • マスコミは、豊洲の人たちが汚染エリアに住んでいると、全国の人に思われることで、どれだけ心労が溜まるのか分かっているのだろうか。豊洲市場の土壌問題で、科学的根拠に基づかない不安感をあおる報道が、住民の安心できる生活を奪っている。一般住民が報道による被害者だ。

  • 情報番組で、横浜の病院で起きた男性患者の変死事件を扱っている。各番組とも「点滴パックにどうやって異物を混入したのか」に注目し、考えられる様々な方法を具体的に説明している。模倣犯罪が起きたらどうするのか。真相が判明するまでは、警察の発表を淡々と伝えるだけで十分なのではないか。

【番組全般・その他】

  • サッカーのワールドカップ・アジア最終予選中継は、解説者が終始感情むき出しで、客観性に欠ける発言が多く見受けられ、全く解説になっていなかった。あまりに不快に感じるので音声を消して観戦したが、日本代表選手の活躍が期待され、国民の注目が高い中で、このような中継は非常に問題がある。彼に関しては様々な媒体で批判が多い。放送局は、新たに適任の解説者を起用するか、副音声に工夫をするなど対策を練ってほしい。

  • パラリンピック中継は、オリンピックと同じように、日本人選手のメダル獲得を中心に放送されている。せっかく放送する時間を増やしたのだから、健常者スポーツと同じような扱いをしないでほしい。大局的な視点に立ち、障害者に対する偏見を減らす放送、日本人選手の試合だけではなく、外国人選手にも同じようにスポットを当てた放送が望ましい。

  • 土曜日の昼に、往年の俳優を偲ぶ映画を2本放送していた。この時間帯に放送するには激しい性行為のシーンが何度もあり、特に強姦描写が生々しく、こんな内容を流していいのか疑問に感じた。現実に釈放された俳優の報道があったばかりだったが、女性を暴力や欲望で蹂躙、傷つけるような描写が、当然の如くしかも昼間に流れることに憤りを禁じ得ない。カットすることで作品のオリジナリティーを損ねると考えるのであれば、未成年などへの配慮を含め、深夜に放送すべきだ。

  • 二世タレントがAVに出演するという話題で、出演している男性タレントたちがヘラヘラと笑い話にしていた。この女性については、ホストクラブへの過剰な依存が原因とされているが、ホストが狙った女性を性風俗で働く状態まで追い込むことは、以前から何度も事件化しており、笑い話にできるような話ではない。また、「借金を自分の体で返すのは立派」というコメントもあったが、そういった考え方が借金による自殺や人身売買へと繋がっている現実があり、公の場で話すコメントとしてどうなのだろう。ヘラヘラ話していい話題なのかどうか、制作者には考えてほしい。

  • 散歩をする番組でよく見かけるのだが、タレントが道幅いっぱいに広がって歩いている。その時に一般の方が収録の邪魔になるのか、番組スタッフに車道に追いやられる。以前はベビーカーに子どもを乗せている母親が誘導されていた。そのせいで事故でも起きたらどうするつもりなのか。撮影する際に色々と許可を取っているのだろうが、一般人はタレントのために道を譲らなければならないという風潮は納得できない。

  • バラエティー番組で、「いくら儲けた」「年収いくら」や「家賃いくら」など、お金の話がよく出てくるが、平気でお金の話をする神経は理解できないし、拝金主義を助長するだけでしかない。子どもの貧困や生活保護受給者が増加するなど、経済的な問題が深刻な昨今、平気で金儲けを自慢したりするのは如何なものか、考えてほしい。

  • 一般家庭で作る里芋料理と名産地で作る里芋料理の差というコーナーで、千葉県八街市で作る里芋料理を紹介していた。私は40年以上八街市に住み、両親は里芋も作る農家だが、里芋の磯辺揚げや里芋ドリア、里芋餃子など見たことも聞いたこともない。八街市における里芋の当たり前の食べ方のような紹介の仕方は、誤解を招くのでやめてほしい。

  • 無名芸人がペンションに合宿しながら先輩芸人による「笑い」の授業を受け、悩みながらネタを生み出し、順位を決めていくという内容の番組は、バラエティー型ドキュメンタリーともいえそうなほど深い。一つの笑いを生み出すことがどれほど大変なことなのかを視聴者に教えてくれるし、課題を一つひとつ乗り越え成長していく姿に勇気がもらえる。面白くて泣けて前向きな気持ちになれる素晴らしい番組だと思う。

【ラジオ】

  • 通販コーナーで、担当者による商品宣伝にパーソナリティーが毎回のように加わる。そもそもリスナーはパーソナリティーが好きでその番組を聴いている。その人が商品をほめたり感心したりすれば、商品への信用は倍増する。その結果、冷静な判断ができなくなる恐れがある。通販コーナーの商品説明者とパーソナリティーの共演は避けることが望ましい。

【CM】

  • 軽自動車のCMで女性が車の運転をしているが、シートベルトをしているように見えない。シートベルトを装着しているのであれば、誤解を招かぬよう強調した方が良いのではないか。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • お笑いタレントが学校に侵入し、女子生徒の制服等を窃盗した事件の判決についての報道で、被害生徒が警察から返還された制服を着用しながら、顔を隠すことなく事件の感想などを述べていた。被害生徒はタレント活動もしているようなので、本人同意の上での撮影なのだろうが、未成年でもあり、演出に違和感を覚えた。

  • 高校生が出演するクイズ番組で海外ロケをしていた。現場は世界的に有名な観光地で大変混雑していたにも関わらず、出演者とカメラマンが走り回っており、危険かつ迷惑な行為だと感じた。高校生にマナーを守らせることも大事なことではないか。

【「性的表現」に関する意見】

  • 有名女優の娘であるタレントがアダルトビデオに出演するとの話題を取り上げた際、コメンテーターとして出演していた海外在住の女子高生に、居住国でのアダルトビデオ事情について質問していた。他にもコメンテーターが出演している中、未成年にわざわざ聞くことではない。

  • BSで往年の名画を放送していたが、女性を暴力で蹂躙するようなシーンが多く、昼間の時間帯に放送するには性的描写が過激だと感じた。過激なシーンをカットして放送できないのであれば、未成年の視聴に配慮し、深夜帯に放送すべきだ。

  • 歌番組で少女デュオが「そのうちエッチもしてみたい」と歌っていたが、いかがなものか。今後の彼女たちの人生にも大きな影響を与えてしまうことにならないか心配だ。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • お笑いタレントが高校時代のエピソードを話す中で、同級生の女の子の容姿を外国人男性俳優に例えて揶揄していた。もしこの放送を本人が視聴していたらどんな気持ちになるのかと考えると胸が痛くなった。たとえ本人が視聴しなくても、同級生が見れば「あの人のことだ」と気付くだろう。容姿をからかうことはいじめにも繋がるのだから、青少年の視聴を念頭に、もっと表現に配慮した番組作りをしてほしい。

【「食べ物」に関する意見】

  • グルメ企画で、出演者が巨大な天ぷらなどを一口で食べたり、食べながら話をしたりしていた。かつて、大食いや早食いがはやっていたころ、子どもが窒息死する事故があった。少なくとも一口で食べさせないようにするか、注意を促す文言の表示が必要だと思う。

2016年8月に視聴者から寄せられた意見

2016年8月に視聴者から寄せられた意見

リオデジャネイロで開かれたオリンピックに関連するさまざまな番組への意見。人気アイドルグループの解散問題や俳優の女性暴行事件を報じた情報系の番組に関するもののほか、東京都知事選に関する番組への意見も多く寄せられた。

2016年8月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,813件で、先月と比較して82件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール75%、電話23%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性60%、女性39%、不明1%で、世代別では40歳代28%、30歳代28%、20歳代17%、50歳代17%、60歳以上7%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。8月の通知数は900件【47局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、19件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

リオデジャネイロで開かれたオリンピックに関連する様々な番組への意見が多かった。また、人気アイドルグループの解散問題や俳優の女性暴行事件を報じた情報系の番組に関するもののほか、先月に引き続き、東京都知事選に関する番組、事件を起こした芸人を復帰させたバラエティー番組、殺人の描写が強烈なドラマへの意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は49件、CMについては58件あった。

青少年に関する意見

8月中に青少年委員会に寄せられた意見は95件で、前月から7件減少した。
今月は、「性的表現」が24件と最も多く、次に「表現・演出」が22件、「暴力・殺人・残虐シーン」が11件と続いた。
「性的表現」では、ラジオ番組でのパーソナリティーの発言が卑猥だとの意見が多数寄せられた。
「表現・演出」では、怪奇現象を取り上げた番組に関する意見が目立った。
「暴力・殺人・残虐シーン」では、先月に引き続き、ドラマでの残虐的な表現に意見が集中した。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 都知事選について。選挙後の報道は、新知事を推薦しなかった自民党との対立を面白おかしく煽っているように見える。選挙中の相手に対する批判は当たり前のことであり、選挙民は相手への攻撃も選択の一判断材料としている。候補者も攻撃を当然のこととして受け止めている。当落決定後は、相手の健闘を称えエールを送る。民主主義における選挙はかくあるべきだと考えている。しかし、今のマスコミは色々な映像を引っ張り出して対立を煽っているようにしか見えない。新聞離れ、テレビ離れは、単にインターネットの普及が大きな原因ではないことを関係者は認識すべきだ。

  • オリンピックで盛り上がるのは大いに結構だが、生活に必要な番組まで休む必要があるのだろうか。しかも、ニュース番組もオリンピックの話題が中心となり、スポーツニュース化している。直前まで放送していた競技の結果を番組冒頭で伝えることや、後の番組がオリンピックハイライトなのに、ニュース番組の中でまで長々と報じることが必要か疑問だ。サブチャンネルもあるのだから、有効活用して放送の仕方を工夫してほしい。

  • オリンピックで日本選手の活躍は大変うれしいことだ。しかし、その活躍ぶりをどのテレビ局もほぼ同じ時間帯で、しかも、ほぼ同じ内容で、朝から晩から夜中まで報道することに違和感を覚える。その間に本来報道されるべきことが、おろそかになっているのではないか。

  • オリンピックの中継について、「このあと」などの表記には十分に気を配ってもらいたい。「まもなく選手登場」といってから3時間以上出てこなかった。「このあと」や「まもなく」など言葉は曖昧ではあるが、何らかの具体的な規定を設けないと制作側もエスカレートしてしまい、テレビとしての信用にもかかわるのではないか。

