青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第111回

第111回 – 2010年4月

日本テレビ『左目探偵EYE』2月13日放送分の局からの再回答について

テレビ東京『マジすか学園』2月27日放送分の局からの回答について…など

4月27日に開催した第111回青少年委員会では、日本テレビ『左目探偵EYE』、テレビ東京『マジすか学園』の回答について審議した。また、3月16日から4月15日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見をもとに審議したほか、4月度の中高生モニター報告について、担当委員からの報告および審議が行われた。

議事の詳細

日時
2010年4月27日(火) 午後4時30分~7時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見委員長、境副委員長、小田桐委員、加藤委員、軍司委員、萩原委員、渡邊委員

日本テレビ『左目探偵EYE』2月13日放送分の局からの再回答について

審議内容および回答については前々回、前回の議事概要を参照。

【青少年委員会からの「再回答のお願い」】

(1) 2月13日放送分について、視聴者意見や委員会での各委員が指摘した”暴力的シーン”の意図及び必然性についてお聞かせください。

(2) 放送前のチェック段階で”暴力的シーン”について、青少年への配慮を含め、どのような意見があり、最終的にどう判断され放送に至ったのかについてお聞かせください。

【日本テレビからの再回答】

(1) について
第4話は、主人公の兄(=犯罪プランナー)が売れないミュージシャンを騙して悪用し暴動が起こるように仕掛ける話です。
悪人達はライブ会場に観客を集めるために、若者なら自然と興味を持つロックの歌詞の中に犯罪の謎解きがあるという噂を流し、好奇心と期待感をかりたててステージに注目させ、非日常的な暴言を繰り返すことで観客を煽ります。
しかし、悪人達の真の目的は、彼らが製造したリストバンドの効果の確認にありました。リストバンドは、高温という条件下で人間の暴力性を一気に高める特殊な構造であり、悪人達はライブ会場の全観客にリストバンドを装着させた後、会場の室温を上げるという人体実験を実行します。視聴者はドラマ終盤の謎解き部分でリストバンドの秘密を知りますが、このようなリストバンドが実在するはずもなく、視聴者はこのドラマが現実にはありえない創作なのだということを明確に認識されると考えます。
人の心は脆く、また、人は集団になると物事の本質を見失いがちです。第4話は、そうした人の心の脆さと人間社会の醜悪な一面を描きつつ、それを傍観しない強い意志を持った主人公の少年・愛之助の生き方を表現する意図で制作しました。
フィクションにおける状況設定はテーマを伝えるためのものです。その意味で「暴力シーン」は、このドラマの意図を視聴者に理解して頂く上で必要であったと考えております。

(2) について
放送にあたって配慮したことは「犯罪」や「暴力」が肯定されないようにすることでした。「犯罪」を描く場合は、その「恐ろしさ」をきちんと伝えると同時に、多くの子供たちが視聴するドラマであることを踏まえ、過度な表現とならないように注意を払います。
第4話についても同様の配慮の下、制作にあたりました。台本について、考査セクションは、放送枠やテーマ等とのバランスを欠くものではないと判断しました。また、制作現場では、作品上の表現に関して、チーフプロデューサー以下、前述の共通認識に立ち、撮影・編集・仕上げ・下見と放送前のチェックを行いました。
例えば、冒頭の主人公の「悪夢」のシーンでは、殺害現場のリアルさを抑えるため映像の構図や質感に工夫し、また、ライブ会場の暴動シーンでは怪我の描写などが生々し過ぎないよう心がけました。
「暴力シーン」は、それ自体が目的なのではなく、その「恐ろしさ」とのコントラストで、主人公が事態を食い止めるために必死に立ち向かう姿をより強く浮かび上がらせるために不可欠と判断しました。そうしたストーリーの展開によってこそ、「犯罪」が許されるものではないことが青少年を含む視聴者の方々にお伝えできると考えました。そして、前述した表現上の配慮を加えた上で放送に至りました。

