青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第250回

第250回-2022年10月

視聴者からの意見について…など

2022年10月25日、第250回青少年委員会を千代田放送会館会議室で開催し、榊原洋一委員長をはじめ8人の委員全員が出席しました。
9月前半から10月中旬までの1か月半の間に寄せられた視聴者意見には、男性アイドルグループのメンバーが主役のサスペンスドラマについて、「内容がグロテスクで子どもには見せたくない」「残酷なシーンを想像させ、見ていて不愉快だ」などがありました。
中高生モニターリポートは9月と10月の2か月分を扱いました。
9月のテーマは「今年4月から9月までで最も印象に残った番組について」で、記者が主役の報道バラエティー番組に「ニュースの取材をする記者に焦点を当てた新しい形のバラエティーだと思いました」などの報告がありました。
10月のテーマは「最近見たドラマについて」で、音のない世界で再会した男女が織りなす切なくも温かいラブストーリーのドラマを6人の中高生モニターが取り上げ、「メッセージ性のあるドラマだ」「“音”へのこだわりが感じられた」などの感想が寄せられました
委員会ではこれらの視聴者意見やモニターリポートについて議論しました。
また岡山・高松地区の放送局との意見交換会開催予定について、事務局から経過報告がありました。
最後に今後の予定について話し合いました。

議事の詳細

日時
2022年10月25日(火)午後4時30分~午後6時45分
場所
千代田放送会館会議室
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
岡山・高松地区の放送局との意見交換会について
今後の予定について
出席者
榊原洋一委員長、緑川由香副委員長、飯田豊委員、佐々木輝美委員、
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員、吉永みち子委員

視聴者からの意見について

9月前半から10月中旬までの1か月半の間に寄せられた視聴者意見について担当委員から報告がありました。
男性アイドルグループのメンバーが主役のサスペンスドラマに対して視聴者から、「内容がグロテスクで子どもには見せたくない。気分の悪くなるドラマだ」「残酷なシーンを想像させるところが多くあり、見ていて不愉快だし、犯罪を誘発や挑発させるドラマのように思う」などの厳しい意見が寄せられました。
これについて担当委員から「初回放送の開始直後に、下着姿の女性が椅子にくくりつけられて脅かされ、拷問の恐怖におののく場面が1分ぐらい続いた。猟奇殺人がテーマなので、演出家からすると猟奇性とか怪奇性を出すための手法ということだと思う。カメラワークやライトの使い方も同様で、恐ろしさを誇示するような効果をもたらしている」と報告がありました。
別の委員からは「これを嫌だと思う人がたくさんいるが、好きな人もいるわけで、いろいろな受け止め方があってもいいのではないかなという気がする」という意見や、「拷問のシーンの表現は恐怖感を掻き立てる間接的な手法によっており、また、猟奇的な殺人を肯定的に描いているのではなく、そのシーンに関わっていく主人公の心の動きや苦しさなどの原因のひとつとしての位置づけとなっていることなどを考えると、ただちに問題性を指摘するところまではいかないのではないかと思う」という意見が出されました。
また、別の連続ドラマについて視聴者から、「17歳の男性俳優が成人女優との性行為を思わせるシーンを撮影されている。未成年である17歳には不適切な内容ではないか」「児童ポルノに該当するのではないか、未成年に対する性加害ではないかなど非常に不安になる」などの意見が出されたことについて、担当委員から「強烈な性行為が行われているということはなく、布団の中で2人がいろいろな会話をやりとりしていた場面だった」という報告がありました。
バラエティー番組のドッキリ企画で、CMビデオ撮影中の男性アイドルグループのメンバーに水に溶ける衣装を着せ、頭上から大量の水を落として全裸にしたことに対して、視聴者から「公衆の面前で全裸にさせられるのは人間の尊厳を損なうものだ」「子どもの教育の面やこの男性へのセクハラの面でとても許される行為とは思えず不快だった」などの意見がありました。
担当委員からは「下品なことは間違いない」としながらも、本人はドッキリ企画として承知し了解をした上での反応だと考えられるので、「とくに強く意見すべきものではない」との意見がありました。
その他に、大きな議論はなく「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

