青少年委員会

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2018年度 中高生モニター会議

2018年度「中高生モニター会議」

◆概要◆

2006年から始まった「モニター制度」も、13年目を迎えました。その間、若い世代のさまざまな意見が委員会に寄せられ、放送局に届けられました。「中高生モニター会議」は、中高生の意見を委員や放送局に直接伝えるとともに、放送局の見学や放送体験、放送に関する討論を通してメディアリテラシーを涵養する場にもなっています。
今年度は、フジテレビの協力のもと7月28日に中高生モニター会議を開催しました。昨年度と同様に、モニター任期の半ばで中高生モニターと委員が顔を合わせ、交流を深め、その後のモニター活動をより意義のあるものにしたいとの考えから、夏休み期間中の開催となりました。

会議には、全国から中高生モニター25人が集まりました。フジテレビからは『めざましテレビ』渡邊貴チーフプロデューサーがディスカッションとグループワークに、西山喜久恵・宮澤智 両アナウンサーがスタジオ見学の案内役として加わってくださいました。またオブザーバーとして塚越裕爾編成局長、現王園佳正編成センター室長、久保木準一編成センター局次長、田信癸危機管理担当役、大野貢制作担当局長、岩村真理子情報制作センター部長、編成部から江花松樹さん、加藤亜利沙さん、前田泰成さん、佐々木萌さんがご参加くださいました。BPOからは、榊原洋一青少年委員会委員長、緑川由香副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、吉永みち子委員が出席しました。

午前11時、フジテレビに集合しオリエンテーションを終えたモニターと委員ら参加者は、まずフジテレビ社屋内V8スタジオを見学しました。スタジオでは、『めざましどようび』の放送を終えた西山、宮澤両アナウンサーが出迎え、スタジオセットの説明や生放送ならでは工夫や苦労などをお話しくださいました。その後は、スタジオカメラの仕組みを解説してもらい、実際にカメラを操作したり、副調整室ではVE(ビデオエンジニア)・SW(スイッチャー)・SE(音響効果)・TK(タイムキーパー)などの役割について説明を受けたのち、放送卓に座ってスイッチングやお天気カメラの操作を体験したりするなど、プロの仕事に触れる機会を得ました。

その後、会議室に戻り稲増委員が進行役となって『めざましテレビ』をテーマとしたディスカッションを行いました。ここからは渡邊チーフプロデューサーが議論に加わり、『めざましテレビ』の制作には全体で200人ものスタッフが関わっていることや、「家族で見られる朝」をコンセプトに、多世代の人に視聴してほしいという思いで制作していることなど、意図や番組への思いなどをお話しくださいました。
モニターたちも「『めざましテレビ』と他局情報番組との違い」や「朝の情報番組に求めること」についてなど、率直な意見を述べ合いました。「『めざましテレビ』は番組のリズムがちょうどよく、決まりを持って朝の時間を過ごすことができる」、「番組テーマカラーのオレンジ色に新鮮味が感じられなくなってきて、今は青がテーマカラーの他局番組を見ている」や「朝、すごく知りたい情報はその日の天気なので、朝の情報番組にとって天気予報は結構重要だ」といった中高生らしい発言がありました。
後半は、『めざましテレビのコーナー企画を考えよう』をテーマにモニターが5班に分かれるグループワークでした。事前に考えてきた自分の企画をプレゼンテーションしあい、討議を経てグループ代表となる企画を決定し、発表するというワークショップでは、熱のこもった話し合いが繰り広げられました。模造紙にグループごとの企画をまとめる頃には、どのグループも初対面とは思えない息の合った作業で、チームワークの良さを発揮していました。その後のプレゼンテーションでは“朝の番組”であることや“時間帯ごとの視聴者層”などを意識したオリジナリティーあふれる10代ならではの発想の企画が次々と発表され渡邊チーフプロデューサーから講評が述べられました。

☆1班「休日何してる?」:世界各国の学生が休日の過ごし方を自撮り動画で紹介する
☆2班「めざましENGLISH!」:曜日ごとにテーマを変え、使える外国語のフレーズを紹介する
☆3班「私の元泉」:著名人が自分の「元気の源」となった映画や本、音楽などを紹介する
☆4班「めざましアニメ」:相反する事柄について2つの視点を取り上げ、視聴者に考えさせる
☆5班「10代が探す!地方の星」:地域の特産・絶景・グルメなどを地方の10代が紹介する

最後にはプレゼンテーションされた5本の企画の中から「企画の実現性の計算と情報番組にとって一番大切な“今”が伝えられる企画であること」、また「番組ホームページに動画を投稿してもらうという企画のオペレーションまで提示し、どんどん垣根がなくなる世界の日常、しかも若者の日常を伝える企画の新しさがある」ことが評価され、1班の「休日何してる?」に渡邊チーフプロデューサーから≪めざましテレビ大賞≫が送られました。

会議の締めくくりとして、榊原 委員長から以下のような言葉がありました。

≪委員長まとめ≫

私は皆さんの何倍も生きていますけれども、こういう新しいアイデアというのが皆さんの中にあるのだなと、生まれてからまだ十何年しか生きてないのに、よくこんなことを考え付くことができるな、と驚きで見ていました。例えば、テレビ離れのディスカッションでも、私たちの世代の人間にとっては、テレビというのは新しいことを知るツールだった。ところが、今は、家族の団らんとか、家族がみんなで一緒に見られることがテレビの意味になってきたんだなということも学べました。
最後の企画も、今日、初めて会った人たちが、短い時間で、これだけおもしろいテーマをつくられたということです。渡邊チーフプロデューサーも「これはもしかすると番組になるかもしれない」ということをおっしゃっています。
皆さんは、今はまだ若いわけですけれども、今から20年、30年たつと社会の中心になっていく。そういう世代なわけです。こういう若い世代が、いろいろな新しい考えを持っていくということで、私のように年とった者も、未来は若い人に任せてもいいのかなと、そういういい思いを持つことができる機会になりました。皆さん、本当に最後までありがとうございました。

以上