放送人権委員会

放送人権委員会 議事概要

第261回

第261回 – 2018年9月

「命のビザ出生地特集に対する申立て」事案の審理…など

議事の詳細

日時
2018年9月18日(火)午後4時~8時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、白波瀬委員、二関委員、廣田委員、水野委員

1.「命のビザ出生地特集に対する申立て」事案

対象となったのは、外交官・杉原千畝の出生地をめぐって、CBCテレビが2016年7月から翌年6月までに報道番組『イッポウ』で10回にわたり放送した特集等。岐阜県八百津町は千畝の手記などをユネスコの「世界記憶遺産」に登録申請したが、番組では「八百津町で出生」という通説が揺らいでいるとして、千畝の戸籍謄本についての検証や千畝の出生地が記された手記の筆跡鑑定の結果等を放送した。
この放送について、手記を管理しているNPO法人「杉原千畝命のビザ」とその理事長らが「手記は偽造文書であるとの印象を一般の視聴者に与え、さらに申立人らがそれの偽造者であるとの事実を摘示するもので、社会的評価を低下させる」と名誉毀損を訴え申し立てた。これに対しCBCテレビは、「一連の報道は、出生地の疑問やその根拠を再検証したもので、手記が真正か偽造されたものかという判断には踏み込んでいないし、申立人らが偽造したという印象を一般の視聴者が抱くとは思えない」と主張している。
今月の委員会では、第2回起草委員会を経て提出された「委員会決定」修正案を審理し、次回委員会でさらに検討することになった。

2.「芸能ニュースに対する申立て」事案

対象の番組は、2017年12月29日に放送されたTBSテレビ『新・情報7daysニュースキャスター超豪華!芸能ニュースランキング2017決定版』。番組の中ほどで「14位 俳優・細川茂樹 事務所と契約トラブル」とナレーションがあり、「昨年末、所属事務所から『パワハラ』を理由に契約解除を告げられた細川茂樹さん。今年5月、『契約終了』という形で、表舞台から姿を消した。」と伝えた。
この放送について細川氏は、事務所からパワハラを理由に契約解除されたことをわざわざ強調して取り上げているが、東京地裁の仮処分決定で事務所側の主張に理由がないことが明白になっており、申立人の名誉・信用を侵害する悪質な狙いがあったと言わざるを得ないと主張し、謝罪と名誉回復措置を求めて申し立てた。これに対してTBSテレビは、意図的に申立人を貶めた事実は全くないとする一方、放送に「言葉足らずであって、誤解を与えかねない部分があった」として、申立人におわびするとともに、ホームページあるいは放送を通じて視聴者に説明することを提案し、出来る限りの対応をしようとしてきたとしている。
前回の委員会後、申立人から「反論書」が、被申立人から「再答弁書」が提出され、所定の書面が出揃った。
今月の委員会では事務局が双方から提出された資料と主な主張について説明し、委員が意見を交わした。今後、担当委員が事案の論点とヒアリングに向けた質問事項を整理し、次回委員会に提案することとなった。

3. その他

  • 長崎県の民放、NHKとの意見交換会を11月28日に長崎市で開催することになった。

  • 次回の委員会は10月16日に開かれる。

以上