ご指摘の第4話につきましては放送終了後、視聴者の方々から多くの声が寄せられました。「殺せ」「皆殺し」の歌詞や集団的な暴行シーンなど「恐ろしさ」等の表現に関して、「子供には見せたくない」「犯罪を助長しかねない」などの不快感や懸念を抱かれた視聴者がおられたことは、制作者としての思いを伝え切れなかった現実を示すものとして重く受け止めております。視聴者から頂戴したご意見と貴委員会からのご指摘につきましては、直ちに社内横断的なコンプライアンス担当者の委員会において問題点を提示し注意を促したほか、ドラマの担当セクションにおいても周知し意識の共有に努めております。今後もこうした声に耳を傾けながら、より良いドラマ作りを目指してまいります。

【委員の主な意見】

  • 視聴者意見にあるように過度な暴力的表現は、かつてあったような法的規制の対象視されかねず、自縄自縛の要素を含んでいる。
  • “殺せ、殺せ”と連呼する表現が、子どもたちに如何に受け止められるのかとの認識は不可欠であり、設定の段階からの留意が必要。
  • 委員会の質問に対し、説得力のある回答が得られなかったことは残念ではあるが、社内議論もされており、制作者側も受け止めているものと見られる。

以上の審議の結果、青少年委員会としては、BPOや番組に寄せられた視聴者の意見および青少年委員会の審議を周知し、今後の番組制作にあたっていただきたい旨、BPO報告およびBPOホームページに掲載することとした。

テレビ東京『マジすか学園』2月27日放送分の局からの回答について

審議内容については前回の議事概要を参照。

【青少年委員会からの「回答のお願い」】

(1) 全体的に暴力と血のシーンが突出して多く見られます。出演者は、青少年に人気のあるアイドルグループ「AKB48」を起用されていますが、青少年の視聴についてどう配慮されたかをお聞かせください。

(2) 血みどろのアップやリンチの悲鳴など、暴力シーンを多く使われるドラマの演出意図をお聞かせください。また、ドラマを制作する際に、暴力表現についてどのような意見交換や考査が行われているかお聞かせください。

(3) 民放連の放送基準第9章では、暴力表現について規定しています。とくに65条の留意点に照らして、当該番組の表現について、お考えをお聞かせください。

【テレビ東京からの回答】

元来連続ドラマの場合、1クールを概ね視聴して頂いてこそドラマの意味や意図が伝わるものと考えております。そこで各質問について回答申し上げる前に、まず本ドラマの企画意図及び全体のあらすじを申し上げます。
テレビ東京のドラマ24枠は、ゴールデンタイムよりも自由でエッジの立った企画の場として、2005年秋に立ち上げた枠であり、これまでいわゆるM1層(20~34歳男性)を視聴ターゲットに深夜帯に特化した番組をお送りしてきました。その第18弾となる本ドラマは、時代錯誤的存在である「ヤンキー」をあえて題材とし、漫画調にデフォルメして描いた学園ドラマです。テーマは青春。馬鹿馬鹿しいことにも夢中になれる若い時期を青春の輝きととらえ、アクションとコメディタッチの笑いの中で、「真剣に生きることの大切さ」「仲間との絆」等のメッセージを込めようと意図したものです。

シリーズ全体についてのあらすじは以下のようになります。
一見地味なのに実は喧嘩が最強な女子高生の主人公が、なぜかヤンキーばかりいる「馬路(まじ)須加(すか)女学園」に転校したことによって、勃発する勢力争いに巻き込まれます。しかし主人公は、喧嘩はもちろん友達を作ることさえ避け、感情すら表に出そうとしません。実は主人公には、真面目になろうとしていた親友を、喧嘩のせいで亡くしたという過去があったのです。そのため「真剣に生きる人を嘲笑する」ような、許せない相手にだけその拳を振るいます。辛い経験をした主人公が、新しい仲間との友情によって、再生していくというのが全体のストーリーです。
もちろん主人公は「暴力」によって、過去も現在も傷つき悩んでおり、本ドラマに「暴力」を礼賛するような意図はありません。本作はあくまでも「暴力では問題を解決できない」という立場にあります。
シリーズ全話を、是非、ご覧いただきたく、DVDを送らせていただきます。

