青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第218回

第218回-2019年10月

視聴者からの意見について…など

2019年10月29日、第218回青少年委員会をBPO第1会議室で開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、前回から継続討論している2件について意見を交わしました。バラエティー番組でタレントをモチーフにした全裸の着ぐるみキャラクターが小学校を訪問して、なぞなぞを仕掛け、不正解だと「オナラ」を発射する企画に関して「低俗で不愉快だ」「子どもに見せたくない」などの意見が寄せられた件については、「審議」には進まないが、後日「委員長コメント」を出すことになりました。また、深夜のバラエティー番組で女性アイドルグループのメンバーの顔に、男性タレントのお尻が近づき、どこまで我慢できるかを競う企画に関して「セクハラだ」「下品すぎる」などの意見が寄せられた件については、「審議」には進まず、討論を終了することになりました。
10月の中高生モニターのリポートのテーマは「最近聴いたラジオ番組について」でした。24人から報告がありました。
モニターからは、ラジオの中の学校をコンセプトにした番組ついて「私がこの番組を一番聴いていたのは、学校に行っていなかったころでした。毎日この番組の出演者の言葉やメッセージに支えられていました。学校に行っていなくて家にいるだけの毎日に光を与えてくれたといっても過言ではないです」、高校野球のラジオ中継について「ラジオでは目を閉じて聴けます。いつボールを投げたかも言ってくれるので試合の経過もよく分かります。『せっかくだから夏休みはのんびりしたい。だけど野球も楽しみたい』こんな私にラジオはぴったりです」、洋楽を中心とした音楽番組について「ラジオを久しぶりに聴いて感じたことは、他のマスメディアと比べて、リスナーとの距離が近いということです。MCがリスナーに電話する企画や、ツイッターを利用して視聴者と会話したり、すぐそこで会話しているような気持になることができます。このことは、これからのマスメディアにとってとても重要なことだと思います」、深夜の番組について「いつも疑問に思うのは『テレビではNGだけれどラジオでOKなことがあるのはどうしてだろう?』ということだ。例えば下ネタ。確実にテレビではタブーだと思われるのが普通にラジオで流れてくると戸惑ってしまう。この差は果たしてあっていいものだろうか。私は個人的には、差があってもいいと思っている。改めて考えると、『放送』って難しいことだなと思う。正解なんてどこにもないからだ。しかも、だからといってすべてが自由というわけではないからだ」などの意見が寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
次回は11月26日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2019年10月29日(火)午後4時30分~午後6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

今回は前回委員会から継続討論となった2件について意見交換しました。
お笑いタレントをモチーフにした全裸の着ぐるみキャラクターが小学校を訪問して、股の間でなぞなぞを仕掛け、間違えた子どもには「オナラ」を発射するというバラエティー番組の企画に対して、「低俗で不快。しかも子どもたちが集まる場所でロケを行っている」などとの意見が寄せられていました。
これに対して委員からは、「子どもが大人になってセクハラ的なことを容認するようなバックグラウンドになり得るのではないか」「制作側は子どもに向けた番組を作るときには、大人向けの番組作るのと違う意識が必要なのではないか」「股間に顔を近づけさせられて、失敗したらオナラを吹きかけられるというのは、大人だけでなく、子どもにとってとても屈辱的な行為だろう。お笑いだからいいんだで済ませることができないような屈辱的なことを子どもたちに強要しているのではないか」「この企画は子どもが参加し、子どもが視聴する時間帯で、まさに子ども向けに行われている」などの意見が出されました。
議論の結果、この件は「審議」には進まないが、後日、「委員長コメント」を出すことになりました。
また、深夜のバラエティー番組で、椅子に座る女性アイドルの顔に男性お笑いタレントのお尻が近づいてきて、どこまで我慢できるかを競う企画に対して、「セクハラだ」「アイドルを番組の道具としか見なしていない」などとの意見が寄せられていました。
これに対して委員からは、「実社会でこれをやったらセクハラにあたるだろうが、深夜で子どもが見ていない時間帯に放送しており、出演者が大人のプロの芸能人であって、そういうことがある程度分かった人を対象に笑いをとっているのではないか」などの意見が出されました。
議論の結果、この件は、「審議」には進まず、討論を終了することになりました。

