BPOが誕生して２０年の時を刻んでまいりました。この間、私たちの暮らしを囲む状況は多様化し、価値観や社会システムの変動はその幅・スピードのいずれに おいても、かつて例をみないものとなっています。
こうした状況にあって、誰一人として取り残さない・取り残されない持続可能な 社会が求められています。そして成熟した市民社会の構築とそのための文化・風土の醸成において、放送が果たす役割は従来にも増して大きくなっていることを痛感いたします。
放送界がその公共的使命を自覚し、独立した第三者委員会を運営する機関として 自ら設立したのが、BPOです。放送における言論・表現の自由を尊重しつつ、視聴者 の人権を擁護し、放送番組の質的向上を図り、未来を生きる青少年の健やかな成長を守る。そのために第三者委員会を通して正確な放送と放送倫理の高揚に寄与することを活動の原点としています。
その活動の原点に改めて立つべき時を迎えている今、放送がこれからも視聴者の 信頼の上にしっかり公共的な役割を果たしていくために、放送界とBPOがさらに 良き緊張関係を維持していく大切さを再認識しています。関係される皆様のご理解とお力添えを心からお願い申し上げます。