青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第265回

第265回-2024年2月27日

視聴者からの意見について… など

2024年2月27日、第265回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ8人の委員全員が出席しました。
委員会では、1月後半から2月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
2月の中高生モニターリポートのテーマは「指定するドキュメンタリー番組を見た感想」でした。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2024年2月27日(火) 午後4時00分~午後6時00分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、飯田豊委員、佐々木輝美委員、
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

1月後半から2月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
報道ドキュメンタリー番組で、一家3人を殺傷し、特定少年として逮捕・起訴された被告に死刑判決が下された裁判を特集。判決主文がテレビ画面に速報されたとき、被告の母親に密着取材していたが、部屋には10歳前後とみられる被告の弟あるいは妹が同席していて、その子の反応も放送された(母親と子どもにはぼかしが入り、子どもの音声は加工)ことについて批判的な視聴者意見が寄せられました。
担当委員は「本件を取り上げる重要性は理解するし、きちんと取材もされていたが、あの瞬間に子どもを同席させる必要があっただろうか。仮に、母親が『(子どもと)一緒ならば撮影に応じる』といったとしても、『では、そうしましょう』では、この子を犠牲にして撮影したことにならないか」と指摘しました。
ある委員は「性的な虐待や両親の離婚など、小児期に『逆境体験』を受けると記憶として一生残り、トラウマになるといわれる。アメリカでは、両親や家族が犯罪に関わったり収監されたりすることも逆境体験だとされる。本件の場合、あの子の記憶に残るだろうし、トラウマになりPTSDが起きる可能性がある。あの子には残酷な時間だったと思う」と説明しました。
また別の委員は「犯罪加害者家族の支援活動にも関与しているが、(世論の)加害者批判が高まるので、報道は難しい。(加害者側の)子どもを放送に出すとなると、(その子に対する)二次被害も想定する必要がある。本件では、あの子の将来が心配される」と述べました。
最後に担当委員は「番組が母親を取り上げた意義は大きかったと思うが、そのアプローチの仕方が非常に甘かったと思う」と締めくくり、「討論」に進むことはありませんでした。
頭髪の薄いことを漫才のネタにすることについて、1月の青少年委員会で意見が交わされ、議事概要として公表したことを受けて、当該の漫才コンビを含む出演者らが意見を出し合った情報バラエティー番組について視聴者からさまざまな意見が寄せられました。
担当委員は「バランスのとれたまじめな議論を展開していた。聞いていて『なるほどな』と思えるところもあった」と報告しました。
委員からは「(議事概要を)よく読み込んでもらっている」や「このことを認識してもらっただけでも、(委員会で)取り上げた意味があった」などの声が上がり、「討論」には至りませんでした。

中高生モニター報告について

2月のテーマは「指定するドキュメンタリー番組を見た感想」で、課題とした番組は2023年度日本民間放送連盟賞[青少年向け番組]最優秀『ザ・ドキュメント ウクライナ、9×9の歌 明日をつくる子どもたちへ』(関西テレビ放送)でした。戦禍を逃れて日本で避難生活を送るウクライナ人の母子を取り上げた番組で、小学生の姉弟が言葉や文化の違いに戸惑う様子や母親の思いを伝えています。また、小学校関係者や学習支援プロジェクトを立ち上げた大学教授、翻訳作業を手助けするウクライナ人留学生など、多くの支援者の思いや葛藤を丁寧に描いています。25人のモニターから報告がありました。
「青少年へのおすすめ番組」では『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)と『「東大王」2時間特別編 学べる世界の映像SP』(TBSテレビ)に4人から、『お別れホスピタル』(NHK総合)と『日曜ビッグバラエティ 必撮仕事人!緊迫カウントダウン』(テレビ東京)に3人から、『アラスカ・大自然の話をしよう~秋冬編~』(NHK Eテレ)と『有吉弘行の故郷に帰らせていただきます。~地元でもっと驚いちゃったよ~』(中国放送)、『なんでだろう?山形深ボリ 幕末の米沢で義をたどる』(山形テレビ)にそれぞれ2人から、報告がありました。

