青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第115回

第115回 – 2010年9月

TBS『リンカーン』制作担当者との意見交換

視聴者意見について …など

第115回青少年委員会は9月28日に開催され、7月委員会で審議したTBSのバラエティー番組『リンカーン』について、制作担当者と意見交換を行った。また7月16日から9月14日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見を基に、バラエティー2番組について視聴し審議したほか、9月に寄せられた中高生モニター報告について審議した。

議事の詳細

日時
2010年9月28日(火) 午後4時30分~7時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見委員長、境副委員長、小田桐委員、加藤委員、軍司委員、萩原委員、渡邊委員

TBS『リンカーン』制作担当者との意見交換

7月委員会で当該番組に対する視聴者意見を受け審議したが、それを踏まえてバラエティー番組における安全対策や放送表現について、制作担当者と委員との率直な意見交換が行われた。委員からの意見・要望に応答しながら、局側から以下の概要の説明を受けた。

【安全対策について】

番組制作者にとって最も気をつかうところは安全対策であり、不慮の事故を回避するため、危険性があると思われる収録等については万全の対応をしている。収録に際しては社内横断的な委員会を開き、事前に複数の関係者による話し合いを行って、安全性の確認をすることにしている。当該番組についても委員会のほか、独自の「安全概要書」を作成し、スタッフ全員に配付し、その意識を共有している。また収録までに何回もシミュレーションを繰り返し安全性の確認を行っている。現場には医師を含め専門家を配置するなどの対応を行っている。

【放送表現について】

バラエティーには様々な表現形態があり、出演者が体を張ってゲームに挑戦するという内容もその一つと考えている。また、番組では大掛かりな仕掛けを使ったものだけではなく、仕掛けのほとんどないシンプルなお笑いも追求している。今回の放送で視聴者から”不快”と指摘された箇所については、放送後、社内で速やかに議論が行われた。放送前には毎回、プロデューサーを含め、複数のスタッフが視聴し、番組内容について意見を出し合い、再編集をするなどの作業を行っているが、当該放送については、不快に思うという視聴者意見等を受け、編集段階等で違う表現がありえたという反省が残る。
番組内容については前々回の議事概要を参照。

視聴者意見について

フジテレビ『とんねるずのみなさんのおかげでした』7月29日放送分について

“とんねるずを泊めよう”企画について「悪ふざけがすぎ、パワハラ的である」などの批判意見が視聴者から寄せられ、番組を視聴の上、審議した。委員会としては特段問題にすべき放送内容ではないとした上で、不快に感じる視聴者もいることに耳を傾け、それを払拭して、さらに面白くする演出方法があるのではないかという委員の意見があった。

テレビ東京『ピラメキーノG』9月10日放送分について

出演者が10代のモデルの頭に触れたことについて「痴漢的な行為で、セクハラにあたり子ども向け番組として不適切」などの批判意見が寄せられ、番組を視聴の上審議したが、委員会としては、不快感を抱かせるような放送内容ではなく問題はないとした。また、民放各局には、子どもを対象とした番組は少なく、この時間帯にこういう番組を編成するのはある種のチャレンジであり、大切にしたいという意見があった。

中高生モニターについて

9月~11月は「報道・情報・ドキュメンタリー番組」のジャンルを取り上げている。9月はその中から興味深く感じたり、関心を持ったりした「面白かった番組、好きな番組」についてレポートを書いてもらい、29人から報告が届いた。内訳は報道・情報系の番組に19人、ドキュメンタリー番組に12人から(複数回答あり)意見が寄せられた。

