第101回 – 2005年6月
「産婦人科医院・行政指導報道」事案の審理
人権に関する苦情対応状況…など
「産婦人科医院・行政指導報道」事案の審理
本事案は、愛知県の産婦人科医院長が2005年1月にNHK名古屋放送局で放送されたニュース番組で、「2003年10月に助産師資格のない看護師、准看護師に内診等の助産行為をさせていたとして行政指導をうけたことを、あたかも現在も違法行為を行っているかのように報道されたことにより、人権を侵害された」と申し立てたもの。
今年2月の委員会で審理入りを決めた後、放送人権委員会では3月の委員会以来ヒアリングを含め3回にわたって審理を行ってきた。
委員会では、3人の委員から新たに提出されたそれぞれの見解について1時間50分に及ぶ協議を行った。その検討の結果、起草委員2名を決めて、7月上旬にも起草委員会を開いて、委員会決定の草案作成作業を進めることになった。
人権に関する苦情対応状況
◆「美術館運営会社社長の申立て」について
名古屋市の不動産会社の社長から、松江市に誘致された美術館の運営をめぐり、5年前にニュース番組で「当方に取材もなく一方的に悪者にされた。最近放送人権委員会の存在を知ったので、苦情申立をしたい」との訴えが5月末にあった。
これに対し当該局では「一貫して市の対応に問題があったことを伝えたのだ」と反論していた。
委員会では、「審理対象は放送から1年以内に申立てられたもの」という運営規則を著しく超えており、事情を斟酌しても、審理対象外と判断せざるを得ないとの結論に至り、この結論を文書にして委員長名で、苦情申立人に送ることになった。
◆ 苦情対応状況[5月]
2005年5月の1か月間に寄せられた放送人権委員会関連の苦情の内訳は、次のとおり。
◆人権関連の苦情〔10件〕
- 斡旋・審理に関連する苦情(関係人からの人権関連の苦情で、氏名・連絡先や番組名などが明らかなもの)・・・7件
- 人権一般の苦情(人権関連だが、関係人ではない視聴者からの苦情、または、氏名・連絡先や番組名などが不明なもの)・・・3件
その他
最後に、次回放送人権委員会は、7月19日午後4時から開くことを決め、閉会した。
以上