  • オリンピックの放送で、深夜早朝の解説がやかましい。時差の関係もあるが、日本が深夜早朝の場合は、解説の音量や喋るスピードを落として、ゴルフ程度の音量・スピードで話すべきだ。大音量で早口の解説がスポーツの品位を落としている。昼間ならともかく、時間帯を考えて上品に放送してほしい。

  • 貧困特集で女子高校生が取り上げられていた。パソコンが買えないから、キーボードだけを買ってもらって練習しているとして、部屋の様子が映された。部屋にはたくさんのコミックがあり、物があふれていた。貧困とは、食べ物も満足に食べられず、ほしい物を我慢して堪えていることをイメージしていたが、彼女の部屋の様子からは、そのようなイメージは全く感じなかった。本当の貧困なのか疑わしい内容だった。

  • 1月の不倫問題を起こした女性タレントに対する報道を始め、8月のアイドルグループ解散報道に至るまで、スポーツ新聞の不確かな一方的な情報を垂れ流しで報道する姿勢について、とても不愉快な感情を抱いている。嫌なら見なければよいということだろうが、芸能人とはいえ、このような個人攻撃の内容を放送しているのかと思うと、いじめ社会を助長しているにすぎないのではないかと考える。このような姿勢が許されるならば、日本は成熟した社会といえるのか疑問を抱く。せめて一方的な情報だけでなく複数の視点も提示して、視聴者に投げかけるようなものにしてほしい。

  • 情報系の番組で、連日大きく二世俳優の事件を扱っているが、番組コメンテーターのなかには、同業者として、母親である女優の今後を心配するような発言ばかりしている人がいる。犯罪であるということを忘れたのか、容疑者に対する怒りや被害者への同情は全く聞かれない。芸能人というのは一般人とは違い、マスコミを利用して意見を発信できる立場にある。一般社会での厳しさに比較して、芸能界は甘いと言われても仕方がない。

【番組全般・その他】

  • 暴行容疑で逮捕された芸人が不起訴処分になったとはいえ、未成年への性暴力の加害者だ。性暴力被害を軽く扱い、笑いに変えることはやめてほしい。彼が立ち直り、社会生活を取り戻すことは大切だが、それは公共の電波に乗せたバラエティー番組においてでは決してない。被害者と同じように、性的被害を受けた女性達が、テレビの前に座っている可能性も考えてもらいたい。

  • 元お笑いグループメンバーのコント番組があった。内容がとにかくひどい。下ネタが多すぎる。すでに平成であり、昭和ではない。人をバカにすることや、コンプレックスを誇張させることは危険だ。これを子ども達が見ている時間帯に放送する意味がわからない。放送局は時代が違うことを自覚せよ。制作サイドだけで盛り上がっているものを放送すべきではない。

  • 午後のニュースショーに、女性キャスターと男性俳優に加え女性アナウンサーが出ている。番組を進行する側であるのに、華やかなロングヘアの彼女は、お嬢様然として席に座っているだけで、司会らしい役割を果たしていない。初めて見た時はゲストの芸能人だと思ったほどだ。キャスターのすっきりとした容姿やテキパキした司会ぶりに比べて、あまりにも場違いな感じがする。お飾りではなくアナウンサーなのだから、そのことを自覚して番組に臨むべきだ。

  • 民放局のオリンピックテーマ曲に、人気俳優の楽曲が使用されている。局が決めたことに文句を言うつもりはない。問題は曲のかけ方だ。競技中以外ほとんど歌が流れている。スタジオに戻って専門家が解説をする時にも流れているため、話が聞き取りにくい。金メダルを獲った選手へのインタビューの間もバックで流れていた。その局を見ると、延々と彼の歌を聞くことになるのだ。これではオリンピックを見ているのか、歌を聞いているのかわからない。

  • 元野球選手が、オリンピックの卓球で勝利してガッツポーズをとった男子選手について「あんなガッツポーズはダメ。手は肩より上げちゃダメ。礼に始まり礼に終わる、ですから」とコメントしていた。選手にしてみれば、大舞台での勝利で、嬉しくて思わずとった行動だろう。テレビでわざわざ注意するほどのことではない。野球選手の昔の映像をみつけたので見てみると、肩から上に手を上げてヘルメットまで放り投げていた。この行動のどこに相手投手への敬意があるのか。自分のことを棚に上げて他人にものを言うなと言いたい。

  • 夜のニュース番組で、オリンピック卓球女子団体チームを招いてのインタビューがあった。「誰が最も活躍したか」という質問は、明らかに特定の選手をさげすむために用意した質問だ。人気選手に対する悪意がにじみ出ていて不愉快な気持ちになった。

  • 朝のニュース番組で、東京オリンピックのメリットは国威高揚のためと報じていた。今回のオリンピックでは日本人のメダルばかりに注目した報道が多く、違和感を持った。世界各国のスポーツ選手が、出場のために努力し、体と精神を鍛えているところに意味があるのに、日本人以外の選手の感動的なシーンがほとんど見られず不気味だった。それが、報道する側がオリンピックの意味を、国威高揚のためと認識しているのだとしたら、もっと恐ろしい。その理念自体を捻じ曲げ、精神を汚すものではないか。

  • ゆとり世代をテーマにした番組では、昭和世代に対するアンケートを基に解説していた。ゆとり世代は「仕事の連絡はLINEで済ませる」「日本語を正しく使うことができない」「子どもに対するしつけができない」など、あらゆる描写が極端で、まるで「ゆとり世代に生まれた人間が全員常識はずれ」のように描かれており、ゆとり年代に生まれた者として非常に不快だった。世代間の考え方や文化の違いは少なからずあるものと理解しているが、特定の世代を一括りにして、ネガティブな部分を誇張した内容は如何なものか。

  • 異常犯罪の捜査を扱うドラマは、口に飴玉を詰められた少女の遺体、下半身を土の中に埋められたまま上半身だけ地上に出された遺体など、異常な変死体の露骨な描写が放送される。犯罪捜査そのものよりも、猟奇犯罪の変死体への興味や、自らが殺人者になる可能性があるという刑事の心理が主題で、まるで異常犯罪そのものを助長するかのように見える。

  • 朝のワイドショーの天気予報のコーナーで、気象予報士がかき氷を紹介して食べていた。夏の風物詩という演出かもしれないが、それでなくても天気予報は時間が短い。かき氷の説明より天気の解説に時間を使うべきだ。

【ラジオ】

  • 土曜夜の番組で、メインパーソナリティーの高圧的な空気感が実に不快だ。毎回猥褻なセリフを、ゲストに無理やり言わせるという公開セクハラが行われている。芸能界の上下関係を番組に持ち込んでいるようで、これはリスナーには関係ないことだ。

  • オリンピック期間中、民放ラジオ統一番組を決められた時間に放送するやり方は、競馬中継の途中で番組が挿入されることや、ワイド番組での流れを切るような弊害がある。杓子定規に放送せず、各放送局の実情に合わせた放送をすべきだと思う。

【CM】

  • スマホ用アプリゲームのCMは、全国版ではなくローカルなのかは不明だが、宮城県や東北の県の方言で「けっぱれ」という方言を使っている。これは、その地域によっては聞いたことはあるが、実生活では、現在あまり使われてない方言だそうだ。方言は、個人が想像するよりも大変デリケートなものだ。使われ方次第では田舎者扱いをされたり、誤解されたりしてしまう。このCMは方言がメインではなく、ゲームの内容をメインに作られたものなのかもしれないが、東北の方々がこの方言を使うだろうという思い込みで作っているのであれば、改善してほしい。

青少年に関する意見

【「性的表現」に関する意見】

  • 学校が夏休み中の昼間にも関わらず、性器の話や下ネタばかりの卑猥な内容のラジオ番組だった。子どもと一緒に聴いていたが、すぐにスイッチを切った。このような番組を放送しないでほしい。

  • 性的暴行事件を犯したタレントの母親が開いた記者会見で、そのタレントの性的嗜好などを聞いているリポーターがいたが、無神経ではないか。私は自分の子どもと一緒に視聴していたのだが、質問内容の意味を問われて答えに詰まってしまった。

【「表現・演出」に関する意見】

  • 怪奇現象を取り上げ、科学的根拠もないのに「霊のいたずら」などと決めつけるような演出になっていた。このような番組は教育上、倫理上問題があるのではないか。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 猟奇殺人を取り上げるドラマがあるが、過激なシーンが多すぎるのではないか。子どもたちへの悪影響を懸念している。放送するなら時間帯に配慮すべきだ。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 埼玉県東松山市での少年殺害事件の報道が詳細過ぎるのではないか。この事件は神奈川県川崎市での中学生殺害事件を模倣しているようにも思える。詳細な報道をすることで影響を受け、また、同じような事件が起きてしまうのではないかと懸念している。加害者の供述やしたことなどを報道するよりも、今後、このような事件を起こさせないために、大人たちがどうすべきかを考えさせるような内容にしてほしい。

【低俗・モラルに反するとの意見】

  • お笑いタレントがオリンピックメダリストの物まねをして床に寝転がった際に、別のお笑いタレントが顔を踏みつけていた。以前に別の番組でアイドルが踏みつけられた際に、このような行為への非難が多くあったと記憶している。人の顔を踏むのは面白いことなのだろうか。誰も注意する人がいないのかと驚くばかりだ。悪いことではないと勘違いして、子どもが真似しないか心配だ。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 少女が巨大な滑り台に挑戦するという企画があった。少女自身の希望による企画だったようだが、実際に滑り台に挑戦する段階では、嫌がっていた。それにも関わらず、大人たちが少女を抱え上げ、無理やり滑らせており、虐待のように感じた。少女が精神的に傷ついていないか心配だ。

2016年7月に視聴者から寄せられた意見

2016年7月に視聴者から寄せられた意見

参議院議員選挙と東京都知事選に関する番組への意見が多数寄せられた。都知事選では、候補者を平等に扱うべきといった内容が多かった。バラエティー番組では、不適切な編集のあった番組や、事件を起こした芸人を復帰させた番組への意見など。

2016年7月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,731件で、先月と比較して324件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール72%、電話27%、FAX0%、手紙ほか1%。
男女別は男性68%、女性30%、不明2%で、世代別では40歳代32%、30歳代24%、50歳代18%、60歳代12%、20歳代11%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。7月の通知数667件【47局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、22件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

参議院議員選挙と東京都知事選に関する番組への意見が多数寄せられた。都知事選では、候補者を平等に扱うべきといった内容が多かった。バラエティー番組では、不適切な編集のあった番組や、事件を起こした芸人を復帰させた番組への意見、そのほか、殺人の描写が強烈な印象を与えたドラマや、不動産会社を舞台にしたドラマに関する意見が寄せられた。
ラジオへの意見は55件、CMについては34件あった。

