第327回

第327回 – 2024年5月

「調査報道に対する地方自治体元職員からの申立て」審理…など

議事の詳細

日時
2024年5月21日(火)午後4時~午後6時
場所
千代田放送会館7階会議室
議題
出席者
曽我部委員長、鈴木委員長代行、廣田委員長代行、大谷委員、
國森委員、斉藤委員、野村委員、松尾委員、松田委員

1.「調査報道に対する地方自治体元職員からの申立て」審理

申立ての対象となったのは、サンテレビが2023年9月26日と27日に放送した夕方ニュース番組『キャッチ+』(キャッチプラス)で、ふるさと納税PR事業のために兵庫県下の地方自治体が出店したアンテナショップで、この自治体の元課長が現職時代に不正行為をはたらいていたという内容の調査報道ニュースを放送した。申立人は元課長で、放送内容は虚偽であり名誉を毀損されたと主張している。
9月26日放送の前編では、アンテナショップ元店長たちの内部告発をもとに、元課長が代金を支払わずに商品を飲食していたと報道した。9月27日放送の後編では、情報公開で得た資料と元店長たちの証言などをもとに、元課長の指示により、家族や知人に公金で高級牛肉などが送られていたと伝えた。
申立人の元課長は、放送などでの謝罪、インターネット上での当該ニュース動画の削除などを求めている。
被申立人のサンテレビは、元課長は電話取材に対し全てを否定したが、発言に具体的根拠はなく、元店長らの証言や伝票のコピーなどの物証からみて、放送内容は真実であり、少なくとも真実であると信じるに足る相当の理由があるとしている。また、地方自治体の管理職の地位にある公務員が、公金が投入されたアンテナショップで行った不正行為を放送したもので、公共性があり、公益を図る目的で放送したと主張している。
今回の委員会では、被申立人のサンテレビから提出された書面の概要、ポイント等を事務局から説明した。さらに、この審理案件の今後の大まかなスケジュールについても説明を行った。

2.最新申立て状況

事務局から最新の申立て状況について説明した。

3.その他

事務局から今夏以降、テレビ局見学を予定していることを報告した。

以上

第195回

第195回–2024年5月

4月の視聴者・聴取者意見を報告

第195回放送倫理検証委員会は、5月10日に千代田放送会館で開催され、4月にBPOに寄せられた視聴者・聴取者意見などが報告され議論を行った。

議事の詳細

日時
2024年5月10日(金)午後5時~午後6時
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、長嶋委員、西土委員、毛利委員、米倉委員

1. 4月に寄せられた視聴者・聴取者意見を報告

4月に寄せられた視聴者・聴取者の意見は1,877件で、通常ベースの数値となった。衆議院東京15区の補欠選挙を伝えた報道番組について、候補者の紹介が公平ではないという意見があったことなどが事務局から報告された。

以上

第267回

第267回-2024年4月23日

視聴者からの意見について… など

2024年4月23日、第267回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ、新たに加わった池田雅子委員を含む8人の委員全員が出席しました。
委員会の冒頭、委員長の指名により、吉永みち子委員が新副委員長に選任されました。
次に3月後半から4月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
4月の中高生モニター報告のテーマは「最近見たバラエティー番組について」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2024年4月23日(火) 午後4時00分~午後6時30分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
委員長の指名による新副委員長の選任
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、吉永みち子副委員長、飯田豊委員、池田雅子委員、
佐々木輝美委員、沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員

委員長の指名による新副委員長の選任

緑川由香副委員長の退任に伴い、会議の冒頭、榊原委員長がBPO規約第35条第2項に基づき、吉永みち子委員を新しい副委員長に指名し、同委員が副委員長に選任されました。また、緑川氏の後任の池田雅子新委員が事務局から紹介されました。