◆モニター報告より◆

【指定するドキュメンタリー番組を見た感想】

  • ウクライナと日本は距離が遠く、日本語は他国からも難しいと思われがちなのに、なぜウクライナからの避難民が日本に来たのか疑問に思いました。日本にも誰かのために行動してくれる人がいて、とてもありがたいなと思いました。自分から行動するには勇気が必要なので「避難民の力になりたい」「助けたい」と先陣を切って行動する人たちをとても尊敬します。(中学1年・女子・千葉)
  • ウクライナの戦争をテレビでよく見るけれど実感はありませんでした。でもウクライナと日本の数字が同じだと知って、戦争は同じ世界で起きていて、私のような子どもも巻き込まれていることを実感しました。この番組や戦争の番組を、戦争をしようとしている人に見せてあげたいです。やっぱり戦争はダメだし、ヤン君たちが安心して生活できたらいいなと思います。またカテリーナさんのお父さんが無事でいるといいなと心から思います。(中学1年・女子・島根)
  • 言語の壁という不安の中で家族を心配するのはとてもつらいです。ウクライナ人が心から休める空間がないと、精神的限界に達してしまうと思いました。(中学2年・男子・埼玉)
  • この番組を視聴して自分の視野の狭さを痛感した。これまでウクライナ戦争に関する情報に積極的に接しているつもりだったが、ほとんどが「国」単位の話であって「人」単位の情報に触れていなかったことに気づいた。言葉の壁以外に教育のレベルまで違うことに驚いたし、避難している子どもが思うように教育を受けられていないことは、将来復興を目指すウクライナにとって大きな問題だと感じた。今日本に避難しているウクライナの子どもたちが、番組のタイトル通りウクライナの明日をつくる。私たちも自分にできることを見つけて彼らを助けることが、ウクライナへの支援になると思った。(中学2年・男子・東京)
  • 「スマホじゃ気持ちは翻訳出来ない」「学校は勉強だけする所ではない」という言葉を聞いて、言語が分からないなかで接することの難しさを感じるとともに、改めて学校とはなんなのかを考えた。ウクライナ人の男の子が「日本の子にもウクライナの言葉を知って欲しい」と言いながら学んだばかりの九九をウクライナ語でまとめていたシーンでは、言葉が通じなくても通じるものはあると感じた。わたしも今後、海外の方と関わる機会があればこの番組を思い出したい。(中学2年・女子・東京)
  • 「戦争から逃げられたからもう安心だ」と思っていたけれど、知らない土地で知らない言葉を話す人たちに囲まれて生活するのはとても大変で、避難してきた人にとっての戦争や戦いは終わっていないのだと感じました。心から戦争がなくなってほしいです。(中学2年・女子・栃木)
  • 番組を視聴して悲しくなったが、ウクライナから避難してきた子の現状を知ることができてとても良かった。また番組で紹介されていた家族はマシな方で、いまだにウクライナ国内にいて逃げることができない人々や、最前線で国のために戦っている人が本当にいるということも改めて実感できた。スーパーなどにあるウクライナへの募金活動に参加したり、今回知ったことを友達に話したりすることも、とても大切な活動の一つなのだと思った。(中学2年・女子・福井)
  • 自分から進んでこのようなテーマの番組を見ようとは思わないので、今回は良い経験になった。ウクライナの人々の日本に来てからの苦労について、この番組を見て初めて知ることができたが、テレビは影響があるのだからもっと大きく取り上げるべきだと思うし、そうすることで苦労している人が暮らしやすくなると思う。(中学3年・男子・広島)
  • 学習を止めないために支援するすべての方々がカッコよく思え、自分もなにかできないかと思うとともに、私もさまざまな人に支えられて学ぶことができているのだと改めて感じました。ウクライナ問題が長期化しているからこそ情報をしっかりキャッチしていきたいし、テレビなどのメディアも情報発信をやめないでほしいと強く感じました。(中学3年・男子・神奈川)
  • ウクライナ戦争によって子どもたちが教育を受けられないことにとても心が痛んだ。教育を受けることは子どもの権利なので、それを奪う戦争はとても恐ろしいものだとあらためて感じた。日本の教育レベルの高さを世界に発信すればいいのではないかと思った。特に九九は日本にしかないことが分かって「これはもったいない!」と思ったので、さらに多言語化すればいいと思う。(中学3年・女子・広島)
  • 私の印象に残ったのはシングルマザーのエフゲニアさんです。子どもと一緒に勉強をするシーンでは、自分も日本語はよくわからないのに子どもを支えようと頑張る様子が印象的でした。またスーパーで買い物をする場面では牛乳の場所を店員に聞いていて、比較的分かりやすい場所に置いてある牛乳の場所すらわからないのは相当不便だろうなと思いました。スーパーでは英語表示がないので、公共交通機関のように英語や有名な言語の表示を取り入れて欲しいと思いました。(中学3年・女子・福岡)
