青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第90回

第90回 – 2008年5月

視聴者からの意見について

中学生モニター会議について …など

5月27日に開催した今年度第2回青少年委員会(通算90回)では、4月15日~5月18日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見を基に審議したほか、今年度の中学生モニター会議について検討した。また、調査・研究について報告があった。

議事の詳細

日時
2008年5月27日(火)
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
大日向委員長、橋元副委員長、小田桐委員、軍司委員、是永委員、境委員、山田委員

視聴者からの意見について

(1)男児ポルノについて

「子役時代に出ていたテレビドラマでの裸の映像を、インターネットで悪用されている」という視聴者意見が寄せられ、委員会では、公表した「注意喚起 児童の裸、特に男児の性器を写すことについて」には、”テレビで放送された児童の裸体が、インターネットで悪用されたという確証は得られておりません”としていたが、このように実例があったことで、改めて男児の裸の扱いは、今後も慎重に見守っていこうということになった。

(2)最近の報道について

女子高生殺害事件や硫化水素自殺の報道について、「文集を公開するなど、被害者の人権を侵している」、また「自殺の方法を教えているようなものだ」という批判意見が視聴者から寄せられ、委員から次のような意見が出された。

  • 女子高生が被害者になった事件では、必要以上の情報が報道されているように思える。こういったことは絶えず繰り返されているが、放送局の報道姿勢を問うことを考えてもいいのではないか。
  • 被害者の生前の映像や文集を放送することは、遺族や関係者のメディア不信を招くのではないか。2005年に青少年委員会が発表した『「児童殺傷事件等の報道」についての要望』にある”プライバシーおよび家族の心情に配慮する”が生かされていないので、もう少し慎重に報道すべきではないか。
  • いじめによる子どもの自殺の連鎖が起こった時に、委員会でも報道のあり方について議論し、要望は出さなかったものの自殺報道の行き過ぎを指摘してきたが、今回の自殺報道を見ていると、委員会で議論されたことが放送局に届いていないようなので残念だ。
  • 報道の方法を考えなくてはいけないのではないか。硫化水素自殺では当事者だけでなく、周辺の人たちへの危険については報道しているが、自殺を防止するような報道があってもいいのではないか。また、WHOの「自殺の予防―メディア関係者向け手引き―」などを放送局は考慮しているのだろうか。
  • 加害者の情報として発達障害などの病名を報道していることがあるが、こういった病気の具体的なことに関しては、専門家でも慎重な議論をしなくてはいけないことだけに、病名だけが出てくることが気になる。
  • 事件報道は各メディアとも競争して取材をしている。そのため現場の記者たちは必死になってやらざるを得ないので、情報が詳細になってしまうのではないか。

以上の審議の結果、報道のあり方については今後も継続して議論していくことになった。

(3)ラジオ番組について

ラジオの番組内でセックスを話題にすることに対し、視聴者から批判的な意見が寄せられ、委員からは次のとおり発言があった。

  • ラジオ番組については、委員会ではいままであまり問題にしてこなかったが議論は必要ではないか。
  • 昔の深夜放送は、政治や社会を風刺したり、刺激的できわどい内容もあったが、若者達にとっては”解放区”だった。あまりラジオに対して目くじらを立てるのはどうかと考える。
  • 昔も今も番組の内容は変わっていないと思うが、聴取者の受け取り方が変わったのではないか。ラジオは元々パーソナルなメディアでテレビとは違う接し方を持っている。ラジオの特性が理解されずに受け取られているのではないか。
  • 最近では、ラジオでの発言がインターネットで流され、ときには個人攻撃されるなど問題となっているので、委員会としても事実関係を知るためにラジオの実態を把握しておく必要がある。

以上の議論の結果、今後も視聴者意見を注視しながら、ラジオについても現状を把握し、議論していくことになった。

中学生モニター会議について

青少年委員会の委員と中学生モニターが、モニター報告の内容などをもとに直接話し合う、中学生モニター会議を7月26日(土)に千代田放送会館で開催することを決め、テーマについては次回委員会で検討することになった。

なお、会議の内容は冊子にまとめ、全国の放送局などに配付する。

調査・研究について

橋元副委員長から今年度の調査・研究について、「現在月1回の頻度で橋元・是永両委員とBPO事務局とで会合を持ち検討を行っているが、大筋では高校生以上の青少年を対象に、テレビをどのメディアで見ているかといったことを探る調査を考えている」との報告があった。

中学生モニター報告〔5月分〕

今月は33人から、43件(1人で複数件の報告あり)の番組への意見が寄せられた。

報告を分野別に分けてみると、今月はドラマが一番多く18件、次がバラエティーで14件、そしてラジオ番組が3件、教養番組と報道番組が2件ずつ、1件意見があったのが情報・討論番組、ドキュメンタリー、アニメ、その他の分野、だった。

局別では、日本テレビ系がトップで12件、フジテレビ系が9件、TBS系8件、NHK4件、テレビ朝日系とJ-WAVEが2件ずつ、テレビ東京系、テレビ神奈川、ニッポン放送が1件ずつとなっている。