【モニターの主な意見】

報道・情報系の番組では『ズームイン!!SUPER』と『NEWS ZERO』にそれぞれ4人から好評の意見が寄せられた。『ズームイン!!SUPER』には「朝から元気を与えてくれる。飽きない内容、分かりやすい解説で見ていて楽しい。2人の司会者の息がとっても合っていて、わちゃわちゃした感じでなくていい」「司会者がはきはきしていて聞き取りやすく、画面の表示も分かりやすくていい。金曜日のニュース解説は分かりやすく、私にもよく内容が理解できとても勉強になる」「雰囲気が明るく、スタジオのセットもスッキリしていて朝の番組にふさわしい。政治や経済の話題には図表を出して要点を分かりやすく説明してくれるので、最近は政治に興味を持つようになった」。『NEWS ZERO』には「『今日の24時』というコーナーで、その日にあった出来事を時間ごとに分かりやすく取り上げてくれとても見やすい」「CGやアニメを使った解説を多用することで、話題の内容をイメージしやすく理解しやすい」「大きな事件や事故を取り上げるだけでなく、櫻井翔さんの起用が親しみやすく彼のレポートには共感が持てる」などの意見が寄せられた。
そのほか『みのもんたの朝ズバッ!』には「キャスターの意見が明確でいい」、『とくダネ!』には「司会者の解説は辛口だが、取り上げるジャンルが幅広く、時間配分もいい」、『情報ライブ ミヤネ屋』には「おしゃべりのテンポがよく雰囲気もいいし、押し付けがましくないのがいい」という意見があった。
ドキュメンタリー番組では『クローズアップ現代』に3人から意見が寄せられた。「夕食時に興味深いテーマが掘り下げられ毎日見ている」「身近な奨学金の話題から、ダークマター(暗黒物質)という未知の世界まで分かりやすく解説してくれていい」。また『カンブリア宮殿』には、「成功者は人生で一度は大きな賭けをして勝っている。人生を大きく左右させる賭けをするという決断力のある行動ができるなんてものすごくうらやましい」「成功した人物の成功譚を聞くと励みになる。自分も将来、成功者になる」という意見が2人から寄せられた。
そのほか『情熱大陸』には「ふだん接することのできない人物の”素の内面”に迫る密着取材の手法がすばらしい」、『NNNドキュメント』には「老人ホームを舞台にした高齢者の恋愛の話が印象深かった。ただ、放送時間帯が日曜深夜とは遅すぎる」という意見も寄せられた。
また、地域の情報番組『かんさい情報ネットten!』について「身近な話題を関西の芸能人をレポーターにして楽しく伝えていて、紹介された地域に一度行ってみたくなる」という声が寄せられ、ラジオ番組『RADIO DONUTS』には「私が情報番組に求めるものは、元気になれること、情報が分かりやすいこと。この番組では、2人のキャスターのテンポのいい掛け合いが心地よく、朝から元気になれる」という意見が寄せられた。

【委員の所感】

  • 報道・情報番組に求めているのは、一番に分かりやすさだということが読み取れる。確かに、ニュースや情報は分かりやすく、理解しやすいものでなければ意味がない。また、司会者の個人的な意見がはっきりしている方が好まれるのかなと思われる意見もあったが、そういう意見に接したとき、自分ならこう考えるという視点も持ってほしい。
  • ドキュメンタリー番組には、制作者の意図をよく読み取っているなと思われる意見が多く見られた。日曜深夜の『NNNドキュメント』に着目して、素直に自分の気持ちを表現している高校生の報告、人物の動向や生活を取材するだけでなく、その人の「心」や「内なる思い」に”密着”した番組『情熱大陸』を評価した声には感心させられた。
  • レポートを書く前に、情報番組・報道番組・ドキュメンタリー番組の違いを調べてレポートを書いてくれた中学生にも感激した。全体的にはドキュメンタリー番組に関心が高い一方、ニュース・報道に対する際立った意見が寄せられなかった点が惜しまれた。

「今月のキラ★報告」(新潟・高校2年男子)

報道・情報・ドキュメンタリー番組の中で、今年の2月28日に日本テレビで放映された『NNNドキュメント』が印象に残っています。この回のテーマは「老人ホームの恋」(制作:四国放送)でした。まだ17歳の僕に人生がどういうものかは分かりません。でも、この番組で「恋愛」がどういうものかが、分かった気がします。
この回は介護施設で生活する、おばあさんとおじいさんの2組のカップルがクローズアップされ放送されました。1組目は付き合い始めて間もなく、施設の方や娘や息子に反対されている2人のお話でした。もう1組は付き合い始めて10年も隣室で暮らすお2人の話。恋というものは偶然やタイミングなどが重なり合ってできるもの。それはいくつになっても素晴らしいもので、素敵なものである。
しかし、同じ利用者の人や家族、施設の人は白い目で見たり、嫌悪感を持ったりする人もいます。普通なら周囲から温かい目で見られたり、応援されたりします。この違いは一体なんなのでしょう?世間体を気にしすぎて、素敵なものに気付けていないのではないでしょうか。年をとっても恋愛には誰も口出しできないと思いながら見ていました。当の本人たちは何とも思ってないようで、幸せそうに笑顔でインタビューに答えていました。
大好きな者同士、ふたりで笑える。これ以上の幸せなんて見当たりません。恋愛というものは、いくつになっても幸せになれるもの、だと思いました。こんな素敵なドキュメンタリーが深夜に放送されたのが残念でなりません。みんなが見るような時間に放送したら大きな反響があったと思います。

【委員会の推薦理由】

老人ホームでの2組のカップルをクローズアップした番組を見て、10代の高校生が、自分で感じ取った恋の素晴らしさや、老人の恋を白い目で見たり、嫌悪感を持ったりすることに対する批判を率直に書いている点を高く評価しました。