青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第212回

第212回-2019年3月26日

視聴者からの意見について…など

2019年3月26日、第212回青少年委員会をBPO第1会議室で開催し、7人の委員全員が出席しました。
委員会では、まず2月16日から3月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
情報バラエティー番組で、青少年向けと見せかけ、暴力表現、性的内容が含まれているネット上の動画の問題を取り上げたことに対し、「動画映像を無加工のまま流すのは、子どもが見る時間帯の番組としては配慮がない」などの意見が寄せられました。これに対し、委員からは、「番組が取り上げた動画は、過激でなくマイルドな内容で配慮ができていた」「視聴者に注意喚起を促すという視点があった」などの意見が出されました。
3月の中高生モニターのリポートのテーマは「1年間で最も印象に残った番組について」でした。29人から報告がありました。
多くのモニターが、学校を舞台に教師が生徒を人質にするという内容の連続ドラマを挙げました。この番組ついては、「『お前の言葉ひとつで簡単に命を奪えるってことを忘れるな』というセリフでは、ネット中心の社会でぐっと抑えて考えを一回転させて新しい考えを導き出すことが大切ということがよくわかった」「毎回教師が送る熱いメッセージ、謎が深まる展開など視聴者を飽きさせず、次回が待ち遠しいと思わせる工夫があり、脚本がうまいと思った」などの意見が寄せられました。また、大みそか恒例の長時間音楽番組について、「歌の素晴らしさを改めて感じ、何度も泣いてしまった。これまでのこの番組で一番好きで、とてもよい年越しになった」、紀行バラエティー番組で、幻の陶器の再現を目指す陶芸家を追った回について、「この番組の面白さは、取材するディレクターの執念深さにあると思う。雑に取材するのではなく、ギリギリまで良いものを撮ってやろうという心が見える。これからも、その精神を忘れないで続けてほしい」などの意見が寄せられました。委員会では、これらの意見について議論しました。
次回は4月23日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2019年3月26日(火) 午後4時30分~午後6時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
調査研究について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

ネット上の動画「エルサゲート」(著名なキャラクターを登場させ、青少年向けの動画を装っているが、そのほとんどに暴力や性的内容等が含まれている)を取り扱った情報バラエティー番組に対して、「動画映像を無加工のまま流すのは、子どもが見る時間帯の番組としては無配慮・無神経だ」といった意見が寄せられました。これに対し委員からは「番組が例として取り上げた動画は、過激ではなくマイルドな内容で配慮ができていたと思う」「視聴者に注意喚起を促すという視点があった」「ネット動画をテレビで放送する場合は、十分な配慮が必要だろう」との意見が出されました。
学校を舞台に教師がクラスの生徒を人質にする内容の連続ドラマについて、「校内犯罪や銃乱射をあおる内容だと思う。犯罪の温床にならないようにしてほしい」「教師が生徒たちを洗脳しているようにしか見えない」との意見が寄せられました。これに対して委員からは、「指摘の意見のような印象はなく、大きな仕掛けで社会的なテーマを扱ったドラマで心に響いた」「中高生モニターにおいても、子どもたちはテーマを理解し、称賛している意見が多い」との意見が出されました。
これらの件に関しては、これ以上話し合う必要ない、となりました。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした3月のテーマは、「1年間で最も印象に残った番組について」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で29人から報告がありました。
「1年間で最も印象に残った番組について」では、複数のモニターが報告した番組は2つあり、『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ)を8人、『第69回紅白歌合戦』(NHK総合)を4人が取り上げています。
またラジオ番組を取り上げたモニターが2人いました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『世界一受けたい授業』(日本テレビ)と『R-1ぐらんぷり2019』(関西テレビ)を3人のモニターが取り上げています。

◆委員の感想◆

  • 【1年間で最も印象に残った番組について】

    • 『嵐の緊急会見』を取り上げたモニターが、彼らの言葉の選び方や伝え方がよかったことを評価し、「しっかり言葉を選んでいる感じがして、テレビにはこれが必要だと感じた」と書いているが、放送では伝えるための努力が常にされているということを意識してもらえたのではないかと思う。

    • 『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ)についていくつもの報告が届き「毎回とても楽しみだった」「今の社会についての忠告がされていてとても心に響いた」などの感想が寄せられている。制作者がこのドラマを通して、一番メッセージを伝えたかったであろう青少年には、きちんと届いているのだな、と感じる。

    • 『クレイジージャーニー』(TBSテレビ)で、取材ディレクターの執念をキャッチしたモニターが、制作者の意気にも触れ「これからもその精神を忘れずに続けていってほしい」と励ましの言葉を寄せてくれている。

    • モニター活動を通じて視聴することになった夏の戦争関連番組などで「目を背けたくなるような事実もあったが、きちんと向き合うべきだと改めて思った」と述べたリポートがあった。当然のことではあるが、番組制作者たちも、「目を背けたくなるような事実であっても、目を向けさせる努力や工夫がもう少しできるのではないか」という心意気で挑んでほしい。

◆モニターからの報告◆

  • 【1年間で最も印象に残った番組について】

    • 『嵐の緊急会見』想定外の報告に驚いたのもあるが、嵐のメンバーの伝え方に感心した。変にピリピリもせず、視聴者にきちんと気持ちが伝わるのはすごいと思った。テレビでは視聴者と出演者が面と向かっているわけではないので気持ちが正確に伝わらないことが多々あるが、彼らはしっかり言葉を選んでいる感じがして、テレビにはこれが必要だ!と感じた。(東京・中学2年・女子)