  • 戦争で親子が離れて暮らすのは大変だなと思いました。ウクライナ語と日本語を両方話せる人がいるのはとても心強いだろうなとも思います。一日もはやく戦争が終わってほしいです。(高校1年・女子・京都)
  • 自分の国で戦争がおきてつらい思いも沢山してきているはずなのに、日本で笑って過ごしているウクライナの人々は強くてすごいなと思った。一方で言語が違うだけで思っていることがこんなにも伝わらないのだと分かり、つらい気持ちになった。グローバル化が進んでいる今、英語だけでなくどの言語にも通訳が必要になっているのだなと感じた。日本で話せる人が少なそうな言語にも挑戦してみたいと思った。(高校1年・女子・北海道)
  • ウクライナで戦争が起こっていることはニュースでよく放送されていたので知っていましたが、それによる子どもたちへの影響については見たことも聞いたこともなかったので新鮮でした。今までは翻訳機があるのになぜ他言語を学ぶ必要があるのだろうと疑問に思っていましたが、翻訳機では気持ちが伝わりにくいし心も開きづらいと知り、学ぶことの必要性に気づきました。(高校1年・女子・茨城)
  • 将来教育系の職業を希望する私にとって考えさせられる部分が多かった。子どもたちの学校での様子を見て、自分が先生という立場だったらどう振る舞うのがベストなのか考えた。またスマホの翻訳機能を使っても心のカベを乗り越えることはできないという現状を見て、私も多言語を学び日本に住む他国の子に対して少しでも力になりたいと強く思った。このようなドキュメンタリーを多くの人が見るべきだし、ゴールデンタイムに放送してほしい。(高校2年・男子・山形)
  • 男の子がひとりぼっちでいるシーンがあり、いじめられて仲間外れになっているのではないかと、見る人によっては印象が変わるシーンがありました。テロップ表示などを活用して環境になじめていないことを説明すると良いと思いました。(高校2年・男子・山形)
  • ウクライナ人同士で就活を励まし合うのは、なんだか虚しくなってしまった。また日本の教育とウクライナの教育について考えさせられた。(高校2年・女子・東京)
  • 一番印象に残っているのは、教室に掲示された児童たちの「自分の目標」の欄に「ウクライナ語を話せる自分になりたい」「ヤンくんとしゃべれるようになりたい」と書いてあるのを映したカットだ。先生だけでなく周りの子どもたちもなんとか仲良くなろうと一生懸命に考えているのに、ウクライナの子どもたちがなかなか馴染めないのがこのシーンから伝わってとてももどかしく感じた。その問題を解決するために、教育関係者たちはウクライナ語の九九の歌を作る計画を立てていたが、私は「どうして日本の学習方式にこだわるのだろうか」と疑問に思った。しかし数年、数十年日本で暮らしていく以上、あえて日本流のやり方でなるべく早くまわりの児童と馴染めるようにしてあげたかったのだろう。この歌を作ることがウクライナの子どもたちにとって最善の行動なのかは計画段階では分からないが、迷いなく計画から実行まで迅速に行動していてとても素敵だった。(高校2年・女子・愛知)
  • ウクライナ侵攻・戦争がドキュメンタリー番組をつくれるほどに続いてしまっているということが悲しいです。まずヤンくんと必死にコミュニケーションをとろうとしている大人たちを見て胸が苦しくなりました。こころを伝えられないつらさ、知ることのできないつらさがどれほどのものなのか、自分ではとても想像できないと思いました。また、もし自分がカテリーナさんの立場だったら同郷の子どもたちのためにあそこまで献身できるだろうか、遠い家族が生きていると希望をもつことができるだろうかと、自分と向き合うことができました。たった48分のこの番組で自分は心を動かされました。今後もこのような心に響く番組が増えていったらいいなと思います。(高校3年・男子・神奈川)
  • ウクライナ語の九九動画をみて学習している子の姿を見た母がうれしそうにしていた場面では「本当によかった」と思いました。知らない国にきて子どもが頑張っている姿は親にとって一番の励みになるのだろうと思いました。これは日本の私たちも同じで、私が頑張っていることで親は安心し喜んでいるのだろうと改めて思いました。ただ、日本の学校に通うウクライナ人に支援をしたいと思っても、プライバシー保護の関係からどこに通っているのかさえ言えないのはお粗末な感じがしました。支援したい人や会社とマッチングできないのは何とかすべきです。また、今回紹介されたウクライナ人の家族はその後どうなったのかは気になるところです。(高校3年・女子・京都)