10月の委員会では、9月と10月の2カ月分のモニター報告について話し合いました。
9月のテーマは「今年4月から9月までで最も印象に残った番組について」で、モニターからはジャンルも様々なすべて異なる合計20番組(テレビ19・ラジオ1)の報告がありました。
『有働由美子とフカボリ記者』(日本テレビ)に「ニュースの取材をする記者に焦点を当てた新しい形のバラエティーだと思いました。」、『美輪明宏 愛のモヤモヤ相談室』(NHK Eテレ)に「この番組を視聴すると『悩んでいるのは自分だけではない。精一杯生きている人がいるのなら、強く生きよう』と自分の心に炎がともります。」、『SCHOOL OF LOCK!』(エフエム東京)に「私と同じくらいの年齢のリスナーばかりで、悩みの内容はどれもこれも『あ、すごく分かる』と共感できる。」など、印象に残った理由についての報告がありました。
「自由記述」では、「事件を伝えるニュースで、衝撃的なシーンばかりが強調されていて疑問を感じる」という意見が複数寄せられました。

◆モニター報告(9月分)より◆

  • 【今年4月から9月までで最も印象に残った番組について】

    • 『はなしちゃお!~性と生の学問~』(NHK Eテレ)
      性的な内容をまじめに取り上げているのが衝撃的でした。テレビで扱うのはタブーのように感じていたので新鮮でした。ラジオでは積極的に取り上げられているテーマなので、こうした番組を通してラジオとテレビの表現の不自由さの差が埋まっていけばいいなと思います。内容も学問として面白いものでした。(高校1年・男子・埼玉)

    • 『有働由美子とフカボリ記者』(日本テレビ)
      ニュースの取材をする「記者」に焦点を当てた新しい形のバラエティーだと思いました。現地で取材をしていてわかったこと、気づいたこと、感じ取ったことなど取材のプロだからこそ発見できることもありました。なぜ今までこのような番組が少なかったのだろうと思うほど内容が非常に興味深く、普段のニュースでは腑に落ちなかった「なぜ?どうして?」という部分がより詳しく理解できました。(高校2年・女子・岩手)

    • 『日曜劇場「オールドルーキー」』(TBSテレビ)
      これまでスポーツ選手が引退したあとのことなど全く考えたことがありませんでした。このドラマを見て、すべての人の人生がうまくいってるわけではないのだなと痛感しました。なりたい仕事がたくさんあって絞り込むことができませんが、今無理に決めずゆっくり考えていいのだと、将来のことを考えるきっかけにもなりました。(中学2年・男子・山形)

    • 『美輪明宏 愛のモヤモヤ相談室』(NHK Eテレ)
      日々のモヤモヤに寄り添ってくれる番組として視聴しています。美輪さんは相談者のお話に耳を傾け、思いを受け取ったうえで愛のあることばをおっしゃっていました。テレビの前の私までホッと腑に落ちた感覚になりました。この番組を視聴すると「悩んでいるのは自分だけではない。精一杯生きている人がいるのなら、強く生きよう」と自分の心に炎がともります。(高校2年・女子・千葉)

    • 『24時間テレビ45 ~愛は地球を救う~』(日本テレビ)
      24時間テレビの良いところは、番組で取り上げる話題の中に災害・戦争・病気などといった重いものが含まれていても、その中にエンターテインメント要素を入れることで見やすくし、より多くの人に情報を届けようとしているところです。扱われている内容が同じでも、ふだん放送されている報道番組やドキュメンタリー番組は見ようと思わないと見ないため、視聴者が最初に抱く「見たい」という気持ちをエンターテインメント要素の方に向けているのはとても良いなと思います。(高校1年・男子・兵庫)

