第195回 放送と人権等権利に関する委員会

第195回 – 2013年3月

イレッサ報道事案の審理
国家試験事案の審理…など

「肺がん治療薬イレッサ報道への申立て」事案の「委員会決定」案を了承し、本事案の決定に関する通知・公表を3月28日に行うことになった。「国家試験の元試験委員からの申立て」事案の「委員会決定」案を了承し、本事案の決定に関する通知・公表を3月29日に行うことになった。

議事の詳細

日時
2013(平成25)年3月19日(火)午後4時~8時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

三宅委員長、奥委員長代行、坂井委員長代行、市川委員、大石委員、小山委員、田中委員、林委員、山田委員
オブザーバー出席:曽我部真裕氏(4月度就任新委員)

1.「肺がん治療薬イレッサ報道への申立て」事案の審理

本事案は、フジテレビ『ニュースJAPAN』が2011年10月5日と6日の2回にわたり肺がん治療薬イレッサに関する問題を取り上げた企画「イレッサの真実」に対し、長期取材を受けて番組にも登場した男性から、イレッサの危険性を過小評価し有効性を過剰に強調する偏頗な内容で、客観性や正確性、公正さに欠けた報道により人権を侵害されたと申立てがあったもの。
この日の委員会では「委員会決定」の最終案を検討した。事務局が本文を読み上げながら内容を確認するとともに一部表現や字句の修正等を行い、決定案を了承した。
これにより、本事案の「委員会決定」に関する通知と公表は3月28日に行われることになった。なお、一部委員が、多数意見とは結論の異なる少数意見を書くことになった。

2.「国家試験の元試験委員からの申立て」事案の審理

本事案は、TBSテレビが2012年2月25日に放送した『報道特集~「国家資格の試験めぐり不平等が?疑念招いた1冊の書籍」』で、国家資格である社会福祉士の試験委員だった大学教授が、過去問題の解説集を出版するなど国家試験の公平・公正性に疑念を招く行為があったと放送され、名誉と信用を毀損されたと申し立てたもの。
この日の委員会では「委員会決定」最終案を検討した。事務局が本文を読み上げながら内容の確認と一部字句の修正を行い、最終的に決定案を了承した。
これにより、本事案の「委員会決定」に関する通知と公表は3月29日に行われることになった。なお、一部委員が、多数意見とは結論の異なる少数意見を書くことになった。

3.審理要請案件~審理対象外と決定

原爆による放射線被曝の調査・研究機関からの申立てについて、審理対象外とすることを決定した。
申立ての対象となったのは在京テレビ局が2012年7月に放送した番組で、当該研究所の知られざる実態を初取材したとしてその活動について報道した。
番組では、原爆投下による放射線の人体への影響に関する世界的権威である研究所が、これまで内部被曝に関する取り組みを軽視してきたとし、福島第一原発の事故でも福島の人の不安に応えられず、内部被曝のデータが欠落している研究所に今後もリスクの解明ができるか疑問である等と伝えた。
この放送に対し研究所は、「研究所が内部被曝調査を実施して来なかったとの重大な事実誤認をもとにした構成であり、憤りを禁じえない」等と局に抗議、放送による名誉毀損を訴え、局に対し謝罪等を求めて委員会に申し立てた。
申立てに対し局は、「番組は、放射線調査において世界的な権威を持つ研究所でさえ、予期せぬ福島の被災者の、内部被曝への不安に応えられない現実と、その現実を生んだ背景を伝えたものである」とし、「極めて公的な性格と社会的意義や影響を有する事業内容・成果に対する報道」の是非については「公の言論の場で批判検討されるべき」と主張した。
委員会は、委員会運営規則第5条(1).6「団体からの申立てについては、委員会において、団体の規模、組織、社会的性格等に鑑み、救済の必要性が高いなど相当と認めるときは、取り扱うことができる」に照らし、審理入りするかどうかについて慎重に検討した。
この結果、本件申立てに係る団体については、原爆被爆者に対する放射線の影響調査を重点として、放射線の人に及ぼす医学的影響およびこれによる疾病の調査研究等を行ってきたこと等、その沿革や研究内容、また、日米両政府が経費を分担して共同で管理運営していることなどから、その組織や活動に高い公共性を有し、かつ、一定程度の情報発信力も備えていると認められるとし、「委員会による救済の必要性が高いなど相当」とみなすことはできないとして審理対象外とすることを決定した。

4.大津いじめ事件報道への申立て事案の審理

本事案は、フジテレビが2012年7月5日と6日の『スーパーニュース』において、大津市でいじめを受けて自殺した中学生の両親が起した民事訴訟の口頭弁論を前に、原告側準備書面の内容を報道した際、加害者とされる少年の実名部分にモザイク処理の施されていない映像が放送され、少年の名前を読み取れる静止画像がインターネット上に流出したとして、少年と母親が放送によるプライバシーの侵害を訴え、局に謝罪等を求めて申し立てたもの。
この日の委員会では、双方から提出された文書・資料に基づく各々の主張内容と本事案の論点について、事務局がまとめた資料により説明した。
次回も審理を続行する。

5.大阪市長選関連報道への申立て事案の審理

本事案は、朝日放送が2012年2月6日に放送した『ABCニュース』(午前11時台)において、2011年11月の大阪市長選挙で市交通局の労働組合が、「現職市長の支援に協力しなければ不利益があると職員を脅すよう指示していた疑いが独自取材で明らかになった」と報道したことに対し、交通労組と組合員が名誉や信用を毀損されたとし、局に謝罪等を求めて連名で申し立てたもの。内部告発情報に基づくスクープ報道だったが、約1か月後、この情報は内部告発者自身による捏造であることが分かった。
この日の委員会では、双方から提出された文書・資料に基づく各々の主張内容と本事案の論点について、事務局がまとめた資料により説明した。
次回も審理を続行する。

6.テレビ神奈川より対応報告書

昨年11月、『無許可スナック摘発報道への申立て』事案で「勧告」を受けたテレビ神奈川より、「委員会決定」の通知を受けて後の対応と取り組みをまとめた報告書が2月26日付で提出された。
この日の委員会で基本的に了承されたものの、放送倫理の向上に向けた今後の取り組みとして記載された事項に関しては、その具体的な実施状況や成果について、委員会として今後さらに報告を要請することとなった。

7.その他

次回委員会は4月16日(火)に開かれることとなった。

以上

第194回 放送と人権等権利に関する委員会

第194回 – 2013年2月

イレッサ報道事案の審理
国家試験事案の審理…など

「肺がん治療薬イレッサ報道への申立て」事案の「委員会決定」第3次案について審理し、これを大筋で了承した。「国家試験の元試験委員からの申立て」事案の「委員会決定」修正案をもとに審理し、委員会としての結論を確定するとともに決定案を大筋で了承した。いずれも次回委員会で最終確認を行うこととなった。

議事の詳細

日時
2013年2月19日(火)午後4時~8時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
三宅委員長、奥委員長代行、坂井委員長代行、市川委員、大石委員、小山委員、田中委員、林委員、山田委員

「肺がん治療薬イレッサ報道への申立て」事案の審理

本事案は、フジテレビ『ニュースJAPAN』が2011年10月5日と6日の2回にわたり肺がん治療薬イレッサに関する問題を取り上げた企画「イレッサの真実」に対し、長期取材を受けて番組にも登場した男性から、イレッサの危険性を過小評価し有効性を過剰に強調する偏頗な内容で、客観性や正確性、公正さに欠けた報道により人権を侵害されたと申立てがあったもの。
この日の委員会では、前回の委員会での議論を受けて起草委員が再修正した「委員会決定」第3次案について審理した。各委員から事前に寄せられた指摘や意見を踏まえ、決定文を読み上げながら、その表現や内容、結論等について時間をかけて細かく検討した。
この結果、第3次案は大筋で了承され、今後一部表現上の手直しをしたうえ、来月の委員会で最終的な確認を行うこととなった。

「国家試験の元試験委員からの申立て」事案の審理

本事案はTBSテレビが2012年2月25日に放送した『報道特集』の企画「国家資格の試験めぐり不平等が?疑念招いた1冊の書籍」』で、国家資格である社会福祉士の試験委員会副委員長を務めた大学教授が、過去問題の解説集を出版するなど国家試験の公平・公正性に疑念を招く行為があったと放送され、名誉と信用を毀損されたと申し立てたもの。
この日の委員会では、2月5日の第2回起草委員会を経て提出された「委員会決定」修正案について審理した。決定文を読み上げながら時間をかけて検討し、委員会としての結論を確定するとともに表現等についても詰めを行った。
この結果、決定案は大筋で了承されたものの、今後さらに細かい手直しをしたうえ、次回委員会で最終的な確認を行うこととなった。

このほかの審理中の事案

2012年12月に審理入りした「大津いじめ事件報道への申立て」事案と「大阪市長選関連報道への申立て」事案について、それぞれ事務局より書面の提出状況等に付き報告した。
この日は先行する2つの事案の審理が長時間に及んだため、両事案とも本格的な議論は次の委員会で行うこととし、当事者へのヒアリング等を含めた今後の審理日程についても次回の議論を踏まえた上で改めて検討することとなった。