【自由記述】

  • 普段のテレビニュースではウクライナについてよく知ることができないし、どちらかというと戦場の状況についての情報が多いので、今回のような番組を学校などで視聴する機会をつくり、若い世代にくわしく知ってもらえるようにした方が良いと思います。(中学1年・女子・千葉)
  • 『サッカーで紡ぐ“友情”~FCシャフタール・ドネツク対アビスパ福岡~』(BSテレビ東京)で、日本に住んでいるウクライナの子どもたちを試合に招待しているのを見て、スポーツで日本とウクライナがつながることができると分かった。また横浜FCの下部組織にウクライナから来た少年(ゴールキーパー)が加入したことも放送されており、言葉の壁を乗り越えてプロサッカー選手になろうとしている姿を見て感動した。(中学3年・男子・神奈川)
  • ウクライナからの避難民に関する番組は多いが、他の紛争地域の人たちに関する番組が少ないと感じています。また多くの番組が表面的なので、もっとリアルな声を届けてほしいです。避難民だけでなくすべての人も含めて「みえない声」にも光を当て、根底にある問題にも目を向けて、視聴した人の意識を変えて社会を動かす番組が増えてほしいです。(高校1年・男子・群馬)
  • ドキュメンタリー番組を見ると、人それぞれの人生があると深く感じます。また感化されて自分も頑張ろうと思えることもあります。もっとみんながドキュメンタリー番組を見れば、他人の人生に口を出すこともなく互いを尊重できるようになるのかな~と思います。(中学3年・女子・滋賀)
  • テレビで映画を放送しているが、頻繁に放送される作品がある気がする。私は映画館に行く機会があまりないため、人気の映画を何回も放送するのではなく、さまざまなジャンルの映画を放送してくれると嬉しい。(中学2年・女子・愛知)
  • 人気のアニメは夜遅い時間に放送されているため、22時に寝る私は23時からのアニメを見ることができません。もう少し早い時間に放送したら見る人が増えるのではないかと思いました。(中学3年・女子・福岡)
  • 最近テレビドラマの原作者が亡くなった件について、しっかりとした対策が必要だと感じました。例えばBPOなど第三者が調査したり、今後どうしていくべきかを考えたりすることが大切だと思います。作者も視聴者ももっと安心して見ることができるテレビになればいいなと思います。(中学3年・男子・神奈川)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『お別れホスピタル』(NHK総合)
    • 看護師や病院というと、わりと明るいドラマを見ることが多かったので、今回のような現実的な話は内容としては少し重く暗い印象でした。でも病院のリアルな面を垣間見ることができ、また看護師たちも悩みを抱えながら働いているといった臨場感があり、ドラマではあるけれど自分の生活にもつながっているような感覚になりました。(中学1年・女子・福岡)
    • 病院は必ずしも病気を治すためだけに行く場所ではないのだなと思いました。音楽が少ないのもこのドラマの魅力だと思います。(中学3年・女子・滋賀)
  • 『「東大王」2時間特別編 学べる世界の映像SP』(TBSテレビ)
    • 「東大生」というと天才で雲の上の存在みたいなイメージだったけれど、意外と私と同じようなことに興味を持っていることにびっくりしました。(中学1年・女子・島根)
    • 個人的には好きな番組だが東大ブランドの価値を少し下げていると思った。「東大は簡単に入れる」と勘違いする人もいるかもしれない。(中学3年・男子・神奈川)
  • 『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ)
    • いつも夕食を食べながら見ています。母が小さい頃から放送している番組なのもよいです。昔の風習やアイドルが出てきて面白いと思います。ずっと放送して欲しいアニメです。(中学1年・女子・千葉)
    • 久しぶりに見たが、絵柄や話の雰囲気、主題歌などがあまり変わっておらず、ほほえましい気分になった。まる子とおじいちゃんのやりとりや、日常のささいな出来事を物語にしているところに癒された。(中学2年・女子・愛知)
  • 『日曜ビッグバラエティ 必撮仕事人!緊迫カウントダウン』(テレビ東京)
    タイマーが表示されていることで時間の動きがより伝わってきて、見ている方もヒヤヒヤする番組でとても楽しく見ることができました。(中学3年・男子・神奈川)
  • 『偉人・敗北からの教訓「第32回」』(BS11イレブン)
    現代に通じる教訓を得ようとする番組でとても貴重で興味深かった。戦国時代の身分社会を現代の縦割り構造に例えているところが見事だった。(中学2年・男子・東京)
  • 『全国ボロいい宿~仰天!人気のワケを聞いてみた~』(北海道放送)
    日本の自然をうまく活用している宿がたくさん出てきて面白かった。よく家族と山にドライブに行くが、営業しているのか分からないような店や建物があるので「実は営業していたりするのかな」と考えるとわくわくした。(高校1年・女子・北海道)
  • 『なんでだろう?山形深ボリ 幕末の米沢で義をたどる』(山形テレビ)
    近藤勇と米沢の人が親戚関係にあり、斬首された頭を買い取って米沢に持ち帰ったこと、みんなの前にさらされた首は実は近藤勇ではないということは初耳だった。まさか山形県にそんなお墓があるとは思わず驚きだった。(高校2年・男子・山形)
  • 『有吉弘行の故郷に帰らせていただきます。~地元でもっと驚いちゃったよ~』(中国放送)
    有名な芸能人が故郷に帰って地元の物を味わっている姿は、何も考えずにずっと見ていられると思いました。アンガールズと有吉弘行のやり取りが面白かったです。(中学3年・男子・広島)
  • 『第74回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)で司会をした有吉弘行さんが地元広島に帰ってきてくれたのは純粋にとても嬉しかった。広島のいろいろな名所が出て「ここ知ってる~!」となったので見ていて楽しかった。(中学3年・女子・広島)

