放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 委員会決定

2007年度一覧

放送倫理検証委員会は、「問題がある」と指摘された番組を、調査、審議・審理した結果を、「委員会決定」として公表、掲載しています。

※「放送倫理上問題がある」と指摘された番組は審議、「内容の一部に虚偽がある」と指摘された番組は「審理」

第03号 - 2008年2月4日 放送局:テレビ朝日

テレビ朝日『報道ステーション』マクドナルド元従業員制服証言報道に関する意見

「マクドナルド製造日偽装問題」のニュースの中で、店の制服とバッジをつけた女性が「直営店でも商品の調理日改ざんをしていた」との内部告発の証言を放送したが、女性は現職ではなく、番組は、店員の制服を着て店長代理のバッジをつけた元店員が内部告発の証言をするという演出をしたことについて謝罪放送をし、また、証言者が番組関係者であることも明らかにした事案。委員会は、こうした安易な演出は、報道にあたっての慎重さに欠けるものであったなどと指摘した。

第02号 - 2008年1月21日 放送局:フジテレビ

FNS27時間テレビ「ハッピー筋斗雲」に関する意見

フジテレビは、27時間テレビのコーナー企画「ハッピー筋斗雲」で、素晴らしい活動を行っている人として地震の被災者やいじめ問題で苦しんでいる学校関係者に亡き父の名を冠したりんごを送って励ましている一般の人を紹介。その際、"ドッキリ企画"として、その人にスピリチュアルカウンセラーのカウンセリングを受けさせたところ、のちに、本人から「善意の放送の形をとりながら、結果的に自分や周囲の人たちが傷つけられた」と、抗議が寄せられた。
委員会は、放送基準が慎重な扱いを求める「スピリチュアル・カウンセリング」なるものを、「おもしろく」見せるために、出演者の生活に関わるマイナス情報を十分な裏付けを取らずに放送したことについて、取材・構成・演出上、放送倫理違反があると判断した。

第01号 - 2007年8月6日 放送局:TBS

TBS『みのもんたの朝ズバッ!』不二家関連の2番組に関する見解

TBSは、不二家の元従業員の内部告発に基づき、賞味期限切れチョコレートの再利用疑惑を報じた。その際、不適切な表現等があったとして、後日の番組内で、訂正とお詫びをした。委員会は審理を行い、発足後最初の決定であることから、決定内で放送倫理検証委員会の役割、審議、審理の区別、見解と勧告のちがいなどを詳しく説明した。そして、内部告発の根幹部分については、それを信じるに足る相当の根拠や理由はあったと判断。ただし、取材メモの紛失や広報窓口依存の取材、不注意なVTR編集、チョコレート製造工程に関する認識不足、断定・断罪的なコメント、放送前の打合せの不十分さなどに起因する不適切な放送をしたことに放送倫理上の落ち度があったと指摘した。また、謝罪の内容についても、訂正お詫びの主語や範囲の曖昧さ、放送から時間がかかりすぎている点を問題視した。最後に「番組は、もっとちゃんと作るべきだ」との委員の声でまとめた。