青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第208回

第208回-2018年11月27日

視聴者からの意見について…など

2018年11月27日、第208回青少年委員会をBPO第1会議室で開催し、5人の委員が出席しました。(2人の委員は所用により欠席)
委員会では、まず10月16日から11月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
中学生と教師の純愛をテーマとした連続ドラマについて、先月に続いて「教師と生徒の恋愛は道徳的に問題がある。同世代の子どもを持つ身としては不愉快だ」「大人の女性と未成年、それも中学生男子がキスするようなドラマを放送してよいのか。淫行を奨励しているようなものではないか」などの意見が寄せられました。これについて、委員からは、「一方的に教師が未成熟な子どもを騙したり脅したりして性的な興味の対象として扱っているわけではない。条例違反などに関しては法務チェックを受けた上でつくっているのではないか」などの意見が出されました。
11月の中高生モニターのリポートのテーマは「最近見たドラマについて」で、31人から報告がありました。モニターからは、中学生と教師の純愛をテーマにしたドラマについて「よくある恋愛ドラマとは違い、先生と生徒の恋愛なので、くっついてはいけない間柄という点からハラハラして見ている。主人公の俳優の表情やしぐさの演技が上手だと感心した」、ネットメディアの虚偽ニュースをテーマにしたドラマについて「複数のことがストーリーの展開とともに結びつき、真相が明らかになっていく構成が、緊張感があり、面白かった。メディアから発信される情報をうのみにするのではなく、目の前の情報が誤り(フェイク)でないか受け取る側もしっかり意識しなければならないと感じた」、ツッパリの高校生たちが織り成す学園ドラマについて「80年代をテーマにしていて私たち10代には新鮮で面白い。今のドラマに珍しく大量の流血シーンに驚いた。このドラマの暴力シーンはありだと思うが、コンプライアンスが厳しい世の中で良い悪いの基準がわからないな、と思った」などの意見が寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
次回は12月17日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2018年11月27日(火) 午後4時30分~午後6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
今後の予定について
出席者
緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員

視聴者からの意見について

男子中学生と女性教師の純愛がストーリーのドラマについて、先月に引き続き「教師と生徒の恋愛は道徳的に問題がある。同年代の子どもを持つ身としては不愉快」「青少年に悪影響しかないストーリーをなぜわざわざドラマにするのか」「男子生徒が女性教師に抱きついたり、キスしたりと現実にあったら犯罪だ」などとの意見が寄せられました。
これに対し委員からは「淫行に関する条例は自治体毎に定めているが、一般的に、青少年に対する性行為等一般を対象とするのではなく、青少年を誘惑し、威迫し、または困惑させるなどの青少年の未成熟に乗じた不当な手段を用いての性交等や青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象としか扱っていないような性交等を対象としていると考えられている。このドラマの制作者側はそこの要件を検討した上で、ストーリーを作っているのではないか」「一方的に教師が未成熟な子どもを騙したり脅したりして性的な興味の対象として扱うというストーリーではない。条例違反などに関しては法務チェックを受けた上でつくっているのではないか」との意見が出されました。
この件に関しては、これ以上話し合う必要ない、となりました。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした11月のテーマは、「最近見たドラマについて」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で31人から報告がありました。
「最近見たドラマについて」では、ひとりで2つの番組を報告したモニターがおり、全部で32番組について報告がありました。
複数のモニターが取り上げたドラマあり、『今日から俺は!!』(日本テレビ)を6人、『中学聖日記』(TBSテレビ)を5人、『フェイクニュース』(NHK総合)を3人、『ドロ刑-警視庁捜査三課-』(日本テレビ)、『獣になれない私たち』(日本テレビ)、『SUITS/スーツ』(フジテレビ)、『僕らは奇跡でできている』(関西テレビ)にそれぞれ2人ずつから報告がありました。
『中学聖日記』や『今日から俺は!!』などは、これまでに批判的な視聴者意見が寄せられることもありましたが、「よくある恋愛ドラマとは違い先生と生徒の恋愛なのでハラハラドキドキしてみている。周りの友達もたくさん見ているので、次の日はその話で盛り上がる」「中学生ならではのもどかしさや、反抗期の親への思い、友人関係など同世代が共感できる内容で心情描写が上手でおもしろい」「批判も多いようだが、このドラマを見ているとどんなに完璧に見えてもそれぞれ問題を抱えながら懸命に生きているという当たり前のことに気付かされる」(『中学聖日記』)や「俳優たちは脚本にとらわれない自由な演技をしている」「難しいことを考えずに、見ているだけで面白い」(『今日から俺は!!』)など、モニターからの意見はどれも好意的で、10代ならではの感性と視点で視聴されている様子がうかがえます。
「自由記述」などで、BPOが報告書を求めたことが報じられた『世界の果てまでイッテQ』(日本テレビ)について、7人のモニターが意見を述べています。「今回のことを問題だとは思わないが、視聴者の信頼を失うことのない番組作りをしてほしい」という番組への意見や「今回の疑惑を何度も取り上げている放送局があり違和感を抱いた。他局の疑惑を話題にして視聴率を稼ぐのは見ている側もいい気持ちはしない」という話題の報じ方への批判的な感想などがありました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『ウワサの保護者会』(NHK Eテレ)を3人、『くりぃむしちゅーの!THE レジェンド』(日本テレビ)と『UTAGE!』(TBSテレビ)を2人のモニターが取り上げています。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たドラマについて】