視聴者からの意見について

3月後半から4月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
大阪の放送局制作のバラエティー番組で、ある女子大学生とバス通学の女子児童との交流を描く内容が放送された際、その児童の氏名、小学校名、学年、通学に利用するバス会社と路線などの個人情報が明示されたことに対して、視聴者から「保護者や学校の許可を得ていたとしても、小学校名やフルネームを明かす必要性は感じられず、この女子児童に対する制作者の配慮が欠けた放送だった」などの意見がありました。
担当委員は「女子大学生と女の子とのヒューマンなストーリーはよかったと思うが、ここまで細かく個人情報を出す内容でもなかった。女の子の顔の表情を見せるだけで十分で、名前は口頭で『○○ちゃん』と呼ぶ程度がよかったのではないか」と報告しました。
これに対し大阪在住の委員は「関西制作の番組では『どこどこの学校を訪問しました!クラブ活動で頑張った〇〇くんです!』という趣旨の番組はたくさんある。これをやめるとなると、(関西の)テレビ局はすごく困るのではないか」と述べました。
別の委員は「番組制作の現場では、『学校がよいと言った、保護者も本人も了解した』となって、単純に『手続きは踏みましたよ』となる傾向がある。しかし、手続きを踏んだうえで時代状況を慎重に見極めながら、どこまでが必要(な情報)で、どこはなくても大丈夫かを、想像力の問題として判断することが制作側に求められるだろう」と指摘し、ほかにも「最低限の法的な条件は満たされたとしても、プラスアルファでもう少し大きな視点からの配慮が制作側にあってもよかったのではないかと思う」という意見が出されました。
このほかに大きな議論になる番組はなく、「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

今年度の新しい中高生モニターは30人(中学生15人・高校生15人)で、4月のテーマは「最近見たバラエティー番組について」でした。30人全員から合わせて27番組への報告があり、さまざまな感想や意見が寄せられました。
複数のモニターが取り上げたのは『それSnow Manにやらせて下さい』(TBSテレビ)、『逃走中 ~ハンターと浅草の相棒~』(フジテレビ)、『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)でした。視聴の仕方はリアルタイムが17人、録画が9人、そのほか(見逃し配信などを利用)が3人でした。
モニターには毎月のテーマのほか、放送に関する「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組」の感想をお願いしています。
「青少年へのおすすめ番組」では、『新プロジェクトX ~挑戦者たち~「東京スカイツリー 天空の大仕事」』(NHK総合)、『理想的本箱 君だけのブックガイド』(NHK Eテレ)、『はるかなる古代文明』(NHK BS)、『さよなら大好きな場所』(テレビ朝日)、『今夜はナゾトレ』(フジテレビ)にそれぞれ複数のモニターが感想を寄せています。