その他

次回委員会は3月19日(火)に開かれることとなった。

以上

第193回 放送と人権等権利に関する委員会

第193回 – 2013年1月

国家試験事案の審理
イレッサ報道事案の審理…など

「国家試験の元試験委員からの申立て」事案について、「委員会決定」案をもとに審理した。「肺がん治療薬イレッサ報道への申立て」事案の審理を行い、「委員会決定」修正案について検討した。「大津いじめ事件報道への申立て」事案の実質審理を開始した。

議事の詳細

日時
2013年1月15日(火) 午後4時~8時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
三宅委員長、奥委員長代行、坂井委員長代行、市川委員、大石委員、小山委員、田中委員、林委員、山田委員

「国家試験の元試験委員からの申立て」事案の審理

本事案はTBSテレビが2012年2月25日に放送した『報道特集』の企画「国家資格の試験めぐり不平等が?疑念招いた1冊の書籍」』で、国家資格である社会福祉士の試験委員会副委員長を務めた大学教授が、過去問題の解説集を出版するなど、国家試験の公平・公正性に疑念を招く行為があったと放送され、名誉と信用を毀損されたと申し立てたもの。
この日の委員会では、本年1月8日の起草委員会を経て提出された「委員会決定」案をもとに審理し、番組内容が、申立人が公人として批判を受忍すべき限度を超えて申立人への個人攻撃に及ぶなどしていたかどうか、また放送倫理上の問題についても申立人が試験問題を漏洩したとの印象を与える内容だったかどうか等、事実の正確性や客観性、公平性・公正性等の観点から突っ込んだやり取りが交わされた。
議論の結果、2月初めに起草委員が集まって第2回起草委員会を開き、決定文の修正案を作成して次回委員会に諮ることとなった。

「肺がん治療薬イレッサ報道への申立て」事案の審理

本事案は、フジテレビ『ニュースJAPAN』が2011年10月5日と6日の2回にわたり肺がん治療薬イレッサに関する問題を取り上げた企画「イレッサの真実」に対し、長期取材を受けて番組にも登場した男性から、イレッサの危険性を過小評価し有効性を過剰に強調する偏頗な内容で、客観性や正確性、公正さに欠けた報道により人権を侵害されたと申立てがあったもの。
この日の委員会では、1月8日に開かれた第2回起草委員会を経て提出された「委員会決定」修正案について検討した。番組内容について公平性・公正性の観点からの判断や、取材過程の問題をどのように考えるか等について活発に議論を交わし、決定文の表現や内容、構成、結論の方向性について詰めた。
この結果、起草委員が修正案をさらに手直しし、次回委員会に第3次案として諮ることとなった。

「大津いじめ事件報道への申立て」事案の審理

本事案は、フジテレビが2012年7月5日と6日の『スーパーニュース』において、大津市でいじめを受けて自殺した中学生の両親が起した民事訴訟の口頭弁論を前に、原告側準備書面の内容を報道した際、加害者とされる少年の実名部分にモザイク処理の施されていない映像が放送され、少年の名前を読み取れる静止画像がインターネット上に流出したとして、少年と母親が放送によるプライバシーの侵害を訴え申し立てたもの。
昨年12月4日の委員会で審理入りが決った後、被申立人から「申立書」に対する「答弁書」が、申立人から「答弁書」に対する「反論書」が提出され、今回から実質的な審理に入った。
この日の委員会では、これまでに提出された文書及び資料をもとに事務局が双方の主張を整理して説明した。事務局の説明を受けて若干のやり取りを交わしたが、本格的な議論は、被申立人からの「再答弁書」の提出を受けて、次回以降に行うこととなった。

その他

  1. 2月20日に盛岡市で開かれる東北地区BPO加盟放送事業者との意見交換会について、事務局より実施概要を説明し了承された。

  2. 次回委員会は2月19日(火)に開かれることとなった。

以上

第192回 放送と人権等権利に関する委員会

第192回 – 2012年12月

国家試験事案のヒアリングと審理
審理要請案件:「大阪市長選関連報道への申立て」~審理入り決定…など

「国家試験の元試験委員からの申立て」事案のヒアリングとヒアリング後の審理が行われ、「委員会決定」の作成に当たる起草委員会が発足した。大阪市長選挙関連報道をめぐる申立てについて審理入りが決まった。

議事の詳細

日時
2012年12月18日(火) 午後3時~8時10分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
三宅委員長、奥委員長代行、坂井委員長代行、市川委員、大石委員、小山委員、田中委員、林委員、山田委員

「国家試験の元試験委員からの申立て」事案のヒアリングと審理

本事案はTBSテレビが今年2月25日に放送した報道特集「国家資格の試験めぐり不平等が?疑念招いた1冊の書籍」で、国家資格である社会福祉士の試験委員会副委員長を務めた大学教授が、過去問題の解説集を出版するなど、国家試験の公平・公正性に疑念を招く行為があったと放送され、名誉と信用を毀損されたと申し立てたもの。
この日の委員会では申立人、被申立人から個別にヒアリングを行い、詳しく事情を聞いた。
申立人側は申立人ら2人が出席した。
申立人は問題とされた著作について、「国家試験の過去問題のなかに社会福祉士が求められている法的な知識や見方が凝縮されていると考え、取り上げた。一般の受験対策本とは質、量ともに違う」とあらためて著作が問題視されたことに反論した。また著作で取り上げた問題と似た問題が翌年に国家試験で出題されたとされるなど、あたかも申立人が試験問題を漏えいしたかのような印象を与える番組の作りになっており、さらに顔写真を繰り返し使用するなど申立人への個人攻撃が行われたと主張した。
一方、被申立人側のTBSテレビは番組担当者ら4人が出席し、「申立人が『この程度のこと』で問題にされたという認識であることに驚いた。我々は申立人の行為が国家試験の根幹にかかわる公平・公正性に疑念を招くものだったと考えており、本当に『この程度』のことだったのかどうか委員会で判断してもらいたい」と述べた。さらに申立人が著作で取り上げた問題と似た問題が翌年の国家試験に出題された等としたことについて、一般の受験生からは、申立人が自ら教える大学の学生にヒントを出したという受け取り方をされかねないことを問題視したのであり、放送では、申立人が問題を漏えいしたのではないかという印象を与えることのないよう細心の注意を払ったと強調した。
ヒアリング後も審理を行い、申立人に試験委員としてふさわしくない行為があったかどうかや、番組が必要以上に申立人への個人攻撃になっていなかったかどうかなどについて議論した。また試験委員会の副委員長という立場がどこまで公人として批判を甘受すべきかなどについても意見が交わされた。
この結果、「委員会決定」の作成に当たる起草委員会を年明けに開き、来月の委員会では起草委員会から決定案の提出を受けてさらに議論を続けることになった。

審理要請案件:「大阪市長選関連報道への申立て」審理入り決定

上記申立てについて審理入りが決まった。
対象となった番組は、朝日放送が本年2月6日に放送した『ABCニュース』(午前11時台)。2011年11月の大阪市長選挙において、市交通局の労働組合が友人・知人紹介カードの回収リストを作成し、その中で「現職の平松市長の支援に協力しなければ不利益があると職員を脅すよう」指示していた疑いが独自取材で明らかになったと報道した。大阪維新の会の市議会議員に持ち込まれた内部告発に基づくスクープ報道だったが、約1か月後、市当局の調査により、この回収リストが内部告発者自身による捏造だったことが判明した。
この報道に対し、団体としての大阪交通労組と組合員が連名で申し立てた。申立書において申立人は、「報道は組合が当該リストに関与していた疑いを不当に強調し、組合の社会的信用と名誉を大きく傷つけた。申立人組合員らも悪辣で反社会的な存在とされ、人格否定の罵詈雑言を受けた」等とし、朝日放送にどのような裏付け取材をしたのかを問うとともに謝罪と訂正放送を求めている。
これに対し朝日放送は局の見解で、「当該回収リストは、大阪市政への調査権を持つ大阪維新の会の市議が、職員証による身元確認を経た内部告発者から入手したものだ。このリストの存在そのものが、国民の知る権利に応える高いニュース性を持つと判断し報道した。弊社同様、多くの報道機関が当日中に報じている。弊社はその後、リストが内部告発者による捏造だったと判明したこと等についても順次、報道している」等と反論している。
委員会では、双方から提出された文書と資料、及び番組同録DVD等をもとに検討した結果、本件団体からの申立ては委員会運営規則第5条1.(6)(※条文は下線部分をクリック)に該当し、要件を充たしているとして審理入りすることを決めた。
また、組合員個人からの申立てについても団体としての申立てを審理する一環で審理の対象に含めることとなった。
次回委員会以降、実質審理を行う。

