青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第79回

第79回 – 2007年5月

フジテレビ『はねるのトびら』に関する回答を基に審議

中学生モニターについて …など

フジテレビ『はねるのトびら』に関する回答を基に審議

『はねるのトびら』のシリコンゴム巻きについては、前回委員会で審議し、フジテレビに対し下記の文書で回答を求め、今委員会では同社からの回答を基に審議した。

〔フジテレビへの回答のお願い〕

2007年4月27日

  • 子どもが模倣する可能性、また、模倣した場合の危険性についての配慮はあったのか。
  • 危険予告や模倣禁止のテロップ(「危ないので、真似をしてはいけません」など)が入っていないのは何故か。
  • 同パフォーマンスは、今後も採用される予定があるか。

なお、貴局の番組審議会で審議予定がある、あるいは、すでに審議した場合は、その旨もご記載ください。

〔フジテレビからの回答〕

2007年5月11日

4月27日付け「視聴者からの意見に対する回答のお願い」に対して以下の通り、回答申し上げます。

今回のパフォーマンスは年少者の視聴割合が高い当番組の放送時間帯(毎週水曜日19:57~20:54)を考えた場合、非常に配慮に欠けた内容であったと申し訳なく思っております。

今回のパフォーマンスにおいては企画立案の段階から安全性に特に注意し、撮影に使用する道具(シリコンゴム)を厳選した上、スタッフによるパフォーマンスのシミュレーションを徹底的に行ない安全面を確認し実施致しました。使用した道具による安全性は確保されていたとはいうものの、その道具が一般の方にはなじみが薄く代替品によって年少者が模倣する可能性については配慮に欠けていたと思っております。更に代替品による模倣の可能性の意識が希薄であった為、その危険性に対する注意喚起のテロップなども欠落したことは大変申し訳なく思っております。

今後は番組が視聴者、特に年少者に与える影響力を最大限考慮し、同パフォーマンスを実施する場合には再度安全面に留意し、放送上の注意喚起を徹底させ、よりよい番組作りに邁進する所存です。

また、ご質問にありました当社の番組審議会での状況ですが、現時点では当該放送内容に関しての審議履歴も審議予定もございません。

各委員の意見は次のとおり。

  • 配慮に欠けていたことを謝罪している点は認めるが、シリコンゴムの安全性を確認しただけで、ほかのもので子どもが真似することについて意識が行かなかったということには驚きを感じた。
  • 安全面に留意しながら今後もシリコンゴムのパフォーマンスを続けると受け取れるが、身体を痛めつけるような行為についてはもっといろいろな角度から社内で検証してほしい。
  • 注意喚起のテロップを入れれば問題がなかったように受け取れるところが気になるが、危険性については委員会の指摘を受け入れているので回答のお願いを求めた意味はあったのではないか。
  • 自社の番組審議会での審議予定はないとあるが、このパフォーマンスについて回答要請したことをあまり問題視してないのではないか。もっと社内で検討することが望ましい。
  • 視聴者意見を基に青少年委員会で審議し、その番組に問題があると指摘された場合は、当該局はその事実を自社の番組審議会に知らせてほしい。委員会としても”審議会に知らせてください”ということをお願いしていいのではないか。

以上の審議を踏まえて、フジテレビに対して、「シリコンゴム巻きを含め、同番組で行われている身体を痛めつける罰ゲーム的な行為について、今後の制作にあたっては危険性などをもう一度吟味してほしい」また、「今回の『はねるのトびら』に関する経緯を自社の番組審議会において報告することを希望する」旨の文書を出すことを決めた。なお、今月は中学生モニターからも『はねるのトびら』について、「見ていて元気が出てくる」など良い点も挙げながらも、「”ひどすぎる””かわいそう”と思える罰がたくさんある」といったレポートが寄せられており、参考として文書に加えることとなった。

〔委員会終了後、フジテレビ『はねるのトびら』に対する文書について、さらに検討した結果、より議論を深める点があるとの結論に達し、次回委員会で再度議論することになった。〕

次に、視聴者意見の審議では、「バラエティー番組の中で、若手芸人に対し性器を見せろと強要していた」とか「ラジオの深夜放送での性的表現がひどい」といった性に関するモラルの低下についての視聴者意見に対し、委員からは次のような意見が述べられた。

  • あまり過剰な反応をするのはいかがなものかと思うが、全体的にテレビ・ラジオとも性に対するモラルが低下しているのは問題だと思う。
  • ラジオの深夜放送はアナーキーなメディアで、また生放送なので放送基準すれすれでやっていることもある。テレビと同じに論じるのは無理があると思う。
  • 性に対する品性は確かに低下している。これがいいとは思わないが、あまり神経質に過剰反応して世の中すべてが性に対してクリーンになることには疑問を感じる。

また、同じく性のモラルについて、「幼児の全裸が出てくる映像や小学生くらいの少女を男性が抱き上げるシーンで下着が見えたりすることについて、今、保育園では、1歳の子どもを扱う時は同性の保育士がやるなど気を使っている。幼児に対して性的興味を持たせる映像は流すべきではない」という視聴者意見に対し、委員からは「この意見は少し過剰な反応ではないか。今は男性の保育士もいるので、女性の保育士しか小さな女の子を扱うことができなくなってしまう」という発言があり、これに対し「テレビでは、かわいいからと小さな子どもの裸や女児の下着が見えることも放送しているが、日本は子どもの性についてまだまだ鈍感ではないかと感じる。今は学校内での教師による猥せつ事件や幼児への性的虐待について社会的意識が高まっているので、現状を認識して番組を作ってほしい」といった意見が出された。