◆モニター報告より◆

【最近見たバラエティー番組について】

  • 『有吉の壁』(日本テレビ)
    たくさんのお笑い芸人がいろんなネタで笑わせてくれるところが良い。裏話(「実は〇〇でネタを思いついた」「振り返り感想戦」など)をやるのも面白いと思う。番組タイトルに“壁”とあるので「〇人の壁(一つのネタで何人笑わせられるか)」といったチャレンジなどもしてほしい。(中学1年・男子・山形)
  • 『逃走中 ~ハンターと浅草の相棒~』(フジテレビ)
    ハンターに捕まりそうな時のBGMが緊迫した感じでとてもシーンに合っている。ミッションにもほどよく縛りがあって、難易度設定がうまいと感じた。推している芸能人が出ていてとても嬉しかった。(中学3年・男子・東京)
  • 『#バズ英語 ~SNSで世界をみよう~』(NHK Eテレ)
    SNSでいつも見ているインフルエンサーのジョルディ・コアリティックとアモーリ・ギションが紹介されていて親近感を持てた。CRAZYCOCOの英語レッスンは勉強しているように感じなくて楽しかった。ゲストとしてまた登場してほしい。(中学1年・女子・鹿児島)
  • 『池上彰のニュースそうだったのか!!』(テレビ朝日)
    出演者の率直な意見を聞くことができて分かりやすく面白かった。他の番組でもいえることだが、株の話題が出ると「やっていない人は損をする」といった意見が見られるので、自分自身に明確な意見がないとメディアの言いなりになりそうで若干怖いと感じる。また軍事の話題を出すのであれば隣国との関係についても知りたかった。(中学2年・男子・東京)
  • 『新プロジェクトX ~挑戦者たち~』(NHK総合)
    放送時間が1時間半と長く途中で飽きてしまったが、録画で何度も見ると中身が入ってきて、最後にスカイツリーが完成したシーンでは感動して鳥肌が立った。現場の人たちの使命感が一番伝わってきたのは、東日本大震災のときに命懸けでゲイン塔を固定しに行ったシーンだ。全員が「行きます」と答えるのを見たときは心に来るものがあった。(中学2年・男子・東京)
  • 『超ド級!世界のありえない映像大賞』(フジテレビ)
    「まばたき禁止!ハッと息をのむ部門」「思わずにっこり!かわいすぎる部門」などといった部門に分けられていて、内容に期待しながら楽しむことができました。大賞となった映像は父と娘の23年間の記録映像で「この記録は今日までの長い予行練習」という言葉に感動しました。映像に出ていた人のその後も紹介してほしいです。(中学2年・女子・秋田)
  • 『それSnow Manにやらせて下さい』(TBSテレビ)
    • USJへの潜入企画は、立ち入り禁止エリアなど普段知ることのできない裏側を見ることができてとても良かったです。出演者が変装してお忍びでパーク内を回る企画は高揚感やスリルを味わうことができましたが、「〇〇さんですか?」とファンが声をかけると1時間の強制休憩になってしまうルールなので、視聴者もモヤモヤするし、ネット上でも「声をかけるな」「自分勝手だ」と放送終了後に毎回もめるので、そこを改善してほしいです。(中学2年・女子・埼玉)
    • 毎週金曜日のこの時間をいつも楽しみにしています。地元の人々と交流する企画をたくさんやってほしいです。(高校3年・女子・栃木)
  • 『生たまごJOY!』(山陰放送)
    「はじめましてプチ情報」の企画がおもしろかったです。初回の放送は自己紹介があればよかったです。マンスリーゲストへの質問時間ももう少し長いといいなと思いました。またBGMが全体的に少し大きいと思いました。(中学2年・女子・鳥取)
  • 『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(テレビ朝日)
    自分が知っている曲やオーケストラ楽団ばかりでとてもひきつけられました。世界的に有名な指揮者であるグスターボ・ドゥダメルさんが取り上げられていましたが、彼を生んだ社会音楽活動「エル・システマ」をこの番組で知ることができました。音楽は平和をもたらすねと家族で話しました。(中学2年・女子・東京)
  • 『キントレ』(日本テレビ)
    特殊メイクをした俳優をドラマ等で見たことはあったけれど、実際にメイクをする姿は見たことがないので興味が持てました。メイクをする映像が少なかったのでもう少し詳しく見たいと思いました。また学校の友だちに番組の話をしたら「録画まではしないけれど、テレビをつけたときに放送していたら見たな」と言われたので、学生でもリアルタイムで視聴しやすい午後6~10時の時間帯で放送してほしいです。(中学3年・女子・神奈川)
  • 『THE突破ファイル』(日本テレビ)
    実話の突破劇がたくさん紹介されていて番組の中の世界がリアルに感じられます。視聴者から寄せられる“身近な突破劇”は明日からでも実践できるようなものもありとても親近感が湧きました。空港の税関職員や市役所職員の努力や技術が紹介されていて勉強になったし、さまざまな仕事に思いを馳せることができる番組がもっと増えればいいなと思います。(中学3年・女子・長崎)
  • 『プレバト!!』(毎日放送)
