青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第155回

第155回–2014年3月6日

『絶対に笑ってはいけない地球防衛軍24時!』について日本テレビと意見交換

アニメ『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』(東京メトロポリタンテレビ、サンテレビ)を審議し、「委員会の考え」公表

第155回青少年委員会(臨時)を3月6日、7人の委員全員が出席してBPO第1会議室で開催しました。今回は、審議入りしている事案について当該局との意見交換と、前回委員会で審議した事案の「委員会の考え」について検討し承認しました。
次回は3月16日に定例委員会と中高生モニター会議を開催します。

議事の詳細

日時
2014年3月6日(木) 午後4時30分~午後8時50分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見委員長、加藤副委員長、小田桐委員、川端委員、最相委員、萩原委員、渡邊委員

【審議事案】

■日本テレビ制作関係者などと意見交換

  • 2013年大晦日の午後6時30分から翌日午前0時30分まで放送された『絶対に笑ってはいけない地球防衛軍24時!』(日本テレビ)の、"お尻の穴に白い粉を詰めてオナラとともに顔に吹きかけるシーン""股間でロケット花火を受け止めるシーン""赤ちゃんに扮した男性のオムツ換えのシーン"について、第153回委員会で審議入り事案とし審議を続けてきました。青少年委員会は2月12日付で日本テレビに回答要請を行い、日本テレビから2月20日付で提出された回答書を基に日本テレビ制作関係者などと意見交換を行いました。概要等については、後日報告します。

■『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』について審議

  • 1月4日から始まった、毎週土曜日午後10時30分から放送のアニメ番組『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』(東京MXテレビ・サンテレビ)に対し、2月14日付で両局に回答要請を行い、両局から2月24日付で提出された回答書を基に、2月25日開催の前回委員会で審議した結果、「委員会の考え」を公表することで審議を終了することにしました。今回の委員会で「委員会の考え」が承認されましたので、当該2局に「委員会の考え」を送付するとともに、以下のとおり経緯を公表します。

青少年委員会から東京MXテレビ、サンテレビへの質問

2014年2月14日

    1. 営業・編成・考査各部門を含め、どのようなプロセスで放送を決定したのかご説明ください。
    2. 放送を決定する際に、貴局内で性的表現について問題があるとの指摘があったか否かについてお答えください。
    3. 2.で指摘があったと回答された場合は、どのような立場の人からどの点にどのような意見が出されたのかお聞かせください。また、その意見に対する貴局としての最終的なご判断をお聞かせください。
    4. 放送時間を問題にする意見は社内で出なかったのか否かについてお答えください。
    5. 4.で問題にする意見があったと回答された場合、貴局として最終的に22時台の放送を決定された理由をお聞かせください。
    6. 特にアニメは、青少年がアクセスしやすいジャンルだと考えられます。まだ多くの青少年が起きて視聴する可能性の高い時間帯に、刺激的な性的描写を含んだアニメ番組を放送することについて、貴局としてどのようにお考えかお聞かせください。
    7. 第5話以降は25時30分から放送されておりますが、放送時間を変更した理由をお聞かせください。
    8. 貴局は本番組の制作には関与されていないようですが、放送責任についてどのように考えるのか、お聞かせください。

(サンテレビへの質問は、7.第5話以降は26時から放送されていますが~に変更)

東京MXテレビの回答

2014年2月24日

質問状に対するご回答

  • Q1 営業・編成・考査各部門を含め、どのようなプロセスで放送を決定したのかご説明ください。

  • A1 2013年7月23日に第1回目の考査を致しました。その後、9月25日に第2話の絵コンテ、10月30日に第1話アフレコ用動画と台本、12月24日に第1話のDVD、12月26日第2話のDVD、1月7日に第2話の修正版のDVDとそれぞれ考査依頼が来ており、最終的な考査の結果、放送可能と判断しました。編成部としましては、若干浅い時間ではあるものの、『日本民間放送連盟放送基準審議会(1999年6月17日)「青少年と放送」問題への対応について』を参考に、放送時間が午後10時台と、午後9時を過ぎていることから、放送を決定いたしました。

  • Q2 放送を決定する際に、貴局内で性的表現について問題があるとの指摘があったか否かについてお答えください。

  • A2 上記第1話の考査依頼の際に、異論もあり性的描写を抑えることを考査部門より営業担当を通じて制作者側へ伝えていました。また、第2話に関しても、一部の性的描写シーンについて再考・是正するよう伝えていました。

  • Q3 2で指摘があったと回答された場合は、どのような立場の人からどのような点にどのような意見が出されたのかお聞かせください。また、その意見に対する貴局としての最終的なご判断をお聞かせください。

