放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 議事概要

第33回

第33回 – 2009年12月

「バラエティー番組問題」に関する今後の展開

視聴者からの問い合わせに真実でない説明をしたフジテレビ『とんねるずのみなさんのおかげでした』 …など

第33回放送倫理検証委員会は12月11日に開催された。まず、「バラエティー番組問題」の委員会決定について、今後民放連とどのように協力して議論を深め、実効性のあるものにしていくかを検討した。
視聴者からの問い合わせに対して真実でない説明をしたフジテレビ『とんねるずのみなさんのおかげでした』は、当該局の説明とホームページによる対応を了承した。民間業者による貧困ビジネスに愛知県岡崎市が関与している疑惑があると伝えた、テレビ東京『週刊ニュース新書』に対して、岡崎市長が抗議した事案については、当面、両者の折衝を見守ることにした。

議事の詳細

日時
2009年12月11日(金) 午後5時~8時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
川端委員長、上滝委員長代行、小町谷委員長代行、石井委員、市川委員、里中委員、立花委員、服部委員、水島委員、吉岡委員

「バラエティー番組問題」に関する今後の展開

委員会は、11月17日に公表した「意見書」で、バラエティー番組についての議論を深めて実効的な指針を作ることが適切な場合もあると述べ、意欲的な番組づくりに向けて放送界全体で議論する場が必要なので、シンポジウムなどを開催して考えを深めることを提言した。それらを実行するのは民放連(およびNHK)であるが、委員会としてはどのように協力すべきかについて検討した。

視聴者からの問い合わせに真実でない説明をしたフジテレビ『とんねるずのみなさんのおかげでした』

10月に、お笑いタレントの運転免許証等(本物)を研磨機にかけて、その一部を削ってしまうシーンが放送されたが、視聴者から問い合わせがあった場合、それらは美術品(小道具)であると真実ではない回答をするよう、番組担当者が指示していた事案。委員会の質問に対して当該局はその事実を認め、番組ホームページに経過説明とお詫びを掲載した。委員会は「これまでも原則として視聴者には事実を回答してきたが、その原則をもう一度確認し、徹底を図る」とする当該局の対応を了承した。

貧困ビジネスに対する岡崎市の関与疑惑を伝えたテレビ東京『週刊ニュース新書』

生活保護を受けている人を食い物にする民間業者の貧困ビジネスに、岡崎市が関与している疑いがあると、テレビ東京が報道した。これに対して岡崎市長が、この報道は事実確認が不十分で、証言者の一方的な主張ばかりを伝えたと、当該局に抗議した事案。両者の折衝は始まったところであり、言い分が対立しているため、委員会としては当面推移を見守ることとした。

『真相報道 バンキシャ!』のブックレット発行

昨年7月30日に通知・公表を行った日本テレビの『バンキシャ!』は、調査にあたって特別調査チームを編成し、はじめての「勧告」を出した重要な事案であり、報道番組における裏取り取材の重要さや制作体制の問題など、他山の石として全局に参考になりうる事案であるので、今後の議論の材料になるよう、ブックレットを発行することにした。

連絡事項

第1回BPO事例研究会が11月26日に開催されたこと、総務省が立ち上げた「今後のICT分野における国民の権利保障等の在り方を考えるフォーラム」(座長・濱田純一東大総長)の動向について、事務局から報告があった。

以上