青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第149回

第149回–2013年9月

フジテレビ「生爆烈お父さん27時間テレビスペシャル!!」で局の制作責任者らと意見交換

第149回青少年委員会は9月24日、7人の委員全員が出席してBPO会議室で開催されました。今回は、一つの審議事案と二つの討論案件について話し合いました。まず、前回審議入りした『生爆烈お父さん27時間テレビスペシャル!!』(フジテレビ)について、フジテレビの制作関係者との意見交換を行いました。その後審議が行われ、フジテレビに対して、追加質問に対する回答と、補足説明を求めることにしました。また、地方局で放送されている深夜のお色気番組と、最近の自殺報道について討論し、いずれも審議入りしないことにしました。その他、9月の中高生モニター報告、10月4日に札幌で開く意見交換会、11月26日開催予定の在京局との勉強会について報告しました。
次回委員会は10月15日に開催します。

議事の詳細

日時
2013年9月24日(火)午後4時00分~午後7時00分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見委員長、加藤副委員長、小田桐委員、川端委員、最相委員、萩原委員、渡邊委員

フジテレビ制作関係者との意見交換

『FNS27時間テレビ女子力全開2013』(フジテレビ)の「生爆烈お父さん27時間テレビスペシャル!!」のコーナー(8月3日放送)に視聴者意見が多数寄せられたため、9月3日の第148回青少年委員会で審議入りすることを決めました。
青少年委員会では9月9日に、フジテレビに対し9月24日に意見交換を行いたい旨を伝え、以下の5点について、青少年の視聴に関する留意点を中心に報告をお願いしました。

  • 番組の制作意図について
  • 放送時間帯への配慮について
  • 危険行為に対する認識について
  • 女性タレントや女性芸人へのきわどい演出について
  • フジテレビ「私たちのバラエティ宣言」(2010年)を意識した番組作りがなされているかどうかについて

フジテレビからの報告書は以下のとおりです。

『FNS27時間テレビ』の「爆烈お父さん」に関する報告書

フジテレビジョン

(1) 番組の制作意図について

  • 『FNS27時間テレビ』の「爆烈お父さん」は、『めちゃ×2イケてるッ!』の制作チームが演出のすべてを担当しました。

    1. まずは『27時間テレビ』のパーソナリティである女性芸人を輝かせたい

    2. そのためには女性芸人と対極の国民的アイドルAKB48と向き合わせる

    3. 両者が対峙する場として「爆烈お父さん」が最適と考えて、今回は「爆烈お父さん」を制作・放送することになりました。

  • 爆烈お父さん」とは、極楽とんぼ加藤浩次氏演じる一家のお父さんが本来あるべき父親像、つまり、怖いけれども尊敬できる絶対的存在として一家の主導権をにぎる物語で、理不尽な説教や乱暴な振る舞いも今の威厳を失くした父親像とのギャップとして面白がる"コント"です。
    具体的には、ゲストがお父さんの逆鱗にふれてジャイアントスイングで回されるシーンが見所の"お茶の間プロレスコント"で、回されている間ゲストが宣伝したいVTRや曲が流れます。
    今回は、『27時間テレビのパーソナリティとして各コーナーの見所VTRを流したい女性芸人』と『アイドルとして新曲を流したいAKB48』の対比になっていました。

  • 今回我々は、放送中のサイドテロップ『爆烈お父さんvs女芸人vs AKB48』のとおり三つ巴の対決を目指しました。

    • 『AKB48』は国民的アイドルであるはずなのに、お父さんや女性芸人相手に生放送で必死に体をはって頑張る

    • 『女性芸人』はアイドルに「見せ場」(ジャイアントスイング)を横取りされて、お父さんやAKB48相手に必死で挽回しようとする

    • 『お父さん』は女性芸人vs AKB48の触媒としてAKB48を贔屓し続ける

当然のことながら、我々はAKB48と女性芸人に対して危険な行為や性的にきわどい行為をしたかったわけでは一切ありません。

(2) 放送時間帯への配慮について

  • 『めちゃイケ』は毎週土曜日夜8時からゴールデン帯で放送している番組ですので、イジメ問題をはじめとする青少年への影響は常に意識して制作しています。また、「爆烈お父さん」は番組スタート時(1996年)から続く長寿コーナーで、演出スタイルが当時から変わっていないことも含めて、『27時間テレビ』における放送時間帯に関しては特に問題視していませんでした。
    今回視聴者からたくさんの苦情をいただいたことで、『27時間テレビ』は普段の『めちゃイケ』ファン以外の方、お笑いファン以外の方も見る番組であることをより深く認識する必要があったと改めて感じました。

