第108回 – 2010年1月
視聴者意見について
中学生モニター報告 …など
1月26日に開催した第108回青少年委員会では、12月16日~1月15日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見について審議した。また、来年度からのモニター制度改革について審議したほか、来年度の調査・研究のテーマについて議論した。
議事の詳細
- 日時
- 2010年 1月26日(火) 午後4時30分~7時
- 場所
- 「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
- 議題
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視聴者意見について
中学生モニター報告について
調査研究について - 出席者
- 汐見委員長、境副委員長、小田桐委員、加藤委員、軍司委員、萩原委員、渡邊委員
視聴者意見について
担当委員から、寄せられた視聴者意見の概要についての報告を受け審議したが、特に取り上げるべき番組はなかった。
中学生モニター報告
1月のテーマは、年末年始の”特番”を見て「面白かった番組」「面白くなかった番組」で、その番組を見ようと思った理由や、見た結果どこが良かったのか、もしくは何が期待はずれだったのかを報告してもらうもので、30人から率直な意見が寄せられた。
【主なモニター意見】
いちばん意見の多かった番組は『NHK紅白歌合戦』の14件で、そのうち8件が好評、6件が批判的な意見だった。「”紅白”は小さいころから飽きてしまい、つまらないという印象がありましたが、今回は私の大好きな嵐が出場するということや60回記念ということに興味があり最初から最後まで見ました」「今年は僕的には最高の年でした!”こども紅白”という企画では大橋のぞみちゃんと加藤清史郎くんが緊張しながらもしっかり司会しているところに感心しました」「”紅白”には絶対に出ないといわれていた矢沢永吉さんが出演してびっくり。SMAPがマイケル・ジャクソン追悼のために彼の名曲を歌ったり踊ったりしていて久しぶりにドキドキしました」「私はジャニーズのグループがたくさん出るのでうれしいけれど、今年はジャニーズや芸人に頼っているようで、それは歌番組本来の楽しみ方ではなく演芸番組になってしまっていると思いました」「私はジャニーズファンではないので、曲と曲の間にちょこちょこ出てきていたのには少しガッカリ。結局、結果も白組の勝ち。紅組にも素晴らしい方はたくさんいるのに、ずっと白組ばかり勝っているのはこういうことも原因なんじゃないかなと思います」。
次に多く意見が寄せられた番組は日本テレビの『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで大晦日スペシャル!!~絶対に笑ってはいけないホテルマン24時!』の8件で、6件が好評の意見だった。「僕は受験生ですので最後まで見ることはできませんでしたが、久しぶりに腹の底から笑うことができました」「やはりダントツで一番面白かったです。5人のメンバーと”ケツバット”のルールが元祖から変わらずシンプルなところで笑えます。一年の終わりに相応しいかどうかは分かりませんが、十分見応えがありました」「6時間は少し長すぎではないかと思いましたが、この不景気の中、一年を大笑いして越せるというのはとても良いことだと思います」。批判的な意見は2件で「以前はいきなり江頭2:50が出てきて踊りだすなど破天荒な笑いで楽しめましたが、今回は出演している芸人の元奥さんなどが出ていたりして、ここにも内輪ネタの波が来たかと嘆息の思いでした」「後半になるにつけ尻を叩くのを見ていると不愉快になってきました。下品にも程があります。ただ、これは叩かれた芸人さんではなく、作家や演出家の人が悪いと思います。来年から、企画を考え直した方が良いはずです」。
朝日放送の『芸能人格付けチェック!これぞ真の一流品だ!2010お正月スペシャル』には好評の意見6件が寄せられた。「毎年家族そろって見ています。芸能人が高飛車に言っている様子が映し出され、失敗するところがとても面白いです。内容は毎年似たようなものですがそのままでいいと思うし、続けてやってほしい番組です」「GACKTさんが2年連続”一流芸能人”になれるかが気になって見ました。GACKTさんが正解したときのポーズがおかしかったです」。
一方、批判的な意見が多かったのは、通常のバラエティー番組のスペシャル版。『Qさま!!芸能界最強漢字王決定戦3時間SP』(テレビ朝日)には、「3時間、すべて漢字の問題だったのには飽きました。3時間もあるのだから、漢字以外の問題やいつもと違う出題をするなど工夫してほしかったです」。また『SASUKE2010』(TBS)には、「サスケのステージは毎回毎回工夫が凝らされてより難しくなっていて、3rdステージやファイナルステージなどを見ていると手に汗を握る。ただ、前は放映時間が短かったのにお笑い芸人が笑いをとるために出るので、長くて最後まで見切れない。お笑い芸人もきちんと予選を通って出てくるようにすれば…」といった意見が寄せられた。
今年は特に長時間番組が多かったことから、「長すぎる」「2時間くらいに編集してほしかった」「途中で寝てしまった」という意見や、「通常番組の”特番”の場合、ぜひ見てほしいという工夫や熱意に欠けていた」という意見もあった。
【委員の所感】
- 中学生が面白いと感じた番組が何本かに集中していたことに特徴があった。『芸能人格付けチェック!』や『とんねるずのスポーツ王は俺だ』などは企画が優れており、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!大晦日スペシャル!!』は凝った作りで、大人が見ても面白いと感じる番組だった。ただ、多くの中学生が今年の特番を「ムダに時間が長いだけ」と報告してきたことには同感だった。
- 『NHK紅白歌合戦』が多くの家庭で見られていることが意外で、年越しの夜の家族の風景があまり変わっていないことが印象に残った。また、紅組、白組の投票に参加した中学生がいることも意外だった。
- 年末の『熱血!地球教室2009~カンボジアで夢と希望の特別授業』(TBS再放送)を見た中学生から「戦争が終わっても地雷など戦争のつめ跡が今でも残っていることや、勉強できることの大切さを学んだ」という報告に感心した。これからはアジアへ目を向ける放送がより重要になると考えられるので、ぜひ放送局にそうした番組を制作してほしい。
【中学生モニター会議】
2009年度後期の中学生モニター会議は、1月10日に東京・紀尾井町の千代田放送会館で開かれた。テーマは、「もし自分がディレクターだったら、『私の見たい番組』『私の作りたい番組』」で、全国から19人の中学生モニターが参加し、7人の委員と熱心に意見交換を行った。会議の内容はまもなく冊子としてまとめ、関係各所に送付する予定。
【2010年度「中高生モニター」募集について】
2006年度から続けている「中学生モニター」を、2010年度から「中高生モニター」に変更して募集を開始した。新しいモニター制度は、枠を中学生から高校2年生まで拡大し、任期もこれまでの半年から1年に変更。毎月のモニター報告も、3~4カ月単位で1つのジャンル(バラエティー番組、情報・報道番組、アニメ・ドラマほか)を取り上げ、意見や感想を報告してもらう。締め切りは2010年3月8日(当日消印有効)。詳細と応募用紙はBPOホームページに掲載している。
調査研究
4委員によるワーキンググループの第1回分科会の経過報告を受け、調査テーマや日程等について審議し、引き続き検討することとした。