青少年に関する意見

7月中に青少年委員会に寄せられた意見は102件で、前月から34件増加した。
今月は、「表現・演出」が29件と最も多く、次に「性的表現」が24件、「暴力・殺人・残虐シーン」が14件と続いた。
「表現・演出」では、熱湯が入ったジョッキを持ってジェットコースターに乗るという企画について複数の意見が寄せられた。
「性的表現」では、音楽番組での歌手のパフォーマンスが卑猥だとの意見が目立った。
「暴力・殺人・残虐シーン」では、ドラマでの残虐なシーンに意見が集中した。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • テレビを見ていると、目前に迫った参院選よりも、都知事選のほうに時間を取っている。都民にしか投票権のないものを長々とやられても、他県に住んでいる者としてはどうしようもない。それよりは、参院選についての報道をもっとやってほしい。各局、参院選番組のお知らせはするが、肝心の参院選の中身より都知事選についてのことが多いのはおかしい。国民の知る権利というが、視聴者が知りたいことと、報道関係者の知らせたいことが違うように思う。

  • 都知事選の候補者3人が討論していたが、他にも候補者が複数名いるのにもかかわらず、特定の人物のみを番組に登場させていることに疑問を感じた。報道は平等に行うべきである。どのテレビ局でもこのような傾向があるため、早急に改善していただきたい。

  • 都知事選について、21人の候補者がいるのに3人の候補者しか取り上げていない。せめて政策だけでも21人の候補者の違いを放送してほしい。聞くべき政策があるかもしれない。放送を見ていると3人の中から都知事を選べと言われているようだ。21人は供託金も支払い、自分の信念を持ち都知事選に立候補したのだから、公平に扱うべきだ。

  • 都知事選開票速報を、全国ネットで放送する必要があるのか。一地方自治体の知事選であるにもかかわらず、ニュースで非常に多くの時間を割いている。知事選は大多数の視聴者にとって関係がないのに、なぜ東京ローカルとして放送しないのか。各キー局にとって、東京都政が重要であると感じて全国ネットで放送しているのだと思うが、選挙権のない人間にとっては迷惑千万である。

  • バレエ講師指切断事件の報道で、凶器のタガネについて、どのような使い方をするものか細かく説明していたが、一般的な工具で、普通に入手可能であるため、犯罪にも使える道具として紹介されていたと感じた。犯行手口を細かく説明する場面を何度か見ており、報道として正しく伝えることよりも、いかに刺激的に伝えるかで、視聴者の目を釘付けにしたい思惑が垣間見えた。

  • 麻薬や覚せい剤の使用で有名人が逮捕されるたびに、「麻薬・覚せい剤を使用するとこういう感覚になる」「結局、やめられなくなった」などの経験者の話を紹介している。これでは、麻薬・覚せい剤の使用に興味をかきたてているように感じる。一度ぐらいは大丈夫と思ってしまうのではないか。

  • 碑文谷公園バラバラ殺人事件の報道で、容疑者の幼少の頃の写真を使用していたが、配慮がなさすぎる。最近の写真が入手できなかったのであれば、無理に小学生時代の写真を使う必要はない。過去の写真など公開せず、名前のみの報道で十分なはずだ。これをいきなり見た人は、小学生が罪を犯したのかと誤解しかねない。

  • 相模原障害者施設殺傷事件で、容疑者の犯行動機が繰り返し報道されているが、これは、容疑者の理不尽な主張を拡散させ、障害者への偏見を増長させる恐れがある。容疑者のコメントをそのまま放送するのではなく、被害者に配慮して報道すべきだ。

  • 韓国の歌手・俳優の暴行疑惑について、事務所側が事実無根とのコメントを出していたのにもかかわらず、韓国メディアの情報をそのまま流して、イメージを著しく悪くする内容が多く見られた。真実も解明されない中、犯人扱いした報道は疑問だ。

  • 情報番組で、ポケモンGOをこぞって取り上げていた。日本で配信される前から、海外では事故が多発している。内閣府が注意喚起するほどの事態なのに、リポーターが「ここにもいます」などと喜んでいた。わざわざやって見せる必要はない。テレビでこのように紹介することは、アプリの利用を煽っているも同然だ。

  • 未婚の母親が子どもを殺害したとか、将来を見据えた結婚をしなかったために収入も無く、我が子を虐待する事件などの報道が多すぎて不快になる。結婚して子どもを産むことは良いことだが、それは、経済的な面で子どもに迷惑をかけないよう自立し頑張る状況があってこそだと思う。無収入で働く気がなく、暴力やギャンブルに走るような親の元に生まれた子どもはとてもかわいそうである。将来の計画が立てられないか、悩んでいる家庭に対しては、結婚する際にアドバイスを国や地域が行い、結婚して良いのか吟味する機会を与えるべきだ。テレビでもそういう放送があってもよいはずだ。

【番組全般・その他】

  • 不動産会社を舞台にしたドラマにおいて、成績の良くない社員にパワハラを平気で行う内容が多々見受けられた。それを受ける社員は気にしていない設定だが、実社会で見られるパワハラの内容が多く、ドラマとはいえ、見ていて気持ちの良いものではなかった。

  • 相模原で凄惨な殺傷事件があった。その夜に放送したドラマは、刃物で喉を切られた複数の女性遺体が発見されるという設定で、実際の事件とよく似ていた。放送を延期するなどの配慮が必要ではなかったか。

  • 尿のスイーツを作って食べさせる企画は、何も知らないお笑い芸人が、尿を使ったレモン色のかき氷や、ところてんを食べる様子を、スタジオの芸能人らが楽しむものだった。使われた尿はろ過させていたものの、高齢男性の2週間分の尿を使用していた。深夜の時間帯とはいえ、このような内容を放送する局の良識を疑う。

  • バラエティー番組で、最後まで残っていた回答者の映像を編集で消して、ルールまで改変していた。局側は「画像を一部修正して放送した」と謝罪したが、回答者は「自分は最後まで答えていたのに、序盤に失格になったように放送されていた」と言っている。これは修正とは違う。でたらめな番組を視聴者に見せたことに他ならない。

  • 事件を起こした芸人が復帰したが、釈然としないのは、「10年間の謹慎という十分な社会的制裁を受けている」と番組内でたびたびテロップ表記されたことだ。これは、局側や番組側の勝手な解釈だ。視聴率稼ぎに利用するのでなく、ワイド番組などでの謝罪が先ではないか。過剰な演出をして、まるで悲劇のヒーロー的な扱いをしていたのもどうかと思う。

  • リポーター役のタレントが海外に行き、必ずキャスター付きのトランクを引きながら日本人探しをする番組で、空港周辺の移動中ならともかく、都心から離れた田舎町でも同じようにトランクを引きながら歩き回るのは、日本人が海外で強盗被害に遭う事件が多発している昨今、とても不自然で危険に思う。

  • 朝の情報・天気番組を休止し、海外ゴルフの中継を放送したが、平日の出勤時間帯に地上波でゴルフ中継を入れるのはどうかと思う。大手キー局は、BS・CSの衛星チャンネルを持っている。平日朝の趣味・娯楽系の番組は、BS・CSで対応すべきだ。

  • 芸人の演じる"滑舌の悪い人"というコントを見た。中年の男性が喫茶店で「○○でちゅ」などと赤ちゃん言葉のように、思うように喋ることができないという内容で笑いをとっていた。お笑い芸人や番組制作者には、ある程度のモラルと配慮を望みたい。

  • 外国産の牛肉を国産和牛のようにおいしく食べるには、「肉屋のタダでもらえる牛脂を使う」と紹介していた。確かにサービスの一環で、購入したお客に差し上げている店舗もあるが、有料にしている店舗もあるのが現状だ。番組で「タダでもらえる」と伝えることはやめてほしい。肉を購入していない者が、わし掴みで牛脂を持っていく行為に、うんざりしている。

  • 若い女性アイドルに裸足でゲームをさせるという企画は、ゲームのお題がすべて筆やバナナ、ゾウなど卑猥なものを連想させる内容になっていた。見ていて不快だし、やらされているアイドルもかわいそう。足でペンを握ったり、物を触ったりなどの行為自体も行儀が悪い。深夜とはいえ下ネタがすぎる。

  • 隅田川の花火大会をテレビで見たのだが、会場に見に行けない視聴者のため、隅田川での花火の美しさを見せるのが本来の目的のはずが、余計なバラエティー的な演出のために、せっかくの花火の感動を削がれた。私たちは花火を見たかったのだ。

  • 夏になると民放各局が意味もなくただ長いだけの音楽番組を放送する。その中で「復興支援」というコンセプトがしっかりしていた歌番組は、司会者も出演者も「歌で日本を元気に」「歌で日本を繋ぐ」という意味を理解していて、見ていて本当に癒やされた。生バンドの演奏で歌うというスタイルも、歌手・曲へのリスペクトに溢れていて良かった。来年もまたやってくれることを祈っている。

【ラジオ】

  • ラジオ局のスペシャルウイークと謳った聴取率週間。「葉書に合言葉を書けば、抽選で現金50万円とホテルVIPルーム宿泊券プレゼント」など、ラジオ離れや不況を懸念しているこの業界にしては、羽振りの良さを実感した。しかしながら、この現金をばら撒く方法は、聴取者への還元には見えず、新規リスナーの取得にはたして有効か、疑問に思った。

  • パーソナリティーが、健康情報を紹介するコーナーのある番組は、細切れに伝えるため分かりにくい。情報の出所も聞き取れず信憑性が薄い。最終的にギャグ的に締めることも理解しがたい。聞いた後、消化不良でモヤモヤ感だけが残る。紹介するのであれば、きちんと伝えていただきたい。

  • 関東地区のAMラジオは、全局で野球中継をしていることが多い。2、3局で同じ対戦カードの時もある。ラジオを楽しみたいので、違う番組も放送してほしい。野球ファンだけではないのだから。

【CM】

  • カビなどの防止剤のCMを食事の時間帯に流されると、非常に気分が悪くなる。食事しながらカビを見せられる気持ちになっていただきたい。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • アイドルグループのメンバーの一人が熱湯の入ったジョッキを持ってジェットコースターに乗せられ、顔いっぱいに熱湯を浴びていた。子どもも見ている時間帯に、人を傷つけて笑いをとるような企画はいかがなものか。

【「性的表現」に関する意見】

  • 有名歌手が音楽番組に出演した際に、成人向け雑誌のような本を映したり、"モザイク"をマイクにかけて、そのマイクを男性器に見立てて自慰行為を思わせる動きをしたりしていた。歌詞の世界観を出すためとはいえ、子どもも見ている時間帯でこのようなことをすべきではない。