    「丸太アート」ではチェーンソーアーティストがお手本を作ることで製作者に悪い印象を持たなかった。また製作者のミスを笑いのネタにしていたところがよかった。(高校1年・男子・長崎)
  • 『マツコ会議』(日本テレビ)
    マツコ・デラックスが高校生の最新トレンドに必死に追いつこうとしている姿に心を打たれた。選ばれた高校生と対話していたのが面白く、同じ高校生として気づかされることが多かった。またマツコ・デラックスとディレクター陣が自分たちの世代の話をすることでジェネレーションギャップを強調し、全世代に共感を呼ぶ内容となっていておもしろかった。トレンドに関してはスタジオで出演者が体験するものがあるとより良かったと思う。(高校1年・男子・兵庫)
  • 『芸能人格付けチェックBASIC』(朝日放送テレビ)
    「音楽」など視聴者も参加できるチェックでは視聴者も一緒に考えさせ、「味覚」「嗅覚」といった視聴者が参加できないチェックでは視聴者には早い段階で正解を発表するなど、視聴者を楽しませようとする工夫が常にありました。番組内で使用した食材や楽器を詳しく紹介する動画を番組公式SNSに載せれば、より番組を楽しむことができると思います。(高校1年・女子・愛知)
  • 『相席食堂』(朝日放送テレビ)
    熊田曜子がロケをした北海道の然別湖を今まで知らなかったので、然別湖の絶景や氷で作られた建物やワイングラスなど、私にとって驚きの連続でした。観光客に話を聞くよりも、もっとその町の住民に話を聞くなどして交流するほうがいいと思いました。(高校2年・男子・山口)
  • 『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)
    • 白羽忍者の企画で、最初に「白羽の矢が立つ」のことわざの成り立ちについて説明していて勉強になった。ターゲットであるお笑い芸人ではなく白羽忍者が主役であるかのような演出がおもしろかった。(高校2年・女子・東京)
    • 一番面白かったのは「白羽の矢が立つ」ドッキリだ。気持ち悪さもなくものすごく痛そうでもなく、夜7時という時間にちょうど良い、家族で楽しめるドッキリだった。「無限牛乳」ドッキリは着色した水がどんどん出てきて口から吐き出してしまうから食事中に見るのは不快だし、「配膳ロボットの逆襲」ドッキリではひたすら水を浴びせられるのが痛そうで仕方がない。放送時間と視聴者の生活時間を考えて制作してほしい。(高校2年・女子・東京)
  • 『世界まる見え!テレビ特捜部』(日本テレビ)
    一番興味深かったのは、子どもたちだけで不動産屋を経営する話です。学校の授業の“職業体験”では大人が働いているところを少しのぞき見するだけですが、番組では子どもが家の売却や購入の接客などをしていて、子どもだけでもこれだけできるのかと驚いたし、子どもに全てを任せる海外のおおらかさを感じました。この番組では前半で芸人がドッキリにかけられて汚れてしまうことが多く、毎回ドッキリがあるのはあまりいい気持ちになりません。(高校2年・女子・愛媛)
  • 『ラヴィット!』(TBSテレビ)
    クロストークでクスっと笑えるので、前番組の『THE TIME,』(TBSテレビ)の後も引き続き見ようという気持ちになる。マイナーな記念日や出来事からオープニングトークテーマが決められるので学びになる。これまでゲーム対決のときにゲーム内のプレーヤーと出演者を一致させるのが難しかったが、今回の「パワプロホームラン王」企画では一人ずつ映していて見やすかった。(高校2年・女子・青森)
  • 『月曜から夜ふかし』(日本テレビ)
    毎週月曜が楽しみになるくらいおもしろい番組だと思う。北海道出身の人がゴキブリをカブトムシだと勘違いした話など、出身地ならではの事件が自分の中でお気に入り。昔は遅い時間に放送されていたが、その時のほうがより人間味あふれた話題が多くておもしろかった。(高校3年・男子・埼玉)
  • 『せっかち勉強~知らないとヤバい事~』(日本テレビ)
    「えー」と驚いてもっと詳しく知りたいと思っている間にどんどん番組が進行するため、自分で調べたり人と話したりしてしまう。MCのカズレーザーがひたすらまいていたし放送中もタイマーの音がしていて、ゆっくり紹介してほしいとも思ったが、ダラダラ紹介するより新しい感じの番組でよいと思った。(高校3年・男子・東京)
  • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)
    番組後半の宮川大輔さんのパートではお祭りに参加していましたが、今回は危険な場面や見ていて苦しい場面はありませんでした。解説がついていてルールがわかりやすく、種目が終わるごとにランキングの表示があって、家族みんなで盛り上がることができました。宮川さんがチームメイトを全力で応援しているシーンがこの日の放送の中で最も好印象でした。(高校3年・女子・奈良)
  • 『EIGHT-JAM』(テレビ朝日)
    普段はステージ上でキラキラ歌うミュージシャンが淡々と話す姿は新鮮だし、「こういう考えを大切にしている人なのか」という気づきもあり、歌からだけでなくそういうところからそのミュージシャンを好きになれるのでたくさんの発見がある。この番組のおかげで好きなミュージシャンが増えたのでこれからも視聴を続けたい。(高校3年・女子・熊本)

