視聴者からのご意見

2018年2月に視聴者から寄せられた意見

2018年2月に視聴者から寄せられた意見

韓国・平昌で開かれた冬季オリンピックについて、競技内容や放送全般への意見に加え、韓国と北朝鮮の政治問題を、スポーツの世界に持ち込んだことへの批判や、全国各地の大雪被害に関する報道のあり方への意見など。

2018年2月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,299件で、先月と比較して710件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール86%、電話12%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性56%、女性43%、不明1%で、世代別では40歳代29%、30歳代27%、20歳代18%、50歳代17%、60歳以上7%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。2月の通知数は1,680件【41局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、19件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

韓国・平昌で冬季オリンピックが開かれたが、競技内容や放送全般への意見に加え、韓国と北朝鮮の政治問題をスポーツの世界に持ち込んだことへの批判が、多く寄せられた。また、先月に続き、全国各地の大雪被害に関する報道のあり方への意見も多かった。
ラジオに関する意見は32件、CMについては29件あった。

青少年に関する意見

2月中に青少年委員会に寄せられた意見は95件で、前月から25件減少した。
今月は「表現・演出」が27件と最も多く、次に「動物」と「性的表現」がそれぞれ10件、と続いた。
「表現・演出」では、バラエティー番組で自ら厳しい世界に飛び込んでいった若者を描いた企画について意見が寄せられた。「動物」では、犬の訓練士を取材したドキュメンタリー番組について意見が寄せられた。「暴力・殺人・残虐シーン」では、休日の早朝に放送したアニメ番組について意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • オリンピックが明日開幕するということを知らない人が意外に多くて驚いた。今一つ盛り上がらない原因として、韓国と北朝鮮の政治的駆け引きに注目するテレビ報道が挙げられると思う。「南北合同チームの是非」とか「北朝鮮の芸術団」とか、そんなことばかり取り沙汰されている。本来の"スポーツの祭典"とは違う方向に関心が行っているようで残念だ。今からでも遅くない。報道の仕方を軌道修正してほしい。

  • 平昌オリンピックについて。選手が主役のはずの報道のおよそ半分が北朝鮮応援団の話題ばかりで、異常だ。この日は、日本人選手が出場しているにも関わらず、ニュースになるのは日本人選手の登場に拍手をしない北朝鮮の応援団の情報だった。何のためのオリンピックなのか。北朝鮮の応援団は一度見れば十分だ。

  • 平昌オリンピックが開幕したが、この日の日本海側の天気予報は雪。ちょうど福井県に出張しており、テレビをつけると"大雪警報"の情報が出ていた。詳しく知りたいと思い、開会式を放送している局にチャンネルを合わせたところ、オリンピック映像だけが流れ、警報の文字も何もなかった。視聴者センターに問い合わせると、「オリンピックだから出さない、字幕がないことを視聴者が望んでいる」と言われ、話を聞いてもらえなかった。災害警報よりもオリンピックを優先するというのか。釈然としない思いだけが残った。

  • 福井県を中心とした大雪被害で、およそ1,500台の車が立ち往生し、24時間以上たっても解消の目途が立たないなか、朝・昼のワイドショーなどの、前日に発表された皇室関連の結婚延期報道を延々と繰り返す番組作りに疑問を抱いた。大雪は生活に大きな影響をきたしている。被害を伝える情報が少なく、不安にかられる人たちが大勢いるのではないか。

  • 富山県の大雪は大きな被害をもたらしそうだ。しかしながら、テレビはどの局も時間を割いて報道しない。食料や物資は交通が滞れば届かないのに、情報が必要な地方の人たちを無視して、オリンピック関連や芸能ニュースなどばかり。優先順位が違うのではないか。被害が拡大した場合、メディアにも責任があると思う。必要な人たちに必要な情報を伝えてほしい。

  • 就職活動の取材で許可なく撮影され、ニュースで放送されてしまった。取材クルーは、企業側には許可をとっていたようだが、求職者側にそれはなかった。私は、映り込みではなく、しっかりと顔をさらされてしまったが、就職活動時期が遅いという自覚があるので、あまり人に知られたくなかった。そういった事情を無視されたのは本当に悲しい。

【番組全般・その他】

  • 一般の人を誤って容疑者と報じた朝の番組。この手の後始末は、MCやアナウンサーが謝罪するだけでことを済ます。テレビ局の人間は、企業や政治家が何かやらかすと、「責任はどう取るつもりか」と詰め寄るが、自分たちの商品である"情報"に手違いがあったのなら、それは自分たちの責任問題である。局も番組も非を認めるべきだ。プロデューサー、チェック担当、テロップ作成者、全員そろって謝罪したほうがいいのではないか。どの局も、一昔前に比べたらありえないくらい、名前、写真、情報などの間違いが多い。そして、「大変失礼しました」の一言で次の話題へ行ってしまう。ネタをツイッターから拾い、ユーチューブの映像を紹介する。一般の人たちがすでにSNSで見たものを流す時代。テレビが本当につまらなくなった。