  • 日曜日の情報番組にセクシー系のタレントが出演していたが、番組内の話題とは全く関係なく、そのタレントの胸や脚をアップで映していた。子どもたちが見ていることも考慮してほしい。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • ホラー小説が原作のドラマをゴールデンタイムに放送していたが、死体の描写がリアルで、見ていられなかった。子どもも一緒に見ている時間帯であり、事前に配慮を求めるテロップを流すか、時間帯を変えて放送できなかったのだろうか。

【「危険行為」に関する意見】

  • スマートフォンを使用するゲームに関するニュースで"歩きスマホ"は危険だと注意喚起していたが、番組スタッフが街中で同ゲームをしているシーンでは"歩きスマホ"をしていた。これでは注意喚起に説得力がなくなる。これを子どもが見たら、「大人がやっているから大丈夫だ」と思いかねない。

【低俗・モラルに反するとの意見】

  • "ドッキリ番組"は悪趣味としか言いようがない。人を騙して面白がるのは人間不信を助長するし、いじめにもつながるのではないかと思う。いかにも変質者を思わせるような恰好で女性タレントを怖がらせているシーンもあった。セクハラ的な行為にも感じた。

【言葉に関する意見】

  • 平日昼の情報番組で、司会者が他の出演者を呼び捨てにするときがある。夏休みに入り、この時間帯であっても子どもが視聴する可能性がある。言葉遣いには気を付けてほしい。

2016年6月に視聴者から寄せられた意見

2016年6月に視聴者から寄せられた意見

前都知事の政治資金問題や、歌舞伎役者夫人の病状に関しての報道のあり方に配慮を求める声。バラエティー番組について、万引き行為を誘発させるような企画に対する批判など。

2016年6月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,407件で、先月と比較して134件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール72%、電話27%、FAX0%、手紙ほか1%。
男女別は男性70%、女性28%、不明2%で、世代別では30歳代30%、40歳代28%、50歳代17%、20歳代12%、60歳以上11%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。6月の通知数は572件【47局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、18件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

前都知事の政治資金問題や、歌舞伎役者夫人の病状に関しての報道のあり方に配慮を求める声が寄せられた。
バラエティー番組について、万引き行為を誘発させるような企画や、局の都合での不自然な編集などに対する批判が寄せられた。
ラジオに関する意見は38件、CMについては46件あった。

青少年に関する意見

6月中に青少年委員会に寄せられた意見は68件で、前月から6件減少した。
今月は、「表現・演出」が22件と最も多く、次に「性的表現」が8件、「暴力・殺人・残虐シーン」「言葉」がそれぞれ6件と続いた。
「表現・演出」では、子どもが仕掛け人となり、一般の人にいたずらをする企画について複数の意見が寄せられた。
「性的表現」では、ラジオ番組で紹介する、リスナーからの投稿内容やパーソナリティーの発言が卑猥だとの意見が目立った。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 歌舞伎役者と元フリーアナウンサー夫人の自宅前からの中継で、電信柱の住所表記が映り配慮がない。さらにテロップで、東京○○区との表記もあった。有名人とはいえ個人宅の居住地をさらされ、早朝からの取材攻勢などは、本人や家族の気持ちを配慮し節度ある取材をしてほしい。

  • 元フリーアナウンサーの病状について報道しているが、家族の「静かに見守ってほしい」との訴えも聞き入れられずに、こぞって騒ぎ立てている印象だ。深刻な病状だからこそ、家族との時間を大切に過ごしてほしい。報道の自由は何より勝るものなのだろうか。

  • 歌舞伎役者の会見は、騒がしくなるのを抑えるために開かれたと思われるが、会見後も、取材陣が押し寄せているようで、いたたまれない気持ちになった。マスコミ各社の報道倫理はどうなのか。今一度、報道のあり方を考えてもらいたい。

  • 北海道7歳男児行方不明騒動を報じる中、父親へのインタビューの様子が放送されている。各社が個別でインタビューするほどのことだろうか。やり過ぎだと思うし、父親が気の毒に思えて仕方がない。

  • 行方不明だった男児が保護されたニュースで「7つの奇跡」という検証VTRを作っていた番組は、見ごたえがあった。発見現場の検証では、道がいくつにも枝分かれしていて、男児がたどり着いたのは、奇跡的だったことがよく分かった。寝ていたマットも紹介していたが、その温かなマットに救われて本当によかったと、検証を見ていて感じた。ニュースをただ伝えるのではなく、こうして掘り下げてくれるのはうれしい。

  • 北海道の小学校運動会のニュース映像について。運動会を観覧しながら飲酒をしている男性をカメラで捉えていたにもかかわらず、男性が車に乗ることを止められず、結局、車を追跡するという取材をしていた。飲酒運転を防ぐことのできる立場にいたのに、スクープありきの取材方法であったように思う。

  • 落語家の不倫問題に関して、ワイドショーのコメンテーターが好意的なコメントをした。数ヵ月前に女性タレントの不倫が発覚したときの鬼の首を取ったような批判合戦とは大違い。欧米の新聞では「日本は女性の浮気には厳しいが、男性には甘い男尊女卑だ」と書かれている。男女で対応に差をつけるのは如何なものか。

  • 前都知事、不倫した女性タレント、落語家など、本人に落ち度があったとしても、次々と批判するだけでよいのか。一日中同じようなことだけ放送して、その陰でもっと大事なことが見逃されているのではないか。もっと内容のある報道をしてほしい。

  • 前都知事の経費問題について、各局のワイドショーでは、過剰な個人攻撃をしているように思えた。知事の行動は決して許されることではないが、各局のコメンテーターの発言はあまりにも感情的だったように思う。まるで弱い者いじめのようで、もっと冷静なコメントを述べるべきだ。

  • 前都知事の金銭問題が大きく取り上げられているなか、テレビコメンテーターから「彼を選んだ都民にも責任がある」という意見が時々出るが、それは全く的外れな指摘である。都民だって、彼がそのような人物であると知っていたなら投票しなかった。いわば都民は「騙された」側である。今の状態を「騙された者の責任だ」とするなら、世の中の詐欺事件も、騙されるほうが悪いという理屈になる。

  • 前都知事に対する報道のあり方が、不愉快だ。元妻からの個人攻撃や、辞めろという都民の声しか放送に流さないなど、一方からの視点でしかない内容だ。本質は、このような行為を許す法律の問題であり、知事個人の問題として矮小化しているのではないか。

  • 海外からのニュースを伝える際、以前は翻訳者がそばにいて、言葉で伝えていたが、最近では文字で表記されるようになった。年を重ねると視力が弱くなり、文字を追うことが困難になってくる。以前のように、翻訳して言葉で伝えるようにしてほしい。

【番組全般・その他】

  • 民放各局が、毎年夏になると長時間番組を放送することに疑問を感じる。長時間の音楽番組や、日付をまたいで放送するなど、無理をして"義務化"しているように思う。出演者に丸投げにしているように感じる。この際打ち切るか、5年、10年に1回の放送で良いと思う。

  • 日本各地を紹介する番組で、大阪人について「下品でやかましい」「オバちゃんが厚かましい」など、悪い印象を強調しすぎている。街頭インタビューでも、いわゆる大阪的なリアクションを期待して、わざわざ騒々しい人を選んでいる。大阪のイメージを悪くするような演出はやめてほしい。

  • 外国人ジャーナリストが出演した番組で、特定の趣味を持つ人々への不当なバッシング、レッテル張りが多く散見された。番組内での彼らの発言は、事実と言えないものも多く、具体的な事例やデータも示されていなかった。

  • 報道系の番組でメインキャスターを務める女性が、他局のトーク番組で「嘘をついて楽しむのが好き」と発言していた。これは倫理感を疑う。普段出ている番組自体が信用できなくなる。

  • 芸人がカンヌ映画祭に行き、海外のセレブとの写真を撮るという企画だが、ひどい英語を乱発して内容が乏しい。海外で生活している日本人や、仕事や旅行に行く人もたくさんいる。日本の印象を悪くするおかげで生活に支障をきたすことも考えられるし、青少年の教育にも悪影響だ。

  • 芸人たちがゲラゲラ笑い喋りながら、満腹以上に物を食べ続ける番組があった。今の日本では子どもの貧困が深刻で、無料や安価で食事のできる「子ども食堂」が全国各地にできているという時代なのに、こんな番組をなぜ今放送するのか、理解できない。

  • 島の開拓や海の保全など、常に新しいことにチャレンジするこの番組は、精神の大切さや失敗しても屈しない心、そして人の温かさを教えてくれる。他の番組とは一線を画す良い番組で、毎週楽しみにしている。

  • 大きな落とし穴を仕掛け、それにゲストを落とす企画の中で、先輩芸人が、若手芸人の顔に砂を二度もかけていた。何が面白いのか分からないし、若手芸人も言っていたが、お笑いの域を超えていた。

  • ペットビジネスを扱った番組で、ペット市場を取り上げ、その残酷な実態に迫っていた。映像は、通称「引き取り屋」に引き取られ、閉じ込めて瀕死の状態の犬や猫など、どれも目を背けたくなるようなむごいものであった。世の中には「あそこまで放送するな」などの意見もあるかもしれないが、視聴者に見せるべき映像、伝えるべき内容でもある。丁寧に作られた良い番組だった。

  • マジシャンが万引きして「万引きGメンに見破られなかったらマジシャンの勝ち」という対決企画があった。商店を経営している身としては、「このように盗めばバレません」という方法を教えているのも同然で、危機感を覚えた。犯罪を誘発させるようなものを放送しないようにお願いしたい。

  • 芸能人が、学生時代の卒業アルバムの中から、仲の良かった同級生を選び、現在何をしているのか調査するこの番組は、ルーツを探り、デビュー前の意外な一面が見ることができて面白い。芸能人は、我々一般人からは、少し距離を置いたふうになってしまいがちだが、こうしてまた交流の機会がもたれることで、故郷を思い出してもらい、とても良い番組だと思う。

  • 画面の切り替わりが異常に多いドラマがあった、放送している間ずっと画面を見ていることができない。目がチカチカして気分が悪くなる。例えて言うなら、以前問題となった「ポケモン」の光過敏性発作のような感じだと思う。

  • 日本各地を紹介する番組で、取り上げる対象となっている地域が田舎や地方都市に偏っており、首都圏近郊の都市がほとんど紹介されない。特に東京都西部はほとんどゼロではないだろうか。日本全国の地域をまんべんなく紹介してほしい。

