放送人権委員会

放送人権委員会 議事概要

第120回

第120回 – 2007年2月

審理要請案件

「放送人権委員会運営規則」の改正について…など

審理要請案件

「広島ドッグパーク関連報道」審理入り決める

06年12月、大阪の動物愛護団体の代表が「広島ドッグパークが崩壊して取り残された犬たちを救済する我々の活動が、あたかも募金目当てであるかのように朝日放送の番組で何回も報道され、名誉を毀損された」旨の苦情を申し立ててきた。

これに対し、当該局では「募金が犬の治療費などに十分に使われず、まだ5000万円以上を残しているような寄付金の集め方、使い方が妥当なのかを検証する報道であり、関係者の人権・プライバシーには十分に配慮している」と主張している。

放送人権委員会の1月委員会では「事態の推移をもう少し見守ろう」と審理入りを留保していたが、2月の委員会で、申立人には動物愛護団体の募金に関する正確な会計報告書等を、また当該局には答弁書に加えて関連番組の反訳文の提出を求め、次回委員会から本格審理に入ることを決めた。

「エステ店医師法違反事件報道」審理入り決める

07年2月、東京都町田市のエステ店の経営者の夫から「妻がアートメーク(アイラインに色素を入れる施術)について医師法違反で送検された。その事実を日本テレビが、本事案に関係なく以前にインターネット広告用に撮影された映像を使うなどして報道したが、そこではまるで極悪人であるかのように扱われ、妻の名誉が著しく毀損され、プライバシーが侵害された」との苦情申し立てがあった。

この申立てに対し、当該局では「本件報道は、以前に撮影されたという”インターネット用の映像”とは全く関係がなく、また、その報道内容は、医師法違反と言う重大な犯罪容疑に関する情報であって、公益を図るものであり、警察によって摘発され書類送検された事実を誤りなく伝えた」と反論している。

放送人権委員会では、本事案ついても次回委員会から”インターネット用の映像”に関する事実関係を中心に審理を始めることにしている。

「食中毒風評被害の訴え」は審理対象外

07年1月、東京都内の居酒屋から「同じ店名の飲食店が出した集団食中毒の報道によって、同区内にある当店で食中毒が出たとの風評被害にあい、当店の名誉を侵害された。報道の仕方に問題があった」との苦情申し立てがあった。

放送人権委員会では苦情申立書及び当該局から提出されたVTR等を基に慎重に検討したところ、「本案件は、放送人権委員会の運営規則第5条に定める申立人またはその直接の利害関係人の名誉、信用、プライバシー等の権利侵害に関する苦情にあたらない」ということで委員全員の意見が一致し、「審理対象外」として申立人に文書で通知することになった。

「放送人権委員会運営規則」の改正について

放送人権委員会では、昨年5月から議論を続け、この程まとめあげた「放送人権委員会運営規則の一部改正案」を、3月に公表することになった。

これは、2月委員会で決めたもので、3月22日に開催予定の「BPO年次報告会」の席上、放送人権委員会の竹田 稔委員長が加盟各社からの出席者に対し改正点を報告・説明することになっている。

なお、この「改正運営規則」は、周知期間3か月を経た後、7月1日から施行される。

苦情対応状況報告

1月中にBPOに寄せられた視聴者意見のうち、放送人権委員会関連の苦情の内訳は次のとおり。

◆人権関連の苦情[16件]

  • 斡旋・審理に関連する苦情(特定個人または直接の関係人からの人権関連の苦情)・・・10件
  • 人権一般の苦情(人権関連だが、関係人ではない一般視聴者からの苦情)・・・6件

その他

関西テレビ『あるある大事典?』に関する1月29日の「BPO理事長声明」、2月7日の「放送番組委員会有識者委員声明」が発表された経緯について事務局から説明があった。

放送人権委員会10周年企画について検討を進めることになった。

次回委員会を3月20日に開催することを決め、閉会した。

以上