青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第134回

第134回 – 2012年6月

視聴者からの意見について

中高生モニターについて

第134回青少年委員会は6月26日に開催され、5月16日から6月15日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見と、6月に寄せられた中高生モニター報告について審議したほか、今年度の委員会活動等について委員間で討議した。

議事の詳細

日時
2012年6月26日(火) 午後4時30分~8時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見委員長、境副委員長、小田桐委員、加藤委員、最相委員、萩原委員、渡邊委員、(欠席)川端委員

視聴者意見について

担当委員および事務局より今月の視聴者意見の概要等の報告を受けた結果、審議対象とするべき番組はなかった。ただし、人気子役をナビゲーターに起用している映画番組について「大人向けの内容の映画もあるのに、10歳の子役に映画の内容を説明させるのは問題」という視聴者意見を受けて委員間で意見を交わし、子役を起用している番組の現状について調査し、次回以降の委員会で議論を重ねることとした。

中高生モニターについて

5月から7月までは、「ドラマ・アニメ番組」について報告してもらっている。6月は、最近見た「ドラマ・アニメ番組」の中から、面白そうと思って見たものの「期待はずれだった番組」「面白くなかった番組」を選び、何が良くなかったのか、どこがつまらなかったのかを報告してもらい、33人からリポートが届いた。「そもそも興味のないアニメやドラマは最初から見ない」という意見や、「視聴率が悪いからといって途中で打ち切りになるのは許せない」といった意見が特徴的だった。
具体的には、ドラマ・アニメそれぞれ9番組に対する報告が届いた。その中でドラマ『三毛猫ホームズの推理』(日本テレビ系列)には、「原作と違う」、「話がマンネリ化」、「意外性と人間ドラマがない」など、8人から意見が寄せられた。その他複数意見があったのは、ドラマでは『平清盛』(NHK)、『クレオパトラな女たち』(日本テレビ系列)、『鍵のかかった部屋』(フジテレビ系列)、『パパドル』(TBS系列)、『ATARU』(TBS系列)、アニメでは『宇宙兄弟』(日本テレビ系列)だった。