「肺がん治療薬イレッサ報道への申立て」事案の審理

本事案は、フジテレビ『ニュースJAPAN』が昨年10月5日と6日の2回にわたり肺がん治療薬イレッサに関する問題を取り上げた企画「イレッサの真実」に対し、長期取材を受けて番組にも登場した男性から、イレッサの危険性を過小評価し有効性を過剰に強調する偏頗な内容で、客観性や正確性、公正さに欠けた報道により人権を侵害されたと申立てがあったもの。フジテレビは、番組に人権侵害も放送倫理に抵触する部分もないと反論している。
この日の委員会では、12月6日に開かれた起草委員会を経て提出された「委員会決定」案をもとに審理が行われた。起草委員がポイントについて説明した後、各委員が意見を述べ、委員会が示す結論の方向性を中心に議論した。この結果、1月上旬に第2回起草委員会を開いて第2次案を作成し、次回委員会ではこれをもとに審理を重ねることになった。

その他

  1. 衆議院議員選挙の実施に伴い延期された放送人権委員会委員と東北地区BPO加盟放送事業者との意見交換会が、2013年2月20日に盛岡で開かれることが決まった。

  2. 次回委員会は2013年1月15日(火)に開かれることとなった。

以上

第191回 放送と人権等権利に関する委員会

第191回 – 2012年12月

無許可スナック摘発報道事案の通知・公表の報告
審理要請案件:「大津いじめ事件報道に対する申立て」~審理入り決定…など

11月27日に行われた「無許可スナック摘発報道への申立て」事案にかかる「委員会決定」の通知・公表について、事務局から報告した。審理要請案件「大津いじめ事件報道に対する申立て」について、審理入りが決まった。

議事の詳細

日時
2012年12月4日(火) 午後4時~6時55分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
三宅委員長、奥委員長代行、坂井委員長代行、市川委員、大石委員、小山委員、田中委員、林委員、山田委員

「無許可スナック摘発報道への申立て」事案の通知・公表の報告

11月27日に行われた本事案にかかる「委員会決定」の通知・公表について、事務局がまとめた資料をもとに報告した。また、当該局であるテレビ神奈川が決定について報じた当日の番組同録DVDを視聴した。
これに先立ち、通知は27日午後1時30分から千代田放送会館7階のBPO第1会議室で行われた。三宅委員長、起草主査の奥委員長代行、起草委員の小山委員の3人が出席し、申立人は女性経営者と家族の2人、被申立人は取締役報道局長ら4人が同席して行われた。
三宅委員長は決定文のポイントを読み上げる形で委員会の判断を通知し、「本放送によるプライバシー等に関する明確な権利侵害は認められないものの、放送倫理上重大な問題があった」として、人権への配慮を徹底するようテレビ神奈川に勧告した。
委員長はこの中で「事案が風営法違反の中でも悪質性の比較的軽微な『無許可営業』(罰金50万円の略式命令)であることからすれば、本件放送は、繰り返し女性経営者の映像を流した結果、この女性に対する過剰な制裁的・懲罰的効果が生じ、本人とその家族に精神的苦痛を与えた」と述べた。また、「同社のサイトにテレビニュ―スがそのまま掲載され、同社運営のfacebook等を通じ長期間閲覧可能な状態で放置されていた点、サイトの管理に問題があった」と指摘し、適切な管理を求めた。
通知を受けて申立人は「本当にありがとうございました。納得しています」と感想を述べた。
被申立人は「決定を真摯に受け止め、報道現場に持ち帰りたい。今後の報道活動の重要な分岐点になるかもしれないと思います」と述べた。
その後、午後2時30分から千代田放送会館2階ホールで記者会見を行い、決定内容を公表した。記者会見には23社49人が取材に訪れ、テレビカメラ6台が入った。
初めに三宅委員長が決定の主要部分を紹介し、続いて奥代行と小山委員がそれぞれの「補足意見」について述べ、さらに委員長から林委員の書いた「意見」について説明した。また、本年5月に修正された「委員会の判断のグラデーション」を適用した初の事案となったことから、決定と合わせて「委員長談話」を出したが、これについても説明が行われた。
記者との質疑応答では、「勧告・放送倫理上重大な問題あり」となった理由について質問が出た。
三宅委員長は「無許可営業という比較的軽微な犯罪からすれば、申立人の映像が繰り返し使用され、また周囲をぼかした結果、逆に本人が強調されるなど申立人への過剰な制裁的・懲罰的効果が生じた。結果として申立人と家族が大きなダメージを受け、お子さんが学校に行けない状態になっている。放送界が事件報道について積み上げてきた議論を踏まえた形跡がないし、地域メディアとしての影響力についても自覚すべきだった。もう一つサイト上の問題もあり、それと合わせて『勧告・重大な問題あり』という判断になった」等と答えた。
「勧告」と「見解」の線引きとなる基準についての質問には、奥委員長代行が「一定の基準があるということではなく、具体的な個別事案の中でどう判断していくかが重要だ。報道現場でもその都度、節度や品性を持った感覚で判断していくしかないと思う。今回は映像の使い方がちょっと酷過ぎるというケースだった」と答えた。
ネット上に流れる動画について委員会の審理の対象としているのかという質問には、三宅委員長が「2008年12月の第38号決定『広島県知事選裏金疑惑報道』事案で取り上げ、放送と同一の動画・音声を伴うものの配信については、放送と同一とみなすという判断をしている。かつ今回は、テレビ神奈川のホームページだけでなく、同社の運営するfacebook、twitterからアクセスできる状態が続いていた。サイト管理上の手落ちの指摘は委員会の守備範囲として判断した」と答えた。ただ、「付言」としたことで、放送そのものとは違うというニュアンスを込めたと述べた

審理要請案件:「大津いじめ事件報道に対する申立て」 審理入り決定

上記申立てについて審理入りが決まった。
番組は、フジテレビが本年7月5日と6日に放送した『スーパーニュース』。大津市の中学生いじめ事件で自殺した中学生の両親が、加害者とされる少年とその両親、及び大津市を相手に起こした損害賠償請求訴訟に触れ、2回目の口頭弁論を前に原告側準備書面の内容について報道した。その際、加害者とされる少年の実名部分にモザイク処理のされていない映像が放送され、少年の名前を読み取れる静止画がインターネット上に流出する事態となった。放送翌日、フジテレビは流出の事実を把握し、同日夕方の上記番組において「人権上の配慮に欠けた映像を使用した」とお詫びした。そして番組担当者らが少年と母親の代理人弁護士を訪ね、書面をもとに事実経過を説明するとともに謝罪した。しかし弁護士は世間の大きな注目を集める裁判の原告側準備書面であることや口頭弁論前の放送であったこと等を理由に、システムへの入力ミスから起きたとの説明には納得できず謝罪は受け入れられないと答えた。
その後、少年と母親を申立人とし放送によるプライバシーの侵害を訴える申立書が委員会に提出された。申立書提出後も双方の間でやり取りが交わされたが話し合いはまとまらず、11月9日、申立人は改めて委員会での審理に委ねたいと文書で要請した。これを受けてフジテレビは局の見解をまとめた書面と番組同録DVD等を提出した。
この日の委員会では、双方から提出された文書、資料、番組同録DVD等をもとに審理入りするかどうかについて検討した。この結果、本件申立ては委員会運営規則第5条((苦情の取り扱い基準)に照らし、審理の要件を満たしているとして審理入りすることを決めた。次回委員会より実質審理に入る。
放送によるプライバシーの侵害という申立人の主張に対して、フジテレビは局の見解書面で、「人権への配慮に欠けた映像使用だった」としつつも、「氏名が放送された時間は極めて短時間であり、且つ、通常の方法では判読は不可能で、少年は特定されず、本件各放送はプライバシーの侵害には該当しない」と主張している。
また、放送を録画した画像がネット上に流出したことで少年の実名が広まり誹謗中傷を加速させたという申立人の主張に対しては、「当社と全く関係のない第三者の行為の結果については、当該第三者が責任を負うべきと考える」としている。

「国家試験の元試験委員からの申立て」事案の審理

本事案は、TBSが今年2月25日に放送した『報道特集~国家資格の試験めぐり不平等が?疑念招いた一冊の書籍』で、国家資格である社会福祉士の試験委員だった大学教授において、試験委員就任前に執筆しその後も改訂を続けていた著作物が過去問題の解説集に該当する等、試験委員としてふさわしくない行為があったと放送され、名誉と信用を毀損されたと申立てたもの。
この日の委員会では、前回の委員会で検討した本事案の論点とヒアリングにおける質問項目について確認を行った。
次回委員会で申立人、被申立人の双方に対するヒアリングを行う。

その他

次回の委員会は12月18日(火)に開かれることとなった。

以上

第190回 放送と人権等権利に関する委員会

第190回 – 2012年11月

イレッサ報道事案のヒアリングと審理
無許可スナック摘発報道事案の審理…など

「肺がん治療薬イレッサ報道に対する申立て」事案のヒアリングとヒアリング後の審理を行い、本事案の「委員会決定」の起草委員会を発足させることになった。「無許可スナック摘発報道への申立て」事案の「委員会決定」最終案を了承し、本決定の通知・公表を11月27日に行うこととなった。