    • 『日曜劇場「マイファミリー」』(TBSテレビ)
      ドラマ全体を通してさまざまな「ファミリー」を感じました。家族はもちろん、友人、自分の会社などすべてに絆や思い入れがあって大切にしていくべきであり、それらに愛情を持てるようになりたいと思いました。役者のみなさんの細かい表情や映像の美しさもすばらしく、夢中で見てしまいました。(高校2年・男子・福岡)

    • 『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)
      最もほこるべき点は、幅広い立場の人々が意見を表明できる点であると思う。出演者の幅が広い欠点としては、議論の土台となる部分に意見の食い違いがあって堂々巡りになることや、議論というより口げんかの延長線上のような事態が挙げられると思う。しかし、このような幅広い意見の人々がいないと左右の立場を超えて取り組まないといけない問題を考えることができないので必要だと思う。ただ、もう少しストレスなく見られるようにならないものかと思う。(高校1年・男子・愛知)

    • 『SCHOOL OF LOCK!』(エフエム東京)
      私と同じくらいの年齢のリスナーばかりで、悩みの内容はどれもこれも「あ、すごく分かる」と共感できる。日頃のちょっとしたモヤモヤに対処する方法を教えてくれるので、とてもありがたい番組だと思う。豪華なゲストの方々がよく出演するので、毎日どんな話が聞けるかわくわくしながら聴いている。(中学2年・女子・山形)

    • 『週刊フジテレビ批評』(フジテレビ)
      自分が見ているドラマについて専門家の感想や意見が聞けるのがとても面白く、勉強にもなっています。自分とは別の視点からの意見が聞けたときは、より発見があります。もう少し出演者の年代の幅を広げると、もっと面白くなるのではないかと思います。自分と同世代の学生などはどう感じているのか、いま出ている方々と若い世代との対談を聞いてみたいです。(中学2年・女子・東京)

    • 『世界一受けたい授業』(日本テレビ)
      さまざまなジャンルを取り上げて講義してくれるので、たくさんの情報が得られてためになる。大切なポイントをクイズ形式にして楽しむ要素を加えたり、イラストを用いたりしてわかりやすく説明していて良いと思った。日本における貧困問題やヤングケアラーの実態など、今起きているさまざまな問題を新しく知ることができた。(中学2年・女子・鹿児島)

    • 『土曜プレミアム・まっちゃんねる「IPPON女子グランプリ」』(フジテレビ)
      女性出演者だけということもあって男性回答者には答えられないお題ばかりだったが、ふだん見ることができない雰囲気で面白かった。しかし、審査員のコメントには「女性らしい」という文言が多く、違和感があった。“女性”を強調されると、女性の中では大喜利が得意だけど男性にはかなわない、という印象を持ってしまう。(中学3年・女子・千葉)

    • 『ブリティッシュ・ベイクオフ』(NHK Eテレ)
      いちばんの魅力はコンテストに挑戦するアマチュアベイカーの方が非常に多彩であることだと思います。人種、年代、バックグラウンド、職業などが全員バラバラで見ていてとても面白いです。アクシデントが起こった際に審査員が挑戦者に手を差し伸べる場面もあり、審査員のジャッジを楽しむだけではない温かな雰囲気も魅力だと思います。挑戦者が焼いていたマカロンがくっついてしまったとき、司会の方が「きっと味は文句なしよ」と軽やかに話していたシーンは、とても記憶に残っています。(高校2年・女子・東京)

  • 【自由記述】

    • 最近、事件のニュースで物々しい犯行の映像が流されることが多いと思います。私より年下の子はかなり怖さを感じるのではないかと思う映像もあり、少し配慮されるようになってほしいと思います。(中学3年・女子・群馬)

    • 渋谷で母娘が刺されてけがをした事件の報道で、ニュースの概要を知りたいのに衝撃的なシーンばかりが強調されることには疑問を感じ、被害者の母娘にも配慮がされていないように思います。「モザイクをかけて音声を加工したから流しても大丈夫」ではなく、「モザイクをかけて音声を加工してまで流さなければならない映像なのか」を考えていただきたいです。(高校2年・女子・東京)

