青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第216回

第216回-2019年7月

視聴者からの意見について…など

2019年7月23日、第216回青少年委員会をBPO第1会議室で開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、まず6月16日から7月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
敏腕刑事と声紋分析官が連続殺人犯を追う刑事サスペンスドラマの初回放送について、「暴力的なシーンが多すぎて見るに堪えない。グロテスクな描写が青少年の目に触れるのは危険だ」「殺人の仕方が激しすぎる。子どもも視聴できる時間帯なので問題ではないか」などの意見が寄せられました。これに対して委員からは、「この番組の放送時間は、子どもの視聴について親が配慮すべき時間帯でないか」「ありありとひどいというのではなく、今から殺害するぞという状況を並べ立てて心理的に怖さを募らせる演出がそのような印象を抱かせたのではないか」などの意見が出されました。
7月の中高生モニターのリポートのテーマは「最近見たバラエティーについて」でした。30人から報告がありました。
世界を舞台に様々な冒険に挑戦するバラエティー番組について、「この番組を見ると『月曜からまた頑張ろう』という気持ちになります。心の底から笑うことで『明日から学校、疲れるな』という気持ちが吹き飛びます。この番組は『チームで作る番組』という感じがします。出演者とスタッフとの間に強い絆があると思います」、芸能界・スポーツ界で活躍した有名人の"今"を紹介するバラエティー番組について、「必然的に自分一人では知らない芸能人が多々いる。しかし、自分の知らない人の人生を母などと話しながら知るのは非常に興味深い。自分のような年の人でも母とコミュニケーションをとって、面白く見ることができた」、日本を訪れる外国人に空港で直撃取材をするバラエティー番組について、「取材された人が大きな目標を持っていたり、はっとするような人生を歩んできたことを知って驚きました。同時に、これからはもっといろんな人を見た目で予測しないで、その人の性格とか、その人の人生について目を向けようと思いました」などの意見が寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
8月は休会とし、次回は9月24日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2019年7月23日(火)午後4時30分~午後6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

敏腕刑事と声紋分析官が連続殺人鬼を追う刑事サスペンスドラマの初回放送に対して、「暴力的なシーンが多すぎて見るに堪えない。グロテスクな描写が青少年の目に触れるのは危険だと思う」「殺人の仕方が激しすぎる。子どもも視聴できる時間帯なので問題ではないか」「女性を撲殺する残虐な殺人シーンが多く、気分が悪い。子どもが見たらと思うとゾッとする」などの意見が寄せられました。これに対し委員からは、「夜の10時からの放送で、子どもの視聴については親が配慮するべき時間帯ではないか」「ありありとひどいというのではなく、今から殺害するぞという状況を並べ立てて心理的に怖さを募らせた演出が、そのような印象を抱かせたのではないか」との意見が出されました。
路線バスに乗って都内を旅するバラエティー番組で、出演者が旅の途中に競艇や競馬をする場面について、「ゴールデンタイムに延々とギャンブルをやっている。子どもやギャンブルで苦しんでいる人がたくさん見ている」「子どもが見ている時間だ。買うのは大人の自由だがギャンブルという性格上、エキサイトしている場面はこの時間帯にふさわしくない」「未成年者が見ている時間帯に賭け事を奨励するかのような放送は如何なものか」などと言った意見が寄せられました。これに対し委員からは、「ギャンブルにのめり込んでいくようなところはギャンブルの悪い面を出してしまっていて、あまり好ましくないのではないか」「競馬中継では生き物の美しさ、真剣さ、そういうものも含めて伝わってくるが、この番組のシーンはお金を無駄にしているオジサンという情報が伝わってくる」「子どもが見てもいい時間に流している番組として、制作側はその辺りは少し配慮をしてもよかったのでは」との意見が出されました。
これらの件に関しては、これ以上話し合う必要ない、となりました。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした7月のテーマは、「最近見たバラエティーについて」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で30人から報告がありました。
「バラエティーについて」では、複数のモニターが意見を寄せた番組は3番組でした。『チコちゃんに叱られる!』(NHK総合)、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)にそれぞれ3人から、『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)に2人から報告がありました。それ以外は、別々の番組を取り上げており、バラエティー番組への興味が幅広いことがうかがえました。
「自由記述」では、「芸人らの闇営業問題で謹慎処分が下されました。私はニュースを見て芸人さんは自分の収入だけを考えて行動しているように感じました。テレビ局や視聴者を裏切ったように感じました」など、この問題について複数のモニターから批判的な意見が寄せられています。
「青少年へのおすすめ番組」では、『音楽の日』(TBSテレビ)を7人が、『はじめてのおつかい 夏の大冒険スペシャル』(日本テレビ)、『コトノハ図鑑』(毎日放送)をそれぞれ2人が取り上げています。『音楽の日』には、亡くなったジャニー喜多川氏へ感謝をこめたメドレーがすばらしかった、などの感想が寄せられました。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たバラエティーについて】
    • 『月曜から夜ふかし』(日本テレビ)のように、最近、ネタを見つけてきては検証するバラエティー番組がはやっているが、作っている人たちに聞くと、本当に地獄のような日々だというから、そんなに世の中に面白いことは転がっていないので、街に取材に行って、面白い人を見つけることは、2週間に一人、二人見つかればいい方だという。そのようなことについて、今回のモニターは、かなり細かく分析していて、中学生でこのようなリテラシーを持っているのかという感じは伝わってきた。

    • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)について、この番組を見ると、月曜日からまた頑張ろうという気持ちになる、心の底から笑うことで、明日から学校疲れるという気持ちが吹き飛ぶと書いている。最近、BPOでも、放送倫理検証委員会から意見が出されたが、こういうふうに見てくれている子どももいることを制作者に伝えたい。

    • 『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ)について、日曜日の夜に家族みんなでテレビを見るという。テレビがお茶の間の団らんの一つの要素になっている。まだこういう感じのテレビ視聴を高校2年生がしているのは、ちょっとほっとする感じである。家族とともに見るときに、やはり安心して見られるものは大事だと思う。

  • 【自由記述について】
    • 芸人の闇営業問題について、かなり厳しい意見が寄せられているが、何が問題なのかを考えて言っているのか、という疑問もある。世論をそのまま受け入れて厳しい意見を言うのではなく、問題点を整理して意見を述べるという姿勢を持ってほしい。

    • 最近、ニュース番組でも、情報番組でも、芸人の闇営業問題を盛んに放送しているが、ポイントがはっきりしないまま流れているように感じる。テレビ局も、整理して、視点を明確にして放送することが大切だと思う。

    • 学校でニュース番組を作るというメディアリテラシーの授業について書いてきているが、その事柄をまとめる影響力を感じたというふうに、いろいろな考え方を一つにまとめてしまうことに問題意識を持っているようだ。しかし、むしろ、多分送り手には意図があって、受け手は読み取らないといけない、ということを考えてほしかった。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見たバラエティーについて】

    • 『月曜から夜ふかし』(福岡放送/日本テレビ)について、ただひたすらに笑える番組です。たまに(実はけっこう)下ネタもありますが、健全なレベルですし、何よりマツコさんと村上さんのかけ合いが大好きです。カードを2人が選び、そのテーマに沿ってトークを繰り広げ、VTRを見るというスタイルで、シリーズ化されているカードもあるが、バラエティーに富んでいてネタを見つけてくる制作スタッフの方々は着眼点がすごいなと思います。私が好きなシリーズは「街行く人の個人的ニュースを調査した件」。東京の街で、年も性別もばらばらの人にランダムに「個人的ニュース」を尋ねる企画です。(福岡・中学2年・女子)

    • 『Youは何しに日本へ?』(テレビ東京)を見て、いろんな人がいることついて改めて考えてみました。取材された人が大きな目標を持っていたり、はっとするような人生を歩んできたことを知って驚きました。それと同じにこれからはいろんな人を見た目で予測しないで、その人の性格とか、その人の人生についてもっと目を向けてみようと思いました。これから大人になっていくにつれて、たくさんの人に出会うと思います。その時に、このことを心にとどめて関わっていきたいと思いました。(兵庫・中学3年・女子)

    • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)について、この番組を見ると「月曜からまた頑張ろう!」という気持ちになります。日曜日は次の日からまた1週間が始まるので「明日から学校、疲れるな」という気持ちになるけれど、イッテQを見て心の底から笑うことでその気持ちが吹き飛びます。イッテQは「チームで作る番組」という感じがします。私は出演者と番組スタッフとに間の強い絆があるのではないかと思います。そうでないと過酷な挑戦も乗り越えられないと思います。いろいろなことに挑戦すること、面白いことがたくさんの人に愛される大きな理由だと思います。ですが、この二つは絆がないと成り立たないと思います。(鳥取・中学3年・女子)

