青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第107回

第107回 – 2009年12月

視聴者意見について

中学生モニター報告 …など

12月22日に開催した第107回青少年委員会では、11月16日~12月15日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見を基に、報道及びバラエティーの各1番組について視聴し審議した。また、中学生モニター報告について審議したほか、1月10日に開催する「中学生モニター会議」の内容や進行等についても議論した。

議事の詳細

日時
2009年12月22日(火) 午後4時30分~7時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見委員長、境副委員長、小田桐委員、加藤委員、軍司委員、萩原委員、渡邊委員

視聴者意見について

1.日本テレビ 『真相報道バンキシャ!』

未成年の少女を働かせる「密着エステ店」の実態を報道するコーナーで、男性の下半身部分をマッサージする映像が流されたことに対し、「ひわいな映像で、休日の夕方の子どもが見ている時間に流す映像ではない」といった意見が寄せられ、番組を視聴の上、審議した。

<委員の主な意見>

  • 未成年者をいかがわしい商売の道具に使っている実態を報道する意味はある。特に、対象となっている子どもたちが見ている時間にやることも理解できる。
  • 問題の映像をことさら強調しているわけでもなく、ひどい映像でもない。問題にする番組にはあたらない。
  • 取り上げることは重要だと思うが、視聴者から複数の意見が来たのは、取材や掘り下げが浅く、映像だけに目が行ってしまったからではないか。

委員会としては審議の結果、問題のある放送内容にはあたらないということで一致した。

2.TBS 『ひみつの嵐ちゃん!』

嵐のメンバーの一人を霊に見立て、塩をまくといった除霊行為をするなどの放送内容に対し、「集団いじめで、子どもたちがまねをする」等の意見が寄せられ、番組を視聴の上、審議した。

<委員の主な意見>

  • 企画自体は安易だが、遊びだとすぐ分かる内容でいじめなどに結びつくものではない。
  • 人気グループだけに、ファン心理から多くの意見が寄せられたもので、問題がある内容とは思わない。
  • 霊的なものを道具に使ったことに対する不快感を多くの人が感じたのではないか。制作者はそのことに気づくべき。

委員会としては審議の結果、問題のある放送内容にはあたらないということで一致した。

中学生モニター報告

12月のモニター報告のテーマは、「司会者が面白いから見る番組」「司会者が面白くないから見ない番組」で、日ごろ見ているテレビの司会者のどんなところに好感を持てるのか、また逆に持てないのか、その理由などについて自由に意見を書いてもらった。12月22日までに30人から率直な報告が寄せられた。