【主な意見】

  • NHK『平清盛』を、歴史好きの僕としては見ておこうと、家族全員で最初から見はじめたけれども、4回位で、あまりにもわがままで、乱暴すぎる清盛を見るのが嫌になり、もっと歴史を動かす所を見たいと思い見るのをやめました。そうしたら、家族の皆も”これが現実の嫌な所、汚い所だと思うけど、見ていられないね”と、チャンネルを変えるようになりました。中学生にも理解できる内容にしてほしいです」(静岡・中学2年男子)
  • 「僕は何年か前から、NHKの連続テレビ小説を登校前に見ています。この4月から『梅ちゃん先生』になっても見ています。ただ、主人公の梅子が、おっとりしすぎているのと、ドラマの中で笑ってしまうところが少ないと思います。梅ちゃん先生は、頑張っているかもしれないけど、なんだか順調すぎる感じで、もっと挫折してもいいのかなと思います。なんか印象が薄いです。朝ドラは、大阪と東京で、交互で制作しているけど、僕は大阪制作の方が、面白いと思います。<疑問>男性の主人公は、なぜいないのでしょうか?」(京都・中学1年男子)
  • 「私が最近見てつまらなかったと感じたのは『三毛猫ホームズの推理』(日本テレビ)です。私は推理小説が好きで、それがドラマ化されるということで期待していました。しかし、回が進むにつれて、段々と話の展開がマンネリ化してきて、先が読めてしまうという感じでした。また、このドラマは有名な小説が原作です。私も思うのですが、友だちに聞いてもドラマ用に少しリメイクされしすぎで、原作と違うのが残念です。私の考えとしては、このドラマにもう少し原作にそった細やかな演出や雰囲気を出せば、ぐっと面白くなるのではないかと思いました。日本では、年々ドラマの視聴率が低下する傾向にありますが、それにも負けないような面白い作品を作ってもらいたいと思います」(東京・中学1年女子)
  • 「私が期待はずれだった番組は、『名探偵コナン』(日本テレビ系)です。毎週欠かさず見ていて、学校が終わった後の楽しみです。しかし、時々一つの事件に対して4~5週間かけて放送していることがあります。その度に”作者のネタが尽きたのかなぁ”と思います。しかも番組の30分中のほとんどが”先週と一緒やん”といった内容で、面白くありません」(大阪・高校1年女子)
  • 「僕が最近見た期待はずれだったドラマは、去年の秋から冬に放映された『南極大陸』でした。第1話は2時間の放送で、次回からの放送を期待させるような内容で、ストーリーの方向性はよく、TBSがいかに力を入れているのかが分かりました。主演を除くほかの俳優陣の演技力は素晴らしく、とても良かったと思います。気になったのは木村拓哉です。昭和時代の南極での物語であるのにもかかわらず他のキャラクターとは違い、髪の毛が整いすぎていたり、言葉遣いや格好が現代風であったりして、設定にそぐわないものでした。ほかのドラマで見たのと変わらない演技で、期待外れでした。また、クライマックスで南極に取り残された犬たちとの再会の場面で、犬たちが簡単に近寄ってくることはないように思います。震災後、被災地に取り残された犬たちの人間離れを見ているからです。このドラマで描かれたお話は、高倉健主演の映画を見たことのある人も多く、結末は有名です。結末の分かっているドラマを面白くつくるのは大変かもしれませんが、一番大事なのは出演者のセリフ、格好、演技力なので、そこを徹底してもらえればと思います」(東京・中学3年男子)
  • 「僕がこれまで生きてきて、”面白そうと思って見たが、面白くなかった…”という経験はありません。多分そのような結果に陥ってしまったのは、次のような事のためではないかと考えられます。その人の”番組を見分ける目”がない。正当ではない宣伝(過剰な宣伝など)。発端・クライマックスがない。アニメの場合、風景・表情の描写にリアリティーがない。BGMと番組の内容がマッチしていない。番組というものを放送する上で、どれ一つ欠けてもならないと思います」(福島・中学3年男子)
  • 「私はもともとアイドルが好きなので、どれだけ裏側を見られるだろう、どんな風に話が進むのだろうとわくわくして『パパドル』(TBS)の放送を待っていましたが、実際の放送を見てがっかりしました。まず、ドラマの展開が本当の芸能界よりも甘いのではないかと思いました。売り出し中のアイドルグループのセンターが電撃結婚なんて、そんなにやんわりと処分を受けるだけで済むはずがありません。グループの宣伝の為のドラマなんだなという印象を受けました。特定のファンしか興味を持てないと思います。本当の芸能界のことなんて私には分かりませんが、中途半端に真実と嘘の脚色が混ざっていて、完成度はいまひとつだったと思います」(福岡・高校2年女子)
  • 「僕はドラマを見るのをやめるとしたら、やはりどこかで見たことがあるようなものや、インパクトの少ないものは見るのをやめてしまうと思います。どこかで見たようなものをわざわざもう1度見たいとは僕は思いません。また、これは何かのパクリじゃないかと思い始めると、そのことが気になってしまい、見ていてストレスに思うことがあります。今回『ATARU』(TBS)を何回か見ましたが、僕は『SPEC』のパクリに見えて仕方なかったです。関係があるのは知っていても気になってしかたありませんでした。また、いつも同じパターンの繰り返しのものは続けて見たいとは思いません。あと、僕はサウンドトラックが地味なドラマなどはつまらないと思います。次回予告も、次も見たくなるように、次の回の一部をうまく見せ、見たときの驚きもとっておく。予告は短いけど大切なドラマやアニメの一部だと思います」(静岡・高校2年男子)
  • 「私が最近見て”期待はずれ”だった番組はTOKYOMXで放送している『アクセル・ワールド』というアニメです。私がこの番組の良くないと思うところは、専門用語がとても多く、”分かりづらい”ことです。原作のライトノベルを読めば多少は分かりますが、話の転換・進みぐあいが速く、”原作を読んでいる前提”のようになっています。また、専門用語には”カタカナ”が多く、長いためとても覚えづらいです。私は、この作品にもう少し説明を加えたらいいと思います。ストーリーはとても面白いので、もったいない気がします」(東京・中学2年女子)
  • 「私が最近見て面白くなかった番組は、幼稚園の頃から見ていた『プリキュア』だ。初代の『ふたりはプリキュア』よりも人数が多くなっている、いろいろ可愛いアクセサリーが増え、キャラクターも増えている。また変身シーンはバージョンアップしている。昔のほうが覚えやすかった。そのほかに、いつも見ていて疑問に思うことがある。プリキュアたちが変身している間に、敵は倒そうと思うことはないのか、というか、今なら倒せると思って倒すという行動をすればいいのにと思ってしまう。戦隊ものでも”へーんしん”とか言っている間に倒せば、敵の勝ちで終わってしまえばいいのではないかと思う」(神奈川・中学1年女子)
  • 「私が最近見て期待外れだった番組は『黄昏乙女×アムネジア』(TOKYOMX)です。学園内でおきる怪奇現象を解き明かすというストーリーにひかれ、アニメの1話を見ましたが、見ている途中でなんとなく展開が予想できてしまって、途中で見るのをやめてしまいました。アニメでもドラマのような話のものが多いので、アニメだけにしかできない、アニメならではのBGMや声優さんたちの表現力などをもっと主張してほしいなと思いました」(神奈川・高校2年女子)
  • 「僕は『クレオパトラな女たち』(日本テレビ)を見た。番組の視聴率が低下していたため8話で打ち切りになる、と言う情報を得ていたが、最終回での急激な話の展開にはまったくついて行くことができなかった。見終わった後に心残りがすごくあり、その展開・内容にとてもがっかりした。いくら視聴率が上がらなくても、見ているほうは毎回楽しみだから視聴しているのだと思う。なぜ打ち切りでがっかりしている視聴者を、もっとがっかりさせるのか。数少ない視聴者を捨てる感じでいいのか。もっと上手い話の運び方はなかったのか。さまざまな疑問が残る最終回だった。僕は視聴者が0%でない限り、見ている側をがっかりさせない、楽しませる事こそがテレビ局の使命だと思う」(宮城・中学2年男子)