各質問に対する回答は以下の通りになります。

(1)について
基本的には深夜12時を過ぎた時間帯での放送であり、青少年の視聴は自ずとある程度制限されていると考えます。またAKBのファンゆえ録画して視聴するような若年層の方々にも、複数話を視聴して頂ければ、本ドラマの「真面目に生きること」や「友情」の大切さといった基本的メッセージは伝わると考えています。事実、放送終了後に番組ホームページや一般のブログ等に載った視聴者の意見は、「感動した」「泣けた」といったものが大勢を占め、その数もドラマ24枠史上では最多となっています。しかしながら、反省点もあります。
AKB48は秋葉原の劇場を活動拠点に、「会いにいける」をコンセプトに結成されたグループです。そのためファン層も公演チケットを購入できるであろう、学生から20代男性を主としてきました。そこで本ドラマも同層を視聴ターゲットに深夜のドラマ24枠で企画、昨年秋より撮影を開始しました。ところが、ちょうどその時期以降、楽曲のヒットや大量露出によってそのファン層が女性やローティーン層にまで急拡大。数ヵ月後の本番組放送時には、企画当初に想定した視聴者層よりも広がりを持っており、それが今回のご指摘に繋がったことは否めません。今後の番組制作にあたっては、より慎重に視聴者構成を検証、特に若年層への配慮を徹底致します。

(2)について
本ドラマの毎回の基本的構成は、主人公が人として許せない相手を喧嘩で倒すというものです。そこで相手となる敵のキャラクターに、漫画的にデフォルメしたバリエーションを持たせるべく、これまで「ギャル」「歌舞伎」「超能力」等の工夫をしてきました。今回はその一環として「ホラー」に設定、「終始笑っている」「倒されても倒されても起き上がる」「血糊」と、あえて怖がらせることを意図しました。
またストーリー面では、全12話をかけて主人公の心が再生するまでを描くという構成の中、前回第7話で、新たな仲間を得たことで主人公の心が少し開きかけました。ところが今回第8話は、その仲間たちが傷つけられることによって、主人公が自らを責め、再び心を閉ざしてしまうという回にしています。一人二人ではなく仲間全員が傷つくこと、また喧嘩を格好良く美化せず、その痛みや醜さを描くことで、主人公が受ける心の衝撃の強さ、自責の念の深さを表現しようとしました。更に前半で仲間たちが順番に倒されていき、後半で協力して戦う過程を描いたため、通常は各話1、2回であった喧嘩のシーンの回数が増え、時間的にも長くなりました。そこにホラー調演出を採ったことが、全12話の中でも突出した印象となった要因と考えます。ただこのホラー調はこの回限りであり、今回登場した敵キャラクターも後に主人公と事実上の和解、「仲間との絆」といったメッセージに収斂させています。
本ドラマは、テレビ東京ではプロデューサー2名が担当、制作会社のプロデューサー3名と共に、台本制作から撮影現場立会い、編集チェック、完成品チェックといったプロセスを経て放送されています。その際、適宜、意見交換、台本についてはプロデューサー以外にもテレビ東京審査部のチェックも受けています。また更に今回は、刃物等で「刺す」「切る」「鮮血が飛ぶ」等、局所的、直接的表現については予め避けていますし、プロデューサーによる編集チェック時にも、過度と思われる暴力表現及び不快さを助長するホラー的表現については、一部カットしています。