  • 日本各地を紹介する番組で、フルーツ店のバイヤーが、他のバイヤーが仕入れたメロンを、一口だけかじり残りを捨てていた。食べられるものを食べずに捨てる行為は、見ていて非常に不快である。農業従事者に対しても大変失礼だ。

  • 「直下型地震時での被害想定ランキング」を発表していた。第1位は東京都墨田区京島、私の住む墨田区の地域は第2位になっていた。番組では、京島に住む高齢者に「なぜこのような危険な街に住んでいるのか」などとインタビューしていた。お年寄りは「高齢だから今さら仕方がない」とあきらめたように答えていたが、デリカシーがない。危ないと分かっていながら、好きで住んでいる人間などいない。私も身につまされて不安になってしまった。

  • 出演した一般の方が自身のブログで告発している。番組内で過剰・不適切な演出が行われたようだ。続行中のクイズに参加していた出演者の一人が、答えを間違えて途中で脱落したように見せるために、クイズの順番が入れ替えられ、その出演者をCGで消すという編集をしたという。テレビ局が、都合の良いように映像を作成したと言わざるを得ない。

  • アイドルグループの"選抜総選挙"を放送していたが、放送する意図が分からない。歌や演技を披露して審査するのなら理解できるが、歌うわけでも演技をするわけでもなく、単に投票によりグループ内での順位を決め、順位により優遇される様子を放送することに意義があるのか。

【ラジオ】

  • DJの言葉遣いが気になってしまう。ライブの感想で「楽しませて頂きました」や「担当させて頂きます」などのほか、曲が流れた後で「気持ちよく揺らせて頂きました」という言い方をしていた。「~させて頂く」という言い方が多すぎるのではないか。聞いていて気持ちの良いものではない。喋りのプロであるDJには正しい言葉遣いをしてほしい。

  • ラジオにはテレビにない利点がいくつもある。災害の際、電池だけでいち早く細かい情報を得られることだ。昔に比べリスナー人口は少ないそうで、ラジオファンとしては残念だ。ラジオの良さを伝えるCMをテレビで流してはどうか。

【CM】

  • アニメを使ったCMで、おじいさんが天国に逝ってしまうような場面を何度も繰り返す。いい気持ちはしないし、年を感じる私も気になるが、子ども達にも見せていいのだろうか。

  • スマホゲームのCMは、昼飯が旨い理由は昼飯前にそのゲームをしたからというものだが、高校や中学では携帯の持ち込みが禁止されている所が多く、学生に学校でもゲームをするように促しているように思う。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 子どもが"借り物競争"をしているという設定で一般の人に声をかけ、その反応を見るという"どっきり企画"があった。仕掛け人の子どもは一生懸命大人をだまそうとしていた。放送局が子どもに嘘をつかせて笑いを取るのは教育上問題ではないか。

  • タレントが「いかにサルになり切るか」を競う企画で、一般客もいるビュッフェ内において、食べ物を手づかみしたり、テーブルの上に乗ったりなどの行為を繰り返していた。笑いを取るためなら何をやってもいいのか。子どもも見ている時間帯であり、悪影響を及ぼしかねない。

  • お笑いタレントがゴールキーパー役となって、ガスを使って発射された高速のサッカーボールを受け止めるという企画があった。ヘッドギアはしていたが、頭に当たれば気を失いかねないほどの勢いがあり、お笑いタレントも怖がっていた。その姿をあたかも愉快なことのように放送する姿勢に疑問を感じた。家族で視聴している人も多い番組であり、もっと子どもへの影響も考えて放送してほしい。

  • 濾過した尿で作った氷を削って作った「かき氷」を、その制作過程を知らないお笑いタレントに食べさせるという企画があった。濾過してあるものの、だまして他人の尿を飲ますのはいかがなものか。いたずらの限度を超えている。テレビは若い人への影響力が大きいので、このような企画は行わないでほしい。

【「性的表現」に関する意見】

  • パーソナリティーがリスナーから寄せられた卑猥な内容の投稿を読み上げていた。10代のリスナーも多いと思われる番組なので、面白い投稿であっても性的な内容の場合は読まないでほしい。

  • 昼の情報番組で、女性タレントが自身の写真集を紹介していたのだが、その写真が卑猥だった。時間帯に何の配慮もなく、このような映像を放送するのはおかしいと思う。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 朝の情報番組で、SNS上にアップされた、小学生が暴行を受けるシーンを放送していた。通学前の子どもも多く視聴する時間帯であり、特に子ども世代への暴力シーンについては配慮してほしい。

  • 刑事ドラマを昼の時間帯に再放送していたのだが、通り魔がたくさんの人を刺すシーンがあり、不快な思いをした。子どもが見てしまうことも考えられるので、このようなシーンを昼の時間帯に放送しないでほしい。

2016年5月に視聴者から寄せられた意見

2016年5月に視聴者から寄せられた意見

交通事故の際の運転者の病歴についての報じ方や、女子中学生が電車に飛び込み自殺したニュースに関して、配慮を求める声。中国人のマナーなどを取り上げた番組について、一部の人の行為が中国人全体の習慣であるかのように受け取られかねない内容だった、との批判など。

2016年5月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,273件で、先月と比較して396件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール71%、電話27%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性66%、女性31%、不明3%で、世代別では40歳代28%、30歳代26%、50歳代18%、20歳代17%、60歳以上9%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。5月の通知数は569件【48局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、17件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

熊本地震の報道に関して、引き続き意見が寄せられた。
交通事故の際の運転者の病歴についての報じ方や、女子中学生が電車に飛び込み自殺したニュースに関して、配慮を求める声が寄せられた。
中国人のマナーなどを取り上げた番組について、一部の人の行為が中国人全体の習慣であるかのように受け取られかねない内容だった、との批判が寄せられた。
"不倫問題"で活動休止中の女性タレントが出演した番組に関して、さまざまな意見が寄せられた。
ラジオに関する意見は40件、CMについては26件あった。

青少年に関する意見

5月中に青少年委員会に寄せられた意見は74件で、前月から3件減少した。
今月は、「表現・演出」が19件と最も多く、次に「危険行為」が8件、「性的表現」が7件と続いた。
「表現・演出」では、出演者が刺青をしていたことや、海外の"どっきり企画"を紹介する番組について意見が寄せられた。
「危険行為」では、先月に引き続き、バラエティー番組で、ミニトマトをかまずに何個口に入れることができるかを競っていたことについての意見が目立った。
「性的表現」では、夕方のバラエティー番組で、アシスタントの女性に卑猥な言葉を言わせたことなどについて意見があった。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 地震災害現場から中継の際に、報道する側の人間だけがヘルメットをかぶっている。つなぎの作業着を着ているリポーターもいる。安全上必要なのだろうが、住民が防護用具などをつけていないのに、リポーターやカメラマンのいでたちには違和感を覚える。

  • 熊本地震に対して各国から支援の手が差し伸べられているが、申し出た国によって伝え方に差があるようだ。アメリカからの支援については大々的に伝えるが、アジア諸国からの支援についてはあまり取り上げられていない。厚意については、区別なく伝えるべきだ。

  • 神戸での自動車事故のニュースで、「容疑者にてんかんの持病はない」との説明があった。この病気が原因であったのなら、この情報も必要だろう。だが、なぜ早い段階で、「てんかん」を患っていたかどうかについて触れなければならないのか。私もこの患者だが、程度は人それぞれだ。表現一つで当事者や家族を悲しい思いにさせることを考えていただきたい。

  • 「てんかん患者」が起こした交通事故がワイドショーやニュース番組で報じられるが、この病気について知識のない視聴者に偏見を植え付けることになっていないか。患者団体「日本てんかん協会」に中傷の電話が殺到したことがある。患者は、不可解な職場の配置転換や解雇、求職先からの門前払いなどの不利益を受けている。条件がそろえば誰でもかかる病気であり、症状にかなりの個人差がある。視聴者がこの病気に関して正しい知識を持てるように、番組で取り上げていただきたい。

  • 女子中学生2人が都内の駅で電車にはねられて死亡したニュースを伝えていた。飛び込み自殺したと見られるとしながら、実名で報道していた。「速報」ではあったが、扱いは適切だったのか。遺族の心情を考えると胸が痛む。

  • 都内の駅で2人の女子中学生が電車に飛び込んで自殺する出来事があったが、娘を亡くしたばかりの母親にマイクを向ける取材には疑問を覚えた。事故や犯罪に遭われた人の家族に対しては、本人達が望まない限りそっとしておいてあげるべきだ。どのような気持ちでいるのかは十分想像できるからだ。

  • 常磐道でバスと乗用車が正面衝突し、車を運転していた母と6歳の女児が亡くなる事故があったが、その直後に自宅にいた遺族(ご主人)にインタビューしていた。「亡くなったお二人に言葉をかけてあげるならば?」などというデリカシーに欠ける質問をしていた。涙をこらえ気丈に答えていたご主人がふびんでならない。

  • ニュース番組で、中国で起きた交通事故を紹介していた。横断歩道で子どもが車にひかれ、体の上をタイヤが乗り越えた。横たわったその子のところに人々がかけ寄る映像で、「命に別状はなかった」との説明があったが、そもそも命に別状がないのであれば、取り上げる必要性はあったのだろうか。ショッキング映像を集めた番組ならば見るかどうかを判断できるが、ニュースでこのような映像を流すのは如何なものか。

  • 未成年が事件を起こした時に、少年の自宅や学校の周辺などで取材を行っているが、その少年が容疑者であるということを広めているようなものではないか。再犯の防止や更生の観点からも疑問に思う。

  • 沖縄で起きた女性遺体遺棄事件で、コメンテーターが「日米関係は、これぐらいでは傷つかない」と発言し、司会者も訂正しようとしなかった。人が殺されているのに、「これぐらいでは」とはどういう神経なのか。沖縄の人達の心を傷つけたはずだ。それに、日米関係にも大きな影響が出ている。

  • マンションの女性コンシェルジュが俳優夫妻の部屋に侵入した事件について、各局が大きく取り上げて容疑者を実名で報じていた。単に住居に侵入しただけの軽微な事件なのに、これを実名報道するというのならば、ほとんどの住居侵入事件について実名で伝えなければならなくなるだろう。話題性や被害者の知名度によって容疑者の扱いが変わるのはおかしい。

  • 保育士不足問題を追う中で、複数の認可保育園を運営する企業を取り上げていた。だが、同社のある保育園をめぐっては、運営体制に問題点があるとして、区議会でも取り上げられている。この企業を紹介したのは適切だったのだろうか。