・ドラマ番組

ドラマでは、『ごくせん』が8件、『ROOKIES』5件、『CHANGE』2件、『ラスト・フレンズ』『旭山動物園物語』『絶対彼氏』が1件ずつだった。

『ごくせん』は好評1件、賛否両論6件、不評1件で、「話の内容もネタぎれかなぁと感じさせる雰囲気があり、だいたい話のすじが読めるようになってしまった」、「生徒の演技が今までの出演者と比べて、イマイチ」などが不評の理由で、「最初はなかった仲間意識が心に芽生えていくストーリー自体は良いと思う」などが好評の理由だった。

『ROOKIES』は好評2件、賛否両論3件で、「『ごくせん』とは逆で、ストーリーはどんどん展開していって面白い」などが好評の理由で、「笑いがほとんど入っておらず、何かあったらすぐに殴り合い」、「漫画のものも見ていて楽しいですが、現実とかけ離れているものも多い」などが不評の理由だった。

『CHANGE』の1回目は2件とも賛否両論の意見で、「展開が速すぎたり、現実的じゃないストーリー展開があった」点には否定的だが、木村拓哉については「今回みたいなダメな役は初めて見たので、おもしろかった」などと肯定的な内容だった。

・バラエティー番組

バラエティーではすべて1件ずつ、13の個別番組とバラエティー全般へ、意見が寄せられた。

大好評だったのは4番組で、『出没!アド街ック天国』は「私の通っている学校のあるところなので、とても興味深く見ることができました。ホント、新しい発見がいくつもいくつもありました」、『爆笑オンエアバトル』は「ほかのお笑い番組もこの番組のように審査をして、面白い組だけを出してほしいです」、『人生が変わる1分間の深イイ話』は「この種の番組は、新感覚の番組である。新たなジャンルのバラエティー番組に期待するばかりだ」、『社会科ナゾ解明TVひみつのアラシちゃん!』は「あまり、ジャニーズが出る番組は見ないのですが、内容が面白いので毎回、ついつい見てしまいます。今まで、ありそうでなかったような気がします」という意見だった。

不評意見は2件で、『クイズ!ヘキサゴンⅡ』は「最近ではクイズよりも”おバカキャラ”のタレントさん達の解答をいじっている方が主体になってきている気がします」、『Qさま!!』は「最近は”プレッシャークイズ”というコーナーばかりやっています。”視聴率をかせぐために流行に乗ろう”としているように見えてしまって、心から楽しめないです」というものだった。

・その他の番組

ラジオ番組の意見が3件あった。『福山雅治のオールナイトニッポン』については、「この間SEX特集をしていました。性についての知識をメディアを通じて放送するのであれば、正しい情報を流すようにしてほしいと思いました」、J-WAVEの『PLATOn』については、「毎日決められたテーマについて、ゲストを迎えて哲学をする番組である。ゲストによっては今までと違った視点から対象を見ることができ、自分たちも考えさせられることがある」という意見だった。

情報系番組では『がっちりマンデー』について、「現在の世界の経済の動きやいま流行している品物、いま話題の会社などを特集し、経済や財政にあまり関心のない人たちにでも、わかりやすく、おもしろく、興味がもてるように作られた番組」という意見が、またドキュメンタリーの『余命1ヶ月の花嫁』については、「学校でも、みんな、いつもお笑い系バラエティしか見ないのに、この番組を見たという人がたくさんいました。”友達”、”家族”っていいなぁと思える番組でした」という意見が寄せられた。

3月に行われた、中学生フォーラム「バラエティー大討論」を放送した『日曜フォーラム』については、「意見や感想の選び方は大変良かった。でもなかなかNHKの感じについていけなかった。おカタい感じも、CMがないのも、テロップが少ないのも、BGMがないのも…」という意見があった。

・個別番組以外

バラエティーの分野全体については、「”死ね”という言葉など暴言をはく小さな子が多いが、バラエティーが悪影響を与えている」、「クイズ番組が異常に多いが、視聴率や流行目当てになっている」というもの。ドラマの分野では『ごくせん』と『ROOKIES』の放送時間帯について、土曜日に学園ドラマを続けて放送するので、「一つのドラマに集中できず、面白いはずのドラマがごちゃごちゃになる」という意見。また民放で夕方に放送されているニュース番組について、「気になることが2つある。”速報”とか、”緊急”などと目立つ色と大きさで書かれた字幕をよく目にする。9時間前とかそれ以上前に起こった出来事についても、この字幕が出ている時が何回もあった。2つ目は、評論家などによるニュースへの意見だ。テレビを通じて1人の人の意見を放送し続けると、その人の考え方を良い意味でも悪い意味でも、見ている人に植え付けてしまうことになってしまう」という意見だった。

テレビのあり方については「大阪発の番組はいい味を出しているので、東京ネットしない方がいいし、した場合でもスタイルを崩さないでほしい」という意見があった。

6月のモニター報告は、ニュースやワイドショーなどを中心にした、報道系の番組について。このひと月ほどの間で見た番組の感想・批判、また最近の気になったニュースの扱い方や、取材のやり方、番組作りへの疑問などを報告してもらう。