    • 最近のテレビ番組はSNSで”いいね”が多かった動物の動画を集めた番組やカラオケ番組など、一般の人を頼る企画が多いように感じる。「視聴者参加型」ではなく「視聴者に頼りきり」なのは問題だと思う。(中学3年・女子・千葉)

    • 最近テレビで「これはSDGsに関連する」という話が多く出てきます。SDGsを意識することはいいことだと思いますが、何もかもSDGsに関連させていてはTVやラジオが面白くありません。何もかもSDGsに当てはめるのはいかがなものかと思います。(中学2年・男子・山形)

    • 最近、妹とテレビのリモコンを奪いあうケンカがなくなったことに気づきました。見逃し配信アプリでリアルタイム配信が始まってスマホがテレビと同じ役割を果たすようになり、家族それぞれが見たい番組をスマホでみるようになりました。アプリで見たほうがCMなどの広告もテレビより短く、倍速視聴もできるので私たちの世代のニーズに合っているのかもしれません。(高校2年・女子・岩手)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『歴史デリバリー』(NHK Eテレ)
      ・歴史上の資料をもとに考えながら見ることができるので、楽しみながら勉強できます。クラスメイトにもすすめたところ「面白かった」という感想をもらいました。(中学1年・女子・千葉)
      ・コントも混ぜて歴史が紹介されるので覚えやすくて良かった。授業で前に習ったところだったが、なぜそうなったのかがよく分からなかったので、この番組だと楽しく学べて良いと思った。(中学2年・女子・山形)

    • 『ザ・ドキュメント「もやい 福島に吹く風」』(関西テレビ)
      福島での原発事故を自分や仲間の「表現」によって伝承している人を取り上げていました。自分たちの表現が社会にどんな影響を与えるのか、どんな変化を起こすのかを深く考えて行動している人がいる中で、私たちもその思いを受け取りにいく必要性を感じました。(高校1年・男子・兵庫)

    • 『知ってる!!知らない!? 愛知おやつ100菓』(テレビ愛知)
      このような地元への大量の取材の蓄積をもとに作られる番組は、ユーチューバーの動画や世界同時の動画配信サービスでは実現しえないと思うので、テレビ局にはその強みを生かした番組作りを大切にしてほしいなと思いました。(高校1年・男子・愛知)

    • 『THE 無人島 未知の離島で〇〇見つけました!』(テレビ東京)
      その島で実際に生活していた人がいたというリアルさを画面越しに目撃できて面白かったです。とくに歴史的な発見は、教科書に載っていた出来事をより生々しく「実際にあった出来事」として感じるきっかけになりました。ひとつの島の紹介が終わるごとに文字で「まとめ」が表示されたところも、とても分かりやすかったです。(高校2年・女子・東京)

    • 『アイ・アム・冒険少年 2時間スペシャル』(TBSテレビ)
      芸人さんたちが楽しみながら一生懸命汗を流して汚れを落とし、落としづらい汚れには四苦八苦しながらも工夫を凝らして最後まであきらめずきれいにしている姿がかっこよかったです。終始、掃除はかっこよくやりがいがあることだと思わせてくれる番組だったと思います(高校2年・女子・岩手)

◆委員のコメント◆

  • 【今年4月から9月までで最も印象に残った番組について】

    • 性をテーマにしたNHK Eテレの番組を挙げたモニターは自由記述で「民放には性に開放的なイメージがありません」と書いていた。テレビで性を扱うことについて比較的おとなは、民放がとても配慮してNHKは攻めているという印象を持つが、今は若い人たちも同様な捉え方をするのだなと新鮮な驚きがあった。

    • 何もかもSDGsに当てはめるのはいかがなものかという意見があったが、なるほどと思う指摘だった。

    • 女性出演者だけで行われた大喜利で、審査員から「女性らしい」というコメントが多く違和感があったという指摘があった。まさに今のジェンダーの問題に関心をもって疑問を示した意見だと思う。