  • 「自閉症スペクトラム障害」と少年事件の問題を追った番組を見た。私は施設で心理士をしているが、"自閉症スペクトラム=犯罪を行う"かのような偏見が誤りであることを伝える番組で、感心して見ていた。しかし、「児童自立支援施設」の入所児童を取材した場面で、「不良行為をするおそれのある少年達を自立させる施設」と説明していた。これには、厚労省の定めた「家庭環境その他の環境上の理由」という同施設の入所規定が抜けており、家庭の事情により入所している児童たちも、何らかの"触法"をしたと思われかねない。施設から学校に通う児童に対して、偏見を生むおそれもあるのではないか。

  • 各局でオバマ大統領の広島訪問を伝えている。歴史的な出来事かもしれない。しかし、若者や国民の多くは「アメリカの大統領が初めて広島に来た」と騒いでいるだけで、真珠湾攻撃から広島・長崎に原爆が落とされるまでの経緯について理解しているのだろうか。この機会に、当時のことを丁寧に説明する番組があっても良いのではないか。

【番組全般・その他】

  • "不倫問題"で芸能活動を休止していた女性タレントが番組に出演していたが、テレビに復帰させるのは早過ぎではないか。最低限、質疑応答ありの記者会見を開き、きちんとしてから出演させるべきだ。視聴者やファン、仕事関係者に対して筋を通していないと思う。

  • 朝からタレントの"不倫問題"を面白おかしく騒ぎ過ぎだ。彼女が政治家であるならともかく、タレント活動をする一人の女性として、出演できなくなった今の状況は気の毒だ。不倫によって視聴者の誰かに迷惑をかけたわけでもない。プライベートな問題をネタに叩くことはやめるべきだ。

  • "不倫騒動"で出演を休止していた女性タレントを番組で復帰させたが、事前収録した情報が放送前に流れることで、騒動を視聴率稼ぎに利用したのではないか。話題になれば不倫さえも利用するのか。

  • 日本に住む中国人や中国人観光客によるマナー問題を再現VTRなどで紹介し、スタジオの在日中国人50人が意見を述べていた。中国人のマナーをめぐるトラブルについては、これまでも日本のテレビで報じられるたびに、ネットを通じて中国国内でも「あり得ない」「海外に恥をさらさないでほしい」などと、批判の声が上がっていた。日本に暮らす中国人はなおさら、一部の人によるそのような迷惑行為に怒っている。しかし、この日出演した中国人達の発言から伝わってくる内容は、"日本にいる中国人にはマナーの悪さに問題を感じていない人が多い"というものだった。番組は中国人の考えを正しく伝えていない。

  • マナーの悪い中国人を取り上げ、ほとんどの中国人が非常識であり、マナー違反が中国では当たり前であるかのように伝えていた。マナーの悪い人は実際にはごく少数であり、私の周りの在日中国人は日本人の偏見を無くすため、人一倍マナーを守って生活している。その努力が番組で踏みにじられたように感じた。中国人も多数出演し、そういった行為について意見を述べていたが、編集され、おかしな発言ばかりが放送されたのではないか。

  • 日本に来て5年になる。初めてテレビ番組に対して非常に怒りを覚えた。どの国にもマナーが悪い人はいるはずだが、ごく一部の中国人による事例を取り上げ、中国人全体の習慣であるかのような編集や演出があったと感じた。番組は誇張・歪曲されており、ルールを守って日本で暮らしている大多数の中国人への偏見が助長されるのではないか。

  • 鳥を蹴ったら死んでしまった、というエピソードを笑い話にしていて胸が痛んだ。犬や猫ではなく、鳥などの小動物だったら笑い話にしても許されるのか。

  • 世界の"衝撃映像"を集めた特集だったが、UFOが出現する動画などがいかがわしかった。作られた映像や、事実が確定していない情報を流していたと感じた。いい加減な内容の番組は放送すべきでない。

  • 大学OBのタレント・有名人によるクイズ対抗戦で、出演した法曹関係者が「東大以外は専門学校」と、専門学校をさげすむ発言をした。私の娘は専門学校で、国家試験合格のために勉学に励んでいる。差別的発言が流され、不愉快だった。

  • 両目の間の距離が長い"魚顔"の人は視野が広いかどうかを検証しようと、街頭でそのような顔立ちの人に声をかけ、実験参加を要請する企画があった。結局、タレントで実験することになったが、人の容姿を引き合いに出し、能力を試すような演出は如何なものか。

  • 大型トラックに乗りこんだ男性タレントとスペシャルゲストが、ドライバーと一緒に国道1号線を駆け抜ける企画だった。沿道の食堂やお店、観光情報などとともに、トラックドライバーの意外と知られていない仕事ぶりや魅力も紹介されていた。ドライバーのイメージ向上にも繋がると思う。続編を期待している。

  • 終電を逃した人の家について行くという番組だが、それぞれの人生ドラマがあり、それを聞いて胸打たれる人、勇気をもらった人もたくさんいるのではないか。多くの人に是非見てもらいたい。

  • 各局の女性アナウンサーが多数出演した番組で、あるベテラン女性アナウンサーが、若い女性アナウンサーに向かって「社会情勢を理解してニュース原稿を読んでいるのか?」「報道番組をやっていたなどと言えるのか?」などのコメントを投げかけていた。タレントと一緒に騒いでいる"女子アナ"にはウンザリしていたところだ。よくぞ言ってくださった。

  • 自身の政治資金問題が浮上した知事のあだ名をテレビ投票で決めていた。「ハゲ暴れ牛」「巻き添えさん」「ねずみ男」「ケチ事」の4択で、どれもひどいものだった。投票の結果、「ケチ事」になり、出演者が笑っていた。あだ名を視聴者に投票してもらって決めるという神経を疑う。

  • 高齢の父親が「最近、プロ野球中継が以前より少なくなった」と嘆いている。なかなか外へは行けないので、テレビ中継だけが楽しみのようだ。CSでは専門チャンネルもあるらしいが、受信契約する余裕はない。地上波でも衛星放送でも構わないので、プロ野球中継を増やしていただきたい。

  • バラエティー番組では、これでもかというぐらいにテロップが出る。色、形、大きさなど、やりたい放題だ。全部不要とは言わないが、あまりにも過剰だ。NHKですら民放の後を追っている。テロップの氾濫を不快に感じる者は私だけではないだろう。

【ラジオ】

  • DJがリスナーと一緒に世界中のさまざまな問題について考えるとともに、社会活動をしている企業や団体、人物にスポットを当てるという番組だ。その最終回を聴きながら泣いてしまった。ラジオを聴いて泣くなんて初めてのことだ。こんな良質な番組のスポンサーや協力した企業、団体の名前は一生忘れないだろう。

  • この番組では「うんこ」や「けつ」などの下半身ネタが多すぎではないか。最近は他番組でボツにされたとされる視聴者からの投稿を読み上げていたのだが、その内容がまた、品がなかった。

  • 「リスナー参加型番組」として、リスナーと話したりメールを読んだりするのだが、同じリスナーからのものが多く面白みに欠ける。他の人からもメールを募集するなど幅を広げていただきたい。

【CM】

  • ゴキブリなどの駆除剤のCMを食事の時間帯に流されるのは、気分が良くない。スポンサーあってのテレビであることは分かるが、時間帯に配慮していただきたい。

  • なぜ、消費者金融のCMが多いのか。借金を推奨しているようで気になる。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 音楽番組に複数のバンドが出演したが、刺青をしている人が目立った。一部の人は服で隠していたが、そのまま映っている人が多く、不愉快になった。スポーツ選手などにも刺青をしている人が増えているが、すべての日本人が刺青を容認しているわけではない。外国とは宗教や文化が異なるので、快く思わない人の方が多いのではないか。子どもたちに悪影響を与えないよう、刺青を隠して出演させるなど、制作側が配慮すべきだ。

  • 海外の"どっきり企画"を紹介する番組を見た。ターゲットをエレベーターに閉じ込めて電気を消し、生きたカエルやネズミを投げ入れるいたずらをしていたが、場合によっては犯罪として立件されかねないような企画だと感じた。視聴率を取るためにはどんなことをしてもいいのか。不愉快だし、教育上も不適切だ。

【「性的表現」に関する意見】

  • 夕方のバラエティー番組で、出演者がアシスタントの女性に卑猥な言葉を言わせたり、公営ギャンブルについて話したりしている。時間帯を考え、もっと子どもの視聴に配慮してほしい。

  • ゴールデンタイムのバラエティー番組で、出演者が性風俗産業について話をしていた。子どもと一緒に見ていた家庭も多いと思われる。配慮が欠けているのではないか。

【「差別・偏見」に関する意見】

  • 子どもたちに人気のバラエティー番組で、"罰ゲーム"として、同性愛者が多く集まると言われている地区でロケをする企画があった。同性愛者を貶め、偏見を助長するような言動もあり、「同性愛者は笑いの対象にしても良い」との差別意識を与えかねない。番組を見た性同一性障害や同性愛などのLGBT(性的少数者)の人たちは傷ついただろう。学校でのLGBTへのいじめが国際的にも大きな問題となっているなか、このような企画を行うべきではない。

2016年4月に視聴者から寄せられた意見

2016年4月に視聴者から寄せられた意見

熊本地震の報道・取材のあり方に関して、「地震の際に町内放送が聞こえない」といった取材ヘリの騒音問題や、被災者への配慮を欠いたインタビュー、避難所での夜間撮影など、さまざまな批判や要望。国会議員の事務所経費疑惑の報道に対する意見など。

2016年4月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,669件で、先月と比較して240件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール74%、電話24%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性69%、女性29%、不明2%で、世代別では40歳代29%、30歳代26%、50歳代17%、20歳代15%、60歳以上11%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。4月の通知数は618件【60局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、23件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

熊本県で最大マグニチュード7.3の大きな地震が発生した。4月14日と16日には益城町などで震度7の揺れが観測され、県内各地に大きな被害をもたらすとともに、地震活動は大分県の一部にまで拡大した。多くの家屋が倒壊したほか大規模な土砂崩れも発生、49人が亡くなり、1人が行方不明になっている。5月になっても余震は続き、被災者の避難生活が長期化している。放送各局は現地入りし、被害状況や被災者の声を伝え続けた。こうした中で、マスメディアの報道・取材のあり方に関して、ヘリの騒音問題、被災者への配慮を欠いたインタビュー、避難所での夜間撮影、取材車輌によるマナーを欠く行為などへのさまざまな批判や要望が寄せられた。
このほか、国会議員の事務所経費疑惑についての報道や、日本の「報道の自由度」ランクの後退を国際NGO団体が公表したことに関して、さまざまな意見が寄せられた。
医師を多数出演させた番組の中で、患者から謝礼を受け取ることが一般的であるかように紹介したとして、悪習を助長することに繋がるとの批判が寄せられた。
政党の前代表だった人物が司会者の一人を務める番組について、政治的公平性を懸念する声が寄せられた。
ラジオに関する意見は58件、CMについては51件あった。