【自由記述】

  • 『Nスタ』(TBSテレビ)のニュース原稿を紙からタブレットに変更したことがテレビで紹介されていて、SDGs達成のための良いアイデアだと思った。全国の放送局で取り入れるといいと思う。(中学2年・女子・鳥取)
  • 日頃からニュースをよく見ますが、各社で報道の仕方や専門家・有識者の見解が少しずつ違うことに最近気づきました。人が変われば意見も変わるのは当たり前だからこそ、ニュースの“専門家の意見”を安易に鵜呑みにしてはいけないと思います。これはネットなどにも通じることなので、どんな情報もまずは一度疑ってかかり、調べ、自分で考えることが大事だと思いました。(中学3年・男子・千葉)
  • テレビはまだ一大メディアとして機能しているが、ラジオへの関心の低下は著しいと思う。学校に手作りラジオを送っている会社と協働するなどして、その魅力を継続的に伝える努力をするべきだと思う。(高校1年・男子・兵庫)
  • 番組の途中で選挙結果や政治家の発言について速報テロップが表示されることがありますが、災害や交通情報など多くの人に関係があり緊急性があるもの以外は気が散ってしまうので、表示するべきではないと思います。(高校1年・女子・愛知)
  • 恋愛ドラマを見ることが多いのですが、話の展開が似ているものが多いと感じるので、コメディー要素やミステリー要素などを取り入れてほしいです。また“二番手”の人がハッピーになる展開も見たいです。(高校1年・女子・岐阜)
  • 新年度は音楽番組が増えた印象ですが、様々な世代が一緒に楽しめるような番組があまりない気がします。私はライブ感にこだわった番組作りが大切だと思います。アーティストの生ステージの迫力は、ジャンルを超えてどの世代にも感動を与えることができるのではないでしょうか。(高校2年・女子・愛媛)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『さよなら大好きな場所』(テレビ朝日)
    • 普段見ている番組ではナレーターは画面に映らないので、番組ナレーターの山時聡真と清原果耶の横顔が映っていて面白いと思った。“さよならカメラ”は一般人が撮影するので映像のブレや乱れもあったが、食事をする人の笑顔やボリュームのある料理の映像に、お店に対する愛を感じた。(中学1年・男子・山梨)
    • 番組冒頭の「あなたの大好きな場所は、今もそこにありますか」という問いかけで一気に番組に引き込まれ、そのまま食い入るように見ました。(中学3年・男子・千葉)
    • その場所を愛する地域の人が撮影者になるので、人の温かみや切なさ、名残惜しさをより感じることができました。一方で大半の視聴者はその場所を全く知らないので「こういう事に苦労したけれど地域の人と乗り越えてきた」など具体的なエピソードをもっと詳しく説明したほうが、その場所をより身近に感じて共感できるのではないかと思いました。(中学3年・女子・東京)
  • 『新プロジェクトX ~挑戦者たち~「東京スカイツリー 天空の大仕事」』(NHK総合)
    視聴し終わって最初に頭に浮かんだ感想は「勉強になった」です。ハードルの高い挑戦を乗り越えたからこそ得られた経験や考えなどを、番組を通して知ることができました。(中学2年・女子・東京)
  • 『理想的本箱 君だけのブックガイド』(NHK Eテレ)
    • 「コジコジに聞いてみた。モヤモヤ問答集」(さくらももこ著)が一番心に残った。コジコジの何気ない一言がすっと心に入ってくる感じがした。(中学1年・女子・神奈川)
    • ピンポイントに対象を絞ることで、より深く的確な本に出会うことができたと思う。3冊という紹介数もちょうどよく素晴らしい番組だった。最後に紹介されていた「コジコジに聞いてみた。モヤモヤ問答集」を紹介する“映像の帯”がとてもコミカルで記憶に残った。(高校1年・男子・兵庫)
  • 『今夜はナゾトレ』(フジテレビ)
    • クイズ形式で知識がスッと入ってきました。郵便局への潜入は、ふくらPとやす子の対話形式でテンポよく楽しく学ぶことができました。またこの2人のロケが見たいです。(中学3年・女子・神奈川)
    • ところどころ胸が詰まるようなボケとツッコミが繰り広げられることもあるが、それ以外の笑いのシーンは面白いと思う。(高校2年・女子・東京)
  • 『スポ魂★ながさき』(長崎文化放送)
    バスケットボールチームの長崎ヴェルカの取材だったが、長崎のチーム目線でとても見やすく応援することができた。(高校1年・男子・長崎)