    • 『今日から俺は!!』(日本テレビ)についての感想が多かった。最近の若い子たちはヤンキーっぽいものが好きだという研究結果を見たが、あそこまで過激に表現すれば、子どもたちもギャグとして受け止め楽しんでいるのだとわかった。

    • 『今日から俺は!!』(日本テレビ)「俳優たちは脚本にとらわれない自由な演技をしている」と評価しているモニターがいる。完璧に作りこまれたドラマよりも自由に作られていることに新しさを感じているのかもしれない。

    • 『中学聖日記』(TBSテレビ)「よくある恋愛ドラマとは違い先生と生徒の恋愛なのでハラハラドキドキしてみている。周りの友達もたくさん見ているので、次の日はその話で盛り上がる」との報告があった。テレビを見て、次の日学校で盛り上がるような光景は最近なくなっていると言われていたが、こういうことが今でもあるということを、制作者の側にも伝えたい。

    • 『中学聖日記』(TBSテレビ)「中学生ならではのもどかしさや、反抗期の親の思い、友人関係など」同世代ということで共感できるようなところがあるのかなと思った。やはり大人の見方と違うのかなと感じた。

    • 『僕らは奇跡でできている』(関西テレビ)は、わりと大人向きのドラマだと思っていたが、10代の彼らも、意図をよく読み取って見ていることがわかる。中学生にも支持されているところがおもしろい。

    • 『獣になれない私たち』(日本テレビ)は、中学生には難しいドラマだと勝手に思っていたが、これをおもしろいと感じ、かなり深く読み取れるというのは、今の中学生の子たちのメディアリテラシーの高さがうかがえると思う。

    • 今月は録画視聴をしたという報告が多かった。やはりドラマをしっかり見ようと思うときには録画をして視聴するのだと感じた。反対に言うとリアルタイムでの視聴は、親と一緒に見るなどの特徴があるのかなとも思った。

  • 【自由記述について】

    • 「バラエティー番組などでCMに入る前に、意外な展開が!?と言っているけど、CM後そんなに大したことはないことが多い」という、いわゆるあおりについての意見がある。同様の意見はたびたびあるが、私もこのあおりは何とかしてほしいと思っている。あおりを楽しみにして、結局裏切られると、「今度はだまされないぞ」と視聴者は思ってしまいかえって逆効果なのではないだろうか。