議事の詳細

日時
2012年11月20日(火) 午後3時~8時15分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
三宅委員長、奥委員長代行、坂井委員長代行、市川委員、大石委員、小山委員、田中委員、林委員、山田委員

「肺がん治療薬イレッサ報道への申立て」事案のヒアリングと審理

本事案は、フジテレビ『ニュースJAPAN』が昨年10月5日と6日の2回にわたり肺がん治療薬イレッサに関する問題を取り上げた企画「イレッサの真実」に対し、長期取材を受けて番組にも登場した男性から、イレッサの危険性を過小評価し有効性を過剰に強調する偏頗な内容で、客観性や正確性、公正さに欠けた報道により人権を侵害されたと申立てがあったもの。フジテレビは、番組に人権侵害も放送倫理に抵触する部分もないと反論している。
この日の委員会では、申立人とフジテレビの双方に対し、個別に事情を聞くヒアリングを実施した。
申立人側は、申立人とその代理人の計5人が出席した。申立人は、「私の娘はイレッサを承認直後に服用し、間質性肺炎で亡くなった。しかし、その後、承認前から間質性肺炎による致死的な副作用報告があったことがわかり、以来約10年間、そうした注意喚起を怠った国や製薬会社の責任を裁判で問い、娘のような被害が起きないように人生を賭けて闘っている。しかし本件放送は、私の娘のケースと安全対策等が講じられた後にイレッサ治療を受けているがん患者とを対比的に描くなど、あたかも私がイレッサの有効性を理解しないまま、がん患者のイレッサ服用を妨げる活動をしているかのように伝えた。がん患者支援の方々からも非難や注意を受け、私は生きざまを否定されたような思いだ」と訴えた。
一方、フジテレビからは、番組担当ディレクターと放送当時の番組編集長ら5人が出席し、「本番組はイレッサに感謝しているというがん患者の声を聞いたことを端緒に、高齢社会に生きる私たちが薬とどう向き合えばよいのかを考えてもらう機会になればと願い制作した。番組ではイレッサをめぐる10年間の動きを俯瞰する視点で多様な意見を紹介した。視野をできるだけ広く柔軟に持ち、いろいろな意見を客観的で公平、公正に伝えるため、何度も推敲を重ね映像も何度も確認した。申立人とがん患者を対立的に描いたつもりはないし、申立人の立場も正しく伝えており、人権侵害に当たるとは考えていない」等と述べた。
双方合わせて3時間に及んだヒアリング後の審理では、各委員がひとりずつ意見と感想を述べ、議論した。この結果、12月上旬に起草委員会を開催し、「委員会決定」原案を12月18日の委員会に提出してもらうこととし、そのうえでさらに議論を詰めることになった。

「無許可スナック摘発報道への申立て」事案の審理

本事案は、テレビ神奈川が本年4月、神奈川県警による無許可営業のスナック摘発と女性経営者の現行犯逮捕を現場で取材し、4月11日の『tvkNEWS930』で1分強のニュースとして放送したことに対し、この女性と家族から「軽微な罰金刑にもかかわらず、顔のアップ映像や、実名、自宅の住所等まで放送したのはプライバシーの侵害」等と申立てがあったもの。テレビ神奈川は、「通常の実名報道原則に基づいて放送した。申立人の基本的人権についても十分慎重に検討した」等と反論している。
この日の委員会では、2回の起草委員会と委員会審理を経てまとめられた「委員会決定」最終案について確認を行い、これを了承した。また、本事案の決定は、本年5月に修正された判断のグラデーションが適用される最初の事案となるため、通知・公表時に「新しい判断のグラデーションンの適用にあたって」と題する委員長談話を出すこととなり、この点についても了承された。
この結果、「委員会決定」の申立人、被申立人に対する通知と記者会見での公表は11月27日(火)に行われることとなった。
(追記:通知・公表は予定通り11月27日に行われた。決定本文および委員長談話はこちらから)

「国家試験の元試験委員からの申立て」事案の審理

本事案は、TBSが今年2月25日に放送した『報道特集~国家資格の試験めぐり不平等が?疑念招いた一冊の書籍』で、国家資格である社会福祉士の試験委員だった大学教授が、試験委員就任前に執筆しその後も改訂を続けていた著作物が過去問題の解説集に該当する等、試験委員としてふさわしくない行為があったと放送され、名誉と信用を毀損されたと申立てたもの。
申立人は、番組では「疑念を招く」程度の行為を取り上げてあたかも申立人が試験問題を漏洩したかのように視聴者に印象付けるなど個人攻撃が行われたと主張している。これに対してTBSは、「問題漏洩等にはいささかも言及していない。試験委員だった申立人の行為が社会福祉士試験の公平性・公正性に疑念を招いたのではないかと問いかけたものだ」と反論している。
この日の委員会では、起草担当委員から本事案の論点とヒアリングでの双方への質問項目案について説明が行なわれた後、意見を交わした。論点としては、番組の意図と放送内容が整合していたかどうか、番組が申立人に対する過剰な非難・攻撃になっていなかったかどうか、社会福祉士国家試験の試験委員としての申立人の行為に不適切な点がなかったかどうか、等があげられた。
委員会では12月4日の委員会でさらに検討を重ね、12月18日の委員会で申立人、被申立人の双方に対するヒアリングを行うことを決定した。

10月の苦情概要

10月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情・相談・批判の内訳は以下の通り。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・3件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・・・14件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

その他

  • 12月4日に盛岡で予定されていた東北地区のBPO加盟放送事業者を対象とする放送人権委員会委員との意見交換会は、衆議院の解散・総選挙のため延期されることになった。日程を変更し今年度中に実施する。
  • 増加する事案の審理の迅速化を図るため、12月4日に臨時で委員会を開くことになった。これにより12月は委員会開催が2回となり、次回は12月4日(火)、次々回は12月18日(火)に開かれる。

以上

第189回 放送と人権等権利に関する委員会

第189回 – 2012年10月

「無許可スナック摘発報道への申立て」事案の審理
「肺がん治療薬イレッサ報道への申立て」事案の審理…など

前回に続き、「無許可スナック摘発報道への申立て」事案の「委員会決定」(決定文)案について検討した。「肺がん治療薬イレッサ報道に対する申立て」事案について審理し、来月の委員会でヒアリングを実施することになった。

議事の詳細

日時
2012年10月16日(火) 午後4時~7時10分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
三宅委員長、奥委員長代行、坂井委員長代行、市川委員、大石委員、小山委員、田中委員、林委員

「無許可スナック摘発報道への申立て」事案の審理

本事案は、テレビ神奈川が本年4月、神奈川県警による無許可営業のスナック摘発と女性経営者の現行犯逮捕を現場で取材し、4月11日の『tvkNEWS930』で1分強のニュースとして放送したことに対し、この女性と家族から「軽微な罰金刑にもかかわらず、顔のアップ映像や、実名、自宅の住所等まで放送したのはプライバシーの侵害」等と申立てがあったもの。テレビ神奈川は、「通常の実名報道原則に基づいて放送した。申立人の基本的人権についても十分慎重に検討した」等と反論している。

この日の委員会では、前回委員会での議論を踏まえて提出された「委員会決定」(決定文)修正案の検討を行なった。今回は決定文の構成、内容、表現のほか、特に結論部分について各委員が改めて意見を述べた。
委員会が示す結論には「勧告」または「見解」があるが、その判断のグラデーションについては、放送局への聞き取り調査を踏まえて本年5月に修正が行われた結果、「勧告」は「人権侵害」、「放送倫理上重大な問題あり」、また「見解」は「放送倫理上問題あり」、「要望」、「問題なし」、となった。

この日の議論では、本事案が修正後の「判断のグラデーション」を適用する初めての事案となるため、グラデーションの考え方とその適用の仕方についても確認を行い、委員会としての結論を確定した。
この結果、次回委員会までに修正案をさらに吟味し、「委員会決定」最終案として諮ることとなった。

「肺がん治療薬イレッサ報道への申立て」事案の審理

本事案は、フジテレビ『ニュースJAPAN』が昨年10月5日と6日の2回にわたり肺がん治療薬イレッサに関する問題を取り上げた企画「イレッサの真実」に対し、長期取材を受けて番組にも登場した男性から、イレッサの危険性を過小評価し有効性を過剰に強調する偏頗な内容で、客観性や正確性、公正さに欠けた報道により人権を侵害されたと申立てがあったもの。フジテレビは、番組に人権侵害も放送倫理に抵触する部分もないと反論している。
前回委員会では、番組内容が放送倫理に抵触しているとする申立人の主張が、申立人に対する人権侵害とどう関連しているのかを中心に議論が交わされた。
この日の委員会では、前回委員会での議論を踏まえ起草委員間でさらに検討を重ねて整理した論点について、担当委員から説明が行われた。続いて、それに基づいて作成されたヒアリングに向けての論点と質問項目の原案が示され、全員で検討を行った。その結果、いくつかの質問項目を追加することで意見がまとまり、来月の委員会で当事者へのヒアリングを実施することになった。