    • 『爆報!THEフライデー』(TBSテレビ)について、一言でいえば「母か祖母と共でないと楽しめないバラエティー」であると思う。「芸能人のその後を映す」というのがこの番組の主であるため、必然的に自分一人では知らない芸能人が多々いる。自分の知らない人の人生の遍歴を母などと話しながら知るのは非常に興味深いものである。おそらくターゲットとする年齢層は母のような中高年なのかもしれないが、自分のような年の人でも母とコミュニケーションをとって、面白く見ることができた。(東京・高校1年・男子)

    • 『夜の巷を徘徊する』(テレビ朝日)について、マツコ・デラックスが、主に都内の様々な場所を夜に訪問・見学する内容である。基本的に、出演するのはマツコ・デラックスのみであり、多くてもゲストがもう1人いる程度である。そのため、出演する人物にフォーカスを当てることがなく、土地の特色が分かりやすくまとめられている。また、その街の人に積極的にインタビューを行うので、街の「今」も見られる。さらに、出演しているマツコ・デラックスは関東の地理に詳しく、いろいろな情報を知ることができる。最近の放送では、都内の有名ホテルである椿山荘を取材した回が印象的であった。いろいろな花・樹も綺麗であったが、個人的には三重塔が最も良かった。夜だったので、三重塔がライトアップされていて美しかった。番組の雰囲気・内容はとても良いと思う。しかし、放送時間が深夜なのでリアルタイムで見られないことが残念だ。もう少し早い時間に放送すれば、いろいろな年齢層のファンも増えるのではないかと思った。(東京・高校1年・男子)

    • 『バカリズムの30分ワンカット紀行』(BSテレビ東京)について、この番組は、全国各地を地元の人が紹介するバラエティー。何といっても、この番組の特徴はワンカットである(早回し以外の編集を行わない)ことです。このため、紹介する地元の人々は視聴者が分かるほどにセリフを確認しながら言ったり、言い間違えたりすることもありますが、そのような一生懸命に街の魅力を伝えようとする姿を含めて、この番組の良さとなっています。また、他の番組ではなかなか取り上げられることのない場所のこともこの番組では、知ることができるというのも大きな魅力だと思います。街の人をうまく利用して番組を面白くするというのは、番組制作において重要な点ではないかと考えました。(愛媛・高校2年・女子)

    • 『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ)について、日曜日の夜は、家族みんなでテレビを見る、という家庭が多いのではないかと思います。私の家もそうです。両親が共働きで、小さい頃は祖母の家で休みの日や放課後を過ごしていました。ご飯を食べ終わってから弟とテレビを見る時間は、今でも変わらないひと時です。この番組は、アイドルグループのTOKIOが、福島に村を作ったり、無人島を一から開拓したり、捨てられる食材を使って料理をしたり、地方の特産品を使ってPR活動をしたりする番組です。私は特に、無人島を開拓する「DASH島」のコーナーが好きです。TOKIOはアイドルグループですが、無人島で知恵を使い、決して特別扱いせずに開拓していく姿を心からすごいと思います。(石川・高校2年・女子)

    • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)について、私の中でバラエティー番組と言われて一番に頭に思い浮かぶのは、この番組です。放送が開始された2007年から12年間見続けていることもありますし、好みがみんな違う私の家族でも毎週、唯一この番組だけはみんな集まって見ているからです。なぜここまで「イッテQ」は面白いのか、自分なりに考えてみました。一つ目、どのゴールデン番組にもない特徴はすべて海外ロケをしていることです。視聴者は毎回見慣れない映像なので12年放送されても飽きないのだと思いました。二つ目はキャスティングにあると思います。内村光良さんをはじめ、手越祐也さんから芸人そしてモデルまで幅広い層に対応しているところにあると思います。そして三つ目は企画力だと思います。ですが、先日BPOが「祭り企画」に関して意見を発表したようなことになり残念でした。すごく面白く、ためになるコーナーであり個人的にも好きだったので、いろいろ事情はあると思いますが、この企画の復帰を望みます。(広島・高校2年・男子)

