青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第211回

第211回-2019年2月26日

視聴者からの意見について…など

2019年2月26日、第211回青少年委員会をBPO第1会議室で開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、まず1月16日から2月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
報道番組や情報番組において、高校教師による生徒への暴行動画が前後のやり取りも含めて流されたことについて、「暴力の加害者を擁護し、被害にあった生徒を叩くことはあってはならない」「これが今どきの高校生だという誤解を与える。"最近の若者は…"という思いしか伝わらず、少しやり過ぎだ」という意見が寄せられました。これに対し委員からは、「ネット上の動画の取り扱い、特に子どもや生徒が登場する場合は、課題があると思う」などの意見が出されました。
2月の中高生モニターのリポートのテーマは「最近見たニュース・報道番組について」でした。29人から報告がありました。
モニターからは、「報道番組を見て思うのは、取り上げ方によって見るほうの考え方が左右されることの怖さです。ある高校で先生が生徒に暴力をふるった事件があったが、一連の流れの一部を流すと、見る側は先生が悪いと取る。その後、全容が流されたが、ここから本当に良いか悪いか議論できると思う」、夜のニュース情報番組について「野田市の少女虐待事件について、司会者やコメンテーターが、自分なりの推測をしていて疑問に思った。『推測』ではあるものの『事実』と捉えられるニュアンスの発言もあったので間違った認識をしてしまう可能性があると思った」、夜のニュース番組ついて「出演者の"内輪ノリ"もなく、あくまで『ニュースを伝える』ことに重点を置いている姿勢が伝わってきた。池江選手の白血病のニュースでは、本人の立場に寄り添い、温かく見守っているような印象を受けた」、1週間のニュースをランキングで紹介する番組について「ニュース番組はあまり意識して見るジャンルではないが、今、社会で何が起きているかちゃんと知るべきだと思った。この番組は短時間で1週間のニュースをだいたい知ることができるし、今さら聞けないニュースの用語もわかりやすく解説してくれるため、毎週見る習慣をつけようと思った」などの意見が寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
次回は3月26日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2019年2月26日(火) 午後4時30分~午後6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

報道番組や情報番組において、高校教師による生徒への暴行動画が前後のやり取りも含めて放送されたことについて、「番組の出演者が、生徒側が挑発したと決めつける発言をした。事実確認が取れていない時点で生徒が悪いと決めつけるのは不適切だ」「暴力の加害者を擁護し、被害にあった生徒を叩くことはあってはならない」「これが今どきの高校生だという誤解を与える。"最近の若者は…"という思いしか伝わらず、少しやり過ぎだ」などといった意見が寄せられました。これに対し委員からは、「ネット上の動画の取り扱い、特に子どもや生徒が登場する場合は、課題があると思う」との意見が出されました。
情報番組において、高校生が自らの救急車による搬送場面をソーシャルメディア(SNS)に投稿していたというニュースについて、「緊急性の高い救急車内でこの行為はいかがなものかと批判的に取り上げているが、SNSで当事者の高校生が特定され、プライバシーがさらされてしまっている。番組がきっかけになったのではないか。本人の責任ではあるが、一人の青年の人生に何らかの影響を与えたかもしれず、SNSの扱いについて放送局は慎重になるべきだ」との意見が寄せられました。これに対し委員からは、「放送では個人が特定されないよう映像的な配慮はなされているが、テレビに出てしまうことによる影響の大きさを放送局側も意識するべきだ」との意見が出されました。
学校が舞台のバラエティー番組において、出演者が鉛筆の芯の原料は鉛と発言したことに対して、「鉛筆の芯は黒鉛で鉛を使うことはあり得ない。子どもも見る番組なのに作りがお粗末すぎる」との意見が寄せられました。これに対して委員からは、「正しくない知識を子どもたちに刷り込むのは良くない」「間違ったことを放送した場合は、訂正するべきではないか」との意見が出されました。
これらの件に関しては、これ以上話し合う必要ない、となりました。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした2月のテーマは、「最近見たニュース・報道番組について」でした。また、「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で29人から報告がありました。
「最近見たニュース・報道番組について」では、全部で17番組について報告がありました。複数のモニターが取り上げた番組は6番組で、『news zero』(日本テレビ)と『報道ステーション』(テレビ朝日)を4人、『NHKニュース7』(NHK総合)と『めざましテレビ』(フジテレビ)を3人、『news every.』(日本テレビ)と『Mr.サンデー』(フジテレビ)をそれぞれ2人が取り上げていました。
また、「自由記述」を含め複数の報告が寄せられたトピックスがいくつかあり、アイドルグループの活動休止のニュースについては最多の4人から報告がありました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞』(日本テレビ)を5人のモニターが取り上げています。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たニュース・報道番組について】