    • 「LGBTがドラマなどで描かれることが多くなり、多様な性を認める社会の実現にむけてテレビが役割をしっかり果たしている」という意見があった。最近は、中学高校でも、学校教育の中で性的少数者を扱うことが多いらしく、性の多様性への着目は、今の中高生の視点だと言えるのかもしれない。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見たドラマについて】

    • 『今日から俺は!!』(テレビ新潟/日本テレビ)ギャグ要素が強いドラマなので、難しく考えることもなく、ただ見ているだけで笑ってしまいます。(新潟・中学1年・女子)

    • 『僕らは奇跡でできている』(新潟総合テレビ/関西テレビ)主人公が人とは違う考えで、違うことを思っている。現代人は自分の好きなことだけをして生きていけないと思っているが、主人公のような生き方もできるんだと気づかせてくれるとてもよいドラマだと思う。(新潟・中学2年・男子)

    • 『僕らは奇跡でできている』(テレビ長崎/関西テレビ)家族で楽しめるドラマです。この番組をきっかけに自分の興味を深めようとする人が増えていくのではないかと思います。(長崎・中学3年・女子)

    • 『中学聖日記』(TBSテレビ)よくある恋愛ドラマとは違い先生と生徒の恋愛なのでハラハラドキドキしてみています。周りの友達もたくさん見ているので、次の日はその話で盛り上がります。主人公を演じる岡田くんの表情やしぐさの演技が上手だなと感心します。(東京・中学3年・女子)

    • 『今日から俺は!!』(日本テレビ)監督は福田雄一さんで、始まる前から面白い予感はありましたが、案の定、面白いです。腹を抱えて笑いました。俳優たちは脚本にとらわれない自由な演技をしています。これからも"福田組"から目が離せない。(東京・中学3年・男子)

    • 『中学聖日記』(TBSテレビ)男子中学生の中学生ならではのもどかしさや、反抗期の親への思い、友人関係など、同世代の私からも共感できるような内容であり、心情描写が上手でおもしろいと感じていた。さらに印象的だったのはLGBTの人物が登場してくること。ドラマ内では主人公の婚約者の上司役であるが、大企業の立場ある人間との設定でLGBTの人物が登場してくることは、多様な性を容認する社会の実現のために、テレビが良い役割をしていると感じた。(神奈川・中学3年・男子)

    • 『中学聖日記』(TBSテレビ)教師と生徒の許されない恋の物語で、とても興味を惹かれました。世の中の人は、こういう恋や不倫を、自分には関係ないと思って、報道された人たちを傷つける言葉をSNSにのせたりもしますが、本当に他人事だろうかと思わされます。そして、無関係な人たちが介入するのはおかしいと思います。「このような恋愛を肯定しているからそう考える」わけではないですが、よく思っています。(宮崎・高校1年・女子)

    • 『フェイクニュース』(NHK総合)複数のことがストーリーの展開とともに次第に結びつき、真相が明らかになっていくという構成が、緊張感もあり、面白かった。メディアから発信される情報を鵜呑みにするのではなく、正しい情報とは何か、目の前の情報が誤りではないか、受け取る側の私たちもしっかり意識しなくてはならないと感じる。(兵庫・高校1年・男子)

    • 『中学聖日記』(TBSテレビ)センセーショナルな内容で、SNSなどでは批判も多いですが、私は毎回楽しみにして見ています。このドラマを見ていると、どんなに完璧に見えても、大人も子どももいろんな問題をそれぞれ抱えながら懸命に生きているのだという当たり前のことに気づかされます。周りの素晴らしい尊敬できる人を見ていると、自分の嫌なところばかりに目が行ってしまいますが、そのようなところも受け入れて、頑張ろう、そう思えるような活力を与えてくれます。また、登場人物のそのような懸命な葛藤、一生懸命さが愛おしいとも思えます。(福井・高校1年・女子)

    • 『今日から俺は!!』(日本テレビ)1980年代をテーマにしていて、私たち10代には新鮮で面白いです。母とみていて話題になったのは暴力シーンについてです。今のドラマには珍しい大量の流血に驚きました。私はこのドラマの流血シーンはありだと思うのですが、コンプライアンスが厳しい世の中で良い悪いの基準がわからないなと思いました。(東京・高校3年・女子)