  • 【自由記述について】

    • 渋谷で母親と娘が少女に刺された事件の報道について意見があった。モニターは、モザイクをかけて音声を加工してまで流さなければならない映像だったのだろうかと、社会にも自分にも問いかけていて、しっかり考えてくれていることが印象に残った。

  • 【青少年へのおすすめ番組について】

    • 地元のお菓子を90分間で100個紹介する番組について、テレビの強みを生かした番組だと評価する感想があった。確かにあまりYouTubeにはないタイプの番組で、このようなすみ分けは重要だし、テレビに愛着がある若い人たちはそうした点を意識して評価しているのだろう。

10月のテーマは「最近見たドラマについて」で、モニターからは合わせて11番組の報告がありました。
このうち6人が取り上げた『silent』(フジテレビ)には「メッセージ性のあるドラマだ」「“音”へのこだわりが感じられた」などの感想が寄せられました。  
そのほか、複数のモニターが『連続テレビ小説「舞いあがれ!」』(NHK総合)と『監察医 朝顔 2022スペシャル』(フジテレビ)を挙げています。
「自由記述」では、「ふだんドラマを見ないが、ドラマのよさを再認識した」という声が複数寄せられました。
「青少年へのおすすめ番組」の『ゲームゲノム』(NHK総合)には、複数のモニターから「ゲームに対する見方が変わった」といった感想が届いています。

◆モニター報告(10月分)より◆

  • 【最近見たドラマについて】

    • 『日曜劇場「アトムの童」』(TBSテレビ)
      ゲームに焦点を当てているのが新鮮だと思いました。親しみやすいテーマと、大企業と中小企業の技術とプライドという対比が極めてシンプルで、全体を通して分かりやすかったです。身近なテーマだからこそ、作品内のゲームや製品が物語の展開や設定のリアリティーを左右してしまうと思うので、今後の流れが気になります。(高校1年・男子・埼玉)

    • 『監察医 朝顔 2022スペシャル』(フジテレビ)
      ・数ある医療系のドラマでも監察医というのが珍しく、「こんな職業もあるんだ!」と、今まで全然知らなかった職業のことを知るきっかけにもなりました。亡くなった方の想いや家族の愛が丁寧に描かれていて、とても優しい気持ちになれるドラマでした。(高校2年・女子・広島)
      ・温かい涙がこぼれるような素敵なドラマでした。コミカルなシーンとシリアスなシーンのバランスが良く、子ども目線で描かれるからこそ現れるリアリティーや認知症患者の家族が抱える葛藤、痛みが感じられました。解剖のシーンも臓器や血液などが生々しく映されず、視聴しやすかったです。ヒューマンドラマ、ホームドラマの側面も強く、法医学教室や刑事の面々もコミカルなキャラクターが多いので安心して楽しむことができました。(高校2年・女子・東京)

    • 『よるおびドラマ「差出人は、誰ですか?」』(TBSテレビ)
      第一話の15分だけの放送でこんなにもハラハラドキドキさせられたのは驚きでした。主人公を演じている女優はオーディションで選ばれた方で、とても学生のようでナチュラルで尊敬します。一目見た瞬間からとりこになりました。(中学1年・女子・千葉)