(3)について
根底に健全なメッセージを置いた上で「喧嘩」をデフォルメして描く世界観。また娯楽としてのホラー的表現については、深夜帯での放送を前提に意図したものです。また今回の暴力シーンについては、喧嘩によって主人公が心を閉ざすというストーリー上の必然性があることからも、意味の無いシーンとは考えていません。
しかしそれと同時に、一部の視聴者に少なからず不快感を与えてしまったことについては、民放連放送基準を遵守する立場からも、真摯に受け止める必要があります。たとえそれが、シリーズ全体ではなく特定回だけをご覧頂いた視聴者のご意見だとしても同様でしょう。今回ご指摘を頂いたことを契機に、あらためて民放連放送基準を踏まえながら、深夜番組における表現の可能性と限界を再検討、今後、青少年を含む視聴者構成をより慎重に検証することと合せて、番組制作に反映させたいと考えます。

【委員の主な意見】

  • シリーズ全体の中で評価するという論理は今の視聴実態とは乖離している。1話毎に視聴者、特に青少年への十分な配慮をしたうえで制作すべきもの。
  • 全体の中で評価すべきと考える立場だが、トータルで見たとしても、この回のグロテスクさを肯定できるメッセージは無いのではないか。
  • 24時枠で新しい試みかもしれないが、AKB48を売り出すことが目的のように思え、そのために女子高生・暴力という設定だけでドラマは進み、視聴者をひきつけるために暴力をエスカレートさせるという安易さが気になる。
  • ホームページやブログの「感動した」等の意見については、分析して評価すべきであり、そのまま受け止めるのは安易すぎる。

以上の審議の結果、青少年委員会としては、「ドラマ24」という枠の新しい試みだとしても、全体に表現が激しすぎ、想定される視聴者の年齢等について配慮して番組制作にあたられるよう留意すること。また、シリーズ全体で評価すべきか、個別の番組で評価すべきかは議論があるものの、視聴者の意見等を踏まえてその時々で審議の対象にはなりうる旨、BPO報告およびBPOホームページに掲載することとした。

【ドラマ番組の暴力シーン等について】

青少年委員会では”暴力シーン””殺人シーン”のすべてを否定するものではありません。番組もそれぞれ企画意図・演出意図・放送時間帯等が異なり、一律に語られるものでもありません。しかし最近の傾向として、BPOには視聴者からドラマの”暴力シーン”等についての批判意見が多く寄せられています。特に昨今の人気アイドルが主演するドラマには、青少年委員会に多くの意見が寄せられます。ドラマ制作にあたっては、あらためて民放連放送基準第9章「暴力表現」および第3章「児童及び青少年への配慮」の趣旨の理解と遵守を放送局および制作者に要望いたします。

視聴者からの意見について

「中学生の大麻所持」の報道について、視聴者より「大麻等薬物と青少年の関わりが増えている。報道が薬物の怖さをきちんと伝えていないからだ」という意見があった。この件について委員より、ミュージシャンの逮捕や、中国での覚せい剤所持日本人の死刑判決報道も含めて、2009年11月に青少年委員会が出した「青少年への影響を考慮した薬物問題報道についての要望」の多角的報道の視点が生かされているのかという指摘があった。委員会としては「要望」公表後、薬物問題を多角的に扱った番組や放送局の取り組み等があることを認識した上で、「青少年と薬物問題」は今後も継続する重要な社会問題であることから、放送局には引き続き「要望」についての留意をお願いしたい旨、BPO報告およびBPOホームページに掲載することとした。

中高生モニター報告

今年4月から、これまでの中学生に加え高校2年生までの34人に、中高生モニターを委嘱した。4月~7月にレポートを書いてもらうジャンルは「バラエティー・クイズ番組、音楽番組」で、4月は「バラエティー・クイズ番組、音楽番組」の中で自分の「好きな番組、面白い番組とその理由」について報告してもらった。また、毎月のモニター報告の総評に加え、「今月のキラ星報告」を選考し、BPO報告とBPOホームページに掲載することにした。