中高生モニター報告について

今月は10月のモニター報告について話し合われました。
34人の中高生モニターにお願いした10月のテーマは、「最近聴いたラジオ番組について」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で24人から報告がありました。
「最近聴いたラジオ番組」では、複数のモニターが意見を寄せた番組は4番組ありました。パーソナリティーは異なりますが、『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)を4人が、『SCHOOL OF LOCK!』(エフエム東京)を3人が、『POP OF THE WORLD』(J-WAVE)と『高校生からはじめる「現代英語」』(NHKラジオ第2)を2人が取り上げています。そのほかのモニターはすべて異なる番組について報告していました。また、聴取方法について、リアルタイムだったか、またはタイムフリーのアプリ利用や録音だったか、ということについても尋ねました。リアルタイムは12人、アプリなどの利用は12人という結果でした。
「自由記述」では、7人のモニターが台風に関連する記述をしていました。被害をニュースで知って心配だという声、情報を得ることの重要性を痛感したという声、マスコミの取材の仕方に疑問を感じたという声など、内容はさまざまでした。一方で、台風関連以外の記述もありました。10月にスタートした2つのドラマについてこれまでのドラマとの違いを挙げ、「新たな挑戦」と評価する人や最新技術AIを駆使して制作された番組について「未来への可能性を感じている」と期待する人がいました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『関口宏の東京フレンドパーク2019』(TBSテレビ)、『サンドウィッチマン&愛菜の博士ちゃん 初回2時間スペシャル』(テレビ朝日)、『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)について取り上げたモニターがそれぞれ2人ずつでした。

◆委員の感想◆

  • 【最近聴いたラジオ番組について】

    • ラジオを自分の生活に取り入れ習慣として聴いているという中高生モニターが少なくないことが分かった。

    • モニターたちは、アーティストなど、ラジオ番組出演者の考えや思いを知り、より深く人間性に触れられるとしてラジオを受け入れ身近に感じている。これからのマスメディアにはラジオのような「視聴者との距離の近さ」が重要だという意見があったのが興味深い。

    • 出演者の素の言葉、本音を聴けることが醍醐味と感じるモニターが多いが、これは、ラジオではテレビよりも出演者がリラックスして話しているから、ということが関係していると思う。カメラがなくて緊張が少なく、伸び伸び話せるからこその聴き手との親密感、というのがあるのかもしれない。

    • 『SCHOOL OF LOCK!』(エフエム東京)について、聴いてみたら自分の耳元で語りかけられている、ふっと触られるぐらい近いという感覚があった。困っている子どもに向けた内容が多いが、上から目線ではなく、「一緒に飛んで壁を乗り越えてみようよ」という雰囲気作りがなされ、聴いている方は「一緒ならやれるかも」と思える。ラジオ番組の力を感じた。

    • テレビとラジオでOKな範囲が異なるということを指摘したモニターがいる。下ネタなどテレビではタブーだろうと思われることが、ラジオでは何となく受け入れられているということがあるが、そのことに対して「それぞれ違いがあっていいじゃないか」ということが書かれていた。興味深く感じた。

    • NHKの語学講座について、「飽きません」と書いたモニターが何人かいたが、語学を面白く聴いてもらうための工夫が中高生のモニターに伝わっていることを制作者に伝えたい。

    • 災害時のことを考えると、ラジオに日ごろから親しんでおくことが必要なのではないか。学校の授業や教育プログラムにラジオに関する授業があってもいいと思う。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近聴いたラジオ番組について】

    • 『SCHOOL OF LOCK!』(エフエム東京)ラジオは、どこか聴いているリスナーに寄り添ってくれるのでテレビに負けないくらい私は好きです。この番組を私がいちばん聴いていたのは、学校に行っていなかったころでした。毎日、とーやま校長とあしざわ教頭の言葉、メッセージに支えられていました。学校に行けなくて家にいるだけの毎日に光を与えてくれたといっても過言ではないです。(兵庫・中学3年・女子)

    • 『SCHOOL OF LOCK!』(エフエム東京)ラジオで聴いたり、放送・編集後記を読んだりしています。この回は、「セカオワLOCKS!」が400回を迎えるから記念に何をするか、というお話でした。アーティストの方の声を楽曲以外で耳にすることはなく、「声」を耳にできるという点と、アーティストの方の考えに触れられる機会もないので、「想い」を知る、という点でとても有り難い番組です。(福岡・中学2年・女子)