(3) 危険行為に対する認識について

  • 「爆烈お父さん」は前述の通り、バラエティ番組の"コント"です。
    ドキュメンタリーではありません。
    テレビタレントの加藤氏は、設定として「爆烈お父さん」という乱暴なキャラクターを演じています。
    もちろんゲストも、設定として「爆烈お父さん」にジャイアントスイングをされたり転かされたり蹴られたりする役を理解し、受け入れます。
    つまり、出演者全員が互いに信頼しながら、プロフェッショナルとしてカメラの前で"お茶の間プロレスコント"を繰り広げるのです。
    しかも、加藤浩次氏は『どの程度にとどめておけば相手は怪我をしないか』を十分に理解しており、我々スタッフも信頼しております。
    実際、問題視されている"渡辺麻友さんの顔を蹴ったとされるシーン"も、加藤氏は自分の足を一旦彼女の顔に付けてから押し出すようにすることで、相手が怪我をしないようにしています。

  • 放送当日は、入念なリハーサルやセットの養生など安全対策を万全にした上で本番に臨んでおり、「爆烈お父さん」は我々の想定を越えた危険なことが起こるコーナーだとは思っておりませんでした。
    しかし、想定した演出から逸れていく可能性がある生放送で、『一見暴力的に見えるキャラクターで笑いを作る』という決して簡単ではない演出方法を採用したことは、今思えばリスキーだったのかもしれません。
    また、「"お茶の間プロレスコント"とはいえ、モラル的に女性に対してする行為ではない」というご指摘に関しては、我々はもっと慎重に演出する必要があったのかもしれません。
    以上"生放送における演出"に関しては、今後の番組作りの課題として十分に検討していきたいと思います。

(4) 女性タレントや女性芸人へのきわどい演出について

  • 我々は、AKB48や女性芸人を使って性的にきわどい表現をすることを 極力排除しようとしました。
    例えば、AKB48メンバーが当日着けていたアンダースコートは、事前に事務所と相談して決めた衣装です。
    一方、森三中大島さんのでん部の露出に関しても、あくまで女性芸人である彼女達の持ち芸であり、笑いの表現方法としてバラエティ的に許容範囲であると認識していました。

(5) フジテレビ「私たちのバラエティ宣言」(2010年)を意識した番組作りになっていたかについて

  • 『愛がなければテレビじゃない!安心できなきゃテレビじゃない!やっぱり楽しくなければテレビじゃない!』の『愛』と『楽しく』は、バラエティ宣言通り達成できたと考えております。視聴者の皆さんに愛される番組をつくるために、番組を愛し、出演者を愛する気持ちは十分にありました。楽しくなければテレビじゃないという熱い信念を持って生放送に臨みました。
    しかし、『安心』に関しては、十分に配慮したつもりであった我々制作陣と視聴者との間に大きな溝があったと認識しております。今回、我々の番組をご覧になった視聴者から数多くの苦情があったことは事実であり、スタッフ一同真摯に受け止める所存です。
    これを機に、『安心』という意味で制作陣と視聴者との溝をいかにして埋めていくか十分に議論して、今後の番組作りに活かしていきたいと思っております。

フジテレビからの報告書を基に、フジテレビの番組の制作責任者など6人と委員との間で意見交換を行いました。

[意見交換概要]

〔Q:青少年委員 A:フジテレビ〕

論点1.コーナーの企画意図について

Q.   コーナーの企画意図を説明してください。
A.   ゲストの女性芸人とAKB48の魅力を引き出す目的で、「爆烈お父さん」を企画・制作しました。また、女子限定のゲストがジャイアントスイングで回されている間に宣伝したい曲やVTRが流れるなど、基本的にはタレントさんのプロモーションを兼ねたコント、つまり、ドキュメンタリーではなく「プロレスコント」として作っています。

論点2.放送時間帯への配慮について

Q.   民放連の放送基準で定める「17時~21時までは児童および青少年、とりわけ児童の視聴に十分配慮する」への配慮はありましたか。
A.   レギュラー枠の放送でも、青少年に見てもらいたいと思っているので、そのことは充分意識をして制作しています。今回の特番に関しても、通常の番組と同じスタンスで作れば大丈夫だという意識はありました。今回の特番では、ふだん『めちゃイケ』を見ていない方たちもかなり見ていたのだと後から気づかされました。
Q.   『めちゃイケ』ファン以外の視聴者についてどうお考えですか。『めちゃイケ』ファンなら理解してくれたのに、と思っていませんか。
A.   番組は、見終わったあとの感想「読後感」が大切だと思っています。全ての視聴者に楽しんでもらうために色々工夫しています。ただ、どういう線引きをしつつ表現したら表現者としての思いが『めちゃイケ』ファン以外の視聴者にも伝わるのかを、検討していますが、現状では答えは出ていません。