「国家試験の元試験委員からの申立て」事案の審理

本事案は、TBSが今年2月25日に放送した『報道特集~国家資格の試験めぐり不平等が?疑念招いた一冊の書籍』で、国家資格である社会福祉士の試験委員だった大学教授が、試験委員就任前に執筆しその後も改訂を続けていた著作物が過去問題の解説集に該当する等、試験委員としてふさわしくない行為があったと放送され、名誉と信用を毀損されたと申立てたもの。
申立人は、番組では「疑念を招く」程度の行為を取り上げてあたかも申立人が試験問題を漏洩したかのように視聴者に印象付けるなど個人攻撃が行われたと主張している。これに対してTBSは、「問題漏洩等にはいささかも言及していない。試験委員だった申立人の行為が社会福祉士試験の公平性・公正性に疑念を招いたのではないかと問いかけたものだ」と反論している。
一回目の実質審理となったこの日の委員会では、双方の主張が対立する点や、全体的な番組の構成について資料をもとに事務局が説明した後、各委員が番組を見た感想も含め意見を述べた。
来月の委員会では、当事者へのヒアリングに向け、委員会の提示する論点や質問項目について検討する。

9月の苦情概要

9月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情・相談・批判の内訳は以下の通り。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・・・2件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・・・・・・10件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

その他

次回委員会は11月20日(火)に開かれることになった。

以上

第188回 放送と人権等権利に関する委員会

第188回 – 2012年10月

無許可スナック摘発報道事案の審理
その他

「無許可スナック摘発報道への申立て」事案の「委員会決定」(決定文)案について、時間をかけて検討した。

議事の詳細

日時
2012年10月9日(火) 午後4時~7時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
三宅委員長、奥委員長代行、坂井委員長代行、市川委員、大石委員、小山委員、田中委員、林委員

「無許可スナック摘発報道への申立て」事案のヒアリングと審理

本事案は、テレビ神奈川が本年4月、神奈川県警による無許可営業のスナック摘発と女性経営者の現行犯逮捕を現場で取材し、4月11日の『tvkNEWS930』で1分強のニュースとして放送したことに対し、この女性と家族から「軽微な罰金刑にもかかわらず、顔のアップ映像や、実名、自宅の住所等まで放送したのはプライバシーの侵害」等と申立てがあったもの。テレビ神奈川は、「通常の実名報道原則に基づいて放送した。申立人の基本的人権についても十分慎重に検討した」等と反論している。
この日の委員会では、10月初旬の2回にわたる起草委員会を経て提案された「委員会決定」(決定文)案の検討を行なった。事務局が文章を読み上げるやり方で、決定文全体の構成、内容、表現や結論等について時間をかけて細かく検討した。委員の間では、本件報道の公共性、公益性についても改めて議論が交わされた。
この結果、起草委員が次回委員会までに修正案を作成し、それをもとに再度検討することとなった。

その他

1.広島地区意見交換会事後アンケート調査結果を報告

9月14日に広島市で開かれた、放送人権委員会委員と広島地区のBPO加盟放送事業者との意見交換会の事後アンケート調査結果がまとまり、事務局から報告した。アンケートには52人の出席者の約3分の1から回答があった。
今回は放送現場を担う若手スタッフの参加を促すため、開始を午後7時30分からとしたが、「たいへん参加しやすかった」との声が圧倒的に多かった。
当日の主なテーマとしては、現地で直面している福山市のホテル火災に関連しての実名・匿名問題を取り上げたが、テーマ設定については「よかった」とする声が多かった。ただ、会場での意見交換は活発とまでは至らず今後に課題を残した。また、アンケートでは、顔なし映像が多用され匿名化が強まる現状について「昨今は一般人の間でも肖像権という言葉が飛び交う時代だ。取材時に“顔出し”を説得できないからといって顔出し取材が減ってくると、顔なしが基本になってしまい、自分で自分の首をしめることになる」という意見も寄せられた。

2.次回委員会は10月16日(火)に開かれることになった。

以上

第187回 放送と人権等権利に関する委員会

第187回 – 2012年9月

無許可スナック摘発報道事案
肺がん治療薬イレッサ報道への申立て事案の審理…など

「無許可スナック摘発報道への申立て」事案のヒアリングとヒアリング後の審理が行われ、本事案の「委員会決定」 (決定文)の起草作業に入ることが決まった。「肺がん治療薬イレッサ報道への申立て」事案の審理が行われた。

議事の詳細

日時
2012年9月18日(火) 午後3時~7時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
三宅委員長、奥委員長代行、坂井委員長代行、市川委員、大石委員、小山委員、田中委員、林委員、山田委員

「無許可スナック摘発報道への申立て」事案のヒアリングと審理

本事案は、テレビ神奈川が本年4月、神奈川県警による無許可営業のスナック摘発と女性経営者の逮捕を現場で取材し、4月11日夜の『tvkNEWS930』でニュースとして放送したことに対し、この女性と家族から「軽微な罰金刑にもかかわらず、顔のアップ映像や、実名、自宅の住所等まで放送したのはプライバシーの侵害」等と申立てがあったもの。これに対しテレビ神奈川は、「通常の実名報道原則に基づいて放送した。申立人の基本的人権についても十分慎重に検討した」等と反論している。
今月の委員会では、申立人とテレビ神奈川の双方に対し、個別に事情を聞くヒアリングを行った。
申立人側は女性経営者ら2人が出席し、「放送だけでなく、フェイスブック等ネット上でも実名、自宅住所、顔のアップ、逮捕の瞬間や連行される模様までとらえたニュース映像が1か月以上もの間、再生可能な環境にあったため、地元でも様々な波紋を呼んだ。その結果、申立人がPTSD(心的外傷後ストレス障害)で心療内科に通院したり、子供も含めた家族全員の生活に想像以上に深刻な影響を受けた」と訴えた。またこれをテレビ神奈川に抗議したところ、「(犯罪を犯したのだから)しょうがない」などと誠意のない対応だったと述べた。
一方、テレビ神奈川からは報道局の幹部ら5人が出席し、神奈川県警が年間150件以上の無許可営業の摘発を進める中で、「地元のローカル局として警鐘を鳴らすという意味からもニュース価値があると判断して報道した」と強調。顔のアップ映像を繰り返し使用したことについても、「特に映像をクローズアップしたわけではなく、むしろニュース内容を視聴者にきちんと伝えるため」等と説明した。ただ、ネット上にこのニュース映像が長期間再生可能な状態で放置されたことについては、「動画配信を始めた時点で、細かいところの確認を怠っていたという反省はある」と認めた。さらに申立人の抗議に対しては、「そのような暴力的な表現はしていない」と述べた。
ヒアリング後も審理を続けた結果、委員会は本事案の「委員会決定」(決定文)の起草作業に入ることを決め、10月上旬に起草委員会を開くことになった。

「肺がん治療薬イレッサ報道への申立て」事案の審理

本事案は、フジテレビ『ニュースJAPAN』が昨年10月5日と6日の2回にわたり肺がん治療薬イレッサに関する問題を取り上げた企画「イレッサの真実」に対し、長期取材を受けて番組にも登場した男性から放送倫理に抵触する内容により人権を侵害された等と申立てがあったもの。これに対しフジテレビは、番組に人権侵害も放送倫理に抵触する部分もないと反論している。
前回の委員会後に、申立人側から「反論書」が、被申立人側から「反論書」に対する「再答弁書」が提出され、双方からの書面がすべて出揃った。
この日の委員会では、まず、事務局が双方の主張で新たに付加された内容を説明した。その後、起草担当委員が、委員会として論点とする事項を整理したレジュメを配布し、考え方を説明した。

本事案で申立人は、申立人の発言を取り上げた部分に名誉とプライバシーの侵害があるとしている他、イレッサの危険性を過小評価し有効性を過剰に強調する、正確性や公正性等に欠けた番組内容によっても人権を侵害されたと主張している。
委員からは、番組内容が放送倫理に抵触するとする申立人の主張が、申立人に対する人権侵害とどう関連しているのかや、委員会の判断の対象とする範囲等をめぐり、様々な意見が出された。

議論を受け、起草担当委員の間でさらに論点を整理し、次回はそれをもとに審理を続けることとなった。

「国家試験の元試験委員からの申立て」事案についての報告

本事案は8月の委員会で審理入りが決まったが、先行する事案の審理があり、今月は事務局より双方からの書面の提出状況について報告した。10月9日の委員会で実質審理を行うことにしている。(事案の概要は8月の議事概要、もしくは審理中の事案をご参照ください)

8月の苦情概要

8月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情・相談・批判の内訳は以下の通り。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・4件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・・・・・6件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

その他

  • 広島地区意見交換会を開催(9月14日)
    放送人権委員会委員と広島地区のBPO加盟放送事業者との意見交換会が9月14日に広島市で開かれ、地元民放とNHKの計6社から52人、委員会から3人の委員と事務局が出席して、実名報道と匿名報道等をテーマに意見を交換した。(詳しくは意見交換会・シンポジウムの項をご参照ください)
  • 盛岡で東北地区意見交換会を開催(12月4日)
    放送人権委員会委員と東北地区のBPO加盟放送事業者との意見交換会を12月4日に盛岡市で開くことが決まった。東北6県の民放各局とNHKに出席を呼びかけ、人権と放送倫理をめぐって意見を交わすほか、震災報道についても取り上げることにしている。東北地区での開催は2005年に仙台で開催して以来7年ぶり2回目となる。
  • 次回委員会は10月9日(火)に開かれることになった。