    • 『アルコ&ピース D.C.GARAGE』(TBSラジオ)この番組が企画をやるときはリスナーもパーソナリティーも、時にはゲストもひとつの何かに向かって1時間走りきるような感じがします。ひとつの何かに向かう1時間のために、何人が起きていて同じ時間を共有できているのかと考えると、とてもわくわくしたし、様々な人たちとつながっている感じが強くてうれしかったです。リスナーの顔はもちろん見えないし、声も聞こえないけど、番組を通して、すぐそこにいて、同じ時間を過ごしているかのような楽しい雰囲気でした。この1年間でいちばん「ラジオっていいな」と強く思った瞬間です。(岐阜・中学2年・女子)

    • 『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(読売テレビ/日本テレビ)「お前の言葉ひとつで簡単に命を奪えるってことを忘れるな!」というセリフでは、このネット中心の社会で、いったん気持ちをぐっと抑えて考えを一回転させ新しい考えを導き出すことが大切だとよくわかりました。先生の言葉から学ぶことがたくさんありました。(大阪・中学3年・女子)

    • 『クレイジージャーニー』(琉球放送/TBSテレビ)この番組ディレクターは本当に執念があると思う。この番組の面白さは、その執念深さにあると思う。雑に取材するのではなく、ギリギリまで良いものを撮ってやろうという心が見える。これからもその精神を忘れないで続けていってほしい。(沖縄・高校1年・男子)

    • 『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(読売テレビ/日本テレビ)毎回、教師が送る熱いメッセージ、謎が深まる展開、そして生徒を自殺に追い込んだ真犯人の正体などなど、視聴者を飽きさせず「次回が待ち遠しい」と思わせる工夫が多々あり、脚本がうまいと思った。10代からの支持が厚かったと思う。若い人たちのテレビ離れがよく指摘されるが、工夫次第でたくさんの可能性が残されているような気がする。匿名性を利用し、実際には会ったこともない見ず知らずの人に言葉の暴力を浴びせて精神的に追い詰める現代のネット社会が抱える危うさを動画配信によって全ユーザーに訴えかけるシーンは、テレビの前の視聴者に問いかけているような演出で心に響いた。(兵庫・高校1年・男子)

    • 夏の戦争関連番組などでは、目を背けたくなるような事実もありましたが、きちんと向き合うべきだと改めて感じました。(東京・高校2年・女子)

    • 『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(長崎国際テレビ/日本テレビ)ネットの中の間違った情報を信じて自分が不幸を被るならまだしも、それで人を傷つけたりなんてことあってはならないと思います。けれども大体の生徒は気にかけず自分の好きなように発言しています。僕もそうでした。しかし、テレビというメディアでとても多くの人たちにちょっと違う立場からその愚かさを伝えることで、普段ネットでたたくことを楽しんでる人たちに響いたのかなって思いました。まさに現代が必要としていたドラマだったのかなという感じがしました。(長崎・高校2年・男子)

    • 『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ)こんなに考えさせられたドラマは初めてだと強く感じました。全10話、多くの視聴者が悩み、気付き、心揺さぶられたと思います。特に最終話は、現代の私たち若者の姿を映し出していると思いました。ドラマの中で主人公がSNSユーザーに向けた言葉は、まるでドラマの視聴者に向けた言葉のように受け取れました。特に印象に残ったのは「言葉は時として凶器になる。右に倣って吐いた何気ない一言が相手を深く傷つけるかもしれない。他人に同調するより、他人をけなすより、まず自分を律し磨き作っていくことが大切なのではないか」という言葉です。今の時代、匿名で、直接話をしたこともない誰かの心をSNSというツールでえぐることさえできてしまう。その行動は人を死に追いやることもある。自分はどうだろうかと考えることができました。SNS全盛のこの時代に放送されてよかったと思える作品でした。(山梨・高校2年・女子)

    • 『第69回紅白歌合戦』(NHK総合)歌の素晴らしさを改めて感じ、何度も泣いてしまいました。これまでの『紅白』の中で一番好きで、とてもよい年越しになりました。また今年の『紅白』も楽しみです。(東京・高校3年・女子)

  • 【自由記述】

    • 芸能人の不祥事によってドラマなどが放送できなくなるという事態が増えていますが、そのようなとき、どうすればよいのかを報道を見ながら考えていました。確かに作品に罪はないし、共演者やスタッフの努力が無駄になってしまうと思うと心が痛みます。でもそのような問題の前に表舞台に立つ者として日頃の行いには気を付けてほしいです。(東京・高校3年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『R-1ぐらんぷり2019』(東海テレビ/関西テレビ)笑うはずのところで客席から悲鳴が上がるのはうるさいと感じたし、拍手が多すぎるのは不自然でした。ネタは面白いのに、会場の雰囲気のせいで面白さが半減している気がしました。芸人の真剣さがもっと伝わる会場でいいのではないかと思います。(岐阜・中学2年・女子)

    • 『世界一受けたい授業』(日本テレビ)毎回、興味深い授業が放送されます。今回は、春の季節にありがちな体のトラブルやその改善法を説明していました。思わずテレビの前で実践してしまいました。(東京・高校2年・女子)

調査研究について

担当の中橋委員より、次期調査研究の方向性について提案があり、テーマは「青少年のメディア・リテラシー育成に関する放送局の取り組みに対する調査研究」に決まりました。

今後の予定について

  • 5月21日(火)に開催される、高知県の放送局と青少年委員会委員との意見交換会について、事務局より概要が説明されました。

以上