論点3.危険行為に対する認識について

Q.   これまでこのコーナーで予定外のハプニングとか出演者の怪我につながるようなことは無かったのですか。
A.   今まではありませんでした。全部の角を怪我をしないように細工したりして、我々があのお茶の間のセットで怪我を防止できることは100%やっています。
Q.   子どもがジャイアントスイングを真似することについてどう思いますか。子どもは周りを怪我をしないように細工することはしないですよね。
A.   真似をする子どもはいるかもしれませんが、かといって「危険なのでまねしないで下さい」とテロップを入れれば済む問題とも思っていません。そこは表現の仕方の問題で、我々がつかみきれていないところです。
Q.   「お茶の間プロレスコント」という表現を使っていますが、単にプロレスごっこにしか見えないのですが。
A.   お決まりの流れがあるので、「プロレスコント」だと思っています。
Q.   2007年10月に青少年委員会は「出演者の心身に加えられる暴力に関する見解」を出し、その中で暴力シーンは「人間に対する否定的な扱い」であると不快感を示していますが、頭や顔を踏んだり蹴ったりする行為は、人間の尊厳にかかわる基本的なことだと思います。スタッフの皆さんにその辺の認識が乏しいのかなと思い、危惧を感じます。大事なのは人間の尊厳を守った中で笑いを作っていくことだと思います。
A.   例えば、漫才でボケた芸人の頭を相方がはたく行為も人間の尊厳を冒すことになるのでしょうか?どの線からは人の尊厳を冒していることになるのかをお聞きかせください。
Q.   漫才で頭をはたくことは、今や文化的な伝統として定着していると思います。線引きで、これはOK、これはダメとなればテレビは作れなくなるのではないですか。そうではなく、人間を大切にすることだと思います。そしてそれを常に考えてゆくことだと思います。
A.   やっぱり顔を踏む行為が線を越えているという印象ですか?
Q.   そうですね。人間をいたずらにもてあそぶような映像が横行すると、子ども達の深層に忍び込んで、人間観、価値観の形成において、問題になってくると思います。
A.   複数の女性アイドルに同じことをしているのですが、映像から受ける印象はそれぞれ異なりますか?
Q.   同じです。どの場合も厳しく問われるべきだと思います。
Q.   過去に、頭を蹴ることはやっていたのですか。
A.   定番ではないが、やっていました。
Q.   クレームはありましたか。
A.   ありました。
Q.   そのクレームについて局ではどういう受け止めをしていましたか。
A.   数が少なかったこともあり、コーナーの内容を変えるまでには至っていません。
Q.   数が少ないことを軽視するのは問題があると思います。一つのクレームでも本質をつくことがあります。皆さんがちゃんとチェックしていてOKと思われたこと自体に、一般の人の感覚と放送局の人の感覚がかなりずれてきているのではと危惧します。
A.   数が少ないからそれを重要視しないという考えでは決してありません。

論点4.きわどい演出について

Q.   女性タレントがお尻を出した時に、その場に子役がいたのですが、そのようなシチュエーションについて内部で議論は無かったのですか。
A.   あれは女性芸人の持ちネタの一つで、想定内の出来事です。ただ、キワドイ部分で楽しみたいという意識はありませんでした。
Q.   "見ていて不快"という視聴者意見が多かったのですが、それは性的なイメージを喚起したり、男性がやって女性がやられるという男女の位置関係などに関係していると思うのです。公共性の高い地上波の生放送で、"これ以上やってはいけない"という現場スタッフ、出演者との申し合わせや基準はあったのですか。
A.   性的な表現を強調して視聴者を楽しませようという意識は全くありませんでした。エロくならない工夫をしています。でん部を出す行為に関しては、それを隠したり注意する周りの芸人達の面白さを引き出そうとしました。また、女性芸人の性(サガ)的なところを面白がろうとしていました。
Q.   お尻を出すことに関して、この時間帯は子どもが見ている時間帯であることを注意していなかったのですか。
A.   特にしていませんでした。というのもスタッフも私も、この場面のでん部の露出に関して性的な表現だとは全く思っていなかったからです。
Q   家族で見ている時などに、見る側が戸惑ったり不快に感じたりするということは考えなかったのですか。
A.   笑いが勝つと思っていました。ただ、不快だと思った視聴者がたくさんいたことは、反省すべきことだと思っています。
Q.   女性アイドルの足の開閉はエロティックだと感じましたが、あれはハプニングだったのですか。
A.   はい、現場のノリでやったことです。我々は正面から撮らないようにしたのですが、そう受け取る方がいたことに関しては率直に受け止める気持ちです。