【主なモニター意見】

「司会者が面白いから見る番組」でいちばん多かった番組は『笑っていいとも!』だった。「タモリさんがそこにいるだけで面白い」「日替わりの芸能人の話を最大限に引き出し、誰も傷つけずにとる笑いが好き」「マニアックな深い話や普通の人が気づかない新鮮なトークが心をくすぐる」「ちょっと”ゆるい”ところや、みんなに慕われそうな人柄が好き」などの声が寄せられた。
次に多かったのは『爆笑レッドカーペット』で、「今田耕司さんのテンポの良さに好感が持て、見ていてスッキリする」「すばやいツッコミで番組が盛り上がり楽しい」「ふざけすぎないところもいい」「若手を大事にして面白いところを引き出すコメントがいい」などの意見が寄せられた。また、『おしゃれイズム』や『しゃべくり007』にも好評な意見が寄せられ、「くりぃむしちゅーの上田晋也さんのゲストに対するツッコミにはバリエーションがあり、見ていて飽きない」「出演者を”いじる”ことはあっても人を追い詰めることをしないのがいい」などである。
そのほか複数回答があった『ダウンタウンDX』『リンカーン』には、「ダウンタウンの二人は話をまとめる時はきっちりまとめ、ゲストとの絡みも面白く司会者としての腕は確か」「大物俳優にもしっかりと突っ込んでくれるので、すっきりとした気分になれる」などの声が、『SMAP×SMAP』には「リーダーの中居正広さんや木村拓哉さんの話にはテンポがあり、家族みんなでリラックスしながら楽しく見ることができる」、『所さんの目がテン!』や『世界まる見え!テレビ特捜部』には「所ジョージさんのボケをまじえた進行が番組を盛り上げてくれてとても好き」、『お試しかっ!』には「タカさんのボケで会場が盛り上がり、トシさんの進行でばっちりだ」といった意見が寄せられた。また、長寿番組『笑点』には「桂歌丸さんの司会進行が滑らかで機転がきき、共演者との息もピッタリ」「他の出演者がおかしな話をしても司会者がうまく締めていてレベルが高い」といった意見が寄せられた。
『ズームイン!!SUPER』や『ぴったんこカン・カン』など司会を務めるアナウンサーへの好印象の声もあった。「羽鳥慎一さんは見た目がかっこよくてまじめそうなのに、たまに面白いことを言うギャップが好き」「朝、明るくていい。出演者の意見や話をまとめるのが上手で進行がとてもスムーズ」「穏やかそうに見える安住紳一郎さんが、キレたり怒ったりするところが面白い」などである。
一方、「司会者が面白くないから見ない番組」で最も回答が多かったのが『クイズ!ヘキサゴンII』や『行列のできる法律相談所』。「島田紳助さんは人を傷つけたりする場面もあるが、人生について深い話をたくさんされるので僕は好き」「いろいろプロデュースされているのがすごいし影響力もすごい」などと評価する声がある一方、「司会はうまいかも知れないが、”おバカ”キャラに歌を歌わせてお金もうけをしている様子が目に浮かんでくる」「商品や歌手をヒットさせようとしているのが、番組の目的じゃないと思う」「少しずつクイズ番組から離れていっているように感じる」「出演者が必死で合わせているように見える」「以前は子どもにも分かりやすい法律の解説などで面白かったが、いまは法律には触れずにトークばかり」「すぐに自分の意見を押し付け、むだ話が多い」などの批判の声が多数寄せられた。
次に意見の多かった番組は『みのもんたの朝ズバッ!』で、「みのさんのキレのいいテンポに好感が持てる」「トークが軽快で好きだが、やりすぎも目立つ」「すぐ怒鳴り、自分勝手な話ばかりで寝覚めが悪くなる」「話していることが難しく、中学生にも分かるように話してほしい」などの意見が寄せられた。『報道ステーション』には、「古舘伊知郎さんがコメンテーターに意見を求めるときの発言が誘導的で、司会者は公平であるべき」という声が寄せられた。
また、『踊る!さんま御殿!!』には「ゲストの話より明石家さんまさんの自分の話や笑い声だけが耳につく」「トークがチャラい感じで、小学校2年から見ていない」という声や、『アッコにおまかせ!』には「他のメンバーが発言すると和田アキ子さんが空気を凍らせて、誰にも批判させない雰囲気が許せない」などの声も寄せられた。
そのほか、評価する意見の多かった『笑っていいとも!』にも「出演者がタモリさんに気を遣いすぎている」という声や、『ガキの使いやあらへんで!!』には「ダウンタウンの浜田さんは他の芸人さんの頭を叩いたりすることが多く、見ていて気分が悪い」という意見があった。
中学生が「どんな司会者像を好ましいと考えているのか」についての全体的な意見は以下の通り。「”人を傷つけない”、”人を不快にさせない”という基本的なルールを守れる人と守れない人では大きく差が出る」「司会者の役割は出演者の話を膨らませたり、鋭いツッコミで視聴者を爆笑させたりできる人」「内輪ネタばかりでゲストと盛り上がっている司会者だと、視聴者は置いてきぼりにされた感じになり、私たちが求める番組からは程遠い」「以前は、局のアナウンサーが司会することが多かったと思うが、今は芸能人で簡単に司会を済ませてしまう場合が増えている。しっかりした司会者の方が見ている方からすると安心して見やすい」「民主主義において政府批判が認められているのは分かるが、司会者は自分の意見を押し付けるのではなく公平・公正な立場で発言すべき」など、たいへん率直な意見が数多く寄せられた。

【委員の所感】

  • かつて名司会者といわれた人たちは実際に現場を取材した人が多く、その発言も示唆に富んだ的確なものだったが、今の司会者は現場に出たことのない人が増え、発言も底が浅く自己中心的になっていることをモニターたちはきちんと見ている。
  • 中学生ならではの視点が興味深かった。面白い司会者については、話の振りや膨らませ方がうまい、ツッコミが鋭い、キレがいい、テンポがいいなどの要素を挙げていた。一方、面白くない司会者の要素として、言葉がきつい、すぐ怒鳴る、内輪ネタが中心で番組を私物化しているなど、率直な意見が報告された。
  • 中学生たちがバラエティーを中心に見ていることがよく分かり、彼らが感じている「面白さ」を膨らませていくと、今の中学生が望んでいる「見たいテレビ」「作りたいテレビ」というものに近づいていくのではないかと感じた。

なお、1月10日正午から、東京・紀尾井町の千代田放送会館で2009年度後期「中学生モニター会議」を開催する。参加者は20人の予定で、テーマは「もし自分がディレクターだったら、『私の見たい番組』『私の作りたい番組』」である。

調査研究

次回の調査・研究課題について、4委員によるワーキンググループを編成し、調査テーマなどを検討した上で、今年度内に委員会に案を提出し決定することとした。