【委員の所感】

  • 期待はずれだった番組の感想を書くのは難しいようだと、あらためて思った。
  • メディアの多様化のため、今の中高生たちはテレビにあまり期待していないのではないか。面白くなかったらすぐ見るのをやめるというテレビの視聴習慣が分かるような気がする。
  • 原作があったり、ジャニーズ系の出演者を集めたりするなど、やすきに流れている番組が多い、今のテレビの状況をよく見ている。
  • 途中で打ち切られたドラマがあるが、「視聴率が0%でない限り、見ている側をがっかりさせない、楽しませることこそがテレビ局の使命」という意見はよく理解できる。
  • 原作のある作品で、小説とテレビというメディアの違いを指摘しているのは素晴らしい。
  • 専門的なディテールをよく見ていて、観察力が優れているリポートには感心させられた。

「今月のキラ★報告」 北海道・中学3年女子

面白くない、というよりも期待はずれだった番組について書きます。それは『三毛猫ホームズの推理』です。
私は赤川次郎さんの本が好きで、よく読みます。ですから、三毛猫ホームズシリーズをドラマ化すると聞いて、とても期待していました。しかし、見てみると何か足りない気がして、何となく見るのをやめてしまいました。今回、モニターのテーマが発表されて、あらためて見てみましたが、やはり何か足りない気がしました。
上手く言えないのですが、足りないものは意外性と人間ドラマだと思います。正確に言えば、赤川次郎独特の意外性と人間ドラマです。普通のドラマとしての意外性とユーモアはありますが、赤川次郎独特のものがないから期待はずれだったんだと思います。
あらためて私が見たのは8回目と9回目です。ここから先はネタバレしてしまいますが、ドラマでは怪しい人がたくさんいて、一番怪しい人がいて、その人は犯人じゃないのかな…?と思ったところで、やっぱりその人が犯人だった、という流れでした。でも、小説だったら怪しい人がたくさんいて、一番怪しい人がいて、でもその人は犯人ではなく、本当に意外な、1ページ目にある登場人物表の後ろから3番目ぐらいの人物が犯人だったはずです。
赤川次郎の魅力の一つは、その唐突に見える犯人と、よく読み返すと発見する伏線です。その犯人の唐突さがドラマではいささか薄い気がします。
次に、人間ドラマです。これも赤川次郎の特徴です。ドロドロとした、数奇な運命によって、キャラクターの人間性が試されるような人間関係が展開されます。ミステリーというよりは明るくした横溝正史みたいなサスペンスものっぽい感じです。赤川次郎の作品の魅力の一つはそのドロドロとした関係の中で、キャラクターが性格の良さ、強さによって状況を打開、もしくは受け止めるので、読後感がものすごく良いところです。ドラマでは、ただのミステリーになっている気がします。
あと、赤川次郎の作品にはどうしようもない小悪党がでてきます。その愚かさとそいつに振り下ろされる笑える天罰、そういう特徴もないのは残念です。
つまり、ドラマでは赤川次郎の小説の独特な世界観が表現しきれていません。それが『三毛猫ホームズの推理』を私が期待はずれだと思った理由です。あと、個人的で感情的な意見ですが、ミステリードラマは週をまたぐべきではないと思います。

【委員会の推薦理由】

赤川次郎の小説をよく読みこんで特徴を捉えた上で、原作にはあるにもかかわらずテレビドラマに欠けている点を的確に表現している点が評価されました。