以上

第186回 放送と人権等権利に関する委員会

第186回 – 2012年8月

ストローアート事案和解解決
イレッサ報道事案の審理
審理要請案件:「国家試験の元試験委員からの申立て」事案~審理入り決定…など

「ストローアート作家からの申立て」事案は、委員会の仲介斡旋で和解合意に至り、解決したことが委員長から報告された。先月審理入りした「肺がん治療薬イレッサ報道への申立て」事案、「無許可スナック摘発報道への申立て」事案の実質審理が、それぞれ始まった。審理要請案件について審議し、審理入りが決まった。

議事の詳細

日時
2012年8月21日(火) 午後4時~7時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
三宅委員長、坂井委員長代行、市川委員、大石委員、小山委員、田中委員、林委員、山田委員

「ストローアート作家からの申立て」事案、和解合意により解決を報告

本事案については、先月の委員会におけるヒアリング後、委員会が申立人と被申立人であるフジテレビに対し、和解合意に向けての仲介斡旋作業を進めてきた。その結果、最終的に双方の間で合意に至り、8月21日午後、委員会開催に先立って和解合意書が取り交わされ、解決した。
委員会では、三宅委員長が作業経緯を報告するとともに、今回の和解について委員会の考えを示した「委員会コメント」を付し、ホームページ等において公表することを決めた(詳しくは仲介・斡旋解決事案の項をご参照ください)。

「肺がん治療薬イレッサ報道への申立て」事案の審理

前回委員会で審理入りが決定した後、被申立人から「答弁書」の提出を受け、実質的な審理に入った。
本事案は、フジテレビ『ニュースJAPAN』が昨年10月5日と6日の2回にわたって放送した企画「イレッサの真実」に対し、長期取材を受けて番組にも登場した男性が「放送はイレッサの危険性を過小評価し有効性を過剰に強調する偏頗な内容で、客観性、正確性、公正さに欠け、放送倫理に抵触している。こうした放送や、申立人の主義主張とは反する発言の使われ方、取材休憩中の撮影とその映像の放送などによって名誉とプライバシーを侵害された」として、謝罪と放送内容の訂正を求め申し立てたもの。
これに対しフジテレビは、答弁書において「本番組は肺がん治療に関し、様々な立場から多様な意見があることを新薬イレッサを例に報道したもので、客観性、正確性、公正さに欠けるところはなく、放送倫理に抵触する部分はない。申立人に対する名誉、プライバシーの侵害もない。従って、謝罪や放送内容の訂正は受け入れられない」と主張し、全面的に反論している。
この日の委員会ではまず、本件放送が客観性・正確性・公正さに欠けているとする申立人主張の根拠のひとつにもなっているイレッサ訴訟東京地裁判決の判決内容について、起草担当の委員がレジュメをもとに説明した。続いて事務局が双方の主張を整理した後、各委員が意見を述べた。次回審理に向け、申立人の「反論書」と、被申立人の「再答弁書」において、より詳しく説明を求めたいこと等についても話し合った。
次回は「反論書」と「再答弁書」の提出を受け、さらに審理を重ねることにしている。

「無許可スナック摘発報道への申立て」事案の審理

上記事案の実質審理が始まった。
審理しているのは、テレビ神奈川が本年4月11日夜放送した『tvkNEWS930』で、番組では、神奈川県警が無許可営業のスナックを風営法違反容疑で摘発する現場を取材し、1分強のニュースとして放送した。この報道に対し、スナックの女性経営者と家族から「略式命令の軽微な罰金刑にもかかわらず、映像では顔のアップ、実名と年齢、店と自宅の住所まで放送したのはプライバシーをあまりにも公開し過ぎ」など人権侵害を訴える申立書が提出された。申立人は、放送から1カ月以上もの間、ネット上でこのニュースの動画が再生できる環境にあったとし、この点でもプライバシーや名誉毀損になると主張している。
これに対しテレビ神奈川は答弁書で、「通常の実名報道原則に基づき放送した」としたうえ、「報道される側の基本的人権についても十分慎重に検討した。無届け営業を現場で否定しなかったため、当人の顔のボカシは入れずに放送した」と主張している。
この日の委員会では、報道内容にプライバシーの侵害等の人権侵害はあったか、カメラ取材は適切に行われたか、報道の仕方・取り上げ方に行き過ぎはなかったか、インターネット展開における放送局の管理体制は十分だったか、等をめぐって意見を交わした。
次回、9月の委員会では申立人とテレビ神奈川の双方にヒアリングを行い、そのうえでさらに議論を深めることになった。

審理要請案件:「国家試験の元試験委員からの申立て」事案~審理入り決定

国家試験の元試験委員からの申立てについて審理入りが決定した。
対象となった番組はTBSテレビの『報道特集』。本年2月25日に「国家資格の試験めぐり不平等が?疑念招いた1冊の書籍」と題した特集を放送、大学教授で社会福祉士試験委員会副委員長を務めていた申立人が、その著書で社会福祉士資格試験の過去問題を解説し、大学の授業でこれをテキストとして用い、期末試験でも社会福祉士の試験問題と同じ形式で出題していたこと、厚生労働省の調査を受け申立人が試験委員を辞任したこと等を報道した。
申立人はこの報道に対し、申立書において「本件番組は申立人がいかにも国家試験の試験問題を漏洩したかのように報道する等、申立人が試験委員としての職責に背く行為をしたかのように視聴者に印象付け、その名誉と信用を著しく毀損した」としており、TBSに謝罪と放送の訂正等を求めている。
これに対しTBSは、「本放送の主旨は、申立人に国家試験の試験委員としてふさわしくない行為があり、社会福祉士試験の公平性・公正性に疑念を招いたのではないかと問いかけたものである。申立人に問題漏洩等があったとはいささかも言及していない」と局の見解において反論している。
委員会は、委員会運営規則第5条の規定に照らし、本件申立ては要件を充たしているとして審理に入ることを決めた。
次回委員会以降、実質審理に入る。

7月の苦情概要

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・4件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・・・・・20件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

その他

  • 事案数の増加に伴い、審理を迅速かつ的確に行うため、10月9日(火)に臨時で委員会を開催することになった。
  • 次回委員会は9月18日(火)に開かれることになった。

以上

第185回 放送と人権等権利に関する委員会

第185回 – 2012年7月

「ストローアート作家からの申立て」事案のヒアリングと審理

「南三陸町津波被災遺族からの申立て」事案~申立て取り下げ

「肺がん治療薬イレッサ報道への申立て」~審理入り決定

「無許可スナック摘発報道への申立て」~審理入り決定

「ストローアート作家からの申立て」事案のヒアリングと審理が行われ、委員会からの和解による解決の打診について、双方とも受け入れる意向を示した。2件の審理要請案件について審議し、いずれも審理入りが決まった。

議事の詳細

日時
2012年7月17日(火) 午後3時~7時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
三宅委員長、奥委員長代行、坂井委員長代行、市川委員、大石委員、小山委員、田中委員、林委員、山田委員

「ストローアート作家からの申立て」事案のヒアリングと審理

本事案はフジテレビが1月9日(月・祝)の『情報プレゼンター とくダネ!』で放送した企画『ブーム発掘!エピソード・ゼロ(2)身近なモノが…知られざる街の芸術家編』について、番組に登場したストローアートの作家が「過剰で誤った演出とキャスターコメントにより、独自の工夫と創作で育ててきたストローアートと私に対する間違ったイメージを視聴者に与え、私の活動と人権を侵害した」として謝罪などを求めているもの。フジテレビは「演出方法を明確に説明せず、申立人に不快な思いをさせたことは真摯に反省し申し訳ないと考えている」として、放送でのお詫び案を示しメールで交渉を重ねてきたが、決着しなかった。
今月の委員会では、申立人、フジテレビ双方に個別にヒアリングを行った。
申立人は「スタッフにストローアートの作品を預けたら、放送では、生け花のように数本でひとつの作品として見せるヤシの木がバラバラにされ飲み物に挿して出されていた。作品を勝手に崩すのは人権侵害と思う。趣味の域というスタジオでのキャスター発言は、趣味を芸術より下のものと軽視するような発言だ。私にとってストローアートは芸術でもあり趣味でもあり、作りやすくする工夫とオリジナルな作品に一生懸命取り組んできた。情報番組として残念で、もっと入念に取材、調査をして番組作りをしてほしい」などと述べた。
フジテレビからは情報制作局の担当者ら5人が出席し、「企画には申立人からの要望も盛り込んでいるが、ヤシの木に関する演出については申立人の了解を得ておらず不適切だったと考える。不快な思いをさせたことは反省しており、お詫びしたい。スタジオで気に入った作品を選んでもらった演出は、作品についての様々な評価や価値観を提供し視聴者と共有できる有効な手法で、キャスター発言を含め申立人やストローアートを軽んじたり、評価を下げる不適切なものとは考えていない。企画全体から受ける印象としては、ストローアート本来の魅力を十分伝えていると考える」などと述べた。
ヒアリングを受けて委員会は、フジテレビがお詫びの意思を表明し、これまで数度にわたり謝罪案を提示してきた経緯等を踏まえ、双方に対し和解による解決を打診した。これに対し申立人は、委員会が仲介してくれるなら、と提案を受け入れ、フジテレビも和解に応じる意向を示した。
これにより委員会は今後、和解による解決に向け具体的な作業を進めることになった。

