放送倫理検証委員会

「BPOの三委員長『声明』について」(理事長コメント)

2004年11月11日

BPOの三委員長「声明」について

BPO[放送倫理・番組向上機構]を構成する三つの委員会の委員長は、昨(2003)年12月11日、いわゆる視聴率不正操作事件に関し、初めてその「見解と提言」を発表した。放送をめぐる重大問題について、独立した第三者が、それぞれの委員会の論議を経て、その意見を公表することは、極めて重要な意味を持っていると考える。

前回の「見解と提言」については、放送業界において重く受け止められた。すなわち、民放連〔日本民間放送連盟〕は直ちに「視聴率等のあり方に関する調査研究会」を設け、本(2004)年5月その報告書が発表された。今回の「テレビ局に対する総務省の行政指導に関する声明」もまた、それぞれの委員会における慎重かつ徹底した論議に基づくものであり、総務省をはじめ各方面において真摯に受け止められるよう強く希望する。

声明は、2004年6月22日付で総務省が行った二つの種類の通達(厳重注意)に関するものである。その第一は、BRC[放送と人権等権利に関する委員会]が放送局に対し行った強い勧告に重ねて、総務省が厳重注意の通達を行ったことが、第三者機関としてのBRCの存在意義を甚だしく軽視するものだ、という趣旨のものである。また、その第二は、政治的公平に反するとして行った総務省の厳重注意に関するものであるが、放送法の規定は精神的(倫理的)規定とされていること、また政治報道は言論の自由と深く関係しているところから、公権力がその可否を判断することは極めて慎重でなければならない、とするものである。

これらの指摘は、放送の自律と第三者機関の自主独立にかかわるものであり、今後の放送行政に当たって、深く留意すべき問題点であると考える。

BPO[放送倫理・番組向上機構]
理事長 清 水 英 夫