青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第92回

第92回 – 2008年7月

視聴者意見について

中学生モニター会議について …など

今年度第3回青少年委員会(通算92回)では、6月17日~7月15日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見を基に審議したほか、7月26日開催の中学生モニター会議の検討の後、中学生モニター報告について審議した。また、調査研究について報告があった。

議事の詳細

日時
2008年7月22日(火) 午後4時30分~7時20分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室
議題
出席者
大日向委員長、橋元副委員長、小田桐委員、軍司委員、是永委員、境委員、山田委員

視聴者意見について

(1)放送前の新ドラマについて

8月から放送される新ドラマについて、「夜8時という子どもが容易に見られる時間帯に放送する内容なのか疑問だ」「性描写が懸念される」など、放送前から青少年への影響を危惧する視聴者意見が寄せられ、委員からは次のような意見が出された。

  • これから始まるドラマについて、たくさんの意見が来るのは、インターネットで話題になったりして、それに刺激されているからではないか。
  • オリジナルドラマだと先の展開は分からないが、このドラマはケータイ小説から始まり映画もヒットした。レイプやセックス、妊娠といった内容が問題だから批判の意見が寄せられているのではないか。
  • モラルから言えば問題と思われる内容と分かっていながらドラマ化することには疑問がある。
  • いろいろ背景はあるが、話題になったケータイ小説や漫画をドラマ化することは安易としか言いようがない。テレビにとってオリジナルドラマが少なくなっていることは問題だ。
  • 連続ドラマは続いていく中に起承転結があって、最後まで見ないと判断がつかない部分もあるのではないか。
  • 映画館に行ってチケットを買って見るのと違い、テレビは誰でも見られるから影響力もあるだろうが、始まってもいないうちから批判するのには疑問がある。

以上の審議の結果、放送前のドラマでもあり、各委員が放送を見たうえで青少年に与える影響について考え、問題があれば今後、議論していくことになった。

(2)バラエティー番組について

バラエティーのコーナー企画で、出演者のサックスを本人に許可なくシャワーヘッドにしたことについて、「本人が悲しんでいるのにほかの出演者が笑っていた。いじめを助長する」「楽器を演奏する人や作る人を冒涜している」といった意見が寄せられ、委員から次のとおり発言があった。

  • 演出の部分もあると思うが、見ている子どもたちは本当のことだと思ってしまうのではないか。事実かどうか知りたい。
  • バラエティーに関しては、日常的に批判の意見が数多く寄せられるので、大きな問題で見解を出していくより、個々の番組について局に言っていくことを改めて議論してもいいのではないか。
  • 見解などを出した後に、同様の問題が出てきた場合は、個別の番組の問題点を指摘しながら、局側がどう対応しているかフォローしていくことも必要ではないか。

以上の結果、個々の番組への回答要請などを含め、今後も引き続き議論することになった。

(3)子どもへのインタビューについて

教員不正採用に関する報道の際、関係する学校の児童にインタビューしたことについて、「幅広い意見が必要なのは分かるが、教育的倫理観を無視している」といった視聴者意見が寄せられ、委員からは次のような意見が出された。

  • 子どもへのインタビューに関しては、配慮を求める要望を出しているが、依然として守られていないので残念だ。
  • 一般的な子どもの意見として、世の中の仕組みや教育について聞くならいいが、問題となっている地域の学校の子どもに対してインタビューした場合、その子どもへの不利益やプレッシャーを考えると、個人が特定できるかたちでは放送すべきではない。
  • 現場の記者の意識が希薄なのか、あるいは委員会の要望が広く周知されていないのか疑問を感じる。
  • 報道の必要があれば、子どもにもインタビューをしていいと思うが、それをどういうかたちで放送するか現場で十分議論してほしい。

中学生モニター会議について

7月26日(土)に開催する中学生モニター会議について、当日は大日向委員長が進行役を務め、ニュースやワイドショーなどを中心にした報道系の番組についてのモニター報告を基に、青少年委員会委員と中学生モニター(16人)が話し合うことを決めた。また、意見交換の前にモニターに対し、放送局の報道の仕組みやニュースの編成などについて説明を行うことも決めた。

なお、当日の記録は概要を冊子にまとめ、加盟各社に配付することになった。

中学生モニター報告について

中学生モニター報告(7月分)について、委員からは次のような意見が出された。

  • 大食い番組への批判や病院の待合室で黒人女性が亡くなったニュースへの評価などは中学生の健全な感受性が伝わる。
  • 『ひみつのアラシちゃん』で「いろいろな職業の裏側の秘密を探る企画があるが、番組が一方的に決めず、視聴者から募集したらみんなが知りたい秘密がわかり面白くなる」という意見なども前向きで評価できる。
  • ニュースのその後が知りたいという意見は放送局も耳を傾けて欲しい。
  • 複雑な気持ちで中学生モニター報告を読んでいる。意見はシャープだが、例えば「数字がとれる」など制作者っぽい言葉が良く出てくる。自分たちがいかにメディアの影響を受けているか、相対視することも必要だと思う。

調査研究について

橋元副委員長から今年度の調査研究について、「前回の調査は、小中学生へのインタビューを中心にしたものだったので、今回は年齢を上げ、16歳から24歳ぐらいまでの若者300人を対象に、テレビの見方やほかのメディアとの関係をアンケート等の方法で調査することを検討している。なお、調査内容を検討するにあたり、最近のメディア事情に詳しいNHK、民放の協力者を交え、さらに検討を進めていくことになった」との報告があった。

中学生モニター報告〔7月分〕

今月は30人から、33件(1人で複数件の報告あり)の意見が寄せられた。

今月はこのひと月ほどの間に見た番組についての意見を募集したが、分野別に見ると、ドラマが最も多く14件、バラエティー番組が7件、情報・討論番組と報道系番組が6件ずつだった。