  • A3 編成局編成部の考査担当者が、第1話、第2話の絵コンテ、アフレコ用の動画のそれぞれの段階において、種々異論はありましたが、協議の上、過激な性的描写に再考・是正することなどの意見を出しています。当社としての最終判断は、「作品のテーマに沿って必要な範囲であり、アニメ固有の表現の域内である」と考え、放送時間も考慮したうえで放送可能と判断を致しました。

  • Q4 放送時間を問題にする意見は出なかったのか否かについてお答えください。

  • A4 放送時間移動についての強い意見はありませんでした。

  • Q5 4で問題にする意見があったと回答された場合、貴局として最終的に22時台の放送を決定された理由をお聞かせください。

  • A5 当社では、『日本民間放送連盟放送基準審議会(1999年6月17日)「青少年と放送」問題への対応について』を参考に、22時台の放送に至りました。

  • Q6 特にアニメは、青少年がアクセスしやすいジャンルだと考えられます。まだ多くの青少年が起きて視聴する可能性の高い時間帯に、刺激的な性的描写を含んだアニメ番組を放送することについて、貴局としてどのようにお考えかお聞かせください。

  • A6 22時台という時間帯に関し、多くの青少年が視聴しているという事実に対する認識に不足があった点は否めず、特にアニメというジャンルでのアクセスが容易に行われるという観点から、より青少年に対し配慮を行うべき時間帯であったと反省しております。

  • Q7 第5話以降は25時30分から放送されておりますが、放送時間を変更した理由をお聞かせください。

  • A7 第1話並びに第2話放送後からBPOへ苦情のメールが寄せられていることが判明し、当該番組を放送する時間帯としてはふさわしくないという判断に至り、すみやかに放送時間変更を決定致しました。

  • Q8 貴局は本番組の制作には関与されていないようですが、放送責任についてどのように考えるのか、お聞かせください。

  • A8 当社が制作に関与したか否かを問わず、当社で放送する番組の放送責任は当社にあると考えております。特に、22時台は、生活習慣の変化から多くの青少年が視聴可能であり、チャンネル選択権を当該青少年が持っていることも多いという事実に対する認識が甘かったと考えております。当該番組を視聴し、嫌悪を感じた視聴者の皆様には深くお詫びを申し上げます。

以上

サンテレビの回答

2014年2月24日

<サンテレビ回答>

(1)について
当該番組の放送枠は、在京局との同時同枠編成によるレギュラー・アニメ番組枠として展開したいという、代理店からの要請により、当社東京支社営業部を窓口に、持ち込み番組という形で昨年の10月編成時に設定しました。
昨年10月21日、東京支社営業部は、本社編成部に他の枠を含めた1~3月クールのアニメ番組の予定表を出し、当該番組の「タイトル」を示しました。この時点では、放送枠としては昨年4月から、当該枠と同様に2局同枠編成している土曜日22:00~22:30での放送予定でした。分かっていたのはタイトルのみで、内容及びこの時間帯の放送で問題ないのかなどの点は、東京支社営業部も把握していませんでした。
11月22日、東京支社営業部より当該番組を土曜日22:30~23:00の放送枠に変更したいとの要請がありました。この時点で、編成担当者は当該アニメの公式ページを確認し、放送時間からみて内容に問題があるのではと思い、考査担当者にも相談の上、東京支社営業部の担当者に番組内容の確認を急ぐよう促しました。編成局長からも東京支社営業部長に注意喚起し、代理店との交渉状況についても問い合せました。東京支社営業部は、在京局から「考査チェックしている」との回答をもらっており、問題ないとの判断でした。
12月に入り、東京支社営業部長より編成局長に再度、在京局が引き続き当該番組を考査している旨の連絡があり、1月4日から毎週土曜日22:30~23:00の時間枠で放送することとしました。当社としての考査確認作業が必要という認識はありましたが、昨年4月期からの22時台の2局同枠編成による展開の経緯もあり、それ以上の論議にはなりませんでした。
12月25日(水)に当該番組の第1話が、26日(木)に第2話の放送素材が搬入され、それぞれ翌日に放送運営センター(放送素材スタンバイ部門)担当者がプレビューしました。しかし、その際、当該番組の放送時間帯の認識が薄く、性的表現の含まれたシーンに関する指摘は行わず、年末年始の休日をはさんだこともありそのまま1月4日(土)の放送に至りました。
アニメ番組においては通常、幹事局が代表して考査チェックするケースと、個別に考査依頼があり絵コンテやコメント台本、サンプルDVDなどが搬入されるケースがあります。今回の在京局は幹事局ではありませんが、「考査している」との情報に寄りかかり、考査材料の提出要求や問題点の指摘を怠ったことも、結果的に視聴者の厳しい意見をいただく事態を招くこととなった一因と考えています。