なお、前回委員会から検討することとなった「委員会が問題視している番組の提供スポンサーの責任」について、「”企業のコンプライアンスとして、低俗番組のスポンサーとなることに疑問を感じる”といった視聴者意見が寄せられていて、改めてスポンサーの責任について検討する必要を感じた」との委員からの発言があり、今後の取り組みとして「スポンサーの責任を認識してもらうために、広告担当者ではなく経営のトップの方と青少年委員会が懇談する場を設けてはどうか」という提案が出され、検討することとした。

中学生モニターについて

今月は全国の中学生モニター30人から43件(1人で複数件の報告あり)の意見が寄せられた。今回は地域放送の番組についての報告もあった。

内容は、今月はドラマについてが一番多く16件、バラエティーが15件、アニメ番組4件、情報・討論番組とニュースと映画が各2件、音楽番組とドキュメンタリーが各1件だった。

局別ではフジテレビと日本テレビが14件ずつ、NHK5件、テレビ朝日3件、テレビ東京とTBSが2件ずつ、朝日放送・東海テレビ・テレビ愛媛が各1件だった。

  • ジャンル別で件数が一番多かったドラマでは、『バンビーノ!』に4件、『ライアーゲーム』に3件意見が寄せられた。『バンビーノ!』は意見が賛否に分かれた。好評は「半人前(自分では一人前だと思っている)の見習いシェフの成長物語で、ストーリーの展開が早く、料理シーンも臨場感あふれていた」というものだった。先輩が主人公をいためつける暴力についても、「暴力=イジメではなく暴力シーンを全て排除すると現実からかけ離れたものになってしまう」という肯定的な内容だった。批判は「話の展開を難しくならない程度にもう少し複雑にしてみると単調にならず見ることができると思いました。また登場人物が前に出すぎる感じもある気がしました」という内容だった。
    『ライアーゲーム』は好評で、「面白いです!最高です!若い人のことを良く考えてつくってるな…と思います」、「僕が今まで見た番組中では上位の方です。騙しあいの後のトリックの説明がとても分かりやすかったです」などという意見が寄せられた。ただ漫画が原作である点については「先が読めてしまうし、原作が好きな人にとっては受け入れがたいと思います。やるとしたらもっと回数を増やして欲しいです」という要望があった。
    2件ずつ意見があったのは『セクシーボイスアンドロボ』『プロポーズ大作戦』『喰いタン2』で概ね好評だった。
    『生徒諸君!』へは、「自分と同年代の中学生の話なので、興味を持って見始めたが、あまりに悲惨な内容で3話見たところで見るのをやめてしまった」という感想が1件寄せられた。
  • バラエティーでは『はねるのトびら』に2件意見があったほかは1件ずつだった。『はねるのトびら』への意見は2件とも賛否両論が併記されたもので、良い点は「”短縮言葉”や”ほぼ100円ショップ”などコーナーの内容がおもしろく、見ていて元気が出てくる所です」など。悪い点は「芸人さんに対しての罰や食べ物の扱い方です。見ていて”ひどすぎるだろう”とか”かわいそう”と思える罰がたくさんあります。その人をケガさせるような行為があり、そういう面ではショックです」などというものだった。
    好評だった番組は『世界の果てまでイッテQ』、『20年大河バラエティー!超近現代史!さんま&所が解明!?』『学校へ行こうMAX』『ぴーかんテレビ』(東海テレビ)などだった。
    批判意見としては、『週刊オリラジ経済白書』に「知っても何の得にもならないようなことばかりして、そのために莫大なお金がかかっています」、『いきなり!黄金伝説』に「大食いはやたら大きなメニューを何分で食べるとかいうもので見ていてしんどくなります。お店の人はどう思っているのかなあとか。食べたくても食べられない国も多く、日本でもそんな人がいるし、もっと考えてほしいと思った」などが寄せられた。
  • アニメ番組では、『のだめカンタービレ』『おねがいマイメロディーすっきり』には1件ずつ好評意見が、『名探偵コナン』には先月と同様「テレビの前で見ている私たちも一緒に推理していけたらいいなと思います」という要望が、『ケロロ軍曹』にも「オタクの人にしかわからないネタが多めだったので、どんな人が見てもよくわかるものにしたほうがいいと思います。またエロチックなシーンも多く、家族が見ているので、できる限りそういうシーンはやめたほうがいいと思います」という要望が寄せられた。
  • その他の分野では、『ニュースZERO』『その時歴史が動いた』『ダーウィンが来た!生き物新伝説』『海猿』『尾崎 豊 15年目のアイラブユー』に好評意見が寄せられた

青少年委員会での、委員の発言は以下のとおり。

  • 『はねるのトびら』の2件の意見は、番組を楽しんでるにもかかわらず、罰ゲームのやり方に疑問を持っている。これが中学生の平均的な意見だと思う。制作者側に罰ゲームについて考慮してほしい。
  • ドラマの『バンビーノ!』や『喰いタン2』でスパゲッティーを食べるとき音を出しているという指摘があった。確かにテーブルマナーや文化の違いなどをテレビで学ぶのは大切なので、細かいところまで気を使う必要がある。
  • ドラマの原作が漫画ばかりという指摘が今月もあった。オリジナル脚本のドラマがもっと作れないものか。
  • 中学生の意見には子どもならではの感覚や好みが投影されており、大人が気付かない指摘も多々ある。中学生モニター報告は当該番組制作局に送付しているが、制作者側になかなか伝わらないのが残念だ。中学生の意見には子どもならではの感覚や好みが投影されており、大人が気付かない指摘も多々ある。中学生モニター報告は当該番組制作局に送付しているが、制作者側になかなか伝わらないのが残念だ。

調査・研究活動について

橋元委員から「小中学生はテレビをどう見ているか?―36人インタビュー調査」について、事前アンケートと日記式生活行動調査のまとめに入り、報告書の章立てを考える段階になっている、との報告があった。