放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 委員会決定

2014年度一覧

放送倫理検証委員会は、「問題がある」と指摘された番組を、調査、審議・審理した結果を、「委員会決定」として公表、掲載しています。

※「放送倫理上問題がある」と指摘された番組は審議、「内容の一部に虚偽がある」と指摘された番組は「審理」

第22号-2015年3月6日 放送局:TBSテレビ、テレビ新広島、テレビ朝日、NHK、日本テレビ

"全聾の天才作曲家" 5局7番組に関する見解

全聾でありながら『交響曲第1番HIROSHIMA』などを作曲したとして、上記5局の7番組をはじめ数多くの番組で紹介されていた佐村河内守氏が、実は別人に作曲を依頼していたことが発覚した事案。
約1年間にわたる討議と審理の結果、委員会は、佐村河内氏の作曲活動や聴覚障害に対する各局の裏付け取材は不十分なところもあったが、放送時点において、その放送内容が真実であると信じるに足る相応の理由や根拠が存在していたとして、各対象番組に放送倫理違反があるとまでは言えないと判断した。
ただし、問題発覚後の対応については不足している点があるとして、視聴者への説明責任を果たすため、民放4局に対しては自己検証の結果の公表を、NHKに対しても再度の自己検証とその結果の公表を要望した。

第21号-2015年2月9日 放送局:テレビ朝日

テレビ朝日『報道ステーション』「川内原発報道」に関する意見

テレビ朝日の『報道ステーション』(2014年9月10日放送)で、原子力規制委員会が九州電力川内原発の新規制基準適合を正式決定したニュースを放送した際、規制委員会・田中委員長の記者会見の報道内容に事実誤認と不適切な編集があった事案。
委員会は、問題の放送にいたった経緯や原因などを検証した結果、担当ディレクターらの「故意」や「恣意的・作為的な編集」は確認されず、過失であったとしながらも、事実誤認と不適切な編集のいずれも、客観性や正確性を欠き、放送倫理に違反すると判断した。
その上で、「この事案で萎縮することなく、失敗から学んだ教訓を血肉化して、今後の報道に当たってほしい。視聴者の信頼を回復する道は、前へ進むことによって開かれる」と結んでいる。

第20号-2014年4月1日 放送局:フジテレビ

フジテレビ『ほこ×たて』「ラジコンカー対決」に関する意見

フジテレビのバラエティー番組『ほこ×たて 2時間スペシャル』(2013年10月20日放送)で、出演者のラジコンカー操縦者が放送後、「対決内容が編集で偽造された」と指摘し、社内調査の結果、視聴者の期待と信頼を裏切ったとして、番組が打ち切られた事案。
委員会は、「ない対決を、ある」としたことや制作体制の組織的な問題などを指摘して、「番組の制作過程が適正であったとは言い難く、重大な放送倫理違反があった」とする意見を公表した。
また、出演者が演出上の問題点を指摘し、委員会があわせて審議の対象とした2011年と2012年の2回の放送については、当事者間で議論をつくし、できればその結果を公表してもらいたいと要望した。