放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 委員会決定

2009年度一覧

放送倫理検証委員会は、「問題がある」と指摘された番組を、調査、審議・審理した結果を、「委員会決定」として公表、掲載しています。

※「放送倫理上問題がある」と指摘された番組は審議、「内容の一部に虚偽がある」と指摘された番組は「審理」

第07号 - 2009年11月17日

最近のテレビ・バラエティー番組に関する意見

9ヶ月にわたりテレビバラエティー番組について議論し、これまでの意見書のフォーマットや文体とは異なり、意見書そのものをバライティー風に表現した。「バラエティー番組がこれまで人々をタブーから解放し、より自由で、風通しのよい社会を作ることに貢献してきた事実を高く評価するがゆえに、一方でバラエティー番組においては放送倫理がもっと実質的に尊重されるような意見を述べつつ、その特性を発揮するよう制作者を励ますことの出来る方法はないものか、と悩み続け」ながら、作成された。この意見書を素材にした番組が作られ、全民放キー局の制作者によるシンポジウムが開かれるなど大きな反響を呼んだ。

第06号 - 2009年7月30日 放送局:日本テレビ

『真相報道 バンキシャ!』裏金虚偽証言放送に関する勧告

岐阜県が発注した土木工事に絡み裏金作りが行われているという建設会社役員の証言をスクープとして報じたが、証言が虚偽であることが判明し、結果として誤報となった事案。委員会は、十分な裏付け取材をしなかったために、虚偽の告発情報が放送され、結果的に番組が犯罪行為の手段とされたとして、初めての勧告を出し、日本テレビに検証番組の制作などを求めた。

委員長談話 - 2009年7月30日 放送局:TBSテレビ

『情報7days ニュースキャスター「二重行政の現場」』について

大阪府の府道と国道との交差点で、大阪府の清掃車が、清掃用のブラシを上げて国道は清掃しないようにして通行する映像が二重行政の象徴的なシーンとして放送された。しかし、これが通常の作業と異なり、TBSの依頼によるものだったことが判明、TBSも行き過ぎた取材を認め、2週間後にお詫び放送を行った。委員会は審議事案とはしなかったが、委員長談話を公表して、委員会の姿勢を明確にした。

第05号 - 2009年4月28日 放送局:NHK

NHK教育テレビ『ETV2001シリーズ戦争をどう裁くか』第2回「問われる戦時性暴力」に関する意見

戦争と裁判をメインテーマに、戦時下における性暴力を扱った8年前のノンフィクション番組(『ETV2001「シリーズ戦争をどう裁くか 第2回問われる戦時性暴力」』)が制作過程において政治的な圧力により内容が不当に改変されたと関係者による指摘があった事案。委員会は公共放送NHKの自主・自律を危うくし、視聴者に重大な疑念を抱かせる行為だったなどと、指摘し、放送・制作部門と国会対策部門の分離がなされるべきだと述べた。