論点5.フジテレビ「私たちのバラエティ宣言」について

Q.   フジテレビの「バラエティ宣言」に"愛がなければテレビじゃない"とありますが、これは人間すべてに対する「愛」があると思うのです。この「バラエティ宣言」の中身をみんなで議論して作っていただければ、いい番組が出来るのになと思います。ぜひ、いいバラエティーを作ってください。
A.   我々が、かつてバラエティーとして許容していたものが、今は通用しなくなってきていることを感じます。我々は世の中にどこまでアジャストしていけばいいのか、どこまで清廉潔白さを追求しなければならないのか、特にバラエティーに関しては常識とのギャップを笑いの表現として使うことが多いので、毎回自問自答しながらやっています。

その他の質問

Q.   今回の「爆烈お父さん」のコーナーは長くなかったですか? すごくしつこい感じがしましたが。
A.   普通は30分程度ですが、今回は1時間半放送しています。
Q.   同じことをやっても、社会情勢や時代、時間帯によって見ている人が変わったり、受け止め方が変わるということを、作り手が意識しておかなければならないのではないでしょうか。また男性が女性を振り回すという構図は、一方的な男性から女性への加害に見えてしまいました。
Q.   制作体制とチェック機構について確認させてください。
A.   『めちゃイケ』はフジテレビの社員が作っている番組です。実際に放送する内容は、私どもで必ずチェックしています。今回の『27時間テレビ』は生放送ですので、どういう内容をやるかについて事前に内容を共有しています。ただ、女性の頭を踏むという行為が人間の尊厳にかかわるというところまで考えが及んでいませんでした。今後しっかり検討していかなければと思っています。今回、頭を踏まれた女性アイドルは、グループの中でも正統派アイドルだったので、ファンの方に刺激的であったと思います。今回クレームが多かったのは、熱狂的なファンの方々からなのかどうか、我々の中で噛み砕いて理解する必要があると感じました。
Q.   今回、AKBが被害者だったからクレームが多かったと考えるのであれば、今後制作するにあたって本質を見誤るのではないかと危惧します。
 
Q.   今回は、皆さんに文句を言うために集まってもらったのではなく、日本の国民に、本当にいい笑いをたくさんもたらしていただきたい、そういう番組を作っていただきたいという願いがありまして、それで集まってもらったのです。今回、見ている人が大きな違和感を持ったとしたら、あれは作り手が「プロレスコント」と設定したけど、実は受け取るほうは、そうは受け取っていなかったということが一番の原因だったと思います。良い面白い番組を作ろうとして努力されていることはよく分かるのですが、受け取る側の受け止め方は一番大きな問題なので、もうちょっと詰めて議論したいなと思いました。

この後、委員会で審議した結果、フジテレビに対し、次の2点について追加質問し、またフジテレビ側として付け加えたいことや、新たな意見があれば伺うことにしました。
(1) 放送、特に地上波放送の公共性についてどうお考えでしょうか
(2) 貴社の番組のチェック体制について、あらためてお伺いいたします
フジテレビからの回答は以下のとおりです。

『FNS27時間テレビ』の「爆烈お父さん」に関する追加質問へのご回答

フジテレビジョン

(1)地上放送の公共性について
フジテレビは、その行動宣言において「高い公共性への使命感と放送倫理に対する社会的責任を強く認識し、社会からの共感や信頼を得ることが重要と考えている」とうたっております。様々な年齢性別、多様な生活習慣と趣味嗜好を持つ全ての視聴者の方々に番組をお届けするのが地上波放送であり、番組の種別に関わらず常に公共性を意識した番組制作を心掛けています。
今回『FNS27時間テレビ』においても、地上波の公共性と社会的責任への意識を強く持ちながら制作にあたりましたが、「爆烈お父さん」に関して我々が伝えたかったことと多くの視聴者の方々の受け止め方との間に乖離が生じてしまったことは事実です。
我々はこの結果を真摯に受け止め、改めて地上波放送の公共性の重要度を認識し、今後の番組制作に活かしていく所存です。