◆委員のコメント◆

【最近見たバラエティー番組について】

  • 昨年度までの中高生モニターも含めて「裏話のような企画を見たい」という意見が比較的多く見られる。
  • 『#バズ英語 ~SNSで世界をみよう~』(NHK Eテレ)の番組紹介文に「SNSで今の世界を「今」をキャッチアップ」とあった。中学1年生のモニターが録画視聴したと報告したが、若年層が何を見ようか悩んだときに「SNS」「世界」「今」などは惹句(じゃっく)として有効だと思う。
  • 中学の義務教育の中に職業体験に関連する授業があるが、株式投資や宇宙開発について学ぶ機会はとても少ないと感じる。アメリカではティーンエイジャーが株式投資を学び、実際に株取引をすることもあると聞く。『世界まる見え!テレビ特捜部』(日本テレビ)は大変良い刺激になったのだと思う。

【自由記述について】

  • 高校3年生のモニターから、ウクライナ侵攻に関する報道量を減らして欲しくないとの感想とともに「発信する側で役割をわけることが有効かもしれない」「バランスの取れたニュース番組を見たい」と報告があった。テレビ業界全体でバランスを取るべきだという提案かもしれないが、放送局同士でネタを振り分けることは、放送局の独自性・独立性がなくなるので難しい。モニターの気持ちは受け止めつつ“バランスを取る”ことがいかに難しいかはしっかりと伝えたい。

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 『今夜はナゾトレ』(フジテレビ)に多くのモニターから報告があったが、この番組だけでなく今月の報告全体を通して“学びへの意欲が高い”“実践的な情報を求めている”と感じられた。

今後の予定について

次回は5月28日に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。

以上

2024年4月に視聴者から寄せられた意見

2024年4月に視聴者から寄せられた意見

動物が登場するバラエティー番組で、犬が別の犬に対して攻撃しようと飛びかかった場面を放送したことに対して意見が寄せられました。

4月にBPOに寄せられた意見数は1,877件で、先月から109件増加しました。
意見のアクセス方法は、ウェブ 86.6% 電話 12.3% 郵便・FAX計 1.0%
男女別は、男性 54.1% 女性 29.1% 無回答 16.8%で、世代別では10代 0.9% 20代 10.9% 30代 21.0% 40代 23.0% 50代 23.0% 60代 10.0% 70歳以上 3.7%
視聴者意見のうち、個別の番組や放送局に対するものは各局に送付、4月の送付件数は799件、47局でした。
それ以外の放送全般への意見の中から12件を選び、会員社すべてに送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

動物が登場するバラエティー番組で、犬が別の犬に対して攻撃しようと飛びかかった場面を放送したことに対して批判の声が寄せられました。引き続き二刀流メジャーリーガーの話題についても意見が寄せられています。
ラジオに関する意見は32件、CMについては10件でした。

青少年に関する意見

4月中に青少年委員会に寄せられた意見は68件で、前月から4件減少しました。今月は「要望・提言」が27件と最も多く、次いで「表現・演出」が14件、「報道・情報」が8件、「言葉」が6件と続きました。

意見抜粋

番組全般

  • 政治資金パーティーをめぐる報道で、〇千万円が処分のボーダーラインとか、〇百万円以下ならおとがめなしなどという解説を何度も聞いた。庶民感覚からするとサラリと口にできるような額ではないと思う。そういう感覚を代弁してくれる解説者やコメンテーターがいてくれればいいのにと感じた。