「南三陸町津波被災遺族からの申立て」事案~申立て取り下げ

本事案は、NHKが本年3月10日に放送した『NHKスペシャル「もっと高いところへ~高台移転南三陸町の苦闘~」』に対し、津波の犠牲となった町職員の遺族から「番組で肉親の最期の姿を見て大きな衝撃と苦痛を受けた。亡くなる直前の写真であれば全遺族の了解を得るか、得られなければモザイクをかける等の配慮が当然ではないか」として、NHKに謝罪等を求め申立てがあったもの。6月の委員会で審理入りが決まった。
その後、申立人とNHKとの間で話し合いが行われ、その結果、申立人より申立てを取り下げたいとする書面が、実質審理前の7月5日付で委員会宛て提出された。
この日の委員会で申立ての取り下げを了承し、本事案の実質審理を行わないことを決めた。

審理要請案件2件~審理入り決定

1.「肺がん治療薬イレッサ報道への申立て」

上記申立てについて審理入りが決まった。
対象となった番組は、フジテレビの『ニュースJAPAN』。昨年10月5日と6日の2回にわたって「イレッサの真実」と題し、肺がん治療薬イレッサをめぐる問題について報道した。
この報道に対し、番組で長期取材を受けその発言も紹介されている男性から、人権を侵害されたとの申立書が本年5月に提出された。申立書の中で申立人は、「放送はイレッサの危険性を過小評価し有効性を過剰に強調する偏頗な内容で、客観性、正確性、公正さに欠け、放送倫理基本綱領に抵触している。こうした放送や、申立人の主義主張とは反する発言の使われ方、取材休憩中の撮影とその映像の放送などによって名誉とプライバシー等を侵害された」として、フジテレビに対し謝罪と放送内容の訂正を求めている。
これに対しフジテレビは、「番組は肺がん治療に関し、様々な立場から多様な意見が存在することを、新薬イレッサを例に報道したもので、客観性、正確性、公正さに欠けるところはない。放送倫理に抵触する部分もなく、申立人に対する名誉、プライバシーの侵害もない」との見解を示し、全面的に反論している。
委員会では、双方から出された書面、番組同録DVD及び関連資料をもとに審議した結果、本件申立ては委員会運営規則第5条に照らし、要件を満たしているとして審理に入ることを決めた。
次回委員会より実質審理を行う。

2.「無許可スナック摘発報道への申立て」

上記申立てについて審理入りが決まった。
対象となった番組は、テレビ神奈川が本年4月11日夜放送した『tvkNEWS930』。番組では、神奈川県警が無許可営業のスナックを風営法違反容疑で摘発する現場を取材し、1分強のニュースとして放送した。
この報道に対し女性経営者と家族から人権侵害を訴える申立書が提出された。申立人は「略式命令の軽微な罰金刑にもかかわらず、映像では顔のアップ、実名と年齢、店と自宅の住所まで放送したのはプライバシーをあまりにも公開し過ぎ」と主張している。また放送から1か月以上もの間、ネット上でこのニュースの動画が再生できる環境にあったとし、この点でもプライバシーや肖像権の侵害、名誉毀損にもなるとしており、テレビ神奈川に対して謝罪放送とそのホームページへの掲載を求めている。
これに対しテレビ神奈川は、局の見解で「通常の実名報道原則に基づき放送した」としたうえ、「報道される側の基本的人権についても十分慎重に検討した。無届け営業を現場で否定しなかったため、当人の顔のボカシは入れずに放送した」と主張している。また動画の取扱いについては、5月18日の申立人からの電話により、Facebook動画及びtwitterテキストが削除されていないことに気付き、動画ファイル自体及び元データを削除したとしている。
委員会では、双方から出された書面、番組同録DVD及び関連資料をもとに審議した結果、本件申立ては委員会運営規則第5条に照らし、要件を満たしているとして審理に入ることを決めた。
次回委員会から実質審理に入る。

6月の苦情概要

6月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情・相談・批判の内訳は以下の通り。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・6件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・・・・・14件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

その他

次回委員会は8月21日(火)に開かれることになった。

以上

第184回 放送と人権等権利に関する委員会

第184回 – 2012年6月

「ストローアート作家からの申立て」事案の審理

審理要請案件~審理入り決定 ……など

「ストローアート作家からの申立て」事案の実質審理が始まった。宮城県南三陸町の津波被災遺族から申立てがあった審理要請案件について審議し、審理入りが決まった。来月から実質審理に入る。

議事の詳細

日時
2012年6月19日(火) 午後4時~6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
三宅委員長、奥委員長代行、坂井委員長代行、市川委員、大石委員、小山委員、田中委員、林委員、山田委員

「ストローアート作家からの申立て」事案の審理

審理しているのは、フジテレビが本年1月9日(祝)の『情報プレゼンター とくダネ!』で放送した企画『ブーム発掘!エピソード・ゼロ(2) 身近なモノが…知られざる街の芸術家編』。番組に登場したストローアートの作家が「過剰で誤った演出とキャスターコメントにより、独自の工夫と創作で育ててきたストローアートと私に対する間違ったイメージを視聴者に与え、私の活動と人権を侵害した」として謝罪などを求めているもの。フジテレビは「申立人に不快な思いをさせたことは真摯に反省し申し訳ないと考えている」として、放送でのお詫び案を示しメールで交渉を重ねてきたが、決着しなかった。
前回委員会での審理入り決定後に双方から書面や参考資料の提出を受け、それらをもとに実質的な審理に入った。局側には番組の編集権があるが、演出や構成を事前に出演者にどこまで説明すべきか、ストローアートの組作品をばらし飲み物に挿して客の反応を撮影した演出や「趣味の域」というキャスター発言を人権や放送倫理との関係においてどのように評価するか、などをめぐって意見を交わした。
次回、7月の委員会では、申立人とフジテレビの双方にヒアリングを行い、さらに審理を進めることになった。

審理要請案件~審理入り決定

宮城県南三陸町の津波被災遺族から申し立てられた審理要請案件について審議し、審理入りが決まった。
対象となった番組は、NHKが本年3月10日に放送した『NHKスペシャル「もっと高いところへ~高台移転 南三陸町の苦闘~」』。昨年3月11日の東日本大震災の際、町の防災対策庁舎屋上に避難した人たちのうち42人が津波の犠牲となった宮城県南三陸町の事例を取り上げ、屋上での様子を撮った写真、町長や住民へのインタビュー取材等を交え、当時を振り返るとともに、町の高台移転の現状と難しさ、今後の課題について伝えた。
この放送に対し、番組で使われた屋上での写真に顔と姿が写っていた職員の遺族から「肉親の最期の姿を見て大きな衝撃と苦痛を受けた、亡くなる直前の写真であれば全遺族の了解を得るか、得られなければモザイクをかける等の配慮が当然ではないか」として、NHKに謝罪等を求め申立てがあったもの。
申立てに対しNHKは、「遺族に対しては、事前の説明も含め可能なかぎり配慮したうえで放送した。映像を加工することは、なぜ数人だけ隠すのかと視聴者の疑念を招く。また少なからぬ遺族が肉親の最期の姿に誇りを持っており、特段の事情のない限り最期の姿を加工することは失礼にあたると考えた」等と局側の見解で述べている。
委員会は、双方から提出された書面、番組同録DVD、及び関連資料をもとに審議した結果、委員会運営規則第5条の規定に照らし本件申立ては審理の要件を充たしているとして審理入りが決まった。しかし、申立人2人のうち1人については、番組で使われた写真に肉親の姿と顔は写っていないことから直接、申立人としての適格性があるとはいえないとして審理の対象外とした。
委員会は、双方からさらに書面・資料等の提出を求め、来月から実質審理に入る。

5月の苦情概要

5月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情・相談・批判の内訳は以下の通り。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・4件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・・・・・18件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

その他

  • 9月14日に広島市で、広島地区のBPO加盟放送事業者を対象に、放送人権委員と放送局現場スタッフとの意見交換会を行うことになった。事務局より報告し了承された。
  • 次回委員会は7月17日(火)に開かれることになった。

以上

第183回 放送と人権等権利に関する委員会

第183回 – 2012年5月

審理要請案件:「ストローアート作家からの申立て」~審理入り決定
放送倫理上の問題に関する判断…など

審理要請案件について審議し、審理入りを決定した。来月から実質審理に入る。放送倫理上の問題に関する判断について議論し、「放送倫理違反」と「放送倫理上問題あり」という判断を一本化すること等を決定した。