(2)番組制作におけるチェック体制について
フジテレビでは民放連放送基準を順守して各番組の企画制作にあたっており、バラエティ制作部では更に以下のチェック体制で放送番組内容の事前確認を行っています。
日頃より番組内容に関する問題事例が発生する度に、プロデューサー会議等で具体的な問題点の検証・情報共有を行い、各制作現場へ浸透を図っています。その上で、制作の過程で表現内容に疑問が生じた場合、番組プロデューサーはバラエティ制作部の上長や編成部の担当者に確認し、更に法律的な問題は法務室、コンプライアンス的な問題は考査・放送倫理部、権利問題は著作権契約部に個別に相談・確認しています。
また、放送の数日前、荒編集または白完(スーパーテロップやナレーションを入れる前のテープ)の段階でバラエティ制作部の部長・担当部長がそれぞれの担当番組の番組プレビューを行っています。ここで行き過ぎた表現がないか実際の映像をチェックし、問題があった場合は再度編集を行います。この荒編集・白完段階でのチェック作業は編成部の担当者も並行して行っており、バラエティ制作部内のチェックと共に二重に確認する体制をとっております。
最終的な放送用完成テープ(所謂完パケテープ)につきましては、MA戻し(整音した音声を完成テープに戻す作業)にプロデューサーが立ち会うなどの形で、最終チェックを行い、放送前に配布される完成テープのDVDコピーを、バラエティ制作部の上長が適宜内容確認する体制を取っております。

この回答も参考に、次回の委員会で再び審議することにしました。

視聴者意見について

  • 「女性が裸になって男性に色々なことをされたり、オススメAVを流したりしている。深夜とはいえ、"性"をバカにしている」などの視聴者意見があり、地方局で放送されている深夜のお色気番組について、全委員が番組を視聴した上で討論しました。委員からは「見ていて痛々しい」「90年代のままの内容で今の時代では許容されないと思う」という意見が出ましたが、「深夜帯での放送の多様性を考えた時、ただちに審議する必要はない」との結論に至り、審議入りはしないものの、今後とも、こうした深夜番組を注視していくことにしました。

  • 女性歌手の自殺報道について、視聴者から『WHO自殺予防 メディアのためのガイドライン』に反しているのではないかとの指摘があったことについて討論しましたが、審議入りはしないことにしました。

中高生モニターについて

9月は「見たい、作りたい番組」とはどんな内容なのか、ジャンルを問わず、番組の企画書を作ってもらいました。
中高生ならではの視点でみなが熱心に企画を考えてくれました。中にはタイトル、放送時間帯、視聴対象、キャスターのほか、ナレーター、ゲスト、番組内容、企画意図など、詳細にわたって4ページもの企画書を書いてくれた方もいました。みな、中高生にも分りやすい番組作りを目指し、好感度の高いタレントを起用したり、現在の中高生に関心の高い「いじめ」などのテーマを取り上げるなど、工夫を凝らしています。
「動物」をテーマに設定している企画書が3本ありました。また、現在放送されている、或いは、最近放送されたテレビ番組からヒントを得た企画が数本見受けられた一方、まったく、違う視点でお年寄り向けの企画を考えてくれたモニターもいました。
「ドキュメンタリー」には、これまでのような日本人目線の作り方ではなく「世界からの視点で」考えることを提案したり、これからの自身の将来を見据えた「職業」について、中高生が実体験したり、また、中高生に人気のタレントさん、お笑い芸人、俳優、歌手が疑似体験するなどの企画書がありました。
野球などのスポーツや、趣味の「読書」を扱った企画もありました。
<自由記述欄>はコマーシャルや番組宣伝スポットに関して内容及び放送される時間帯について感じることを書いてもらいました。「面白いCMがとても多い」と書いているモニターもいましたが、批判の声も多く寄せられました。「ひとつの番組の中で同じCMを何度も流すのはやめてほしい」とか「何のコマーシャルか分からないCMが多くなった」など、内容そのものに関する批判が多くありました。時間帯に関しては「食事の時間帯に、トイレ用洗剤のCMが流れると不快になる」「深夜に通信販売やパチンコ店のCMが集中し、不快に感じることがある」などの意見が寄せられました。

【委員の主な意見】

  • なかなかユニークな発想が多い。オリジナリティがある。動物から見た人間の姿を描く企画があったり、高齢化社会を反映して、おじいちゃん、おばあちゃんを視聴対象者とした提案などがあった。