    • 『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)素の会話や笑い、声を聴けるのはラジオの長所だと思います。ゲストとの掛け合いも声だけだからこそ、その人たちの性格の温かさも伝わりました。映像がなく、声だけの放送だからこそ、聴きながら自分のしたいことをして楽しめるのもいいなと思います。(福岡・中学3年・女子)

    • 『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)テレビと違ったアットホームな雰囲気があり、面白かった。視聴者参加型な感じでコメント等も読んでもらえるのでとても面白い。聴くだけで視覚を使う必要がないので勉強しながら聴けるのも魅力的だと思う。(大阪・高校1年・女子)

    • 『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)ラジオをきっかけに今まで聴いてこなかったジャンルの音楽や、知らないアーティストを知ることができますし、勉強にもなります。音楽のほかにも、クスっと笑える話や、元気が出る話がたくさんあり、受験のときやつらいときにも頑張ってこられたのはこの番組のおかげでした。しかし、私の周りにはラジオを聴いている友達が少なく、ラジオの話をすることができないのが悲しかった。もっとラジオが広まればいいのになと日々思っております。(石川・高校2年・女子)

    • 『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)いつも疑問に思うのが、「テレビではNGだけれどラジオではOKなことがあるのはどうしてだろう?」というものだ。例えば下ネタ。確実にテレビではタブーだろうと思われるのが普通にラジオで流れてくると戸惑ってしまうというか、焦るというか…。この差は果たしてあってもいいものなのだろうか。私は個人的には、差があってもいいと思っている。「テレビはテレビ、ラジオはラジオ」だからだ。改めて考えてみると、「放送」って難しいことだな、と思う。正解なんてどこにもないからだ。しかも、だからといってすべてが自由というわけでもないからだ。(佐賀・高校3年・女子)

    • 『POP OF THE WORLD』 (J-WAVE)ラジオを久しぶりに聴いて感じたことは、他のマスメディアと比べて、リスナーとの距離が近いということです。MCがリスナーに電話する企画や、ツイッターを利用して視聴者と会話したり、すぐそこで会話しているような気持ちになることができます。このことは、これからのマスメディアにとってとても重要なことだと思います。(東京・高校3年・女子)

    • 『POP OF THE WORLD』(J-WAVE)この番組に出会ったのは去年の夏ごろでした。英語の勉強へのモチベ上げにもなりますし、海外事情などなどいろいろ知れるので将来のためにもなると思います。個人的にいちばん好きなラジオ番組です!!(広島・高校2年・男子)

    • 『高校生からはじめる「現代英語」』(NHKラジオ第2)飽きがこないように適度に本文を通して流していて、解説を聴いた後にひと通り復習することができるようになっていて良かった。(東京・高校2年・女子)

    • 『基礎英語1』(NHKラジオ第2)小学6年生のときから聴いています。ストーリーがすごく面白いので、毎日聴いても全然飽きません。私が学校で習っている範囲よりも少し早いので予習にもなるので良いです。(東京・中学1年・女子)

    • 『サンドウィッチマンの天使のつくり笑い』(NHKラジオ第1)普段ラジオを聴く機会などめったにないので良い機会になりました。サンドウィッチマンはコントやトークが面白くて好きです。これからラジオを聴く機会を増やしていきたいです。(千葉・中学1年・男子)

    • 『気象通報』(NHKラジオ第2)中学2年生のときに課題で視聴して以来、長期休みや休日に視聴し、天気図を書くようになった。普段は気にしない部分であるが、風向や風力などの情報が簡潔にまとまっていて視聴すると(書くとなおさら)面白いものであると実感できた。日々変化しているのがはっきりと見えてくるのも非常に面白い。さらに教科書に載っている、夏冬の特徴的な前線が実際に見えることも良いと思った。(東京・高校1年・男子)

