放送人権委員会

委員会決定

2018年度一覧

「放送によって人権侵害を受けた」という申立てにより審理を行い、その結果を「委員会決定」として公表、掲載しています。

第68号 - 2018年11月7日 放送局:CBCテレビ

「命のビザ出生地特集に対する申立て」に関する委員会決定

見解:要望あり
CBCテレビは、2016年7月12日から翌2017年6月16日にかけて報道番組『イッポウ』で10回にわたって、外交官・杉原千畝の出生地をめぐる特集等を放送した。岐阜県八百津町が千畝の手記等をユネスコ世界記憶遺産に登録申請したが、「八百津町で出生」という通説が揺らいでいるとして、千畝の戸籍謄本についての検証や、千畝の出生地が記された手記は、千畝の自筆ではない可能性が高いとする筆跡鑑定の結果等を放送した。
この放送について、手記を管理しているNPO法人「杉原千畝命のビザ」とその理事長らが、「手記は偽造文書であるとの印象を一般視聴者に与え、さらに申立人らがそれの偽造者であるとの事実を摘示するもので、社会的評価を低下させる」と名誉毀損を訴えた。
委員会は、審理の結果、本件の各放送は名誉毀損にあたらず、放送倫理上の問題もないと判断した。ただし、手記が杉原千畝の自筆によるものであるかどうかについて、筆跡鑑定事務所の意見などの具体的な疑問が存在し、鑑定事務所の意見と申立人とのコメントを対比的に放送するのであれば、申立人に対して、端的にこれらの疑問点を伝えて、申立人の反論や説明を聞くことが望ましく、委員会はCBCテレビに対し、今後の取材・報道にあたって、この点を参考にすることを要望した。

2018年度