    • 『クレイジージャーニー』(TBSテレビ)について、今回の番組の内容は、ジャーナリストが南アフリカへ行き、貧困問題やアパルトヘイト撤廃後もまだ黒人差別が残っていること、黒人の人々の中でも格差が生じていることを伝えるというものでした。黒人の人々が多く生活する地域でも、それぞれ富裕層、中産階級層、低所得者層が住んでおり、明らかな格差がそこにはありました。貧困から抜け出すには教育を受けることとコネが必要であるとのことでした。また、麻薬のディーラーやギャングの人々の話を聞く場面もありましたが、その仕事をしている理由を聞かれると彼らは全員「家族を養うために仕方なくやっていること」「子どもには自分と同じことをさせたくないこと」「そのために自分がお金を稼いで子どもに教育を受けさせたいということ」を言っていました。この番組を通して、やはり教育は大切なんだということ、また私が教育を受けていることは当たり前ではないということを改めて感じました。格差は日本でも生じているため、こうした社会問題から目を離さず、大学でしっかりといろいろなことを学んで向き合っていきたいと強く思いました。(奈良・高校3年・男子)

  • 【自由記述】

    • 闇営業問題で芸人らに謹慎処分が下されました。この問題でテレビ局側は出演部分のカットや出演見合わせなどの対応に追われました。私は、ニュースを見て芸人さんは自分の収入だけ考えて行動しているように感じました。テレビ局や視聴者を裏切ったように感じました。芸能人はもっと芸能人としての自覚を持ってほしいと私は思いました。テレビは芸能人がいないと番組を作れないし、出演者あってのテレビだと思います。そして、一般人からみると芸能人は憧れであり、中には心の支えになっている人もいます。私も好きな芸能人がいて生きているうちに一度は会いたいです。つまり芸能人の人が思っているより、私たちへの影響力はとても大きいです。だから、もっと自分の仕事にやりがいを感じこれからも頑張ってほしいです。(鳥取・中学3年・男子)

    • 先日、学校の授業で数枚の決められた写真を使いニュース番組を作った。いくつかの班に分かれ発表したが、同じ写真を使用しているのに、内容はどれ一つとして被らなかった。このことより、同じ素材でも受け取り方は全く異なるため、メディアの私情を挟まない情報の重要性と、その異なる見方をまとめる影響力を感じた。(東京・高校1年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『はじめてのおつかい』(日本テレビ)を見ました。私は子ども好きというわけではありませんが、この番組に出てくる子どもたちを見ていると、かわいいな と思ったり、応援したくなります。今回は、兄弟でおつかいに出た弟くんが、初めて言葉をしゃべっておにいちゃんが「にいにっていえるようになったの?」と言っている姿を見て、涙が出ました。(神奈川・高校1年・女子)

    • 『映像の世紀プレミアム第13集 戦場の黙示録』(NHK BSプレミアム)について、中学受験生時、教科書も資料集もめくるページめくるページが目つきの鋭い兵士さんだったり、けがをして倒れている人の山だったりで、怖いと目を思わず目を背けてしまった。高校生になり、この番組を見て、未来を背負う一人の若者として学ばなければいけない日本、世界の歴史の大切な1ページなのだなと強く思いました。(東京・高校1年・女子)

    • 『音楽の日』(TBSテレビ)の一部をリアルタイムで視聴した。見ていた中では、歌手の森山直太朗さんが、長崎の五島列島で歌を披露している場面が最も印象に残った。曇りでありながら、長崎の景色がとても美しかった。また、釜石市の復興スタジアムからの中継も印象に残った。思っていたよりも綺麗に整備されていて、復興が進んでいる様子がよく伝わってきた。(東京・高校1年・男子)

    • 『音楽の日』(TBSテレビ)について、歌手とお客さんが一体となって楽しそうでした。また、ジャニーズの人たちが、ジャニー喜多川さんへ感謝を伝えているシーンはすごく感動しました。(愛知・中学2年・女子)

    • 『コトノハ図鑑』(毎日放送)について、身の回りにあふれている和製英語をその正しい言い方、和製英語となった理由にも触れながら説明していて、とても分かりやすかった。また、逆に和英英語が英語になった例も紹介されており、これはあまり聞いたことがなかったので目からうろこでした。ただ、途中で街の人にインタビューするシーンがあったのですが、たった1人だったので、もう少しあってよいのではないかと思いました。(愛媛・高校2年・女子)

調査研究について

担当の中橋委員より、調査研究(青少年のメディアリテラシー育成に関する放送局の取り組みについて)の進捗状況について報告がありました。

今後の予定について

  • 10月3日に開催される山形県の放送局の方々と青少年委員会委員との意見交換会について、参加委員の確認をしました。

以上