局別では、フジテレビ系が10件、日本テレビ系が9件、TBS系が5件、テレビ朝日系が3件、NHKが1件、1局に収まらない番組分野全般への意見が5件だった。

・ドラマ番組

ドラマでは、2件ずつ意見があったのが、『ホームレス中学生』『シバトラ』『ROOKIES』だった。

『ホームレス中学生』は「正直、衝撃的だった。ここまで壮絶だとは思っていなかったから。ただただ感動した。最近、上っ面なドラマが多い中で、これは麒麟・田村さんの中学生時代にあった本当の話を元にしたドラマなのでとても真実味があった」などと好評だった。『シバトラ』は賛否両論で、「漫画が原作ということもありリアリティーという点ではどうかな、とも思いますが、自然に受け入れられる展開だったので良かったです」という意見と、「話の流れもなんだか無理矢理な気がしました。最初はコメディーっぽくて普通に見ていましたが、内容はどんどんDVや売春、主人公が虐待を受けたりいきなりオカルトな内容が入ってきたりして、まとまりがない」という意見があった。『ROOKIES』は「先生の生徒を信じる姿に感動しました。こんなに信じてもらったら裏切ることは出来ないと思います。見終わった後必ず、自分の中にむくむくとやる気を感じました」などと概ね好評だが、「ドラマは毎週やっているのに、このドラマは1週なかったり、2週なかったりと不規則です。2週間も見ないでいると話の内容を忘れてしまうし、楽しみにしている人にとってはすごく残念」と編成が不評だった。

他にも2つの終了したドラマに対照的な意見が寄せられた。『ごくせん』への意見は「中途半端に卒業もしないで終わりなんて少し、ガッカリです」というもの、『CHANGE』へは、「ドラマのテーマが“政治”であり、ストーリーに意外性があり、見ていてあきない久しぶりに“来る”ドラマであると思えた」という内容のものだった。

・バラエティー番組

バラエティーでは、6本の個別番組とバラエティー全般について、すべて1件ずつ意見が寄せられた。

好評だったのは『世界一受けたい授業』と『探偵!ナイトスクープ』で、それぞれ「他の“雑学モノ”の番組に比べ、内容が非常に濃く、CMの入れ方等構成のしかたがうまい」、「芸能人の人が探偵となり視聴者から寄せられた、課題を解決するというものです。ゴールデンタイムに放送してもいい内容ではないかと思います」という意見だった。

不評意見は2件で、『いきなり黄金伝説』に、「大食いのコーナーが毎回とても不愉快です。なぜ“おいしい”を通りこして“きもちわるく”まで食べる番組が成り立つのか」という意見が、バラエティー番組全般については、「私が思うことは、ろくなことをやっていないなということです。例えば『めちゃイケ』の罰ゲームで、禁煙デーにちなんで、タバコを吸わずにどれだけいられるかというのをやっていました。タバコを吸うためには、ビンタをされないといけないのです。きっと視聴者のウケを狙ってやっているのだと思いますが、全然笑えなかったりします」という意見が寄せられた。

・情報・討論番組

好評だったのは『サンデーモーニング』と『噂の東京マガジン』で、それぞれ「ニュースを説明するときに用いる道具が全て手書きなところだ。どこか温かさを感じるし、中学生の私にも分かりやすい」、「最新の情報を取り入れて視聴者の心をぐっとつかみながらも重要な情報を報道する、他にも、他の番組では報道していない情報もあって本当にいい番組だと思います」などという意見だった。また「某野球選手と某女性タレントの不倫騒動」の扱いについて、「わざわざ何度も、時間を割いて伝える意味はないと思います。それよりも、もっと伝えなければいけない情報があるはずです。本当に最近の報道・情報系番組を見ると呆れます」などという批判意見が2件あった。

・報道番組

報道番組では『ズームインSUPER』『NEWSリアルタイム』『NEWS ZERO』が好評で、『リアルタイム』には「アメリカの病院で、待合室にいた黒人女性が倒れても周りの人たちは無視していて、その女性はついに死んでしまった。無視された理由は、黒人だからでした。こういうニュースを取り上げて放送してくれるのはとてもよい事だと思います。また事件が解決してもその事件のあとどういう対策ができたのか、またこういう事件によって何が変わったのかというような事も是非ニュースにして欲しいと思います」という意見が寄せられた。

『クローズアップ現代』には、「一般のニュース番組よりも深くいろいろな視点から解説も行われる。この解説は、その問題に詳しい人が出演して行うが、時としてその人個人の考え方も入っているような気がしてならない。一方的に考えを述べるのは止めてほしい。かといってNHKの関係者が出演すると、あやふやなひかえめな発言しかしないこともあり、何の利益にもならないので困る。何かうまく中間地点のような物が作れないか、検討していただきたいです」という意見も寄せられた。

2008年度中学生モニター会議

中学生モニター会議は、7月26日に全国から中学生モニター16人が参加して、千代田放送会館7階会議室で開催され、進行役を務めた大日向委員長はじめ6人の青少年委員と活発な意見交換が行われた。

テーマはニュースやワイドショーなどを中心にした報道系の番組について。報道番組を見る人・見ない人その理由から始まり、NHKと民放のニュースの比較、どんなニュース番組が好きか、秋葉原事件や最近の事件報道で感じたことなどに話が進んだ。

最後に、このモニター会議の感想を書いてもらうことと、軍司委員からの提案で、ニュースの裏側を知る必要があると推薦があった2本のドキュメンタリー番組のDVDを視聴して感想を書くことの2つが宿題として出された。

そして会議の後、中学生モニター全員と保護者、青少年委員3人も参加し、TBSの報道スタジオなどの社内見学を行った。