東京メトロポリタンテレビジョン
『ニュース女子』沖縄基地問題の特集に関する意見
2017年12月14日 放送局:東京メトロポリタンテレビジョン
放送倫理検証委員会は、「東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)『ニュース女子』が2017年1月2日に放送した沖縄基地問題の特集を審議してきたが、このたび委員会決定第27号として意見書をまとめ公表した。当該番組はTOKYO MXが制作に関与していない“持ち込み番組”のため、放送責任のあるTOKYO MXが番組を適正に考査したかどうかを中心に審議した。
委員会は、(1)抗議活動を行う側に対する取材の欠如を問題としなかった、(2)「救急車を止めた」との放送内容の裏付けを制作会社に確認しなかった、(3)「日当」という表現の裏付けの確認をしなかった、(4)「基地の外の」とのスーパーを放置した、(5)侮蔑的表現のチェックを怠った、(6)完パケでの考査を行わなかった、の6点を挙げ、TOKYO MXの考査が適正に行われたとは言えないと指摘した。そして、複数の放送倫理上の問題が含まれた番組を、適正な考査を行うことなく放送した点において、TOKYO MXには重大な放送倫理違反があったと判断した。
2017年12月14日 第27号委員会決定
目 次
- I はじめに
- II 審議の対象とした番組
- 1. 『ニュース女子』について
- 2. 本件放送の取材VTRの内容
- 3. スタジオトークの内容
- III 番組制作の経緯と放送局の考査
- 1. 沖縄取材の経緯
- 2. TOKYO MXの考査体制
- 3. 本件放送の考査内容
- IV 委員会の調査
- 1. 委員会が独自に調査した理由
- 2. 基地建設反対派は救急車を止めたのか
- 3. 基地建設反対派は日当をもらっていたのか
- 4. 「いきなりデモ発見」の場面
- V 考査に対する検証
- 1. 抗議活動を行う側に対する取材の欠如を問題としなかった
- 2. 「救急車を止めた」との放送内容の裏付けを確認しなかった
- 3. 「日当」という表現の裏付けを確認しなかった
- 4. 「基地の外の」とのスーパーを放置した
- 5. 侮蔑的表現のチェックを怠った
- 6. 完パケでの考査を行わなかった
- VI 委員会の判断~重大な放送倫理違反があった
- VII おわりに
- 沖縄本島のイラスト
2017年12月14日 決定の通知と公表の記者会見
通知は、12月14日午後1時30分から、千代田放送会館7階のBPO第1会議室で行われた。また、午後2時30分から記者会見を開き、決定内容を公表した。記者会見には30社72人が出席した。
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2018年6月8日【委員会決定を受けてのTOKYO MXの対応】
標記事案の委員会決定(2017年12月14日)を受けて、当該の東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)は、2018年3月、対応と取り組み状況を委員会に提出した。委員会では、この対応報告では内容が不十分であるとして4月に追加の質問をし、5月、TOKYO MXから補充の報告があった。
6月8日に開催された委員会において、これらの報告書の内容が検討され、了承された。
TOKYO MXの対応
目 次
- 1. 委員会決定について放送した報道および情報番組
- 2. 委員会決定の当社社内での報告と周知
- 3. 放送番組審議会での取り扱いについて
- 4. 考査部の取り組みについて
- 5. 報道特別番組について
- 6. 研修会の実施
- 7. 終わりに
追加の質問
TOKYO MXの補充の報告