    • 『silent』(フジテレビ)
      ・すごく「音」へのこだわりが感じられ、聞こえないということがより一層重く感じました。音楽の使い方や演出が映画のようで、一話見ただけで満足感がありました。当事者にならないかぎり全部理解することはできないだろうけど、エンタメとして楽しめるだけではなく、ドラマを通して何か自分にとってプラスの学びがある作品になるとうれしいです。(中学3年・女子・群馬)
      ・とても感動したというのが率直な感想です。最も印象的だったのは、手話教室の講師が「人が良さそうですもんね」と言われたことに対して「(略)やさしい、思いやりがある、絶対いい人なんだろうなって勝手に思い込むんですよ」と発言したことです。障がい者をかわいそうと思うのも健常者の勝手なことで、同じ一個人として接する必要性を改めて感じました。(高校2年・男子・福岡)
      ・この物語は音がテーマで、重要なポイントになっているのだと思いました。有線イヤホンを片方ずつ分け合ってスピッツ(の曲)を聴くなど、主人公たちの高校生活が今の高校生とは少し違うので憧れました。登場人物の苦悩、葛藤がたくさん描かれていて全体的に重く暗い雰囲気のある演出・内容なので、登場人物が少しでも希望を持てる明るい終わり方になるといいなと思いました。手話教室の先生のシーンのように、障がい者や、関わる人への偏見についても伝えていて、ただのラブストーリーではなくメッセージ性もあるドラマだと思いました。(高校2年・女子・岩手)

    • 『星新一の不思議な不思議な短編ドラマ』(NHK 総合)
      星新一の作品が好きで小学生の時から読んでいたのですが、映像で見てみると現実の残酷さや人間の愚かさなどが鮮明に映し出されていて面白かったです。
      誰も見ていないところで何かをしたら、たとえそれが良いことであれ誰も知らないのですから皮肉なものだなと思いました。(中学2年・女子・山形)

    • 『親愛なる僕へ殺意を込めて』(フジテレビ)
      登場人物同士の関係性が気になるドラマでした。緊迫感のある音楽やホラーの要素が入っているからこそ、早く次が見たくなります。ナレーションがたくさん入っているので細かい状況が分かり、ドラマの中に入ったような感じで視聴できました。(中学2年・女子・山形)

  • 【自由記述】

    • めったにドラマを見ることはありませんが、このリポートをきっかけにドラマを見ました。ドラマには続きを早く見たくなってしまうほど自分にハマるものがあるのだと初めて気づきました。自分の中に新しいエンターテインメントができたぐらいの感動を覚えています。(高校1年・男子・兵庫)

    • 最近ドラマを全然見ておらず、久しぶりにドラマを見ました。本や漫画では感じられない登場人物の表情、感情を感じることができ、改めてドラマの良さを感じることが出来ました。(高校2年・女子・広島)

    • 何となく(NHKの)朝ドラに出てくる主人公が女性であることが多い気がする。男性が主人公の作品が少ないので、もう少し増やしてほしいと思う。(中学2年・女子・鹿児島)

    • 視聴率を基準に番組を評価する風潮が早く変わってほしいです。私を含めて周りの多くの人がリアルタイムでテレビを見ていなくても、見逃し配信やリアルタイム配信で見たりしています。見逃し配信はたまたま見ている人が含まれる視聴率とは違い、意識してその番組を見るので、そうした見逃し配信も加味して評価されてほしいです。(中学3年・女子・群馬)

    • ドラマを見ていて制作している裏側がとても気になります。メイキングや放送直前番組で撮影の裏側などが流れることがありますが、裏側がピックアップされているものはないと思います。放送できる範囲で構いませんが、どのようにドラマが完成していくのか(原作、脚本の決定から撮影の日程、ロケ場所の確保など)を知りたいです。(高校2年・女子・千葉)

    • NHK Eテレには英語番組が多く、見ていてとても楽しいです。特に、日本人に足りていないナチュラルな英語のフレーズが紹介されている『太田光のつぶやき英語』や『キソ英語を学んでみたら世界とつながった。』などの番組がお気に入りです。このような番組がもっと増えてほしいです。(中学1年・女子・千葉)

    • 埼玉県の美味しいうどんを紹介する情報番組のコーナーで、お店のうどんをキャンピングカーで食べ、撮影するという方法がとられていました。ありそうだけどこれまでになかった新しい方法で良いなと思いました。(高校2年・女子・岩手)

    • 最近はドラマが似たジャンルのものばかり放送されているように感じます。話の展開が一気にひっくり返るような、意外性のあるドラマを見てみたいです。(中学2年・女子・山形)