【主なモニター意見】

今回、好きな番組、面白い番組として意見の多かった番組は、バラエティー番組では『世界の果てまでイッテQ!』、クイズ番組では『クイズ!ヘキサゴンll』で、それぞれ4件だった。『世界の果てまでイッテQ!』では、「イモトアヤコさんが紹介する珍獣たちは本当に迫力があって楽しみだ」「宮川大輔さんが”世界一盛り上がる祭り”に実際に参加してプレゼンしてくれるのがいい」「家族で楽しめるし、世界の知らないことを楽しみながら学べる」などの意見のほか、「この番組が好きな理由は、(1)珍しい動物(2)危険な祭り(3)変わったグルメにある」と分析したモニターもいた。
『クイズ!ヘキサゴンll』については、「世間的には”馬鹿らしい”と批判されがちな番組ですが、子どもはそういう番組をただ単に面白いと思うから見ているのであって、メモを取りながら見ているわけではない」「音楽のプロデュースがすごい。自分もなれるかも知れないと思わせてくれる」「クイズは簡単だが翌日学校で話題になる。トークも面白く明るくさせてくれる」「”おバカ”にあきれることもあるが、家族そろってクイズを答え言い合っている」などの声が寄せられた。
次に意見の多かった番組は『はねるのトびら』で、3人から好評の意見が届いた。「”やや嵐”のコーナーがいちばん好きです。よく企画が練られていて、さすがゴールデンタイムの番組だと思います」「『景気回復プロジェクト』が面白かった。私的には、回転SUSHIのコーナーがいちばん好きだが、つぎつぎに新しい挑戦があって楽しい」「世間的には”イジメの元になる”と批判されがちな番組ですが、子どもたちはただ単に面白いと思うから見ているのであって”イジメはこんな風にやるのか、ふむふむ”なんてメモを取りながら見ている人は一人もいないと思います」。
そのほか複数の意見が寄せられたバラエティー番組は、『飛び出せ!科学くん』『お試かっ!』『しゃべくり007』『VS嵐』。「MCの2人がボケたり突っ込んだりして進行してくれて、大掛かりな実験に挑戦するなど理解しやすい構成になっている」「『帰れま10(てん)』の企画が面白い。出演しているタレントそれぞれの個性も分かって楽しいし、”完食”が決まりなので、食品を無駄にすることもない」「”プレゼン”のコーナーが好きだ。たっぷり笑える番組で、大物ゲストのときは特に面白い」「嵐のメンバーがゲストを交えて対決するコーナーがいちばん好きで、メンバーの仲の良さもよく分かる」という意見が寄せられました。ただ、深夜帯からゴールデンタイムに移設された番組については、面白さが半減しないかという危惧する意見もあった。
クイズ番組では『Qさま!!』に「難問だが勉強になる。特に漢字バトルが好き」「インテリチームが難問を解くスリルが楽しいし、家族揃って楽しめる」という意見が寄せられた。
音楽番組については『うたばん』に2人から意見が寄せられた。「石橋貴明さんと中居正広さんのトークがいい」「番組のセットがいい。ゲストを徹底解剖する構成もいい。この番組は一番アーティストに近く、一番バラエティー性に富んでいる」。そのほか『ミュージックステーション』には「新曲、着うたランキング、最近始まったMQ(エムキュー)もいい」と言う意見が、『全国アカペラ甲子園~全国ハモネプリーグ』には「アカペラに感動した。出演者が多すぎる印象だったが、”ボイパ(ボイスパーカッション)”はすごかったし、これからの可能性を強く感じさせてくれた」という意見も寄せられた。
また、音楽番組ではラジオ番組についても意見が寄せられ、エフエムTOKYOの『au オンエア ミュージック チャート』には、「最新の流行が分かるし、みんなが知らないような裏話が聞けるのがいい」、NACK5の『WARMING-UPMUSIC』には「最新の曲のほかにその日のニュースも取り上げてくれるのでテレビニュースを見る必要がない。また、番組を聴いているリスナーのリクエストを大切にしてくれるところもいい」という意見もあった。
5月は、「バラエティー・クイズ番組、音楽番組」の中から「嫌いな番組、面白くない番組とその理由」について、報告してもらう。

