青少年委員会

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2017年度 中高生モニター会議

2017年度「中高生モニター会議」

◆概要◆

7月25日、2017年度中高生モニター会議を開催しました。例年は年度末の3月に行っている会議ですが、今年度はモニター任期の半ばで中高生モニターと委員が顔を合わせ、交流を深め、その後のモニター活動をより意義のあるものにしたいとの考えから、夏休み期間中の開催としました。
NHKで行われた会議には、全国から集まった25人のモニターと、汐見稔幸青少年委員会委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員が出席しました。また、NHKから『プロフェッショナル 仕事の流儀』の池田由紀チーフプロデューサーが参加してくださいました。

第1部では、NHK放送センター114スタジオで、『あさイチ 解決!ごはん』のカメラリハーサルの様子を見学しました。翌日の放送に向けて、出演者やカメラマン、ディレクターらスタッフが、真剣に内容の確認を行う様子を間近で見ることができました。また数名のモニターは、出演者の役で、リハーサルに参加しました。出演者の駒村多恵さんに本番さながらに質問をされ、臨機応変に受け答えを楽しんでいました。リハーサル終了後は、スタジオフロアで番組プロデューサーによる質疑応答の時間も設けられました。また、副調整室も見学し、テクニカルディレクターによる副調整室の機能の紹介や機材の解説などに神妙に聞き入り、また活発に質問するモニターの姿も見られました。

第2部の前半は、『プロフェッショナル 仕事の流儀』を題材に、池田由紀チーフプロデューサーを交え、中橋委員が聞き手となって「番組の制作体制と制作期間」「企画の採択基準」や「取材対象者との関係性」「ドキュメンタリーとは何か?」、さらには「伝える工夫と行き過ぎた演出」などついてのディスカッションやモニターとの質疑応答を行いました。
後半は、『“10代に見せたい”プロフェッショナル』の企画会議をモニターが5つのグループに分かれるグループワークの形式で行いました。事前に考えてきた自分の企画をプレゼンテーションしあい、討議を経てグループ代表となる企画を決定し、発表するというワークショップでは、熱のこもった話し合いが繰り広げられました。模造紙にグループ代表の企画をまとめる頃には、どのグループも初対面とは思えない息の合った作業で、チームワークの良さを見せていました。その後のプレゼンテーションでは「ギャンブラー」や「ディズニーリゾートのアトラクション企画者」「公立中学校教師」「給食甲子園優勝者の栄養教諭」「ユーチューバー」といった10代ならではのねらいと視点が光る企画が発表されました。グループワークの最後には、池田チーフプロデューサーから「給食甲子園優勝者」の企画にグランプリが送られ、それぞれの企画への講評が述べられました。
最後には、汐見委員長から以下のような総括の言葉がありました。

≪汐見稔幸委員長まとめ≫

きょうは、「プロフェッショナル」という番組をつくっている方のプロ性というものを体験してもらったように思う。実際に一人の人間を紹介するというのは物すごく難しいことだ。生きて活動している人の何をつなぎ合わせていくのかといったときに、どの場面を紹介すれば本当のその人が出てくるかというのは、なかなかわからない。出演者と一緒になって「この場面を撮ってくれ」「こんなシーンはどうだろう」とやると、それは一つの物語にはなるけれども、結局、その人を見せるのではなくて、その人と一緒につくった物語を見せただけということが起こりかねない。そういうことを深く考えていかないと、本当のことは伝わらないかもしれないという難しさがある。
もう一つは、番組を作り放送することによって「日本人の中に何を残すことができたのだろう」、「何を伝えたことになるのだろう」ということを客観的に考えなければいけないということ。番組は、日本人の考え方だとか生き方だとか、結果としていろんなものに影響を与える。だから、そのことをしっかり考えないと番組はつくれない。それらを全部考えて、みんなで議論しながら一つの作品にしていくという作業が番組制作に携わる人たちがやっていることで、そこには深いプロフェッショナル性というのがあるということを、僕は改めて、きょう、感じた。皆さんもきょうは、日常ではできない経験ができたのではないかと思う。

以上