放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 議事概要

第189回

第189回–2023年11月

NHK『ニュースウオッチ9』とTBSテレビ『news23』
委員会決定を通知・公表へ

第189回放送倫理検証委員会は、11月10日に千代田放送会館で開催された。
6月の委員会で審議入りしたNHKの『ニュースウオッチ9』について、担当委員から意見書の再修正案が報告され意見交換した結果、合意が得られたため、今後当該放送局へ通知して公表することになった。
8月の委員会で審議入りしたTBSテレビの報道番組『news23』について、担当委員から意見書の修正案が提出された。意見交換の結果、合意が得られたため、今後当該放送局へ通知して公表することになった。
10月にBPOに寄せられた視聴者・聴取者意見等が報告された。
関西地区ラジオ局との意見交換会を開催することを決めた。

議事の詳細

日時
2023年11月10日(金)午後5時~午後7時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、大石委員、大村委員、長嶋委員、西土委員、毛利委員、米倉委員

1. NHK『ニュースウオッチ9』について審議

ワクチン接種後に亡くなった人の遺族を、新型コロナウイルスに感染して亡くなった人の遺族と受け取られるような伝え方をし、放送倫理違反の疑いがあるとして6月の委員会で審議入りしたNHK『ニュースウオッチ9』(5月15日放送)について引き続き審議が行われた。
今回の委員会では、意見書の再修正案が担当委員から報告された。これについて意見が交わされた結果、合意が得られたため、表現などについて一部手直しの上、今後しかるべき時期に当該放送局に対して通知し、記者会見を開いて公表することになった。

2.TBSテレビ『news23』について審議

TBSテレビは1月12日、報道番組『news 23』の調査報道23時のコーナーにおいて、農業協同組合(JA)で職員が共済営業の過大なノルマを課され、ノルマ達成の為に職員やその家族が不必要な契約を結ぶ、いわゆる“自爆営業”が横行していると報じた。放送後、身元を隠す措置が不十分だったため、A地方のJAに勤める男性は職場で身元がばれて居づらくなり、退職に追い込まれたとの週刊誌報道があった。また、取材を受けた職員とは3回程度会話をしたことがあるという人から「放送を見て誰であるかを私ですら特定できた。彼は農協の問題を告発し多くの職員の声を代弁してくれた。退職になりとても残念だ。テレビ局の取材対象に対する不誠実な姿勢を問題にしてもらいたい」といった声がBPOへ寄せられた。委員会は、報道の取材源の秘匿という原則が損なわれるという放送倫理違反の疑いがあり、取材から放送に至る経緯等について詳しく検証する必要があるとして8月の委員会で審議入りを決め、9月の委員会で担当委員から当該放送局の関係者に行ったヒアリングの結果を基に議論し、10月の委員会では担当委員から提出された意見書案について議論した。
今回の委員会においては、担当委員から示された意見書の修正案について意見交換した結果、合意が得られたため、表現などについて一部手直しの上、当該放送局へ通知して公表することになった。

3.10月に寄せられた視聴者・聴取者意見を報告

10月に寄せられた視聴者・聴取者の意見総数は5千件を上回り、月間の意見数としては記録が残っている中で最も多かった。そのうち芸能事務所創業者による性加害問題について、東京キー局が相次いで検証番組を放送したことに関する意見が数多く寄せられたことや、芸能事務所側が記者会見を開いた際に、個々の記者に関する「NGリスト」が存在していたという報道に関する意見が多数寄せられたことなどが事務局から報告され、議論した。

4.関西地区ラジオ局との意見交換会の企画について

2024年1月26日(金)に放送倫理検証委員会と関西地区のラジオ13局との「意見交換会」を開催することを決めた。テーマは「政治的公平性」や「パーソナリティの発言対応」など。現場からの報告のほか、各局が日々直面している課題や悩みを共有していく場とする。

以上