    • ある情報番組で「占いのおもしろコーナーがあるので小学生に受けがいい。でも中学校だともっとニュースの多い番組を見ると思う」という報告があったが、子どもなりに、年齢による発達段階に応じて必要な情報があるということを指摘していて面白いと思った。

    • 中高生にとってテレビは、報道であれ、ドキュメンタリーであれ、楽しくて面白くてわかりやすいといことが評価の基準になっているようだと感じた。もちろん中高生なので、社会的なことに対する理解がまだ少ないのかなと思う半面、自分自身を振り返ると全く真逆で、報道番組は、世の中で起きている問題や暗いことも教えてくれるというところに意味があると思っていた。しかし、今の中高生にとっては、報道さえも「楽しい」ということがキーワードになっているのかもしれない。報道番組って今、何なんだろうということを考えながら読んでいた。

    • 全体についての印象だが、これまでは報道の公正・中立を求めるような意見が割とあったが、今回はそのような意見が見られず、時事問題ではない芸能的なニュースについての報告が多いように感じた。去年までとちょっと趣向が変わったと思いながら全体を見ていた。

    • もしかすると去年まではいろいろと批判的な報道などもあったが、今年はそのような伝え方が減ったという面があるのかもしれない。ある事象を淡々と伝えることはあっても、社会的・政治的に争点になっている問題について報じるニュースは、より神経質に、公平に、偏向をなくす方向に向かっているのかもしれない。

  • 【自由記述について】

    • ラジオで聴いたニュースが、テレビよりも詳しく解説され、細かい情報があって、いつも以上に興味を持ったという報告があった。ある意味、テレビは映像を伴うので映像に頼ってしまう部分があり、説明をはしょってしまう側面がある。しかし、説明をするということは、恐らくそのニュースの本質を報じる側がつかむわけで、映像に頼らない分、ラジオのほうが人の興味をひく説明になっているのかもしれず、これはテレビも考えないといけない課題かもしれない。

    • 今、テレビの演出として多いパネルショーについて指摘をしたモニターがいた。事件の概要などを説明する際に、わかりやすい演出ではあるが、人の顔写真をまるで記号のようにペタペタとあっちに貼ったり、こっちに貼ったりすることは「人をものとして扱っているようで嫌な気持ちになった」という感想だった。たしかに、わかりやすいということを主眼にしていくと、何気なく行ってしまう演出ではあるが、それはやはり少し無神経なのかもしれないというようなことを、この指摘を受けて考えた。

    • 「事件が不起訴になったとき、逮捕時に比べてあまり報道されないことが気になりました」という感想があった。逮捕されたということで社会的信用が落ちており、不起訴であるならば名誉を回復すべきではないか、という指摘だが、これも一つの問題提起だと感じた。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見たニュース・報道番組について】

    • 『news every.』(日本テレビ)水泳の池江選手が白血病になったニュースについてです。これからの活躍を期待されている選手が「白血病」という病気になったことで「白血病」について関心が高まり、骨髄ドナー登録者が増加したり、白血病経験者の心のこもったコメントが公開され、影響の大きさに驚いた。(東京・中学2年・男子)

    • 『めざましテレビ』(フジテレビ)占いなどの面白いコーナーがあるので小学生には受けがいいと思った。中学生になると社会科などで時事問題があるのでもっとニュースの多い番組を見るようになるのかな、と思った。(新潟・中学2年・男子)

    • 『報道ステーション』(テレビ朝日)報道番組を見ていて思うのは、取り上げ方によって視聴者側の考え方が大きく左右されることの怖さです。ある高校で、教師が生徒に暴力をふるった事件がありました。一連の流れの一部分を放送すると視聴者は「教師が悪い」と受け取ります。私も最初はそう思いました。でもすぐに全容が報道されました。そこで教師が手をあげた理由もわかり、ここから初めて本当に良いか悪いかの議論ができます。その後、明石市長の暴言・パワハラ発言問題が出ました。しかし、問題部分の続きの市長の発言はほとんど報道されていない気がします。私は、その続きの部分こそ市長が本当に言いたかったことではないかと考え、あらためてニュースは全容を報道してほしいと思いました。(大阪・中学3年・女子)

    • 『Mr.サンデー』(フジテレビ)野田市の少女が虐待死した事件について連日報道されていますが、この番組では司会者やコメンテーターが自分なりの推測をしていて疑問に思いました。「推測」なのに「事実」ととらえられるようなニュアンスの発言もあったので、視聴者に間違えた認識をさせてしまう可能性があると思った。(東京・中学3年・女子)