  • どれもおもしろくて楽しく読んだ。今の中高生は「ためになるもの」を求めているようだ。発想も豊か。また、世代をつなげていこうというような企画も良い。

  • 視聴者参加という形式がキーワードになっているものが多い。隔絶してなく身近なところを求めている。稀有壮大なものはない。また、ゲームと番組をつなげるなど、今の若い人の考え方の特徴が出ている。

  • 将来選択が豊富になりすぎた社会においてどういう職業をどう選ぶかが自分たちの夢の描き方につながるようで、そういう内容の番組企画が多かった。

  • 働くことへの関心が番組企画に反映されているものが多い。自分がどう生きていくか、考えていくに役立つような企画を書いてくれている。ユニークだし、創造性に富んでいる。

  • 動物関連の企画が3つあった。柴犬が主人公の企画もおもしろいし、動物の映像に芸人がコントをアドリブでつけるという発想も大変良い。芸人を鍛える企画になるかなと思った。一時動物番組に人気が出た後、最近は下火になっていたが、また、生き物に関する関心が高くなってきたのかと思った。

  • 身近で実用的な企画が多かった。バラエティであっと驚くような企画は寄せられてない。視聴者参加型の番組人気が根強いようだ。

◆モニターの企画書に対する在京局の現場の方から届いたコメント

◎企画1.『檻の中からごくろうさん』(新潟・中学3年男子)

【ねらい】舞台は動物園。何台ものカメラを7種類の動物の檻に設置し撮影。その映像を1分に編集し、その動物たちに超豪華演技派俳優がアドリブを交えながらセリフをつけていきます。動物たちの会話は「動物から見た人間の姿」「今、人間の間で話題の出来事」など。例えば「スマホに興味を示すゾウ」や「パンダ人気が気に入らない上野動物園のサル」「滝川クリステルのプレゼンに感動したカバ」など。どれもシュールで「クスッ」と笑ってしまいそうな会話で、明日会社や学校へ行くのが憂鬱なすべての人々へのパワーとなることを目指します。

【日本テレビ 編成局 編成部担当部長の感想 『エンタの神様』『仮面ティーチャー』など担当】

我々にとっても、目からウロコの、沢山の企画のタネがありました。その中で幾つかあったのが、企画者の「伝えたい想い」を紹介する番組。ただ、想いを伝えるだけでは、企画とは呼べません。視聴者サイドがどう楽しめるのか、感じるのか、徹底的にこだわって考え抜いて工夫して初めて、「紹介番組」でなく、真の「番組企画」となるのではないでしょうか。そして、そういった工夫が見られる企画も数多くありました。また、『檻の中からごくろうさん』は、動物が喋るという発想がユニークで、ショートコンテンツとしては「アリ」だと思いました。

◎企画2.『免許皆伝!』(岐阜・高校2年女子)

(1)分野別に免許(資格)職業を仕分け、世の中にどんな免許(資格)があるのかまず知る(2)その後人気のあるもの、一部の人しか知らないもの、取るのが難しいもの、年齢制限のないもの、高収入につながるもの、収入にはつながらないかもしれないけれど自分の生活が豊かになるもの、などなど紹介[免許(資格)をとるまでのステップ→生かし方などは図や動画を使って、わかりやすく説明] (3)実際にその免許(資格)を活用している方の生活を紹介。仕事や、企業の裏側を紹介する番組はありますが、免許(資格)に絞って紹介する番組をみてみたいです。(今の自分に知りたい情報なので)免許(資格)をとることがゴールではありませんが、小中高生の将来の進路の手助けになるといいと思います。

◎企画3.『ザ・マネジメント』(島根・中学3年男子)

【ねらい】小学生高学年~中学生の人が会社(大手企業やガソリンスタンドなど)に数日間入社体験をするという企画です。他の大人と同じような仕事をして、どういう風に思ったのかをインタビューしたりします。仕事内容に応じてお給料を渡され、社会人の大変さを勉強する番組です。家族みんなで見ることができる番組なので、19時以降がいいと思います。出演者もお笑いとは違い、コメントがしっかりしている人がいいですが、それだけではかたくなってしまうので、フットボールアワーの2人がいればよいと思います。

◎企画4.『なりきりお仕事体験!!』(愛知・高校2年女子)