青少年に関する意見

4月中に青少年委員会に寄せられた意見は77件で、前月から10件減少した。
今月は、「表現・演出」が23件と最も多く、次に「性的表現」が13件、「犯罪の助長」が8件と続いた。
「表現・演出」では、バラエティー番組で、エキストラの青年の背中に「バカ」と書いた紙を貼り、気付くかどうかを検証した企画について複数の意見が寄せられた。
「性的表現」では、バラエティー番組で小学生の女の子に"キス顔"をさせたことについて、「性的な感情を惹起させかねない」などの意見があった。
「犯罪の助長」では、盗難バイクに乗って走り出す旨の歌詞が含まれる歌をCMで使用していることについて、「青少年に悪影響がある」など、多くの意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】
※熊本地震関連

  • マグニチュード7.3の本震が起きたとき、男性リポーターが、家の外に出ていた女性にひっきりなしに質問をしていた。その女性は「アパートの住民と連絡が取れない」と心配そうな様子だったのに、不安を煽るような質問を重ねていた。恐ろしい体験をして気が動転している人達をつかまえて話を聞くのは、デリカシーに欠ける。このようなときには現地の状況だけを伝えればいいと思う。

  • 地震による土砂崩れで家は全壊、父親はいまだに行方不明という状況の中、泣いている被災者の男性に対してマイクを向けていた。「家は完全に埋まっている状況ですか」「最初の地震ではこの辺りは影響がなかったのですか」などと、画面で見て分かることを質問していた。この被災者がつらい思いであることは十分察しがつく。マイクを向けることはあまりに残酷だ。

  • 熊本に住む友人の話では、報道ヘリの騒音で地震の際の町内放送が聞こえないそうだ。被災地の住民はテレビを見られる状況ではない。町内放送とラジオが情報の頼りだ。被災地の状況を理解していただきたい。

  • 各局がヘリ空撮を行っているために、被災者の救出に支障が出ているのではないかとの声が聞かれる。救助の声が掻き消されている可能性がある。画一的になるかもしれないが、こういうときにこそ代表取材で映像を共用することはできないものか。

  • 以前、ある地域への報道が集中し、報道されなかった被災地が取り残されてしまったこともあった。各局が共同し手分けして報道することで、救援活動に協力できるような取材を行ってほしい。

  • マスコミ関係者が避難所や災対本部、周辺道路、被災者の元に押し寄せ、救助活動や復旧活動の邪魔になっているとネットに書かれている。被災地の現状を広く伝えることは重要だが、各社がスクープを競うのではなく、人員・機材を出し合って「災害時報道チーム」を編成し、必要最小限の体制で正確な情報を伝えることはできないか。

  • 被災地に向かう中継車が給油待ちの車列に割り込んだことが問題になっているが、社員が起こした偶然のトラブルではなく、企業のコンプライアンスやガンバナンスに問題があると考えるべきだ。被災地では食料も寝床も燃料も現地調達しない、できる範囲で取材して安全に戻ってくる――これは報道機関として最低限のマナーだ。優先順位を狂わせるような指示は出ていなかったか。災害報道が義務付けられた放送局だからこそ、節度を持った行動が求められる。

  • 熊本の被災地からの中継で、ボランティアで駆け付けた焼き芋屋さんにリポーターがインタビューする際、屋台車両に張った雨除けシートの下にいた子ども達が一時移動せざるを得なくなり、雨に濡れたようだ。インタビューの際に、なぜ子ども達を気遣う言葉がなかったのかと悲しく感じた。スタジオ内の誰も注意しなかった。被災者への配慮に欠けていたのではないか。

  • 取材スタッフが自身のツイッターに「本日の1食目」として弁当の写真をアップしたため、被災地で弁当を調達したのではないかとして批判されている問題について、局側は「きちんと並んで購入したもので、問題はないと認識している」と説明している。しかし、流通が混乱している被災現場に入る際には、衣食住に関するものはできる限り自ら準備し、現地での消耗品の消費は避けるべきだ。先々の震災でも問題となり、報道関係者ならば十分に認識していたはずだ。

  • 77歳の女性が避難所のトイレで倒れているところを発見され、その後死亡したというニュースで、トイレに入っている人の足元が映った映像が一瞬流れたとしてネット上で静止画が紹介されている。撮影は適切だったのだろうか。

  • 被災地の中継が続いているが、すぐにでも必要な救援物資などを聞き取り、それを伝える局が少ないのが残念だ。テレビで必要な救援物資を呼びかければ、自治体や民間企業も状況を把握しやすくなり、不必要な物資を送らずにすむ場合もあるのではないか。

  • 熊本に住んでおり、避難所へ身を寄せていた。その間、取材班の車両のために避難者が駐車できない様子を見たほか、夜に車で寝ているところをライトで照らされるなどの経験をした。避難所はストレスがたまる環境なので、普段の心理とは違って取材を不快に感じた人も多いようだった。災害時の報道全般について、被災者を守るためのルールを作ることはできないだろうか。

  • 被災者の捜索活動を取材する際に、行方不明者の搬出の様子を撮影することは控えるべきだ。カメラに映らないようにするために、捜索隊員がシートで目隠しをしながら搬出せざるを得ず、余分な労力を使わされ救援活動に影響を与えているのではないか。

  • 倒壊した建物を延々とリポートするよりも、どのような防災道具を用意しておくべきか、地震の際にどのように行動するべきかなど、被害を拡げないための情報を発信してほしい。ボランティア情報、犯罪への注意喚起、適切な支援の仕方など、伝えるべきことはたくさんある。テレビでしか情報を得られないお年寄りなどのためにも、ネットに負けない正確な情報が求められる。Dボタンを活用し救援情報を見られるようにするなど、テレビならではの報道を期待する。

  • 東日本大震災で両親や家屋が地震と津波の被害を受けたうえ、原発事故もあり、つらい体験をしたので、熊本の被災者の気持ちがよく分かる。被災の悲惨さを報じるだけではなく、家を耐震補強していた割合や、被災を防ぐ手立てがなかったのかを検証するなど、全国の人が防災について考えさせられる番組があってもよいのではないか。

  • 取材に行く各メディアの人達は、できる限りの救援物資を届けているのだろうか。一般人は救援物資等を届けたい気持ちがあっても、救援の邪魔になるので行動できずにいる。取材する際には、国民の気持ちを代表して救援物資を持参していただきたい。

※そのほかの報道・取材関連

  • この番組は、今まで「与党議員の政治資金問題」を厳しく追及してきた。しかし、今回の野党国会議員の高額ガソリン代疑惑については放送していない。一方に偏った放送はやめるべきだ。

  • 野党国会議員の高額ガソリン代問題で、総理、官房長官、与党議員の高額ガソリン代については言及せず、同野党議員だけが行っているかのように報じていた。選挙前の時期に意図的と言わざるを得ない。

  • 3歳の女児を虐待死させた22歳の母親とその交際相手の男の再逮捕を報じていた。ほとんどのニュースで、少女が正座を強いられている姿や、虐待で腫れ上がったら顔の写真が使われていた。命を落とした後も、女の子が晒されているようで忍びない。行き過ぎではないか。

  • フィギュアスケート世界選手権の練習中に、日本の男子選手が外国人選手に妨害されたという当人の発言だけを根拠に、証拠映像も示さず、妨害が事実であったかのように報道されたことに驚きを感じている。公平な視点と証拠が存在してこそ報道できるはずだ。不可解な報道によって、前途のある外国の若者の心を傷つけてしまったのではないか。

  • リオ五輪代表を決める競泳の日本選手権で、これまでの五輪で2回、金メダリストになった男子選手が注目されていたにせよ、多くの番組で、この選手が代表を逃したということが強調されていた。なぜ、代表になった選手のことを報道する量が少ないのか。全ての選手が血のにじむ思いで練習している中、注目の選手だけを報じるのは如何なものか。

  • 保育園の開園計画が、住民の反対を受けて中止になったことを取り上げていた。インタビューに対して住民が、反対の理由として、狭い道路に多数の人の往来が生じることなどの立地条件をあげていたにもかかわらず、番組では、子どもの声がうるさいことが主な理由であるかのように説明していた。マスメディアによるこのような伝え方は世間に誤解を与えかねない。

  • 東京の地下鉄電車内の吊り革を引きちぎった会社員の男性が、器物破損容疑で逮捕されたことを報じたニュースの中で、容疑者の顔が映し出されていた。たった1本の吊り革を千切ったという容疑だけで、報道でこれほどの扱いをするのは人権侵害ではないか。

  • 日本の「報道の自由度」に対する国際的評価が大きく下がった。報道機関に対する政権側の干渉が強まっており、日本のマスメディアの信頼度がますます下降してゆくことに危機感を抱く。報道機関は権力を監視する責務から逃げてはならない。"自主規制"という名の屈服をすれば、事実上の"御用報道機関"になってしまう。戦争を経験した私には、軍部が新聞やラジオの支配を強めた時代の再来のように思える。

  • 「国境なき記者団」が日本の「報道の自由度」の世界ランキングが72位になったと発表したことを受け、官房長官が「日本の報道が委縮する事態には全くなっていない」との見解を示した。これに対しコメンテーターが、特定秘密保護法などがあり報道界全体では委縮しているのではないかとの考えを述べ、司会者も同調した。どんな思想のメンバーがいるのか定かでない団体の発表結果を正しいものとして論評するのは如何なものか。

  • ハトへのえさやりで近所とトラブルになっている女性を取り上げていた。モラルに反していたとしても、法令違反ではないと思われる問題について、女性を一方的に非難するような伝え方に疑問を感じた。「ハトばあさん」の呼称や、いきなりマイクを突き付ける取材は良くない。

  • 娘が、母親の再婚相手の"義父"との間に生まれた子を、出産した直後に殺害してしまった事件を取り上げていた。娘が暮らしていた家の前で、近所の家々も間近にあり母親が家にいるかもしれないのに、リポーターが大きな声で義父との関係などを報告していた。残された母親や、罪を背負って生きていかねばならない当事者の心情を考えていないと思った。

  • 官房長官の定例記者会見では手話通訳が行われているのにもかかわらず、その部分が放送されていない。手話通訳は記者に対してだけ行われているわけではないと思う。是非放送をお願いしたい。

