TBSテレビ『白熱ライブ ビビット』
「多摩川リバーサイドヒルズ族 エピソード7」に関する意見
2017年10月5日 放送局:TBSテレビ
TBSテレビの情報番組『白熱ライブ ビビット』(2017年1月31日放送)の「犬17匹飼うホームレス直撃」という企画内容に、多摩川の河川敷で生活している男性に対する明らかな偏見と名誉毀損的な表現があり、ホームレスの人たちを「迷惑モノ」として扱っている姿勢も看過できないとして、4月の委員会で審議入りした事案。
委員会は、男性の人間性を否定するような強烈な言葉を使ったこと、視聴者に「すぐに怒鳴り散らす粗暴な人物」という印象を与えたことなどの編集や表現方法について、男性の人格を傷つけるだけでなく、ホームレスの人々への偏見を助長する恐れがあり不適切だったとして、放送倫理違反は明らかであるとした。さらに、別のホームレス男性の話を断りなく撮影し放送した点も、取材対象者との信頼関係を損ねる行為であり、これも放送倫理違反と判断した。そのうえで、番組制作スタッフにホームレス問題に対する認識の希薄さがあったことを指摘した。
2017年10月5日 第26号委員会決定
目 次
- I はじめに
- II 審議の対象とした番組
- III 委員会の調査と検証
- 1. 『ビビット』の制作体制
- 2. 本件放送の企画
- 3. 多摩川河川敷での取材
- 4. 編集と問題のイラスト作成
- 5. 本件放送への批判と謝罪
- (1) インターネット上の批判
- (2) 新たな問題が発覚
- (3) 番組とホームページで謝罪
- IV 委員会の判断
- V 「多摩川リバーサイドヒルズ族」シリーズの検討
- 1. 「迷惑モノ」としてスタート
- 2. シリーズ化した経緯
- 3. ホームレスの描き方の変化
- VI 本件放送の要因と背景
- 1. 制作チームが抱えていた問題点
- 2. 制作体制の変化で生じた「すき間」
- 3. バラエティー的な表現の危うさ
- VII おわりに――問われた「集団的無意識」
2017年10月5日 決定の通知と公表の記者会見
通知は、10月5日午後1時30分から、千代田放送会館7階のBPO第1会議室で行われた。また、午後2時30分から記者会見を開き、決定内容を公表した。記者会見には21社37人が出席した。
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