    • 『ドロ刑-警視庁捜査三課-』(日本テレビ)特別理解するのが難しいシーンや暴力的なシーンもなく、土曜日の夜にゆっくり見るには適したドラマだなと思った。終わって歯磨いて11時半に寝たくなる感じのドラマ。そして最後にはしっかり感動のオチがあり、絶妙なタイミングでエンディング曲が流れて終わる。このまとめ方がうまいのなんの…。ホームランを打つわけでもなく三球三振するわけでもなく、しっかりと一塁打を打ち続けるもはや職人芸のような土曜10時枠の安定感。(東京・高校3年・男子)

  • 【自由記述】

    • バラエティー番組などで、CMに入る前に「意外な展開が!?」とか言ってるけど、CM後、たいしたことはないってことが多いです。(兵庫・中学2年・男子)

    • 民放では、芸能人だけでなく、テレビ局のアナウンサーやキャスターまでもが、番組の中でお互いのことを「ちゃん」付けで呼んでいるのを時々目にします。母から「あれは放送業界の習慣だ」と聞きましたが、視聴者から見ると、アナウンサーやキャスターが幼稚に見えてみっともなく、不快です。(福岡・中学3年・女子)

    • 最近はLGBTなどがドラマなどで描かれることが多くなったような気がする。いわゆるおねえと呼ばれるトランスジェンダーの人がバラエティーに出ることは多かったが、レズやゲイ、バイセクシャルについてもテレビで取り上げられることは、多様な性を認める社会の実現のための印象的なことのひとつに感じ、テレビが持つ役割をしっかりと果たしているように思えた。(神奈川・中学3年・男子)

    • 『世界の果てまでイッテQ』の祭り企画のやらせ疑惑が報道されたことについて、ある放送局が何度も取り上げていて疑問を抱きました。他局の疑惑を話題にして視聴率を稼ぐのは見ている側もいい気持ちはしないです。(山梨・高校2年・女子)

    • 今話題の『世界の果てまでイッテQ』の問題について、私は別に良いと思ってしまいました。番組では、お祭り自体よりも、タレントがどれだけ面白く頑張るかがクローズアップされていたので、私は今回の問題もあまり気にしていません。

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『スポーツ ザ・チーム 勝ち負けの向こう側』(BS11)相撲部の女性主将という異色な女子大生の、部の存続や大会へのチャレンジ精神に勇気をもらった。この相撲部を応援したくなった。この気持ちをもっと誰かと共有したい。(福岡・中学2年・男子)

    • 『ウワサの保護者会 発達障害かも…どうすれば?』(NHK Eテレ)私の通っていた中学には、発達障害の人たちのクラスがあったので、他の人たちよりは発達障害について考えているほうだと思っていたが、その考えはまだまだ浅かったと痛感した。この番組を見て、クラスメートが自分自身で「吃音」をカミングアウトしていたことを思い出した。これからは多様性の時代。障害が「個性」ととらえられるのはいつになるのだろうか。(愛知・高校1年・男子)

    • 『ウワサの保護者会』(NHK Eテレ)子どもの教育や発達に興味があるので見ています。この番組の良いところは、ただ延々と専門家の話を聞くだけではなく、様々な子どもの実際の様子を放送し、それに対して尾木ママと保護者が話し合うという、子どもに寄り添った番組だと思います。(北海道・高校2年・女子)

調査研究について

11月、京都市で開催された日本子ども学会で、菅原ますみ委員が、2017年度『青少年のメディア利用に関する調査』についてポスター発表したことが報告されました。また、菅原委員が作成した報告書について委員会として最終確認をしました。

今後の予定について

  • 11月19日、盛岡市で開催された岩手地区の放送局との意見交換会について、当日地元局で放送されたニュースを視聴した上、参加委員から感想が出され、総括しました。

以上