【番組全般・その他】

  • がんを治療する50人の医師が出演し、手術などの際に「"袖の下"を受け取ったことがあるか?」との質問に対し9割以上が受け取ったと答えた。医師が金銭を受け取った際の体験を語ったほか、袖の下の渡し方までVTRで紹介していた。自分はがん患者だが、袖の下を渡さなければきちんとした治療を受けられないように感じて不安になった。高額な袖の下を渡せる人ばかりではない。患者の不安を煽るような内容は如何なものか。

  • スタジオに招いたがん治療に携わる医師に対し、「"袖の下"をもらったことがあるか?」と質問。50人中40数人が受け取ったことがあると答え、具体的な受け取り方法や金額があげられていた。番組を見て、手術などをする場合には、医師に"袖の下"を渡すのが一般的なことだと受け取れた。このような金銭授受は悪習であり、国立病院の医師なら違法となるだろう。病気になったときには、医師に"袖の下"を渡さないといけないのか、と不安にさせるような内容だった。「高額な袖の下をもらっているが、税法上きちんと処理しているのか?」などと、鋭く切り込むべきだ。

  • 政党の共同代表だった人物をMC(司会者)の一人に据え、その名前をタイトルに冠した番組が始まったが、このような番組を放送することは如何なものか。MCとして出演させるのは政治色が強すぎるのではないか。氏が政界復帰するために、彼の意見を述べる場を提供することにならないか心配だ。

  • 政党の前代表だった人がレギュラー出演すると聞いた段階から危惧してきた。純粋なバラエティー番組であれば良いだろうが、結局この番組は‟政治"を柱の一つにしている。特定の党、あるいは特定の思想を持った人間を中心に番組を進めれば、偏るなと言うほうが無理であろう。公平・公正な番組作りを求める。

  • 身体のトラブルと腸の働きとの関係を探る番組企画の中で、女性お笑い芸人が「もち麦」でダイエットに成功したとの紹介があった。放送後、購入希望者が殺到して商品が店から無くなり、メーカーも準備できない状況だ。健康に良いとされる食品がテレビで放送された直後にお客が集まることは、これまでにもあった。だが、事前に関連団体に連絡されないために、消費者も製造・販売側も迷惑を被ることになる。放送する側は、関連団体に事前に知らせ、商品の調達に問題が生じる可能性がないかを確認する責任があるのではないか。

  • "ミニ駅伝"に出場する大学チームと芸能人チームの勝敗を出演者が予想するコーナーがあり、配当金が表示されていた。このゲームは違法なのではないか。ニュースで野球賭博、闇カジノなどが報道されている中、バラエティー番組とはいえ何でもありなのか。

  • ある女性出演者を「ババア」と呼んで、笑いのネタにしている。氷の張った北欧の湖で、女性芸人たちが"氷上相撲"をする企画があった。対戦した2人とも落水したが、片方の女性を先に救助し、「ババアは後回し。それが世の習い」と面白がるナレーションが入った。それを見てスタジオ出演者は大笑いしていたが、"笑い"では済まされない。いじめにも等しい内容だ。

  • 海パン姿の芸人たちが熱い湯を入れた水槽に入り、お尻が水槽の底に付いたらクイズの問題が読まれるというゲームが放送された。湯に落ちた芸人の一人が、出題者の女性アナがいる前で水着を脱いで走り回り、ひしゃくで隠して笑いを取っていた。深夜枠とはいえ下品にもほどがある。

  • 『水からの伝言』という書籍で紹介された"水伝(みずでん)"にまつわるエピソードを取り上げていた。それは、水を凍らせるときに「ありがとう」などの良い言葉をかけるときれいな結晶ができ、汚く乱暴な言葉をかけると汚い結晶になるといった話だ。科学的に間違いであると既に指摘されている説なのだが、紹介の仕方やMCのリアクションなどは、何も知らない視聴者に本当のことだと信じさせかねないものであり、問題がある内容だった。

  • 五輪候補だった男子バドミントン選手の"闇カジノ"問題について、コメンテーターが、21歳の同選手を「まだ子どもだ」などとして擁護するかのような発言をした。同選手は社会的には立派な成人であり、発言は不適切だ。

  • 詐欺被害に遭った人が、弁護士や調査員などとともに詐欺師と直接対決する番組だった。被害者が救われ、悪人が正義によって打ち負かされていく様子は爽快感があり、素晴らしい内容だった。「どんなに巧みな手段を使っても詐欺師は正義には勝てない」というメッセージが伝わり、今後の詐欺事件を減らすことや、視聴者の中で詐欺被害に遭った人を救済することにも繋がる。定期的に放送していただきたい。

  • 興味を持っていただけに、久々に恐竜についての特集が放送されてとてもうれしかった。CGも恐竜の大きさが分かりやすいように表現されており、実物がどのくらいの大きさだったのかが実感できて良かった。続編が放送されるそうだが、今後も恐竜関連の特集を放送してほしい。

  • 県内に残る昭和の面影を発見する特集コーナーが放送されている。オート三輪や、軽便鉄道などの懐かしい風景、あるいは、受け継がれる職人技や、伝統行事など、地元には歴史あるものが根付いていることを知ってもらう良いきっかけになる。こうした郷土の歴史に関わる特集が、週に一度のコーナーだけで終わってしまうのはもったいない。特番などにして放送できないだろうか。

  • 番組の特集コーナーは「県を元気にする」ことをうたっているが、取り上げられる内容は県庁所在地周辺や県央地域のものが多く、衰退が危惧されている県北地域や沿岸地域の紹介は申し訳程度だ。メディアの取り上げ方によっては地域の衰退に拍車をかけることもあるので、バランスを考えて企画していただきたい。

  • 参加者全員の食事代を賭け、食べた料理の金額を当てるコーナーは、賭博もしくは賭博類似行為の可能性がある。一人当たり1万円を超える食事代を賭けるのは問題なのではないか。

  • 地震で被災された方々がいて、1日におにぎり1個などと報道されているなか、大食い芸人が食べている番組を放送しているのは、同じ人間として恥ずかしい。数字が取れれば何をいつ放送してもいいのか。

  • "大食いコーナー"が地震で自粛されないかと心配だったが、放送されてうれしかった。"大食いタレント"はいつもきれいに完食し、食べ物を大切にしていることが分かる。だが同じ物を食べているタレントは半分以上残している。地震で人々が避難生活をしているし、世界には飢餓がある。食べ物を残さないなどの配慮が必要なので、こうした企画を続けてほしい。

  • 男性芸人たちが温泉に入浴するシーンで、一人の芸人がお尻を突き出し、そのお尻にどれだけ顔を近づけられるかを競うゲームを始めた。全裸のままであり、そのような内容を放送するのが信じられない。不快ですぐにチャンネルを替えた。

  • 回答者の無知さを競うようなクイズ番組が目立っている。タレントがデタラメな回答をして笑いをとる内容だ。近年、子ども達の学習能力が諸外国と比べて低下している中で、このような番組が放送されているのは如何なものか。

【ラジオ】

  • 三重県沖を震源とする地震の緊急警報メールが携帯電話に配信され、スタジオでも着信があったようだ。番組の放送中に、アナウンサーが事実をよく確認せず、「エイプリルフールですから」という趣旨の発言をした。その直後に揺れがあった。大きな地震でなかったので良かったが、もし大地震だったらどうするのか。軽率な発言ではないだろうか。

  • 深夜番組のパーソナリティーを務める男性お笑いタレントが、中高年の女性を「ババア」と呼ぶ。街角で見かけた女性や自分の祖母など、熟年女性を一括りにして「ババア」と呼び捨てるので、とても不快だ。そんな彼が、昼間の番組のパーソナリティーを務めるという。昼間から「ババア」を聴かされるのはご免こうむる。

【CM】

  • 最近、以前よりもCMの量が増えたように感じる。特にBSは、番組を見ているのかCMを見ているのか分からなくなるほどだ。私は車椅子利用の高齢者で、テレビが唯一の楽しみだ。テレビ局の苦しい台所事情も理解できるが、何とかして頂きたい。

  • いわゆる"課金ガチャ"によって収益を得るソーシャルゲームのCMが流れている。法的な規制はされていないのかもしれないが、"課金ガチャ"のシステムはギャンブル性が高く、賭博などへの抵抗感が減る可能性もある。ゴールデンタイムなど、青少年が目にする時間帯に流すのは規制されるべきだ。

  • 熊本県在住で地震情報を知るために毎日テレビを見ている。余震が収まらない状況の中、ACジャパンのCMには、結核予防を訴えるものなど、重苦しく気分が滅入るような内容のものがある。公共心を喚起せる趣旨は大変素晴らしく、ACジャパンの目的に異を唱えるわけではないが、そのようなCMを見せつけられる側の気持ちも察してほしい

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、エキストラの青年の背中に「バカ」と書いた紙を貼り、気付くかどうかを検証していた。紙を貼ったままの青年をスタッフが追跡したのだが、その青年は通行人に後ろから写真を撮られるなどしていた。非常に不愉快な企画だった。

  • 動物の気持ちが分かるという人が出演し、タレントの飼っている犬や死んだ犬の気持ちを話していた。このような非科学的な内容を地上波で放送することの子どもへの影響をちゃんと考えてほしい。百歩譲って放送するなら、あくまでもエンターテインメントとしての見せ方にするべきだ。

  • 海外の投稿動画を紹介するバラエティー番組で、消防士が燃えている車を消火しているシーンがあった。車が爆発するなど、大変危険なシーンだったのだが、ふざけた吹き替え音声になっていた。危険な場面に対する子どもたちの危機意識が薄れてしまうので、ふざけるのはやめてほしい。

【「性的表現」に関する意見】

  • バラエティー番組で、大人の女性と小学生を見分けるという企画があった。その際に小学生を含む一般女性に"キス顔"をさせる場面があり、大変不愉快だった。性的快楽を求めて未成年を誘拐する事件も多い。性的な感情を惹起しかねない"キス顔"を未成年にさせるべきではない。

【「犯罪の助長」に関する意見】

  • CMソングに「盗んだバイクで・・・」という歌詞が使われている。大人であればこの歌全体の意味を理解できるだろうが、子どもたちがどう理解するかについては不安がある。子どもたちの間で「盗みは犯罪である」という認識が薄れてしまうのではないかと心配だ。

【「危険行為」に関する意見】

  • バラエティー番組で、ミニトマトをかまずに何個口に入れることができるかを競っていた。これを真似た子どもが誤飲し、窒息するおそれもある。