中高生は、将来の進路を決める大切な時期です。でも、学校によっては職場体験がなかったり、希望するところがなかったりします。自分が将来何になりたいのかわからないまま進路を決めるのは大変なことだし、自分がイメージする仕事の内容と現実は大きく違っていたりします。だから、普段は見ることができない仕事の内容を中高生が実際に1週間程度体験して、その仕事に対する見方や思いが変わったかなどを聞き、視聴者は新たに職業を知ったり、一つの仕事を多方向から見たりできるようになったらいいと思いました。

【テレビ朝日 編成制作局制作1部 統括担当部長の感想】

皆さんからの企画案を見て「斬新だなぁ!」と思われたのは、"子供の職業体験"に関する企画です。みんなが「次は…?」と考えて同時に思いつくということはある種の予言で、近い将来放送される予感があります。60年の歴史がある日本のテレビで"まだだれも見たことがない"という企画は何らかの問題があるから放送されなかったものです。しかし、中高生のみなさんには自由な発想で思いついた斬新な企画が"なにをクリアすれば実際かたちになるか?"を考えてほしいと思います。

【フジテレビジョン 編成制作局バラエティ制作部 『ネプリーグ』プロデューサーの感想】

今回、皆さんの企画を見て、テレビ番組から「学びたい!」「知りたい!」という気持ちが強いということを改めて実感しました。特に、『免許皆伝!』『なりきりお仕事体験!』『ザ・マネジメント』のように、仕事・職業・企業の事を扱う番組企画に目がとまりました。テレビ番組だからこそ潜入できる企業・職業・現場の裏側ってたくさんありますよね。普段は見られない世界をテレビ番組から吸収し、将来を夢見る。という構造は素晴らしいと思います。ただ、その切り口を新しく・面白く・解りやすく演出することが番組作りには必要です。学生の皆さんのニーズを今回垣間見ましたが、テレビはコアなものであってはいけません。幅広い年代、カテゴリーの方々が楽しめるもの、その仕組みを発明することが日々、私たちの課題です。

◎企画5.『いじめ 徹底討論』 (仙台 高校2年男子)

放送時間帯:20時から 視聴対象:小学生・中学生・高校生
キャスターほか:今でしょ先生(林 修さん/東進ハイスクール)

『僕はなぜ止められなかったのか?~いじめ自殺・元同級生の告白~』(NHK)を偶然見て衝撃を受けました。14歳のとき、"相棒"と呼び合った友だちから、「今までありがとう。さようなら。」というメールを受け取った少年の話です。彼は、相棒がいじめに遭っているのを知りながら、傍観してしまったことに、とても激しく悔いていました。月命日には必ず、線香をあげに相棒のご両親の元を訪れるのですが、とても苦しそうでした。なくならない「いじめ」。そこで、いじめられている人・いじめている人・傍観者になってしまっている人50人をスタジオに呼んで、顔を隠して徹底討論して欲しいのです。なぜいじめは起こるのか。いじめられるとどういう気持ちになるのか。いじめるとどういう気持ちになるのか。なぜ傍観してしまうのか。このあたりに、焦点を置いた番組が見てみたいです。

◎企画6.『楽しく学ぼう!好きになれる勉強!』(山形 中学2年女子)

放送時間帯:19-21頃まで 視聴対象:小学校高学年、中学生
キャスターほか:頭の良い人 芸人さんなどが先生になり、楽しく勉強できる方法を伝授するというような番組が見たいです。歴史の暗記法や各教科、好きになれる勉強法を教えてほしいです。データ放送も使い、視聴者参加型だったら、もっと楽しめると思います。(この企画のイメージはアメトークの勉強大好き芸人です。)

◎企画7.『ビルドアップ!』 (東京 中学3年男子)

放送時間帯:夜8・9時台
視聴対象:10代 キャスターほか:ジャニーズ等の若手(イケメンが汗臭いことを爽やかにこなす)

コンセプト 出演者たちが力を合わせ、毎回のテーマに沿って一つのことを成し遂げる。未開の星の住民である出演者たちが地球に勉強しに来たという設定で、番組内でのクエストをクリアしていくとそれに関係した分野の文明レベルが上がって、さらに高いクエストに挑むことができる(最初は飲料水の確保や狩りといったことから、農業、工業、商業の各職業経験、時に起きる災害への対応といった形で身近な日常生活や職業体験から災害時まで役立つ情報を楽しく提供する。つまり鉄腕DASHや世界の果てまでイッテQにRPGゲーム感覚を合わせたような番組。