(2)について
問題ありとの指摘はありました。

(3)について
プロセスの中にありますように、編成担当者、考査担当者が事前に当該アニメの公式ページや原作本の紹介ページなどを閲覧し、過激な性的描写が危惧されることを営業担当者に伝えました。編成局長は東京支社営業部長および営業事業局長に指摘し、テレビアニメ化した際の表現内容について確認するとともに、放送時間に配慮した内容で対応するように依頼しました。以降の判断は、プロセスで記載したとおりです。

(4)について
放送時間を問題視する意見はありました。

(5)について
内容に対する懸念と同様の経緯です。

(6)について
民放連放送基準第3章の「児童および青少年への配慮」は、アニメにおいてはより留意する必要があるものと考えます。当然のことながら、低年齢層が視聴可能な時間に、刺激的な性的描写が含まれるアニメの編成は控えるべきものであると考えます。

(7)について
前述のとおり、当該アニメはその放送時間に適さないものだったと判断し、2月放送分から深夜帯(26時台)に移行しました。また、放送開始後、当社や貴委員会に寄せられた視聴者からの厳しい意見を踏まえ、代理店を通じて深夜といえども内容に配慮するよう申し入れました。

(8)について
制作に関与してないとはいえ、4週にわたり放送時間帯に相応しくない性的描写を含むアニメを放送してしまった責任は重く受け止めております。事前に問題意識を持ちながら自局での考査チェックを行わず、視聴者ならびに貴委員会からのご指摘を受ける事態を招いたことを深く反省しております。
番組づくりの手法が多様化する中で、放送局として判断、責任は今まで以上に厳格であるべきと考えます。今回のご指摘を受けて、社内の番組チェック体制を見直すとともに、アニメ番組の持ち込み基準を早急に策定します。
放送基準ならびに放送倫理を念頭に、特に低年齢層の視聴に十分に配慮した健全な編成
を心がけていく所存です。

以上

委員会の考え

2014年3月10日

【委員会の考え】

当該放送局からの回答を得て、第154回青少年委員会で審議した結果、サンテレビは26時から、東京MXテレビは25時30分からと、それぞれ放送時間を変更したことも踏まえて、放送局側とのさらなる意見交換の場は設けずに、文書による回答に基づいて、「委員会の考え」を以下に提示することにしました。

東京メトロポリタンテレビジョン(以下、「東京MXテレビ」)とサンテレビジョン(以下、「サンテレビ」)で、毎週土曜日22時30分から放送していたアニメ『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』は、青少年の性愛が主たるテーマになっており、児童および青少年の視聴に適さない刺激の強い性的表現が複数含まれ、それが番組の特徴になっています。
東京MXテレビの回答では、『民放連・放送基準審議会「青少年と放送」問題への対応について』(1999年6月17日)を参考に、22時台の放送に至ったとの回答がありますが、同『対応』においては、"17時~21時に放送する番組については、児童および青少年、とりわけ児童の視聴に十分、配慮する"としていますが、その前提として、"放送時間帯に応じ、児童および青少年の視聴に十分、配慮する"(民放連・放送基準第18条)を順守徹底することが求められています。
これは、各時間帯に応じて段階的に児童および青少年の視聴に十分な配慮が必要であることを意味し、21時を過ぎれば、児童および青少年の視聴に配慮する必要がなくなるわけではないことを十分に認識していただきたいと思います。
東京MXテレビ、サンテレビとも、多数の視聴者意見を受けて第5話以降の放送時間を変更したということは、事前に視聴者の意見を予想できなかったか、予想しながらも敢えて放送したとも考えられますが、いずれにしても、放送開始の段階では、視聴者の反応を十分に予想し、配慮した上での決定とは言い難かったのではないでしょうか。程度の差はあるにせよ、児童および青少年の視聴に対する配慮は時間帯を超えて常に必要であることに留意してほしいと思います。
東京MXテレビは、考査をしながら、そこでの意見が十分に反映されないまま放送に至った危険性が読み取れ、考査の過程が形骸化し、十全に機能していないのではないかと危惧しています。
サンテレビは、他局の考査セクションがチェックしているという点に安易に依拠し、局独自の考査を十分しないまま放送したもので、放送局としての放送責任を改めて考え直してほしいと思います。各放送局が、独自の放送責任を負っている点を深く自覚していただきたいのです。
いわゆる製作委員会方式においては、番組制作にあたり、放送局が全く関与しないか、関与が限定的なものとなっていることもあるようですが、最終的な番組編成や放送時間の決定は放送局に委ねられているのであり、その放送責任は免れません。したがって、放送にあたっては、自社制作番組と同様の丁寧なチェックが求められることを指摘したいと思います。
なお、青少年委員会は、児童および青少年の視聴に十分配慮する時間帯について、今後研究すべき課題であると認識していることを、BPO加盟の全放送局にお伝えしておきます。

以上