  • 大相撲の緊急特番を見た。一連の暴力事件の報道にもう辟易するが、いまだ解決させたくない向きがあるようで驚かされる。沈黙を続けていた親方が番組でベラベラと喋り、自己肯定、自己弁護に終始し、完全に相撲協会が悪であるかのような発言を並べ立てていた。テレビ局のスタンスが果たして正しいのか、疑問を抱いた。暴力は絶対にあってはならない。しかし、メディアは、視聴者を偏った思想や信条、局独自のポリシーに誘導してはいけない。多角的に物事を分析し、今回の騒動に対しても、双方向の言い分をしっかり取材・調査し、あらゆる可能性を探り、さまざまな意見を提示すべきなのではないかと強く感じた。それらの中から何を選択するかは視聴者の自由であり、決して特定の意見を押し付けられ、偏った方向へ誘導するべきではない。メディアの果たす役割は大きい。慎重に番組作りをしてもらいたい。

  • 女性出演者が、大阪に北朝鮮の工作員が紛れ込んでいるという趣旨の発言をしていた。この発言に関しては二つ問題がある。一つは、情報源を明かさずに発言したこと。現在、北朝鮮が核放棄できるか、核ミサイルを打たないか、国際社会が固唾をのんで見守り、平和的解決に向けて慎重に交渉を進めようとしている時期に、国内向けであっても、むやみな発言は避けたほうがいいし、このような国際問題は虚偽の情報が横行しやすいため、情報源を明確にしてから話すのが適当だ。もう一つは、仮に事実であったとしても、放送で流す内容ではない。もし大阪に北朝鮮の工作員が潜入しているとしても、誰が工作員かということをどうやって知るのか。この発言は、大阪に住んでいる在日コリアンの人たちへの憎悪を煽り、差別やそれに伴う犯罪を引き起こす恐れがあると思う。

  • 私たちが普段しないような、珍しい体験をした人をスタジオに呼び、それを紹介するという番組を見た。女性アナウンサーが、体験談をプレゼンテーションするという形で番組が進んでいく。その進行は、面白おかしく、時には真面目な知識も交えて、というものだ。スタジオに呼ばれた人たちには、それぞれにドラマがあるのだと気付かされることが多々ある。今回は、毛抜きで襲ってきたタクシー強盗に、愛情を持って接したという男性の体験談が紹介された。ゲストの女性タレントが、そのタクシー強盗の言動に厳しい言葉を浴びせた場面もあったが、人には誰しも愛情が必要であることが改めて分かった。お笑い芸人やタレントの内輪話を流すだけの番組より、趣のある番組だと思う。

  • 愛車自慢コンテストの特集を見た。マシンや競技そのものにスポットが当てられることが多いモータースポーツで、レーシングドライバーが、普段どんな車に乗っているのかという特集は、非常に興味深い。今なお愛され続ける往年の名車を大切に乗り続けているドライバー、競技で使用するマシンと同じ車種に乗っているドライバー、あるいは、意外なドライバーが意外な車種に乗っているなど、見ていて非常に楽しい。地上波におけるモータースポーツ番組がめっきり減ってしまった今日、こういった番組や特集をきっかけに、モータースポーツに興味を持つ人が老若男女問わず増えてくれれば、車好きとして嬉しい。

【ラジオ】

  • 私の住んでいる県では、老人たちの老化ぶりを面白がる風潮があるようで、女性パーソナリティーが務める情報番組の冒頭から、それをネタに盛り上がっている。「お年寄りはこんな風になっていくんですよ…」と面白おかしくからかわれ、70代の私にとっては実に不愉快だ。局に抗議をしたが、今のところ何の対応もない。ラジオは毎日楽しみに聞いているが、これには耐え切れない思いがする。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、夢のため自ら厳しい世界に飛び込んでいった若者たちを密着取材した企画について、今どき、このような根性論に終始した指導をする運動部を、美談として紹介するのは、時代錯誤ではないか。これを教育の一環として大人が真似をしたら、体罰問題、パワハラ問題につながるのではないか。

【「動物」に関する意見】

  • ドキュメンタリー番組で凶暴化した犬をしつける犬の訓練士を描いた企画について、訓練とは言い難い暴力を使った虐待であり、犬ならば許されるというものではない。動物に対する虐待が、その後、弱い立場の人間に矛先を変えていくことがあるのではないか。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 休日の早朝に放送したアニメ番組について、子どもが見る時間にあのような残虐なアニメを放送する気がしれない。もう一度、青少年のための番組作りを考え直してもらいたい。最近は、残酷なアニメが親の知らない時間帯に多く放送されていて不安だ。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 話題がオリンピックばかりである。ほぼ一日中、オリンピックを放送しているのに、ニュースの時間まで使う必要はないと思う。ニュースの時はオリンピック以外のニュースを放送するべきだ。政治離れが若者に進んでいる理由には、ニュースでの政治に関する時間が少なすぎることも挙げられると思う。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 科学を扱ったバラエティー番組で、丸刈り頭の芸人の頭に特殊なジェルを塗り、火をつけ、オムレツを焼いていたが、危険すぎる。子どもが真似したら大事故につながる。また、いじめの道具にしたらどうするのか。「マネしないでください」と文字を入れていたが、文字を入れれば何をしてもよいというわけではない。