  • ニュース番組で、事故や爆発など目を引く映像がよく使われるが、「~が〇〇しました」、と見た目をアナウンスするだけで、ひどいときには現場が日本なのか海外なのかさえ分からないこともある。「いつ」「どこで」くらいは最低限文字スーパーででも伝えるべきだろう。

  • 取材や中継のためにヘリコプターを飛ばし、ホバリングなどで長時間同じ場所に滞空することは、地域住民に対する騒音加害だということを認識してほしい。各社で一定のルールは作れないのだろうか。

  • 元通訳の単独犯行だったということがはっきりした。二刀流メジャーリーガー本人にも追及の手が伸びるかのようにコメントしていた出演者や番組はどうするのだろうか。ジャーナリズムは根拠に基づいて事実を伝えることが大前提だ。テレビは週刊誌とは違うということを改めて認識してほしい。

  • 2つの番組を合体して1つのスペシャル番組として放送することがよくある。しかし、合体した2つの番組のうちの片方は毎週見ているが、もう一方の番組には興味が無く見たくない、ということもあるだろう。合体することによって放送局側にはメリットがあるのかもしれないが、なんとなく釈然としない。

  • 芸能事務所創業者による性加害問題のその後を追ったBBCの番組に感銘を受けた。翻って、日本のメディアは何をしているのだろうか。BBCの取材結果をそのまま放送するだけで、自分たちはあの問題の取材を継続しないのだろうか。

  • 動物を登場させるバラエティー番組、特に保護犬や保護猫との生活や交流を描く番組の中で、相性がよくないと見られていた犬2頭を同時にドッグランに放ち、一方がもう一方に、攻撃しようと飛びかかった場面の映像を流していた。ショックを受けた人もいると思う。

  • いわゆる“トー横キッズ”の問題を扱うニュースの中で「800万円稼いだ」などとうそぶく未成年のインタビューを流していた。その言葉が事実かどうか確認を取ったとは思えない。また、やすやすと大金を手にすることが出来るかのような錯覚を子どもたちに植えつける恐れがあるということに思いが至らないのかと思う。

  • 全国ネットの番組なのに、番組のはじめの部分数分間や終わりの部分数分間が、地方では見られないということがよくある。その場合、オープニングタイトルやエンドロールも地方では見られない。関東の人はいいかもしれないが地方の視聴者を軽視していることにならないか。

  • TVerなど見逃し配信でテレビ番組を見られるようになった。地上波で番組を見る理由が薄くなってきていると感じる。生放送である必要がないのではと感じる番組もある。リアルタイムで視聴したい、視聴するメリットがあると思わせる番組を増やしてほしい。

青少年に関する意見

【「要望・提言」】

  • バラエティー番組で、競馬に賭け続けて約2億円当てた人を紹介。子どもも見る番組であり、ギャンブルに興味のない人に興味を持たせてしまうことには慎重であるべきだ。まして、普通ではない賭け方がたまたま大当たりした事例だ。生活に支障のない範囲で楽しむべきことを言い添えてほしかった。

  • バラエティー番組に限らず、ドラマやアニメにおいても、障害や難病を持つ人への理解を深めるための配慮を願いたい。ごくふつうに出演者や番組の演出に採用して、その存在が当たり前のことであると認識できるようにしてほしい。

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、ボウリングのレーンの途中にピンを横に並べ、それらのピンを越えるようにボールを投げて競技させた。高いところからボールが落ちて、レーンを激しく傷める。子どもには決して真似してほしくない行為だった。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 朝の報道・情報番組で、男女の遺体が焼かれて見つかった事件について、遺体の状況を詳細に伝えた。幼稚園児や低学年の小学生も見ている時間帯だ。必要以上に詳細な報道は不要だと思った。

【「言葉」に関する意見】

  • 情報バラエティー番組で、芸人の司会者が現職の総理大臣を2回も「やつ」呼ばわりした。一国の総理に対してひどすぎるのではないか。年長者を「やつ」呼ばわりしてもよいとの印象を子どもが持ってしまうだろう。

【「喫煙・飲酒」に関する意見】

  • 1990年代の社会状況をテーマにしたドラマで、高校生の喫煙シーンが多すぎた。女子高生の喫煙シーンもあったので、いまの高校生に悪影響を与えかねないと思った。