    • 『NHKニュース7』(NHK総合)ニュースの伝え方で気づいたことは、厚生労働省の統計不正問題を伝える時の背景に、天気の薄暗い日の東京の街並みを空から映した映像が流れて、なんだか「暗黒の東京」のようなイメージが感じられたり、アメリカの大統領選挙の話題の中では、トランプ大統領の意見や考えが赤い文字や赤く縁取りされた書体の字幕で示されていたのが、印象的で面白いと思いました。ニュース番組を作っている人たちは、映像や字幕のデザインも、とても工夫しているのだと感じました。(福岡・中学3年・女子)

    • 『報道ステーション』(テレビ朝日)出演者の「内輪ノリ」のようなものもなく、あくまで「ニュースを伝える」ということに重点を置いているという姿勢が伝わってきた。水泳の池江選手の「白血病」について取り上げていたが、本人の立場に寄り添い、温かく見守ってあげているような印象を受けた。(兵庫・高校1年・男子)

    • 『報道特集』(TBSテレビ)私は、毎朝新聞を見ている。見るのは、興味がある経済欄と地方欄。私たちは、何か情報を得ようとするとき、本を読んだり、インターネットで調べたりする。これは、多くの情報を得られることにはつながるが、この情報収集は自分の常識、経験の範囲でしか行うことができない。何か、調べるときには必ず、「何かに役にたつはずだ」という意識が入っているからである。しかし、このようなやり方では知識の総量は増やせたとしても、知識の多様性・幅は増やせないと思う。そこで、意味をなすのが、ニュース番組だと思う。ニュース番組を見ていれば、興味がない情報も否が応でも強制的に入ってくる。そのような環境は意外と大事だと思う。現代では、このような興味のない情報が入ってくる機会はますます減っている。特にインターネットの世界ではソーシャルネットワークやリコメンド機能が発達し、個人に流れてくる情報がますます偏るようになっている。自分自身にあった情報を効率よく手に入れることができる。たしかに、それはとても便利だ。しかし、それは同時に問題でもあると思う。そればかりに頼りすぎてしまうと知識の幅や多様性がますます失われていくからだ。そして知識を広げようにも、そのことを知らないということを、知らないため、広げられない。そういう意味で、これからもニュース番組を見続けようと思った。そして、そのためにニュース番組のより一層の情報の普遍化、信頼性の向上に期待したい。(福井・高校1年・女子)

    • 『週刊まるわかりニュース』(NHK総合)ニュース番組はあまり意識して見るようなジャンルではないが、今、社会で何が起きているのかということをちゃんと知るべきだと思った。この番組なら30分という短時間で1週間のニュースをおおよそ知ることができるし、いまさら聞けないと思うようなニュースの用語などもわかりやすく解説してくれるので毎週見る習慣をつけたいと思った。(東京・高校2年・女子)

  • 【自由記述】

    • ラジオでニュースを聴いていて、テレビより詳しく解説されていたり細かい情報があったりして、いつも以上に興味がわきました。このように細かい情報のニュースは災害の時にラジオが大事だと言われる所以だと思いました。(岐阜・中学2年・女子)

    • 情報番組の虐待のニュースで、人の顔写真をまるで記号のようにフリップに貼ったりしていた。人をモノとして扱っているようで嫌な気持ちになった。(福岡・中学2年・男子)

    • 事件が不起訴になった時、逮捕された時に比べ、あまり報道されないことが気になりました。逮捕された、という報道がされることによって、その人の社会的信用は地に落ちてしまいます。いくら無罪と推定されていても、人は有罪だという目で見てしまうのです。そして、不起訴となったとしても、大きく報道されず、新聞の片隅に小さく掲載されるだけです。せめて逮捕時と同じくらいで、不起訴になったことを報道すべきだと思います。そうすることによって、少しでも社会復帰しやすい環境にすべきだと思います。(福井・高校1年・女子)

    • 朝の情報番組で衝撃映像を流すコーナーがあり、その時にとても緊迫感のあるBGMが流れるので、毎朝その音にビビッています。夕方のバラエティーなどならいいけど、朝からはやめてほしいと思います。(東京。高校2年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞』(日本テレビ)40年間も続いている番組なので私もよく見ています。一般の方々が協力して良いものを作り上げようとする姿勢に毎回驚くとともに、とても楽しく見ています。(東京・高校2年・女子)

    • 『欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞』(日本テレビ)今年も様々なアイデア作品が見られて面白かったです。来年はどんな作品が見られるのだろうと楽しみになる番組です。(山梨・高校2年・女子)

調査研究について

次期調査研究について、担当の中橋委員より、3月の委員会に今後の調査の方針を提案したい旨、報告がありました。

今後の予定について

  • 2月23日(土)昨年に引き続いて東京で開催された「学校の先生方との意見交換会」について、出席した委員から感想が述べられ、総括しました。また、2019年度の意見交換会について、事務局より説明がありました。

以上