【委員の所感】

  • これまでの中学生に加え高校生の意見を求めたが、あまり大きな意見の違いは感じられなかった。評価する声で目立ったのは「家族で見られる番組」「タレントが実際に体験する番組」などで、そのほか「深夜帯で開発した番組がゴールデンに移行すると冒険的でなくなることへの危惧」の声も複数寄せられた。
  • バラエティー番組について、「お笑い芸人が弱い人を作り出してからかったり、わざとおバカなふりをしたりしますが、学芸会のような身内だけの盛り上がりすぎを見るとTV番組の笑いの沸点が下がってきてしまっているように感じ、とても残念です」という意見に共感した。
  • 最近、ラジオ離れということが巷間いわれているが、ラジオについて熱いレポートを送ってくれたモニターには感心した。音楽ばかりでなくニュースなどの情報を送ることも大切だと思う。
  • 『サラリーマンNEO』についての意見で「”単純な笑い”から”シュールな笑い”まで、1つのネタからこれだけ多くの笑いを出す番組と出会ってしまったら、他のお笑い番組にはハマれません」という意見には驚いたが、中高生たちでも笑いの多様性を求めていることを、ぜひ、現場の制作者たちも知ってほしい。

「今月のキラ星報告」 (神奈川県・中学3年男子)

僕が面白いと思っている番組は、『飛び出せ!科学くん』です。これまでも、バラエティー番組で動物や自然について取り上げるものは前からありました。しかし、そのほとんどがピラルクやコモドオオトカゲなど、”よくあるパターン”となっていました。そんな中、この番組に登場する動物たちはマニアックで、見たことのない動物、それどころか生態が全く解明されていない謎の生物まで出てきます。ですから、前に他のチャンネルで見たと言うような”ガッカリ感”を感じさせません。また、科学実験では一般の人が入れない研究機関の施設を借りて、大がかりな実験を行うこともあり、興味深い内容になっています。
そして、生物の捕獲から科学実験まで、命懸けの危険なものが多いのです。断崖絶壁へ珍味をとりに行ったり、凶暴な鳥のキックを撮影したり、海中で人食いサメに触ったりと、絶叫、口は開きっぱなし…ただ、危険を冒して手に入れた生き物や実験データは、研究者たちも得たことのない貴重なものだったりもするというのが、ほかの番組との違いです。
最後に挙げることといえば、出演者の興奮ぶりです。ふだん生物を扱う番組の出演者の反応は「へぇ~」とか、「すごいねぇ~」で終わってしまいますが、この番組の場合は違います。レギュラー出演の中川翔子さんが「この子に抱きしめられるのが夢だった…」と、タカアシガニを抱きしめ、ついにはネコのお尻の匂いを嗅いで「この香ばしい匂い」とご満悦の笑顔。博物館の倉庫に大好きな生物「スカシカシパン」の標本を見つけてはしゃぎ始める、という反応が新鮮で、次はどんなリアクションを見せてくれるのか、毎回楽しみです。
宇宙から皆既日食の様子を見るために、風船にカメラを取り付けて飛ばしたこともありました。深海生物を採取するため、深海5000メートルにまで行ったこともありました。このような大がかりな内容の番組は他にないと思います。僕は深夜帯の頃から録画して見ていたので、ゴールデン進出は嬉しいのですが、ゴールデンの週一放送となると、同じく深夜番組からゴールデンに進出した『トリビアの泉』の末期のように、ネタ切れで引き伸ばしをするようになってしまうのが心配です。予算の問題もあるとは思いますが、ゴールデン進出を機にもっと面白い番組になるよう、制作スタッフの方々には頑張ってもらいたいです。