【NHK 制作局 青少年・教育番組部 チーフ・プロデューサーの感想 『Rの法則』などを担当】

Nスぺを視聴して思いついた"いじめる人・いじめられる人・傍観者の覆面討論"、アメトークの勉強大好き芸人からイメージした『好きになれる勉強』、鉄腕DASHやイッテQにRPG感覚を加えた『ビルドアップ!』が興味深かったです。全くの新企画はなかなか見当たらない今のテレビ業界では、既存の番組をいかに自分なりにアレンジできるかが、新しいものを生み出す1つのコツでもあります。若い人たちの"番組リテラシー"をもっと聞いてみたいと思いました。

◎企画8.『Book Review』(神奈川・中学1年女子)

放送時間帯:土曜日もしくは日曜日の夜(20時から21時)
視聴対象:小学校高学年からお年寄りまで幅広い世代が対象者
キャスターほか:視聴者参加型(本好きな芸能人と一般人)

この番組は、本好きな視聴者と本好きな有名人(芸能人)で作り上げていく、「本好きあつまれ!」的な番組です。この番組を通して、本好きな人が増えてほしいという願いを込めています。番組は、書いたとおり、視聴者参加型です。本を読むのが好き、音読が得意という中学生以上の視聴者の応募を募って毎月オーディション。音読する本は、その人が好きな本でぜひ他の人にも紹介したいというものや、いま話題沸騰中の本。本のイメージが伝わりやすいように、かわいいアニメーションに合わせて放送したいです。

◎企画9.『Rode to Japan~日本のこれからを担う世代へ~』(宮城・高校2年男子)

放送時間帯:週1または月1の金、土、日のいずれかの夜10時~12時ごろ、ラジオやインターネット配信でも可。
視聴対象:10代から20代の人たち、その父母や祖父母などの世代の方。

キャスターほか:若者(中高生~20代)とその父母世代(40~50代)さらにその祖父母世代(60代~)から、それぞれ毎回違う方に出てもらい、池上さんか田原さんのようなジャーナリストを司会として、様々なジャンル(政治、経済、戦争、領土や憲法だのといわゆる「堅いもの」からアキバ、原宿文化か、エンターティンメント、スマホ、などの若者中心のカルチャーまでと多岐にわたる)の専門家を呼び話を聞いた後、僕たち若者の率直な意見をツイッタ―やFacebooKなどで集めるいわゆる視聴者参加型にし、専門家にこたえてもらったり、父母世代か祖父母世代との考え方のちがいを理解し話し合い「日本のこれからについてしっかり僕たちの世代で考えて、発信していこう」というような内容です。

【テレビ東京 制作局 局次長の感想】

全体的には、役に立って楽しめる視聴者参加型の企画が多く寄せられました。将来の不安を解消したり、学ぶ欲求に応える企画もあり、若くてピュアな感覚を番組化することは大切なことだと思いました。我々は今まで見たことのないような新鮮味のある企画を開発したいと考えています。皆さんも10代の今だから発想できる企画をこれからも考えてみてください。深く考えることで今まで気付かなかった新しいモノが見えてくるかもしれませんよ。

◎企画10.『いつまでも元気!』(兵庫・高校2年女子)

視聴対象者:おじいちゃん、おばあちゃん
出演者:氷川きよしなど 内容:おじいちゃん、おばあちゃんのためのバラエティ番組

体の体操コーナー=これできるかな?かんたんな体操など。頭の体操コーナー=クロスワードパズルなど。お笑いコーナー=笑いは元気の素!漫才コーナーなど。これだけできればひと安心。まだまだいけるよ!と自信がもてるテレビ。本人も周りも元気の目安がわかるテレビがいいと思った。

【TBSテレビ 制作局 バラエティ制作部プロデューサーの感想】

世界のこと、世間のこと、大人のこと、人間のこと、自然科学のことなどなど、興味はあるけど、今の自分には実行できる術はないので、誰か代わりに やってくれているところを見てみたい!…僕が中高生のころ、確かにそんなふうなことをテレビに期待してましたし、そんな番組を見て興奮していました。今回、中高生の皆さんの企画アイデアを拝読させていただき、そんなことを思い出しました。世帯視聴率を金科玉条の指標として、効率と実現性の 追求に明け暮れるばかりに、結局、最大公約数的な番組を作ってしまいがちな"テレビ屋"になってから、すっかり忘れてしまった感覚、とても新鮮でした。

今年度の青少年委員会活動について

  • 10月4日に札幌で行う意見交換会について、進捗状況の報告がありました。
  • 11月26日に開催予定の、在京局とのバラエティー番組に関する勉強会について概要が報告されました。