  • 【青少年へのおすすめ番組】

    • 『ゲームゲノム』(NHK総合)
      ・この番組を見て、ゲームもすばらしい文化のひとつであることがよく分かりました。今回取り上げられたゲームだけをみても、その内容から受け取ってほしい願いや制作者が伝えたいメッセージがあることを知り、ゲームの世界は深いなと感じました。ゲームに対する見方が変わりました。(高校1年・男子・兵庫)
      ・ゲームをすることは教育的によくないと言われることがありますが逆で、人間について考えるきっかけとなったり、人生の糧になったりするものもあると思いました。(高校2年・男子・福岡)

    • 『60秒で学べるNews』(テレビ東京)
      普段のニュースだと分からない出来事を専門家が60秒で専門家が説明し、議論する形でまた60秒で説明していくという流れが、とてもスピーディーでありながら、簡潔で分かりやすいです。(中学2年・女子・東京)

    • 『理想的本箱 君だけのブックガイド』(NHK Eテレ)
      あらすじからもう一歩内容に踏み込んで紹介されていますが、ネタバレになり過ぎることもなく「読んでみたい」と思わせる絶妙なあんばいでした。視聴者の好みにもよると思いますが、個人的には出演者の方が話されたことばの中でキーワードになるところをテロップで文字に起こしても良いのかなと思いました。(高校2年・女子・東京)

    • 『こどもスマイルテレビ~こども記者編~』(TOKYO MX)
      小学生が浄水場やダムを取材してVTRにまとめていたが、撮影・編集・ナレーションまで子どもたちがやっていてすごいと思った。また、うらやましくも思った。東京の水はもちろん、テレビ番組がどう作られているかを体感できるよい経験だと思う。(高校1年・男子・東京)

    • 『サスティな!』(フジテレビ)
      SDGsについて紹介するバラエティーというのは新鮮な感じがしました。内容も面白く、ふだんの生活に新しい視点を取り入れさせてくれるものでしたが、「SDGsってとっつきにくそう」という印象をどう払拭(ふっしょく)するか難しいところだと思います。(高校1年・男子・滋賀)

◆委員のコメント◆

  • 【最近見たドラマについて】

    • 『silent』(フジテレビ)への感想が多かったが、ストーリーそのものへの感動とともに、実生活の中で障害がある人のことを理解したいという気持ちが相まって、とても興味深く見られているのではないかと思った。

    • 視聴率を基準に評価する風潮に疑問を呈する意見があった。確かに、今放送中の人気ドラマが何百万回もオンデマンドで再生されていることを考えると、視聴率が示すリアルタイムの視聴と(実際の見られ方は)違うのだろうと思う。

  • 【自由記述について】

    • 番組制作の裏側が知りたいという声があった。最近の若い人たちは制作者への関心や制作の裏側を知りたいというニーズがとても強いと感じる。映画監督が映画の公開後に撮影日記を出版して情報公開をするように、そうしたニーズにネットなどで応えることがテレビの魅力を高め、テレビに関心を持つ若年層を増やすことにつながるのではないか。

    • NHK Eテレで放送される英語番組が楽しいので増えてほしいという声があった。英語が得意ではないお笑い芸人が少しずつうまくなっていくようなところが視聴者には共感できるのだろうと思う。

  • 【青少年へのおすすめ番組について】

    • 最近の話題について専門家がスピーディーに解説する番組に「分かりやすい」という感想があった。別のモニターも朝ドラの一週間のまとめ放送を評価していたが、やはり最近の若い人たちは長い番組より短いものが見やすいのだろうと思った。

意見交換会について

岡山・高松地区の放送局との意見交換会について事務局から、来年(2023年)2月9日(木)に岡山市内の会場で開催する予定であることが報告されました。

今後の予定について

次回は、11月22日(火)に定例委員会を開催します。

以上

委員長コメント一覧