放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 委員会決定

2012年度一覧

放送倫理検証委員会は、「問題がある」と指摘された番組を、調査、審議・審理した結果を、「委員会決定」として公表、掲載しています。

※「放送倫理上問題がある」と指摘された番組は審議、「内容の一部に虚偽がある」と指摘された番組は「審理」

第15号-2012年10月4日 放送局:日本テレビ

日本テレビ『芸能★BANG ザ・ゴールデン』に関する意見

週刊誌や芸能ニュースなどで話題になっていた占い師が出演するかのように、新聞の番組欄や番組内スーパーで告知したが、実際に出演したのは別の女性占い師だったという事案。委員会は「出る出ると手を変え品を変えて煽っておいて、最後に何のオチも工夫もないままに、全然ちがう人物を登場させるのは、羊頭狗肉そのものである」「ラテ欄での告知と、番組中のナレーションやサイドスーパーなどにおいて不適切な言葉を多用し、過剰な演出によって視聴者をあざむくなど、放送倫理に反したものであった」などと、指摘した。

委員長談話-2012年10月3日 放送局:フジテレビ

フジテレビ「『めざましテレビ』ココ調・無料サービスの落とし穴」について

無料サンプルに応募したところ化粧品会社からのセールス電話が36分間にも及んだと報じたが、電話はディレクターが意図的に引き伸ばし、会話は無断録音だったこと、さらに無料カットサービスのロケでも美容師の声を隠し録音していたことなどが、判明した事案。 委員会は、本事案には放送倫理違反があると判断しながら審議の対象とはしないと決定した理由を明らかにする必要があるとして、「隠し撮り(録音)」という取材手法に対する委員会の姿勢と、審議の対象とする際の委員会の基準を、委員長談話として説明した。

第14号-2012年7月31日 放送局:日本テレビ

日本テレビ『news every.』の「飲み水の安全性」報道に関する意見

福島第一原発の事故の影響で懸念されている水道水の安全性の問題を特集企画で検証した際、最近「宅配の水」として利用者が急増しているボトルドウォーターについても取り上げた。この中で、利用者として紹介され、子どものためにも宅配の水のほうを選ぶとコメントした女性が、一般の利用客ではなく、宅配水メーカーの経営者の親族で、同社の大株主でもあったことが判明した事案。
委員会は、約1年前に同じ放送局の同じ番組の「ペットビジネス」報道でも、類似の問題が繰り返されたことを重視して比較検討した。その結果、取材・制作スタッフが実績のあるベテランだったため内部チェックが空洞化したこと、1年前の教訓をもとに策定された「企業・ユーザー取材ガイドライン」が現場で血肉化されておらず機能しなかったことなどを指摘した。