青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第93回

第93回 – 2008年9月

視聴者意見について

中学生フォーラムについて …など

9月22日に開催した今年度第5回青少年委員会(通算93回)では、7月16日~9月10日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見を基に、バラエティー5本、ドラマ4本、CM1本のVTRを視聴し、そのうち4本のバラエティーに関して審議した結果、当該局に「回答のお願い」を出すことを決めた。また、中学生フォーラムについて検討したほか、調査研究について報告があった。

議事の詳細

日時
2008年9 月22 日(月) 午後4時30分~7時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
大日向委員長、橋元副委員長、小田桐委員、軍司委員、是永委員、境委員、山田委員

視聴者意見について

1.フジテレビ『カスペ~地上最大のTV動物園』の「赤ちゃんVSコブラ」のコーナー

いろいろな動物の映像を集めた番組で、這い這いする赤ちゃんとコブラを闘わせる映像シーンに対し「家族団らんの時間帯にこのようなショッキングな映像は極めて不適切だ」「乳児を育てているお母さん方にショックを与えかねない」などの視聴者意見が寄せられた。

<委員の意見>

  • この映像を放送する企画意図はどこにあるのか。単に視聴者を脅えさせるためなのか疑問だ。
  • 視聴者にハラハラ、ドキドキさせる演出だろうが、コブラの毒や牙を抜いてあるのならきちんと言うべきではないか。
  • 「この後、赤ちゃんはどうなったのか」という終わり方をしているが、あまりにも無責任で不適切ではないか。見ている視聴者の不安を煽るだけだ。

以上の審議の結果、(1)このコーナーの企画意図、(2)「とりわけ児童の視聴に十分、配慮する」時間帯に放送されているが、視聴者、特に子どもたちに不安を与えるのではないか、という危惧はなかったのか、(3)毒や牙を抜いてあったのか?抜いてあったとすれば、それを明言しなかったのはなぜか?- について回答を求めることになった。

2.フジテレビ『FNS27時間テレビ』の”車のペンキ塗り”のコーナー

タレントの車に本人の了解なくペンキを塗り、その車でスタジオ内を走り回ったコーナーに対し「物を壊したり、ペンキをかけることで笑いをとるのは、いくらお笑い番組でも常識の範疇を超えている。あまりにも過激な行為で子どもが見る時間帯に放送すべき内容とは思えない」といった視聴者意見が寄せられた。

<委員の意見>

  • 時間帯を考えると、いくらバラエティーとはいえふざけ度が度を越していて、やりすぎではないか。
  • ペンキを塗りたくるふざけ方も問題だが、それ以上にスタジオ内で車を暴走させたほうが、危険性からしてはるかに問題だ。安全性への配慮はどのようにしていたのか。
  • 車は司会タレントのものと思わせる演出であったが、本当にそうなのか。私物だとすれば器物損壊罪にあたるのではないか。もし局が用意したものだとすれば、やらせになるのではないか。
  • テレビ局は日ごろエコについて報道しながら、高級車を粗末に扱うことはその精神に反するのではないか。

以上の審議の結果、(1)このコーナーの企画意図、(2)「とりわけ児童の視聴に十分、配慮する」時間帯に放送されているが、子どもへの配慮はあったのか、(3)エコ活動の精神に反していないか、(4)車は2人のタレントの私物なのか?そうだとすれば了解はとったのか?- について回答を求めることになった。

3.TBS 『リンカーン 真夏の芸人大運動会』の「手作り弁当タイム」のコーナー

出演者が作った弁当を紹介するコーナーで、司会者の1人が女性芸人の後ろから胸をわしづかみにし揉む行為があったことに対し「女性芸人はおそらく上下関係があるため、反発できなかったのではないか。セクハラまがいの行為だ。夏休み中であり、子どもも一緒に見ていて非常によくないと思った。このようなシーンを放送してもいいのか疑問を感じる」といった視聴者意見が寄せられた。

<委員の意見>

  • 出演者同士は了解済みなのかもしれないが、テレビで放送するのはやりすぎではないか。
  • 22時台の放送とはいえ、夏休みでもあり子どもも見ている時間帯なので、配慮が必要ではなかったか。
  • 視聴者意見に”セクハラ”とあるが、この行為はその範囲を超えており、公共の場であれば強制わいせつ罪にあたるのではないか。

4.TBS 『リンカーン』の”ゴムパッチン”のコーナー

お笑い芸人にゴムをくわえさせ、そのゴムを遠くまでひっぱって放し、相手の顔にパチンと叩きつけるというコーナーに対し「こういうことは子どもたちがすぐ真似をする。危険だし、いじめを助長する」という視聴者意見が寄せられた。

<委員の意見>

  • 身体的危害を加えて笑いを取るという発想はいかがなものか。
  • ゴムが当たって痛がっているのは演技かもしれないが、視聴者からすれば本当に怪我をしているのではないか心配になる。
  • このコーナーは、子どもからの手紙を前提にしているが、子どもへの配慮はなかったのか。

以上の審議の結果、上記3、4については、放送日は違っても同じ番組でのことであり共通の質問として、(1)このコーナーの企画意図、(2)子どもへの配慮はあったのか、特に”ゴムパッチン”については、子どもが真似をする可能性、また危険性について考慮したのか、(3)青少年委員会では2000年11月に『バラエティー系番組に対する見解』を、さらに2007年10月に『「出演者の心身に加えられる暴力」に関する見解』を公表しており、「出演者に加えられる暴力」と「性的表現」に関して検討するよう要望を出しているが、これらの見解をどう受け止めて制作したのか- について回答を求めることになった。