議事の詳細

日時
2012年5月15日(火) 午後4時~6時40分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
三宅委員長、奥委員長代行、坂井委員長代行、市川委員、大石委員、小山委員、田中委員、林委員、山田委員

審理要請案件:「ストローアート作家からの申立て」~審理入り決定

ストローなど身近な素材で作られた作品を紹介したフジテレビの番組で、作品の取り扱いや演出、出演者の発言によって人権を侵害されたという申立てがあり、審理を開始することが決まった。
番組は『情報プレゼンター とくダネ!』。本年1月9日(祝)放送の「ブーム発掘!エピソード・ゼロ② 身近なモノが…知られざる街の芸術家編」と題した企画で、ストロー、バナナ、海苔、それに石を素材とした4種類の作品と作者による制作の様子などを紹介した。
申立人は、ストローを素材にした作品(ストローアート)の作家。申立書によると、数本のストローで作り小瓶に活けた組作品の椰子を1本ずつに崩し、本来飲み物に挿すためのものではないにもかかわらず、飲み物に挿して喫茶店の客に出し反応を撮影・放送したこと、出演者に4作品の人気投票をさせた上、キャスターが「石以外は芸術ではなく趣味の域だ」とコメントしたことについて、「過剰で誤った演出とキャスターコメントにより、独自の工夫と創作で育ててきたストローアートと私に対する間違ったイメージを視聴者に与え、私の活動と人権を侵害した」と訴えている。
放送後、メールでフジテレビと交渉を続けてきたが、フジ側から提示された謝罪放送の文案に承諾しかねるとし、やり取りを重ねても話が通じないとして4月3日、申立てに至った。視聴者への謝罪とイメージの回復、及び申立人への謝罪などを求めている。
これに対して、フジテレビは、「申立てに関する経緯および見解」の中で、「申立人に不快な思いをさせたことは真摯に反省し申し訳ないと考えている。演出方法を事前に明確に伝えなかったという落ち度も認め、放送でのお詫び案を5回示して誠意をもって対応してきたつもりだが、理解を得られていない」、「現在に至るまで十分なコミュニケーションは取れていないが、実質的な話し合いに向けてメールでやり取りしている最中との認識でおり、引き続き誠心誠意話し合いを続けたいと考えている」としている。
委員会では、双方から提出された書面及び資料をもとに審議した結果、本件申立ては審理の対象となる苦情に該当し、かつ双方の話し合いは相容れない状況になっていると判断でき、運営規則第5条の苦情の取り扱い基準を満たしているとして審理に入ることを決定した。
次回委員会から実質審理に入る。

放送倫理上の問題に関する判断

前回に引き続いて、放送倫理上の問題に関する判断のグラデーションについて意見を交わした。
委員会は当初は、「放送倫理上問題あり」で統一されていたが、近年、個別事案ごとの性格の違いを踏まえた判断の微妙な差異を示すため、「重大な放送倫理違反」、「放送倫理違反」、「放送倫理上問題あり」というキメの細かなグラデーションを設けてきた経緯がある。しかし、昨年行われた放送局への聞き取り調査では、「放送倫理違反」と「放送倫理上問題あり」の違いが分かりにくい等の声が出された。こうした指摘を受け、申立人と放送局の双方にとってより分かりやすく理解しやすい決定とするため、本年2月以降、判断のグラデーションをよりシンプルにする方向で検討を重ねてきた。
この日の委員会では、グラデーションの見直し案について事務局から説明し、これを受けて詰めの議論を行った。この結果、従前の決定等をふまえつつ、「放送倫理違反」と「放送倫理上問題あり」という判断を一本化することで最終的に意見がまとまった。表現については、放送倫理の内容が法規範とは異なり必ずしも確定的なものではないこと、放送倫理については放送局が定めた自主的倫理規範に反しているかどうかを判断の拠り所としていること、さらに放送倫理上の問題点を違反事例に限定することなくより広く具体的に捉えられるとの観点から、「違反」ではなく「問題あり」に統一することとした。これに伴い、わかりやすさという観点から、「重大な放送倫理違反」も「放送倫理上重大な問題あり」に修正されることとなった。
委員会決定における判断は下表の通りとなり、以後の事案から適用される。

「勧 告」 人権侵害
放送倫理上重大な問題あり
「見 解」 放送倫理上問題あり
要望
問題なし

なお、決定における判断内容をより簡単に把握してもらうため、決定文の表題に「勧告」もしくは「見解」という表示を付け加えることになった。「勧告」と「見解」の区別についてはさらに細かな区別も検討したが、わかりやすさという観点から従前のとおりとした。

4月の苦情概要

4月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情・相談・批判の内訳は以下の通り。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・3件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・・・・・20件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

その他

次回委員会は6月19日(火)に開かれることになった。

以上

第182回 放送と人権等権利に関する委員会

第182回 – 2012年4月

委員長代行の指名
放送倫理上の判断…など

三宅委員長の下で初の委員会となり、奥委員と坂井委員の2人が委員長代行に指名された。引き続き報道機関による資料用撮影が行われ、撮影終了後、放送倫理上の判断について議論した。

議事の詳細

日時
2012年4月17日(火) 午後3時40分~7時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
三宅委員長、奥委員長代行、坂井委員長代行、市川委員、大石委員、小山委員、田中委員、林委員、山田委員

委員長代行の指名

4月1日に就任した三宅委員長の下での初の委員会では、冒頭、新委員長による委員長代行の指名が行われた。委員長代行は、「委員長を補佐し、委員長を欠くときまたは委員長に事故あるときは、その職務を代行する」存在で、「委員長により2人が指名」されることになっている。(BPO規約第30条)
三宅委員長は奥武則委員と坂井眞委員を指名し、2人もこれを受諾した。奥委員は毎日新聞論説副委員長を経て、現在、法政大学社会学部教授。坂井委員は弁護士で、日弁連人権と報道に関する特別部会部会長を務めている。
三宅委員長は「法律家の観点から坂井委員を、またジャーナリズム論の観点から奥委員を指名した」と述べた。
引き続き報道機関による資料用撮影が行われ、テレビ・新聞各社から9社が取材に訪れ、テレビカメラ6台が入った。

放送倫理上の判断

今月の委員会では、まず事務局から、放送局への聞き取り調査を受けて2月と3月の委員会で行われた放送倫理をめぐる議論の了解事項について報告した。即ち、放送人権委員会が人権に関係する放送倫理上の問題を扱うことは、放送によって人権を侵害された人の救済を目的とする第三者委員会の務めであり、BPO規約等で定められた当然の使命であること、放送倫理上の問題を判断する基準としては、民放連とNHKで作った「放送倫理基本綱領」や民放連の「放送基準」、NHKの「国内番組基準」、さらには各放送局が独自に作成した番組基準等のガイドラインがあり、できるだけこれらを引用しながら問題の所在を明確に伝えるよう努力すること、ただし、必ずしもすべてのケースで既存のガイドラインを引用して判断するとは限らないこと等が確認された。
またこれまでの決定では「人権侵害を来たしかねない重大な放送倫理違反」等の表現がしばしば使われてきたが、「人権侵害」がより深刻であるとは限らず、「放送倫理違反」が重い場合もあり得るので、決定文の中できちんと表現すること、さらに判断のグラデーションについてはなるべくシンプルにしていくことも確認された。
関連してこの日の委員会では、「放送倫理違反」や「放送倫理上問題あり」、また「勧告」や「見解」等、判断のグラデーションやカテゴリーをどう整理していくのかについて、事務局から問題点等が説明された。
さらに、放送倫理検証委員会が公表している14件の決定の中で、「放送倫理」が具体的にどのように言及されてきたかについても事務局から報告した。
この後、議論に移り、委員会の決定文は申立人や放送局に理解してもらうため、できるだけシンプルにし噛み砕いて伝えるべきだとする意見や、放送倫理基本綱領等の条文だけを示しても余り意味はなく、委員会判断の実質的な理由づけをこれまで以上に具体的に示していく必要があるといった意見が出された。
また「放送倫理」という言葉の使い方や判断のグラデーションが、放送倫理検証委員会とは必ずしも一致しない点については、両委員会の目的や性格の違いから、その整合性に腐心するよりもむしろ、広報活動等を通じて理解を促進するよう努めるべきだという意見が出された。
こうした点を踏まえ、次回委員会では、判断のグラデーションのシンプル化に向けさらに議論を深めることになった。

3月の苦情概要

3月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情・相談・批判の内訳は以下の通り。

  • 審理・斡旋に関する苦情・相談・・・・・2件
    (個人又は直接の関係人からの要請)
  • 人権一般の苦情や批判・・・・・・・・・・・20件
    (人権問題、報道被害、差別的表現など一般視聴者からの苦情や批判)

その他

  • 委員会は7月にフジテレビを訪問し、番組作りの現場を視察・見学するとともにスタッフと意見交換することになった。2月のNHK訪問に続くもの。事務局より報告し了承された。
  • 次回委員会は5月15日(火)に開かれることになった。

以上