◆委員のコメント◆

【指定するドキュメンタリー番組を見た感想について】

  • モニターたちの感想を読むと、番組を視聴した中高生のほとんどが「情報を知る(認知・気づき)→心を動かされる(感動)→自分が何をすればいいか考える(行動)」というステップを踏んでいることが分かる。中高生たちの素直な感情と行動を促すよい番組だった。
  • 高校1年生のモニターから「ウクライナの戦争は知っていたが、子どもたちへの影響については見たことも聞いたこともなかったので新鮮だった」と報告があった。避難してきた子どもたちの生活の様子を番組で視聴することによって、その先にある戦争にまで思いが至ってくれたことに安心する一方で、番組で紹介したのはあくまで日本に避難している子どもたちの姿で、実際にウクライナにいる子どもたちはもっと大変な状況にあっていることは想像できていないように感じた。
  • 日本は国際化を目指すといいながら、多くの日本の子どもたちは周りに外国人がいない環境で過ごしている。「外国人が日本に来て暮らすのは大変だ」「日本語が話せないと苦労が大きい」ということに改めて気づいた中高生も多かったようだが、こういった現状を教育の中でも学ぶ機会が増えるべきだと思う。

【自由記述について】

  • 中学3年生のモニターから「放送時間が2~3時間ある番組は、見たい内容ならば嬉しいけれど心惹かれない内容だと部屋にこもってスマホを触ることが多い。1時間くらいの番組を増やして欲しい」という意見が届いた。タイムパフォーマンスの考え方が若い世代に浸透しているのを実感している。

【青少年へのおすすめ番組について】

  • 『日曜ビッグバラエティ 必撮仕事人!緊迫カウントダウン』(テレビ東京)を視聴した中学2年生から「将来私が何の職業につくのかはわからないが、その時はその仕事に責任と誇りを持って一生懸命向き合っていこうと思った」と報告があった。働く現場やそこで働く人の思いを紹介する番組は、中高生にとってインパクトが強く「青少年へのおすすめ番組」としてふさわしいと思う。
  • 『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)を視聴した高校2年生から「以前よりも過激ではなくなっているように思いますが、飲み物や食べ物を使ったドッキリで、物を粗末にしたり一口飲んだだけで床にこぼしたりするなど、食品ロスが多いと感じました」という感想が寄せられた。今の中高生にとって、SDGsに関わる教育を踏まえた身近な社会問題に関する感想だと思う。

今後の予定について

次回は3月26日に千代田放送会館BPO第一会議室で、定例委員会を開催します。
当日は、「中高生モニター会議」を開催し、在京テレビ局オンライン見学会と青少年委員会委員とのオンライン意見交換会を行なう予定です。

以上

委員長コメント一覧