上記4番組の「局からの回答」に対しては、次回委員会で審議したうえで報告することになった。

中学生フォーラムについて

第8回中学生フォーラムについて、開催日は12月26日(金)、場所は東京・千代田区のルポール麹町で行うこととし、司会については前回同様に木場弘子氏(キャスター)を起用することを決めた。テーマについては、中学生モニター会議でも取り上げた「ニュース、情報、ドキュメンタリーなどの報道系番組」とし、中学生モニターたちが制作者に意見をぶつけるこれまでの内容を継続しつつ、ゲスト講演者を招くなど新しい試みを行うことになった。
また、今回のフォーラムは、橋元副委員長を中心に大日向委員長、軍司委員のワーキンググループを組織し、さらに企画・構成を詰めていくことを決めた。

調査研究について

橋元副委員長から今年度の調査研究の進捗状況について、「今回は、16歳から24歳までの若者を対象とし、平日2日、休日1日のテレビの見方についてアンケート調査を行う。アンケートは、番組表を基にテレビ番組の満足度、誰と、何をしながら、集中度などのほか、ワンセグ、ユーチューブなどの動画配信の利用などについても回答を求め、前回の調査より量を拡大し、300強のサンプル回収を目指している。また、アンケートと並行して映像メディア(DVR、VOD、ワンセグ)別ユーザーのグループインタビューとケータイでのランダムなアンケートを実施する」との報告があった。

中学生モニター報告

9月は27人から、30件(1人で複数件の報告あり)の意見が寄せられた。

今月もこのひと月ほどの間に見た番組についての意見を募集したが、分野別に見ると、バラエティー番組が最も多く15件、ドラマが7件、ドキュメンタリーが3件、報道系番組とアニメ番組が2件ずつ、ラジオ番組が1件だった。
局別では、日本テレビ系が12件、フジテレビ系が6件、TBS 系が5件、テレビ朝日系が3件、NHK が2件、テレビ東京系とニッポン放送が1件ずつだった。

・バラエティー番組

バラエティーでは、『高校生クイズ』と『24時間テレビ』に3件ずつ意見が寄せられた。『高校生クイズ』は以前から楽しみに見ているという2人から、「今年は知力の戦いのみで『高校生クイズ』らしさが少なかった」、「今回も、難しいけれど面白いクイズばかりで楽しめました。でもせっかく楽しみにしている人に予告で本編を放送するなんて。私はこれを見て、決勝戦で応援している高校は負けたのだと思いショックでした」という批判があった。もう1人も「難しい問題を解いていき凄いと思いましたが、問題が終わった後の解き方など教えてはくれないし、見終わってから、自分のためになったのかよく分かりませんでした。又、偏差値が”高い・・・”などと言っていましたが、学歴がすべてではないと思います。28回も続いているのだし、もう少し考えて番組を作ってほしい」という意見だった。 『24時間テレビ』は賛否両論があり、「24時間以上やっているのにもかかわらず内容が充実していて飽きることがありません」、「体のどこかに障害を持った方が頑張って挑戦している姿を見ると、私も勇気づけられて頑張ろうと前向きな気持ちになれます」という好評意見と、「番組の観覧に来ているお客さんのさけび声がうるさくて、見ている側としては、大変不快です」、「バスケットゴールまでの距離の世界記録に挑むという様な内容のコーナーをやっていました。番組の趣旨であるチャリティーとはあまり関係無い事をして24時間つなぐ位なら、別に24時間、テレビを放送しなくても良いです」という批判意見が寄せられた。 また『リンカーン』には、「”ゴムパッチン”が何メートルまで正確に顔に当たるのか検証するというコーナーがありました。内容は50mくらい伸ばしたゴムを芸人の顔に当てたりしていてとっても危険だと思います。現に体にあざができたり、口から血が出たりしていました。そういう危ない事をテレビで流すのはやめてほしいです」という批判意見があった。

・ドラマ番組

ドラマでは『コード・ブルー』に3件、『魔王』に2件意見があった。『コード・ブルー』は好評で、「マンガが原作のドラマと違って、ありえないようなことが無かったので、現実感があった」、「最終回に近づくにつれておもしろくなってきた。人間関係のドラマがあったり、研修医たちの心の変化が表現されるようになって共感できた」などの意見だった。
『魔王』は先月の意見も含め概ね好評だが、1件「最後に気になる感じで終わらせておいて、この真相はDVD-BOXの映像特典で!というDVDを売ろうとするずるいテレビ局の販売戦略で最後にこのドラマをぶち壊してしまったのが残念です」という批判があった。

・その他の番組

『モクスペ~小さな命を救え!闘う4人の小児外科医たち~』は「こういう感じの番組があるときには出来る限り見るようにしている。なぜなら、こういう番組を見ることで命の大切さについて学ぶことが出来るのではないかと思うからだ」と、『鳥人間コンテスト』も「この番組を見て良かったと思います。自分のこれからの生活、勉強や部活動に通じる大切な物が、みつかりました。それは、あきらめない事の大切さ、チームワークが作り出す力のすごさです」と、好評だった。
また『週刊こどもニュース』には「事故米について、他のニュース番組ではここまでわかりやすく解説されていませんでした。模型を使って解説してくれるのでわかりやすいです」という意見が寄せられた。

今回が前期モニターの最後の報告となった。後期モニター31人の初めての報告となる10月は、ひと月間ほどの間に見た番組への感想・意見・批判を自由に書いてもらう。