    • 『第101回全国高校野球選手権大会』(NHKラジオ第1)学校の技術の授業で作ったトランジスタラジオで聴きました。私はもともと高校野球が好きで毎年楽しみにしています。昨年まではテレビで高校野球を見ていましたが学校でラジオを作ってからは野球中継をラジオで聴くことも多くなりました。ラジオでは目を閉じて聴けます。いつボールを投げたかも言ってくれるので試合の経過もよく分かります。眠くなったら野球中継はいいBGMになります。「せっかくだから夏休みはのんびりしたい!だけど野球も楽しみたい!」こんな私にラジオはぴったりです。(鳥取・中学3年・女子)

    • 『SAISON CARD TOKIO HOT 100』(J-WAVE)ゆったりとした気持ちで聴くことができるため、日曜午後の放送時間はうってつけであると思う。また、上位の曲であるほど流れる時間が長く、解説も多くなる。よって、流行の曲ほど情報量が多いので聴いていて飽きない。(東京・高校1年・男子)

  • 【自由記述】

    • ラジオを聴いていて思ったのは、リスナーとの距離が非常に近いということです。他のリスナーやパーソナリティーとつながっているように思えました。このことがラジオの醍醐味なのでしょう。(愛媛・高校2年・女子)

    • ラグビーがベスト8でニュースで多く取り上げられています。バレーボールも史上初の5連勝をしたのに取り上げられなくてバレーボールファンとしては悲しさを感じる。(千葉・中学1年・男子)

    • 台風でとても大変そうです。心配しています。自然災害、となるとやはり情報の大切さを痛感します。(福岡・中学2年・女子)

    • 台風の被害の映像をニュースで見ていると泥や水のかき出し作業をしている最中にリポーターやカメラマンが入り邪魔ではないのかな…と思うときや、避難所でプライバシーが保護されていないんじゃないかな?と思う映像が流れていました。現状をいち早く、というのはとても大切なことではありますが撮ってはいけないところ、配慮しなければいけないところを冷静に判断して取材をしてほしいなと思います。(福岡・中学3年・女子)

    • 台風の際、テレビ局によっては外国人向けの英語サイトを特設しており、来年に向けて他局も導入するとより、外国人観光客も安心してサイトと併用しながらテレビを見ることができるだろうなと思いました。(東京・高校1年・女子)

    • 『NHKスペシャル「AIでよみがえる美空ひばり」』(NHK総合)ステージにAIでよみがえった美空ひばりさんが現れ歌いました。それを見て皆さん泣いていました。私もその再現度に驚き、初めて美空ひばりさんを見たような気がしました。私はこの番組を見て「テレビの力」を感じました。昔のテレビと今のテレビがつながったような気がしました。昔のテレビの大スターが今のテレビにしかできない力でよみがえる。これがテレビなのだと思いました。未来のテレビの可能性を感じました。(鳥取・中学3年・女子)

    • 10月スタートのドラマについて、思ったことは、今までなかったようなものが増えてるなということです。『同期のサクラ』(日本テレビ)は一話が一年という新しい展開だし、『俺の話は長い』(日本テレビ)は30分2本立てという"サザエさん方式"。今までになかったようなことをやる!という方針はすごくいいことだと思います。テレビもいろんなことにチャレンジして、もっとよくなれば良いなと思います!(神奈川・高校1年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『サンドウィッチマン&愛菜の博士ちゃん 初回2時間スペシャル』(テレビ朝日)について、子どもたちを博士とし、芸能人が子どもから学ぶという構成だったのが面白かったです。博士と呼ばれる子どもたちに1日密着して、ランドセルを背負った姿を放送するなど、子どもだというところを見せるのもいいと思いました。(北海道・中学2年・女子)

    • 『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)私が小さいころから放送していた国民的アニメ。まる子が駄々をこね、おじいちゃんが甘やかすシーンが面白くて和みます。(石川・高校2年・男子)

    • 『関口宏の東京フレンドパーク2019』(TBSテレビ)俳優の方々がドラマでは見せないような笑顔をしたり、協力してゲームに挑む姿が新鮮でした。素顔が垣間見えるバラエティー番組はいつもと違う一面が見られて余計に嬉しいのだなと感じました。(東京・高校1年・女子)

調査研究について

担当の中橋委員より、調査研究(青少年のメディアリテラシー育成に関する放送局の取り組みについて)の進捗状況について報告がありました。

今後の予定について

  • 学校の先生方と青少年委員会委員との意見交換会を、来年2月15日に開催することになりました。

以上